以下には、本発明を適用した車載用のディスク装置の実施の形態(以下、実施形態とする)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、請求項に記載のドライブ移動手段はドライブベース及びこれを回動させるための機構、ディスク把持手段はディスクストッパ機構に対応する。また、以下の図面においては、ディスク装置の正面側を前方、背面側を後方とし、正面側から見て上側を上方、下側を下方、左側を左方、右側を右方とする。さらに、以下の第1〜3の実施形態のディスクホルダは、参考例であり、請求項1〜6の発明に対応する実施形態は、第4〜5の実施形態である。
[第1の実施形態]
[A.全体構成]
本実施形態は、図1〜図4に示すように、以下のような構成部から成っている。なお、図1は、本実施形態の全体構成を示す分解斜視図、図2及び図3は透視平面図、図4は正面図である。なお、図1〜図4においては、一部の部材の図示を省略しているが、各構成部における部材の詳細はそれぞれの括弧内に示した図面に開示されている。
(1)ディスクDを個別に収容可能なホルダプレート11が複数積層されたディスクホルダ10(図5〜図20)
(2)ディスクホルダ10が装着されたロワーシャーシユニット20(図21〜図44)
(3)ディスク挿入口31を備えたアッパーシャーシユニット30(図45〜図51)
(4)ディスクホルダ10を分割するディスクセレクタ41A,41Bを備えたドライブシャーシユニット40(図52〜図66)
(5)ディスクホルダ10に対してディスクの挿排を行うローディングローラ51を備えたローディングブロック50(図67〜図74)
(6)ディスクホルダ10間に振込み可能に設けられ、ディスク再生のためのドライブユニット62を備えたドライブベースユニット60(図75〜図94)
このような本実施形態においては、図2及び図3、図11〜図13に示すように、ローディングローラ51によってディスク挿入口31から搬入されたディスクDを、各ホルダプレート11の上部に収納しておくことができる。そして、ディスク再生時には、ホルダプレート11に収納されたディスクDのうち、所望のディスクDに対してドライブシャーシユニット40の高さを合わせ、図58に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bによって該ディスクDの上下のホルダプレート11を分割退避させる。このようにホルダプレート11が退避することによって生じたスペースに、図12及び図87に示すように、ドライブユニット62を振り込ませ、これにディスクDをセットして、その情報を読み取る。
[B.各ユニットの構成の概略]
以上のような本実施形態の各部の構成の概略を簡単に説明する。
[1.ディスクホルダ(図5〜図20)]
ディスクホルダ10は、ディスク間を仕切る6枚のホルダプレート11と1枚の上面板12が、積層状態で昇降可能に設けられることによって、所望の位置で上下に分割可能(各ホルダプレート11間の間隔を変更可能)に構成されたものである。そして、各ホルダプレート11には、ディスクDのセンターホールの縁(以下、ディスク内縁と呼ぶ)を把持することにより、個々のホルダプレート11の上部にディスクDを一枚づつ保持するディスク保持機構15が設けられている。
[2.ロワーシャーシユニット(図21〜図44)]
ロワーシャーシユニット20は、その内底面に配設されたカムギア21を回動させることによって、ディスクホルダ10の分割、ディスク内縁の把持/解放、ディスクDの外縁の把持/解放、ローディングローラ51の前後動、ディスク挿入口31の開閉、ドライブベースユニット60の回動等を行うように構成されている。このカムギア21は、カムギア駆動モータM1を駆動源とするカムギア駆動ギア機構22aを介して、回動可能に設けられている。また、ロワーシャーシユニット20には、ドライブシャーシ昇降モータM2を駆動源とするドライブシャーシ昇降ギア機構22bが設けられている。
[3.アッパーシャーシユニット(図45〜図51)]
アッパーシャーシユニット30におけるディスク挿入口31は、正面側のフロントプレート30aに設けられている。また、フロントプレート30aには、シャッタ開閉プレート33によって、ディスク挿入口31を開閉するシャッタ32が設けられている。また、アッパーシャーシユニット30のフロントプレート30a及び後外側面には、ドライブシャーシユニット40を所望の位置に昇降させるドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bが設けられている(図4及び図44参照)。
[4.ドライブシャーシユニット(図52〜図66)]
ドライブシャーシユニット40は、上記のドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bのスライド移動に従って、装置内を昇降可能に設けられている。ドライブシャーシユニット40の後内側面には、ホルダプレート11を分割昇降させるディスクセレクタ41Aが左右にスライド移動可能に設けられている。また、ドライブシャーシユニット40の右内側面には、ディスクセレクタ41Aとともに、ホルダプレート11を分割昇降させるディスクセレクタ41Bが前後にスライド移動可能に設けられている。さらに、ドライブシャーシユニット40の右前部には、ローディングローラ51を回動させるローディングモータM3及びこれを駆動源とするローディングギア機構44が設けられている。
[5.ローディングブロック(図67〜図74)]
ローディングブロック50は、ドライブシャーシユニット40の前部に、前後にスライド移動可能に設けられており、ディスク挿入口31からディスクDを挿排する手段として、ディスク挿入口31に平行に配置されたローディングローラ51を備えている。ローディングローラ51は、ローディングブロック50が後方に移動したとき、ローディングローラ51の軸端に設けられたローラギア51aが、前述のローディングギア機構44に係合することによって、ローディングモータM3を駆動源として、ディスク挿入方向(正方向)若しくは排出方向(逆方向)に回動するように構成されている。
[6.ドライブベースユニット(図75〜図94)]
ドライブベースユニット60は、分割されたディスクホルダ10内に振り込まれるプレートであるドライブベース61と、このドライブベース61上に設けられたドライブユニット62を備えている。ドライブユニット62は、ターンテーブル63やピックアップユニット65a等、ディスクDの再生に必要な部材を備えている。また、ドライブベース61には、ドライブユニット62をダンパー66のみによって弾性支持するフローティング状態と、ドライブベースユニット60上に固定するロック状態との切り替えを行うフローティングロック機構が設けられている。つまり、ドライブベース61が分割されたディスクホルダ10内に振り込まれると、ドライブユニット62がフローティング状態となり、所望のディスクがターンテーブル63上にセットされ、ピックアップユニット65aによる再生が行われるように構成されている。
[C.各ユニットの構成と機能の詳細]
さらに、図1〜図94を参照しながら、各ユニットの構成と機能について、より詳細に説明する。
[1.ディスクホルダ]
[1−1.ホルダプレート]
ホルダプレート11は、図5〜図8に示すように、略扇形のプレートであり、その円弧部分は、ディスク外縁に沿うとともに、半円よりもやや短く形成されている。ホルダプレート11には、ロワーシャーシユニット20の右側面及び後側面に対応する位置に、ディスクセレクタ41A,41Bが係合する突起14aが設けられている。そして、ホルダプレート11にはガイド穴14bが形成されており、このガイド穴14bには、ロワーシャーシユニット20の内底から垂直方向に立ち上げられた4本のガイドシャフト20a(図1参照)が挿通されている。さらに、ホルダプレート11の後部には、後述するディスクストッパ25Bの凸部25Baが入るための凹部14cが形成されている。なお、他の図面においては図示を省略したが、図5に示すように、最上段のホルダプレート11の上部には、上記の突起11a、ガイド穴14b及び凹部14cに対応する突起12a、ガイド穴12b及び凹部12cが設けられた上面板12が配設されている。
この上面板12及び最下層のホルダプレート11には、図5及び図7に示すように、係留突起12d,14dが設けられており、この係留突起12d,14dには、図9及び図10に示すように、垂直方向の引張コイルばねであるスプリング14eの上下の端部が取り付けられている。このため、全てのホルダプレート11は、スプリング14eによって、互いに近接する方向(ディスクホルダ10が閉じる方向)に付勢されている。そして、上述のように、ディスクホルダ10は、ディスクローディング時及びディスク再生時には、ディスクDの上下のホルダプレート11が退避するように構成されているが、図11〜図13に示すように、ディスクローディング時及びディスク再生時におけるディスクホルダ10の開き量Aの寸法は同じとなるように、且つ、図16に示すように、ディスクローディング時におけるディスクDの位置(ディスク挿入口31に対応する位置)が、ディスク再生時におけるディスクDの位置よりも、寸法Bだけ高くなるように設定されている。
また、図5〜図8に示すように、各ホルダプレート11におけるディスクDのセンターホールに対応する位置には、略円形の穴11aが形成されている。この穴11aには、ディスク内縁に当接する3つの当接爪11bが設けられている。さらに、図3、図2及び図60に示すように、ロワーシャーシユニット20に装着されたディスクホルダ10は、その穴11aの中心が、平面方向から見て、ディスク挿入口31の中心から、やや右方にずれた位置となるように設定されている。
[1−2.ディスク保持機構]
ディスク保持機構15は、上記の当接爪11bとともに、ディスクDの内縁を保持する機構である。すなわち、ディスク保持機構15は、図17及び図18に示すように、ディスクDの半径方向にスライド移動可能に設けられたディスクホールドアーム16と、このディスクホールドアーム16の移動に従って、ディスクDの内縁に係脱するディスクホールドリンク17,18によって構成されている。
ディスクホールドアーム16には、図19及び図20に示すように、そのディスク外縁側の端部に、後述するディスクストッパ25Aの凸部25Aaによって押圧される被押圧部16aが設けられるとともに、トーションスプリング16cによってディスク外縁側へ付勢されている。また、ディスクホールドアーム16におけるディスク中心側の端部には、ピン16bが設けられている。
ディスクホールドリンク17,18は、図17に示すように、それぞれが略L字形のプレートであり、その一端にディスクDの内縁に係合する係合爪17a,18aが設けられている。このディスクホールドリンク17,18は、図6及び図7、図19に示すように、互いの係合爪17a,18aが相反する(開く)方向に向いてディスクDに係合するように、その係合爪17a,18aと反対側の端部が重ねられ、ホルダプレート11の穴11aの縁に設けられた共通の軸19を中心に、回動可能に構成されている。
そして、ディスクホールドリンク17,18には、略くの字形状のカム穴17b,18bが形成されており、このカム穴17b,18bには、ディスクホールドアーム16のピン16bがスライド移動可能となるように挿通されている。このため、図20に示すように、被押圧部16aを押されたディスクホールドアーム16が、ディスクDの中心側にスライド移動すると、カム穴17b,18bに沿ってピン16bが移動するので、ディスクホールドリンク17,18が、互いの係合爪17a,18aを閉じる(接近する)方向に回動して、ディスク内縁を解放するように構成されている。
[2.ロワーシャーシユニット]
[2−1.カムギア]
ロワーシャーシユニット20の内底面に回動可能に設けられた円形のカムギア21は、図21及び図22に示すように、その外縁に円弧状のギア溝21aが形成されている。このギア溝21aには、カムギア駆動モータM1を駆動源として作動するカムギア駆動ギア機構22aが係合している。また、カムギア21には、ディスクホルダ10を所望の位置で分割してドライブベースユニット60の振込みスペースを形成するために、ディスクセレクタ41A,41Bを制御するディスクセレクタ駆動制御カム21b、ドライブベースユニット60を回動させて振込みスペースへの振り込み及び振り出しを行うためのドライブユニット駆動制御カム21c、ディスクDの保持/解放を制御するためのディスクストッパ駆動制御カム21d、ローディングブロック50を前後動させるためのローディングブロック駆動制御カム21eが形成されている。
カムギア21に設けられた各カムは、カムギア21と同心であって、回転径の異なる複数の円弧を連通させたものであり、各カムに挿通されたピンがいずれの箇所に移動するかによって、ピンが設けられた制御対象の位置が決定されるように構成されている。すなわち、ディスクセレクタ駆動制御カム21bは、図23〜図27に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bを初期位置(0)とする部分、所望のホルダプレート11の上下のホルダプレート11を退避させるホルダー開き位置(1)とする部分、所望のホルダプレート11を下降させてディスクから退避させるホルダー開き位置(2)とする部分、全てのホルダプレート11を上下にさらに退避させるホルダー開き位置(3)とする部分を有している。
ディスクストッパ駆動制御カム21dは、図32及び図33に示すように、後述するディスクストッパ25A,25Bを、ディスクDを解放するリリース位置(1)とする部分と、ディスクDを把持するホールド位置(2)とする部分とを有している。ローディングブロック駆動制御カム21eは、図39〜図41に示すように、ローディングローラ51をディスクDから解放するリリース位置(0)とする部分と、ローディングローラ51を後方に移動させてディスクDを保持可能なホールド位置(1)とする部分と、ローディングローラ51をさらに後方に移動させてディスクローディング及びアンローディング可能なホールド位置(2)とする部分とを有している。さらに、ドライブユニット駆動制御カム21cは、図43に示すように、ドライブベース61を初期位置(1)に保持する部分と、ドライブベース61を回動位置(2)とする部分を有している。
以下、ロワーシャーシユニット20に設けられ、上記のようなカムギア21によって駆動される各機構を説明する。
[2−2.ディスクセレクタ駆動機構]
まず、ドライブシャーシユニット40に設けられたディスクセレクタ41A,41Bを駆動するディスクセレクタ駆動機構24を説明する。すなわち、ディスクセレクタ駆動機構24は、図21及び図23に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bに直接接して駆動するディスクセレクトプレート24A,24Bと、カムギア21からの駆動力を、ディスクセレクトプレート24A,24Bに伝達するディスクセレクトプレート24C,24Dを備えている。
ディスクセレクトプレート24Aは、図28(A)(B)に示すように、ロワーシャーシユニット20の内底に沿った水平面と後側面に沿った垂直面を有するプレートであり、左右方向にスライド移動可能に設けられている。ディスクセレクトプレート24Aの垂直面には、ディスクセレクタ41Aに設けられたピン41Adとの連結用の凹部24Aaが形成されており、水平面には、ディスクセレクトプレート24Cに設けられたピン24Caとの連結用の凹部24Abが形成されている。
ディスクセレクトプレート24Bは、図29(A)(B)(C)に示すように、ロワーシャーシユニット20の内底に沿った水平面と右側面に沿った垂直面を有するプレートであり、前後方向にスライド移動可能に設けられている。ディスクセレクトプレート24Bの垂直面には、ディスクセレクタ41Bに設けられたピン41Bdとの連結用の凹部24Baが形成されており、水平面には、ディスクセレクトプレート24Cに設けられたピン24Cbとの連結用の凹部24Bbが形成されている。
ディスクセレクトプレート24Cは、図30に示すように、略半円形状のプレートであり、カムギア21の軸の近傍に設けられた軸を中心として、ロワーシャーシユニット20の内底に回動可能に設けられている。そして、上述のように、ディスクセレクトプレート24Cは、ピン24Ca,24Cbを介して、ディスクセレクタ41A,41Bに動力を伝達可能に設けられている。また、ディスクセレクトプレート24Cには、ディスクセレクトプレート24Dからの付勢力が伝達されるピン24Ccも設けられている。
ディスクセレクトプレート24Dは、図31(A)(B)に示すように、クランク形状のプレートであり、ロワーシャーシユニット20の内底におけるディスクセレクトプレート24Cの軸の近傍に、左右にスライド移動可能に設けられている。ディスクセレクトプレート24Dには、ディスクセレクトプレート24Cのピン24Ccとの連結用の凹部24Daが設けられている。また、ディスクセレクトプレート24Dの端部には、カムギア21のディスクセレクタ駆動制御カム21bに挿入されたピン24Dbが設けられている。
[2−3.ディスクストッパ機構]
次に、ディスクホルダ10に収納されたディスクDのうち、再生するディスクDをローディングローラ51との間で把持してホルダプレート11を退避させた後、再生時に解放するディスクストッパ機構25を説明する。すなわち、図32に示すように、ディスクストッパ機構25は、ディスクDの縁に当接するディスクストッパ25A,25B、ディスクストッパ25A,25Bを移動させるディスクストッパリンク25C,25D、ディスクストッパリンク25C,25Dを駆動するディスクストッパプレート25E、カムギア21からの駆動力を、ディスクストッパプレート25Eに伝達するディスクストッパプレート25Fを備えている。
ディスクストッパ25A,25Bは、図1〜図3、図19及び図20に示すように、ディスクストッパリンク25C,25Dに設けられた垂直方向のシャフト25Ca,25Daに取り付けられている。ディスクストッパ25Aは、図36(A)に示すように、シャフト25Caの移動に従って、ディスク保持機構15におけるディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢する凸部25Aaと、ディスクDの縁に接離する把持部25Abとを有している。ディスクストッパ25Bは、図35(B)に示すように、シャフト25Daの移動に従って、ディスクDに接離する把持部25Bbを有している。
ディスクストッパリンク25C,25Dは、図21及び図32に示すように、ロワーシャーシユニット20の内底の後部に、それぞれガイドシャフト20aを軸に回動可能に設けられている。そして、ディスクストッパリンク25C,25Dには、図34及び図35に示すように、上記のディスクストッパ25A,25Bが取りつけられたシャフト25Ca,25Daが設けられている。さらに、ディスクストッパリンク25C,25Dには、ディスクストッパプレート25Eの付勢力が伝達されるピン25Cb,25Dbが設けられている。
ディスクストッパプレート25Eは、図32及び図44に示すように、ロワーシャーシユニット20の外底に、前後にスライド移動可能に設けられている。このディスクストッパプレート25Eには、図37に示すように、ディスクストッパリンク25C,25Dのピン25Cb,25Dbが挿通されたカム穴25Ea,25Ebが略ハの字状に形成されている。また、ディスクストッパプレート25Eには、ディスクストッパプレート25Fのピン25Faが挿通された斜め方向のカム穴25Ecが設けられている。ディスクストッパプレート25Fは、図32に示すように、ロワーシャーシユニット20の内底に左右にスライド移動可能に設けられている。このディスクストッパプレート25Fには、図38に示すように、上記のピン25Faが設けられている。また、ディスクストッパプレート25Fには、カムギア21のディスクストッパ駆動制御カム21dに挿通されたピン25Fbが設けられている。
[2−4.右ローディングブロックスライドプレート]
次に、ローディングブロック50を前後動させるための右ローディングブロックスライドプレート26を説明する。すなわち、右ローディングブロックスライドプレート26は、図21及び図39に示すように、ロワーシャーシユニット20の外底に沿った水平部と、右側面に沿った垂直部とを有するプレートであり、その水平部がロワーシャーシユニット20の内底に前後にスライド移動可能に設けられている。右ローディングブロックスライドプレート26の垂直部には、図42に示すように、後述するローディングブロック50右端の突出部52に係合する穴26aが設けられている。
この穴26aは、右ローディングブロックスライドプレート26の前後動に従ってローディングブロック50を前後動させるが、ドライブシャーシユニット40の上下動に従うローディングブロック50の昇降を許容するように、縦長の長方形状に形成されている。また、右ローディングブロックスライドプレート26には、カムギア21のローディングブロック駆動制御カム21eに挿通されたピン26bが設けられている。さらに、右ローディングブロックスライドプレート26には、後述するシャッタリンクプレート27を駆動するための斜め方向のカム穴26cが形成されている。
[2−5.シャッタリンクプレート]
また、ロワーシャーシユニット20には、後述するシャッタ開閉機構に駆動力を伝達するためのシャッタリンクプレート27が設けられている。このシャッタリンクプレート27は、図21、図39及び図44に示すように、ロワーシャーシユニット20の外底に沿った水平部と、前面に沿った垂直部を有するプレートであり、その水平部がロワーシャーシユニット20の外底に左右にスライド移動可能に設けられている。シャッタリンクプレート27の垂直部には、シャッタ開閉機構における回動プレート34に駆動力を伝達するための凹部27aが設けられている。また、シャッタリンクプレート27の水平部には、ローディングブロックスライドプレート26のカム穴26cに挿通されたピン27bが設けられている。
[2−6.ドライブベース駆動プレート]
さらに、ロワーシャーシユニット20には、ドライブベースユニット60を回動させるためのドライブベース駆動プレート28が設けられている。すなわち、ドライブベース駆動プレート28は、図21、図43及び図44に示すように、ロワーシャーシユニット20の外底に沿った水平部と、後面に沿った垂直部とを有するプレートであり、その水平部がロワーシャーシユニット20の外底に左右にスライド移動可能に設けられている。ドライブベース駆動プレート28の垂直部には、図79に示すように、ドライブベースユニット60に駆動力を伝達するための穴28aが形成されている。この穴28aは、ドライブシャーシユニット40の上下動に従うドライブベースユニット60の昇降を許容するように、縦長の長方形状に形成されている。また、ドライブベース駆動プレート28の水平部には、カムギア21のドライブユニット駆動制御カム21cに挿通されたピン28bが設けられている。
[3.アッパーシャーシユニット]
[3−1.ディスク挿入口開閉機構]
アッパーシャーシユニット30のフロントプレート30aにおけるディスク挿入口31は、図45〜図47に示すように、その高さ方向の位置がディスク装置の上寄りとなり、その幅方向の位置がディスク装置のほぼ中央となるように形成されている。このディスク挿入口31を開閉するシャッタ32は、フロントプレート30aに上下にスライド移動可能に設けられている。そして、フロントプレート30aには、シャッタ開閉プレート33が、左右にスライド移動可能に設けられ、このシャッタ開閉プレート33に設けられた傾斜カム穴33aに、シャッタ32に設けられたピン32aが挿通されている。これにより、図46及び図47に示すように、シャッタ開閉プレート33の左右方向の移動に従って、傾斜カム穴33aが上方若しくは下方にピン32aを付勢するので、シャッタ32が上下動して、ディスク挿入口31が開閉するように構成されている。
なお、初期状態でシャッタ32が閉位置となるように、シャッタ開閉プレート33は、スプリング33bによって右方向に付勢されている。また、フロントプレート30aには、回動プレート34が回動可能に設けられており、この回動プレート34の下端には、図4に示すように、シャッタリンクプレート27の凹部27aに係合したピン34aが設けられている。そして、この回動プレート34の回動に従って、後述するように、シャッタ開閉プレート33及び左ローディングブロックスライド機構35が作動するように構成されている。
[3−2.左ローディングブロックスライド機構]
左ローディングブロックスライド機構35は、図45〜図49に示すように、スライドリンク36、回動リンク37、左ローディングブロックスライドプレート38によって構成されている。スライドリンク36は、フロントプレート30aに左右にスライド移動可能に設けられ、その右端が、回動プレート34の上端に連結されている。また、スライドリンク36には、左方向へのスライド移動に応じて、シャッタ開閉プレート33の右端を付勢する押圧部36aが設けられている。回動リンク37は、アッパーシャーシユニット30の上面の左前隅に回動可能に設けられ、その一端がスライドリンク36の左端に連結されているので、スライドリンク36のスライド移動に従って回動するように構成されている。
左ローディングブロックスライドプレート38は、アッパーシャーシユニット30の上面に沿った水平部と、左側面に沿った垂直部とを有するプレートであり、その水平部がアッパーシャーシユニット30の上面に、前後にスライド移動可能に設けられている。この左ローディングブロックスライドプレート38の水平部には、回動リンク37の他端が連結されているので、回動リンク37の回動に従ってスライド移動するように構成されている。左ローディングブロックスライドプレート38の垂直部には、図49に示すように、後述するローディングブロック50左端のピン53に係合する溝38aが設けられている。この溝38aは、左ローディングブロックスライドプレート38の前後動に従ってローディングブロック50を前後動させるが、ドライブシャーシユニット40の上下動に伴うローディングブロック50の昇降を許容するように、縦長に形成されている。
[3−3.ドライブシャーシ昇降プレート]
ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bは、図4及び図44に示すように、アッパーシャーシユニット30の前後の面に、左右にスライド移動可能に設けられている。この一対のドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bは、ロワーシャーシユニット20の外底面に回動可能に設けられたリンクプレート20bによって、互いに相反する方向にスライド移動するように連結されている。そして、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bには、それぞれ階段状カム34Aa(34B側は図示を省略)が形成されており、これらの階段状カム34Aaに、後述するドライブシャーシユニット40の前後に設けられたピン40aが挿通されることにより、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bのスライド移動に従って、ドライブシャーシユニット40が昇降するように構成されている。
また、ドライブシャーシ昇降プレート34Aには、図4に示すように、水平方向のラック34Abが形成されており、このラック34Abに、ロワーシャーシユニット20に設けられたドライブシャーシ昇降モータM2に駆動されるドライブシャーシ昇降ギア機構22bが係合している。従って、ドライブシャーシ昇降モータM2が作動すると、ドライブシャーシ昇降ギア機構22bを介して、ドライブシャーシ昇降プレート34Aがスライド移動し、同時に、図44に示すように、リンクプレート20bを介して、ドライブシャーシ昇降プレート34Bが逆方向にスライド移動するように構成されている。なお、ドライブシャーシ昇降プレート34Aには、図4に示すように、方形波形状の溝34Acが形成されており、この溝34Acをセンサが検知することによって、ドライブシャーシ昇降プレート34Aの位置を検出し、ドライブシャーシユニット40の高さを制御できるように構成されている。
[3−4.ディスクホルダ分割ガイド]
さらに、アッパーシャーシユニット30には、図48、図50及び図51に示すように、ディスクホルダ分割ガイド39A,39Bが設けられている。ディスクホルダ分割ガイド39Aは、アッパーシャーシユニット30の後上面に沿った水平部と、後側面に平行な垂直部とを有しており、その水平部がアッパーシャーシユニット30の上面に左右にスライド移動可能に設けられている。ディスクホルダ分割ガイド39Aの垂直部には、ガイド部39Aaが設けられている。このガイド部39Aaは、図56に示すように、ディスクホルダ10の分割がスムーズに行われるように、ディスクセレクタ41Aによって付勢されるホルダプレート11の突起13に、その付勢方向と反対側から当接する。また、ディスクホルダ分割ガイド39Aの左端(背面側から見て右端)には、ディスクセレクタ41Aの端部が当接する当接部39Abが設けられている。さらに、ディスクホルダ分割ガイド39Aは、スプリング39Acによって右方(ディスク分割時のディスクセレクタ41Aの付勢方向と同方向)に付勢されている。
ディスクホルダ分割ガイド39Bは、アッパーシャーシユニット30の右上面に沿った水平部と、右側面に平行な垂直部とを有しており、その水平部がアッパーシャーシユニット30の上面に前後にスライド移動可能に取り付けられている。ディスクホルダ分割ガイド39Bの垂直部には、ガイド部39Baが設けられている。このガイド部39Baは、ディスクセレクタ41Bによって付勢されるホルダプレート11の突起13に、その付勢方向と反対側から当接する。また、ディスクホルダ分割ガイド39Bの後端(側面側から見て右端)には、ディスクセレクタ41Bの端部が当接する当接部39Bbが設けられている。さらに、ディスクホルダ分割ガイド39Bは、スプリング39Bcによって前方(ディスク分割時のディスクセレクタ41Bの付勢方向と同方向)に付勢されている。
[4.ドライブシャーシユニット]
[4−1.ディスクセレクタ]
ドライブシャーシユニット40は、上記のように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bによって昇降するが、これはディスクセレクタ41A,41Bを、ディスクホルダ10の所望の分割位置に位置決めする役割を果たす。このディスクセレクタ41A,41Bは、図52に示すように、ドライブシャーシユニット40の後内側面及び右内側面にスライド移動可能に設けられている。ディスクセレクタ41A,41Bに形成されたカムは、図56(A)(B)に示すように、先端がくさび形状となっており、その移動に従ってホルダプレート11の突起14aに当接する平滑な上段カム41Aa,41Ba、下段カム41Ab,41Bb及び中段カム41Ac,41Bcを有している。
上段カム41Aa,41Baは、再生するディスクDを収納したホルダプレート11よりも上方のホルダプレート11の突起14aを上方に付勢するように、上昇する傾斜面とこれに連続した水平面、さらに上昇する傾斜面とこれに連続した水平面を有するカムである。下段カム41Ab,41Bbは、再生するディスクを収納したホルダプレート11よりも下方のホルダプレート11の突起14aを、下方に付勢するように、下降する傾斜面とこれに連続した水平面、さらに下降する傾斜面とこれに連続した水平面を有するカムである。中段カム41Ac,41Bcは、上段カム41Aa,41Baと下段カム41Ab,41Bbとの間に設けられ、再生するディスクを収納したホルダプレート11の突起14aが、その下方のホルダプレート11よりも遅れて下方に移動するように、水平面とこれに連続した下降する傾斜面を有し、さらに下段カム41Ab,41Bbに合流するカムである。
[4−2.ディスクガイド]
ディスクガイド42は、図60に示すように、ドライブシャーシユニット40内の左部に設けられ、ディスクホルダ10内へのディスクの搬入の際に、ディスクDの左縁が当接するように構成されている。より具体的には、図61〜図66(A)〜(C)に示すように、ディスクガイド42は、正面方向から見て、一枚のディスクが通過可能な略コの字形を有する部材であり、その左内側面には、平面方向から見て右上がりとなる傾斜面42aが形成されている。これにより、図60、図62〜図65に示すように、ディスク搬入時に、ディスク挿入口31からローディングローラ51に直交する方向に挿入されたディスクは、その左縁が傾斜面42aに当接することによって進路を変え、平面方向から見て斜め右上方向に案内される。また、ディスク搬出時には、平面方向から見て斜め左下方向に引き出されたディスクは、その左縁が傾斜面42aに当接することによって、ローディングローラ51に直交する方向に進路を変えて、ディスク挿入口31から排出される。従って、図60及び図62に示すように、平面方向から見て、ディスクホルダ10の中心C1が、ディスク挿入口31におけるディスクDのセンターホールから右側にずれていても、図60、図63〜図65に示すように、ディスクDは、ディスクホルダ10に対して正確に搬入、搬出される。
[5.ローディングブロック]
ローディングローラ51を備えたローディングブロック50は、図67〜図71に示すように、上下のローディングプレート50a,50bを組み合わせた長方形状のフレームであり、その右端に設けられた突出部52が、図52に示すように、ドライブシャーシユニット40の右側面に形成された前後方向のスリット40bに、スライド移動可能に挿通されている。また、ローディングブロック50の左端に設けられたピン53は、図55に示すように、ドライブシャーシユニット40の左側面に形成された前後方向のスリット40cに、スライド移動可能に挿通されている。
そして、上述の図39〜図42に示すように、突出部52は右ローディングブロックスライドプレート26の穴26aに係合し、図49に示すように、ピン53は左ローディングブロックスライドプレート38の溝38aに係合している。このため、左右のローディングブロックスライドプレート26,28の移動に従って、ローディングブロック50が前後にスライド移動するように構成されている。
また、ローディングブロック50が後方に移動すると、図73及び図74に示すように、ローラギア51aがローディングギア機構44のギア44aに係合するが、このとき、ローラギア51aとギア44aとを、バックラッシュをキープしつつ噛み合わせるために、ローディングローラ51の右端には、ローラギア51aと同中心のローラスリーブ51bが設けられ、ローディングギア機構44には、ギア44aと同中心のストッパプレート44bが設けられている。
そして、図61に示すように、ローディングブロック50における上方のローディングプレート50aの下面は、ローディングローラ51との間でディスクDを挟持するローラガイドとなっている。さらに、図68及び図69に示すように、ローディングブロック50には、ディスクホルダ10からディスクDが引き出される際に、ディスクの縁に当接してディスクDを左方に付勢する付勢ガイド55が設けられている。この付勢ガイド55は、水平方向に回動可能に設けられ、図示しないスプリングによって、図中反時計方向に付勢されている。
[6.ドライブベースユニット]
[6−1.ドライブベース]
ドライブベース61は、図52に示すように、ドライブシャーシユニット40内の左側に配設されている。このように配設されたドライブベース61の前端は、平面方向から見て、ローディングローラ51の左端の下部に配設されている。そして、ドライブベース61は、図77、図83(A)〜(C)、図87〜図90に示すように、ドライブシャーシユニット40の後左隅近傍に取り付けられた軸40dを中心に、回動可能に設けられている。このドライブベース61の回動は、上述のドライブベース駆動プレート28によって駆動されるドライブシフトプレート68を介して行われる。
ドライブシフトプレート68は、図80(A)(B)に示すように、ドライブシャーシユニット40の外底に沿った水平部と、後面に沿った垂直部とを有するプレートであり、図77〜図79に示すように、その水平部がドライブシャーシユニット40の外底に左右にスライド移動可能に設けられている。ドライブシフトプレート68の垂直部には、図79に示すように、ドライブベース駆動プレート28の穴28aに係合することによって、ドライブベース駆動プレート28とともにドライブシフトプレート68を移動させるピン68aが設けられている。
また、ドライブシフトプレート68の水平部には、前後方向のカム穴68bが形成されている。そして、ドライブベース61には、図83(A)に示すように、その長手方向に直線状のカム穴61aが形成されており、ドライブシフトプレート68のカム穴68bと、ドライブベース61のカム穴61aに、後述するリンクシャフト67aが挿通されることによって、ドライブシフトプレート68の移動に従って、リンクシャフト67aが、ドライブベース61を回動させる方向に付勢する構成となっている。
さらに、ドライブシャーシユニット40には、図77及び図88に示すように、ドライブベース61の振り込みをガイドするドライブサポートプレート72が、回動可能に設けられている。このドライブサポートプレート72には、図86(A)(B)に示すように、略円弧状のガイド穴72aが形成されており、このガイド穴72aに、ドライブベース61に設けられたガイドピン61bbが挿通されることによって、ドライブベース61の回動端がガイド穴72aの端部で決定されるように構成されている。
[6−2.ドライブユニット]
ドライブユニット62は、図1、図81(A)(B)、図91(A)〜(C)、図92(A)〜(C)に示すように、これに固定されたピン62aが、ドライブベース61上に3点配置されたダンパー66に弾性支持されている。このドライブユニット62には、図75、図76、図91及び図92に示すように、ディスクが載置されるターンテーブル63、ターンテーブルを回転させるスピンドルモータM5、ターンテーブル63上にディスクを押さえるクランパリング64aを備えたクランパアーム64b、ディスクの信号を読み取るピックアップユニット65a、ピックアップユニット65aを移動させるスレッドモータM4、ギア機構65c及び送りねじ65d等、ディスクの再生に必要な部材が配設されている。
クランパリング64aは、図82に示すように、一端がドライブユニット62に回動可能に設けられたクランパアーム64bの他端に、ターンテーブル63上のディスクと同軸に回転可能に取り付けられている。クランパアーム64bは、図示しないバネによって、クランパリング64aがターンテーブル63に圧着する方向に付勢されている。そして、クランパアーム64bには、図92(A)に示すように、初期状態において、後述する押上部67bに当接することによって、クランパアーム64bを回動させて、クランパリング64aをバネに抗して上方に退避させておく付勢ローラ64cが設けられている。
なお、上記のように、ドライブベース61の前端は、平面方向から見て、ローディングブロック50の下部に位置しているが、ディスクDの搬入搬出時には、図61に示すように、上方に退避したクランパリング64aとターンテーブル63との間に、ローディングブロック50の一部が入り、ここをディスクDが通過するように設定されている。さらに、ドライブユニット62には、図81に示すように、フローティングロック機構67にロックされるためのロックピン62b、ロック溝62cが設けられている。
[6−3.フローティングロック機構]
フローティングロック機構67は、図83及び図84に示すように、ドライブベース61上にスライド移動可能に設けられたスライドロックプレート69と、ドライブベース61に回動可能に設けられたターンロックプレート70及びフックプレート71を備えている。スライドロックプレート69には、図91及び図92に示すように、そのスライド移動に従って、ドライブユニット62のロックピン62b及びロック溝62cに係脱してフローティングロック及びロック解除を行うロック溝69a及びロックピン69bが設けられている。また、スライドロックプレート69には、その移動に従って付勢ローラ64cに接離して、クランパアーム64を回動させる押上部69cが形成されている。
そして、スライドロックプレート69には、上述のリンクシャフト67aが固定されており、このリンクシャフト67aが付勢されることによって、スライドロックプレート69がスライド移動するように構成されている。なお、リンクシャフト67aは、ドライブシャーシユニット40に形成されたカム穴40cにも挿通されている。このカム穴40cは、図93及び図94に示すように、ドライブベース61、ドライブユニット62及びスライドロックプレート69を一緒に回動させる円弧状部分と、スライドロックプレート69をドライブベース61上でスライド移動させる直線状部分とを有している。
ターンロックプレート70には、図83及び図85に示すように、その回動に従って、ドライブユニット62のロック溝62cに係脱してフローティングロック及びロック解除を行うロックピン70aが設けられている。このターンロックプレート70は、これに固定されたピン70bが、スライドロックプレート69に略くの字状に設けられたカム穴69dに挿通されることによって、スライドロックプレート69のスライド移動に従って回動するように構成されている。
フックプレート71には、図83に示すように、その回動に従って、フローティングロック時にドライブユニット62のピン62aに係合して、ピン62aをロック溝69aに対して押し付けるフック71aを有している。このフックプレート71は、これに固定されたピン71bが、スライドロックプレート69に略くの時状に設けられたカム穴69eに挿通されることによって、スライドロックプレート69のスライド移動に従って回動するように構成されている。
[7.検出手段]
以上のようなディスク装置における各構成部材の動作は、図示しない制御回路によってカムギア駆動モータM1、ドライブシャーシ昇降モータM2、ローディングモータM3、スレッドモータM4、スピンドルモータM5の作動を制御することによって行われる。そして、これらの制御回路による制御は、装置内の各部に配置されたスイッチやセンサ等の検出手段による検出結果に基づいて行われるが、これらの検出手段については、以下の動作に必要な場合に限り説明し、図示は省略する。
[D.作用]
上述したような本実施形態の動作について、まず、動作の概要を説明し、次に、ディスクローディング(ディスク挿入及び収納)動作、ディスク再生動作、ディスクアンローディング(ディスクの排出)動作の詳細を順次説明する。
[1.動作の概要]
[1−1.ディスクローディング時の動作の流れ]
まず、ディスクローディング時の動作の流れの概要を、図95に従って説明する。なお、図95において、M1〜M5は、上述の各モータを示す符号であり、動作内容に対応して作動させるモータには、○印が付されている。すなわち、ドライブシャーシ昇降モータM2を作動させて、ディスクDを収納するホルダプレート11を選択できる位置に、ドライブシャーシユニット40を移動させる。そして、カムギア駆動モータM1を作動させてディスクセレクタ41A,41Bをスライド移動させ、選択されたホルダプレート11上に、ローディングローラ51を入れてディスクDを挿入できるように、ディスクホルダ10を開く(ホルダ開き位置(1))。さらに、ドライブシャーシ昇降モータM2を作動させて、ドライブシャーシユニット40を、ディスクローディング可能な位置、つまりディスク挿入口31にローディングローラ51が合う位置まで上昇させる。
この状態で、継続してカムギア駆動モータM1を作動させて、ローディングローラ51をディスクホルダ10側(後方)に移動させ、ディスクDの保持ができる状態とする。そして、シャッタ32を開いてディスク挿入口31を開放し、ディスクDが収納されるホルダプレート11において、ディスク保持機構15のディスクホールドリンク17,18を回動させて係合爪17a,17bを閉じ、ホルダプレート11の中心がディスクの挿入経路の邪魔にならないように、さらにディスクホルダ10を開く(ホルダ開き位置(2))。
次に、ディスク挿入口31からのディスク挿入がセンサによって検出されると、ローディングモータM3が作動して、ローディングローラ51がローディング方向(正方向)に回転する。これにより、ディスクDはディスクホルダ10内に搬入される。そして、ディスクDが完全にディスクホルダ10内に収まったことがセンサにより検出されると、ローディングモータM3が停止して、ローディングローラ51が回転を止める。さらに、カムギア駆動モータM1の作動により、シャッタ32がディスク挿入口31を閉じ、ローディングローラ51とディスクストッパ25A,25Bによって、ホルダプレート11上にディスクDが保持される。
このようにディスクDを収納したディスクホルダ10が、初期位置の高さになるように、ドライブシャーシ昇降モータM2を作動させて、ドライブシャーシユニット40を移動させる。そして、カムギア駆動モータM1を上記と逆方向に作動させることにより、ディスクストッパ25A,25BをディスクDから外し、ローディングローラ51をディスク挿入口31側(前方)に移動させてディスクDから外す。すると、ディスクDが収納されたホルダプレート11のディスク保持機構15において、ディスクホールドリンク17,18の係合爪17a,17bが開いて、ディスク内縁を保持する。
続いて、ディスクセレクタ41A,41Bをスライド移動させてディスクホルダ10から外し、スプリング14eの付勢力によって、ディスクホルダ10を互いのホルダプレート11が密着した状態とする。さらに、ドライブシャーシ昇降モータM2を作動させて、ドライブシャーシユニット40を初期位置の高さまで移動させる。なお、ディスクDのアンローディング時には、上記と逆の動作過程を辿る。
[1−2.ディスク再生時の動作の流れ]
次に、ディスク再生時の動作の流れの概要を、図96を参照して説明する。すなわち、ドライブシャーシ昇降モータM2を作動させて、再生するディスクDが収納されたホルダプレート11を選択できる位置まで、ドライブシャーシユニット40を移動させる。
そして、カムギア駆動モータM1を作動させて、ディスクセレクタ41A,41Bをスライド移動させ、選択されたホルダプレート11上にローディングローラ51を挿入できるように、ディスクホルダ10を開く(ホルダ開き位置(1))。この状態で、カムギア駆動モータM1を継続して作動させて、ローディングローラ51をディスクホルダ10側(後方)に移動させるとともに、ディスクストッパ25A,25BをディスクDに接する方向に移動させることによって、ディスクDを保持する。
このディスクDが収納されたホルダプレート11のディスク保持機構15においては、ディスクホールドリンク17,18の係合爪17a,17bが閉じてディスク内縁を解放する。そして、該ホルダプレート11が下方に移動してディスクDから離れるように、ディスクホルダ10を開く(ホルダ開き位置(2))。ディスク保持機構15から解放され、ローディングローラ51及びディスクストッパ25A,25Bによって保持されたディスクDの下部にドライブベース61が入るように、さらにディスクホルダ10を開く(ホルダ開き位置(3))。
このようにディスクホルダ10を開くことによって生じた空間に、ドライブベース61を回動させて、ドライブユニット62を振り込ませる。このとき、クランパリング64aはディスクDのセンターホールの上部に、ターンテーブル63はディスクDのセンターホールの下部に対応する位置に来る。そして、ドライブシャーシユニット40を上昇させながら、クランパリング64aを閉じることによって、ディスクDをターンテーブル63上にチャッキングする。
次に、ディスクストッパ25A,25BをディスクDから外し、ローディングローラ51もディスク挿入口31側(前方)に移動させて、ディスクDから外す。そして、フローティングロック機構67がフローティングロックを解除することによって、ドライブユニット62を、ダンパー66のみによって支持されたフローティング状態とする。以上の状態で、スレッドモータM4を作動させて、ピックアップユニット65aを内周まで送り、スピンドルモータM5を作動させてディスクDを回転させ、ディスク径方向に移動するピックアップユニット65aによって、ディスクDの信号を読み取る。なお、ディスク再生終了後、上記と逆の動作を行うことによって、ディスクDをディスクホルダ10内に収納する。
[2.各部の動作の詳細]
以上のような動作の流れにおける各部の動作の詳細を説明する。なお、以下の説明では、各部の動作の前提となる各モータM1〜M5及びこれに対応するギア機構の作動については、説明を省略する。また、図97は、カムギア21の動作位置と、ディスクDに対する各部の保持(ホールド)及び解放(リリース)との関係、ディスクホルダ10の開き位置との関係を示す図である。
[2−1.ディスクローディング時]
まず、ディスクをディスクホルダ10内に収納する際の動作を説明する。なお、以下の説明では、下から3段目の空きホルダプレート11にディスクを収納する例で説明する。すなわち、3段目のホルダプレート11が空きの場合に、図56(A)(B)に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bにおける中段カム41Ac,41Bcの先端が、3段目の空きホルダプレート11の突起14aに合う高さとなるように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bを移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を昇降させる。このとき、カムギア21は、図23に示すように、初期位置にある。
そして、図24に示すように、カムギア21をローディング方向(図中反時計方向)に回動させることによって、ディスクセレクタ駆動制御カム21b、ディスクセレクトプレート24D,24C,24B,24Aを介して、ディスクセレクタ41A,41Bをホルダ開き位置(1)にスライド移動させると、図57(A)(B)に示すように、3段目のホルダプレート11の突起14aが中段カム41Ac,41Bに入り、4段目以上のホルダプレート11の突起14aは上段カム41Aa,41Baによって押し上げられ、2段目以下のホルダプレート11の突起14aは、下段カム41Ab,41Bbによって押し下げられる。従って、3段目のホルダプレート11の上下に、ディスクD及びローディングブロック50を挿入可能な隙間が形成される。
さらに、3段目のホルダプレート11上の隙間及びローディングローラ51の位置が、ディスク挿入口31に合うように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bを移動して、ドライブシャーシユニット40を移動させる。そして、図25に示すように、カムギア21をさらにローディング方向に回動させると、図41に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、リリース位置(0)から、ホールド位置(2)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が後方に移動する。一方、右ローディングブロックスライドプレート26の移動に従って、カム穴26cに挿通されたピン27bが右側に付勢されるので、シャッタリンクプレート27が右にスライド移動する。すると、シャッタリンクプレート27の凹部27aにピン34aが係合した回動プレート34が回動するので、スライドリンク36が左方に付勢されてスライド移動する。
スライドリンク36は、図47に示すように、シャッタ開閉プレート33を左方に付勢するので、シャッタ開閉プレート33が左方へスライド移動することにより、傾斜カム穴33aに挿通されたピン32aが上方に付勢される。従って、ピン32aが設けられたシャッタ32が上昇してディスク挿入口31が開く。同時に、スライドリンク36は、左方へ移動することにより回動リンク37を回動させ、これに連結された左ローディングブロックスライドプレート38を後方にスライド移動させる。以上のように、右ローディングブロックスライドプレート26及び左ローディングブロックスライドプレート38が後方に移動すると、ローディングブロック50は、その右端の突出部52が右ローディングブロックスライドプレート26の穴26aに係合し、左端のピン53が左ローディングブロックスライドプレート38の溝38aに係合しているので、図2及び図72に示すように、後方にスライド移動する。これにより、図74に示すように、ローディングローラ51は、そのローラギア51aがローディングギア機構44のギア44aに係合し、ローディングモータM3によって回動可能な状態となる。
一方、図32に示す初期位置から、カムギア21が上記のようにローディング方向へ回動することにより、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbは、ディスクストッパ駆動制御カム21dにおけるリリース位置(1)からホールド位置(2)に入るので、ディスクストッパプレート25Fが右にスライド移動する。すると、ディスクストッパプレート25Fのピン25Faによって、ディスクストッパプレート25Eのカム穴25Ecが付勢され、ディスクストッパプレート25Eが前方にスライド移動する。これにより、ディスクストッパプレート25Eのカム穴25Ea,25Ebが、ディスクストッパリンク25C,25Dのピン25Cb,25Dbを付勢するので、ディスクストッパリンク25Cが反時計方向、ディスクストッパリンク25Dが時計方向に回動し、そのシャフト25Ca,25Daが、ディスクDの縁に接近する方向(前方)に移動する。
このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、ディスクストッパ25A,25Bも前方に移動する。これにより、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢するので、図2及び図20に示すように、ディスクホールドリンク17,18が回動して、係合爪17a,17bが閉じる。また、図25に示すように、カムギア21のさらなる回動に従って、図58(A)(B)に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bがホルダ開き位置(2)にスライド移動するので、3段目のホルダプレート11の突起14aが、中段カム41Ac,41Bcによって下方に付勢されて下降し、ディスクDの下方の空間がさらに拡大する。
以上の状態から、センサによって、ディスク挿入口31からディスクDが挿入されたことが検出されると、ローディングローラ51が正方向に回転し、ディスクDが装置内部に引き込まれる。このように引き込まれる過程で、ディスクDは、図61に示すように、上方に退避したクランパリング64aと、その下方のターンテーブル63との間を通過する。そして、ディスクDは、その右縁が付勢ガイド55によって付勢されながら、図60、図62〜図65に示すように、その左縁がディスクガイド42の傾斜面42aに当接することによって進路を変え、平面方向から見て斜め右上方向に案内される。その後、図2に示すように、ディスクDの後縁がディスクストッパ25A,25Bの把持部25Ab,25Bbによって把持され、ディスクがディスクホルダ10内に収納されたことがセンサによって検出されると、ローディングローラ51が停止する。
次に、カムギア21を、上記と逆方向に回動させて、図57に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bをホルダ開き位置(1)にスライド移動させると、3段目のホルダプレート11の突起14aが、中段カム41Ac,41Bによって上方に付勢されるので、3段目のホルダプレート11が上昇し、その中心が、ディスクストッパ25A,25B及びローディングローラ51によって保持されたディスクDのセンターホールに合う。
また、カムギア21の回転により、図39に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、ホールド位置(2)から、リリース位置(0)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が前方に移動するとともに、スライドリンク36が上記と逆に動作することによって、シャッタ32が下降してディスク挿入口31が閉じる。
このとき、ディスクホルダ10が初期位置の高さになるように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bをスライド移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を移動させる。同時に、スライドリンク36の移動に従って、上記のローディング時とは逆に、左ローディングブロックスライドプレート38が前方にスライド移動する。以上のように、右ローディングブロックスライドプレート26及び左ローディングブロックスライドプレート38が前方に移動することによって、ローディングブロック50が、前方にスライド移動して、ディスクDから離れる。
一方、図32に示すように、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbは、ディスクストッパ駆動制御カム21dにおけるリリース位置(1)に戻るので、ディスクストッパプレート25F、ディスクストッパプレート25Eを介して、ディスクストッパリンク25Cが時計方向、ディスクストッパリンク25Dが反時計方向に回動し、そのシャフト25Ca,25DaがディスクDの縁から離れる方向(後方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、ディスクストッパ25A,25Bも後方に移動して、把持部25Ab,25BbがディスクDを解放する。また、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを解放するので、図3及び図19に示すように、ディスクホールドリンク17,18が回動して、係合爪17a,17bが開き、ディスク内縁に係合する。
このようにディスクDがホルダプレート11にセットされた状態で、図23に示す位置にカムギア21が回動することにより、図56(A)(B)に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bが初期位置(0)にスライド移動すると、ホルダプレート11の突起14aが、ディスクセレクタ41A,41Bから解放されるので、ホルダプレート11が、スプリング14eの付勢力によって、互いに接近する方向に移動して、ディスクホルダ10が閉じる。そして、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bをスライド移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を初期位置の高さに移動させる。
[2−2.ディスク再生時]
次に、ディスク再生時における各部の動作を説明する。なお、以下の説明では、下から3段目のホルダプレート11に保持されたディスクDを再生する例で説明する。すなわち、図56(A)(B)に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bにおける中段カム41Ac,41Bcの先端が、3段目の空きホルダプレート11の突起14aに合う高さとなるように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bを移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を移動させる。
そして、図26に示すように、カムギア21を再生方向(図中時計方向)に回動させることによって、ディスクセレクタ41A,41Bをホルダ開き位置(1)にスライド移動させると、図57に示すように、3段目のホルダプレート11の突起14aが中段カム41Ac,41Bに入り、4段目以上のホルダプレート11の突起14aは上段カム41Aa,41Baによって押し上げられ、2段目以下のホルダプレート11の突起14aは、下段カム41Ab,41Bbによって押し下げられる。従って、3段目のホルダプレート11にセットされたディスクDの上下に、ローディングブロック50を挿入可能な隙間が形成される。
この状態で、カムギア21をさらに再生方向に回動させると、図40に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、リリース位置(0)から、ホールド位置(1)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が後方に移動する。一方、右ローディングブロックスライドプレート26の移動に従って、カム穴26cに挿通されたピン27bが右側に付勢されるので、シャッタリンクプレート27が右にスライド移動する。すると、上記と同様に、回動プレート34が回動し、スライドリンク36が左方にスライド移動するので、回動リンク37を介して、左ローディングブロックスライドプレート38が後方にスライド移動する。以上のように、右ローディングブロックスライドプレート26及び左ローディングブロックスライドプレート38が後方に移動すると、上記と同様に、ローディングブロック50が後方にスライド移動して、ローディングローラ51がディスクDを挟持する。
このとき、図33に示すように、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbは、ディスクストッパ駆動制御カム21dにおけるリリース位置(1)からホールド位置(2)に入るので、ディスクストッパリンク25C,25Dは、ディスクストッパプレート25F,25Eを介して、シャフト25Ca,25DaがディスクDの縁に接近する方向(前方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、図2及び図20に示すように、ディスクストッパ25A,25Bも前方に移動して、ディスクDの縁が、ディスクストッパ25A,25Bの把持部25Ab,25Bbによって把持される。また、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢するので、ディスクホールドリンク17,18が回動して係合爪17a,17bが閉じて、ディスク内縁を解放する。
このように、ディスクDがディスクストッパ25A,25B及びローディングローラ51によって把持され、ディスク内縁が解放された状態で、カムギア21がさらに再生方向に回動すると、その過程で、図58に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bが、ホルダ開き位置(3)にスライド移動して、3段目のホルダプレート11の突起14aが中段カム41Ac,41Bcによって下方に付勢されるので、3段目のホルダプレート11が下降してディスクDから離れ、ディスクDの下方の空間が拡大する。
さらに、図27に示すように、カムギア21の回転が進むと、ディスクセレクタ41A,41Bが、ホルダ開き位置(3)にスライド移動して、図59に示すように、3段目のホルダプレート11の突起14aが下段カム41Ab,41Bbに合流し、上方のホルダプレート11の突起14aが上段カム41Aa,41Bbの最上段に移動し、3段目以降のホルダプレート11の突起14aが下段カム41Ab,41Bbの最下段に移動する。このため、ディスクホルダ10の分割がより一層進み、ディスクDの上下にドライブベースユニット60を振込み可能な空間が形成される。
また、上記のようなカムギア21の回動に従って、図43に示すドライブユニット駆動制御カム21cが移動するので、これに挿通されたピン28bが回動位置に入ることによって、ドライブベース駆動プレート28が右方にスライド移動する。すると、図79に示すように、ドライブベース駆動プレート28の穴28aに係合したピン68aを介して、ドライブシフトプレート68が右方にスライド移動する。これにより、図88に示すように、ドライブシフトプレート68のカム穴68b及びドライブベース61のカム穴61aに挿通されたリンクシャフト67aを介して、ドライブベース61が付勢されて、図中反時計方向に回動を開始する。このとき、リンクシャフト67aは、図93に示すように、ドライブシャーシユニット40のカム穴40cにおける円弧状部分を移動する。
このようにドライブベース61が回動すると、ドライブベース61のガイドピン61bによってガイド穴72aが付勢されるので、ドライブサポートプレート72が時計方向に回動する。そして、ドライブベース61は、ガイドピン61bがガイド穴72aの端部に達して回動を停止する。このとき、図87に示すように、ディスクストッパ25A,25B及びローディングローラ51によって把持されたディスクDの中心の下部に、ドライブユニット62のターンテーブル63が位置決めされ、上部にクランパリング64aが位置決めされる。
さらに、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bによってドライブシャーシユニット40を上昇させながら、引き続きドライブシフトプレート68が右方にスライド移動すると、図94に示すように、スライドロックプレート69のリンクシャフト67aが、ドライブシャーシユニット40のカム穴40cにおける直線状部分に入って移動する。すると、図89、図92(A)〜(B)に示すように、スライドロックプレート69が移動して、押上部67bが付勢ローラ64cから外れるので、バネの付勢力によって、クランパアーム64が下方に回動し、クランパリング64aがディスクをターンテーブル63に押し付ける。
このようにカムギア21が回動すると、ディスクDがターンテーブル63上にチャッキングされた状態で、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、図39に示すホールド位置(1)から、リリース位置(0)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が前方に移動する。同時に、上記のように、左ローディングブロックスライドプレート38も前方にスライド移動するので、ローディングブロック50が前方にスライド移動して、ディスクDを解放する。
一方、カムギア21の回動により、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbが、図33に示したディスクストッパ駆動制御カム21dのホールド位置(2)からリリース位置(1)に入るので、ディスクストッパプレート25F、ディスクストッパプレート25Eを介して、ディスクストッパリンク25Cが時計方向、ディスクストッパリンク25Dが反時計方向に回動し、そのシャフト25Ca,25Daがディスクの縁から離れる方向(後方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、ディスクストッパ25A,25Bも後方に移動して、把持部25Ab,25BbがディスクDを解放する。
さらに、上記のスライドロックプレート69の移動に従って、図90、図91(A)〜(C)、図92(A)〜(C)に示すように、ドライブユニット62のロックピン62b及びロック溝62cから、ロック溝69a及びロックピン69bが外れる。そして、ターンロックプレート70及びフックプレート71も回動して、ドライブユニット62のロック溝62c及びピン62aから、ロックピン70a及びフック71aが外れる。これにより、ドライブユニット62は、ダンパー66のみによって弾性支持されるフローティング状態となる。
このように、ディスクがターンテーブル63上にセットされ、その周囲が解放されるとともに、フローティング状態となった後、ピックアップユニット65aをディスク内周まで移動させ、ターンテーブル63を回転させる。そして、ディスク径方向にピックアップユニット65aを移動させながら、ディスクDの信号を読み取る。
[2−3.ディスク再生終了時]
次に、ディスク再生終了時において、ディスクDをディスクホルダ10内に戻す際の各部の動作を説明する。なお、以下の説明では、下から3段目のホルダプレート11にディスクDを戻す例で説明する。
すなわち、ディスク再生後、カムギア21が、図43に示す初期位置の方向に回動すると、ドライブユニット駆動制御カム21cが移動するので、これに挿通されたピン28bが付勢されることによって、ドライブベース駆動プレート28が左方にスライド移動する。これにより、ドライブベース駆動プレート28の穴28aに係合したピン68aを介して、ドライブシフトプレート68が左方にスライド移動する。
すると、図94に示すように、ドライブシフトプレート68のカム穴68bに挿通されたリンクシャフト67aが左方に付勢されるので、ドライブシャーシユニット40のカム穴40cにおける直線状部分を左方に移動する。リンクシャフト67aの移動により、図89、図91(C)〜(A)、図92(C)〜(A)に示すように、これが固定されたスライドロックプレート69も、ドライブベース61上をスライド移動するので、ドライブユニット62のロックピン62b及びロック溝62cに、ロック溝69a及びロックピン69bが係合する。そして、スライドロックプレート69の移動に従って、ターンロックプレート70及びフックプレート71も回動して、ドライブユニット62のロック溝62c及びピン62aに、ロックピン70a及びフック71aが係合する。これにより、ドライブユニット62は、ダンパー66に対して押し付け固定されるロック状態となる。
同時に、カムギア21の初期位置への回動により、図40に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、リリース位置(0)からホールド位置(1)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が後方に移動する。一方、右ローディングブロックスライドプレート26の移動に従って、カム穴26cに挿通されたピン27bが右側に付勢されるので、シャッタリンクプレート27が右にスライド移動する。すると、上記と同様に、回動プレート34が回動し、スライドリンク36が左方にスライド移動するので、回動リンク37を介して、左ローディングブロックスライドプレート38が後方にスライド移動する。以上のように、右ローディングブロックスライドプレート26及び左ローディングブロックスライドプレート38が後方に移動すると、上記と同様に、ローディングブロック50が後方にスライド移動して、ローディングローラ51がディスクDを挟持する。
また、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbは、図33に示すように、ディスクストッパ駆動制御カム21dにおけるリリース位置(1)からホールド位置(2)に入るので、ディスクストッパプレート25F,25Eを介して、ディスクストッパリンク25C,25Dは、そのシャフト25Ca,25Daがディスクの縁に接近する方向(前方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、ディスクストッパ25A,25Bも前方に移動して、ディスクDの縁が、把持部25Ab,25Bbによって把持される。
そして、上記のようなスライドロックプレート69の移動に従って、図92(C)〜(A)に示すように、押上部67bが付勢ローラ64cに当接するので、バネの付勢力に抗して、クランパアーム64が上方に回動し、クランパリング64aがディスクDから離れる。このように、ディスクDがローディングローラ51及びディスクストッパ25A,25Bによって把持され、クランパリング64a及びターンテーブル63から解放された状態で、カムギア21の回転が進行すると、ドライブベース駆動プレート28がさらに左方にスライド移動する。すると、ドライブベース駆動プレート28の穴28aに係合したピン68aを介して、ドライブシフトプレート68が左方にスライド移動する。
これにより、図88に示すように、ドライブシフトプレート68のカム穴68b及びドライブベース61のカム穴61aに挿通されたリンクシャフト67aを介して、ドライブベース61が左方に付勢されて、図中時計方向に回動する。このとき、リンクシャフト67aは、図93に示すように、ドライブシャーシユニット40のカム穴40cにおける円弧状部分を移動する。このようにドライブベース61が回動すると、ドライブベース61のガイドピン61bによってガイド穴72aが付勢されるので、ドライブサポートプレート72が反時計方向に回動する。そして、図77に示すように、ドライブベース61は、リンクシャフト67aがカム穴40cの端部に達して、初期位置に戻った状態で回動を停止する。
上記のようなカムギア21の回動に従って、図26及び図57に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bは、ホルダ開き位置(1)にスライド移動して、3段目のホルダプレート11の突起14aが中段カム41Ac,41Bcによって上方に付勢されるので、3段目のホルダプレート11が上昇し、その中心が、ディスクストッパ25A,25B及びローディングローラ51によって保持されたディスクDのセンターホールに合う。
さらにカムギア21が回動することにより、図32に示すように、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbが、ディスクストッパ駆動制御カム21dにおけるリリース位置(1)に戻るので、ディスクストッパプレート25F,ディスクストッパプレート25Eを介して、ディスクストッパリンク25C,25Dは、そのシャフト25Ca,25DaがディスクDの縁から離れる方向(後方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、ディスクストッパ25A,25Bも後方に移動して、把持部25Ab,25BbがディスクDを解放する。また、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを解放するので、図3及び図19に示すように、ディスクホールドリンク17,18が回動して、係合爪17a,17bが開き、ディスク内縁に係合する。
これとともに、図39に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、ホールド位置(1)から、リリース位置(0)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が前方に移動する。同時に、上記と同様に、スライドリンク36の移動に従って、左ローディングブロックスライドプレート38が前方に移動する。これにより、ローディングブロック50が前方にスライド移動して、ディスクDを解放する。
このようにディスクがホルダプレート11にセットされた状態で、図23及び図56に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bが初期位置(0)にスライド移動すると、ホルダプレート11の突起14aが、ディスクセレクタ41A,41Bから解放されるので、上記のように、ディスクホルダ10が閉じる。そして、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bをスライド移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を初期位置の高さに移動させる。
[2−4.ディスクアンローディング時]
さらに、ディスクDを装置から排出する際の各部の動作を説明する。なお、以下の説明では、下から3段目の空きホルダプレート11からディスクDを排出する例で説明する。すなわち、3段目のホルダプレート11にディスクDが収納されている場合に、ディスクDの排出指示が入力されると、図23に示すように、ディスクセレクタ41A,41Bにおける中段カム41Ac,41Bcの先端が、3段目の空きホルダプレート11の突起14aに合う高さとなるように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bを移動させることによって、ドライブシャーシユニット40を昇降させる。このとき、カムギア21は、図56に示すように、初期位置にある。
そして、図57に示すように、カムギア21をローディング方向に回動させることによって、ディスクセレクタ駆動制御カム21b、ディスクセレクトプレート24D,24C,24B,24Aを介して、ディスクセレクタ41A,41Bをホルダ開き位置(1)にスライド移動させると、図58に示すように、3段目のホルダプレート11の突起14aが中段カム41Ac,41Bに入り、4段目以上のホルダプレート11の突起14aは上段カム41Aa,41Baによって押し上げられ、2段目以下のホルダプレート11の突起14aは、下段カム41Ab,41Bbによって押し下げられる。従って、3段目のホルダプレート11の上下に、ディスクD及びローディングブロック50を挿入可能な隙間が形成される。
さらに、3段目のホルダプレート11上の隙間及びローディングローラ51の位置が、ディスク挿入口31に合うように、ドライブシャーシ昇降プレート34A,34Bを移動して、ドライブシャーシユニット40を移動させる。このようにカムギア21を回動させると、図41に示すように、ローディングブロック駆動制御カム21eにおけるピン26bが、リリース位置(0)から、ホールド位置(2)に入るので、右ローディングブロックスライドプレート26が後方に移動する。一方、右ローディングブロックスライドプレート26の移動に従ってシャッタリンクプレート27が右にスライド移動するので、上記のように、回動プレート34、スライドリンク36を介して、シャッタ開閉プレート33が左方に移動する。
このようなシャッタ開閉プレート33の移動により、図47に示すように、シャッタ32が上昇してディスク挿入口31を開く。同時に、スライドリンク36は、回動リンク37を介して、左ローディングブロックスライドプレート38を後方にスライド移動させる。以上のように、右ローディングブロックスライドプレート26及び左ローディングブロックスライドプレート38が後方に移動することにより、ローディングブロック50が後方にスライド移動して、ローディングローラ51がディスクを挟持する。同時に、ローディングローラ51は、ローディングモータM3によって回動可能な状態となる。なお、付勢ガイド55の端部は、図2及び図60に示すように、ディスクDの右縁に当接する。
一方、ディスクストッパプレート25Fにおけるピン25Fbが、図32に示すディスクストッパ駆動制御カム21dのリリース位置(1)から、ホールド位置(2)に入るので、ディスクストッパリンク25C,25Dは、ディスクストッパプレート25F、ディスクストッパプレート25Eを介して、シャフト25Ca,25DaがディスクDの縁に接近する方向(前方)に移動する。このようなシャフト25Ca,25Daの移動により、図2及び図20に示すように、ディスクストッパ25A,25Bも前方に移動して、ディスクDの縁が、ディスクストッパ25A,25Bの把持部25Ab,25Bbによって把持される。また、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢するので、ディスクホールドリンク17,18が回動して係合爪17a,17bが閉じて、ディスクDの内縁を解放する。
さらに、図25に示すように、カムギア21がローディング方向に回動するに従って、ディスクセレクタ41A,41Bが、ホルダ開き位置(2)にスライド移動するので、図58に示すように、3段目のホルダプレート11は、その突起14aが中段カム41Ac,41Bcによって下方に付勢されて下降して、ディスクの下方の空間がさらに拡大する。
以上のように、ホルダプレート11からディスクが解放された状態で、ローディングローラ51が逆方向に回転すると、ディスクがディスクホルダ10から排出される方向に移動を開始する。この過程で、ディスクDは、その右縁が付勢ガイド55によって付勢されながら、図60に示すように、平面方向から見て斜め左下方向に案内されるが、その左縁がディスクガイド42の傾斜面42aに当接することによって、ローディングローラ51に直交する方向に進路を変え、図61に示すように、上方に退避したクランパリング64aと、その下方のターンテーブル63との間を通過する。さらに、ディスクDは、シャッタ32の上昇により開かれたディスク挿入口31から排出され、装置から突出したディスクDを手で引き出すことによって、ディスクDを完全に取り出すことができる。
[E.効果]
以上のような本実施形態によれば、ディスクホールドリンク17,18の係合爪17a,18aをディスクDのセンターホールに係脱させることにより、ディスクDをホルダプレート11に保持するので、ディスクDの外縁を保持する場合に比べて、各ディスクDの中心を一致させ易く、正確な位置決めができる。従って、ディスクDの上下に振り込ませたクランパリング64aとターンテーブル63によって、確実にチャッキングすることができる。
また、ホルダプレート11におけるディスクDの周囲に、ディスクDの外縁を保持する部材や機構のためのスペースが不要となるので、ディスクホルダ10の小型化が可能となる。さらに、ディスクストッパ25Aの凸部25Aaが、ディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢することにより、ディスクホールドアーム16を介してディスクホールドリンク17,18を回動させて、係合爪17a,18bをディスクDのセンターホールから係脱させることができるので、ディスク保持機構が簡略化され、ディスクホルダ10の小型化が可能となる。このように、ディスクホルダ10を小型化できるので、ディスク装置全体の小型化も可能となる。
また、ホルダプレート11におけるディスクDのセンターホールに対応する位置に穴11aが形成され、穴11aには、ディスクホールドリンク17,18が配設されているので、ホルダプレート11を積層配置した場合の個々のホルダプレート11の間隔を小さくすることができ、厚みの増大が抑えられ、積層方向に大型化しない。
また、ホルダプレート11の円弧は、ディスクDの半円よりも短く形成されているので、ディスク装置内におけるディスクホルダ10の所要スペースを小さくすることができる。さらに、このような形状でディスクホルダ10が形成されている場合、ディスクホルダ10の分割時に、ローディングローラ51を前後動させてディスクDを把持することができるので、ホルダプレート11からターンテーブル63にディスクDを渡すために、特定のホルダプレート11に複雑な動作が要求されることがなく、ディスクセレクタ41A,41Bのカム形状や動作が単純となる。
ディスクホルダ10の分割時には、ディスクストッパ25AがディスクDを把持するとともに、凸部25Aaがディスクホールドアーム16の被押圧部16aを付勢することにより、ディスクホールドリンク17,18の係合爪17a,18bがディスクDのセンターホールを解放するので、所望のディスクDを再生するためのホルダプレート11の退避をスムーズに行うことができる。
[第2の実施形態]
[構成]
上記の実施形態においては、ディスクホルダ10におけるディスク保持機構15は、ディスクDの内縁にディスクホールドリンク17,18の係合爪17a,18aが係合することによりディスクDを保持しているが、より簡素な構成で、ディスクDを確実に保持することができる実施形態を、図98〜102を参照して以下に説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成部に関しては説明を省略する。
本実施形態は、図98及び図99に示すように、各ホルダプレート110毎に設けられたディスク保持機構150が、ディスクの内縁と外縁の両方でディスクを保持するものである。このディスク保持機構150は、ディスクホールドアーム160、ディスクホールドリンク170及び外側保持部180によって構成されている。また、ディスクホルダ10の後方には、上記の実施形態におけるディスクストッパ25A,25Bとほぼ同様の構成のディスクストッパ250A,250Bが設けられている。但し、本実施形態においては、ディスクストッパ250Bに、凸部250Baが設けられている。なお、ホルダプレート110、ディスクホールドアーム160、ディスクホールドリンク170の各部品図は、図100〜102に示す。
ディスクホールドアーム160は、上記の実施形態と同様に、ホルダプレート110に対して、ディスクDの半径方向にスライド移動可能に設けられている。ディスクホールドアーム160は、そのディスク外縁側の端部に、ディスクストッパ260Bの凸部260Baによって押圧される被押圧部160aが設けられるとともに、トーションスプリング160cによってディスク外縁側へ付勢されている。また、ディスクホールドアーム160におけるディスク中心側の端部には、ピン160bが設けられており、ホルダプレート110に設けられたスライド穴110aに挿通されている(図100,101参照)。スライド穴110aは、ディスクホールアーム160のスライド方向に形成された直線状の穴である。なお、ディスクホールドアーム160は、これに設けられた溝や爪が、ホルダプレート110に設けられたピンや穴に係合することにより、ホルダプレート110に支持されているが、その支持構造は、ディスクDの半径方向へのスライド移動を可能とするものであればよく、特定の構造には限定されない。
ディスクホールドリンク170は、単一の略扇型のプレートであり、ホルダプレート110に対して、軸190を中心に回動可能に取り付けられている。ディスクホールドリンク170の一端には、ディスクDの内縁に接離する円柱形状のディスクプッシュピン170aが設けられている。このディスクプッシュピン170aは、ホルダプレート110に形成された円弧状のガイド穴110bに挿通されている(図100,102参照)。
また、ディスクホールドリンク170には、略くの字形状のカム穴170bが形成されており、このカム穴170bには、ディスクホールドアーム160のピン160bがスライド移動可能となるように挿通されている。このため、図99に示すように、被押圧部160aを押されたディスクホールドアーム160が、ディスクDの中心側にスライド移動すると、カム穴170bに沿ってピン160bが移動するので、ディスクホールドリンク170は、ディスクプッシュピン170aがディスク内縁から離れる方向に回動する構成となっている。なお、ディスクホールドリンク170も、これに設けられた爪が、ホルダプレート110に設けられた穴に係合することにより、ホルダプレート110に支持されているが、その支持構造は、ディスクホールドリンク170を回動可能とするものであればよく、特定の構造には限定されない。
一方、ホルダプレート110における凹部14cの近傍であって、ディスクDの外縁に対応する位置には、外側保持部180が設けられている。この外側保持部180は、断面が略コの字となるように屈曲された爪形状であり、ホルダプレート110と一体的に形成されている。そして、かかる外側保持部180の内側にディスクDの外縁が入ることにより、ディスクDの内縁に当接したディスクプッシュピン170aとの間で、ディスクDが保持されるように構成されている。
また、ホルダプレート110におけるディスクDのセンターホールに対応する位置には、内側保持部110cが設けられている。この内側保持部110cは、断面が略L字状となるように立ち上げられた爪形状であり、ホルダプレート110と一体的に形成されている。そして、ディスクプッシュピン170aと略対向する位置において、ディスクDのセンターホールの縁が、内側保持部110cとホルダプレート110との間に入ることにより、ディスクDが保持されるように構成されている。なお、ホルダプレート110の他の構成は、上記の実施形態で説明したホルダプレート11と同様であるため、説明を省略する。
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。なお、以下に説明する動作は、ディスクDをホルダプレート110に着脱する際のものであり、その他の動作は、上記の実施形態と同様である。すなわち、ディスクDのローディングが開始すると、図99に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動することにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム160の被押圧部160aを押圧するので、ディスクホールドアーム160がトーションスプリング160cの付勢力に抗してスライド移動する。これにより、ディスクホールドリンク170が回動し、ディスクプッシュピン170aがディスク内縁を解放する位置に移動する。そして、搬送されてきたディスクDの後縁は、ディスクストッパ250A,250Bの把持部250Ab,250Bbによって把持される。
次に、上記の実施形態と同様の手順で、ホルダプレート110が退避位置から上昇し、その中心が、ディスクストッパ250A,250Bに把持されたディスクDのセンターホールに合う。すると、ディスクDのセンターホール内に、ディスクプッシュピン170a及び内側保持部110cが入る。また、ディスクDの外縁に対応する位置に、外側保持部180が来る。そして、図98に示すように、ディスクストッパ250A,250Bが後方に移動すると、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム160の被押圧部160aを解放するので、トーションスプリング160cの付勢力によって、ディスクホールドアーム160がディスク外縁側に移動する。これにより、ディスクホールドリンク170が回動して、ディスクプッシュピン170aがディスクDの内縁(センターホール)に当接する方向に移動し、ディスクDの外縁が外側保持部180内に入る。
従って、ディスクDの内縁に接したディスクプッシュピン170aと、ディスクDの外縁が入った外側保持部180との間にディスクDが保持され、ディスクDがホルダプレート110上に装着される。また、ディスクプッシュピン170aと略対向する位置にある内側保持部110cも、ディスクDの内縁に係合するので、ディスクプッシュピン170aとともにディスクDを保持する。このようにディスクDが保持されているときには、屈曲したカム穴170b及びトーションスプリング160cの付勢力により、ディスクプッシュピン170aがディスクDの内縁を外縁側に押圧した状態でロックされるので、外側保持部180及び内側保持部110cからディスクDが脱落しない。
一方、ホルダプレート110からディスクDを解放する際には、図99に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動する。これにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム160の被押圧部160aを押圧するので、ディスクホールドリンク170が回動して、ディスクプッシュピン170aがディスク内縁から離れる。同時に、ディスクDの後縁を、把持部250Ab,250Bbが把持するとともに、前方に付勢する。すると、ディスクDに対するディスクプッシュピン170aの付勢が解かれ、外側保持部180及び内側保持部110cからディスクDが外れる。従って、ディスクDは、下降するホルダプレート110から解放され、ディスク再生動作若しくはディスク排出動作へと移行可能な状態となる。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、次のようなより一層優れた効果を奏する。すなわち、ディスクホールドリンク170に設けられたディスクプッシュピン170aを、ディスクDのセンターホールに接触させ、ディスクDの外縁に形成された外側保持部180との間でディスクDを保持するので、ディスクDの外縁のみを保持する場合に比べて、簡素な構成且つ少ない所要スペースで、正確な位置決めが可能となる。また、ディスクDの内縁と外縁を保持するため、ディスクDの内縁のみを保持する場合に比べて、振動下でのディスクの暴れを確実に防止できる。さらに、ディスクDの内縁は、内側保持部110cによっても保持されるので、ディスク保持の確実性と位置決めの正確性が向上する。
特に、ディスクプッシュピン170aは、単一のピンに過ぎないため、単純な構造でディスクDのセンターホールに対する接離をスムーズに行うことができるとともに、高い強度及び耐久性が得られる。さらに、ディスクDの外縁の保持は、ホルダプレート110と一体の外側保持部180で済み、ディスクDの内縁を保持する内側保持部110cも、ホルダプレート110と一体なので、より一層の構造の簡略化が実現できる。このように、単純な構造のディスクプッシュピン170a、外側保持部180及び内側保持部110cとの組み合わせによりディスクDを保持できるので、ディスク装置全体の小型化が可能となる。そして、かかる構造の簡略化によって、動作の不具合が減少し、信頼性の向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
[構成]
上記の第2の実施形態においては、移動するディスクプッシュピン170aと固定された外側保持部180との間でディスクDを保持しているが、ディスクDの径の相違に応じてより確実に保持することができる実施形態を、図103〜109を参照して以下に説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成部に関しては説明を省略する。
本実施形態は、図103〜105に示すように、各ホルダプレート310毎に設けられたディスク保持機構350が、ディスクの内縁と外縁の両方でディスクを保持するものである。このディスク保持機構350は、ディスクホールドアームA360、ディスクホールドリンク370及びディスクホールドアームB380によって構成されている。また、ディスクホルダ10の後方には、第2の実施形態と同様の構成のディスクストッパ250A,250Bが設けられている。なお、ホルダプレート310、ディスクホールドアームA360、ディスクホールドアームB380、ディスクホールドリンク370の各部品図は、図106〜109に示す。
ディスクホールドアームA360、ディスクホールドアームB380は、上記の実施形態と同様に、ホルダプレート310に対して、ディスクDの半径方向にスライド移動可能に設けられている。ディスクホールドアームA360は、そのディスク外縁側の端部に、ディスクストッパ260Bの凸部260Baによって押圧される被押圧部360aが設けられるとともに、トーションスプリング361によってディスク外縁側へ付勢されている。また、ディスクホールドアームA360におけるディスクDのセンターホールに対応する位置には、内側保持部360cが設けられている。この内側保持部360cは、断面が略L字状となるように立ち上げられた爪形状である。
さらに、ディスクホールドアームA360におけるディスク中心側の端部には、ピン360bが設けられており、ホルダプレート310に設けられたスライド穴310aに挿通されている(図106,107参照)。スライド穴310aは、ディスクホールドアームA360のスライド方向に形成された直線状の穴である。なお、ディスクホールドアームA360は、これに設けられた溝や爪が、ホルダプレート310に設けられたピンや穴に係合することにより、ホルダプレート310に支持されているが、その支持構造は、ディスクDの半径方向へのスライド移動を可能とするものであればよく、特定の構造には限定されない。
ディスクホールドアームB380は、そのディスク外縁側の端部に、外側保持部380aが設けられている。この外側保持部380aは、断面が略コの字となるように屈曲された爪形状であり、その内側にディスクDの外縁が入ることにより、ディスクDの内縁に当接した内側保持部360cとの間で、ディスクDが保持されるように構成されている。そして、ディスクホールドアームB380には、ディスクDの内縁に接離する円柱形状のディスクプッシュピン380bが設けられている。このディスクプッシュピン380bは、ホルダプレート310に形成された直線状のガイド穴310bに挿通されている。
さらに、ディスクホールドアームB380におけるディスクプッシュピン380bの近傍には、ピン380cが設けられており、ホルダプレート310に設けられたスライド穴310cに挿通されている(図106,108参照)。スライド穴310cは、ディスクホールアームB380のスライド方向に形成された直線状の穴である。なお、ディスクホールドアームB380は、これに設けられた溝や爪が、ホルダプレート310に設けられたピンや穴に係合することにより、ホルダプレート310に支持されているが、その支持構造は、ディスクDの半径方向へのスライド移動を可能とするものであればよく、特定の構造には限定されない。
ディスクホールドリンク370は、単一のプレートであり、ホルダプレート310に対して、軸390を中心に回動可能に取り付けられている。ディスクホールドリンク370の一端は、ディスクホールドアームA360のピン360bに回動可能に連結され、他端はディスクホールドアームB380のピン380cに回動可能に連結されている。これにより、ディスクホールドリンク370は、ディスクホールドアームA360がスライド移動すると回動し、これと相反する方向にディスクホールドアームB380をスライド移動させる構成となっている(図103〜105,109参照)。
さらに、ホルダプレート310におけるディスクDのセンターホールの内側には、ディスクDの内縁に接離する円柱形状のピン320dが固定されている。なお、ホルダプレート310の他の構成は、上記の実施形態で説明したホルダプレート11と同様であるため、説明を省略する。
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。なお、以下に説明する動作は、ディスクDをホルダプレート310に着脱する際のものであり、その他の動作は、上記の実施形態と同様である。すなわち、ディスクDのローディングが開始すると、図104に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動することにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアームA360の被押圧部360aを押圧するので、ディスクホールドアームA360がトーションスプリング361の付勢力に抗してスライド移動する。すると、内側保持部360cがディスク内縁を解放する位置に移動する。
これと同時に、ディスクホールドリンク370が回動し、ディスクホールドアームB380が、ディスクホールドアームA360と逆方向にスライド移動する。すると、外側保持部380aがディスク外縁を解放する位置に移動するとともに、ディスクプッシュピン380bが、ディスク内縁から離れる位置に移動する。そして、搬送されてきたディスクDの後縁は、ディスクストッパ250A,250Bの把持部250Ab,250Bbによって把持される。
次に、上記の実施形態と同様の手順で、ホルダプレート310が退避位置から上昇し、その中心が、ディスクストッパ250A,250Bに把持されたディスクDのセンターホールに合う。すると、ディスクDのセンターホール内に、内側保持部360c及びディスクプッシュピン380bが入る。また、ディスクDの外縁に対応する位置に、外側保持部380aが来る。そして、図103に示すように、ディスクストッパ250A,250Bが後方に移動すると、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム160の被押圧部360aを解放するので、トーションスプリング361の付勢力によって、ディスクホールドアームA360がディスク外縁側に移動する。すると、内側保持部360cがディスク内縁に当接する位置に移動する。
これと同時に、ディスクホールドリンク370が回動し、ディスクホールドアームB380が、ディスクホールドアームA360と逆方向にスライド移動する。すると、外側保持部380a内にディスク外縁が入り、ディスクプッシュピン380bが、ディスク内縁に当接する位置に移動する。
従って、ディスクDの内縁に接した内側保持部360cとディスクDの外縁が入った外側保持部380aとの間にディスクDが保持され、ディスクDがホルダプレート110上に装着される。また、内側保持部360cと略対向する位置にあるディスクプッシュピン380bも、ディスクDの内縁に当接するので、内側保持部360cとともにディスクDを保持する。
さらに、このようにディスクDが保持されているときに、図105に示すように、ディスクを引っ張る方向(図中矢印で示す)に力が加わっても、ホルダプレート310におけるピン310dがディスクDの内縁に当接するので、ディスクDがロックされ、外側保持部380a及び内側保持部360cからディスクDが脱落しない。
一方、ホルダプレート310からディスクDを解放する際には、図104に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動する。これにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム360の被押圧部360aを押圧するので、ディスクホールドリンクA360及びディスクホールドリンクB380が相反する方向にスライド移動するとともに、ディスクDの後縁を、把持部250Ab,250Bbが把持して前方に付勢する。すると、外側保持部380a、内側保持部360c及びディスクプッシュピン380bからディスクDが外れる。従って、ディスクDは、下降するホルダプレート310から解放され、ディスク再生動作若しくはディスク排出動作へと移行可能な状態となる。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、次のようなより一層優れた効果を奏する。すなわち、内側保持部360cばかりでなく、外側保持部380aも移動してディスクDを保持するので、ディスクDにおいて、外側保持部380aを回避させるための動作や位置決めが不要となり、ディスクDの位置ずれや径の相違があっても、確実に保持できる。例えば、図103〜105において、ディスクDの直径の規格幅に標準M、大径L、小径Sという相違があっても、解放時の外側保持部380aをディスクDの外縁から退避するように設計しておけばよいので、かかる相違にもかかわらず、正確に保持できる。
また、内側保持部360c及び外側保持部380aによる保持に加えて、ディスクホールドアーム330に設けられたディスクプッシュピン380bを、ディスクDのセンターホールに接触させて保持するので、簡素な構成且つ少ない所要スペースで、ディスク保持の確実性と位置決めの正確性を向上させることができる。
さらに、上記のような可動部材に設けられた内側保持部360c、外側保持部380a、ディスクプッシュピン380bによるディスク保持に加えて、ホルダプレート310に固定されたピン310dがディスクDの内縁に当接するので、ディスクDがロックされ、振動等によるディスクDの移動や脱落が確実に防止される。
[第4の実施形態]
[構成]
さらに、ディスクDに引っ張り等の外力が加わっても、これを保持する部材が変位しない実施形態を、図110〜116を参照して以下に説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成部に関しては説明を省略する。
本実施形態は、図110,111に示すように、各ホルダプレート410毎に設けられたディスク保持機構450が、上記の第3の実施形態と同様に、ディスクDの内縁と外縁の両方でディスクDを保持するものである。このディスク保持機構450は、ディスクホールドアームA460、ディスクホールドリンクA470、ディスクホールドリンクB471及びディスクホールドアームB480によって構成されている。また、ディスクホルダ410の後方には、第2の実施形態と同様の構成のディスクストッパ250A,250Bが設けられている。
ディスクホールドアームA460、ディスクホールドアームB480は、上記の実施形態と同様に、ホルダプレート410に対して、ディスク半径方向にスライド移動可能に設けられている。ディスクホールドアームA460は、そのディスク外縁側の端部に、ディスクストッパ260Bの凸部260Baによって押圧される被押圧部460aが設けられるとともに、トーションスプリング461によってディスク外縁側へ付勢されている。
さらに、図112に示すように、ディスクホールドアームA460におけるディスク中心側の端部には、ピン460bが設けられており、ホルダプレート410に設けられたガイド穴410aに挿通されている。ガイド穴410aは、ディスクホールドアームA460のスライド方向に形成された直線状の穴である。
ディスクホールドアームB480は、図110,111に示すように、そのディスク外縁側の端部に、外側保持部480aが設けられている。この外側保持部480aは、断面が略コの字となるように屈曲された爪形状であり、その内側にディスクDの外縁が入ることにより、ディスクDの内縁に当接した内側保持部470a(後述する)との間で、ディスクDが保持されるように構成されている。そして、図112に示すように、ディスクホールドアームB480には、ピン480bが設けられている。このピン480bは、ホルダプレート410に形成された直線状のガイド穴410bに、スライド移動可能に挿通されている。
なお、ディスクホールドアームA460,A480は、これに設けられた溝や爪が、ホルダプレート410に設けられたピンや穴に係合することにより、ホルダプレート410に支持されているが、その支持構造は、ディスクDの半径方向へのスライド移動を可能とするものであればよく、特定の構造には限定されない。
ディスクホールドリンクA470は、図113に示すように、ホルダプレート410に対して、軸490を中心に回動可能に取り付けられたプレートである。このディスクホールドリンクA470におけるディスクDのセンターホールに対応する位置には、内側保持部470aが設けられている。この内側保持部470aは、断面が略L字状となるように立ち上げられた爪形状である。また、ディスクホールドリンクA470には、ディスクホールドアームA460のピン460bに対応する位置に、L字状の係止ガイド穴470bが形成されている。この係止ガイド穴470bには、ディスクホールドアームA460のピン460bがスライド移動可能に挿通されている。
なお、図113におけるαで示すように、ディスクホールドリンクA470の内側保持部470aがディスクDのセンターホールを係止している際には、係止ガイド穴470bの先端部の方向とガイド穴410の方向との角度差が生じることにより、ピン460bが係止されるように構成されている。
ディスクホールドリンクB471は、図114に示すように、ホルダプレート310のガイド穴410a,410bの間に、軸500を中心に回動可能に取り付けられたプレートである。このディスクホールドリンクB471の一端には、ディスクホールドアームA460のピン460bがスライド移動可能に挿通されたリンク溝471aが形成されている。また、ディスクホールドリンクB471の他端には、ディスクホールドアームB480のピン480bがスライド移動可能に挿通されたリンク穴471bが形成されている。
これにより、ディスクホールドリンクB471は、ディスクホールドアームA460がスライド移動すると回動し、これと相反する方向にディスクホールドアームB480をスライド移動させる構成となっている。なお、ホルダプレート410の他の構成は、上記の実施形態で説明したホルダプレート11と同様であるため、説明を省略する。
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。なお、以下に説明する動作は、ディスクDをホルダプレート410に着脱する際のものであり、その他の動作は、上記の実施形態と同様である。すなわち、ディスクDのローディングが開始すると、図111に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動することにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアームA460の被押圧部460aを押圧するので、ディスクホールドアームA460がトーションスプリング461の付勢力に抗してスライド移動する。
すると、図115に示すように、ディスクホールドアームA460のピン460bが、ガイド穴410aをスライド移動するとともに、ディスクホールドリンクA470の係止ガイド穴470b内を移動して、ディスクホールドリンクA470を回動させるので、内側保持部470aがディスク内縁(センターホール)を解放する位置に移動する。
これと同時に、ディスクホールドリンクB471が回動し、ディスクホールドアームB480が、ディスクホールドアームA460と逆方向にスライド移動する。すると、図111に示すように、外側保持部480aがディスク外縁を解放する位置に移動する。そして、搬送されてきたディスクDの後縁は、ディスクストッパ250A,250Bの把持部250Ab,250Bbによって把持される。
次に、上記の実施形態と同様の手順で、ホルダプレート410が退避位置から上昇し、その中心が、ディスクストッパ250A,250Bに把持されたディスクDのセンターホールに合う。すると、ディスクDのセンターホール内に、内側保持部470aが入る。また、ディスクDの外縁に対応する位置に、外側保持部480aが来る。そして、図110に示すように、ディスクストッパ250A,250Bが後方に移動すると、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアームA460の被押圧部460aを解放するので、トーションスプリング461の付勢力によって、ディスクホールドアームA460がディスク外縁側に移動する。
すると、図116に示すように、ディスクホールドアームA460のピン460bが、ガイド穴410aを上記と逆方向にスライド移動するとともに、ディスクホールドリンクA470の係止ガイド穴470bの先端まで移動して、外方向に付勢する。これにより、ディスクホールドリンクA470が回動して、内側保持部470aがディスク内縁に当接する。
これと同時に、ディスクホールドリンクB471が回動し、ディスクホールドアームB480が、ディスクホールドアームA460と逆方向にスライド移動する。すると、外側保持部480a内にディスク外縁が入る。従って、ディスク内縁に接した内側保持部470aとディスクDの外縁が入った外側保持部480aとの間にディスクDが保持され、ディスクDがホルダプレート410上に装着される。
さらに、このようにディスクDが保持されているときに、ディスクDを引っ張る方向に力が加わっても、係止ガイド穴470bの先端部とガイド穴410aとの角度差αによって、ピン460bが係止されるので、ディスクホールドリンクA470の回動が規制される。従って、ディスクDがロックされ、外側保持部480a及び内側保持部470cからディスクDが脱落しない。
一方、ホルダプレート410からディスクDを解放する際には、図111に示すように、上記の実施形態と同様の手順でディスクストッパ250A,250Bが前方に移動する。これにより、ディスクストッパ250Bの凸部250Baが、ディスクホールドアーム460の被押圧部460aを押圧するので、ディスクホールドリンクA460及びディスクホールドリンクB480が相反する方向にスライド移動するとともに、ディスクDの後縁を、把持部250Ab,250Bbが把持して前方に付勢する。すると、上記と同様に、外側保持部480a、内側保持部470aからディスクDが外れる。従って、ディスクDは、下降するホルダプレート410から解放され、ディスク再生動作若しくはディスク排出動作へと移行可能な状態となる。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、上記の第1〜3の実施形態と同様の効果が得られるとともに、次のようなより一層優れた効果を奏する。すなわち、内側保持部460a及び外側保持部480aによって、ディスクDを保持するので、構成を簡素化できる。特に、ピン460bが挿通された穴(係止ガイド穴470b、ガイド穴410a)によって、ディスクDが引っ張られても脱落しないようにロックできるので、ロックのための特別な部材を必要とせずに、ディスク保持の確実性が向上する。
[第5の実施形態]
[構成]
本実施形態は、上記の第1の実施形態におけるローディングローラ51によってディスクDを挟持する際に、ディスクDを検知するための光学式透過センサの配置に改良を施したものである。すなわち、本実施形態は、ディスクDの位置検出と異物の混入防止等のために、4つのセンサを使用している。まず、図117,118に示すように、ドライブシャーシユニット40には、ディスクDの外周近傍に沿って、3つのセンサS1〜S3が固定されている。こまた、ローディングブロック50のローディングプレート50bには、付勢ガイド55の近傍に、一つのセンサS4が設けられている。
ローディングブロック50のローディングプレート50aには、センサS1に対応する位置に、検出穴50cが形成されており、これによりセンサS1は、ローディングブロック50の移動を検出できるように構成されている。センサS4は、付勢ガイド55の端部(ディスクDの外縁に接離する端部と反対側)に対応する位置に設けられ、付勢ガイド55の回動を検出できるように構成されている。
[作用]
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。なお、以下に説明する動作は、ローディングブロック50の移動に従って、ディスクDをローディングローラ51とローラガイドとの間で挟持する時のディスクDの検出動作であり、ローディングブロック50の移動原理等については、上記の実施形態と同様である。すなわち、図117に示す状態から、図118に示すように、ローディングブロック50が後方に移動してディスクDに接近していくと、センサS1の検出状態は、ローディングプレート50aによって遮られていない状態(明)から、遮られる状態(暗)、検出穴50cによって遮られていない状態(明)へと変化する。これにより、ローディングブロック50の移動が検知される。
このとき、ディスクDが、ローディングローラ51とローラガイドとの間に正常に狭持されると、ディスクDの外縁に、付勢ガイド55の端部に当接して、付勢ガイド55が回動する。すると、これがセンサS4によって検出されるので(ON状態)、ディスクDが正常に把持できたと判定され、そのまま次の動作へ移行させる。一方、ディスクDが正常に挟持されなかった場合には、ディスクDの外縁に、付勢ガイド55の端部が当接せず、付勢ガイド55が回動しない。センサS4はOFF状態のままとなり、ディスクDが正常に把持できなかったと判定される。かかる場合には、ローディングブロック50を前方へ移動させることにより元へ戻し、再度後方へ移動させてディスクDの挟持を試みる。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、ディスクDをホルダプレート11から離す際に、外部から振動が加わることによりディスクDの外周部が上下方向に振動し、ローディングローラ51による把持ができなくなった場合であっても、ローディングブロック50が戻って再度ディスクDを試みるので、ディスクDがローディングブロック50の上に乗り上げることがない。従って、ディスクDがフリーな状態になってメカニズムが動作できなくなる等の故障の発生を防止できる。
[他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。例えば、ディスクホールドアームを付勢する機構は、上記の実施形態で例示したものには限定されず、ディスク把持手段と同期させて付勢できるものであれば、どのような機構であってもよい。また、ディスクホールドリンク、ディスクホールドアーム、ホルダプレートの大きさ、数、形状は上記の実施形態で示したものには限定されない。
ディスク保持機構における当接部や外側保持部及び内側保持部も、ディスクの内縁や外縁に接離してディスクを保持できるものであればよい。従って、例えば、当接部を、円柱のピンではなく、角柱のピンとしてもよいし、ディスク接触面のみ曲面となった半円柱形状のピンであってもよい。また、当接部を、ピン形状でなく、内縁に係合する爪形状としてもよい。当接部をディスクホールドリンクと一体に形成してもよい。また、外側保持部及び内側保持部は、当接部との間でディスクを保持できる形状であればよいので、爪形状には限定されない。例えば、外側保持部若しくは内側保持部を、ピン形状とすることも可能である。外側保持部若しくは内側保持部を、ホルダプレートと一体に形成せずに、ディスクの縁を保持する部材をホルダプレートに取り付けることによって構成してもよい。さらに、内側保持部を省略して、当接部と外側保持部のみによって保持することも可能であり、これによって構成を一層簡略化させることができる。当接部、外側保持部及び内側保持部の全て若しくはいずれかを、複数設けてもよい。
また、各部材及びその配置間隔、動作距離等の具体的な数値についても、自由である。なお、請求項や実施形態において、ディスクホールドアームが移動する「ディスクの径方向」や「ディスクの半径方向」とは、ディスクの径方向に正確に一致した方向に限定するものではなく、ディスクの径方向と平行であるが僅かにずれた方向やかかる方向と僅かに相違する角度の方向も含む(略径方向)。つまり、ホルダプレートに保持されたディスクの中心から放射線状に広がるラインから、多少の相違があってもよい。
また、本発明は、CDやDVD等を扱うディスク装置に適しているが、これに限定されるものではなく、平板状の記録媒体に広く適用可能である。さらに、本発明は、車載用のディスク装置に適しているが、これに限定されるものではなく、据置型、ポータブル型等、種々のディスク装置に適用可能である。