JP4723124B2 - ポジションデータの生成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象の回路基板における基板面領域を分割した複数のエリア毎に、その各エリア内の複数の検査ポイントについての検査結果や検査完了の有無などの所定情報を表示するためのポジションデータの生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のポジションデータを利用して検査結果を表示する回路基板検査装置として、図2に示す回路基板検査装置31が従来から知られている。この回路基板検査装置31では、基板検査部2が、検査対象の基板Pについて予め設定された複数の検査ポイントに対してプロービングを行い、所定の電気的検査を実行すると共に、制御部35が、その検査結果を表示部4に表示させる。この場合、図3に示すように、検査対象の基板Pは、いわゆる割り基板または多数枚取り基板と呼称されるプリント基板であって、モジュールMA1〜MD4(以下、区別しないときには「モジュールM」ともいう:「基板」の一例)が横方向に4枚(A〜D)、縦方向に4枚(1〜4)連結されている。この場合、各モジュールMは、回路基板検査装置31による検査が完了した後に、基板Pにおける同図に示す破線部位で分割されて最終製品として製造される。したがって、図4に示すように、回路基板検査装置31では、各検査ポイントについての検査結果に応じて、後述するように、最終製品としてのモジュールMA1〜MD4のそれぞれに対応するエリアAA1〜AD4(以下、区別しないときには「エリアA」ともいう))を色分け表示することにより、個々のモジュールMについての良否を表示部4に表示する。
【0003】
この回路基板検査装置31による基板Pの検査に際しては、まず、各検査ポイントのプロービング座標を示すプロービングデータDpを、例えば図外のパーソナルコンピュータを用いて生成する。このプロービングデータDpは、図5に示すように、基板検査部2によるプロービング(検査ステップ)の順序を示したステップ番号(S No.)、その検査ステップのステップ名、その検査ステップがいずれのエリアA(モジュールM)についての検査ステップであるかを示すポジションデータ(PS)、その検査ステップにおいてプロービングすべきモジュールM上のプロービング座標、および基板Pにおける各モジュールMの配置情報(そのモジュールMの例えば左上隅位置の基板P上の基準座標からのずれ量、すなわちオフセット値)などが記録される。この場合、パーソナルコンピュータ上でプロービングデータDpを生成する際には、基板P全体を通して検査すべきポイントをリストアップして各検査ステップを順に記述するため、この際には、各検査ステップがいずれのモジュールMに属するかは記録されない。したがって、図6に示すように、生成されたプロービングデータDpでは、ポジションデータ(PS)が未記録となっている。なお、この際には、同図におけるステップ番号1〜100についてもポジションデータ(PS)が未記録となっている。
【0004】
次に、プロービングデータDpをパーソナルコンピュータから回路基板検査装置31に転送した後、未記録となっている各検査ステップ毎のポジションデータ(PS)が回路基板検査装置31によって記録される。以下、このポジションデータの記録処理を「オートロケーション処理」ともいう。このオートロケーション処理に際しては、まず、制御部35が、基板Pの設計段階において生成されたCADデータなどに基づいて、基板Pの外形サイズを取得する。次に、制御部35は、取得した基板Pの外形サイズと、基板Pの分割数(この場合、横方向に4枚、縦方向に4枚)とに基づいて各モジュールM毎の外形サイズを演算する。この場合、図3に示すように、一例として、基板Pの左上を原点(X0,Y0)とし、各モジュールMの横方向(X方向)および縦方向(Y)方向の長さをそれぞれ値100とする。次いで、制御部35は、基板Pの外形サイズと各モジュールM毎の外形サイズとに基づいて、各モジュールMの基板P上の位置を特定する。
【0005】
続いて、制御部35は、各検査ステップ毎のプロービング座標がいずれのエリアAに属するかを判別し、その判別結果をプロービングデータDpのポジションデータとして記録する。具体的には、図6に示すように、例えば検査ステップ1は、プロービング座標が(X21,Y22)でX方向およびY方向のオフセット値が共に「0」であるため、制御部35は、エリアAA1内(この場合、(X0,Y0)〜(X100,Y100)の範囲)に属するものとして、検査ステップ1のポジションデータをA1と記録する。この処理をすべての検査ステップに対して順に実行することにより、図5に示すように、プロービングデータDpにおけるポジションデータの部位に各検査ステップの属するエリアが記録され、オートロケーション処理が終了する。この後、基板検査部2が、生成されたプロービングデータDpにおける各検査ステップ毎のプロービング座標(検査ポイント)に対してプロービングを順次実行し、基板Pの各モジュールMについての電気的検査を実行する。
【0006】
次に、制御部35は、基板検査部2による基板Pに対する電気的検査が完了した後、図4に示すように、検査結果表示用画面11を表示部4に表示させる。この検査結果表示用画面11では、実際の基板Pにおける基板面領域のすべてのモジュールMA1〜MD4についての検査結果が、表示部4に表示させた基板P上の対応するエリアAA1〜AD4にそれぞれ表示される。例えば検査結果表示用画面11上のエリアAA1には、基板P上の対応するモジュールMA1についての検査ステップの検査結果が表示される。具体的には、そのモジュールMについてのすべての検査ステップにおいて絶縁不良や導通不良など(以下、単に「不良」ともいう)の発生が認められなかったときには、そのモジュールMに対応する検査結果表示用画面11上のエリアAを例えば白色で表示する。一方、そのモジュールMについての検査ステップのいずれかにおいて不良の発生が認められたときには、そのモジュールMに対応する検査結果表示用画面11上のエリアAを例えば赤色(同図では「斜線」で示す)で表示する。これにより、オペレータは、表示部4に表示された検査結果表示用画面11を参照するだけで、検査対象の基板Pにおける不良の有無、および不良が存在するモジュールMを直感的に特定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の回路基板検査装置31には、以下の問題点がある。すなわち、従来の回路基板検査装置31では、各モジュールM毎の検査結果を検査結果表示用画面11上に表示させるためには、まず、各検査ステップのプロービング座標やオフセット値に基づいてポジションデータをそれぞれ特定する必要がある。一方、基板Pの各モジュールMには、20000以上の検査ポイントが存在することもある。このため、各検査ステップ毎に、その検査ポイントがいずれのエリアA(モジュールM)に属するかを判別している従来の回路基板検査装置31には、ポジションデータの生成に膨大な時間を要するという問題点がある。
【0008】
また、従来の回路基板検査装置31では、各検査ステップ毎のプロービング座標やオフセット値、およびモジュールMの外形サイズと基板P上での位置とに基づいて、その検査ステップがいずれのエリアA(モジュールM)についての検査ステップであるかを判別する必要がある。しかし、各種サイズおよび形状が異なる異種のモジュールが連結された基板Pについては、基板Pの外形サイズとモジュールMの分割数とに基づいて各モジュールM毎の外形サイズを特定するのが困難となる。このため、このような基板Pについては、例えばCADデータから各モジュールM毎のサイズ情報を取得し、取得したサイズ情報に基づいて外形サイズを特定する必要がある。しかし、この方法には、取得したサイズ情報と、実際の基板PにおけるモジュールM毎のサイズとの間に若干の誤差が生じることがあるため、例えば隣り合うモジュールM,Mの境界部近傍にプロービングする検査ステップについて、本来属するべきモジュールMの隣のモジュールMについての検査ステップと誤って判別することがある。したがって、誤って判別された検査ステップにおいて不良が生じていると判別した際には、不良が存在するモジュールMの隣のモジュールMに対応するエリアAが赤色に誤表示されるという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ポジションデータを短時間で生成可能なポジションデータの生成方法を提供することを主目的とする。また、正確なポジションデータを生成可能なポジションデータの生成方法を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載のポジションデータの生成方法は、複数枚の基板が連結された検査対象の回路基板における基板面領域を当該各基板に対応させて分割した互いに重なることのない複数のエリア毎に当該各エリア内の複数の検査ポイントについての所定情報を表示するために、予め得られた前記各検査ポイントについての検査ポイント位置情報および前記各エリアについてのエリア位置情報に基づいて、前記各検査ポイントがいずれのエリアに属するかを示すポジションデータを生成するポジションデータの生成方法であって、同一の前記エリアに属する各検査ポイントのそれぞれについての前記検査ポイント位置情報に基づいて当該各検査ポイントを代表する代表ポイントの位置情報を求め、当該求めた代表ポイントの位置情報と前記エリア位置情報とに基づいて当該代表ポイントが属する前記エリアを特定し、当該特定したエリアを前記代表ポイントに代表される前記各検査ポイントが属するエリアとして前記ポジションデータを生成することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載のポジションデータの生成方法は、請求項1記載のポジションデータの生成方法において、前記同一のエリアに属する前記各検査ポイントのそれぞれについての前記検査ポイント位置情報としての座標データにおけるX軸成分の総和およびY軸成分の総和を当該各検査ポイントの数でそれぞれ除することによって当該各検査ポイントの中心部に位置する中心座標を求め、当該求めた中心座標を前記代表ポイントとして用いることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載のポジションデータの生成方法は、請求項1または2記載のポジションデータの生成方法において、前記同一のエリアに属する各検査ポイントのいずれかに不良が存在するときに当該エリアに不良が存在する旨の検査結果を前記所定情報として表示するための前記ポジションデータを生成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るポジションデータの生成方法の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
最初に、本発明に係るポジションデータの生成方法に従ってプロービングデータDpを生成する回路基板検査装置1の構成について、図面を参照して説明する。なお、従来の回路基板検査装置31と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0015】
回路基板検査装置1は、いわゆるフライングテスタであって、図2に示すように、基板検査部2、操作部3、表示部4、制御部5、RAM6およびROM7を備えている。基板検査部2は、基板Pに接触して電気的検査を実行するための一対の接触型のプローブ2a,2aと、制御部5の制御下で両プローブ2a,2aを任意のX−Y−Z方向に移動させるX−Y−Z移動機構(図示せず)とを備え、基板Pの各検査ポイントについての断線や短絡などの不良の有無を電気的に検査する。操作部3は、回路基板検査装置1の動作条件を設定するための各種キーを備えている。表示部4は、特に限定されないが、例えばカラー表示可能なLCDパネルで構成されている。この表示部4は、制御部5の制御下で、図4に示す検査結果表示用画面11などを表示する。制御部5は、基板検査部2の動作制御や表示部4の表示制御を実行する。RAM6は、基板Pについての検査手順が記録されたプロービングデータDpや制御部5の演算結果などを一時的に記憶し、ROM7は、制御部5の動作プログラムを記憶する。なお、検査対象の基板Pについては、回路基板検査装置31の検査対象と同一であるものとし、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0016】
次に、回路基板検査装置1による基板Pの検査方法について、図面を参照して説明する。
【0017】
基板Pの検査に際しては、まず、各検査ポイントのプロービング座標を示すプロービングデータDpを例えば図外のパーソナルコンピュータ上で生成する。このプロービングデータDp(図5参照)は、前述したように、ステップ番号、ステップ名、ポジションデータ、モジュールM上のプロービング座標、および各モジュールMのオフセット値などで構成され、同一のモジュールMに関する検査ステップが100ステップずつ連続して記録される。この場合、プロービング座標およびオフセット値で本発明における予め得られた検査ポイント位置情報が構成される。なお、生成直後のプロービングデータDpでは、前述したようにポジションデータが未記録となっている。また、例えば検査ステップ1〜100までの100ステップについては、同一のモジュールMに関する検査ステップであることは特定できるものの、ポジションデータが未記録の状態では、これら100ステップずつの検査ステップがいずれのモジュールMに関する検査ステップであるかは特定不能となっている。
【0018】
次に、プロービングデータDpをパーソナルコンピュータから回路基板検査装置1に転送する。次いで、制御部5が、プロービングデータDpにおける未記録のポジションデータ(PS)を記録するために、図1に示すオートロケーション処理20を実行する。この処理では、まず、制御部5が、例えば基板Pの設計段階で既に生成されているCADデータに基づいて、基板Pの外形サイズと基板Pの分割数(モジュールMの配列数)とを取得する(ステップ21)。次に、制御部5は、取得した基板Pの外形サイズと、基板Pの分割数(この場合、横方向に4枚、縦方向に4枚)とに基づいて各モジュールM毎の外形サイズを演算する(ステップ22)。次いで、制御部5は、基板Pの外形サイズと、各モジュールM毎の外形サイズと、各モジュールMの基板P上における原点(X0,Y0)からのオフセット値とに基づいて、各モジュールMの基板P上での位置を特定する(ステップ23)。この際には、例えばモジュールMA1の基板P上における座標が(X0,Y0)〜(X100,Y100)の範囲で、モジュールMD4の基板P上における座標が(X300,Y300)〜(X400,Y400)の範囲であることを示す範囲情報(本発明における予め得られたエリア位置情報に相当する)が作成される。
【0019】
続いて、制御部5は、1つのモジュールMに関するすべての検査ステップ、すなわち検査ステップ1〜100,101〜200・・1501〜1600の各100ステップ毎の代表座標を決定する(ステップ24)。具体的には、制御部5は、例えば検査ステップ1〜100のそれぞれのプロービング座標(座標とオフセット値との合計値)に基づいて、各検査ステップで実行するプロービング座標の中心座標を演算する。この際に、例えば、各検査ステップにおけるプロービング座標のX軸成分(座標のX軸成分の値とオフセット値のX軸成分の値との合計値)を合計して検査ステップ数(この場合、100)で除すことにより、中心座標のX軸成分を演算する。同様にして、各検査ステップにおけるプロービング座標のY軸成分(座標のY軸成分の値とオフセット値のY軸成分の値との合計値)を合計して検査ステップ数で除すことにより、中心座標のY軸成分を演算する。これにより、同一のモジュールMに対する100ステップについての中心座標Z(図3参照)が求められる。この場合、各検査ステップ毎のプロービング座標がモジュールMA1の全域に散りばめられて規定されているため、これらのプロービング座標から演算した中心座標Zは、同図に示すように、モジュールMA1の中心部またはほぼ中心部の座標と等しくなる。この後、この中心座標Zを代表座標(本発明における代表ポイントに相当する)として以下のステップを順に実行する。
【0020】
次に、制御部5は、決定した代表座標と、ステップ23で作成した各モジュールMの範囲情報とに基づいて、その代表座標がいずれのモジュールMに属するかを判別する。次いで、制御部5は、判別したモジュールMに対応するエリアAを、ステップ24で代表座標を決定した100ステップ分のすべての検査ステップが属すべきエリアAとして決定する(ステップ25)。続いて、図6に示すように、制御部5は、決定したエリアAに関する情報をプロービングデータDpにおけるステップ1〜100の検査ステップについてのポジションデータとして一括記録する(ステップ26)。この後、制御部5は、検査ステップ101〜200,201〜300・・1501〜1600についてもステップ24〜26を実行する。これにより、図5に示すように、プロービングデータDpにおけるすべての検査ステップについてのポジションデータが記録され、オートロケーション処理20が完了する。
【0021】
次に、基板検査部2が、制御部5の制御下で、プロービングデータDpに基づく基板Pについての電気的検査を実行する。この際に、基板検査部2は、基板P上の所定の一対のプロービング座標にそれぞれ対応する一対の検査ポイントにプローブ2a,2aを接触させ、一方のプローブ2aから検査信号を出力しつつ他方のプローブ2aを介して検査信号を入力する。次に、一対の検査ポイント間の例えば抵抗値を測定し、その抵抗値に基づいて、両検査ポイント間の短絡または絶縁を検査し、その検査結果を制御部5に出力する。これに応じて、制御部5は、入力した検査結果をRAM6に記憶させる。このようにして基板検査部2による各検査ポイントについての電気的検査、および制御部5によるRAM6への各検査結果の記憶処理を順次実行することにより、基板P上のすべての検査ポイントについての検査結果がRAM6に記憶される。
【0022】
次に、すべての検査ポイントについての電気的検査が完了した後に、制御部5は、その検査結果を表示部4に表示させる。この場合、図4に示すように、制御部5は、基板Pを構成する16枚のモジュールMA1〜MD4のそれぞれに対応する16区画のエリアAA1〜AD4の各々を検査結果表示単位として検査結果表示用画面11を表示部4に表示させ、各エリアA(モジュールM)に属する検査ポイントについての検査結果を例えば白赤の表示色で色分け表示する。具体的には、制御部5は、RAM6に記憶されている検査結果に基づいて、各エリアAに属する検査ポイントのいずれかに不良が発生しているときには、対応するエリアAを赤色で表示する。また、各エリアAに属する検査ポイントに不良が発生していないときには、対応するエリアAを白色で表示する。これにより、例えば、すべての検査ポイントに不良が発生していないモジュールMA1,MB1,MD4などについては、検査結果表示用画面11上の対応するエリアAA1,AB1,AD4が白色で表示され、いずれかの検査ポイントに不良が発生しているモジュールMC1については、対応するエリアAC1が赤色で表示される。これにより、オペレータは、検査結果表示用画面11を参照することで、基板Pについての不良の有無、および基板P上で不良が発生しているモジュールMA1〜MD4の位置を正確かつ直感的に特定することができる。
【0023】
このように、この回路基板検査装置1によれば、同一のモジュールMについての100ステップ分の検査ステップについて求めた代表座標に基づいて、各検査ステップが属するエリアAを特定してポジションデータとして一括して記録することにより、各検査ステップ毎に該当するエリアAを個別的に特定する従来のポジションデータの生成方法と比較して、オートロケーション処理に要する時間を大幅に短縮することができる。この場合、本発明の実施の形態では、本発明についての理解を容易とするために、1つのモジュールM当り100ステップのプロービングを実行する例を説明したが、実際に基板Pを検査する際には、1つのモジュールM当り20000ステップ以上のプロービングを実行する。このため、従来のポジションデータの生成方法と比較した場合、オートロケーション処理に要する時間をほぼ1/20000に短縮することができる。
【0024】
また、この回路基板検査装置1によれば、同一のモジュールMに関する100ステップについての中心座標Zを代表座標として用いることにより、前述したように、この中心座標がモジュールMの中心部近傍に位置するため、例えば隣接する他のエリアAに近い座標に基づく該当エリアの判別方法とは異なり、本来属すべきエリアAを正確に特定することができる。これにより、正確なポジションデータを生成することができると共に、各モジュールMについての検査結果を、その検査ポイントが属すべきエリアAに正確に表示することができる。
【0025】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、本発明における代表座標として中心座標を用いた例を説明したが、本発明における代表座標はこれに限定されず、同一モジュールMに対する複数の検査ステップから任意に選択した検査ステップのプロビーング座標を代表座標としてもよい。また、本発明の実施の形態では、検査に際して接触型のプローブ2aを所定の検査ポイントに接触させるためプロービング座標を用いて代表座標を求めた例を説明したが、非接触型のプローブを使用する回路基板検査装置では、検査時に非接触型のプローブを配置すべき検査座標を用いて代表座標を求めることができる。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、本発明における所定情報として各モジュールM毎の検査結果を表示させる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各検査時点における検査ポイントが属するモジュールMに対応するエリアAを表示させたり、検査を完了したモジュールMに対応するエリアAを表示させることもできる。この場合、表示方法についても本発明の実施の形態に例示した色分け表示に限定されず、例えば不良が存在するエリアAを特定可能な文字情報を表示させてもよい。さらに、最終製品としてのモジュールMA1〜MD4が連結された基板P(割り基板)を検査対象とした例を説明したが、1枚の回路基板を複数の基板面領域に分割して、各基板面領域毎の検査結果を表示させる際にも、本発明におけるポジションデータの生成方法を有効に適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載のポジションデータの生成方法によれば、同一のエリアに属する各検査ポイントを代表する代表ポイントの位置情報を求め、その代表ポイントの位置情報とエリア位置情報とに基づいて代表ポイントが属するエリアを特定して、そのエリアを代表ポイントに代表される各検査ポイントが属するエリアとしてポジションデータを生成することにより、各検査ポイント毎にその検査ポイントが属するエリアを特定してポジションデータを生成する従来方法と比較して、同一のエリアに属する各検査ポイントについてのポジションデータを一括して生成できるため、短時間でポジションデータを生成することができる。
【0028】
また、請求項2記載のポジションデータの生成方法によれば、同一のエリアに属する各検査ポイントのそれぞれについての検査ポイント位置情報としての座標データにおけるX軸成分の総和およびY軸成分の総和を各検査ポイントの数でそれぞれ除することによって求めた中心座標を代表ポイントとして用いることにより、中心座標が各エリアの中心部に位置するため、隣接する他のエリアに属するといった誤った特定を防止できる結果、各検査ポイントが属するエリアを正確に特定してポジションデータを生成することができる。
【0029】
さらに、請求項3記載のポジションデータの生成方法によれば、生成したポジションデータに基づいて検査結果を表示する際に、不良が存在するエリアおよび正常なエリアを正確に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路基板検査装置1によって実行されるオートロケーション処理20のフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態に係る回路基板検査装置1および従来の回路基板検査装置31のそれぞれの構成を示すブロック図である。
【図3】回路基板検査装置1,31の検査対象である基板Pの基板面領域におけるモジュールMA1〜MD4の概念を説明する説明図である。
【図4】基板Pについての検査結果を一覧表示する検査結果表示用画面11の表示画面図である。
【図5】基板Pについての検査手順を示すプロービングデータDpの内容を説明するための説明図である。
【図6】検査ステップ1〜100にポジションデータを記録した状態のプロービングデータDpの内容を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 回路基板検査装置
2 基板検査部
3 操作部
4 表示部
5 制御部
6 RAM
7 ROM
11 検査結果表示用画面
20 オートロケーション処理
AA1〜AD4 エリア
Dp プロービングデータ
MA1〜MD4 モジュール
P 基板

Claims (3)

  1. 複数枚の基板が連結された検査対象の回路基板における基板面領域を当該各基板に対応させて分割した互いに重なることのない複数のエリア毎に当該各エリア内の複数の検査ポイントについての所定情報を表示するために、予め得られた前記各検査ポイントについての検査ポイント位置情報および前記各エリアについてのエリア位置情報に基づいて、前記各検査ポイントがいずれのエリアに属するかを示すポジションデータを生成するポジションデータの生成方法であって、
    同一の前記エリアに属する各検査ポイントのそれぞれについての前記検査ポイント位置情報に基づいて当該各検査ポイントを代表する代表ポイントの位置情報を求め、当該求めた代表ポイントの位置情報と前記エリア位置情報とに基づいて当該代表ポイントが属する前記エリアを特定し、当該特定したエリアを前記代表ポイントに代表される前記各検査ポイントが属するエリアとして前記ポジションデータを生成することを特徴とするポジションデータの生成方法。
  2. 前記同一のエリアに属する前記各検査ポイントのそれぞれについての前記検査ポイント位置情報としての座標データにおけるX軸成分の総和およびY軸成分の総和を当該各検査ポイントの数でそれぞれ除することによって当該各検査ポイントの中心部に位置する中心座標を求め、当該求めた中心座標を前記代表ポイントとして用いることを特徴とする請求項1記載のポジションデータの生成方法。
  3. 前記同一のエリアに属する各検査ポイントのいずれかに不良が存在するときに当該エリアに不良が存在する旨の検査結果を前記所定情報として表示するための前記ポジションデータを生成することを特徴とする請求項1または2記載のポジションデータの生成方法。
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