JP4722734B2 - 撮影位置特定システム、撮影位置特定装置及び撮影位置特定方法 - Google Patents

撮影位置特定システム、撮影位置特定装置及び撮影位置特定方法 Download PDF

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Description

本発明は、撮影位置特定システム、撮影位置特定装置及び撮影位置特定方法、特に、複数台の端末を利用して画像を撮影した位置を算出する撮影位置特定システム、撮影位置特定装置及び撮影位置特定方法に関する。
従来から、撮影した画像が、どこで撮影したものであるかを把握することができるカメラなどの撮影装置として、特許文献1に記載にされているものが知られている。この撮影装置は、被写体の撮影時にGPS(ジーピーエス:Global Positioning System)からその撮影装置の位置の情報を取得し、撮影した画像と撮影した位置の情報とを対応付けて記憶するようにしている。
特開2005−203994号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている撮影装置では、GPSを利用した位置特定の精度が数m程度であるため、撮影時の位置を正確に特定することはできないという問題があった。また、GPSを利用して位置を特定するためには、衛星から電波を受信する必要があるため、建物内や地下では、撮影位置を特定することができないという問題があった。
また、従来から被写体の写真を撮影する撮影装置が知られているが、この撮影装置では、写真以外の被写体に関する情報を、撮影した写真に対応付けて記録することができなかった。よって、被写体の写真と被写体に関する情報とを対応付けて管理する場合には、被写体に関する情報を紙に書くなどして写真とともに管理する必要があり、管理者の管理負担が大きかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電波の使用が認められていない環境においても、画像を撮影した位置を正確に求めることができるとともに、その画像に対する書き込みを行うことができる撮影位置特定システム、撮影位置特定装置及び撮影位置特定方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを備える撮影位置特定システムであって、前記撮影位置特定装置は、撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、書込指示を取得する書込指示取得手段と、前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、前記撮影指示を取得した場合に電磁波を放射する電磁波放射手段と、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を取得する時刻取得手段と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有し、前記端末は、前記電磁波放射手段が放射した電磁波を受信する電磁波受信手段と、前記電磁波を受信した場合に音波を発信する音波発信手段とを有することを特徴とする撮影位置特定システムである。
また、請求項2に記載の発明は、撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを備える撮影位置特定システムであって、前記撮影位置特定装置は、同期信号を前記少なくとも3台の端末に有線通信を利用して送信する同期信号送信手段と、撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、書込指示を取得する書込指示取得手段と、前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、前記音波を受信した時刻と前記撮影指示を取得した時刻取得手段と、前記音波を受信した時刻と前記同期信号を送信した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有し、前記端末は、前記有線通信を利用して送信された同期信号を受信する同期信号受信手段と、前記同期信号を受信した場合に音波を発信する音波発信手段とを有することを特徴とする撮影位置特定システムである。
また、請求項3に記載の発明は、前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報とを重ね合わせて表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影位置特定システムである。
また、請求項4に記載の発明は、前記第1の記憶手段は、前記少なくとも3台の端末の位置とそれらの端末の識別情報とを対応付けて予め記憶し、前記音波受信手段は、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信するとともに、音波がどの端末から発信された音波であるかを前記識別情報に基づいて特定し、前記音波発信手段は、前記電磁波又は同期信号を受信した場合に自端末の識別情報を含んだ音波を発信することを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の撮影位置特定システムである。
また、請求項5に記載の発明は、前記撮影位置特定装置は、被写体を撮影する方位を計測する方位計測手段を更に有し、前記第2の記憶手段は、前記撮影手段が撮影した情報に対応付けて、前記方位計測手段が計測した方位を更に記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の撮影位置特定システムである。
また、請求項6に記載の発明は、重力の加速度に基づいて撮影時の自撮影位置特定装置の仰角を算出する仰角計測手段を更に有し、前記第2の記憶手段は、前記撮影手段が撮影した情報に対応付けて、前記仰角算出手段が算出した仰角を更に記憶することを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載の撮影位置特定システムである。
また、請求項7に記載の発明は、撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、書込指示を取得する書込指示取得手段と、前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、前記撮影指示を取得した場合に電磁波を放射する電磁波放射手段と、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を取得する時刻取得手段と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有することを特徴とする撮影位置特定装置である。
また、請求項8に記載の発明は、同期信号を前記少なくとも3台の端末に有線通信を利用して送信する同期信号送信手段と、撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、書込指示を取得する書込指示取得手段と、前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、前記音波を受信した時刻と前記撮影指示を取得した時刻を取得する時刻取得手段と、前記音波を受信した時刻と前記同期信号を送信した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有することを特徴とする撮影位置特定装置である。
また、請求項9に記載の発明は、撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを使用した撮影位置特定方法であって、撮影指示を前記撮影位置特定装置により取得する撮影指示取得過程と、書込指示を前記撮影位置特定装置により取得する書込指示取得過程と、前記撮影指示を取得した場合に被写体を前記撮影位置特定装置により撮影する撮影過程と、前記撮影結果に関する情報を前記撮影位置特定装置により取得する入力過程と、前記少なくとも3台の端末の位置を前記撮影位置特定装置により予め記憶する第1の記憶過程と、前記撮影指示を取得した場合に電磁波を前記撮影位置特定装置により放射する電磁波放射過程と、前記電磁波放射過程で放射した電磁波を前記少なくとも3台の端末により受信する電磁波受信過程と、前記電磁波を受信した場合に音波を前記少なくとも3台の端末により発信する音波発信過程と、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を前記撮影位置特定装置により受信する音波受信過程と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を前記撮影位置特定装置により取得する時刻取得過程と、前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を前記撮影位置特定装置により算出する距離算出過程と、前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を前記撮影位置特定装置により算出する位置算出過程と、前記書込指示を取得した場合に前記入力過程で入力される情報を付加情報として前記撮影位置特定装置により取得する付加情報取得過程と、前記撮影過程での撮影結果と付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出過程で算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて前記撮影位置特定装置により記憶する第2の記憶過程とを有することを特徴とする撮影位置特定方法である。
本発明の撮影位置特定装置では、撮影指示と書込指示を取得し、撮影指示を取得した場合に被写体を撮影し、撮影結果に関する情報を取得し、少なくとも3台の端末の位置を予め記憶し、撮影指示を取得した場合に電磁波を放射し、少なくとも3台の端末から発信される音波を受信し、音波を受信した時刻と電磁波を放射した時刻を取得し、音波を受信した時刻と電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出し、各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出し、書込指示を取得した場合に付加情報を取得し、撮影結果と付加情報と自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶するようにした。
これにより、GPSの電波を受信できない室内においても、少なくとも3台の端末をその室内に設置した後に、利用者が撮影位置特定装置に撮影指示を与えて撮影することにより、撮影した画像とその画像を撮影した正確な位置とを対応付けて記録しておくことができる。よって、利用者は、撮影した画像を管理することが容易になり、どの画像がどこで撮影したものであるかが分からなくなることを防止することができる。
また、撮影手段による撮影結果に対応付けて、入力手段から入力する撮影結果に関する情報を付加情報として、第2の記憶手段に記録することができる。よって、撮影位置特定装置の使用者は、撮影結果を利用する際に、その撮影結果に関する付加情報についても利用することができる。例えば、被写体である設備等に対する撮影者の見解などの情報を入力手段から入力することにより、撮影結果と付加情報とを対応付けて記録することができ、撮影者以外の第三者が撮影結果を管理する場合において、撮影結果の画像だけでなく付加情報も参照することができる。これにより、第三者の設備点検の経験が短いか長いかに関係なく、設備のどこに欠陥が生じているかの判定にばらつきが生じることを防ぐことができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。撮影位置特定システムは、撮影位置特定装置10a、端末20a、20b、20cを有する。撮影位置特定装置10aは、撮影位置特定システムの管理者などが使用する機器であり、被写体60を撮影するカメラの機能を備えている。
また、端末20a〜20cは、撮影位置特定システムの管理者などが、撮影位置特定装置10aにより被写体60を撮影する前に、被写体60の周囲に設置する機器である。端末20a〜20cとしては、例えば、超音波などの音波を発信する超音波タグを用いることができる。
ここでは、端末20a〜20cを三脚30a〜30cに取り付け、建物内の床40の所定位置に設置している。端末20a〜20cのそれぞれの設置位置は、撮影位置特定システムの管理者などにより予め測定される。ここでは、端末20a、20b、20cの設置位置が、それぞれ(x,y,z)=(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)である場合について説明する。ただし、床40の所定位置を原点(x,y,z)=(0,0,0)としている。
図2は、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の構成の一例を示すブロック図である。この撮影位置特定装置10aは、入力部11(撮影指示取得手段、書込指示取得手段、入力手段)、撮影部12(撮影手段)、発光部13(電磁波放射手段)、音波受信部14(音波受信手段)、時刻取得部15(時刻取得手段)、制御部16(距離算出手段、位置算出手段)、記憶部17(第1の記憶手段、第2の記憶手段)、方位計測部18(方位計測手段)、仰角計測部19(仰角計測手段)、書込画像取得部51(付加情報取得手段)、表示部52(表示手段)を有する。
入力部11は、タッチパネルなどにより構成され、撮影位置特定装置10aの使用者が指や専用のペンで、表示部52の画面に触れることなどにより入力する文字や絵などの情報を入力するものである。
また、入力部11は、撮影位置特定装置10aを操作するためのボタンなどにより構成され、撮影位置特定システムの管理者などの操作に基づいて、端末位置情報、周波数情報、撮影指示、書込指示などを取得する。例えば、前記ボタンは、画面に表示された部分を直接タッチして入力するものや、画面に表示された内容にカーソルを合わせるための上下左右を指定し決定するボタンや、また、数字や記号、文字、指示内容が予め決められたボタンである。
ここで、端末位置情報とは、端末20a〜20cの設置位置(x,y,z)=(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)の情報である。また、周波数情報とは、端末20a〜20cにそれぞれ割り当てられた音波の周波数f、f、fの情報をいう。なお、この周波数f、f、fは、重なったときに「うなり」が生じにくいように互いに素となる周波数を選択するものとする。
撮影部12は、被写体60(図1)を撮影し、JPEG(ジェイペグ:Joint Photographic Experts Group)などの画像情報を生成する。発光部13は、フラッシュと同じ原理で発光する機器であり、発光時に発生する電磁波ノイズを遮蔽する機能を持ち、撮影位置特定装置10aの周囲に光を放射する。
なお、ここでいう電磁波は、例えば放射線、光、電波、電磁界等、電気と磁気とが相互に作用して発生するエネルギの波を指し示すものである。
音波受信部14は、マイクなどにより構成され、端末20a〜20cから発信される音波を受信する。時刻取得部15は、例えばクロック回路等を含んで構成され、発光部13により発光した時刻tや、現在時刻などの時刻を取得するものである。
制御部16は、前記時刻取得部15により取得した、発光部13で発光した時刻tと、端末20a〜20cから発信される音波を受信した時刻t、t、tとにより、これら時刻t、t、tと時刻tとの差をそれぞれ求め、それらの差に音速vを乗じることにより、撮影位置特定装置10aと端末20a〜20cとの距離D、D、Dを算出する。距離D、D、Dは、それぞれ以下の式(1)〜式(3)により表すことができる。
=v(t−t) ・・・式(1)
=v(t−t) ・・・式(2)
=v(t−t) ・・・式(3)
一方、記憶部17に記録されている端末20a〜20cの設置位置(x,y,z)=(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)と、撮影位置特定装置10aと端末20a〜20cとの距離D、D、Dと、撮影位置特定装置10aの位置(x,y,z)=(x,y,z)との間には、以下の式(4)〜式(6)の関係が成り立つ。
=(x−x+(y−y+(z−z ・・・式(4)
=(x−x+(y−y+(z−z ・・・式(5)
=(x−x+(y−y+(z−z ・・・式(6)
上述した式(1)〜式(6)を解くことにより、以下の式(7)、式(8)が求まる。
=Ax+B ・・・式(7)
=Cx+D ・・・式(8)
なお、式(7)、式(8)において、A、B、C、Dは、所定の係数である。式(7)及び式(8)を式(4)に代入することにより、端末20a〜20cの3点からなる三角形を含む平面を対称面とする鏡像関係にある2つのxが得られる。
同様にして、同様の鏡像関係にある2つのy、zが得られる。同様の鏡像関係にある2つの位置(x,y,z)のうち、どちらを選択するかについては、入力部11から撮影位置特定システムの管理者などが指示を与えることにより行う。なお、端末20a〜20cを床に設置した場合には、同様の鏡像関係にある2つの位置(x,y,z)のうち、z座標が大きい方を自動的に選択するようにしてもよい。また、端末20a〜20cを天井に設置した場合には、同様の鏡像関係にある2つの位置(x,y,z)のうち、z座標が小さい方を自動的に選択するようにしてもよい。
なお、上述した式(7)、式(8)では、y及びzをxの式として表す場合について説明したが、x及びzをyの式として表わしたり、x及びyをzの式として表わすことにより、撮影位置特定装置10aの位置を算出するようにしてもよい。
記憶部17は、端末位置情報(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)、周波数情報f、f、f、音速vの情報、またこれらの位置を取得した時刻や画像を取得した時刻などを記憶する。なお、音速は、気温などの条件に応じて変化するため、本実施形態による撮影位置管理システムの管理者が入力部11から音速を入力するようにしてもよい。また、端末20aが設置されている場所に撮影位置特定装置10aを置き、その後、撮影位置特定装置10aの発光部13から発光させ、別の端末20bから発信される音波を受信することにより、発光部13が発光してから端末10bの音波を受信するまでの時間と、端末20aと端末20bとの距離とに基づいて、撮影時の環境における音速を測定するようにしてもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の記憶部17に予め記録される情報の一例を示す図である。図3に示すように、記憶部17には、端末名(端末20aなど)と対応付けられて、端末20a〜20cの端末位置情報(x座標(xなど)、y座標(yなど)、z座標(zなど))と周波数情報(fなど)とが記録される。
図2に戻り、方位計測部18は、方位磁石などを備え、撮影位置特定装置10aに対して被写体60(図1)が存在する方位を計測する。
仰角計測部19は、重力の方向を測定する加速度センサなどを備え、その重力の方向と撮影位置特定装置10aの上下方向との関係から、撮影位置特定装置10aの仰角を計測する。例えば、撮影位置特定装置10aのレンズが、床40の方向を向いている場合には仰角−90度、地面と水平な方向を向いている場合には仰角0度、天井の方向を向いている場合には仰角90度と決定する。
書込画像取得部51は、撮影装置特定装置10aの使用者などが指や専用のペンで、表示部52の画面に触れることなどにより入力する文字や絵などの情報を、書込画像(付加情報)として取得する。
表示部52は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示機器により構成され、撮影部12で撮影した画像や書込画像取得部51で取得した書込画像を画面に表示する。
図4は、本発明の第1の実施形態による端末20a(図1)の構成の一例を示すブロック図である。なお、端末20b、20cの構成については、端末20aの構成と同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。端末20aは、受光部21(電磁波受信手段)、制御部22、音波発信部23(音波発信手段)を有する。
受光部21は、例えば本実施の形態では光センサを備え、撮影位置特定装置10aの発光部13が放射する光を受光する。制御部22は、撮影位置特定装置10aの発光部13が放射した光を受光部21が受光した場合に、音波発信部23から音波を発信させる。音波発信部23は、端末20aに割り当てられた周波数fの音波を、撮影位置特定装置10aの周囲に発信する。
次に、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定システムの処理について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10aの処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、撮影位置特定システムの管理者は、撮影する被写体60の周囲に端末20a〜20cを設置する。そして、管理者は、端末20a〜20cの三次元上の位置(x,y,z)=(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)を測量等により計測し、端末位置情報として入力部11から入力する。また、撮影位置特定装置10aの使用者は、端末20a〜20cに固有の音波の周波数f、f、fを周波数情報として入力部11から入力する。制御部16は、図3に示すように、端末名に対応付けて、端末位置情報と周波数情報とを記憶部17に記録する(ステップS101)。
次に、制御部16は、入力部11から撮影指示が入力されたか否かについて判定する(ステップS102)。この撮影指示は、撮影位置特定システムの管理者が被写体を撮影する際に入力部11によって指示入力する。
入力部11から撮影指示が入力されていない場合には、ステップS102で「NO」と判定し、入力部11に撮影指示が入力されるまで待機する。一方、入力部11に撮影指示が入力された場合には、ステップS102で「YES」と判定し、制御部16は、発光部13を発光させることにより、撮影位置特定装置10aの周囲に光を放射する(ステップS103)。制御部16は、発光部13から光を放射させた時刻である発光時刻tを、記憶部16に記録する。
また、制御部16は、撮影部12により被写体を撮影し(ステップS104)、撮影した画像及びその時の時刻を関連付けて記憶部17に記録する。
一方、端末20a〜20cの制御部22は、撮影位置特定装置10aの発光部13から放射された光を受光部21で受光した場合に、音波発信部23から周波数f、f、fの音波をそれぞれ発信させる。
撮影位置特定装置10aの音波受信部14は、各端末20a〜20cの音波発信部23からそれぞれ発信される音波を受信する(ステップS105)。制御部16は、音波受信部14が各端末20a〜20cから発信された音波を受信した時刻である音波受信時刻t、t、tを、時刻取得部15から発信される現在時刻に基づいて特定する。また、制御部16は、ステップS101で記憶部17に記憶した端末名と周波数情報との対応関係に基づいて、音波受信部14が受信した音波がどの端末から発信されたものであるかを特定し、記憶部17に記録する(ステップS106)。
制御部16は、それぞれ端末20a〜20cから発信された音波についての音波受信時刻t、t、tと、記憶部17に記憶されている発光時刻tとから、上述した式(1)〜式(3)に基づいて、撮影位置特定装置10aと端末20a〜20cとの距離D、D、Dを算出する(ステップS107)。
また、制御部16は、距離D、D、Dを使用して、式(4)〜式(8)から、撮影位置特定装置10aの三次元上の位置(x,y,z)=(x、y、z)を算出する(ステップS108)。
次に、制御部16は、入力部11に書込指示が入力されたか否かについて判定する(ステップS109)。この書込指示は、撮影位置特定システムの管理者が、撮影部12で撮影した画像に対して、文字や絵などの書込画像を書き込む際に入力部11に入力する。
入力部11に書込指示が入力されていない場合には、ステップS109で「NO」と判定し、後述するステップS111へ進む。入力部11に書込指示が入力されるまで待機する。一方、入力部11に書込指示が入力された場合には、ステップS109で「YES」と判定し、制御部16は、表示部52にステップS104で撮影した画像(例えば、図6(a)に示すような屋内に設置されている被写体の画像)を表示させる。撮影位置特定装置10aの使用者は、表示部52に表示される画像を見ながら、タッチパネルなどにより構成される書込画像取込部51を利用して、その画像上に書き込みを行う。これにより、
書込画像取得部51は、撮影装置特定装置10aの使用者が入力部11から入力する文字や絵などの情報を、書込画像として取得する(ステップS110)。制御部16は、書込画像取得部51が取得した書込画像を記憶部17に記録する。また、制御部16は、ステップS104で撮影した画像(図6(a))と、ステップS110で取得した書込画像(図6(b))とを重ね合わせ、図6(c)に示すような画像を表示部52に表示させる。
そして、制御部16は、ステップS104で被写体60を撮影した際に、撮影位置特定装置10aがどの方位を向いていたかについての方位情報を、方位計測部18から取得する(ステップS111)。また、制御部16は、ステップS104で被写体60を撮影した際に、撮影位置特定装置10aの仰角が何度であったかについての仰角情報を、仰角計測部19から取得する(ステップS112)。
そして、制御部16は、ステップS104で撮影した被写体60の画像と、ステップS110で取得した書込画像と、撮影情報と、撮影時刻とを対応付けて撮影順に記憶部17に記録する(ステップS113)。ここで、撮影情報とは、ステップS108で算出した撮影位置特定装置10aの位置情報と、ステップS111で取得した方位情報と、ステップS112で求めた仰角情報とを含んでいる。
図7は、本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の記憶部17に記録される情報の一例を示す図である。図5のフローチャートによる処理を行うことにより、図7に示すような情報が記憶部17に記録される。つまり、撮影位置特定装置10aにより撮影した画像の画像名(画像p1など)に対応付けられて、撮影位置特定装置10aの三次元上の位置を示す位置情報(x座標(xなど)、y座標(yなど)、z座標(zなど))と、撮影位置特定装置10aの書込画像取得部51により取得した書込画像名(書込画像h1など)と、方位情報(北北東など)と、仰角情報(90度など)とが、その時の時刻と共に記憶部17に記録される。
上述した本発明の第1の実施形態による撮影位置特定システムによれば、撮影位置特定装置10aと端末20a〜20cとの間で、光及び音波を利用して撮影位置を特定するようにしたため、電波の利用が許されない通信機械室内などにおいても、画像の撮影位置を特定することが可能となり、管理者が画像を管理する負担を軽減させることができる。
また、撮影位置特定装置10aの周囲に端末20a〜20cを設置し、それらの端末20a〜20cの位置から撮影位置特定装置10aの位置を算出するようにしたため、GPSの電波を受信できない屋内等においても使用することができ、屋内設備を点検する際に撮影する画像を、その画像の撮影位置とともに管理することができるため、管理者等の負担を軽減させることができる。また、数mの精度でしか位置を特定できないGPSに比べて、撮影位置特定装置10aの位置をより正確に特定することができるため、同じ外観の機器が複数台設置されているような場合であっても、管理者は、どの機器を撮影したものであるかを把握することができる。
また、撮影部12により撮影した画像と、書込画像取得部51により取得した書込画像とを対応付けて記憶部17に記録するようにしたので、撮影者が撮影画像に書き込む書込画像を書込画像取得部51で取得することにより、撮影した設備のどこに欠陥(ひび、錆など)が生じているのかを、設備点検に未熟な者でも把握することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、撮影した画像と撮影情報とを、記憶部17に別々に記録するようにしたが、1つのファイルとしてまとめて記録するようにしてもよい。また、撮影した画像と撮影情報とを、記憶部17に記録せずに、他の記憶媒体に記録したり、例えば無線通信により撮影位置特定システムの管理装置であるPC(ピーシー:Personal Computer)に送信するようにしてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、撮影位置特定装置10aと端末20a〜20cとの距離を算出する際に、音の伝播時間のみを考慮し光の伝播時間については考慮していないが、これは、音の伝播時間に比べて光の伝播時間は無視できるほど小さいからである。
また、上述した第1の実施形態において、撮影位置特定装置10aが同一の周波数の音波を複数回受信した場合には、撮影位置特定装置10aが最初に受信した音波により位置を特定することが望ましい。これにより、端末から発信された音波であって、壁などに反射して撮影位置特定装置10aに到達した音波の影響を除去することができる。
次に、本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定システムについて説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。本実施形態による撮影位置特定システムが、第1の実施形態による撮影位置特定システム(図1)と同様の構成を採る部分については、同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
本実施形態では、撮影位置特定装置10bをカメラなどの撮影装置70に取り付けて使用する点において、第1の実施形態による撮影位置特定装置10aと相違する。
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定装置10bの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態による撮影位置特定装置10bが、第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図2)と同様の構成を採る部分については、同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)とは、撮影部12を有しない点と、発光部13の代わりに受光部50(電磁波受信手段)を有する点において相違する。また、制御部16による制御方法が異なる。
受光部50は、例えば光センサを備え、撮影位置特定措置10bが取り付けられる撮影装置70が発光するフラッシュなどの光を受光する。
なお、本実施形態の端末20a〜20cの構成は、第1の実施形態と同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。
次に、本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定システムの処理について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定装置10bの処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS201、S203〜S210の処理は、第1の実施形態による撮影位置特定装置10aのステップS101、105〜S112の処理(図5)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
ステップS201は、上記第1の実施形態と同様に、端末名に対応付けて、端末位置情報と周波数情報とを記憶部17に記録する。
ステップS202では、撮影位置特定装置10bが取り付けられる撮影装置70から放射されるフラッシュなどの光を、受光部50により受光したか否かについて判定する。
撮影装置70から放射される光を受光部50により受光していない場合には、ステップS202で「NO」と判定し、撮影装置70から放射される光を受光するまで待機する。
一方、撮影装置70から放射される光を受光部50により受光した場合には、ステップS202で「YES」と判定し、制御部16は、受光部50が光を受光した時刻である発光時刻tを、記憶部16に記録する。そして、ステップS203へ進み、上記第1の実施形態と同様に、撮影位置特定装置10bの位置を算出し、方位情報や仰角情報を取得する(ステップS203〜ステップS210)。
また、ステップS211では、制御部16は、ステップS206で算出した撮影位置特定装置10bの位置情報と、ステップS208で取得した書込画像と、ステップS209で取得した方位情報と、ステップS210で取得した仰角情報とをそれぞれ対応付けて、撮影部12における撮影順に記憶部17に記録する。
上述した本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定システムによれば、第1の実施形態による撮影位置特定システムにより得られる効果に加えて、撮影機能とフラッシュなどの発光機能とを有する通常のカメラである撮影装置70に、撮影位置特定装置10bを取り付けるだけで、何番目に撮影した画像が、どの位置で撮影したものであるか、どの方位を向いて撮影したものであるか、どのような仰角で撮影したものであるかの情報を記憶部17に記録することができる。
よって、撮影位置特定システムの管理者は、撮影装置70により撮影した画像と、撮影位置特定装置10bにより記録した撮影情報とを対応付けることにより、容易に画像の管理を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態による撮影位置特定システムについて説明する。
図11(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。図11(a)は、撮影位置特定装置10cにより撮影する被写体60が存在する部屋の天井41の様子を示した平面図である。また、図11(b)は、撮影位置特定装置10cにより撮影する被写体60が存在する部屋の様子を示した断面図である。
撮影位置特定システムは、撮影位置特定装置10c、端末201〜224を有する。本実施形態では、端末201〜224は、図11(a)に示すように、被写体60が存在する建物内の天井41に格子状(4行×6列)に設置されており、隣り合う端末同士が配線80により電気的に接続されている。配線80は、端末201〜224に電力を供給するとともに、撮影位置特定装置10cと端末201〜224との間で有線通信に利用される。
本実施形態による端末201〜224の構成は、第1の実施形態による端末20a(図4)と同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。ただし、端末201〜224の制御部22の制御方法が、第1の実施形態による端末20a〜20cの制御部22の制御方法とは異なる。
また、本実施形態による撮影位置特定装置10cの構成は、第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図2)の構成と同様であるので、その詳細な説明を省略する。ただし、撮影位置特定装置10cの制御部16の制御方法が、撮影位置特定装置10aの制御部16の制御方法とは異なるため、次に制御方法について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態による撮影位置特定システムの処理について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態による撮影位置特定装置10cの処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS302〜S304、S309〜S314の処理は、第1の実施形態による撮影位置特定装置10aのステップS101、S102、S104、S108〜S113の処理(図5)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
始めに、制御部16は、配線80を介して、全端末201〜224に同期信号を送信する(ステップS301)。ここでは、同期信号を送信した時刻をtとする。上記第1の実施形態と同様に、端末名に対応付けて、端末位置情報と周波数情報とを記憶部17に記録し、撮影指示が入力された場合に、被写体を撮影する(ステップS302〜S304)。端末201〜224の制御部22は、通信部21を介して、撮影位置特定装置10cから同期信号を受信した場合に、その同期信号を受信した時刻tに音波発信部23から音波を発信させる。その後、端末201〜224の制御部22は、時刻tから所定の間隔(例えば、1秒)で、音波発信部23から音波を発信させる。なお、本実施形態では、端末201〜224に、それぞれ異なる周波数を割り当てている。
図13(a)〜(c)は、撮影位置特定装置と端末とを同期させた状態を示すタイムチャートである。ここで、同期とは、撮影位置特定装置10cから全端末201〜224に同期信号を送信した時刻に、全端末201〜224の音波送信部23から一斉に音波を発信することをいう。
図13(a)は、撮影位置特定装置10cの時刻取得部15が取得する時刻を示している。ここでは、撮影位置特定装置10cの制御部16は、時刻tに全端末201〜224に対して同期信号を送信している。端末201〜224の通信部21は、撮影位置特定装置10cから同期信号を受信することにより、時刻取得部15が取得する所定の時刻tに自端末に割り当てられた周波数の音波を音波発信部23から発信する。また、時刻tから所定の時間tが経過するたびに、音波を音波発信部23から発信する。
、t、・・・に同期させて、音波発信部23から自端末に割り当てられた周波数の音波を発信する。撮影位置特定装置10cでは、端末との距離に応じて、端末から音波を発信した時刻tから、所定時間tだけ遅れた時刻t+tに音波を受信する。
ステップS305では、制御部16は、端末から音波を受信したか否かについて判定する。端末から音波を受信していない場合には、ステップS305で「NO」と判定し、音波を受信するまで待機する。一方、端末から音波を受信した場合には、ステップS305で「YES」と判定し、制御部16は、音波受信部14が端末から発信された音波を受信した時刻である音波受信時刻を、時刻取得部15から発信される現在時刻に基づいて特定する。また、制御部16は、ステップS101で記憶部17に記憶した端末名と周波数情報との対応関係に基づいて、音波受信部14が受信した音波がどの端末から発信されたものであるかを特定し、記憶部17に記録する(ステップS306)。
ステップS307では、制御部16は、3台以上の端末から音波を受信したか否かについて判定する。3台以上の端末から音波を受信していない場合には、ステップS307で「NO」と判定し、3台以上の端末から音波を受信するまで、上述したステップS305、S306の処理を繰り返す。一方、3台以上の端末から音波を受信した場合には、ステップS307で「YES」と判定する。そして、音波受信部14が、それらの3台の端末から音波を受信した時刻をそれぞれt、t、tに設定し、ステップS308の処理へ進む。
ステップS308では、時刻t、t、tを使用して、式(1)〜式(3)から、撮影位置特定装置10cと3台の端末との距離D、D、Dを算出する。ただし、式(1)〜式(3)における時刻tとして、撮影位置特定装置10cの通信部13から同期信号を送信した時刻を使用する。
そして、上記第1の実施形態と同様に、録音指示が入力された場合に音声を録音し、撮影位置特定装置10bの位置を算出し、方位情報や仰角情報を取得し、撮影した画像と対応付けて記憶部17に記憶する(ステップS309〜ステップ314)。
上述した本発明の第2の実施形態による撮影位置特定システムによれば、撮影位置特定装置10cの通信部13から端末201〜224に対して、同期信号を送信することにより、端末201〜224から同時刻に音波を発信するようにした。そして、端末201〜224から定期的に発信される音波のうち、最も早く撮影位置特定装置10cに到達した3つの音波を用いて、撮影位置特定装置10cの三次元上の位置を算出するようにした。これにより、一度、撮影位置特定装置10cと端末201〜224との同期を取る処理を行った後は、撮影位置特定装置10cと端末201〜224とを接続する配線80を取り外しても、撮影位置特定装置10cの位置を算出することができる。
上述した第2の実施形態では、撮影位置特定装置10cと端末との距離を算出する際に、音の伝播時間のみを考慮し電気の伝播時間については考慮していないが、これは、音の伝播時間に比べて有線通信による通信時間は無視できるほど小さいからである。また、上述した第2の実施形態では、撮影位置特定装置10cから端末に対して配線を介して電気信号を送信することにより端末から音波を発信させるようにしたが、撮影装置特定装置10cから端末に対して光ファイバを介して光信号を送信することにより端末から音波を発信させるようにしてもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態によれば、屋内の設備の点検時などにおいて、点検を行う人間が撮影位置特定装置により撮影した点検対象である設備の画像上に、その点検を行う人間の点検対象である設備の状況(例えば、「設備にひびが入っている」など)を書き込むことができる。よって、設備点検の経験が短い人間が画像を閲覧する場合であっても、設備点検の経験が長い人間の判断結果を把握することができ、被写体のどこに欠陥等が存在するのかを容易に把握することができる。
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、端末から発信する音波の周波数を端末ごとに変えることにより端末を識別するようにしたが、端末から発信する音波に端末の識別情報を乗せて送信することにより、各端末を識別するようにしてもよい。また、各端末から発信する音波の周波数を循環して変化させるようにしてもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、撮影位置特定装置が画像を撮影する場合について説明したが、動画を撮影する場合であっても、上述した撮影位置特定システムを適用することができる。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、撮影位置特定装置の発光部13から光を受けた端末又は同期信号を受信した端末が直ちに音波を発信するものとしたが、これでは音波受信部14がほぼ同時に複数の音波を受信することになり、音波が干渉を起こす恐れがある。これを防ぐため、端末ごとに異なる遅延を持たせるようにして、距離計算時にそれを考慮するようにしてもよい。
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、撮影部12により画像を撮影するとともに、その画像を撮影した位置を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力部11が所定の指示を受けた場合(例えば、シャッタが半押しされた場合など)に、撮影部12による撮影を行わずに、撮影位置特定装置10aの位置を算出し、表示部52に表示するようにしてもよい。
なお、以上説明した実施形態において、図2、図4、図9の入力部11、撮影部12、発光部13、音波受信部14、時刻取得部15、制御部16、記憶部17、方位計測部18、仰角計測部19、受光部21、制御部22、音波発信部23、受光部50、書込画像取得部51、表示部52の機能又はこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより撮影位置特定システムの制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の第1の実施形態による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の記憶部17に予め記録される情報の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態による端末20a(図1)の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10aの処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による表示部52に表示される画像の一例などを示す図である。 本発明の第1の実施形態による撮影位置特定装置10a(図1)の記憶部17に記録される情報の一例を示す図である 本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定装置10bの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の変形例による撮影位置特定装置10bの処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による撮影位置特定システムの構成の一例を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態による撮影位置特定装置10cの処理の一例を示すフローチャートである。 撮影位置特定装置と端末とを同期させた状態を示すタイムチャートである。
符号の説明
10a〜10c・・・撮影位置特定装置、11・・・入力部(撮影指示取得手段、書込指示取得手段、入力手段)、12・・・撮影部(撮影手段)、13・・・発光部(電磁波放射手段)、14・・・音波受信部(音波受信手段)、15・・・時刻取得部(時刻取得手段)、16・・・制御部(距離算出手段、位置算出手段)、17・・・記憶部(第1の記憶手段、第2の記憶手段)、18・・・方位計測部(方位計測手段)、19・・・仰角計測部(仰角計測手段)、20a〜20c・・・端末、21・・・受光部(電磁波受信手段)、22・・・制御部、23・・・音波発信部(音波発信手段)、30a〜30c・・・三脚、40・・・床、41・・・天井、60・・・被写体、50・・・受光部(電磁波受信手段)、51・・・書込画像取得部(付加情報取得手段)、52・・・表示部(表示手段)、70・・・撮影装置、201〜224・・・端末

Claims (9)

  1. 撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを備える撮影位置特定システムであって、
    前記撮影位置特定装置は、
    撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、
    書込指示を取得する書込指示取得手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、
    前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、
    前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に電磁波を放射する電磁波放射手段と、
    前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を取得する時刻取得手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、
    前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、
    前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有し、
    前記端末は、
    前記電磁波放射手段が放射した電磁波を受信する電磁波受信手段と、
    前記電磁波を受信した場合に音波を発信する音波発信手段と、
    を有することを特徴とする撮影位置特定システム。
  2. 撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを備える撮影位置特定システムであって、
    前記撮影位置特定装置は、
    同期信号を前記少なくとも3台の端末に有線通信を利用して送信する同期信号送信手段と、
    撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、
    書込指示を取得する書込指示取得手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、
    前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、
    前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、
    前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記撮影指示を取得した時刻取得手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記同期信号を送信した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、
    前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、
    前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを有し、
    前記端末は、
    前記有線通信を利用して送信された同期信号を受信する同期信号受信手段と、
    前記同期信号を受信した場合に音波を発信する音波発信手段と、
    を有することを特徴とする撮影位置特定システム。
  3. 前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報とを重ね合わせて表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影位置特定システム。
  4. 前記第1の記憶手段は、前記少なくとも3台の端末の位置とそれらの端末の識別情報とを対応付けて予め記憶し、
    前記音波受信手段は、前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信するとともに、音波がどの端末から発信された音波であるかを前記識別情報に基づいて特定し、
    前記音波発信手段は、前記電磁波又は同期信号を受信した場合に自端末の識別情報を含んだ音波を発信することを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の撮影位置特定システム。
  5. 前記撮影位置特定装置は、被写体を撮影する方位を計測する方位計測手段を更に有し、
    前記第2の記憶手段は、前記撮影手段が撮影した情報に対応付けて、前記方位計測手段が計測した方位を更に記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の撮影位置特定システム。
  6. 重力の加速度に基づいて撮影時の自撮影位置特定装置の仰角を算出する仰角計測手段を更に有し、
    前記第2の記憶手段は、前記撮影手段が撮影した情報に対応付けて、前記仰角算出手段が算出した仰角を更に記憶することを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載の撮影位置特定システム。
  7. 撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、
    書込指示を取得する書込指示取得手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、
    前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、
    少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に電磁波を放射する電磁波放射手段と、
    前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を取得する時刻取得手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、
    前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、
    前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
    を有することを特徴とする撮影位置特定装置。
  8. 同期信号を前記少なくとも3台の端末に有線通信を利用して送信する同期信号送信手段と、
    撮影指示を取得する撮影指示取得手段と、
    書込指示を取得する書込指示取得手段と、
    前記撮影指示を取得した場合に被写体を撮影する撮影手段と、
    前記撮影結果に関する情報を取得する入力手段と、
    前記少なくとも3台の端末の位置を予め記憶する第1の記憶手段と、
    前記少なくとも3台の端末から発信される音波を受信する音波受信手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記撮影指示を取得した時刻を取得する時刻取得手段と、
    前記音波を受信した時刻と前記同期信号を送信した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を算出する位置算出手段と、
    前記書込指示を取得した場合に前記入力手段から入力される情報を付加情報として取得する付加情報取得手段と、
    前記撮影手段による撮影結果と前記付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出手段が算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
    を有することを特徴とする撮影位置特定装置。
  9. 撮影位置特定装置と少なくとも3台の端末とを使用した撮影位置特定方法であって、
    撮影指示を前記撮影位置特定装置により取得する撮影指示取得過程と、
    書込指示を前記撮影位置特定装置により取得する書込指示取得過程と、
    前記撮影指示を取得した場合に被写体を前記撮影位置特定装置により撮影する撮影過程と、
    前記撮影結果に関する情報を前記撮影位置特定装置により取得する入力過程と、
    前記少なくとも3台の端末の位置を前記撮影位置特定装置により予め記憶する第1の記憶過程と、
    前記撮影指示を取得した場合に電磁波を前記撮影位置特定装置により放射する電磁波放射過程と、
    前記電磁波放射過程で放射した電磁波を前記少なくとも3台の端末により受信する電磁波受信過程と、
    前記電磁波を受信した場合に音波を前記少なくとも3台の端末により発信する音波発信過程と、
    前記少なくとも3台の端末から発信される音波を前記撮影位置特定装置により受信する音波受信過程と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻を前記撮影位置特定装置により取得する時刻取得過程と、
    前記音波を受信した時刻と前記電磁波を放射した時刻との差と音速とに基づいて各端末までの距離を前記撮影位置特定装置により算出する距離算出過程と、
    前記各端末までの距離に基づいて自撮影位置特定装置の位置を前記撮影位置特定装置により算出する位置算出過程と、
    前記書込指示を取得した場合に前記入力過程で入力される情報を付加情報として前記撮影位置特定装置により取得する付加情報取得過程と、
    前記撮影過程での撮影結果と付加情報取得手段による付加情報と前記位置算出過程で算出した自撮影位置特定装置の位置とを対応付けて前記撮影位置特定装置により記憶する第2の記憶過程と、
    を有することを特徴とする撮影位置特定方法。
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