JP4722132B2 - 到来波数推定方法、到来波数推定装置及び無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、到来波数推定方法、到来波数推定装置及び無線装置に関わり、特に、複数個(=M)のアンテナ素子を同一素子間隔で直線状に配列したアレーアンテナで到来電波を受信し、該到来電波の個数を推定する到来波数推定方法、到来波数推定装置及び無線装置に関する。
近年、移動通信に適応アレーアンテナ(Adaptive array antenna) を用いた研究開発が注目されており、複数個のアンテナ素子をある形状で異なる空間位置に配置したものをアレーアンテナと呼ぶ。アンテナに入射する電波(以下、信号処理の立場から信号という場合がある) の到来方向を推定する問題は適応アレーアンテナの重要な要素技術の一つと考えられる。また、実際の移動通信システムにおいて、通話者(移動端末)から発信された信号はビル等の建造物で反射することが多く、直接パスと反射パスを経由して基地局アレーアンテナに入射する。このため、マルチパス伝搬環境における多重波の到来方向推定問題は非常に重要となる。
信号の到来方向推定問題に関して、推定精度と計算演算量などの立場から信号部分空間と雑音部分空間の直交性を利用した部分空間手法(Subspace-based method)がよく知られている。その代表例として、MUSIC (Multiple signal classification) である(非特許文献1参照)。また、完全な相関性をもつ多重波の到来方向推定問題への対応策として、空間スムージングを用いた部分空間手法(Subspace-based method with spatial smoothing) は空間スムージングMUSIC (Spatial smoothing based MUSIC)としてよく知られている(非特許文献2および非特許文献3参照)。これら従来の部分空間手法は、アレー共分散行列の固有値分解(Eigenvalue decomposition: EVD) 或いはアレーデータ行列の特異値分解(Singular value decomposition: SVD)により信号部分空間或いは雑音部分空間を得るため、アレーに入射する信号の個数に関する情報を必要とする。このため、固有値分解や特異値分解に限らずアレーの受信データから到来信号の個数を推定することは高分解能をもつ到来方向推定手法の絶対必要な条件である。
到来信号の個数推定に関して、固有値分解或いは特異値分解で得られたアレー共分散行列の固有値を利用したAIC (Akaike information criterion)とMDL (minimum description
length)という情報理論基準(information theoretic criteria)に基づく推定手法(非特許文献4参照) がよく知られている。また、完全な相関性をもつ多重波の個数推定問題への対応策として、空間スムージング(spatial smoothing(SS))を用いた情報理論基準に基づく推定手法もよく知られている。その代表例として、SS-AIC やSS-MDLがある (非特許文献4及び非特許文献5を参照)。
無相関信号の個数を推定するAIC やMDL 手法では、アレーアンテナの素子の受信データからアレー共分散行列を求め、この共分散行列の固有値分解を行い、小さい固有値の数が信号の個数に関連するという特性を利用して信号数を推定する。また、相関性をもつ信号(完全な相関性を持つ多重波を含む)の到来方向に関しては、入射信号間の相関を抑圧するために線形等間隔アレーをサブアレー化し、各サブアレーの共分散行列の平均操作を行い、空間的に平均された共分散行列の小さい固有値の数が信号の個数に関連するという特性を利用して相関信号の個数を推定する。
従来の信号個数推定法であるAICやMDL手法の欠点を説明するために、その代表例として非特許文献4および非特許文献5に記載した多重波の個数を推定するSS-AIC やSS−MDL手法を簡単に述べる。
ここで,M 個アレー素子数をもつ線形等間隔アレーにp 個の多重波狭帯域信号[sk(n)] が角度[θk ] からアレーアンテナに入射しているとする。各素子のアレー受信信号は次式 のように表せる。
であり、 f0 ,c,dはそれぞれ搬送波の周波数、伝搬速度、アレーアンテナ素子間隔(半波長) である。また、(・)T は転置を表し、a(θk),A はそれぞれアレー応答ベクトルと応答行列である。wi(n) は素子ごとに独立な平均0 あるいは電力σ2 の白色ガウス雑音とする。ここで、アレーの共分散行列は次式となる。
なお、E{・},(・)Hはそれぞれ期待演算と複素共役転置を表し、
Rs=E[s(n)sH(n)]は入射する多重波の共分散行列であり、IMはM×Mの単位行列である。さらに、観測データyi(n),yk(n)の相関rikをrik=E{yi(n) y*k(n)}で定義する。ただし、rik=r*kiという関係が存在する。(・)*は複素共役を表す。また、(2)式 内のアレーの共分散行列Rは次式で明確的に表現できる。
空間スムージングMUSIC は完全な相関性を持つ多重波の到来方向{θk} を推定するために、図1のように全体の線形等間隔アレーをm個(1≦m≦M) の素子をもつオーバーラップしたL個のサブアレー(Overlapped subarray) に分割する。ここで、mとLはサブアレーのサイズとサブアレーの個数と呼ばれ、L=M−m+1である。(1)式 より
のサブアレーの受信ベクトル
は(4)式で表現できる。
Dはexp(jω0τ(θ1),exp(jω0τ(θ2),・・・,exp(jω0τ(θp))を要素とする対角行列であり、
である。また、amk) とAmはサブアレーの応答ベクトルと応答行列である。従って、
のサブアレーの共分散行列は(5)式 で与えられる。
さらに、L個のサブアレーの共分散行列
を空間的に平均すると,(6)式 のような共分散行列が得られる。
この空間的に平均された上式の共分散行列の固有値分解を(7)式 のように表すことができる.
ここで、eiとλiはそれぞれ行列
の固有ベクトルと固有値であり、Eは[ei]を列とする行列、
は[λi]を要素とする対角行列である。また、λ1≧λ2≧・・・≧λp>λp+1=・・・=λm2である。従って,最小固有値の数a(=m−p )から入射信号の個数p(=m−a)を推定できる.このことを利用して,サンプル時刻n=1, 2,・・・ , N までの受信ベクトル
を用いて、各サブアレーのサンプル共分散行列を次式で求める。すると、N=∞である(5)式は次式で表現できる。
さらに、空間的に平均されたサンプル共分散行列
の固有値分解を(9)式 のように計算できる。
固有値の推定値
を用いて、信号数を推定するAIC とMDL基準は次式与えられる。
従って、信号の個数は上記のAIC(k) やMDL(k) を最小にする整数k で決められる。即ち、次式
を満たすkが信号の個数である。ここで、 k=1, 2,・・・ , m である。
(9)式 で明らかにように、到来信号の個数を推定するAIC やMDL 手法には、固有値
を得るために空間的に平均されたアレー共分散行列
の固有値分解を行う必要性がある。
しかし、従来のAIC やMDL 手法では、アレー素子の数が多い時また実時間処理で変化する到来方向を推定する時、必須の固有値分解処理や特異値分解処理が複雑となって計算量が大量となり、計算時間がかなりかかる。このため、従来の固有値分解に基づく入射信号数推定手法の実際への応用は、計算の負担となる固有値分解に制限されてしまい、高速かつ高精度でアレーに入射する信号の個数と到来方向を推定できない問題が生じる。
また、従来のAIC やMDL 手法ではアレーアンテナの受信データ長が短い場合や信号対雑音比(Signal-to-noise ratio: SNR)が低い場合に高精度でアレーに入射する信号の個数と到来方向を推定できない問題がある。
また、信号到来方向を正確に推定できなくなると、精確な基地局の受信/送信ビーム形成できなくなり、基地局の受信及び送信システムの性能が劣化する。
従って、本発明の目的は、時空間的に無相関な白色雑音環境または空間的に相関する雑音環境において、線形等間隔アレー(Uniform linear array, ULA) に入射する狭帯域信号に対して、固有値分解を利用しない少ない演算量で到来信号の個数を正確に推定できる手法を提供することである。なお、対象とする狭帯域信号は、例えば、無相関或いは相関或いは完全相関(即ち多重波)、または一部相関または一部完全相関の狭帯域信号である。
本発明の別の目的は、アレーアンテナの受信データ長が短い場合でも、また信号対雑音比SNRが低い場合でも、固有値分解を利用しない少ない演算量で到来信号の個数を正確に推定できる手法を提供することである。
本発明の別の目的は、空間的に角度が近い複数の信号が入射しても高い検出確率で到来信号の個数を正確に推定できる手法を提供することである。
R.O. Schmidt, "Multiple emitter location and signal parameter estimation," IEEE Trans. Antenna Propagation, vol. 34, no. 3, pp. 276-280 (1986) J. Shan, M. Wax and T. Kailath, "On spatial smoothing for direction-of-arrival estimation of coherent signals," IEEE Trans. Acoust., Speech, Signal Processing, vol. 33, no. 4, pp. 806-811 (1985) S.U. Pillai and B.H. Kwon, "Forward/backward spatial smoothing techniques for coherent signals identification," IEEE Trans. Acoust., Speech, Signal, vol. 37, no. 1, pp. 8-15(1989) Wax and T. Kailath、 "Detection of signals by information theoretic criteria, " IEEE Trans. Acoust. Speech, Signal Processing, vol. 33、 no. 2, pp. 387-392 (1985) T.-J. Shan, M. Wax and T. Kailath, "On spatial smoothing for direction-of-arrival estimation of coherent signals," IEEE Trans. Acoust., Speech, Signal Processing, vol. 33, no. 4, pp. 806-811 (1985)
上記課題は本発明によれば、複数個(=M)のアンテナ素子を同一素子間隔で直線状に配列したアレーアンテナで到来電波を受信し、該到来電波の個数を推定する到来波数推定方法、到来波数推定装置及び無線装置により達成される。
本発明の到来波数推定方法は、前記アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出するステップ、各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数
個の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成するステップ、該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成するステップ、該推定行列をQR分解して得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を推定するステップ、を備えている。
上記の相関行列を作成するステップでは、q(0≦q≦M−1)を雑音の空間的相関の長さとするとき、前記アレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素および該対角要素に連鎖的に隣接するq個の要素を除き、(q+1)個の要素が除かれた(M−q−1)個の相関より、所定数の相関を取り出し、順次1要素づつずらしながら前記所定数の相関を取り出して行列に配列してなる相関行列を作成する。
本発明の到来波数推定装置は、アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出する相関演算部、各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成する相関行列作成部、 該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成する推定行列作成部、該推定行列をQR分解するQR分解部、QR分解により得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を決定する到来波数決定部を備えている。
上記の相関行列作成部は、q(0≦q≦M−1)を雑音の空間的相関の長さとするとき、前記アレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素および該対角要素に連鎖的に隣接するq個の要素を除き、(q+1)個の要素が除かれた(M−q−1)個の相関より、所定数の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列して前記相関行列を作成する。
また、前記相関行列作成部は、前記アレー共分散行列の先頭行及び最終行並びに先頭列及び最終列のうち1以上について前記相関行列を作成し、前記推定行列作成部は、該作成された相関行列を並べることにより前記推定行列を作成する。
前記到来波数決定部は、前記上三角行列因子の第i行目の各行列要素の絶対値の総和と第(i+1)行目の各行列要素の絶対値の総和の比を計算する計算部、該比が最小のiを到来電波の個数と決定する決定部を有している。
本発明の無線装置は、到来電波の個数を推定する到来波数推定部、アンテナ素子毎の受信データと到来電波の個数を用いて信号の到来方向を推定する到来方向推定部、到来方向の推定値を用いて信号源方向にピークを有するように受信ビームフォーミング処理を行う受信ビームフォーマを備え、前記到来波数推定部は、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出する相関演算部、各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成する相関行列作成部、該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成する推定行列作成部、該推定行列をQR分解するQ
R分解部、QR分解により得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を決定する到来波数決定部を備えている。
線形等間隔アレーにおける一般化したサブアレーの説明図である。 送信源と基地局受信アンテナの配置説明図である。 本発明の無線装置の要部を示すブロック図である。 本発明の到来波数推定部の動作を示すブロック図である。 アレー共分散行列において電波の到来波数推定に必要な列要素及びHankel行列説明図である。 アレー共分散行列において電波の到来波数推定に必要な行要素及びHankel行列説明図である。 SNRを変えたときの到来波の個数を正確に検出した確率(検出確率)を示す特性図である。 受信データ長を変えたときの到来波の個数を正確に検出した確率(検出確率)を示す特性図である。 サブアレイサイズを変えたときの到来波の個数を正確に検出した確率(検出確率)を示す特性図である。 雑音の空間的相関の長さがqである場合において、アレー共分散行列の電波到来方向推定に必要な列要素及びHankel行列説明図である。 雑音の空間的相関の長さがqである場合において、アレー共分散行列の電波到来方向推定に必要な行要素及びHankel行列説明図である。 列回転QR 分解によるシミュレーション結果を示す特性図である。 基地局受信装置の構成図である。 基地局送信装置の構成図である。
(A)第1実施例
本発明はアレーアンテナを用いて電波到来方向を推定する基地局における到来電波の個数推定方法及び推定装置に関するものであり、図面に従って第1実施例の到来電波の個数推定方法及び推定装置について説明する。なお、以降の図において、概略同じ物あるいは同じ機能を有するものについては同じ符号を付する。
図1は距離dの間隔で直線的にM個のアンテナ素子を配列したアレーアンテナの構成図である。図2は送信源10と基地局受信アンテナ(アレーアンテナ)30との配置関係図である。アレーアンテナ30は図1に示すように等間隔直線アレーアンテナ構成を有し、多重波到来方向推定システムを構成する。図2において、送信源10からアレーアンテナ30にまっすぐ入射するものは直接波11であり、建物BL1,BL2などによって反射されてからアレーアンテナ30に入射するものは反射波12である。図2では一つ例として、二つ反射波を示すが、以下では送信源10からの直接波と反射波の総個数はp(実際には未知数)とする。また、M>2pである。さらに、直接波と反射波の関係は、次式
で表わされる。ここで、βkは直接波s1(n)に関して反射波sk(n)の複素減衰を表わすマルチパス係数である。ただし、βk≠0、β1=1である。
図3は多重波到来方向推定システムを示すブロック図である。この到来方向推定システムは、アレーアンテナ30、ベースバンド及びディジタル処理部40、到来波の個数を推定する到来波数推定部50、到来方向推定部60から構成されている。また、アレーアンテナ30は、M 個(ただし、M>2p)のアンテナ素子31から構成されている。
図4は到来波数推定部50の構成図である。この到来波数推定部50は、アレーデータ間の相関を計算する相関計算手段51、Hankel相関行列形成部52、到来電波の個数を推定するための推定行列の形成手段53、該推定行列をQR分解するQR 分解手段54,QR 分解により得られた上三角行列(upper triangular matrix) 因子より評価基準を計算する評価基準計算手段55及び到来波の個数を決定する個数決定手段56で構成されている
一般には、アレーアンテナ30により受信した信号から電波到来方向を推定する際に、アンテナ素子受信信号ベクトルy(n)(=[y1(n),y2(n),…,yM(n)]T)の各受信信号間の相関r11〜rMMを演算して行列に配列したアレー共分散行列Rが用いられる。このアレー共分散行列Rは、受信信号ベクトルy(n)の複素共役をyH(n)とすると、無相関白色雑音環境において次式で与えられる。
ただし、xi(n)は無雑音受信信号、wj(n)は無相関白色雑音とすれば、
yi(n)=xi(n)+wi(n)
E[ wi(n) wj*(n)]=σ2 (i=j)
E[ wi(n) wj*(n) ]=0 (i≠j)
である。すなわち、無相関白色雑音環境ではアレー共分散行列Rの対角要素r11,r22,...rMMに雑音が含まれている。
さて、アレー共分散行列Rは共役対称になっているから、到来波の個数や到来方向の推定に際して任意の行、列、例えば図5に示すようにその1列目と最終列、あるいは図6に示すように1行目と最終行を計算するだけで十分である。ただし、対角要素には前述のように雑音が含まれているから図5、図6に示すように各列、各行から対角要素r11,rMMを除外する。
以下に、到来波数推定部50における到来波数推定手順について説明する。まず、アレーデータ間の相関計算手段51は、ベースバンド及びディジタル処理部40から得られた複素ディジタル信号y1(n),y2(n),…,yM(n)で(1)式 のように受信ベクトルy(n)をつくる。さらに、サンプル時刻n=1,2,…,Nまでの受信ベクトル
を用いて、(14)式により信号y(n)とy*M(n),およびy(n)とy*1(n)の相関ベクトル
を求める。次に、Hankel相関行列形成部52は(14)式で得られた相関値を使って
のHankel相関行列
を形成する。すなわち、相関計算手段51は、アレーアンテナにおけるM番目のアンテナ素子の受信信号と第1,2,…M−1番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−1)個の相関
(図5の最終列参照)を算出する。なお、Mはアレーアンテナの素子数、Lはサブアレーの数、
はサブアレーのサイズ(即ち,サブアレーの素子数)で、M/2より大きくない最大整数であるとする。すなわち、
である。
ついで、Hankel相関行列形成部52は図5の右上に示すように、最終行の(M−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、順次上から下方向に1個づつずらしながら
組の相関を取り出し、取り出した各組の相関を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
同様に、相関計算手段51は、前記アレーアンテナにおける1番目のアンテナ素子の受信信号と第2,3,…M番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−1)個の相関
(図5の第1列参照)を算出する。ついで、Hankel相関行列形成部52は、図5の右下に示すように、第1列目の(M−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、順次上から下方向に1個づつずらしながら
組の相関を取り出し、取り出した各組の相関行列を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
しかる後、行についても同様の操作を行なう。すなわち、相関計算手段51は、前記アレーアンテナにおける1番目のアンテナ素子の受信信号と第2,3,…M番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−1)個の相関
(図6の第1行目参照)を算出する。ついで、Hankel相関行列形成部52は、図6の右上に示すように、第1行目の(M−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、順次右から左に1個づつずらしながら
組の相関を取り出し、取り出した各組の相関行列を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
同様に、相関計算手段51は、前記アレーアンテナにおけるM番目のアンテナ素子の受信信号と第1,2,…M−1番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−1)個の相関
(図6の最終行参照)を算出する。ついで、Hankel相関行列形成部52は、図6の右下に示すように最終行の(M−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、順次右から左に1個づつずらしながら
組の相関を取り出し、取り出した各組の相関行列を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
上記4つのHankel相関行列が求まれば、推定行列作成部53は次式
により推定行列を形成する。この推定行列は
の行列である。(14a),(14b)式より、データの長さN が十分大きければ(A)に示した4つの各Hankel相関行が雑音の影響を受けないことは明らかである。また、
の関係が成立し、しかも,アレー共分散行列Rは共役対称であるから、本実施例のように4つの相関行列をすべて使用する必要はなく、1以上の任意の組み合わせで推定行列を形成することが可能である。他の組み合わせの実施例については後述する。ただし、Jmはm×m 反転行列である。
次に,行列のQR 分解手段54 は、(15)式の推定行列
の相関行列
を求めて次式
によりQR 分解を行う。QR 分解は計算量を削減する手法であり(G.H. Golub and C.F. Van Loan, Matrix Computations, 2nd Edition. Baltimore, MD: The John Hopkins University Press, 1989参照)、m×nの行列AのQR分解(m>n, rank(A)=nの場合)は、m×m の直交行列をQ、m×nの上三角行列( upper triangular matrix)をRとすれば、次式
で表現される。ここで直交行列とは任意の2つの行の対応する要素を掛け合わせた総和が0となる行列であり、上三角行列とは対角線より下の行列要素がすべて0となる行列である。したがって、(17)式において、
はそれぞれ
のユニタリー行列(直交行列)、上三角行列となり、上三角行列の各要素次のような値をとる。
QR分解すると、受信データの長さNが十分大きい場合には,(17)式の上三角行列
のランク(階数)は到来波の個数
となる。したがって、雑音のない場合または受信データの長さNが十分大きい理想的な場合には上三角行列の下から
個の行の要素が0となる。
次に、評価基準計算手段55 は、QR 上三角行列因子の第i行の要素を用いて補助量ζ(i)
を次式
により計算する。前述のような理想状態において、
個の補助量ζ(i)は0となるから、ζ(i)=0となる行を求め、その数より到来波の個数

を求めることができる。しかし、雑音が存在する場合には厳密にζ(i)=0とならないため、以下の処理を行う。すなわち、到来波数決定手段56は、評価基準ξ(i) を次式
により計算する。ここで、
であり,この評価基準ξ(i) を最大にするiを到来波数の推定値
とする。すなわち、
である。
以上のように到来波数推定部50 は、時空間的な無相関白色雑音環境において完全相関信号(多重波)、または部分相関信号、または無相関信号の到来個数を推定することができる。
以下、計算機シミュレーションの具体例を通してさらに説明する。シミュレーションにおいて、アンテナ素子数M は10であり、また,同じパワーをもつ2 つ多重波(p=2 は、到来方向θ1=50 とθ2=120でアレーアンテナに入射するものとする。
まず,信号対雑音比(SNR) に対する本発明に基づく多重波到来波の個数推定性能を考察する。ここで、受信データの長さNを128とし、SNR を‐10 から25dB までの範囲に変化させる。各SNR に対して1000 回の計算を行う。図7 の曲線Aは到来波の個数を正確に検出した本発明の確率(検出確率)を示す特性図であり、横軸はSNR(dB)、縦軸は検出確率である。なお、比較するために従来のSS-AIC (曲線B)とSS-MDL (曲線C)を用いた結果をプロットして示している。
図7から明らかなように本発明に基づく到来波の個数推定手法は、相関行列
を構成するアレーデータの相関
を適切に選択することにより,観測雑音の影響を除去できるので、本発明の手法の検出性能は固有値分解を用いたSS-AIC とSS-MDL 法よりはるかに良くなっている。また、本発明の手法の演算量は固有値分解処理が不要のためかなり低減となっている.
次に、受信データの長さNに対する本発明に基づく多重波到来方向の推定性能を示す。ここで、SNR を5dB とし、受信データの長さN を10 〜1000 の範囲に変化させる。図8 の曲線Aは本発明において1000回のシミュレーション計算で得られた個数推定の検出確率を示す。図8 から明らかなように、受信データが少ない場合でも,本発明の方法は従来のSS-AIC(曲線B) とSS-MDL (曲線C)より高い検出確率を示している。
図9は多重波の個数推定の性能を示すシミュレーション結果で、到来波の個数を正確に検出した確率(検出確率)を示している。図において、横軸はサブアレーサイズ
、縦軸は到来波の個数を正確に検出した確率である。ただし、アンテナ素子数M=10、受信データ長N=128 、SNR =5 dBとし、サブアレーサイズを2 から7までの範囲で変化させ、各サブアレーサイズ に対して1000 回の計算を行ったときの到来波の個数を正確に検出した確率を示している。なお、実際の到来波の個数は2である。図9より、
と仮定して個数推定すれば正確に到来波の個数検出することが可能となる。
(B)第2実施例
上述の第1実施例では、次式
により推定行列を形成して、到来波の個数推定方法を説明したが、(16)式に関連して説明したようにHankel相関行列
の任意の組み合わせで推定行列
を形成し、無相関白色雑音環境における完全相関信号すなわち多重波、または部分相関信号、または無相関信号の到来個数を推定することができる。
(a)任意の一組を用いる実施例
上記(A)における4つの相関行列のうち、任意の1つを選んで、推定行列を形成する。すなわち、次式
のいずれかにより推定行列を形成し、以後、第1実施例と同一の方法で到来波の個数を推定する。
(b) 任意の二組の相関行列を用いる実施例
上記(A)における4つの組のうち、任意の2つの相関行列を選んで、推定行列を形成する。例えば、次式
のいずれかにより推定行列を形成し、以後、第1実施例と同一の方法で到来波の個数を推定する。
(c)任意の三組の相関行列を用いる実施例
上記(A)における4つの組のうち、任意の3つの相関行列を選んで、推定行列を形成する。例えば、次式
のいずれかにより推定行列を形成し、以後、第1実施例と同一の方法で到来波の個数を推定する。
(C)第3実施例
第1、第2実施例は、無相関白色雑音環境における到来電波の個数推定の実施例であり、第iアンテナ受信素子と第jアンテナ受信素子の受信信号に含まれる雑音wi(n)、 wj(n)の相関が次式
E[ wi(n) wj*(n)]=σ2 (i=j)
E[ wi(n) wj*(n)]=0 (i≠j)
で表現される場合である。すなわち、雑音の空間的相関の長さが1の場合である。第3実施例では雑音の空間的相関の長さがq(>1)の場合の実施例である。雑音の空間的相関の長さがqの場合、第iアンテナ受信素子と第jアンテナ受信素子の受信信号に含まれる雑音wi(n)、 wj(n)の相関は次式
E[ wi(n) wj*(n)]≠0 (|i−j|≦q)
E[ wi(n) wj*(n) ]=0 (|i−j|>q)
で表現される
すなわち、雑音の空間的相関の長さがqの場合、アレー共分散行列Rの対角要素r11,r22,…,rMMおよび該対角要素からqの距離にある相関要素には雑音が含まれている。
アレー共分散行列Rは共役対称になっているから、到来方向の推定には該アレー共分散行列Rの任意の行、列、例えば、図10に示すようにその1列目と最終列、あるいは図11に示すように1行目と最終行を計算するだけで十分である。ただし、対角要素および該対角要素からqの距離にある相関要素には雑音が含まれているから図10に示すように各列から要素
を除外する。また、図11に示すように、各行から要素
を除外する。
以下に、到来波数推定部50において、空間的に相関雑音環境における多重波の到来方向推定手順について説明する。アレーデータ間の相関計算手段51は、アレーアンテナにおけるM番目のアンテナ素子の受信信号と第1,2,…M−q−1番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−q−1)個の相関
(図10の最終列参照)を算出する。ただし、
である。ついで、Hankel相関行列形成部52は図10の右上に示すように、最終列の(M−q−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、順次上から下方向に1個づつずらしながら
組取り出し、取り出した各組の相関を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
同様に、相関計算手段51は、前記アレーアンテナにおける1番目のアンテナ素子の受信信号と第q+2,q+3,…M番目のアンテナ素子の受信信号間の (M−q−1)個の相関
(図10の第1列参照)を算出する。ついで、Hankel相関行列形成部52は、図10の右下に示すように、第1列目の(M−q−1)個の相関よりサブアレーサイズ
個の相関を取り出し、以後、順次上から下方向に1個づつずらしながら
組の相関を取り出し、取り出した各組の相関を1行目から順番に行列に配列してなる
の相関行列
を作成する。
しかる後、行についても同様の操作を行なって、図11に示すように相関行列
を作成する。
4つのHankel相関行列が求まれば、推定行列作成部53は次式
により推定行列を形成する。以上により、推定行列が求まれば、以後、第1実施例と同様の処理により到来波の個数を推定できる。すなわち、第3実施例によれば時空間的な相関雑音環境において完全相関信号(多重波)、または部分相関信号、または無相関信号の到来個数を推定することができる。
また、第2実施例と同様に、4つのHankel相関行列
の任意の組み合わせで推定行列
を形成し、空間相関雑音環境境における多重波の到来個数を推定することができる。
(D)第4実施例
以上の実施例では、(17)式に示したQR分解にしたがって到来波の個数を推定したが、(17)式QR分解に代わって列回転QR分解(QR decomposition with column pivoting)することもできる。列回転QR分解では、
の置換行列(permutation matrix)Πを用いて次式
によりQR 分解を行う。
(26)式の列回転QR 分解において置換行列Πを単位行列にすれば、たとえば、
とすれば(17)式のQR 分解となる。この列回転QR 分解では、上三角行列の対角要素の絶対値を減少するように置換行列Π を決定できる(QRP と略称する)。また、行列
の列指数最大差異二分法(column index maximum-difference bisection)で事前決定した置換行列Π を使用することができる(QRPP と略称する)。例えば、
の場合、
とする。ただし、eiは
の単位ベクトルであり、その第i番目の要素=1、他の要素=0である。
図12は列回転QR 分解によるシミュレーション結果であり、測定条件は図7のシミュレーションと同一であり、Aは第1実施例の検出確率特性、BはQRPによる検出確率特性、CはQRPPによる検出確率特性である。
(E)第5実施例
・基地局受信装置
図13は本発明を適用した基地局受信装置の構成図である。アレーアンテナ30は信号を受信し、べースバンド及びディジタル処理部40に入力する。ディジタル処理部40はアンテナ素子毎に信号処理して複素ディジタル受信データを出力する。到来波数推定部50は第1実施例〜第4実施例で説明した方法により、到来電波の個数pを推定する。到来方向推定部60は各アンテナ素子毎の複素ディジタル受信データと到来電波の個数p用いて信号の到来方向を推定する。なお、到来方向推定方法は例えばWO2005/001504 A1およびPCT/JP04/011598(出願日2004.8月12日)を参照されたい。
ビーム形成器(受信ビームフォーマ)70は到来方向推定部60から取得した信号の到来方向の推定値を用いて信号源方向にピークを有するようにビームを形成する(受信ビームフォーミング)。すなわち、ビーム形成器70は干渉や雑音などを抑圧しながら希望信号を抽出してチャネル受信部80に送る。チャネル受信部80は周知の方法で受信処理を行って受信データを復調、出力する。
なお、ビーム形成器70として種々の構成が可能であるが、例えば、O.L. Frost、 "An algorithm for linearly constrained adaptive array processing、" Proc. IEEE、 vol.
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・基地局送信装置
図14は基地局送信装置の構成図である。なお、図14には基地局受信装置も図示している。
送信ビームフォーマ90は、送信部100から送信データが入力されると、到来方向推定部60により推定された方向にピークが向くように送信ビームパターンを形成し、複素ディジタル送信信号をべースバンド及びデジタル信号処理部40′に入力する。信号処理部40′は複素ディジタル送信データを無線信号に変換してアレーアンテナ30′の各アンテナ素子に入
力する。この結果、受信局に向けてビームが発射され、誤り率を低下できる。図14のアレーアンテナ30,30′を共通化することができる。
なお、本発明は多重波或いは部分相関或いは無相関信号の到来方向をオンラインで推定/追尾する際に適用できるものである。
(F)発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、固有値分解を利用せず少ない演算量で空間的に角度が近い到来波の個数推定を行うことができる。また、計算機シミュレーションの具体例で明らかにしたように、本発明によれば、短い受信データ長であっても、また、低い信号対雑音比(SNR)であっても、基地局におけるアレーアンテナに入射する到来波の個数を高い正確検出確率で推定することができる。
また、本発明によれば、固有値分解を用いた従来のSS-AIC やSS-MDL 手法に比較して少ない演算量で優れた推定性能が得られる。すなわち、従来技術に比べて、多重波の到来方向の個数と推定精度の向上を図ることができる。
更に、本発明によれば、信号源方向にビームが向くようにビームフォーミングができ、受信時における品質を向上でき、しかも、送信時において希望方向に指向性をもつビームを形成できるため可能な限り他の干渉とならないようにできる。

Claims (10)

  1. 複数個(=M)のアンテナ素子を同一素子間隔で直線状に配列したアレーアンテナで到来電波を受信し、該到来電波の個数を推定する到来波数推定方法において、
    前記アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出し、
    各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数
    個の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成し、
    該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成し、
    該推定行列をQR分解して得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を推定する、
    ことを特徴とする到来波数推定方法。
  2. q(0≦q≦M−1)を雑音の空間的相関の長さとするとき、前記アレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素および該対角要素に連鎖的に隣接するq個の要素を除き、(q+1)個の要素が除かれた(M−q−1)個の相関より、所定数の相関を順次1要素づつずらしながら前記所定数
    個の相関を取り出して行列に配列してなる前記相関行列を作成する、
    ことを特徴とする請求項1記載の到来波数推定方法。
  3. 複数個(=M)のアンテナ素子を同一素子間隔で直線状に配列したアレーアンテナで到来電波を受信し、該到来電波の個数を推定する到来波数推定装置において、
    前記アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出する相関演算部、
    各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成する相関行列作成部、
    該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成する推定行列作成部、
    該推定行列をQR分解するQR分解部、
    QR分解により得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を決定する到来波数決定部、
    を備えたことを特徴とする到来波数推定装置。
  4. 前記相関行列作成部は、q(0≦q≦M−1)を雑音の空間的相関の長さとするとき、前記アレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素および該対角要素に連鎖的に隣接するq個の要素を除き、(q+1)個の要素が除かれた(M−q−1)個の相関より、所定数の相関を順次1要素づつずらしながら前記所定数
    個の相関を取り出して行列に配列してなる前記相関行列を作成する、
    ことを特徴とする請求項3記載の到来波数推定装置。
  5. 前記相関行列作成部は、前記アレー共分散行列の先頭行及び最終行並びに先頭列及び最終列のうち1以上について前記相関行列を作成し、
    前記推定行列作成部は、該作成された相関行列を並べることにより前記推定行列を作成する、
    ことを特徴とする請求項3または4記載の到来波数推定装置。
  6. 前記相関行列作成部は、前記所定数
    をM/2より小さい最大の整数とする、
    ことを特徴とする請求項3または4記載の到来波数推定装置。
  7. 前記到来波数決定部は、前記上三角行列因子の階数を到来電波の個数とする、ことを特徴とする請求項3または4記載の到来波数推定方法。
  8. 前記到来波数決定部は、前記上三角行列因子の第i行目の各行列要素の絶対値の総和と第(i+1)行目の各行列要素の絶対値の総和の比を計算する計算部、
    該比が最小のiを到来電波の個数と決定する決定部、
    を有することを特徴とする請求項3または4記載の到来波数推定装置。
  9. 前記 QR分解部は、QR分解として列回転QR分解を行う、
    ことを特徴とする請求項3記載の到来波数推定装置。
  10. 複数個(=M)のアンテナ素子を同一素子間隔で直線状に配列したアレーアンテナで到来電波を受信し、該電波の到来方向を推定する無線装置において、
    到来電波の個数を推定する到来波数推定部、
    アンテナ素子毎の受信データと到来電波の個数を用いて信号の到来方向を推定する到来方向推定部、
    到来方向の推定値を用いて信号源方向にピークを有するように受信ビームフォーミング処理を行う受信ビームフォーマを備え、
    前記到来波数推定部は、
    前記アレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を算出する相関演算部、
    各アンテナ素子の受信信号と他アンテナ素子の受信信号間の相関を行列に配列してなるアレー共分散行列を構成する所定の行あるいは列より対角要素を除き、該対角要素が除かれた(M−1)個の相関より所定数の相関を順次1要素づつずらしながら取り出して行列に配列してなる相関行列を作成する相関行列作成部、
    該相関行列を用いて到来波数を推定するための推定行列を作成する推定行列作成部、
    該推定行列をQR分解するQR分解部、
    QR分解により得られた上三角行列因子の各行要素に基づいて到来電波の個数を決定する到来波数決定部、
    を備えたことを特徴とする無線装置。
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