JP4708224B2 - 無線信号分離方法および受信装置並びにそのプログラムと記録媒体 - Google Patents
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Description
"V-BLAST An Architecture for Realizing Very High Data Rates Over the Rich-Scattering Wireless Channel"、R W. Wolniansky, G. J. Foschini, G. D. Golden, R. A. Valenzuela、Signal, Systems, and Electronics, 1998. ISSSE 98. 1998 URSI International Symposium on 29 Sept-2 Oct. 1998 Page(s):295-300
(a)送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素s=[s1,s2,・・・,sT]に対して、それぞれの信号検出の順番を順次決定する。
(b)T個の前記要素それぞれを検出するためのT個の抽出ベクトル(nulling vectorあるいはweight vectorという)を順次生成する。
(c)上記(b)生成した抽出ベクトルを用いてs=[s1,s2,・・・,sT]のT個の送信信号の要素を順番に検出する。
(d)受信ベクトルxと伝搬路行列Hを更新する。
そして信号検出装置はa〜dの全ての処理はT回の反復実行を行う。
<課題1>処理演算量が膨大で所要演算回路規模が大きくなる(T回の擬似逆行列の演算が必要であり、所要演算量がO(T4)と大きくなる。特に送信アンテナ数と受信アンテナ数の多いMIMOシステムにおいては所要演算量が膨大となる。)
<課題2>所要記憶デバイス容量が大きくなる(擬似逆行列の演算は大きな記憶容量が必要となる。またシステム伝達係数行列Hの更新や抽出ベクトルの保存などにも記憶デバイスが必要となる)
<課題3>小型化、軽量化が困難となる(無線送信装置、特に無線携帯端末においては小型化、軽量化を行うことが望ましいが、従来のSICの方式では所要演算回路規模と記憶デバイスが大きいため、それによって無線送信装置の小型化、軽量化が困難となる)
<課題4>処理遅延が大きくなる(T回の擬似逆行列の演算の並列化は不可能であるため、処理の遅延が大きい。特に送信アンテナ数が多い場合では、擬似逆行列演算の回数が増え、リアルタイムでの信号処理は極めて困難である。それを解決するためには演算回路における動作クロック周波数を上げる方法はあるが、それが所要消費電力の飛躍的増加に繋がる)
<課題5>所要消費電力が大きい(所要消費電力は所要演算回路規模やその動作クロック周波数などに比例するため、従来のSIC方式では電力消費量が大きいと考えられる。従ってバッテリによって動作するMIMOシステムの十分な動作時間の確保が困難となる)
<課題6>製品の大量生産に適さない(上記課題1〜課題5を踏まえて、従来のSIC方式による受信装置への実装は極めて困難である。つまり従来のSIC方式を実装したMIMOシステムを備えた無線装置における製造コストが高くなり、大量生産に適さない)
図1はMIMO−OFDMシステムの構成を示す第1の図である。
図2はMIMO−OFDMシステムの構成を示す第2の図である。
図3はMIMO−Singleシステムの構成を示す第1の図である。
図4はMIMO−Singleシステムの構成を示す第2の図である。
これらのMIMOシステムにおいて、図1と図3で示したシステムの構成はチャネル符号化及びシンボルマッピングを一系列で処理している。また図2と図4で示したシステムでは送信アンテナの本数Tに合わせて、T個の信号系列を並列に処理する構成を新たに備えている。
受信装置内の信号検出装置への入力が伝搬路行列H、受信信号ベクトルxであるとし、また本実施形態による信号検出処理を経て出力する信号を検出信号^s(^の記号はハットを示す)とすると、当該信号検出装置は、
(ステップS1a)送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素s=[s1,s2,・・・,sT]に対して、それぞれの信号検出の順番を同時に決定し、リストSに記録する。
(ステップS1b)次に信号検出装置は、伝搬路行列Hの列ベクトルを順番リストSに従い並び替えを行う。
(ステップS1c)並び替えられた伝搬路行列をQR分解し、行列Qと上三角行列Rを算出する。
(ステップS1d)行列Qの複素共役転置を使って受信ベクトルxをフィルタリングする。
(ステップS1e)上三角行列Rの上三角構造を利用して、後退代入によりT個の送信信号を順次検出する。
(ステップS1f)検出されたT個の送信信号をリストSに従って、元の送信された空間順番(アンテナ順番)に並びなおして出力する。
ここで、信号検出装置は1eの処理のみが反復計算を含むが、それ以外の1a〜1d、1fの処理については1回のみ実行すればよい。
<ステップS1aの処理について>
送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素s=[s1,s2,・・・,sT]に対して、それぞれの信号検出順番を同時に決定し、リストSに記録する処理は、まず、式(1)のように伝搬路行列Hを用いて行列Gを算出する。
次に伝搬路行列Hの列ベクトルをステップS1aで決めた順番リストSに従い並び替えを行う。式(15)はその並び替えを行うために用いる数式である。
次にステップS1bで並び替えられた伝搬路行列をQR分解し、行列Qと上三角行列Rを算出する処理は、
次に行列Qの複素共役転置を使って受信ベクトルxをフィルタリングする。
次にRの上三角構造を利用して、後退代入によりT個の送信信号を順次検出する。上記算出した列ベクトルyは式(19)のように要素ごとに書き表すことができる。
次に検出されたT個の送信信号を順番リストSに従い、元の送信された空間順番(アンテナ順番)に並びなおして出力する。式(23)のように行列Pを用いて、上記ステップS1eで検出した送信信号^s’の順番の並び替え処理を行う。行列PはステップS1bの処理において検出順番リストSに従って得られる行列Pと同一のものである。
図5は信号検出装置の機能処理部を示す第1の図である。
図6は信号検出装置の機能処理部を示す第2の図である。
図7は信号検出装置の機能処理部を示す第3の図である。
まず図5において、符号11〜16の機能処理部はそれぞれ上述のステップS1a〜ステップS1fに対応する処理を行う機能処理部に対応する。ここで機能処理部とは、信号検出装置における回路群または当該装置で実行されるプログラム群を意味する。また、符号17は読み書き可能な記憶デバイスを表す。
次に実施例2について説明する。
実施例1同様に、受信装置内の信号検出装置への入力が伝搬路行列H、受信信号ベクトルxであるとし、また本実施形態による信号検出処理を経て出力する信号を検出信号^sとすると、当該信号検出装置は、
(ステップS2a)送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素s=[s1,s2,・・・,sT]に対して、それぞれの信号検出の順番を同時に決定し、順番リストSに記録する。
(ステップS2b)次に信号検出装置は、伝搬路行列Hの列ベクトルを順番リストSに従い並び替えを行う。
(ステップS2c)並び替えられた伝搬路行列をQR分解し、行列Qと下三角行列Rを算出する。
(ステップS2d)行列Qの複素共役転置を使って受信ベクトルxをフィルタリングする。
(ステップS2e)下三角行列Rの下三角構造を利用して、前進代入によりT個の送信信号を順次検出する。
(ステップS2f)検出されたT個の送信信号をリストSに従って、元の送信された空間順番(アンテナ順番)に並びなおして出力する。
ここで、信号検出装置は2eの処理のみが反復計算を含むが、それ以外の2a〜2d、2fの処理については1回のみ実行すればよい。
<ステップS2aの処理について>
送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素s=[s1,s2,・・・,sT]に対して、それぞれの信号検出順番を同時に決定し、リストSに記録する処理は、まず、式(1)のように伝搬路行列Hを用いて行列Gを算出する。
次に伝搬路行列Hの列ベクトルをステップS2aで決めた順番リストSに従い並び替えを行う。式(15)はその並び替えを行うために用いる数式である。
次にステップS2bで並び替えられた伝搬路行列をQR分解し、行列Qと下三角行列Rを算出する処理は、
次に行列Qの複素共役転置を使って受信ベクトルxをフィルタリングする。
次にRの下三角構造を利用して、前進代入によりT個の送信信号を順次検出する。上記算出した列ベクトルyは式(40)のように要素ごとに書き表すことができる。
次に検出されたT個の送信信号を順番リストSに従い、元の送信された空間順番(アンテナ順番)に並びなおして出力する。式(44)のように行列Pを用いて、上記ステップS2eで検出した送信信号^s’の順番の並び替え処理を行う。行列PはステップS2bの処理において順番リストSに従って得られる行列Pと同一のものである。
12・・・伝搬路行列ベクトル並び替え処理部
13・・・QR分解処理部
14・・・フィルタリング処理部
15・・・後退代入処理部
16・・・順番並び替え処理部
17・・・記憶デバイス
Claims (16)
- MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置における無線信号分離方法であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により決定し、順番リストに記録し、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストSに従い並び替え、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解し、
前記QR分解によって得られた行列Qの複素共役転置を使って受信信号ベクトルxをフィルタリングし、
前記QR分解によって得られた行列Rを用いて、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出し、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する
ことを特徴とする無線信号分離方法。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置における無線信号分離方法であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと上三角行列Rを算出するQR分解処理と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング処理と、
前記上三角行列Rの上三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する後退代入処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え処理と、
を有することを特徴とする無線信号分離方法。 - 前記検出順番決定処理は、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え処理は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解処理は、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって行列Qと前記上三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング処理は、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記後退代入処理は、前記列ベクトルyと前記上三角行列Rを読み取り、後退代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え処理は、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線信号分離方法。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置における無線信号分離方法であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと下三角行列Rを算出するQR分解処理と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング処理と、
前記下三角行列Rの下三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して前進代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する前進代入処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え処理と、
を有することを特徴とする無線信号分離方法。 - 前記検出順番決定処理は、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え処理は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解処理は、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって前記行列Qと前記下三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング処理は、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記前進代入処理は、前記列ベクトルyと前記下三角行列Rを読み取り、前進代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え処理は、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
ことを特徴とする請求項4に記載の無線信号分離方法。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により決定し、順番リストに記録する手段と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストSに従い並び替える手段と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解する手段と、
前記QR分解によって得られた行列Qの複素共役転置を使って受信信号ベクトルxをフィルタリングする手段と、
前記QR分解によって得られた行列Rを用いて、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する手段と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定手段と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え手段と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと上三角行列Rを算出するQR分解手段と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記上三角行列Rの上三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する後退代入手段と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記検出順番決定手段は、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え手段は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解手段は、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって行列Qと前記上三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング手段は、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記後退代入手段は前記列ベクトルyと前記上三角行列Rを読み取り、後退代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え手段は、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
ことを特徴とする請求項7に記載の受信装置。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定手段と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え手段と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと下三角行列Rを算出するQR分解手段と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記下三角行列Rの下三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して前進代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する前進代入手段と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記検出順番決定手段は、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え手段は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解手段は、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって前記行列Qと前記下三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング手段は、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記前進代入手段は、前記列ベクトルyと前記下三角行列Rを読み取り、前進代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え手段は、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
ことを特徴とする請求項9に記載の受信装置。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により決定し、順番リストに記録する処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストSに従い並び替える処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解する処理と、
前記QR分解によって得られた行列Qの複素共役転置を使って受信信号ベクトルxをフィルタリングする処理と、
前記QR分解によって得られた行列Rを用いて、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと上三角行列Rを算出するQR分解処理と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング処理と、
前記上三角行列Rの上三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する後退代入処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記検出順番決定処理において、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え処理は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解処理において、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって行列Qと前記上三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング処理において、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記後退代入処理において、前記列ベクトルyと前記上三角行列Rを読み取り、後退代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え処理において、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
処理をコンピュータに実行させる請求項12に記載のプログラム。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により同時に決定し、順番リストに記録する検出順番決定処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストに従い並び替える伝搬行列ベクトル並び替え処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解して行列Qと下三角行列Rを算出するQR分解処理と、
前記行列Qの複素共役転置を使って前記受信信号ベクトルxをフィルタリングするフィルタリング処理と、
前記下三角行列Rの下三角構造を利用して、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して前進代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する前進代入処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する順番並び替え処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記検出順番決定処理において、前記伝搬路行列Hを読み取り、演算処理によって行列G=HHHを算出した後、順番リスト生成式に従って、前記順番リストを生成し、
前記伝搬路行列ベクトル並び替え処理は、前記順番リストと前記伝搬路行列Hを読み取り、該順番リストに従って前記伝搬路行列Hを並び替えた後で、その結果の行列H’を記憶部へ書込み、
前記QR分解処理において、前記記憶部から前記行列H’あるいは前記行列H’と前記行列Gの両方を読み取り、QR分解式に従ったQR分解処理によって前記行列Qと前記下三角行列Rを算出し、
前記フィルタリング処理において、前記行列Qと前記受信信号ベクトルxを読み取り、前記行列Qの複素共役転置と前記受信信号ベクトルxとを乗算することによりベクトルyを算出し、
前記前進代入処理において、前記列ベクトルyと前記下三角行列Rを読み取り、前進代入演算処理によって、検出送信信号ベクトルを算出し、その検出送信信号ベクトルのT個の要素を順番に検出し、干渉成分算出式に従って干渉成分を算出し、前記列ベクトルyのk番目の要素ykから前記干渉成分を減算することにより軟判定検出信号を算出し、当該軟判定検出信号に対して、送信側で変調時に適用したコンスタレションに基づいて硬判定を行い硬判定検出信号を算出し、
前記順番並び替え処理において、検出送信信号ベクトルと前記順番リストとを読み取り、当該リストに従って前記検出送信信号ベクトルを並び替えた後で、その並び替え結果を出力する
処理をコンピュータに実行させる請求項14に記載のプログラム。 - MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムにおいて伝搬路行列H、受信信号ベクトルxの入力を受付ける受信装置のコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記録媒体であって、
送信装置の送信した信号の該送信信号ベクトルsの中にあるT個の要素に対して、それぞれの信号検出の順番を前記伝搬路行列Hから算出される受信電力と伝搬路間の相関により決定し、順番リストに記録する処理と、
前記伝搬路行列Hの列ベクトルを前記順番リストSに従い並び替える処理と、
前記並び替えられた伝搬路行列をQR分解する処理と、
前記QR分解によって得られた行列Qの複素共役転置を使って受信信号ベクトルxをフィルタリングする処理と、
前記QR分解によって得られた行列Rを用いて、前記フィルタリングされた受信信号ベクトルに対して後退代入演算処理を施すことにより、前記信号検出の順番で一個ずつ受信信号の硬判定を行う処理と、硬判定された受信信号による他の受信信号への干渉成分を取り除く処理とを繰り返し行い、前記T個の送信信号を順次検出する処理と、
前記検出したT個の送信信号を前記順番リストに従って、元の送信された空間順番に並びなおして出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。
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