JP4720553B2 - 車両用バックドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用バックドア構造に係り、特に下側から上側に跳ね上げるようにして開くことが可能なバックドアを備えた車両用バックドア構造に関する。
この種の車両用バックドア構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。例えば、特許文献1には、車体用ゲート構造の例が開示されている。この特許文献1に記載の例では、車体の後部開口の近傍にテールゲートを案内するスライドレールが設けられており、このスライドレールには、テールゲートを上下移動させる上下部と前後移動させる水平部及びこれらの間をつなぐ湾曲部が連続一体に形成されている。また、テールゲートには、スライドレール内を転動するローラが備えられている。そして、このローラをスライドレールに沿って転動させることでテールゲートの車両後方及び車両上方への突出量を抑えつつテールゲートを開閉することが可能となっている。
また、特許文献2には、車両用バックドアの開閉装置の例が開示されている。この特許文献2に記載の例では、バックドアの下端側の部分に、一端側が後部開口の側縁部に回動自在に連結された伸縮式ステー部材の他端側が回動自在に連結されており、バックドアの上端側の部分に、一端側が後部開口の上縁部に回動自在に連結されたリンク部材の他端側が回動自在に連結されている。そして、リンク部材の揺動によってバックドアの旋回中心を車両前方に移動させることでバックドアの車両後方への突出量を抑えつつバックドアを開閉することが可能となっている。
特開2005−132171号公報(図1、図2) 特開平9−220934号公報(図2) 特開2003−260935号公報
しかしながら、特許文献1に記載の例では、テールゲートを全開とするためには、テールゲートを、全閉位置から一旦車両後方に引き、車両上方への移動を伴って車両前方へ移動させ、その後、全開位置まで車両前方へ水平に移動させる必要がある。また、テールゲートを全閉とするためには、テールゲートを、全開位置から車両後方へ水平に移動させ、車両下方への移動を伴って車両後方へ移動させ、その後、全閉位置まで車両前方に押す必要がある。従って、バックドアの上端部が車体のルーフ部に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式のバックドア構造に比べ、バックドアの開閉操作が複雑である。
また、特許文献2に記載の例では、バックドアの旋回中心を移動させるためのリンク部材がバックドアの開閉に伴って車両上方へ突出する。特に、バックドアの開閉時における車両後方への突出量を減らすためにはリンク部材の長さを長くしてバックドアの旋回中心の移動量を増加させる必要があり、このようにした場合にはバックドアの開閉に伴うリンク部材の車両上方への突出量が増加する。
従って、この種の車両用バックドア構造において、バックドアの開閉操作が容易で、しかも、バックドアの開閉時における車両後方及び車両上方への突出量を抑制するためには改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バックドアの開閉操作が容易で、しかも、バックドアの開閉時における車両後方及び車両上方への突出量を抑制することが可能な車両用バックドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用バックドア構造は、車体の背面に設けられると共に、前記車体のルーフ部に対して上下方向に回動自在に支持されたバックドアと、前記ルーフ部に車両前後方向に沿って設けられ、前記バックドアの前記ルーフ部に対する回動中心部を前記ルーフ部に沿って車両前後方向に移動自在に支持する移動支持手段と、を備え、前記バックドアは、その車両幅方向両側の部分にてそれぞれ前記ルーフ部に対して上下方向に回動自在に支持され、前記バックドアの車両幅方向両側の部分には、一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結され、前記バックドアが前記回動中心部の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記回動中心部を回動軸として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制するリンク部材がそれぞれ備えられ、前記バックドアの前記ルーフ部に対する一対の回動中心部うち一方の回動中心部の前記移動支持手段に対する移動と、前記一対の回動中心部のうち他方の回動中心部の前記移動支持手段に対する移動とを同期させる同期手段を備え、前記同期手段は、前記一対のリンク部材の揺動端側の部分を互いに連結する連結部材と、前記一対のリンク部材の揺動角度のずれに伴う前記連結部材のねじりを検出するねじり検出手段と、前記連結部材にねじりが生じている場合には前記ねじり検出手段の検出結果に基づいて前記一対のリンク部材の揺動角度のずれを補正するずれ補正手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の車両用バックドア構造では、上記構成により、例えば、次のようにしてバックドアを開閉することができる。すなわち、バックドアを開くときには、車体の背面で全閉状態にあるバックドアを、ルーフ部に対して上下方向上側に回動させながら、このバックドアのルーフ部に対する回動中心部を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させる。そして、このようにしてバックドアをルーフ部に対して上下方向上側に回動させながらバックドアの回動中心部を車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることにより、バックドア全体を車体のルーフ部の上側に位置させ、バックドアがルーフ部の上側において略水平となる位置で全開状態とする。
一方、バックドアを閉じるときには、ルーフ部の上側で全開状態にあるバックドアを、ルーフ部に対して上下方向下側に回動させながら、車両前後方向前側に移動しているバックドアのルーフ部に対する回動中心部を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向後側に移動させる。そして、このようにしてバックドアをルーフ部に対して上下方向下側に回動させながらバックドアの回動中心部を車体のルーフ部に沿って車両前後方向後側に移動させることにより、バックドアを車体背面に移動させて全閉状態とする。
このように、請求項1に記載の車両用バックドア構造では、バックドアが開閉するときに、バックドアのルーフ部に対する回動中心部を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることができる。従って、バックドアが開閉するときには、バックドアの回動中心部が車両前後方向前側に移動することで、バックドア全体を車両前後方向前側に移動させることができる。これにより、バックドアの開閉途中における車両後方への突出量を抑制することが可能となる。
また、請求項1に記載の車両用バックドア構造では、バックドアのルーフ部に対する回動中心部をルーフ部に沿って車両前後方向に移動させるための移動支持手段が、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って固定状態で設けられている。従って、この移動支持手段が従来のリンク部材(特許文献2参照)の如くバックドアの開閉時に車両上方へ突出することも無い。
さらに、請求項1に記載の車両用バックドア構造では、バックドアをルーフ部に対して上下方向上側に回動させながら、このバックドアのルーフ部に対する回動中心部を移動支持手段により車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることで、上述の如く、バックドアをルーフ部の上側において略水平となる位置で全開状態とすることができる。これにより、バックドアの全開時における車両上方への突出量も抑制することが可能となる。
また、請求項1に記載の車両用バックドア構造では、バックドアが、その車両幅方向両側の部分にてそれぞれルーフ部に対して上下方向に回動自在に支持されており、このバックドアのルーフ部に対する一対の回動中心部うち一方の回動中心部の移動支持手段に対する移動と、一対の回動中心部のうち他方の回動中心部の移動支持手段に対する移動とは同期手段によって同期される。従って、各々の回動中心部の移動を同期手段により同期させることで、各回動中心部を移動支持手段に対して円滑に移動させることができる。これにより、バックドアの開閉操作が良好となる。
さらに、請求項1に記載の車両用バックドア構造では、バックドアの車両幅方向両側にリンク部材がそれぞれ設けられているので、この両側一対のリンク部材により回動軌跡を規制させながらバックドアの開閉操作を行うことができる。また、一対のリンク部材に揺動角度のずれが生じ、この揺動角度のずれに伴って、一対のリンク部材の揺動端側の部分を互いに連結する連結部材にねじりが生じた場合には、この連結部材のねじりがねじり検出手段により検出され、一対のリンク部材の揺動角度のずれがずれ補正手段によって補正される。これにより、各々の回動中心部の移動を同期させることができるので、各回動中心部を移動支持手段に対して円滑に移動させることができ、バックドアの開閉操作が良好となる。
請求項2に記載の車両用バックドア構造は、請求項1に記載の車両用バックドア構造において、前記ルーフ部には、ルーフサイドレールとルーフパネルとの結合部に車両前後方向に沿って凹部が形成され、前記移動支持手段は、前記凹部に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の車両用バックドア構造では、車体のルーフ部に設けられたルーフサイドレールとルーフパネルとの結合部に、車両前後方向に沿って凹部が形成されている。そして、この凹部に、バックドアの回動中心部を車体のルーフ部に沿って車両前後方向に移動自在に支持する移動支持手段が設けられている。従って、車体のルーフ部に設けた凹部に移動支持手段を設けることで、移動支持手段を外部から見えにくくすることができる。これにより、移動支持手段を設けたことによってルーフ部の見栄えが損なわれることを防止することが可能となる。また、車体のルーフ部に設けられたルーフサイドレールとルーフパネルとの結合部は、車体の高強度部位である。従って、この結合部に設けられた凹部にバックドアの回動中心部を支持する移動支持手段を設けることでバックドアの支持剛性を高めることが可能となる。
請求項3に記載の車両用バックドア構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両用バックドア構造において、前記バックドアを開方向に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の車両用バックドア構造では、バックドアを開方向に付勢する付勢手段が備えられている。従って、バックドアを開くときには、付勢手段によりバックドアに対して開方向へ付勢力が作用する。これにより、バックドアの開方向への操作力を低減することができるので、バックドアの開操作がより容易となる。
請求項4に記載の車両用バックドア構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用バックドア構造において、一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結されたリンク部材を備え、前記リンク部材は、前記バックドアが前記回動中心部の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記回動中心部を回動軸として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制することを特徴とする。
請求項4に記載の車両用バックドア構造では、バックドアが開閉する際に、バックドアの回動軌跡がリンク部材によって規制される。つまり、リンク部材の規制により、バックドアは、ルーフ部に対する回動中心部のルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら回動中心部を回動軸として回動する。従って、リンク部材の規制により一定の回動軌跡でバックドアの開閉操作を行うことができる。しかも、バックドアを開閉させるためには、ルーフ部に対する回動中心部を回動軸としてバックドアに対して開閉方向に操作力を与えるだけで良いので、バックドアの上端部が車体のルーフ部に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造と同様な操作性を得ることできる。従って、バックドアの開閉操作も容易であり、バックドアの開閉操作の際に操作者へ違和感を与えることも無い。
請求項5に記載の車両用バックドア構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用バックドア構造において、前記ルーフ部には、ルーフ設置体が備えられ、前記バックドアの開閉時に前記バックドアの回動に連動して作動し、前記バックドアが前記ルーフ設置体に干渉しないように前記ルーフ設置体を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の車両用バックドア構造では、バックドアが回動すると、このバックドアの回動に連動して移動手段が作動し、これによって、バックドアがルーフ設置体に干渉しないようにルーフ設置体が移動される。従って、請求項8に記載の車両用バックドア構造によれば、車体のルーフ部にルーフ設置体を装備しても、バックドアの回動時にルーフ設置体がバックドアと干渉することを防止できる。また、ルーフ設置体とバックドアとの干渉を防止することにより、例えば、バックドアの回動軌跡内にルーフ設置体を配置したりすることが可能となり、バックドアやルーフ設置体の形状及び配置の設計の自由度も向上する。
以上詳述したように、本発明によれば、バックドアの開閉操作が容易で、しかも、バックドアの開閉時における車両後方及び車両上方への突出量を抑制することが可能となる。
[第一実施形態]
以下、図1,図2を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10について説明する。
図1には、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10が適用された車両12の側面図が示されており、図2には、図1に示す車両用バックドア構造10の動作説明図が示されている。なお、これらの図において、矢印Rr、矢印Upは、それぞれ車両前後方向後側、車両上下方向上側を示すものである。
図1に示されるように、車両12の車体後部には、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10が用いられている。この車両用バックドア構造10において、車体の背面には、ドア開口14が設けられており、このドア開口14は、バックドア16により開閉される。つまり、このバックドア16の上部には、ステー18が突設されており、このステー18の突出端部には、回動中心部としてのローラ20が回動支持部材22を介して回転自在に設けられている。
車体後部のルーフ部24には、車両前後方向に沿って移動支持手段としてのスライドレール26が設けられており、このスライドレール26には、ローラ20がルーフ部24に沿って車両前後方向に転動自在に支持されている。ドア開口14の側縁部の上下方向中央部には、リンク部材28の一端側が回動自在に連結されており、このリンク部材28の他端側は、バックドア16の開放端側の部分に回動自在に連結されている。
次に、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の作用について説明する。
本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、上記構成により、例えば、次のようにしてバックドア16を開閉することができる。すなわち、バックドア16を開くときには、図2(a)に示される如く車体の背面で全閉状態にあるバックドア16を、ローラ20の回動支持部材22を回動軸として、図2(b)に示される如く下側から持ち上げるようにして上下方向上側に回動させる。なお、このとき、バックドア16は、その開放側端部がリンク部材28の車体側連結軸を中心として軌跡線Lに沿って円弧運動するように、その回動軌跡がリンク部材28によって規制される。
そして、このようにしてバックドア16を開方向に回動させると、バックドア16に作用する操作力の分力がローラ20に対して車両前後方向前側に作用する。これにより、ローラ20は、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26により、図2(b)に示される如くルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動する。そして、このようにしてバックドア16をルーフ部24に対して上下方向上側に回動させながらローラ20をルーフ部24の車両前後方向前側に移動させることにより、図2(c)に示されるように、バックドア16全体がルーフ部24の上側に位置し、バックドア16がルーフ部24の上側において略水平となる位置で全開状態となる。
一方、バックドア16を閉めるときには、図2(c)に示されるように、ルーフ部24の上側で全開状態にあるバックドア16を、ローラ20の回動支持部材22を回動軸として、図2(b)に示される如く上側から引き下げるようにして上下方向下側に回動させる。なお、このときも、バックドア16は、その開放側端部がリンク部材28の車体側連結軸を中心として軌跡線Lに沿って円弧運動するように、その回動軌跡がリンク部材28によって規制される。
そして、このようにしてバックドア16を閉方向に回動させると、バックドア16に作用する操作力の分力がローラ20に対して車両前後方向後側に作用する。これにより、ローラ20は、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26により、図2(b)に示される如くルーフ部24に沿って車両前後方向後側に移動する。そして、このようにしてバックドア16をルーフ部24に対して上下方向下側に回動させながらローラ20をルーフ部24の車両前後方向後側に移動させることにより、図2(a)に示されるように、バックドア16が車体背面に移動し、ドア開口14を閉じる全閉状態となる。
このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、バックドア16のルーフ部24に対する回動中心部であるローラ20を、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26により、ルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動させることができる。従って、バックドア16が開閉するときには、ローラ20が車両前後方向前側に移動することで、バックドア16全体を車両前後方向前側に移動させることができる。これにより、図2(b)に示されるように、バックドア16の開閉途中における車両後方への突出量を抑制することが可能となる。
つまり、図2(b)の想像線(二点鎖線)で示される如く、バックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造では、回動途中にあるバックドア102の車両後方への最大突出量はα2である。これに対し、図2(b)の実線で示される如く、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、回動途中にあるバックドア16の車両後方への最大突出量はα2よりも小さいα1である。このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10によれば、バックドア16の車両後方への突出量を抑制することが可能となる。これにより、車両後部の後側のスペースが狭い場合でも、バックドア16を開閉することが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、ローラ20をルーフ部24に沿って車両前後方向に移動させるためのスライドレール26が、ルーフ部24に車両前後方向に沿って固定状態で設けられている。従って、バックドア16の回動中心部を移動させるためのスライドレール26が従来のリンク部材(特許文献2参照)の如くバックドア16の開閉時に車両上方へ突出することも無い。
さらに、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、バックドア16を回動自在に支持するローラ20をスライドレール26によりルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動させることで、図2(c)に示される如く、バックドア16をルーフ部24の上側にて略水平となる位置で全開状態とすることができる。これにより、バックドア16の全開時における車両上方への突出量も抑制することが可能となる。
つまり、図2(c)の想像線で示される如く、バックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造では、全開位置にあるバックドア102の車両上方への最大突出量はβ2である。これに対し、図2(c)の実線で示される如く、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、全開位置にあるバックドア16の車両上方への最大突出量はβ2よりも小さいβ1である。このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10によれば、バックドア16の車両上方への突出量を抑制することが可能となる。これにより、操作者が例えば小柄な女性等でも、バックドア16に手が届きやすく、バックドア16の開閉を容易に行うことが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、上述のように、バックドア16が開閉する際に、バックドア16の回動軌跡がリンク部材28によって規制される。つまり、リンク部材28の規制により、バックドア16は、ローラ20のルーフ部24に沿った車両前後方向への移動を伴いながらローラ20を回動中心として回動する。従って、リンク部材28の規制により一定の回動軌跡でバックドア16の開閉操作を行うことができる。しかも、バックドア16を開閉させるためには、図2(a)〜(c)に示されるように、ローラ20を回動中心としてバックドア16に対して開閉方向に操作力を与えるだけで良い。つまり、図2(b),(c)の想像線で示される如くバックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造と同様な操作性を得ることできる。従って、バックドア16の開閉操作も容易であり、バックドア16の開閉操作の際に操作者へ違和感を与えることも無い。
[第二実施形態]
以下、図3を参照しながら、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30について説明する。
図3(a)には、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30が適用された車両12の側面図が示されており、図3(b),(c)には、本発明の第二実施形態に係る弦巻バネ32が内蔵されたローラ34の側面図が示されている。なお、図3(b)には、バックドア16が全開位置にあるときの状態(つまり図3(a)の実線で示される状態)が示されており、図3(c)には、バックドア16が全開位置にあるときの状態(つまり図3(a)の想像線(二点鎖線)で示される状態)が示されている。
本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10のローラ20の代わりに付勢手段としての弦巻バネ32を内蔵したローラ34を用いたものである。従って、本発明の第二実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
図3(a)に示される本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30において、ローラ34は、図3(b)に示されるように、内輪36と外輪38とを有して構成されている。内輪36は、バックドア16に設けられたステー18に回転不能に固定されており、外輪38は、内輪36に対して回転可能であると共にスライドレール26を転動するようになっている。
ローラ34に内蔵された弦巻バネ32は、その一端がローラ34の内輪36に固定されており、その他端が外輪38に固定されている。そして、この弦巻バネ32は、内輪36の回りに巻回されて図3(c)に示されるように圧縮された状態となったときには内輪36に対して外輪38を車両前後方向前側(つまり、図3(c)の矢印R方向)に回転させるように付勢する。また、このとき、弦巻バネ32は、バックドア16の重量によりローラ34を車両前後方向後側へ移動させる力と略等しい反力をローラ34に対して付与するように、そのバネ定数が設定されている。つまり、弦巻バネ32は、バックドア16の重量を相殺するように付勢力を発揮する構成である。
なお、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30において、この弦巻バネ32を内蔵したローラ34を備えたバックドア16は、図3(b)に示されるように、弦巻バネ32が付勢力を発生しないフリーの状態で、図3(a)の実線で示される全開位置に組み付けられる。従って、バックドア16を全閉位置としたときには、図3(c)に示されるように、弦巻バネ32が圧縮されて自動的にローラ34に対し車両前後方向前側へ付勢力を発揮する状態とされる。
次に、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30の作用について説明する。
本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30では、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10と同様の要領でバックドア16を開閉することができる。すなわち、バックドア16を、ローラ34を開閉中心として回動させるだけで良い。従って、このバックドア16の開閉操作が容易である。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30では、上述のように、ローラ34に、バックドア16を開方向に付勢する弦巻バネ32が内蔵されている。従って、バックドア16を開くときには、ローラ34に内蔵された弦巻バネ32によりバックドア16に対して開方向へ付勢力が作用する。これにより、バックドア16の開方向への操作力を低減することができるので、バックドア16の開操作がより容易となる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造30において、弦巻バネ32を内蔵したローラ34を備えたバックドア16は、図3(b)に示されるように、弦巻バネ32が付勢力を発生しないフリーの状態で、図3(a)の実線で示される全開位置に組み付けられる。従って、このようにすれば、バックドア16を全閉位置としたときには、図3(c)に示されるように、弦巻バネ32が圧縮されて自動的にローラ34に対し車両前後方向前側へ付勢力を発揮する状態とされるので、簡単な組み付け作業でバックドア16に対し開方向への付勢力を付与することができる。
[第三実施形態]
以下、図4,図5を参照しながら、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40について説明する。
図4には、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40が適用された車両12の側面図が示されており、図5には、図4に示す車両用バックドア構造40の動作説明図が示されている。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10にルーフ設置体としてのルーフレール42と移動手段としてのリンク部材44とを追加で備えたものである。従って、本発明の第三実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40において、車両のルーフ部24には、ルーフレール42が設置されている。このルーフレール42は、その車両前後方向前側の部分がルーフ部24に回動中心部材46を介して連結されており、この回動中心部材46を回動軸としてルーフ部24に対して上側に回動するようになっている。
また、ルーフレール42の車両前後方向後側の部分には、リンク部材44の一端側が回動中心部材48により回動自在に連結されており、このリンク部材44の他端側は、ローラ20の回動支持部材22に回動自在に連結されている。
次に、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40の作用について説明する。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40では、図5(a)に示される如く車体の背面で全閉状態にあるバックドア16を、その開放端側を下側から持ち上げるようにして図5(b)に示される如く上下方向上側に回動させると、ローラ20が、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26により、ルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動する。
また、ローラ20がルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動すると、ルーフレール42の車両前後方向後側の部分に回動中心部材48により回動自在に連結されたリンク部材44が回動中心部材48を回動軸として揺動するように立ち上がる。これにより、車両前後方向前側の部分が回動中心部材46によりルーフ部24に回動自在に連結されたルーフレール42の車両前後方向後側の部分がリンク部材44によって上側に持ち上げられて、図5(c)に示されるように、バックドア16が全開位置となったときには、ルーフレール42がバックドア16の上側に位置するようになる。
このように、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40では、バックドア16が開方向へ回動すると、このバックドア16の回動に連動してリンク部材44が作動し、これによって、バックドア16がルーフレール42に干渉しないようにルーフレール42が移動する。従って、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40によれば、ルーフ部24にルーフレール42を装備しても、バックドア16の回動時にルーフレール42がバックドア16と干渉することを防止できる。また、このように、ルーフレール42とバックドア16との干渉を防止することにより、例えば、バックドア16の回動軌跡内にルーフレール42を配置することが可能となり、バックドア16やルーフレール42の形状及び配置の設計の自由度も向上する。
なお、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造40では、ルーフ部24にルーフ設置体の一例としてルーフレール42を設置したが、ルーフレール42の代わりに、ルーフキャリアを設置しても良く、また、ルーフレール42及びルーフキャリアの両方を設置しても良い。
[第四実施形態]
以下、図6を参照しながら、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50について説明する。
図6(a)には、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50が適用された車両12の左斜め後方から見た斜視図が示されており、図6(b)には、図6(a)のA−A線断面図が示されている。なお、これらの図において、矢印Rr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向後側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示すものである。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10のルーフレール42の配置位置に変更を加えたものである。従って、本発明の第四実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50において、ルーフ部24には、ルーフサイドレール52(ルーフサイドメンバ)とルーフパネル54とが設けられており、このルーフサイドレール52とルーフパネル54との結合部には、車両前後方向に沿って凹部56が形成されている。この凹部56には、車両前後方向に沿って移動支持手段としてのスライドレール58が設けられており、このスライドレール58には、ローラ60がルーフ部24に沿って車両前後方向に転動自在に支持されている。
凹部56の開口部は、車両前後方向に沿って延びるルーフモール62により塞がれており、バックドア16に設けられたステー64は、ルーフモール62とルーフサイドレール52との間の隙間から凹部56内に挿入されている。また、ステー64は、その先端部に回動中心部66を有し、この回動中心部66によりローラ60を回転自在に支持している。
なお、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50では、特に図示していないが、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10と同様に、バックドア16の回動軌跡を規制するためのリンク部材28(図1参照)が設けられている。
次に、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50の作用について説明する。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50では、ルーフ部24に設けられたルーフサイドレール52とルーフパネルとの結合部に、車両前後方向に沿って凹部56が形成されている。そして、この凹部56に、ローラ60をルーフ部24に沿って車両前後方向に移動自在に支持するスライドレール58が設けられている。従って、ルーフ部24に設けた凹部56にスライドレール58を設けることで、スライドレール58を外部から見えにくくすることができる。これにより、スライドレール58を設けたことによってルーフ部24の見栄えが損なわれることを防止することが可能となる。しかも、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造50では、凹部56の開口がルーフモール62により塞がれており、スライドレール58が外部からより見えにくくなっている。これにより、ルーフ部24の見栄えを向上することができる。
また、ルーフ部24の凹部56が設けられた部位は、ルーフサイドレール52とルーフパネルとの結合部であり、しかも、ルーフ部24のコーナ部であるので強度が高い。従って、この結合部に設けられた凹部56にスライドレール58を設けることでバックドア16の支持剛性を高めることが可能となる。
[第五実施形態]
以下、図7,図8を参照しながら、本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70について説明する。
図7(a)には、本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70が適用された車両12の左斜め後方から見た斜視図が示されており、図7(b)には、図7(a)の要部拡大図が示されている。また、図8には、本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70の動作を示すフローチャートが示されている。なお、図7において、矢印Rr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向後側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示すものである。
本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10に左右のローラ20の移動を同期するための同期手段としての同期機構72を追加で備えたものである。従って、本発明の第五実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70において、同期機構72は、連結部材74と、ねじり検出手段としてのねじり検出センサ76と、ずれ補正手段としてのモータ78及び制御回路80とを有して構成されている。
連結部材74は、バックドア16の内部で車両幅方向に延在されており、左右のリンク部材28の揺動端部を連結している。ねじり検出センサ76とモータ78は、連結部材74の長手方向中間部に配置されており、ねじり検出センサ76は、一対のリンク部材28の揺動角度のずれに伴う連結部材74のねじりを検出し、この検出結果に応じた信号を制御回路80に出力するように構成されている。モータ78は、制御回路80により駆動されて、連結部材74のねじりが生じている側をねじりの方向と反対方向にねじることができるように構成されている。
制御回路80は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えた電気回路で構成されており、車両の適宜位置に配置されている。この制御回路80は、ねじり検出センサ76からの出力信号に基づいてモータ78を駆動する構成である。なお、この制御回路80の動作については、以下に詳述する。
次に、本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70の動作と併せてその作用について説明する。
制御回路80は、例えば、バックドア16に設けられたカーテシスイッチからバックドア16が開いたことに応じて出力された信号を入力すると、図8のフローチャートで示されるプログラム処理を開始する。制御回路80は、図8のフローチャートで示されるプログラム処理を開始すると、先ず、ねじり検出センサ76からの出力信号を入力して連結部材74のねじり量を検出し(ステップS1)、連結部材74にねじりが生じているか否かを判断する(ステップS2)。
このとき、例えば、バックドア16の車両幅方向中央部にドア開方向に操作力が作用された場合には、バックドア16の車両幅方向両側に均等に力が作用するため、左右一対のローラ20の移動量及び左右一対のリンク部材28の揺動角度にずれが生じず、連結部材74にもねじりが生じない。従って、この場合には、制御回路80は、ねじり検出センサ76からの出力信号に基づいて連結部材74にねじりが生じていないと判断する(ステップS2:NO)。そして、制御回路80は、例えば、バックドア16に設けられたカーテシスイッチからの出力信号に基づいてバックドア16が閉じたか否か等を判断することにより終了するか否かを判断し(ステップS5)、終了しないと判断した場合(ステップS5:NO)には、上述のステップS1の処理に戻る。
一方、バックドア16の車両幅方向一方側にドア開方向に操作力が偏って作用された場合には、バックドア16の車両幅方向両側に作用する力に差が生じるため、左右一対のローラ20の移動量及び左右一対のリンク部材28の揺動角度にずれが生じ、連結部材74にもねじりが生じる。従って、この場合には、制御回路80は、ねじり検出センサ76からの出力信号に基づいて連結部材74にねじりが生じていると判断する(ステップS2:YES)。そして、制御回路80は、ねじり検出センサ76からの出力信号に基づいて連結部材74のねじりを無くすための補正量、すなわち、モータ78の回転方向及び回転量を計算する(ステップS3)。
続いて、制御回路80は、ステップS3で算出した補正量に基づいて、連結部材74のねじりが生じている側をねじりの方向と反対方向にねじることができるようにモータ78を回転させ、連結部材74のねじりが生じている側をねじりとは逆位相に変位させる(ステップS4)。これにより、連結部材74のねじりが解消され、左右一対のリンク部材28の揺動角度のずれ、ひいては、左右一対のローラ20の移動量の差も補正される。なお、このとき、制御回路80は、バックドア16の遅れている側のローラ20が進んでいる側のローラ20に追い付くようにモータ78を回転させて連結部材74のねじりを解消するようにすると操作者に抵抗感を与えることが無いので好適である。
また、制御回路80は、上述のステップS1〜ステップS4までの処理を、ドア開時だけでなくドア閉時にも行い、ステップS5の処理で例えばカーテシスイッチからの出力信号に基づいてバックドア16が閉じたことにより終了すると判断するまで繰り返し行う。
このように、本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造70では、一対のリンク部材28に揺動角度のずれが生じ、この揺動角度のずれに伴って、一対のリンク部材28の揺動端部を互いに連結する連結部材74にねじりが生じた場合には、この連結部材74のねじりがねじり検出センサ76により検出され、この連結部材74のねじりが小さくなるようにモータ78が作動し、これによって一対のリンク部材28の揺動角度のずれが補正される。従って、例えば、バックドア16の車両幅方向一方側にドア開閉方向に操作力が偏って作用される等により一対のリンク部材28に揺動角度のずれが生じた場合でも、一対のリンク部材28の揺動角度がモータ78の作動により補正される。これにより、各々のローラ20の移動を同期させることができるので、各ローラ20をスライドレール26に対して円滑に移動させることができ、バックドア16の開閉操作が良好となる。
参考例
以下、図9,図10を参照しながら、参考例に係る車両用バックドア構造90について説明する。
図9(a)には、参考例に係る車両用バックドア構造90が適用された車両12の左斜め後方から見た斜視図が示されており、図9(b)には、参考例に係る車両用バックドア構造90に設けられた同期機構92の構成を示すブロック図が示されている。また、図10には、参考例に係る車両用バックドア構造90の動作を示すフローチャートが示されている。なお、図9(a)において、矢印Rr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向後側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示すものである。
参考例に係る車両用バックドア構造90は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10に左右のローラ20の移動を同期するための同期手段としての同期機構92を追加で備えたものである。従って、参考例では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
参考例に係る車両用バックドア構造90において、同期機構92は、各ローラ20に対して設けられた(内蔵された)回転量センサ94及びモータ96と、制御回路98とを有して構成されている。
回転量センサ94は、それぞれのローラ20の回転量を検出し、この検出結果に応じた信号を制御回路98に出力するように構成されており、モータ96は、制御回路98により駆動されて、ローラ20を回転するように構成されている。
制御回路98は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えた電気回路で構成されており、車両の適宜位置に配置されている。この制御回路98は、回転量センサ94からの出力信号に基づいてモータ96を駆動する構成である。なお、この制御回路98の動作については、以下に詳述する。
次に、参考例に係る車両用バックドア構造90の動作と併せてその作用について説明する。
制御回路98は、例えば、バックドア16に設けられたカーテシスイッチからバックドア16が開いたことに応じて出力された信号を入力すると、図10のフローチャートで示されるプログラム処理を開始する。制御回路98は、図10のフローチャートで示されるプログラム処理を開始すると、先ず、左側のローラ20用の回転量センサ94からの出力信号を入力して左側のローラ20の移動位置を検出し(ステップS11)、右側のローラ20用の回転量センサ94からの出力信号を入力して右側のローラ20の移動位置を検出する(ステップS12)。そして、両回転量センサ94からの出力信号に基づいて左右のローラ20の移動量の差を計算し(ステップS13)、左右のローラ20の移動量に差が生じているか否かを判断する(ステップS14)。
このとき、例えば、バックドア16の車両幅方向中央部にドア開方向に操作力が作用された場合には、バックドア16の車両幅方向両側に均等に力が作用するため、左右のローラ20の移動量に差は生じない。従って、この場合には、制御回路98は、両回転量センサ94からの出力信号に基づいて左右のローラ20の移動量に差は生じていないと判断する(ステップS14:NO)。そして、制御回路98は、例えば、バックドア16に設けられたカーテシスイッチからの出力信号に基づいてバックドア16が閉じたか否か等を判断することにより終了するか否かを判断し(ステップS19)、終了しないと判断した場合(ステップS19:NO)には、上述のステップS11の処理に戻る。
一方、バックドア16の車両幅方向一方側にドア開方向に操作力が偏って作用された場合には、バックドア16の車両幅方向両側に作用する力に差が生じるため、一対のローラ20の移動量に差が生じる。従って、この場合には、制御回路98は、回転量センサ94からの出力信号に基づいて左右のローラ20の移動量に差が生じていると判断する(ステップS14:YES)。そして、制御回路98は、両回転量センサ94からの出力信号に基づいてローラ20の移動量の差を無くすための補正量、すなわち、遅れている側のローラ20及びこのローラ20の移動量を計算する(ステップS15)。
続いて、制御回路98は、一対のローラ20のうち進んでいる側がどちらであるかを判定し(ステップS16)、左側のローラ20が進んでいる場合には、遅れている側のローラ20、すなわち、この場合、右側のローラ20をステップS15で算出した補正量に基づいて回転させ(ステップS17)、右側のローラ20が進んでいる場合には、遅れている側のローラ20、すなわち、この場合、左側のローラ20をステップS15で算出した補正量に基づいて回転させる(ステップS18)。これにより、左右のローラ20の移動量の差が補正される。
また、制御回路98は、上述のステップS11〜ステップS18までの処理を、ドア開時だけでなくドア閉時にも行い、ステップS19の処理で例えばカーテシスイッチからの出力信号に基づいてバックドア16が閉じたことにより終了すると判断するまで繰り返し行う。
このように、参考例に係る車両用バックドア構造90では、例えば、バックドア16の車両幅方向一方側にドア開閉方向に操作力が偏って作用される等により一対のローラ20の移動量に差が生じた場合でも、この移動量の差がモータ96の作動によって補正される。これにより、各々のローラ20の移動を同期させることができるので、各ローラ20をスライドレール58に対して円滑に移動させることができ、バックドア16の開閉操作が良好となる。
なお、上記実施形態では、回転量センサ94によって検出されたローラ20の回転量に基づいてローラ20の移動位置を検出するようにしていたが、例えば、図11に示される変形例のように、ローラ20の移動位置を検出可能なポジションセンサ100をローラ20の移動方向に沿って設け、このポジションセンサ100の検出結果に基づいてローラ20の移動位置を検出するようにしても良い。
図1は本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造が適用された車両の側面図である。 図2は図1に示す車両用バックドア構造の動作説明図である。 図3は本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造を示す図である。 図4は本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造を示す図である。 図5は図4に示す車両用バックドア構造の動作説明図である。 図6は本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造を示す図である。 図7は本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造を示す図である。 図8は本発明の第五実施形態に係る車両用バックドア構造の動作を示すフローチャートである。 図9は参考例に係る車両用バックドア構造を示す図である。 図10は参考例に係る車両用バックドア構造の動作を示すフローチャートである。 図11は参考例に係る車両用バックドア構造の変形例を示す図である。
符号の説明
10,30,40,50,70,90 車両用バックドア構造
16 バックドア
20,34,60 ローラ(回動中心部)
24 ルーフ部
26,58 スライドレール(移動支持手段)
28 リンク部材
32 弦巻バネ(付勢手段)
42 ルーフレール(ルーフ設置体)
44 リンク部材(移動手段)
52 ルーフサイドレール
54 ルーフパネル
56 凹部
72,92 同期機構(同期手段)
74 連結部材
76 ねじり検出センサ(ねじり検出手段)
78 モータ(ずれ補正手段)
80 制御回路(ずれ補正手段)
94 回転量センサ(移動量検出手段)
96 モータ(移動量差補正手段)
98 制御回路(移動量差補正手段)
100 ポジションセンサ(移動量検出手段)

Claims (5)

  1. 車体の背面に設けられると共に、前記車体のルーフ部に対して上下方向に回動自在に支持されたバックドアと、
    前記ルーフ部に車両前後方向に沿って設けられ、前記バックドアの前記ルーフ部に対する回動中心部を前記ルーフ部に沿って車両前後方向に移動自在に支持する移動支持手段と、
    を備え
    前記バックドアは、その車両幅方向両側の部分にてそれぞれ前記ルーフ部に対して上下方向に回動自在に支持され、
    前記バックドアの車両幅方向両側の部分には、一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結され、前記バックドアが前記回動中心部の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記回動中心部を回動軸として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制するリンク部材がそれぞれ備えられ、
    前記バックドアの前記ルーフ部に対する一対の回動中心部うち一方の回動中心部の前記移動支持手段に対する移動と、前記一対の回動中心部のうち他方の回動中心部の前記移動支持手段に対する移動とを同期させる同期手段を備え、
    前記同期手段は、
    前記一対のリンク部材の揺動端側の部分を互いに連結する連結部材と、
    前記一対のリンク部材の揺動角度のずれに伴う前記連結部材のねじりを検出するねじり検出手段と、
    前記連結部材にねじりが生じている場合には前記ねじり検出手段の検出結果に基づいて前記一対のリンク部材の揺動角度のずれを補正するずれ補正手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用バックドア構造。
  2. 前記ルーフ部には、ルーフサイドレールとルーフパネルとの結合部に車両前後方向に沿って凹部が形成され、
    前記移動支持手段は、前記凹部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バックドア構造。
  3. 前記バックドアを開方向に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用バックドア構造。
  4. 一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結されたリンク部材を備え、
    前記リンク部材は、前記バックドアが前記回動中心部の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記回動中心部を回動軸として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用バックドア構造。
  5. 前記ルーフ部には、ルーフ設置体が備えられ、
    前記バックドアの開閉時に前記バックドアの回動に連動して作動し、前記バックドアが前記ルーフ設置体に干渉しないように前記ルーフ設置体を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用バックドア構造。
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