JP2007245747A - 車両用開閉体構造 - Google Patents

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恒司 服部
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Abstract

【課題】バックドアの開閉を円滑に行えるようにする。
【解決手段】車両用バックドア構造10では、バックドア16に対して開閉方向に操作力が加えられたときに、一対のローラ20L,20Rに対してその作動方向(車両前後方向)に作用する力がダンパ装置30によって均衡化される。従って、一対のローラ20L,20Rの車両前後方向への移動量にずれが生じることを抑制できる。これにより、ローラ20L,20Rの車両前後方向への移動量のずれに伴ってバックドア16に抵抗力が作用することを抑制できるので、バックドア16の開閉を円滑に行うことが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用開閉体構造に係り、特に車体に設けられた開口を開閉する開閉体を備えた車両用開閉体構造に関する。
この種の車両用開閉体構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、車体用ゲート構造の例が開示されている。この特許文献1に記載の例では、車体の後部開口の近傍にテールゲートを案内するスライドレールが設けられており、このスライドレールには、テールゲートを上下移動させる上下部と前後移動させる水平部及びこれらの間をつなぐ湾曲部が連続一体に形成されている。また、テールゲートには、スライドレール内を転動するローラが備えられている。そして、このローラをスライドレールに沿って転動させることでテールゲートの車両後方及び車両上方への突出量を抑えつつテールゲートを開閉することが可能となっている。
特開2005−132171号公報(図1、図2) 特開平8−247194号公報 特開昭63−251319号公報
しかしながら、特許文献1に記載の例において、テールゲートを開閉するためのスライドレール及びローラが車両幅方向両側に左右一対設けられた場合、この左右のローラのスライドレールに対する移動量にずれが生じたときには、この左右のローラの移動量のずれに伴ってテールゲートに抵抗力が作用する虞がある。
また、特許文献1に記載の例において、テールゲートを全開とするためには、テールゲートを、全閉位置から一旦車両後方に引き、車両上方への移動を伴って車両前方へ移動させ、その後、全開位置まで車両前方へ水平に移動させる必要がある。また、テールゲートを全閉とするためには、テールゲートを、全開位置から車両後方へ水平に移動させ、車両下方への移動を伴って車両後方へ移動させ、その後、全閉位置まで車両前方に押す必要がある。従って、バックドアの上端部が車体のルーフ部に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式のバックドア構造に比べ、バックドアの開閉操作が複雑である。
従って、この種の車両用開閉体構造において、開閉体の開閉操作が容易で、しかも、開閉体の開閉を円滑に行えるようにするためには改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、開閉体の開閉操作が容易で、しかも、開閉体の開閉を円滑に行うことが可能な車両用開閉体構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用開閉体構造は、車体に設けられた開口を開閉する開閉体と、前記開閉体を車体に対して開閉自在に支持する一対の開閉支持手段と、前記開閉体に対して開方向又は閉方向に操作力が加えられたときに、前記一対の開閉支持手段に対してその作動方向に作用する力を均衡化する作動力均衡化手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の車両用開閉体構造では、車体に設けられた開口を開閉する開閉体が、車体に対して一対の開閉支持手段により開閉自在に支持されており、この開閉体に対して開方向又は閉方向に操作力が加えられたときに、一対の開閉支持手段に対してその作動方向に作用する力が作動力均衡化手段によって均衡化される。
このように、請求項1に記載の車両用開閉体構造では、開閉体に対して開方向又は閉方向に操作力が加えられたときに、一対の開閉支持手段に対してその作動方向に作用する力が均衡化されるので、一対の開閉支持手段の作動量にずれが生じることを抑制できる。これにより、一対の開閉支持手段の作動を同期させることができ、一対の開閉支持手段の作動量のずれに伴って開閉体に抵抗力が作用することを抑制できるので、開閉体の開閉を円滑に行うことが可能となる。
請求項2に記載の車両用開閉体構造は、請求項1に記載の車両用開閉体構造において、前記作動力均衡化手段は、前記一対の開閉支持手段のうち一方の開閉支持手段の前記開閉体の開閉に伴う動作に連動して進退動する第一ピストンと、前記第一ピストンを摺動自在に収容すると共に前記第一ピストンの進退動に伴って伸縮される流体封入室を備えた第一シリンダと、を有して構成された第一ダンパと、前記一対の開閉支持手段のうち他方の開閉支持手段の前記開閉体の開閉に伴う動作に連動して進退動する第二ピストンと、前記第二ピストンを摺動自在に収容すると共に前記第二ピストンの進退動に伴って前記第一シリンダの流体封入室と逆位相に伸縮される流体封入室を備えた第二シリンダと、を有して構成された第二ダンパと、前記第一シリンダの流体封入室と前記第二シリンダの流体封入室とを流体移動可能に連結する連結流路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の車両用開閉体構造では、開閉体が開閉されると、一対の開閉支持手段の開閉体の開閉に伴う動作に連動して第一ピストン及び第二ピストンが進退動する。また、第一ピストン及び第二ピストンが進退動すると、第一シリンダの流体封入室と第二シリンダの流体封入室との間で連結流路を介した封入流体の移動を伴って、第一シリンダの流体封入室が伸縮され、第二シリンダの流体封入室が第一シリンダの流体封入室と逆位相に伸縮される(つまり、第一シリンダの流体封入室が伸張するときには第二シリンダの流体封入室が縮小し、第一シリンダの流体封入室が縮小するときには第二シリンダの流体封入室が伸張する)。そして、この第一シリンダの流体封入室と第二シリンダの流体封入室との間の封入流体の移動に伴って、第一ピストン及び第二ピストンに作用する力が配分され、一対の開閉支持手段に対してその作動方向に作用する力が均衡化される。これにより、一対の開閉支持手段の作動量にずれが生じることを抑制することが可能となる。
請求項3に記載の車両用開閉体構造は、請求項2に記載の車両用開閉体構造において、前記連結流路の中間部には、第一シリンダの流体封入室及び前記第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側に封入流体を送液可能なポンプ手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の車両用開閉体構造では、連結流路の中間部に、ポンプ手段が設けられており、このポンプ手段が作動すると、第一シリンダの流体封入室及び第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側に封入流体が送液され、これに伴って、第一シリンダの流体封入室が伸縮されると共に、第二シリンダの流体封入室が第一シリンダの流体封入室と逆位相に伸縮される。また、このようにして第一シリンダ及び第二シリンダの流体封入室が伸縮されることで、第一ピストン及び第二ピストンが進退動して一対の開閉支持手段が作動し、これにより開閉体が開閉する。このように、請求項3に記載の車両用開閉体構造によれば、ポンプ手段の作動により開閉体を開閉することができる。
請求項4に記載の車両用開閉体構造は、請求項3に記載の車両用開閉体構造において、前記連結流路には、前記ポンプ手段と並列して並列流路が設けられ、前記並列流路には、前記並列流路を開閉可能なバルブ手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の車両用開閉体構造では、バルブ手段が並列流路を閉じた状態とされると、連結流路がポンプ手段側の流路を介して第一シリンダの流体封入室と前記第二シリンダの流体封入室とを連結する状態となる。従って、この状態にあるときに、ポンプ手段を作動させれば、封入流体が並列流路に流れ込むこと無く、第一シリンダの流体封入室及び第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側に封入流体が送液され、これにより、開閉体が開閉される。一方、バルブ手段が並列流路を開いた状態とされると、連結流路が並列流路を介して第一シリンダの流体封入室と第二シリンダの流体封入室とを連結する状態となる。従って、この状態にあるときには、第一シリンダの流体封入室及び第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側に並列流路を介して封入流体を送液できるので、開閉体を手動で開閉操作することが可能となる。このように、請求項4に記載の車両用開閉体構造によれば、バルブ手段の開閉に応じて、開閉体のポンプ手段による開閉操作と手動による開閉操作とを切り替えることが可能となる。
請求項5に記載の車両用開閉体構造は、請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用開閉体構造において、前記連結流路には、流量を調節可能な流量調節手段が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の車両用開閉体構造では、連結流路に、流量調節手段が設けられており、この流量調節手段により連結流路の流量を調節することができる。これにより、第一シリンダの流体封入室及び第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側への封入流体の移動速度を可変できるので、開閉体の開閉速度を調節することができ、操作者に対し良好な開閉操作感を提供することが可能となる。
請求項6に記載の車両用開閉体構造は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用開閉体構造において、前記開閉体は、車体の背面に設けられると共に前記ルーフ部に対して前記一対の開閉支持手段を回動中心部として上下方向に回動自在に支持されたバックドアで構成され、前記ルーフ部に車両前後方向に沿って設けられると共に前記一対の開閉支持手段を前記ルーフ部に沿って車両前後方向に移動自在に支持する移動支持手段を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の車両用バックドア構造では、上記構成により、例えば、次のようにしてバックドアを開閉することができる。すなわち、バックドアを開くときには、車体の背面で全閉状態にあるバックドアを、ルーフ部に対して上下方向上側に回動させながら、このバックドアのルーフ部に対する回動中心部である一対の開閉支持手段を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させる。そして、このようにしてバックドアをルーフ部に対して上下方向上側に回動させながら一対の開閉支持手段を車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることにより、バックドア全体を車体のルーフ部の上側に位置させ、バックドアがルーフ部の上側において略水平となる位置で全開状態とする。
一方、バックドアを閉じるときには、ルーフ部の上側で全開状態にあるバックドアを、ルーフ部に対して上下方向下側に回動させながら、車両前後方向前側に移動しているバックドアのルーフ部に対する回動中心部である一対の開閉支持手段を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向後側に移動させる。そして、このようにしてバックドアをルーフ部に対して上下方向下側に回動させながら一対の開閉支持手段を車体のルーフ部に沿って車両前後方向後側に移動させることにより、バックドアを車体背面に移動させて全閉状態とする。
このように、請求項6に記載の車両用バックドア構造では、バックドアのルーフ部に対する回動中心部である一対の開閉支持手段を、車体のルーフ部に車両前後方向に沿って設けられた移動支持手段により、車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることができる。従って、バックドアが開閉するときには、バックドアの回動中心部である一対の開閉支持手段が車両前後方向前側に移動することで、バックドア全体を車両前後方向前側に移動させることができる。これにより、バックドアの開閉途中における車両後方への突出量を抑制することが可能となる。
さらに、請求項6に記載の車両用バックドア構造では、バックドアをルーフ部に対して上下方向上側に回動させながら、このバックドアのルーフ部に対する回動中心部である一対の開閉支持手段を移動支持手段により車体のルーフ部に沿って車両前後方向前側に移動させることで、上述の如く、バックドアをルーフ部の上側において略水平となる位置で全開状態とすることができる。これにより、バックドアの全開時における車両上方への突出量も抑制することが可能となる。
請求項7に記載の車両用開閉体構造は、請求項6に記載の車両用開閉体構造において、一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結されたリンク部材を備え、前記リンク部材は、前記バックドアが前記一対の開閉支持手段の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記一対の開閉支持手段を回動中心部として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制することを特徴とする。
請求項7に記載の車両用バックドア構造では、開閉体としてのバックドアが開閉する際に、バックドアの回動軌跡がリンク部材によって規制される。つまり、リンク部材の規制により、バックドアは、ルーフ部に対する回動中心部である一対の開閉支持手段のルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら一対の開閉支持手段を回動中心部として回動する。従って、リンク部材の規制により一定の回動軌跡でバックドアの開閉操作を行うことができる。しかも、バックドアを開閉させるためには、一対の開閉支持手段を回動中心部としてバックドアに対して開閉方向に操作力を与えるだけで良いので、バックドアの上端部が車体のルーフ部に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造と同様な操作性を得ることできる。従って、バックドアの開閉操作も容易であり、バックドアの開閉操作の際に操作者へ違和感を与えることも無い。
以上詳述したように、本発明によれば、開閉体の開閉操作が容易で、しかも、開閉体の開閉を円滑に行うことが可能となる。
[第一実施形態]
以下、図1乃至図5を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10について説明する。
図1乃至図3には、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の構成が示されており、図4,図5には、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の動作説明図が示されている。なお、これらの図において、矢印Rr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向後側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示すものである。
図1,図2に示されるように、車両12の車体後部には、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10が用いられている。この車両用バックドア構造10において、車体の背面には、ドア開口14が設けられており、このドア開口14は、開閉体としてのバックドア16により開閉される。つまり、このバックドア16の上部の車両幅方向両側の部分には、ステー18L,18Rがそれぞれ突設されており、この各ステー18L,18Rの突出端部には、開閉支持手段としてのローラ20L,20Rが回転自在に設けられている。
車体後部のルーフ部24の車両幅方向両側の部分には、車両前後方向に沿って移動支持手段としてのスライドレール26L,26Rがそれぞれ設けられており、この各スライドレール26L,26Rには、ローラ20L,20Rがルーフ部24に沿って車両前後方向に転動自在に支持されている。ドア開口14の車両幅方向両側の側縁部には、その上下方向中央部にリンク部材28L,28Rの一端側がそれぞれ回動自在に連結されており、このリンク部材28L,28Rの他端側は、バックドア16の開放端側の部分にそれぞれ回動自在に連結されている。
また、図1乃至図3に示されるように、車両12のルーフ部24には、作動力均衡化手段としてのダンパ装置30が設けられている。このダンパ装置30には、スライドレール26L,26Rよりも車両前後方向前側の部分にダンパ32L,32Rがそれぞれ設けられており、このダンパ32L,32Rには、各スライドレール26L,26Rの形成方向(つまり車両前後方向)の延長線上にシリンダ34L,34Rが設けられている。
このシリンダ34L,34Rは、各スライドレール26L,26Rの形成方向と平行な方向に沿って延設されており、その内部にピストン38L,38Rをそれぞれ摺動自在に収容している。各ピストン38L,38Rは、各スライドレール26L,26Rに転動自在に支持されたローラ20L,20Rにロッド36L,36Rを介して接続されており、各ローラ20L,20Rの車両前後方向への転動に連動してシリンダ34L,34R内を車両前後方向に沿って進退動する構成である。
左側のダンパ32Lのシリンダ34Lでは、ピストン38Lよりも車両前後方向前側がピストン38Lにより伸縮されると共に流体の封入された流体封入室40Lとされており、右側のダンパ32Rのシリンダ34Rでは、ピストン38Rよりも車両前後方向後側がピストン38Rにより伸縮されると共に流体の封入された流体封入室40Rとされている。この左右の流体封入室40L,40Rは、連結流路としての連結チューブ42により流体移動可能に連結されている。
次に、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の作用について説明する。
本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、上記構成により、例えば、次のようにしてバックドア16を開閉することができる。すなわち、バックドア16を開くときには、図4(a)に示される如く車体の背面で全閉状態にあるバックドア16を、ローラ20L(20R)を回動中心部として、図4(b)に示される如く下側から持ち上げるようにして上下方向上側に回動させる。なお、このとき、バックドア16は、その開放側端部がリンク部材28L(28R)の車体側連結軸を中心として軌跡線Lに沿って円弧運動するように、その回動軌跡がリンク部材28L(28R)によって規制される。
そして、このようにしてバックドア16を開方向に回動させると、バックドア16に作用する操作力の分力がローラ20L(20R)に対して車両前後方向前側に作用する。これにより、ローラ20L(20R)は、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26L(26R)により、図4(b)に示される如くルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動する。そして、このようにしてバックドア16をルーフ部24に対して上下方向上側に回動させながらローラ20L(20R)をルーフ部24の車両前後方向前側に移動させることにより、図4(c)に示されるように、バックドア16全体がルーフ部24の上側に位置し、バックドア16がルーフ部24の上側において略水平となる位置で全開状態となる。
一方、バックドア16を閉めるときには、図4(c)に示されるように、ルーフ部24の上側で全開状態にあるバックドア16を、ローラ20L(20R)を回動中心部として、図4(b)に示される如く上側から引き下げるようにして上下方向下側に回動させる。なお、このときも、バックドア16は、その開放側端部がリンク部材28L(28R)の車体側連結軸を中心として軌跡線Lに沿って円弧運動するように、その回動軌跡がリンク部材28L(28R)によって規制される。
そして、このようにしてバックドア16を閉方向に回動させると、バックドア16に作用する操作力の分力がローラ20L(20R)に対して車両前後方向後側に作用する。これにより、ローラ20L(20R)は、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26L(26R)により、図4(b)に示される如くルーフ部24に沿って車両前後方向後側に移動する。そして、このようにしてバックドア16をルーフ部24に対して上下方向下側に回動させながらローラ20L(20R)をルーフ部24の車両前後方向後側に移動させることにより、図4(a)に示されるように、バックドア16が車体背面に移動し、ドア開口14を閉じる全閉状態となる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、上述のようにしてバックドア16が開閉される際にダンパ装置30が次のように作動する。すなわち、図5(a)に示されるようにバックドア16が全閉位置にある状態から、図5(b)に示されるように、バックドア16の開方向への回動に伴ってローラ20L,20Rが車両前後方向前側に移動すると、このローラ20L,20Rにロッド36L,36Rを介して接続されたピストン38L,38Rがローラ20L,20Rの移動に連動して車両前後方向前側に移動する。
また、このようにしてピストン38L,38Rが車両前後方向前側に移動すると、シリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへの連結チューブ42を介した封入流体の移動を伴って、シリンダ34Lの流体封入室40Lが縮小され、シリンダ34Rの流体封入室40Rが伸張される。そして、このシリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへの封入流体の移動に伴って、ピストン38L,38Rに作用する力が配分され、これにより、一対のローラ20L,20Rに対してその作動方向(この場合、車両前後方向前側)に作用する力が均衡化される。
一方、図5(c)に示されるようにバックドア16が全開位置にある状態から、図5(b)に示されるように、バックドア16の閉方向への回動に伴ってローラ20L,20Rが車両前後方向後側に移動すると、このローラ20L,20Rにロッド36L,36Rを介して接続されたピストン38L,38Rがローラ20L,20Rの移動に連動して車両前後方向後側に移動する。
また、このようにしてピストン38L,38Rが車両前後方向後側に移動すると、シリンダ34Rの流体封入室40Rからシリンダ34Lの流体封入室40Lへの連結チューブ42を介した封入流体の移動を伴って、シリンダ34Rの流体封入室40Rが縮小され、シリンダ34Lの流体封入室40Lが伸張される。そして、このシリンダ34Rの流体封入室40Rからシリンダ34Lの流体封入室40Lへの封入流体の移動に伴って、ピストン38L,38Rに作用する力が配分され、これにより、一対のローラ20L,20Rに対してその作動方向(この場合、車両前後方向後側)に作用する力が均衡化される。
このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、バックドア16に対して開閉方向に操作力が加えられたときに、一対のローラ20L,20Rに対してその作動方向(車両前後方向)に作用する力が均衡化されるので、一対のローラ20L,20Rの移動を同期させることができ、一対のローラ20L,20Rの車両前後方向への移動量にずれが生じることを抑制できる。これにより、ローラ20L,20Rの車両前後方向への移動量のずれに伴ってバックドア16に抵抗力が作用することを抑制できるので、バックドア16の開閉を円滑に行うことが可能となる。
つまり、例えば、バックドア16の開操作時に、バックドア16の車両幅方向左側の部分に偏って操作力が入力され、このバックドア16の車両幅方向左側の部分が開方向に強く引き上げられた場合でも、ローラ20Lの車両前後方向前側への移動に伴ってピストン38Lがシリンダ34Lの流体封入室40Lを縮小し、これにより、シリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへ封入流体が移動してピストン38Rが車両前後方向前側に引っ張られてローラ20Rがローラ20Lと同期するように車両前後方向前側に移動する。このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10によれば、左右のローラ20L,20Rの移動を同期させることができるので、バックドア16の開閉を円滑に行うことが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、一対のダンパ32L,32Rとこれらを連結する連結チューブ42を備えた簡易な構成で、左右のローラ20L,20Rの移動を同期させることができるので、例えば、センサで左右のローラ20L,20Rの移動量を検出しながらモータ等を用いてローラ20L,20Rの同期を図る構成に比してコストを低く抑えることができる。また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、左右のローラ20L,20Rの移動を同期させるのに電気的な制御を伴わないので、バッテリの充電が無い状況でも、左右のローラ20L,20Rの移動を同期させながらバックドア16の開閉を行うことができる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、バックドア16のルーフ部24に対する回動中心部であるローラ20L,20Rを、ルーフ部24に車両前後方向に沿って設けられたスライドレール26L,26Rにより、ルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動させることができる。従って、バックドア16が開閉するときには、ローラ20L,20Rが車両前後方向前側に移動することで、バックドア16全体を車両前後方向前側に移動させることができる。これにより、図4(b)に示されるように、バックドア16の開閉途中における車両後方への突出量を抑制することが可能となる。
つまり、図4(b)の想像線(二点鎖線)で示される如く、バックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造では、回動途中にあるバックドア102の車両後方への最大突出量はα2である。これに対し、図4(b)の実線で示される如く、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、回動途中にあるバックドア16の車両後方への最大突出量はα2よりも小さいα1である。このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10によれば、バックドア16の車両後方への突出量を抑制することが可能となる。これにより、車両後部の後側のスペースが狭い場合でも、バックドア16を開閉することが可能となる。
さらに、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、バックドア16を回動自在に支持するローラ20L,20Rをスライドレール26L,26Rによりルーフ部24に沿って車両前後方向前側に移動させることで、図4(c)に示される如く、バックドア16をルーフ部24の上側にて略水平となる位置で全開状態とすることができる。これにより、バックドア16の全開時における車両上方への突出量も抑制することが可能となる。
つまり、図4(c)の想像線で示される如く、バックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造では、全開位置にあるバックドア102の車両上方への最大突出量はβ2である。これに対し、図4(c)の実線で示される如く、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、全開位置にあるバックドア16の車両上方への最大突出量はβ2よりも小さいβ1である。このように、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10によれば、バックドア16の車両上方への突出量を抑制することが可能となる。これにより、操作者が例えば小柄な女性等でも、バックドア16に手が届きやすく、バックドア16の開閉を容易に行うことが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10では、上述のように、バックドア16が開閉する際に、バックドア16の回動軌跡がリンク部材28L,28Rによって規制される。つまり、リンク部材28L,28Rの規制により、バックドア16は、ローラ20L,20Rのルーフ部24に沿った車両前後方向への移動を伴いながらローラ20L,20Rを回動中心部として回動する。従って、リンク部材28L,28Rの規制により一定の回動軌跡でバックドア16の開閉操作を行うことができる。しかも、バックドア16を開閉させるためには、図4(a)〜(c)に示されるように、ローラ20L(20R)を回動中心部としてバックドア16に対して開閉方向に操作力を与えるだけで良い。つまり、図4(b),(c)の想像線で示される如くバックドア102の上端部がルーフ部24に回動自在に固定された従来の跳ね上げ式の車両用バックドア構造と同様な操作性を得ることできる。従って、バックドア16の開閉操作も容易であり、バックドア16の開閉操作の際に操作者へ違和感を与えることも無い。
[第二実施形態]
以下、図6を参照しながら、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50について説明する。
図6には、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50が適用された車両12の平面図が示されている。
本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の連結チューブ42の中間部にポンプ手段としての電動ポンプ52を追加で設けたものである。従って、本発明の第二実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
図6に示される本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50において、電動ポンプ52は、例えば、正逆回転可能な遠心ポンプ等で構成されており、例えば、正回転したときにはシリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへ封入流体を送液し、逆回転したときにはシリンダ34Rの流体封入室40Rからシリンダ34Lの流体封入室40Lへ封入流体を送液可能に構成されている。
次に、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50の作用について説明する。
本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50では、電動ポンプ52が正回転すると、シリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへ封入流体が送液され、これに伴って、シリンダ34Lの流体封入室40Lが縮小されると共に、シリンダ34Rの流体封入室40Rが伸張される。また、このようにしてシリンダ34Lの流体封入室40Lが縮小されると共に、シリンダ34Rの流体封入室40Rが伸張されることで、ピストン38Lが車両前後方向前側に引っ張られ、ピストン38Rが車両前後方向前側に押され、この各ピストン38L,38Rの車両前後方向前側への移動に伴って一対のローラ20L,20Rが車両前後方向前側へ移動し、これによりバックドア16が開方向に回動する。
一方、電動ポンプ52が逆回転すると、シリンダ34Rの流体封入室40Rからシリンダ34Lの流体封入室40Lへ封入流体が送液され、これに伴って、シリンダ34Rの流体封入室40Rが縮小されると共に、シリンダ34Lの流体封入室40Lが伸張される。また、このようにしてシリンダ34Rの流体封入室40Rが縮小されると共に、シリンダ34Lの流体封入室40Lが伸張されることで、ピストン38Lが車両前後方向後側に押され、ピストン38Rが車両前後方向後側に引っ張られ、この各ピストン38L,38Rの車両前後方向後側への移動に伴って一対のローラ20L,20Rが車両前後方向後側へ移動し、これによりバックドア16が閉方向に回動する。
このように、本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50によれば、電動ポンプ52の作動によりバックドア16を電動で開閉することができる。また、本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10に対して、連結チューブ42の中間部に電動ポンプ52を追加しただけの簡単な構成であるので、バックドア16の電動開閉がオプション設定である場合でも、バックドア16の手動開閉から電動開閉への変更が少なくて済む。
[第三実施形態]
以下、図7を参照しながら、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60について説明する。
図7には、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60が適用された車両12の平面図が示されている。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60は、上述の本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造50の連結チューブ42に並列流路としてのバイパスチューブ62を追加で備えたものである。従って、本発明の第三実施形態では、上述の第二実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60において、バイパスチューブ62は、連結チューブ42に電動ポンプ52と並列して設けられている。また、このバイパスチューブ62は、その中間部にバルブ手段としてのバイパスバルブ64を備えており、このバイパスバルブ64の開閉によりシリンダ34Lの流体封入室40Lとシリンダ34Rの流体封入室40Rとの間の流路の連通及び遮断を行えるようになっている。
次に、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60の作用について説明する。
本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60では、例えば、バックドア16が閉じた状態にあるときにはバイパスバルブ64が閉じた状態とされる。この状態では、連結チューブ42が電動ポンプ52側の流路を介してシリンダ34Lの流体封入室40Lとシリンダ34Rの流体封入室40Rとを連結する状態となる。
そして、この状態にあるときに、例えば、車室内やバックドア16等に設けられた電動開閉スイッチのドア開スイッチを操作すると、電動ポンプ52が正回転されて、封入流体がバイパスチューブ62に流れ込むこと無く、シリンダ34Lの流体封入室40Lからシリンダ34Rの流体封入室40Rへ送液され、これにより、バックドア16が開方向に電動で回動される。
また、このようにしてバックドア16が全開状態となったときにも、バイパスバルブ64が閉じた状態に維持され、このときに、例えば、車室内等に設けられた電動開閉スイッチのドア閉スイッチを操作すると、電動ポンプ52が逆回転されて、封入流体がバイパスチューブ62に流れ込むこと無く、シリンダ34Rの流体封入室40Rからシリンダ34Lの流体封入室40Lへ送液され、これにより、バックドア16が閉方向に電動で回動される。
一方、バックドア16が全閉状態にあるとき、若しくは、上述の如く、バックドア16が電動で開閉されているときに、例えば、バックドア16に設けられたアウトサイドハンドルを開操作すると、この開操作をトリガにしてバイパスバルブ64が開いた状態とされる。これにより、連結チューブ42がバイパスチューブ62を介してシリンダ34Lの流体封入室40Lとシリンダ34Rの流体封入室40Rとを連結する状態となる。
従って、この状態にあるときには、シリンダ34Lの流体封入室40L及びシリンダ34Rの流体封入室40Rの一方側から他方側にバイパスチューブ62を介して封入流体を送液できるので、バックドア16を手動で開閉操作することが可能となる。このように、本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造60によれば、バイパスバルブ64の開閉に応じて、バックドア16の電動による開閉操作と手動による開閉操作とを切り替えることが可能である。
[第四実施形態]
以下、図8乃至図10を参照しながら、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70について説明する。
図8には、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70が適用された車両12の平面図、図9には、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造に設けられたオリフィス弁72の動作説明図、図10には、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70が適用された車両12の側面図が示されている。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造10の連結チューブ42の中間部に流量調節手段としてのオリフィス弁72を追加で設けたものである。従って、本発明の第四実施形態では、上述の第一実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70において、オリフィス弁72は、図9に示されるように、連結チューブ42の内部に一対の円板体74を備えた構成とされている。この円板体74は、板厚方向に重ね合わされており、その中央部よりも偏芯した位置に孔部76が貫通された構成とされている。また、この円板体74は、図示しない回転駆動機構によりそれぞれ電動で回転され、図9(a)に示されるように互いの孔部76が一致したときには全開状態とされ、図9(b)に示されるように互いの孔部76が半分重なったときには半開状態とされ、図9(c)に示されるように互いの孔部76がずれて閉塞されたときには全閉状態とされる。そして、このようにしてオリフィス弁72の開度が変更されることにより、連結チューブ42を通過する流体の流量が調節されるようになっている。
次に、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70の作用について説明する。
本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70では、バックドア16の開閉位置に応じてオリフィス弁72が例えば以下に説明する如く開閉される。つまり、例えば、図10に示されるように、バックドア16が全開位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(c)に示されるように互いの円板体74の孔部76がずれて閉塞された全閉状態とされる。これにより、バックドア16が全開位置に保持され、バックドア16の落下が防止される。
また、例えば、図10に示されるように、バックドア16を閉方向に回動させているときに、バックドア16が全開位置から1/3閉じた中間位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(a)に示されるように互いの円板体74の孔部76が一致した全開状態とされる。これにより、連結チューブ42を流れる流体に対する抵抗が少なくなるので、バックドア16を軽い操作力で素早く閉方向に操作することが可能となる。
さらに、例えば、図10に示されるように、バックドア16を閉方向に回動させているときに、バックドア16が全開位置から2/3閉じた中間位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(b)に示されるように互いの円板体74の孔部76が半分重なった半開状態とされる。これにより、連結チューブ42を流れる流体に対して抵抗が作用するので、連結チューブ42がダンバの役割を果たし、バックドア16をゆっくり閉めることが可能となる。
そして、例えば、図10に示されるように、バックドア16が全閉位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(c)に示されるように互いの円板体74の孔部76がずれて閉塞された全閉状態とされる。これにより、バックドア16が全閉位置にドアロックされる。
一方、例えば、図10に示されるように、バックドア16を開方向に回動させているときに、バックドア16が全閉位置から1/3開いた中間位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(a)に示されるように互いの円板体74の孔部76が一致した全開状態とされる。これにより、連結チューブ42を流れる流体に対する抵抗が少なくなるので、バックドア16を軽い操作力で素早く開方向に操作することが可能となる。
また、例えば、図10に示されるように、バックドア16を開方向に回動させているときに、バックドア16が全閉位置から2/3開いた中間位置にあるときには、オリフィス弁72は、図9(b)に示されるように互いの円板体74の孔部76が半分重なった半開状態とされる。これにより、連結チューブ42を流れる流体に対して抵抗が作用するので、連結チューブ42がダンバの役割を果たし、バックドア16をゆっくり開けることが可能となる。
このように、本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造70では、連結チューブ42に設けられたオリフィス弁72により連結チューブ42の流量を調節することができる。これにより、シリンダ34Lの流体封入室40L及びシリンダ34Rの流体封入室40Rの一方側から他方側への封入流体の移動速度を可変できるので、バックドア16の開閉速度を調節することができ、操作者に対し良好な開閉操作感を提供することが可能となる。
なお、上記実施形態では、オリフィス弁72に設けられた一対の円板体74が回転駆動機構により電動で回転されてオリフィス弁72の開度の調節が電動で行われるように説明したが、オリフィス弁72に設けられた一対の円板体74の回転を例えばレバー操作等によって手動操作可能に構成し、オリフィス弁72の開度の調節を手動で行えるようにしても良い。あるいは、リンク機構等によりドア開度に連動してオリフィス弁72の開度を調節するようにしても良い。
図1は本発明の第一実施形態に係る車両用開閉体構造が適用された車両の左斜め後方から見た斜視図である。 図2は本発明の第一実施形態に係る車両用開閉体構造が適用された車両の側面図である。 図3は本発明の第一実施形態に係る車両用開閉体構造が適用された車両の平面図である。 図4は本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造の動作説明図である。 図5は本発明の第一実施形態に係る車両用バックドア構造の動作説明図である。 図6は本発明の第二実施形態に係る車両用バックドア構造が適用された車両の平面図である。 図7は本発明の第三実施形態に係る車両用バックドア構造が適用された車両の平面図である。 図8は本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造が適用された車両の平面図である。 図9は本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造に設けられたオリフィス弁の動作説明図である。 図10は本発明の第四実施形態に係る車両用バックドア構造が適用された車両の側面図である。
符号の説明
10,50,60,70 車両用バックドア構造(車両用開閉体構造)
16 バックドア(開閉体)
20L,20R ローラ(開閉支持手段)
24 ルーフ部
26L,26R スライドレール(移動支持手段)
28L,28R リンク部材
30 ダンパ装置(作動力均衡化手段)
32L,32R ダンパ(第一、第二ダンパ)
34L,34R シリンダ(第一、第二シリンダ)
38L,38R ピストン(第一、第二ピストン)
40L,40R 流体封入室
42 連結チューブ(連結流路)
52 電動ポンプ(ポンプ手段)
62 バイパスチューブ(並列流路)
64 バイパスバルブ(バルブ手段)
72 オリフィス弁(流量調節手段)

Claims (7)

  1. 車体に設けられた開口を開閉する開閉体と、
    前記開閉体を車体に対して開閉自在に支持する一対の開閉支持手段と、
    前記開閉体に対して開方向又は閉方向に操作力が加えられたときに、前記一対の開閉支持手段に対してその作動方向に作用する力を均衡化する作動力均衡化手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用開閉体構造。
  2. 前記作動力均衡化手段は、
    前記一対の開閉支持手段のうち一方の開閉支持手段の前記開閉体の開閉に伴う動作に連動して進退動する第一ピストンと、前記第一ピストンを摺動自在に収容すると共に前記第一ピストンの進退動に伴って伸縮される流体封入室を備えた第一シリンダと、を有して構成された第一ダンパと、
    前記一対の開閉支持手段のうち他方の開閉支持手段の前記開閉体の開閉に伴う動作に連動して進退動する第二ピストンと、前記第二ピストンを摺動自在に収容すると共に前記第二ピストンの進退動に伴って前記第一シリンダの流体封入室と逆位相に伸縮される流体封入室を備えた第二シリンダと、を有して構成された第二ダンパと、
    前記第一シリンダの流体封入室と前記第二シリンダの流体封入室とを流体移動可能に連結する連結流路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体構造。
  3. 前記連結流路の中間部には、前記第一シリンダの流体封入室及び前記第二シリンダの流体封入室の一方側から他方側に封入流体を送液可能なポンプ手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用開閉体構造。
  4. 前記連結流路には、前記ポンプ手段と並列して並列流路が設けられ、
    前記並列流路には、前記並列流路を開閉可能なバルブ手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用開閉体構造。
  5. 前記連結流路には、流量を調節可能な流量調節手段が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用開閉体構造。
  6. 前記開閉体は、車体の背面に設けられると共に前記ルーフ部に対して前記一対の開閉支持手段を回動中心部として上下方向に回動自在に支持されたバックドアで構成され、
    前記ルーフ部に車両前後方向に沿って設けられると共に前記一対の開閉支持手段を前記ルーフ部に沿って車両前後方向に移動自在に支持する移動支持手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用開閉体構造。
  7. 一端側が前記車体に回動自在に連結され、他端側が前記バックドアに回動自在に連結されたリンク部材を備え、
    前記リンク部材は、前記バックドアが前記一対の開閉支持手段の前記ルーフ部に沿った車両前後方向への移動を伴いながら前記一対の開閉支持手段を回動中心部として回動するように、前記バックドアの回動軌跡を規制することを特徴とする請求項6に記載の車両用開閉体構造。
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