JP4720289B2 - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフト下方にバランサが配置された振動低減装置の改良に関する。
例えば特許文献1に記載されているように、直列多気筒内燃機関では、内燃機関のクランクシャフトを含む主運動系の回転二次振動成分を低減・相殺するために、クランクシャフト下方のクランクケースやオイルパンの内部にバランサが収容・配置されている。
特開2003−201912号公報
クランクケース内部では、クランクシャフトの回転による風圧、圧力変動等によりオイルパン内に貯留された機関油(潤滑油・作動油)の油面が撹拌されてクランクシャフトと干渉すること等によってクランクシャフトの回転抵抗や回転変動を増大させて、機関出力低下や油中にエアレーションの発生を招くおそれがある。この対策としてクランクシャフトと油面間の高さ方向の距離を十分に大きく確保すると、内燃機関の大型化や油量の低下等を招くおそれがある。
シリンダブロック下面にカセット式のバランサを搭載した内燃機関では、バランサがクランクシャフトと油面との間に介在することとなり、その分、上述したような油面の撹拌等を抑制することができる。しかしながら、従来の一般的なバランサは、オイルパンの開口面積(オイルパン深底部の機関水平方向の面積)に対して小さく、上記問題を十分に解決できるものではない。特に、バランサの回転起振力の中心が内燃機関の主運動系の回転起振力の中心に対して機関前寄りにオフセットしている、いわゆるフロントオフセット式のバランサでは、バランサの機関前後方向寸法が比較的短く、かつ、バランサが機関前寄りに非常に偏った配置となるために、オイルパン深底部に対するバランサの面積がかなり小さいものとなる。オイルパン深底部の上方をほぼ完全に塞ぐためには、別体のバッフルプレートを追加し、これをオイルパンやクランクケースあるいは上記特許文献1のようにバランサ等に固定することが考えられるが、部品点数の増加、製造工数の増加やコストの増加等を招くおそれがある。また、オイルパンの浅底部を拡大して深底部を相対的に小さくすることも考えられるが、この場合、油量の低下や油面高さ(深さ)に制約を生じ、例えば油面深さの増加により機関全高の増加を招くおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、クランクシャフトの下方に配置されるバランサを利用して、別体のバッフルプレートを敢えて必要とすることのない簡素な構造でありながら油面の撹拌等を有効に防止できる新規な内燃機関の振動低減装置を提供することを主たる目的としている。
内燃機関のクランクシャフトの下方に配置されるバランサを備える。このバランサは、気筒列方向に沿って互いに平行に配置され、クランクシャフトに連動して回転する2本のバランサシャフトと、これらバランサシャフトを回転可能に支持するバランサハウジングと、を有している。上記バランサハウジングに、オイルパンの機関前寄りに配置される深底部の上方を覆うように機関水平方向に沿う薄膜状のバッフルプレート部が一体的に形成れている。そして、上記2本のバランサシャフトのうち、クランクシャフトにより回転駆動される駆動側バランサシャフトに対し、この駆動側バランサシャフトからギヤを介して回転動力が伝達される従動側バランサシャフトが短縮化されており、この短縮化により従動側バランサシャフトが省略された部位の上方を含めて、上記バッフルプレート部が上記深底部の上方を覆っており、上記バランサが、内燃機関の回転起振力の中心と略同一機関前後方向位置にバランサウエイトの回転起振力の中心を配置したセンターバランサであることを特徴としている。
本発明によれば、オイルパンの深底部の上方を覆うバッフルプレート部がバランサハウジングに一体的に形成されているので、別体のバッフルプレートを敢えて必要としない簡素な構造でありながら、バランサハウジングに一体形成されたバッフルプレート部により油面の撹拌を有効に防止し、機関出力の向上及び油中エアレーションの発生を抑制することができる。
以下、図1〜8を参照して、本発明に係る内燃機関の振動低減装置の好ましい実施例を詳細に説明する。図1は、バランサ1及びオイルパンアッパ4を組立状態で示す上面図であり、図2及び図3は、クランクシャフト3、ブロックロア15及びバランサ1を組立状態で示しており、図4及び図5は、図2や図3の構成に更にオイルパンアッパ4及びブロックアッパ14を含めた組立状態を示しており、図6〜8は、バランサ1を単体で示している。
図4にも示すように、この内燃機関は、機関前方(図4の左方)側より4つの#1〜#4シリンダ(気筒)が直列に配置された直列4気筒型であり、そのシリンダ軸線が鉛直方向(図4の上下方向)に沿う姿勢で車両に搭載される。シリンダブロックは、ピストンが昇降可能に嵌合する上記の#1〜#4シリンダが形成されたブロックアッパ14と、このブロックアッパ14の下面に固定されるブロックロア15と、により構成され、両者14,15によりクランクシャフト3が回転可能に挟持される。
ブロックロア15の下方には、機関油(潤滑油・作動油)を貯留するオイルパン(4)が設けられている。このオイルパンは、構造的には、ブロックロア15の下面に固定されるオイルパンアッパ4と、このオイルパンアッパ4の下面に形成された開口部21の周縁フランジ部に固定されるオイルパンロア(図示省略)とにより構成される。また、オイルパンには、機能的には、機関前寄りに深底部22が設けられるとともに、機関後寄りに浅底部23が設けられている。深底部22は、上記の開口部21を通して連通するアイルパンアッパ4の機関前側部分とオイルパンロアとにより構成されており、この深底部22に機関油が貯留される。浅底部23は、オイルパンアッパ4の機関後方側に形成されており、その底面24が標準的な油面高さである規定油面25よりも機関上方に設定されている。従って、浅底部23に滴下した機関油はその底面24を経て深底部22へ戻されるようになっている。
クランクシャフト3の下方のオイルパンやクランクケースの内部には、クランクシャフト3を含む主運動系の回転二次振動成分を低減・相殺するためのカセット式のバランサ1が設置されている。このバランサ1は、バランサウエイト19a,19bが形成された2本のバランサシャフト16a,16bと、両バランサシャフト16a,16bを回転可能に支持するバランサハウジング5と、を有している。バランサハウジング5は、両バランサシャフト16a,16bを回転可能に狭持するアッパバランサハウジング5a及びロアバランサハウジング5bにより構成され、両バランサシャフト16a,16bは、気筒列方向に沿って互いに平行に配置されている。図3にも示すように、一方の駆動側バランサシャフト16aの前端にはバランサ駆動スプロケット7が固定され、クランクシャフト3の前端にはクランクスプロケット3aが固定され、これらスプロケット7,3aに無端状のチェーン8が巻き掛けられており、このチェーン8を介してクランクシャフト3の回転動力が駆動側バランサシャフト16aに伝達される。従動側バランサシャフト16bは反転ギア9a,9b(図7及び図8参照)を介して駆動側バランサシャフト16aから回転動力が伝達される。両バランサシャフト16a,16bはクランクシャフト3の二倍の速度で互いに逆方向に回転するように、上記スプロケットやギアの歯数等が設定されている。バランサハウジング5は複数のバランサ締結ボルト18a〜18fによってブロックロア15の下面に締結・固定されており、かつ、アッパバランサハウジング5aとロアバランサハウジング5bとが複数のハウジング締結ボルト17a〜17hにより締結・固定されている。
バランサハウジング5を構成するアッパバランサハウジング5a及びロアバランサハウジング5bは、それぞれ金属材料により一体的に鋳造されるもので、バランサシャフト16a,16bの外周を囲う略円筒形状のシャフト収容部2a,2bと、バランサ締結ボルト18a〜18fが挿通する略円筒形状のボルトボス部11a〜11fと、を有している。そして本実施例では、アッパバランサハウジング5aに、オイルパン深底部22をほぼ全面にわたって覆うように機関水平方向に沿う薄膜状のバッフルプレート部30が一体的に形成されている。詳しくは、図1に示すように、アッパバランサハウジング5aの外縁部は、オイルパンアッパ4側の構成要素との干渉を回避するための幾つかの凹部20を除き、上面視でオイルパン深底部22のほぼ全面を覆う略長方形状をなしており、オイルパンアッパ4の外壁部に形成されたボルトボス部4aの直ぐ内側に僅かな隙間を介して近接して配置されている。
このバランサ1は、バランサウエイト19a,19bが位置するバランサ回転起振力の中心位置26(図4参照)が、内燃機関の主運動系の回転起振力の中心、つまり内燃機関の中心位置27(図1参照)に対して、機関前後方向でほぼ同一位置に配置された、いわゆるセンターバランサとなっている。より具体的には、図4に示すように、直列4気筒の機関前後方向のほぼ中央に配置される#2シリンダと#3シリンダの間の主軸受部28の直下位置にバランサ中心26が配置されている。このため、バランサ1が機関前後方向で#1シリンダから機関中心27を跨いで#3シリンダの途中までの幅広い領域にわたって延在することとなる。
図7及び図8を参照して、小型・軽量化を図るために、従動側バランサシャフト16bは、前端にスプロケット7が設けられた駆動側バランサシャフト16aに比して、前寄りの部分34が省略され、短縮化されたものとなっている。この関係で、駆動側シャフト16aには、バランサハウジング5に回転可能に支持されるジャーナル部が前側ジャーナル部6e,中間ジャーナル部6c及び後側ジャーナル部6aの三箇所に設けられているのに対し、従動側シャフト16bには、ジャーナル部が中間ジャーナル部6dと後側ジャーナル部6bの二箇所にしか設けられていない。すなわち、従動側シャフト16bは駆動側シャフト16aに対して前側ジャーナル部6eから中間ジャーナル部6cの間の距離に相当する1ジャーナル間の長さ分だけ短く設定されている。なお、反転ギア9a,9bは中間ジャーナル部6c,6dの直ぐ前側に配置されている。
図8に示すように、従動側バランサシャフト16bの短縮化に伴い、ロアバランサハウジング5bでも、従動側バランサシャフト16b寄りの前側部分34が切り欠かれた、つまり省略された形状となっているのに対し、アッパバランサハウジング5aに関しては、上記従動側バランサシャフト16b寄りの前側部分34に、バッフルプレート部30の一部31及び対応するボルトボス部11fが残された形状となっており、これによって、図1にも示すように、バッフルプレート部30がオイルパン深底部22の上方をほぼ全面にわたって覆うようになっている。つまり、従動側バランサシャフト16bやロアバランサハウジング5bの小型化・軽量化を図りつつ、バッフルプレート部30によりオイルパン深底部22の上方をほぼ全面的に覆うことにより、このバッフルプレート部30によって油面の揺動を効果的に抑制することができる。従って、従動側バランサシャフト16b及びロアバランサハウジング5bの一部が省略された部分34では、アッパバランサハウジング5bにのみ締結ボルト18fが挿通するボルトボス部11fが形成されており、他の締結ボルト18a〜18eが挿通するボルトボス部11a〜11eはアッパバランサハウジング5a及びロアバランサハウジング5bの双方に形成されている。
上述したように、従動側シャフト16bやこれに対応するバランサハウジング5の一部が省略されているものでは、小型・軽量である反面、前側ジャーナル部から中間ジャーナル部の間に相当する機関前寄りの部位が、中間ジャーナル部から後側ジャーナル部にかけての機関後寄りの部位に比して、剛性が相対的に低いという特有の問題がある。このため、前側ジャーナル部6eの変形に起因する様々な課題、例えば、駆動側シャフト16aの先端に設置されたバランサスプロケット7のアライメントのずれ、その噛合い音の増加、加工時における前側ジャーナル部6eの合せ面でのキャップシフト量の増加、このキャップシフト量の増加に起因するジャーナル部の寸法精度の低下・真円度の低下によるバランサシャフトの駆動フリクションの増加等の課題を生じるおそれが高い。
このような課題に対し、本実施例では、バランサハウジング5の中で従動側バランサシャフト16b側の前寄りの部位34のうち、ロアバランサハウジング5b側を大きく省略した形状としつつ、アッパバランサハウジング5a側ではバッフルプレート部30の一部31及びボルトボス部11fを残すようにしており、これによって、図1に示すようにアッパバランサハウジング5aが上面視でほぼ切欠部のない長方形をなすように構成されている。これにより、アッパバランサハウジング5aの剛性、特に、上記の部位34の近傍の剛性を有効に向上することができる。従って機関実動時の入力によるハウジング変形を十分に抑制することができ、また、バランサシャフトのジャーナル部6a〜6eの変形が抑制され、その真円度を良好に確保することができる。このため、バランサシャフト16a,16bを回転駆動する際のフリクションが低減され、ひいては機関出力を向上することができる。また、上述したように従動側バランサシャフト16b寄りの前側部位34の近傍の強度・剛性を良好に確保できることから、バランサ駆動スプロケット7のアライメントの低下を抑制し、チェーン8との噛合い音を低減することができる。更に、互いに噛み合うバランサシャフトの反転ギア9a,9bのアライメントを良好に保ち、そのギア音を低減することができる。加えて、バッフルプレート部30をアッパバランサハウジング5aに一体成形することによって、このアッパバランサハウジング5aの放射系面剛性が向上し、反転ギア9a,9bによる噛合い音や歯打ち音の外部への放射を抑制し、機関静粛性を高めることができる。
なお、オイルパン浅底部23の底面24は、規定油面25よりも機関上方に設定されており、バッフルプレート部30は、浅底部23の底面24とほぼ同等の高さ、より具体的には底面24よりも僅かに機関上方に配置されている。そして、バッフルプレート部30が浅底部23を除く深底部22の上方全体を覆うように設定されており、図1にも示すようにバッフルプレート30の最後部とオイルパン浅底部23の底面24とが僅かな隙間を隔てて近接して配置されている。
次に、この実施例の特徴的な構成及びその作用効果について列記する。但し、本発明は、参照符号を付した実施例の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。
(1)内燃機関のクランクシャフト3の下方に配置されるバランサ1が、気筒列方向に沿って互いに平行に配置され、クランクシャフト3に連動して回転する2本のバランサシャフト16a,16bと、これらバランサシャフト16a,16bを回転可能に支持するバランサハウジング5と、を有する。バランサハウジング5のアッパバランサハウジング5aに、オイルパンの機関前寄りに配置される深底部22の上方を覆うように機関水平方向に沿う薄膜状のバッフルプレート部30が一体的に形成されている。
仮にバランサハウジングに上記のバッフルプレート部30が設けられていないと、オイルパンの開口面積(シリンダブロックヘのシール面)、特に深底部22に占めるバランサハウジングの水平方向の面積が小さく、深底部22の上方をバランサハウジングで塞ぎきれない部分から、クランクシャフトの回転により発生する風圧、圧力変動によって、オイルパン内に貯留される機関油の油面の撹拌による回転抵抗が増加し、機関出力の低下を招いたり、油中にエアレーションが発生して油圧低下や潤滑不良を招くおそれがある。これに対して本実施例では、バランサハウジング5に一体的に形成されるバッフルプレート部30によりオイルパン深底部22の上方を覆うようにしており、このようなバランサハウジング5によって、クランクシャフト3の回転による油面撹拌での回転抵抗増加や油中のエアレーションの発生を効果的に低減・回避することができ、機関出力、燃費性能及び潤滑性能等の向上を図ることができる。
また、バッフルプレート部30をアッパバランサハウジング5aに一体的に形成しているために、別体のバッフルプレートを固定する場合に比して、部品点数が少なくてすみ、コスト低下や作業工数の低減化を図ることができる。更に、別体のバッフルプレートの追加やオイルパンの浅底化といったオイルパン側での対策が不要になり、オイルパン側の設計の自由度が高くなるので、油量・油面への制限が緩和される。このため、例えば上記実施例のように深底部22を機関前後方向に十分に大きく確保することによって、機関全高の増加を招くことなく油蓄容積を拡大して油面を下げることができるので、クランクシャフト回転による油面撹拌の影響が更に抑制される。
(2)バランサ1が、内燃機関の回転起振力の中心27と略同一の機関前後方向位置にバランサウエイト19a,19bの回転起振力の中心26を配置した、いわゆるセンターバランサである。より具体的には、4気筒直列内燃機関の場合、機関前後方向中央に配置される#2シリンダと#3シリンダの間の主軸受部28の直下位置に、バランサウエイト19a,19bが配置されている。このため、図4に示すように、バランサ1が機関前部より機関中心27を越えて機関後方側へ延在するかたちとなり、オイルパンの開口面積に対してバランサハウジング5の占める面積を十分に大きく確保することができる。より具体的には、#1シリンダから#3シリンダの途中までの幅広い領域にわたって配置されるオイルパン深底部22の上方に、バランサハウジング5をほぼ過不足なく延在させることができる。
仮にバランサウエイト中心(起振力中心)が機関中心に対して機関前方側へ偏心しているフロントオフセット式のバランサの場合、バランサハウジングの全長が短く、かつ、機関前方側に偏って配置されるため、オイルパン開口面積に対するバランサハウジングの占有面積が小さく、このため、オイルパン深底部の上方を塞ぐために別体のバッフルプレートを後付けしたり、オイルパン浅底部を拡大する必要があり、オイルパンの設計自由度の低下、車両レイアウトヘの制限、浅底化によるオイル蓄容積減による油量・油面高さの制限といった問題を生じてしまう。
(3)バランサハウジング5には、バランサシャフト16a,16bの周囲に配置され、機関上下方向に沿う複数のボルトボス部11a〜11fが一体的に形成されている。これらボルトボス部11a〜11fの外周にバッフルプレート部30が一体的に接続しており、かつ、バッフルプレート部30の機関幅方向最外縁部上にボルトボス部11a〜11fの機関幅方向最外周部が配置されている。つまり、バッフルプレート部30の機関幅方向最外縁部が複数のボルトボス部11a〜11fの機関幅方向最外周部を結ぶように設定されており、ボルトボス部11a〜11fに対して機関幅方向に飛び出したり凹んだりしていない。これによって、バッフルプレート部30及びボルトボス部11a〜11fの双方の剛性が有効に高められる。つまり、バッフルプレート部30によって複数のボルトボス部11a〜11fの上部が連結されることによって、ボルトボス部11a〜11fの剛性が高められるとともに、板状をなすバッフルプレート部30の幅方向最外縁部に沿って、肉厚である複数のボルトボス部11a〜11fが適宜間隔毎に配置されるため、このバッフルプレート部30の放射系面剛性を著しく向上することができる。
特に上記実施例では、バッフルプレート部30が機関上下方向に延びるボルトボス部11a〜11fの中でもブロックロア15に近い機関上方側の位置で接続しているので、バランサ1とブロックロア15とのボルト締結時における望ましくない変形、いわゆる口開き変形に対する剛性を効果的に向上することができる。
仮にバッフルプレート部が機関幅方向に関してボルトボス部11a〜11fよりも側方へ飛び出していると、この飛び出した部分が上述したような剛性向上に実質的に寄与せず、強度的には無駄な部分となる。一方、仮にバッフルプレート部が機関幅方向に関してボルトボス部11a〜11fよりも幅方向内側に引込んでいると、剛性が低下するとともに、この引込んだ部分ではバッフルプレートとしての機能が得られず、バッフルプレートとしての所期の効果が得られない。
(4)バッフルプレート部30が、最も機関後側に位置するボルトボス部11a,11bよりも更に機関後方側へ延びる後側延長部32を有している。この後側延長部32によって、上述した実施例のように深底部22が機関中心27よりも更に機関後側まで延在している場合であっても、深底部22の上方全体をバッフルプレート部30によって覆うことができる。
(5)図5にも示すように、バランサハウジング5にはバランサシャフト16a,16bの外周を囲う略円筒形のシャフト収容部2a,2bが形成されている。そして、バッフルプレート部30が、シャフト収容部2a,2bの頂部より機関幅方向最外縁部まで平坦に延びる天板部33を有している。つまり、シャフト収容部2a,2bの中で最も高い位置である頂部から機関幅方向外側へバッフルプレート部30の天板部33を延在させている。このような構成によって、バッフルプレート部30を油面25よりも機関上方へ容易に配置させることができ、所期の油面撹拌防止効果を得ることができる。
(6)アッパバランサハウジング5aには、上記天板部33の下方でシャフト収容部2a,2bとの間に油排出窓10a,10bが形成されており、この油排出窓10a,10bを通してシャフト収容部2a,2b内部の機関油が排出されるようになっている。ここで、シャフト収容部2a,2bの上方には、機関幅方向最外縁部まで平坦に延びる天板部33が延在しているため、油排出窓10a,10bから排出される機関油が飛散したり回転するクランクシャブト3等と干渉することを確実に回避することができる。従って、クランクシャフト3の回転抵抗が軽減されるとともに、オイルパンやクランクケース内部のオイルミストの発生を低減することができる。
(7)バランサハウジング5には、2つのシャフト収容部2a,2bの間に油落とし穴13a,13bが形成されている。従って、バランサハウジング5の上面を構成するバッフルプレート部30上に滴下する油を油落とし穴13a,13bを通して良好にオイルパン深底部22の底部側へ戻すことができる。特に、図6にも示すように、2つのシャフト収容部2a,2bの間の下方へ滑らかに窪んだ部分に油落とし穴13a,13bが形成されているので、バッフルプレート部30上に機関油が溜まることがなく、かつ、回転するクランクシャフト3の風圧等によって機関油が落とし穴13a,13bへ良好に導かれるために、油落とし性にも優れている。
本発明の一実施例に係る内燃機関の振動低減装置のバランサ及びオイルパンアッパを組立状態で示す上面図。 上記実施例のクランクシャフト、ブロックロア及びバランサを組立状態で示す正面図。 図2の構成での斜視図。 図2や図3の構成に更にオイルパンアッパ及びブロックアッパを追加した組立状態を示す図5のIV−IV線に沿う断面図。 図4のV−V線に沿う断面図。 上記実施例のバランサを単体で示す斜視図。 図6のVII−VII線に沿う断面図。 図6のVIII−VIII線に沿う断面図。
符号の説明
1…バランサ
2a,2b…シャフト収容部
3…クランクシャフト
4…オイルパン(アッパ)
5…バランサハウジング
5a…アッパバランサハウジング
10a,10b…油排出窓
11a〜11f…ボルトボス部
13a,13b…油落とし穴
16a,16b…バランサシャフト
18a〜18f…バランサ締結ボルト
22…オイルパン深底部
25…規定油面
30…バッフルプレート部
32…後側延長部
33…天板部

Claims (7)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの下方に配置されるバランサを備える内燃機関の振動低減装置において、
    上記バランサが、気筒列方向に沿って互いに平行に配置され、クランクシャフトに連動して回転する2本のバランサシャフトと、これらバランサシャフトを回転可能に支持するバランサハウジングと、を有し、
    上記バランサハウジングに、オイルパンの機関前寄りに配置される深底部の上方を覆うように機関水平方向に沿う薄膜状のバッフルプレート部が一体的に形成され、
    上記2本のバランサシャフトのうち、クランクシャフトにより回転駆動される駆動側バランサシャフトに対し、この駆動側バランサシャフトからギヤを介して回転動力が伝達される従動側バランサシャフトが短縮化されており、
    この短縮化により従動側バランサシャフトが省略された部位の上方を含めて、上記バッフルプレート部が上記深底部の上方を覆っており、
    上記バランサが、内燃機関の回転起振力の中心と略同一機関前後方向位置にバランサウエイトの回転起振力の中心を配置したセンターバランサであることを特徴とする内燃機関の振動低減装置。
  2. 上記バランサハウジングが、上記バランサシャフトの周囲に配置され、機関上下方向に沿う複数のボルトボス部を有し、
    上記バッフルプレート部が上記ボルトボス部の外周に一体的に接続しており、かつ、上記バッフルプレート部の機関幅方向最外縁部上に上記ボルトボス部の機関幅方向最外周部が配置されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の振動低減装置。
  3. 上記バッフルプレート部が、最も機関後側に位置するボルトボス部よりも機関後方側へ延びる後側延長部を有していることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の振動低減装置。
  4. 上記バランサハウジングが、バランサシャフトの外周を囲う略円筒形のシャフト収容部を有し、
    上記バッフルプレート部が、上記シャフト収容部の頂部より機関幅方向最外縁部まで略水平に延在する平坦な天板部を有していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の振動低減装置。
  5. 上記バランサハウジングには、上記天板部の下方でシャフト収容部との間に油排出窓が形成されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の振動低減装置。
  6. 上記バランサハウジングには、2つのシャフト収容部の間に油落とし穴が形成されていることを特徴とする請求項又はに記載の内燃機関の振動低減装置。
  7. 上記従動側バランサシャフトが省略された部位の上方を多うバッフルプレート部に、締結ボルトが挿通するボルトボス部が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の振動低減装置。
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