JP4717644B2 - インクジェット描画装置および吐出安定性の評価方法 - Google Patents

インクジェット描画装置および吐出安定性の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット方式によって液滴を吐出するインクジェット描画装置に関するものであり、特に、印刷データ等に基づいて、インク等の液体を記録用紙等の被噴射物に向かって噴射することによって、文字や図形を記録するインクジェット描画装置に関するものである。
インクジェット描画装置は、噴射ヘッドから紙や基板等の被噴射物に、高精度かつ高密度に液滴を噴射して、印刷を行うことができる装置である。上記インクジェット記録装置は、コンピュータ等から出力される文字または画像等の情報を、紙等の記録媒体に記録するプリンタとして用いられている。また、それ以外にも、電子部品の製造時に利用される等、種々の用途に広く用いられている。
インクジェット描画装置では、良好な描画を行うために、噴射ヘッドの液体吐出安定性を評価することが行われている。この吐出安定性のパラメータとしては、吐出された液滴の体積および吐出速度等が用いられる。
特許文献2には、発光部と受光部に対し、吐出した液滴が交差するようにヘッドを走査し、液滴を連続的に吐出させ、パルス信号を出力する装置が記載されている。そして、吐出状態を評価する際には、わざと吐出しないチャンネルを含ませ、その吐出しないパルス信号のタイミングによって、実際に吐出しないチャンネルを判定する
特許文献3には、ドップラー効果によって吐出速度を判定する装置が記載されている。
特許文献1には、図8に示すような受光面を備える受光部と、光源とを備える光センサユニットによって、液滴のサイズおよび吐出速度を検出することで、吐出液滴の安定性を評価する吐出液滴評価装置が記載されている。
従来の光センサユニットは、マトリクス状に等分割された受光面130a〜dと分割された受光面毎に等しい特性を持つフォトダイオード等の光検出素子とを有する光センサ131と、上側(130a・b)および下側(130c・d)それぞれ2つの受光面に対応する光検出素子の出力に接続された差動式の電流電圧変換回路140とを備える。図示しない光源から受光面130に光が照射され、図示しないヘッドから吐出された液滴150は、この光を遮るように進行する。
この従来の技術では、複数に分割された受光面と、受光面毎に設けられた複数の光検出素子とを備える光センサを用いて、吐出される1つの液滴による受光量の変化を検出する。
そして、液滴の速度は、複数の光検出素子間における出力ピークの時間差に基づいて求められ、液滴の体積は、個々の光検出素子の出力値を所定の閾値と比較することによって求められる。
なお、特許文献1の測定原理(複数の光検出素子を用い、これらの光検出素子間の出力ピークの時間差に基づいて液滴の速度を求める)より、測定の対象となる液滴が1つであることは明らかである。
特開2001−71476号公報(2001年3月21日公開) 特開2004−275801号公報(2004年10月7日公開) 特開平4−27552号公報(1992年1月30日公開)
しかし、上記従来のインクジェット描画装置では、吐出状態の測定精度に改善の余地があったり、装置が大掛かりになったりするという問題があった。
例えば特許文献2の装置では、吐出するしないを判定することしかできないため、不安定な吐出でも描画に使用してしまうことがある。
また特許文献3の装置では、装置の構成が非常に大掛かりになるという問題があった。
また特許文献1のように、液滴が光を遮ったことを検出することで、液滴の速度および体積を求める場合、液滴の速度および体積の検出精度を高めるためには、受光量の変化率(すなわち吐出していない状態での受光量と、吐出している状態での受光量との差)を大きくしなければならない。特許文献1の発明において、測定の対象となるのは1つの液滴という微細な対象物であるので、受光量の変化は非常に小さい。そのため、特許文献1の発明では、検出精度を上げるには、受光面を小さくしなければならず、吐出ドットに対する光センサの位置決めを高精度に行わなければならない。
また、特許文献1は、液滴の速度を算出するために、個々の光検出素子の経時的な出力変化を検出および記録しなければならない。そのため、記録するデータの量およびデータ処理にかかる時間が大きくなる。
また特許文献1では、液滴の速度を求めるために、複数の受光面を用いている。そのため、液滴のサイズ(体積)を求めるにも複数の受光面を用いることになる。しかし、複数の受光面を用いて液滴の体積を検出する場合、受光面と受光面との間の間隙がノイズとなり、正確な検出が困難となる(図9(b))。
本発明は、上記従来の問題に鑑みたものであり、その目的は、液滴の速度および体積を含む情報を、精度よく、かつ簡単な構成の装置で得ることにある。
本発明にかかるインクジェット描画装置は、上記課題を解決するために、液滴を吐出する少なくとも1つのチャンネルと、光源と、該光源からの光を受光する受光部とを備え、上記液滴の進路と光源から受光部に至る光路とが交差するように光源および受光部が設けられ、上記チャンネルから吐出された複数の液滴が上記光路上を通過する間の上記受光部での受光量bi、および液滴が光路上を通過しないときの受光量b0から、透過率ai[aiは(b0−bi)/b0で表される]を算出する透過率算出部をさらに備えることを特徴とする
実施の形態で後述するように、上記透過率aiには、液滴の体積および速度の情報が含まれている。それゆえ、1つの値から、液滴の体積および速度の両方を得ることができる。
そして、上記構成によると、複数の液滴を測定の対象にしているので、受光部の受光面を大きくしても、高い検出精度が得られる。そのため、このような問題点は起こらない。受光面の大きい受光部を用いることができると、液滴と、光源・受光部との位置合わせに求められる精度が緩和される。
また、本発明は、取込み時間内における受光部の出力値の総和が得られればよく、取込み時間内での出力量の経時的変化は必要としない。そのため、本発明は特許文献1よりも記録するデータ量が小さくて済み、記録容量およびデータ処理にかかる時間を小さくすることができる。
また、本発明は、液滴の体積および速度の両方についての情報を含む1つの値(遮光率)を用いると共に、この値を1つの受光部から得ている。そのため、特許文献1について上述したようなノイズが発生することはなく、液滴の体積について、より正確な情報を得ることができるといえる。
また、本発明では、わざと吐出しないチャンネルは設定しない。安定な吐出のチャンネルを判定することができ、不吐出のみならず不安定なチャンネルは描画に使用せず、描画する用紙や基板を汚すことがない。
また、上記インクジェット描画装置は、上記透過率が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部を備えていることが好ましい。
この判定部によって、透過率aiという一つの値が所定の範囲内にあるか否かを判定するという簡便な工程によって、チャンネルの吐出安定性を評価することが可能となる。
また、上記インクジェット描画装置は、描画に使用するチャンネルを選択する選択部を備え、上記選択部は、上記判定部によって透過率が上記所定の範囲内にあると判断されたチャンネルを選択する構成であってもよい。
上記構成によると、上記選択部によって、安定な吐出を行えるチャンネルのみが、描画に使用されるように選択される。
また、上記選択部は、上記判定部によって透過率が上記所定の範囲内にあると2回以上判定されたチャンネルを選択することが好ましい。
例えば、チャンネルに細かな気泡が混入している場合、吐出したりしなかったりといったことが起こる。つまり、このようなチャンネルは、判定部によって安定と判定されても、実際の描画では不安定になることが起こりえる。上記構成によると、例えば1回の吐出状態評価によって不安定と判定されていれば、その後の2回目の判定で安定と判断されても描画には使用しない。吐出状態評価によって2回以上安定と判定されたときのみ、描画に使用することにする。このように2回以上安定に吐出すると判定したチャンネルのみ描画に使用することで、描画の際の不吐を非常に少なくすることができる。
また、上記インクジェット描画装置は、上記透過率aiから、液滴の体積を算出する体積算出部を備えていてもよい。
上述したように、透過率aiには液滴の体積の情報が含まれている。そこで、液滴の液滴の体積を得ることによって、所望の図形、膜厚等を得るためには液滴を何ドット吐出すればよいか等が迅速に分かる。
また、上記インクジェット描画装置は、上記チャンネルが交換可能なヘッドに設けられており、上記判定部において透過率が所定の範囲外であると判断されたとき、ヘッドを交換するように表示する表示部を備えることが好ましい。
従来、1チャンネルあたりの総吐出ドットをカウントし、ある一定のドット数を超えるとヘッド交換を行う、ということが行われてきた。しかし、これでは実際のチャンネルの吐出状態を検出していないため、ドット数が規定の値以下でも、吐出が不安定なヘッドを使用してしまうことがあった。しかし、上記本発明の構成によると、実際のチャンネルの吐出安定性からヘッドの交換時期が表示されるので、より正確なヘッドの交換時期を知ることができる。
また、上記インクジェット描画装置は、エアを吸引することで、チャンネルから吐出された液滴を該液滴の進行方向から吸引する吸引器を備えることが好ましい。
上記構成によると、液滴の吐出を行っている際、下からエア吸引を行うことにより、インクの飛散を防げる。これは、描画する基板、受光部、光源、ヘッド等を汚すことを防ぐことができる。
本発明の吐出安定性の評価方法は、液滴を吐出するチャンネルの吐出安定性の評価方法であって、チャンネルから吐出された液滴の進路に光を照射する光照射ステップと、チャンネルから複数の液滴が吐出される間の上記進路における光の透過率を測定する透過率測定ステップと、上記透過率が所定の範囲内にある場合は吐出が安定であると評価する評価ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係るインクジェット描画装置は、上記課題を解決するために、液滴を吐出する少なくとも1つのチャンネルと、光源と、該光源からの光を受光する受光部とを備え、上記液滴の進路と光源から受光部に至る光路とは交差するように光源と受光部とが設けられると共に、上記チャンネルから吐出された複数の液滴が上記光路上を通過する間の上記受光部での受光量bi、および液滴が光路上を通過しないときの受光量b0から、透過率ai[aiは(b0−bi)/b0で表される]を算出する透過率算出部をさらに備えることを特徴とする。
それゆえ、本発明に係るインクジェット描画装置は、上述のような簡便な構成によって、透過率aiという1つの値から、液滴の体積および速度の両方を得ることができる。また、複数の液滴を対象とすることによって、精度よく吐出安定性を測定することができる。
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して具体的に説明する。
〔実施の形態1〕
本実施の形態のインクジェット描画装置について、図1〜8を参照して説明する。本実施の形態のインクジェット描画装置は、ヘッドから液滴を吐出することによって、対象物上に文字または図形等を記録する。図1は、本実施の形態のインクジェット描画装置の要部を示すブロック図、図2は本実施の形態に係る吐出安定性の評価方法を示すフローチャートである。
本実施の形態のインクジェット描画装置は、図1に示すように、ヘッド20と、発光部31および受光部32を備える光センサユニットと、ヘッド2および光センサユニットを制御する制御系40とを備える。
インクジェットヘッド20は、隔壁によって分離された複数のチャンネル2…を備えるインクジェットヘッド20を有するものとする。チャンネル2はインクを吐出する機構の最小単位であり、インク室21およびノズル22を1つずつ備える。インク室21同士を隔てる壁は、その一部が圧電体と、この圧電体を挟むようにして設けられた1対の電極とから形成されている。
ノズル22から液滴を吐出するときには、インク室21にインク等の液体が入っている状態で、この電極間に電圧を印加する。すると、圧電体が変形して、インク室21の容積が小さくなるので、ノズル22から液滴が吐出される。
制御系40は、制御部40a、光源駆動部40b、記憶部40c、透過率演算部40d、安定性判定部40e、チャンネル選択部40f、ヘッド駆動部40gを備える。
制御部40aは、インクジェット描画装置全体の動作を制御するものであり、ホスト機器あるいは内蔵するCPU(図示せず)の命令により、光源駆動部40b、記憶部40c、ヘッド移動部40g等、制御系40内の各機能ブロックに制御信号を供給したり、これら機能ブロックからの出力信号を受けて、機能ブロックに対する応答処理を行ったりする。
光源駆動部40bは、光源31を駆動することによって、受光部32へ光を照射させる。光源31および受光部32の詳細については、後述する。受光部32は、その受光量に応じた電気信号(受光量信号)を、記憶部40cに出力する。
光センサユニット移動部40kは、制御部40aからの制御信号に基づいて、光センサユニット(31、32)を移動させる。
記憶部40cは、受光部32から出力された受光量信号を記憶すると共に、記憶した受光量信号を透過率算出部40dに出力することができる。また、記憶部40cは、透過率算出部40bで算出した透過率を記憶することもできる。
透過率算出部40dは、受光部32から記憶部40cを介して送られてきた2つの受光量、つまり、チャンネル2iから複数の液滴が吐出され、光源31の光路上を通過する間の受光量bi、および液滴が吐出されていないとき、つまり液滴が光路上を通過していないときの受光量b0に基づいて、発光部31からの光の透過率ai[aiは(b0−bi)/b0で表される]を算出する。
安定性判定部40eは、記憶部40cから送られてきた透過率aiが、所定の範囲内にあるか否かを判定する。
チャンネル選択部40fは、描画に使用するチャンネル2を選択するブロックであり、上記安定性判定部40eによって透過率aiが上記所定の範囲内にあると判断されたチャンネル2を選択するようになっている。具体的には、透過率aiが所定の範囲内にあるチャンネルのみを駆動するように、チャンネル駆動部40hに駆動信号を送る。
ヘッド駆動部40gは、制御部40aからの制御信号に応じて、ヘッド20を所望の位置に移動させる。
また、チャンネル駆動部40hは、制御部40および上述のチャンネル選択部40fからの信号に応じて各チャンネル2…を駆動し、ノズル22から液滴を吐出させる。
次に、本実施の形態のインクジェット描画装置を用いたチャンネルの吐出安定性の評価方法について、説明する。
光センサユニットおよび受光量取込み時の動作について、図3を参照してより詳細に説明する。図3は、ヘッド20と光センサユニット(31,32)との位置関係を示し、(a)は液滴の吐出方向に垂直な目線でヘッド20を見たとき、(b)はノズル22の形成された面からヘッド20を見たときの正面図である。このとき、ノズル22の数、すなわちチャンネル2の数は、48であるとする。
ノズル22の列は、は光源31から受光部32への光路に平行に配置されている。ノズルピッチは169.3μmであり、ノズル径は20μmとなっている。光源31は、波長650nm、光径1mmの半導体レーザである。受光部4は受光面が0.8mm四方のフォトダイオードである。これら発光部および受光部は、上記半導体レーザ、フォトダイオードに限らず、ある程度の強度、感度があれば一般的ランプおよびセンサでもよい。また、上記に示した寸法もこれに限るものではない。
次に図4の説明をする。チャンネル2iのノズル22から液滴を吐出すると、この液滴5はレーザ光を遮光する。本実施の形態では正方形の受光面を用いており、透過率aiは、取込み時間内に受光面に入る光を遮る液滴数N、受光面の面積S0、液滴5の1ドットあたりの遮光面積をSdとすると、以下の式(1)で表される。
Figure 0004717644
さらに、液滴の光の散乱率をp、駆動周波数f、吐出体積V(液滴5の1ドット当たりの体積)、受光面の長さL、吐出速度vによって、下記式(2)のように書き換えられる。
Figure 0004717644
この式から、透過率ai[ai=(b0−bi)/b0]には、吐出体積Vおよび吐出速度vが含まれていることが分かる。吐出体積V、吐出速度vが変化すると、透過率aiも変化し、駆動周波数が等しければ、吐出体積Vが大きいほど、また、吐出速度vが小さいほど透過率aiは大きくなることがわかる。つまり、吐出速度vが小さい不安定なチャンネルは、透過率aiが大きく測定される。
また、本実施の形態での吐出体積Vは5plであり、液滴の径は21.2μmである。
図2に基づいて、吐出状態評価方法を説明する。まず、吐出状態評価動作が開始されると(スタート)、制御部40aはヘッド移動部40gまたは光センサ移動部40bを介して、ヘッド20または光センサユニット(31,32)を吐出状態位置に移動させる。(S1)。
次に、液滴を吐出していない状態で受光部32の信号を計測する(S2)。この値は、閾値(b0)として、記憶部40cに保存される。
次に、チャンネル1〜48までの吐出状態を測定する(S3)。吐出したいチャンネル群の最初から(図ではチャンネル1から)吐出を開始する(S3−1)。次に受光信号を取り込み、この値(b1)を記憶部に保存する(S3−2)。次に吐出を停止する(S3−3)。そして、次のチャンネルの測定位置に、ヘッド20または光センサユニットを移動させる(S3−4)。
吐出―取込み−停止の一連の動作(図5)、および移動を、チャンネル48まで繰り返す。最後のチャンネルまで受光量の取り込みが終了したら、ヘッド20または光センサユニット(31,32)の移動を停止する。次に、透過率算出部40dにおいて、各受光量から透過率ai[ai=(b0−bi)/b0]を算出する(S4)。
次に、安定性判定部40eによって上記透過率aiが下記(3)の範囲内にあるか否かを判定することで、チャンネルが安定に吐出しているかどうかを判定する(S5)。
Figure 0004717644
以上の動作によって、高精度の位置決めや複雑なデータ処理を必要とせず、非常に短時間で吐出状態が高精度に判定できる。
すなわち、上記のように、連続的に液滴を吐出しながら透過率を測定することによって、吐出開始信号と受光取込み信号を同期させる必要が無く、測定が非常に簡単になる。また、複数個以上の吐出ドットが受光部を遮るため、ノイズが小さくなり検知精度が上がる。また、下限値だけでなく、上限値を設定することによって、吐出速度が小さな不安定な吐出も検出でき、非常に簡便な方法で安定なチャンネルを選別できる。
判定条件の下限値、上限値の設定方法であるが、これは装置に要求される仕様によって大きく変わる。本実施の形態では吐出速度8m/sに対して25%以内、すなわち6m/s〜10m/sを満たす条件が安定な吐出として下限値、上限値を求め安定な吐出のチャンネルを決定した。
1チャンネルあたりの取込み時間は5ms程度であり、データ通信速度を考慮しても48チャンネルの吐出状態を評価するのに0.34sしかかからない。このように、非常に短時間で、吐出の安定状態の評価が可能となる。また、データ処理が簡単なため、処理に時間がかかることもない。この取込み時間は、5msよりも短くしても長くしてもよいが、短くしすぎるとノイズが大きくなり正確な吐出状態の評価ができない。また長くしすぎると、ノイズは小さくなるが、短時間の評価ができなくなる。勿論、上限値および下限値は上述の数値に限らない。
また、後述するように、未使用(初期状態)のヘッドのチャンネルを用いたときの透過率を測定しておき、この初期透過率を基準として、上限値および下限値を決定してもよい。このように初期透過率を基準とすることで、使用に伴うヘッドの劣化を検出することができる。
本実施の形態によって得られた透過率を図6に示す。図6には、吐出が安定である透過率の範囲を併せて示す。図6から、透過率が大きくても、不安定な吐出チャンネルがあることが分かる。
上述したように、透過率aiは吐出速度vと吐出体積Vとを含むので、吐出速度が分かれば、透過率aiから吐出体積を求めることができる。本実施のインクジェット描画装置は、体積算出部40nを備える(図1)。液滴5を観察できるカメラ等を設けておくことで、このカメラによって液滴5の吐出速度vを求めることができる。この吐出速度vを記憶部40cに記憶しておき、上記透過率aiと合わせて計算することで、液滴1つ当たりの体積を求めることができる。
例えば、インクジェット装置にてカラーフィルター描画する場合を例にとる。1セル(471×137.5μm)に2μmのカラーフィルターを塗布したいときには、インクの顔料成分13%のとき、総吐出量は996plとなる。チャンネル1の吐出体積が5.2plと求められれば、チャンネル1は192滴吐出すれば、所望の膜厚を得られることが分かる。このように、簡単な方法で、迅速に所望の膜厚を得られるインクジェット装置を提供できる。
また、これまでは、1チャンネルあたりの総吐出液滴数をカウントし、例えば寿命1×1010個を超えるとヘッド交換を行うように、表示を行うことが行われていた。しかし、このヘッドの寿命はもっぱらアクチュエータとしての寿命(例えばヘッドがピエゾ方式では圧電素子の寿命、バブルジェット(登録商標)では発熱部の寿命)である。それ以外の部分でも、例えばノズルの撥水面や、ヘッド内部のインクの固着化等によって吐出状態が劣化することが多々ある。その場合、従来のインクジェット描画装置では吐出状態が劣化していることはわからない。それゆえ、従来の装置では、描画し、その描画品位が悪いという結果で始めて、劣化を認識することができた。つまり、描画することによってヘッドの寿命と判断していた。
式(2)から、吐出体積Vまたは吐出速度vが変化すれば透過率aiも変化することが分かる。本実施の形態のインクジェット描画装置1を用いると、安定性判定部40eによって、上述したように、チャンネルの吐出安定性を判断することができる。それゆえ、安定性判断部40eにおいてチャンネルの安定性が劣化している(所定の範囲外である)と判断された場合に、安定性判定部40eが表示部6にヘッドを交換するように表示させる構成であってもよい。また、このとき、安定性判定部40eは、記憶部40cに記憶されたヘッドの使用初期の透過率と、使用中ヘッドの透過率とを比較することによって、例えば初期の透過率よりN%以上ずれたときにはヘッドを交換するように表示部6に表示させる構成であってもよい。
このように、本実施の形態のインクジェット描画装置1によると、実際に描画することなくヘッドの劣化が確認できる。この透過率の比較は、チャンネル毎に行っても、すべてのチャンネルの平均値による比較で行ってもよい。このようにヘッドの交換を判断することで、ヘッドの劣化を迅速に判断でき、無駄な描画を行うことがないので、労力削減、コスト削減に貢献する。
また、本実施の形態のインクジェット描画装置は、吐出状態評価中の吐出を行っている際(S3)、下から吸引器7によってエア吸引を行うことにより、インクの飛散を防げる。これによって、描画する基板を汚すこと、光源31・受光部32を汚すこと、ヘッド20をよごすことを防ぐことができる。
また、図4のフローにて、S5の後にS10を設け、S10はS5で安定と判断されたチャンネルをチャンネル選択部40fが選択するステップであってもよい。
このようにして、安定な吐出と判定したチャンネルのみ、描画に使用することで、基板を汚さず、かつきれいな描画を得ることができる。仮に、透過率がある程度以上大きいというだけで吐出チャンネルに選定すると、不安定なチャンネルまでも描画に使用してしまうこともありうるが、本実施の形態によると、透過率が一定の範囲にあるチャンネルを安定であると判定するので、このようなことはなく、良好な画像を得ることができる。
また、S5の後にS11を設け、S11は、測定(S3)〜判定(S4)までが各チャンネルにおいて2回ずつ行われたか否かを確認するステップであってもよい。そして、S12にて上記ステップが2回ずつ行われたと確認されたとき、さらなるステップS13にて、S5で2回安定と判断されたチャンネルをチャンネル選択部40fが選択するような構成となっていてもよい。
〔実施の形態2〕
図7は、本発明の他の実施の形態に係るヘッド20と光センサユニット(31,32)との位置関係を表す正面図である。この実施形態では、ノズル22の列は光源31から受光部32への光路に垂直に配置されている。それ以外は、実施の形態1と同一の構成であるとする。
本実施の形態のインクジェット描画装置を用いたときの吐出状態評価方法について、図8を参照して説明する。
図8の方法では、閾値(b0)を測定するまでは図4と同様の動作を行う。そして、その後、ヘッド20または光センサ(31,32)を図7の矢印方向に移動させる(S20)。このときの速度は、受光面の真中を液滴5が遮る速度とする。本実施の形態では、1チャンネルあたりの評価時間を7ms、ヘッドの移動速度を24.19mm/sとする。
次に、吐出したいチャンネル群の最初から、すなわちチャンネル1から吐出を開始する(S21−1)。次に受光信号を取り込み、この値(b1)を記憶部に保存する(S21−2)。次に吐出を停止する(S21−3)。この、吐出―取込み−停止の一連の動作を、チャンネル48まで繰り返す。
次にヘッド20または光センサユニットの移動を停止する(S22)。そして、各チャンネルについて、透過率aiを測定し(S23)、吐出状態を判定する(S24)ことによってチャンネルが安定に吐出しているかどうかを判定することができる。
このように、高精度の位置決めや複雑なデータ処理を必要とせず、非常に短時間で吐出状態が高精度に判定できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のインクジェット描画装置および吐出状態評価方法は、カラープリンタ等のインクジェット方式を利用した印刷装置に好適に用いられる。
本発明の実施の一形態に係るインクジェット描画装置の要部を示すブロック図である。 本発明の実施の一形態に係る吐出安定性の評価方法を示すフローチャートである。 ヘッド20と光センサユニット(31,32)との位置関係を示し、(a)は液滴の吐出方向に垂直な目線でヘッド20を見たとき、(b)はノズル22の形成された面からヘッド20を見たときの正面図である。 レーザ光と、受光面と、液滴との位置関係を示す正面図である。 吐出―取込み−停止の一連の動作にかかる時間を示す図面である。 本発明の実施の一形態によって得られた透過率を示す散布図である。 本発明の他の実施の形態に係るヘッド20と光センサユニット(31,32)との位置関係を表す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係る吐出安定性の評価方法を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、従来の吐出安定性評価装置の光センサユニットを示す正面図である。
符号の説明
1 インクジェット描画装置
20 ヘッド
21 チャンネル
22 ノズル
31 光源
32 受光部
40 制御系

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する少なくとも1つのチャンネルと、光源と、該光源からの光を受光する受光部とを備え、上記液滴の進路と光源から受光部に至る光路とが交差するように光源および受光部が設けられ、
    上記チャンネルから吐出された複数の液滴が上記光路上を通過する間の上記受光部での受光量bi、および液滴が光路上を通過しないときの受光量b0から、透過率ai[aiは(b0−bi)/b0で表される]を算出する透過率算出部と、
    上記透過率が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部とをさらに備え
    上記透過率算出部は、未使用(初期状態)のヘッドのチャンネルを用いたときの透過率である初期透過率を測定し、
    上記判定部は、該初期透過率を基準として、上記所定の範囲の上限値および下限値を決定することを特徴とするインクジェット描画装置。
  2. 描画に使用するチャンネルを選択する選択部を備え、
    上記選択部は、上記判定部によって透過率が上記所定の範囲内にあると判断されたチャンネルを選択することを特徴とする請求項に記載のインクジェット描画装置。
  3. 上記選択部は、上記判定部によって透過率が上記所定の範囲内にあると2回以上判定されたチャンネルを選択することを特徴とする請求項に記載のインクジェット描画装置。
  4. 上記透過率aiから、液滴の体積を算出する体積算出部を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット描画装置。
  5. 上記チャンネルは、交換可能なヘッドに設けられており、
    上記判定部において透過率が所定の範囲外であると判断されたとき、上記ヘッドを交換するように表示する表示部を備えることを特徴とする請求項に記載のインクジェット描画装置。
  6. エアを吸引することで、チャンネルから吐出された液滴を該液滴の進行方向から吸引する吸引器を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット描画装置。
  7. 液滴を吐出するチャンネルの吐出安定性の評価方法であって、
    チャンネルから吐出された液滴の進路に光を照射する光照射ステップと、
    チャンネルから複数の液滴が吐出される間の上記進路における光の透過率を測定する透過率測定ステップと、
    上記透過率が所定の範囲内にある場合は吐出が安定であると評価する評価ステップとを含み、
    上記透過率測定ステップにおいて、未使用(初期状態)のヘッドのチャンネルを用いたときの透過率である初期透過率を測定し、
    上記評価ステップにおいて、上記初期透過率を基準として、上記所定の範囲の上限値および下限値を決定することを特徴とする吐出安定性の評価方法。
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