JP4717191B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
耐火性、難燃性を改良した有機材料、例えば合成樹脂を使用することは多くの用途で必要不可欠であるが、合成樹脂の耐火性は低く、火災時に腐食性ガス、有毒ガスを放出し、煙を出す等の多くの問題がある。
【0003】
炎の延焼をできる限り小さくするための方法として、一般には燃焼遅延剤又は不燃性物質と呼ばれる化合物、例えば塩化パラフィン、ポリブロモジフェニルエーテル等の塩素化又は臭素化有機化合物を合成樹脂に添加することが推奨されている。更に効果を高めるためには、酸化アンチモン(Sb23)等の補助燃焼遅延剤を燃焼遅延剤又は不燃性物質と組み合わせることができる。これらの添加剤は、難燃化すべき合成樹脂に対して数%〜数十%の割合で使用される。
【0004】
しかし、これらのハロゲン含有添加剤を大量に使用すると、特に難燃化合成樹脂の製造(配合及び成形)時に問題が生じる。すなわち、ハロゲン含有添加剤を大量に使用した合成樹脂は、製造中に高温度になり、機械的応力を受けて分解を起こし、機械的性質と耐火性が低下する。また、分解生成物は使用装置の金属部分を腐食させ、劣化させる。これらの欠点を無くすために多くのハロゲンを含まない化合物等が提案されている。
【0005】
燃焼時に各化合物が相互作用して不燃性のハチの巣状の尿素を含む又は炭化された発泡体(mousse carbonee)を形成して、合成樹脂の分解で生じる引火性ガスの放出を遅くする成分系を合成樹脂に加えることは公知である。このような成分系(以下「膨張剤系」という)は、通常下記の3つの主成分で構成されている。
【0006】
1)炭化された発泡体の生成を助ける窒素、アンモニア等の非引火性気体又は蒸気を生じさせる膨張剤(以下「発泡剤」という)、
2)発泡体の生成に寄与する化合物(一般には、糖、トリメチロールプロパン、モノ又はポリペンタエリトリトール等のポリヒドロキシル化合物である)、
3)脱水剤(一般には、燃焼時に酸を生じる化合物であり、最も広く用いられている脱水剤は、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸メラミン、硫酸メラミンである)。
【0007】
G.Camino等は、ポリ燐酸アンモニウムと、ペンタエリトリトールとの混合物とからなる膨張剤系をエチレン系ポリマーに用いることを提案している〔Polym.Degrad.7.25-31,(1984)及び12,203,(1985)〕。しかし、エチレン系ポリマーに対し、上記膨張剤系混合物を30重量%配合しても酸素指数は6%しか増加せず、機械的性質も低下することから、実用上問題があった。
【0008】
ポリ燐酸アンモニウムと、ペンタエリトリトールとの混合物からなる膨張剤系は、耐衝撃ポリスチレン又はABS樹脂に代表されるスチレン系樹脂に対しても、難燃効果を示すことがわかっている。しかし、十分な難燃効果を発現させるには、配合量を30重量%以上にする必要があり、配合量の増加に伴う機械物性の低下、外観不良等の問題がおき、実用化には不十分であった。
【0009】
その他、特開昭51−125440号公報、同52−42547号公報、特許登録2868698号公報には、難燃性の改良を目的としてゼオライトが用いられているが、難燃性や機械的性質の改良が十分とはいえない。
【0010】
また、合成樹脂の成形体自体が難燃性であっても、塗装に使用した塗料や、複数の部品の接着に使用した接着剤が易燃性であれば、成形体自体の難燃性にも悪影響を及ぼすことにもなる。
【0011】
本発明は、ハロゲン化合物を含まない新しい難燃性組成物及びそれから得られる塗料、接着剤、成形品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の成分を含有する難燃性樹脂組成物を提供する。
【0013】
(A)合成樹脂、
(B)多価アルコール又は炭水化物類、
(C)発泡剤、
(D)難燃性脱水剤及び
(E)無機酸が担持された金属酸化物。
【0014】
更に本発明は、上記の難燃性樹脂組成物を含む塗料又は接着剤、上記の難燃性樹脂組成物からなる成形品を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(A)成分の合成樹脂としては、下記のものを挙げることができる。
(1)ポリオレフィン系樹脂
▲1▼エチレンのポリマー又はコポリマー、例えば高密度ポリエチレン(密度が0.96〜0.97)、ラジカル低密度ポリエチレン(密度が約0.92〜0.93)及びエチレンと3〜8個の炭素原子を有する少なくとも1つのα−オレフィンのコポリマー(密度が約0.89〜0.95)
▲2▼プロピレンのホモポリマー及びエチレンのモル比が0.5〜30%のエチレンとプロピレンとのコポリマー
▲3▼エチレンと酢酸ビニル又はプロパン酸ビニル等の2〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つの飽和カルボン酸ビニルエステルとのコポリマー
▲4▼エチレンと好ましくはカルボキシル基の隣りにエチレン不飽和を有する不飽和酸のエステルとのコポリマー。不飽和酸はアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸又は桂皮酸等の一塩基酸が好ましいが、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸又はムコン酸等の二塩基酸でもよい。二塩基酸の場合には、不飽和酸エステルはモノエステルでもよいが、ジエステルが好ましい。不飽和酸エステルを誘導するアルコールは、1〜8個の炭素原子を有するものが好ましい。エステル基は、直鎖でも分岐していてもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル又はイソオクチルにすることができる。
【0016】
このコポリマーは、エチレンから誘導された基や不飽和酸エステルから誘導された基の以外の下記のような各種の基から誘導された基を有することができる。
【0017】
不飽和ジカルボン酸無水物(これはコポリマー中に約5重量%までの比率で存在することができる。この無水物は、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、好ましくは無水マレイン酸の中から選択する)、
不飽和グリシジルモノマー(これはコポリマー中に約18重量%までの比率で存在することができる。グリシジルモノマーは、グリシジルメタクリレート及びアクリレート、イタコン酸モノ−又はジグリシジル、ブテントリカルボン酸モノ−、ジ−及びトリグリシジルの中から選択することができる)、
イオノマー(Ca、Mg又はZnで、全体又は一部が塩型にされたエチレン/アクリル又はメタクリル酸のコポリマー等)。
(2)スチレン系樹脂
スチレン、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン、オルトクロロスチレン、パラメチルスチレン等の芳香環が置換されたスチレン等のビニル芳香族化合物ポリマー、アクリロニトリル等のモノマーと上記のビニル芳香族化合物とのコポリマー、ポリブタジエン又はポリイソプレンにグラフトした上記ポリマーを挙げることができ、具体例としては、ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)と呼ばれるポリブタジエンにグラフトされたポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)を挙げることができる。
(3)ポリアミド
1つ又は複数のアミノカプロン酸、アミノ−7−ヘプタン酸、アミノ−11−ウンデカン酸等のアミノ酸、1つ又は複数のカプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム、1つ又は複数のヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等のジアミンの塩又は混合物と、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等の二塩基酸との縮合で得られるポリアミド又は上記モノマーの混合物の縮合で得られるコポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12を挙げることができる。
(4)アクリル樹脂
アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステルの単独重合体又は共重合体、例えば、ポリメタクリル酸メチルを挙げることができる。
(5)ポリエーテルエステルアミド
(6)ポリビニルアルコール
エチレン−ビニルエステルコポリマーの一部又は全部をアルコール化して得られる、3〜75モル%のエチレンを含むエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)。
(7)ポリエステル
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル。
(8)ポリカーボネート
(9)ポリウレタン
(10)その他として、エポキシ樹脂、ポリスルフォン樹脂。
(11)上記樹脂から選ばれる2又は3以上の混合物。
【0018】
組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは40〜98重量%、より好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜90重量%である。
【0019】
本発明で用いる(B)、(C)、(D)成分は、組成物中において、上記した膨張剤系を構成する成分である。
【0020】
本発明で用いる(B)成分の多価アルコール又は炭水化物類としては、グルコース、マルトース及びアラビノース等の糖類、アラビトール、エリトリトール、ソルビトール、イノシトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、モノ−、ジ−及びトリペンタエリトリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のポリヒドロキシルポリマー、式(C6105nのデンプン、ポリエチレングリコール等のポリヒドロキシルアルコール及びエチレン/ビニルアルコールコポリマー、燃焼中に熱分解によってヒドロキシル化合物を生成するようなポリウレタン又はポリエステルが挙げられる。これらの化合物の中ではモノ−、ジー及びトリペンタエリトリトールが特に好ましい。
【0021】
本発明で用いる(C)成分の発泡剤は、一般に燃焼時に窒素やアンモニアのような非引火性ガスを形成する窒素含有化合物が好ましい。
【0022】
このような化合物としては、メラミン、メラム、メレム、アンメ燐、アンメリド、尿素、グアナミン、シアナミド、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、グアナゾール、ウラゾール、ベンジイミダゾール、エチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ピペラジンを挙げることができる。これらの化合物の中でメラミンとその誘導体、例えばグアナミンが好ましい。
【0023】
(D)成分の難燃性脱水剤は、燃焼時に酸を生成する化合物であり、特にH3PO4、H3PO3、H427等の燐を含む酸を生じるものが好ましい。燐を含む酸の発生剤である化合物は、通常アンモニウム塩又はエステルの形をしている。この化合物の例としては、燐酸アンモニウム、ピロ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸メラミン、亜燐酸メラミン、亜燐酸ピレラジン、二亜燐酸ピレラジン、亜燐酸グアナゾール、ピロ燐酸メラミン、ピロ燐酸ピペラジン、トリエチルホスフェート等の燐酸エステル、エチルホスフォン酸ジエチル等のホスフォン酸エステルを挙げることができる。特に、一般式(NH4n+2n3n+1(ここで、n≧2の整数を表す)に対応するポリ燐酸アンモニウムが好ましい。
【0024】
膨張剤系を構成する(B)〜(D)成分は、それぞれが別々の化合物でもよいし、2種又は3種が単一化合物を形成していてもよく、例えば、(C)成分の発泡剤と(D)成分の難燃性脱水剤とを、アミン塩、アンモニウム塩等の単一化合物の形で使用してもよい。
【0025】
好ましいアンモニウム塩の例としては特にポリ燐酸アンモニウムが挙げられ、本発明では、膨張剤系として、このポリ燐酸アンモニウムを(C)及び(D)成分とし、(B)成分のモノ、ジ又はトリペンタエリトリトールと併用することが好ましい。
【0026】
組成物中の(B)、(C)、(D)成分の配合比は、〔(C)+(D)成分〕/(B)成分の重量比が好ましくは1〜7、より好ましくは1.2〜5、更に好ましくは1.5〜4である。
【0027】
組成物中の(B)、(C)及び(D)成分の合計含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0028】
本発明で用いる(E)成分は、無機酸を担持してなる金属酸化物であり、無機酸が金属酸化物に物理的に吸着されているもののほか、無機酸が金属酸化物と化学結合を形成しているものでもよいが、物理的に吸着されているものの方が難燃性改良の点において好ましい。(E)成分として使用される金属酸化物は、結晶性であっても非晶性でもよく、単一の化合物でも、2種類以上の金属酸化物の混合物又は化合物でもよい。
【0029】
金属酸化物としては、酸化鉄、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ホウ素、酸化珪素−酸化アルミニウム、酸化珪素−酸化マグネシウム、酸化珪素−酸化ジルコニウム、酸化珪素−酸化チタン、酸化鉄−酸化チタン、酸化チタン−酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム−酸化ホウ素等が挙げられ、特に、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムが好ましい。
【0030】
無機酸としては、硫酸、燐酸、五弗化アンチモン、メチル硫酸、トリフルオロメチル硫酸、三弗化ホウ素、三塩化アルミニウム等が挙げられるが、特に硫酸が好ましい。
【0031】
(E)成分の調製方法は特に限定されるものではないが、硫酸/酸化ジルコニウムを例にあげると、硫酸水溶液又は硫酸アンモニウム水溶液を酸化ジルコニウムに含浸させたものを500℃〜600℃で焼結することにより、硫酸を酸化ジルコニウムに担持させて得ることができる。
【0032】
(E)成分は、通常、直径が好ましくは1μm以上、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μmの粉末の形で用いる。
【0033】
組成物中、(E)成分の含有量は、好ましくは0.25〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜2重量%である。(E)成分の含有量が0.25重量%以上であると難燃効果が得られ、10重量%以下であると機械的性質が低下することがない。
【0034】
本発明の組成物は、上記した(A)〜(E)成分を所定量配合してなるものであるが、その性能を阻害しない範囲で、各種添加剤、例えば、着色顔料、紫外線安定剤、離型剤、熱劣化安定剤、充填剤、滑剤、補強剤、可塑剤、色相改良剤、帯電防止剤を配合することができる。
【0035】
また、本発明の組成物には、膨張剤系以外の難燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、赤燐等の燐系化合物、トリアジン化合物やグアニジン化合物等の窒素系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤、有機燐酸エステル類等を配合することもでき、これらの中では有機燐酸エステル系の難燃剤が特に好ましい。
【0036】
本発明の組成物は、予め粉砕・篩分けし、直径が200μm以下の粉末にした膨張剤系成分(B)、(C)、及び(D)成分に(E)成分を加えたものを、溶融させた(A)成分中に添加し、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機等で混和して製造することができる。
【0037】
本発明の組成物は、大きな耐火特性を必要とするペンキ、塗料、接着剤に配合することができ、更に電気・電子部品、自動車部品を初めとする、(A)成分の合成樹脂が適用される各種分野の成形品としても適している。また、本発明の組成物は、耐火・遮断扉の内部被覆として用いると、火災時に膨張して炭化発泡体となって断熱効果を発揮するため望ましく、その他、電気ケーブル等の被覆剤としても適用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。次に、実施例、比較例で使用した各成分の詳細を示す。
(A)成分
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS):R65(東洋スチレン製)
ABS樹脂:セビアン500(ダイセル化学工業製)
ABS/PBTブレンド:セピアン500と、ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス社製、ジュラネックス400FP)との50/50(重量)ブレンド
PA6:ポリアミド(ユニチカ製の“ユニチカナイロンA1030BRF”)膨張剤系〔(B)/(C)の単一化合物+(D)成分〕
ポリ燐酸アンモニウム(APP)とジペンタエリトリトール(diPER)とからなる、APP/diPERの重量比が3/1の膨張剤系
ここで用いたポリ燐酸アンモニウムは、燐の含有量が29重量%であるクラリアントジャパン社から市販のエキゾリト(EXOLIT)422であり、ジペンタエリトリトールは広栄化学から市販されているジペントリットである
(E)成分
2SO4−ZrO2:硫酸−酸化ジルコニウム触媒(SZA−60、ジャパンエナジー社製)
2SO4−Al23:硫酸−酸化アルミニウム触媒(ジャパンエナジー社製)
実施例1〜8、比較例1〜5
表1に示したペレット状乃至は粉末状の各成分(重量%表示)をバレル中で乾燥状態で混合した後、二軸押出機で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを乾燥し、射出成形又はプレス成形機により試験片を作成し、JIS規格K7201により酸素指数(OI)(%で表示)を測定し、UL94燃焼試験を実施した(試験片の厚さ=3.2mm)。なお、熱可塑性樹脂がベースとなっている場合には射出成形機を用い、熱硬化性樹脂がベースになっている場合にはプレス成形機を用いた。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004717191
【0040】
表1から明らかなとおり、(E)成分を配合することにより、膨張剤系の配合量を30重量%未満にした場合でも酸素指数を高くすることができ、優れた難燃性が得られた。また、膨張剤系の配合量を30重量%未満にまで抑制することができるので、(A)成分の合成樹脂が本来有している機械的性質を損なうことがない。
【0041】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物は、酸素指数が高く、難燃性が非常に優れており、塗料、接着剤、各種成形体等の材料として好適であり、本発明の難燃性樹脂組成物を含んだ塗料、接着剤、成形体を組み合わせることにより、より一層難燃性を向上させることができる。

Claims (18)

  1. 下記の成分を含有する難燃性樹脂組成物。
    (A)合成樹脂、
    (B)多価アルコール又は炭水化物類、
    (C)発泡剤、
    (D)難燃性脱水剤及び
    (E)硫酸物理的に吸着されている金属酸化物。
  2. 金属酸化物が、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン−酸化珪素、酸化アルミニウム−酸化珪素、酸化チタン−酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウム−酸化ジルコニウムから選ばれる1又は2以上である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. (B)成分の多価アルコールが、ポリヒドロキシル化合物である請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. ポリヒドロキシル化合物が、モノペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びトリペンタエリトリトールから選ばれる1又は2以上である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  5. (C)成分の発泡剤が窒素含有化合物である請求項1〜のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 窒素含有化合物がメラミン、尿素、グアナゾール及びピペラジンの中から選ばれる1又は2以上である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  7. (D)成分の難燃性脱水剤が、燃焼時に酸を生成する燐を含む化合物である請求項1〜のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 酸発生化合物がアンモニウム塩又はエステル化合物である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  9. アンモニウム塩又はエステル化合物が燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アンモニウム及び燐酸メラミンから選ばれる1又は2以上である請求項記載の難燃性樹脂組成物。
  10. (C)成分の発泡剤と(D)成分の難燃性脱水剤とが単一化合物を形成している請求項1〜のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 単一化合物がアンモニウム塩である請求項10記載の難燃性樹脂組成物。
  12. 上記の単一化合物が、式:(NH4n+2n3n+1(ここで、nは2以上の整数)で示されるポリ燐酸アンモニウムである請求項10又は11記載の難燃性組成物。
  13. 〔(C)+(D)成分〕/(B)成分の重量比が1〜7である請求項1〜12のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  14. 組成物中に占める(E)成分の含有量が0.25〜10重量%であり、(B)、(C)及び(D)成分の合計含有量が1〜50重量%である請求項1〜13のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  15. 更に有機燐酸エステル系難燃化剤を配合した請求項1〜14のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  16. (A)成分の合成樹脂が、エチレン若しくはプロピレンのホモポリマー又は共重合体、スチレンのホモポリマー又は共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタンから選ばれる1又は2以上のものである請求項1〜15のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物を含む塗料又は接着剤。
  18. 請求項1〜16のいずれか1記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
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