JP4716905B2 - 導光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導光板及び液晶表示装置に関する。更に詳しくは、本発明は、ある面に入射した光源からの光を均一かつ減衰させることなく他の面から取り出しうる導光板及び、該導光板を備えた液晶表示装置に関する。
導光板は、例えば、液晶表示装置の構成部材として知られている。この導光板は、通常、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの表示面とほぼ同サイズであり、透明樹脂製の薄い板からなる。導光板の使用方法の一例を図1に示す。図1では、導光板1の側面に線状の光源(冷陰極線管)2が配設されている。また、液晶表示パネルの側の面(以下「発光面」という)には拡散シート4を、その反対面には反射シートを備えている。図1の構成は、一般的にバックライトユニットと称される。このような導光板の側面に入射した光は、導光板の中を反射と屈折を繰り返しながら、導光板の発光面から取り出される。導光板は、光源からの光を均一かつ高い輝度で液晶表示パネル側から取り出す必要がある。
導光板には、従来、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を素材とする透明板がそのまま用いられていた。しかし、こうした素材からなる導光板では上記特性を十分に満足させることはできなかった。特に、輝度の均一化を達成することは困難であった。
こうした不都合を解消するために、バックライトユニットを構成する反射シートにドットパターンを設けることが提案されている。ところが、ドットパターンを備える反射シートを有するバックライトユニットでは、導光板の発光面から取り出される光に、ドットパターン由来の明暗が生じるという問題がある。この問題を解決するため、光拡散シートを複数種設置する等の工夫がなされている。しかし、この工夫では、部材の点数が多くなるためコストが上昇するという課題がある。
更に、高輝度かつ均一化を目的として、透明板に粒子を混合する技術が提案されている。例えば、特開平4−29290号公報(特許文献1)には導光板中に透明樹脂粒子を埋設する方法が提案されている。また、特開平4−145485号公報(特許文献2)には無機粒子を含む光散乱性樹脂を導光板に用いる方法が提案されている。
特開平4−29290号公報 特開平4−145485号公報
しかしながら、上記公報に記載の技術では、輝度向上効果が少ないという課題があった。また、無機粒子を使用した場合、無機粒子は樹脂への分散性が悪いため、輝度の均一化が困難であるという課題があった。
そこで、光源からの光を均一かつ高い輝度で導くことのできる導光板の提供が望まれていた。
本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、重合体成分の内部及び表面にポリアルコキシシロキサンオリゴマー由来のシリカ成分が偏在したシリカ複合重合体粒子を導光板に使用した場合、光源からの光を均一かつ高い輝度で導くことが可能であることを意外にも見いだし、本発明に至った。
かくして本発明によれば、透明基材樹脂と、該透明基材樹脂に分散された粒子とを含む導光板であって、
該粒子と前記透明基材樹脂との屈折率差が0.01未満であり、
前記粒子が、重合性ビニルモノマー由来の重合体成分と、シリカ成分とを含むシリカ複合重合体粒子であり、
前記シリカ成分が、前記重合性ビニルモノマーに対し、不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー由来の縮合物であり、かつ、
前記シリカ成分が、前記シリカ複合重合体粒子を焼成して前記重合体成分を除去した場合、中空構造を有する球状又は略球状の外殻部と該外殻部に接しかつ中心に向かって凸部を形成する内殻部とを有するシリカ粒子になるように偏在してなることを特徴とする導光板が提供される。
また、本発明によれば、表示面及び裏面を有する液晶表示パネルと、前記裏面側に配置された上記導光板と、該導光板の側面に光を入射させる光源とを少なくとも備えたことを特徴とする液晶表示装置が提供される。
本発明の導光板は、特殊な形状のシリカ複合重合体粒子が透明基材樹脂中に配合されているので、光源からの光を均一かつ高い輝度で導くことができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の導光板は、図2に例示されるように、透明基材樹脂5と、この樹脂5に配合されたシリカ複合重合体粒子6とから構成されている。
透明基材樹脂とシリカ複合重合体粒子は、それらの屈折率差が0.01未満となる樹脂及び粒子が使用される。屈折率差が0.01以上の場合、導光板の光拡散性が高くなり(全光線透過率が低くなり)、出射する光の輝度が低くなってしまうため好ましくない。より好ましい屈折率差は、0.006未満である。なお、屈折率差の下限は0である。
上記構成成分の内、シリカ複合重合体粒子6は重合性ビニルモノマー由来の重合体成分と、重合体ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合物由来のシリカ成分とを含んでいる。更に、このシリカ複合重合体粒子を焼成することで、重合体成分を除去した場合、中空構造を有する球状又は略球状の外殻部と、外殻部に接しかつ中心に向かって凸部を形成する内殻部とを有するシリカ粒子が得られる。得られたシリカ粒子の概略断面図を図3に示す。本発明の発明者は、このシリカ粒子に対応する形状で、シリカ複合重合体粒子中に、シリカ成分が偏在していると考えている。このシリカ複合重合体粒子の概略図を図4に示す。図4中、7は重合体成分、8はシリカ成分を意味する。なお、凸部の形状及び大きさは、原料の種類及び量を変化させることで適宜調整できる。
上記シリカ複合重合体粒子を含む導光板は、アルミナのような無機粒子や、透明樹脂粒子を含む従来の導光板に比べ、均一かつ高い輝度を発現できることを発明者は見い出している。
本発明のシリカ複合重合体粒子は、焼成後のシリカ粒子の外殻部の開口率が0.5〜1となるようにシリカ複合重合体粒子中にシリカ成分が偏在していることが好ましい。シリカ粒子の開口率は、焼成時にシリカ成分が収縮したり、シリカ成分の端部の薄い領域が欠けたりする等して、外殻部に対応するシリカ成分の開口率と厳密にはその値が異なる場合があるが、発明者は、シリカ複合重合体粒子のシリカ成分の開口率とシリカ粒子の外殻部の開口率が略一致していることを確認している。開口率は、シリカ粒子の投影面積で開口部分の面積を割ることにより算出された値である。
更に、図3において、外殻部の高さhとシリカ粒子の直径Dとが、0.5≦h/D<1の関係を焼成後のシリカ粒子が有するように、シリカ成分がシリカ複合重合体粒子中に存在することが好ましい。シリカ粒子のh/Dは、焼成時にシリカ成分が収縮したり、シリカ成分の端部の薄い領域が欠けたりする等して、シリカ複合重合体粒子中のシリカ成分のh/Dと厳密にはその値が異なる場合があるが、発明者は、外殻部に対応するシリカ成分のh/Dとシリカ粒子のh/Dが略一致していることを確認している。
本発明の導光板において、シリカ複合重合体粒子の配合割合は、透明基材樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましい。配合割合が0.01重量部以上から輝度向上効果が良好に発揮される。また、配合割合が20重量部までの場合、光源から入射した光が、光源近傍で発光面に対して垂直方向に寄りに変換される割合を少なくでき、導光板の中央部分まで光を十分に到達させることができる。その結果、発光面の出光分布を適切なバランスにすることができる。このような適切なバランスは、特に15インチ以上の大型液晶表示装置において望まれている。更に、配合割合が20重量部までの場合、散乱により導光板の光源近傍の色調の変化が少なく、発光面内での出射光の色調分布を抑えることができる。なお、より好ましい配合割合は0.03〜15重量部である。
また、シリカ複合重合体粒子中のシリカ成分は、導光板100重量部に対して、0.001〜15重量部の範囲で導光板中に含まれていることが好ましく、0.005〜10重量部の範囲で含まれていることがより好ましい。この範囲でシリカ成分を含むことで、導光性及び光拡散性を高い次元で両立できる。なお、ここでのシリカ成分の含有量は、原料のポリアルコキシシロキサンオリゴマーの使用量から類推した値を意味する。
導光板は、通常、発光面と、発光面と対向する反対面と、発光面及び反対面とで規定される側面とからなる。導光板に光を入射させるための光源は、例えば、ノートパソコンの液晶表示装置、薄型の液晶TV等では側面に配置される。具体的には、発光面が四角形で、対応する側面が4面ある場合、少なくとも1つの側面に光源が配置されればよい。また、対向する2つの側面に一対の光源を配置しても、4つの側面全部に光源を配置してもよい。なお、導光板中で、導光され、拡散される光の波長は、可視光領域、赤外領域、紫外領域のいずれであってもよい。特に、液晶表示装置の用途においては、少なくとも可視光領域を含むことが好ましい。
導光板の形状は、特に限定されず、その使用用途に応じて適宜決定できる。例えば、発光面の形状として、長方形、正方形、多角形、円形、楕円形等が挙げられる。具体的には、発光面に垂直方向の側面の長さが、発光面の最大長に対して、1:500〜1:4であることが好ましい。より具体的には、側面の長さが1〜5mmであることが好ましく、発光面の最大長が2〜50cmであることが好ましい。
本発明の導光板は、通常、シリカ複合重合体粒子と透明基材樹脂とを溶融混練して得られた混練物を、押出成形、射出成形等により所望の形状に成形することにより得ることができる。ここで、シリカ複合重合体粒子は、透明基材樹脂に対する分散性が良好であるため、特に混練条件をシビアに設定せずとも両者を均一に混合できる。
次に、導光板の構成材料について説明する。
まず、導光板を構成する透明基材樹脂には、通常、熱可塑性樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。上記樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせてもよい。(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを意味する。
これらの中でも、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アクリル−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂は、優れた透明性を有しているので好ましい。
次に、シリカ複合重合体粒子は、重合体成分とシリカ成分とからなる。シリカ成分の配合量は、重合体成分100重量部に対して、10〜500重量部が好ましく、20〜300重量部がより好ましい。
このシリカ複合重合体粒子は、例えば、重合性ビニル系モノマーとポリアルコキシシロキサンオリゴマーとを含むモノマー組成物を水性媒体に懸濁させ、重合性ビニル系モノマーを重合させた後、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを縮合させることにより得られる。
本発明に使用できる重合性ビニル系モノマーは特には限定されない。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン及びその誘導体、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体がある。場合によっては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等も使用できる。更に、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
また、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタリン塩等を本発明の効果を妨げない範囲で1種もしくは2種以上組み合わせて使用することもできる。
上記重合性ビニル系モノマー中、コストの面で安価なスチレンやメタクリル酸メチル等が好ましい。
また、重合体成分はエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の2つ以上の官能基を持つモノマーで架橋されていてもよい。
シリカ成分の前駆体であるポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーに不活性(共重合しないことを意味する)であり、以下に示すような構造式のものが使用できる。
式中、Rは同一でも異なっていてもよい。
上記構造式の内、例えば、ポリメトキシシロキサン、ポリエトキシシロキサン、ポリプロポキシシロキサン、ポリブトキシシロキサン等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、難水溶性で、樹脂との相分離が良好であるポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーが好ましい。特に好ましいものは、重量平均分子量が300〜3000、より好ましくは300〜2000のポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーである。重量平均分子量が300未満及び3000を超える場合は、いずれも上記特定の構造のシリカ複合重合体粒子を形成し難くなるので好ましくない。
なお、重量平均分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
カラム:「TSK GEL」(東ソー社製)
G−1000H、
G−2000H
G−4000H
流出液:テトラハイドロフラン
流出速度:1ml/分
流出温度:40℃
テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の上記分子式でn=1〜2であるような低分子量アルコキシシロキサンでは、官能基の加水分解によって、水溶性が強くなるため、モノマー滴中に安定に存在させることが難しく好ましくない。また、上記分子式でn=40以上となるようなポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーとの相溶性や縮合性が低下するので好ましくない。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、10〜500重量部が好ましく、更に好ましくは20〜300重量部である。10重量部未満及び500重量部より多い場合、本発明の複合状態にすることが困難であるために好ましくない。
また、これらのポリアルコキシシロキサンオリゴマーに紫外線吸収等の機能付加の目的で、珪素系以外の加水分解性アルコキシ金属化合物を添加することもできる。
重合性ビニル系モノマーの重合には、重合開始剤が使用できる。重合開始剤としては、通常、水系懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤又はアゾ系重合開始剤が挙げられる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。
この中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が、重合開始剤の分解速度等の点で好ましい。
重合開始剤は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、0.01〜10重量部用いるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量部である。重合開始剤が0.01重量部未満では、重合開始の機能を果たし難く、また、10重量部を超えて用いる場合は、コスト的に不経済的であるため好ましくない。
なお、シリカ成分を着色するために、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化金属系顔料を使用してもよい。
上記重合性ビニル系モノマーと、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと、任意に重合開始剤とその他の成分は、公知の方法により均一に混合されてモノマー組成物とされる。
次に、モノマー組成物を水系懸濁重合させるための水性媒体としては、水、又は水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール)のような水溶性溶媒との混合媒体が挙げられる。水性媒体の使用量は、懸濁重合粒子の安定化を図るために、通常、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの合計100重量部に対して、100〜1000重量部である。
また、水系での乳化粒子の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を用いてもよい。
懸濁安定剤として、平均粒子径が150nm以下のコロイダルシリカを用いることが好ましい。150nm以下であれば重合体成分の表面及び内部にシリカ成分が偏在した構造のシリカ複合重合体粒子を容易に得ることができる。更に平均粒子径はできるだけ小さいことが好ましく、より好ましい平均粒子径は0.1〜70nmである。
ここでコロイダルシリカの平均粒子径は、窒素吸着法(BET法)により測定して得られる比表面積径である。平均粒子径(比表面積径)(Dnm)は、窒素吸着法で測定して、比表面積Sm2/gから、D=2720/Sの式によって与えられる。
コロイダルシリカとしては、沈降性シリカパウダー、気相法シリカパウダー等パウダー状のコロイダルシリカ、媒体中で一次粒子レベルまで安定分散させたコロイダルシリカのゾルが使用できる。この内、後者が好ましい。コロイダルシリカのゾルとしては水性シリカゾルとオルガノシリカゾルがありどちらも適用可能である。特に、シリカ複合重合体粒子の製造に水性媒体を用いるため、コロイダルシリカのゾルの分散安定性の面から水性コロイダルシリカを使用することが最も好ましい。コロイダルシリカのゾル中のシリカ濃度は5〜50重量%のものが一般に市販されており、容易に入手できるので好ましい。
コロイダルシリカは、水性懸濁液中に0.5〜20重量%の濃度で含まれていることが好ましい。
更に必要に応じて他の懸濁安定剤を添加してもよい。例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等難水溶性無機化合物の分散安定剤等が挙げられる。この中でも第三リン酸カルシウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウムやピロリン酸カルシウムは重合体成分を安定して得ることが可能であるため好ましい。
また、上記懸濁安定剤と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤とを併用することも可能である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
これら懸濁安定剤や界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、得られる重合体成分の径と重合時の分散安定性を考慮して、懸濁安定剤の選択や使用量を適宜調整して使用される。通常、懸濁安定剤の添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して0.5〜15重量部であり、界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である。
このようにして調整された水性媒体にモノマー組成物を添加して、水系懸濁重合を行う。
モノマー組成物の分散方法として、例えば、水性媒体中にモノマー組成物を直接添加し、プロペラ翼等の攪拌力によりモノマー滴として水性媒体に分散させる方法、ローターとステーターから構成される高せん断力を利用する分散機であるホモミキサー、もしくは超音波分散機等を用いて分散させる方法等が挙げられる。この内、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のモノマー液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機やMPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通してモノマー組成物を水性媒体中に圧入させる等の方法によって分散させれば、粒子径をより均一にそろえられて好ましい。
次いで、モノマー組成物が球状のモノマー滴として分散された水性懸濁液を、加熱することにより懸濁重合を開始させる。重合反応中は、水性懸濁液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は例えば、モノマー滴の浮上や重合後の粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
懸濁重合において、重合温度は30〜100℃程度にするのが好ましく、更に好ましくは、40〜80℃程度である。そしてこの重合温度を保持する時間としては、0.1〜20時間程度が好ましい。
なお、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの沸点が重合温度付近又は重合温度以上である場合には、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーが揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下あるいは加圧下で重合させるのが好ましい。
次に、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを縮合させることでシリカ複合重合体粒子を得ることができる。ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合方法としては、酸触媒や塩基触媒を用いた脱水縮合が挙げられる。酸触媒及び塩基触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硝酸アンモニウム、ピロリン酸ナトリウム等を用いることができる。なお、製造容器が鋼製やステンレス製である場合、腐食等の面から、塩基性の水酸化ナトリウムやアンモニア、ピロリン酸ナトリウム等が好ましい。触媒の添加量は、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。より好ましくは、1〜15重量部である。
縮合後、シリカ複合重合体粒子を吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキとして分離し、更に、得られた含水ケーキを水洗し、乾燥して目的のシリカ複合重合体粒子を得ることができる。
本発明のシリカ複合重合体粒子は、大きさ及び形状は特に限定されない。上記シリカ複合重合体粒子の製造方法によれば、1〜100μmの平均粒子径の粒子を得ることができる。
ここで、粒子の平均粒子径の調整は、モノマー組成物と水との混合条件、懸濁安定剤や界面活性剤等の添加量及び上記攪拌機の攪拌条件、分散条件を調整することで可能である。
更に、本発明では、上記導光板を供えた液晶表示装置が提供される。液晶表示装置の構成は、上記導光板を含みさえすれば、特に限定されない。例えば、図5に示すように、液晶表示装置は、表示面及び裏面を有する液晶表示パネル10と、このパネルの裏面側に配置された導光板1と、導光板の側面に光を入射させる光源2とを少なくとも備えている。また、導光板1の液晶表示パネル10の対向面と反対面側に反射シート3を備えている。この光源2の配置は、一般にエッジライト型バックライト配置と称される。
液晶表示パネルは、一対の基板(11、12)間に液晶層13が挟まれた構成を有している。基板の液晶層側には、電極(14、15)及び、電極を覆う配向膜(16、17)を備えている。ここで、電極には、薄膜トランジスタが含まれていてもよい。更に、液晶表示パネルは、偏光シート、反射防止シート等を備えていてもよい。
導光板の液晶パネル側の発光面には、拡散シート、プリズムシート等が配置されていてもよい。また、発光面に対向する裏面には、反射シートが配置されていてもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の各性質の評価方法を下記する。
(平均粒子径の測定)
平均粒子径はマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した値である。測定方法はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズを50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力(アパチャーサイズ等は必要に応じて変更して入力可能である)してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。平均粒子径は、この測定値の平均値である。
(屈折率測定方法)
(1)シリカ複合重合体粒子の屈折率測定方法
スライドガラス上に重合体粒子を0.001gのせ、刊行物「アタゴ屈折計データブック」(株式会社アタゴ刊行)により任意に選出した屈折率の液体有機化合物0.2mlで該粒子を分散させ、サンプルプレートを作製する。
次に、各サンプルプレートを光学顕微鏡にセットし、光源にナトリウムランプを用いて観察し、各液体有機化合物の屈折率既知の温度において、粒子の輪郭が見えなくなることを確認し、このとき用いた液体有機化合物の屈折率を、粒子の屈折率とする。
なお、液体有機化合物及びその屈折率として、上記刊行物には、例えば、
「フリフリルアミン(17℃)…屈折率1.4900、
p−ジエチルベンゼン…屈折率1.4948」
と記載されているが、屈折率としては、小数点第4位を四捨五入したものを採用する。また、p−ジエチルベンゼンのごとく特に温度が記載されていないものについては、20℃において粒子の輪郭の有無を確認する。
下記製造法においては、各製造例と同様に別途調整したモノマー組成物を用い、それぞれモノマーをラジカル重合させて重合体粒子とした後、ポリシロキサンオリゴマーを縮合させずに、該重合体粒子を取り出し、トルエンを用いて洗浄し、ポリシロキサンオリゴマーを完全に洗い流したものを対象として上記のごとく屈折率を測定する。
(2)透明基材樹脂の屈折率測定方法
透明基材樹脂を粒子状(1粒あたり1mg以下程度)に粉砕したものを、上記シリカ複合重合体粒子の場合と同様の方法により測定する。
(導光板の輝度測定及び輝度ムラの目視評価方法)
導光板の厚み4mmの側面に太さ4mmの冷陰極管を置き、更に導光板上に、プリズムシート(「BEF II」商品名:住友スリーエム社製)及び光拡散フィルム(「ライトアップ100S」商品名:きもと社製)をこの順で2枚重ねて置き、また導光板の下の反射シート(「ルミラーE60L」商品名:東レ社製)を置き、導光板から30cm離れた位置に固定した輝度計(「CS−100」商品名:コニカミノルタ社製)で導光板を通過する光量(輝度)を測定する。また、目視観察によって輝度ムラも評価する。
(1)シリカ複合重合体粒子の製造例及び比較製造例
製造例1
水1750gに対し、懸濁安定剤としてスノーテックスO−40(日産化学社製:平均粒子径20〜30nmのコロイダルシリカ40重量%溶液)250gを混合させた分散媒を、攪拌装置を有する重合容器に入れた。
別途、単官能性の重合性ビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル700g、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS57(三菱化学社製:平均分子量1300〜1500、Rがメチル、nの平均が15〜18)300g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを均一に溶解してなるモノマー組成物を調製した。
このモノマー組成物を上記分散媒に加えて、ホモミキサーにて6000rpmで約10分攪拌して、モノマー組成物を微分散した。
その後、攪拌速度300rpmで攪拌を継続させ、モノマー組成物を加えた分散媒の温度が60℃になってから4時間懸濁重合を行うことで重合性ビニル系モノマーを重合させて重合体成分とし、更にピロリン酸ナトリウムを60g添加して、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合を行った。
次いで、攪拌しながら重合容器内の反応液を室温(約30℃)まで冷却し、重合体成分表面にポリアルコキシシロキサンオリゴマー由来のシリカ成分が局在的に被覆したシリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子を脱水、乾燥させることで目的の粒子を取り出した。得られたシリカ複合重合体粒子の平均粒子径は8.6μmである。
重合体成分とシリカ成分の複合状態を確認するために、上記シリカ複合重合体粒子を、500℃の電気炉で焼成して重合体成分を除去し、シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察を行った。シリカ粒子の形状は半球のおわん内部に球状の突起(種)のある形状をしていた。そのため、シリカ成分がシリカ複合重合体粒子中に偏在していたこと、言い換えればシリカ複合重合体粒子表面に位置するシリカ粒子の外殻部に対応する第1のシリカ成分と、この表面層と接しかつシリカ複合重合体粒子中心に向かって凸部を形成するシリカ粒子の内殻部に対応する第2のシリカ成分とからなっていたことが確認できた。電子顕微鏡写真を図6に示す。
製造例2
メタクリル酸メチル900g、MKCシリケートMS57を100g用いたこと以外は製造例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は8.1μmであった。製造例1と同様に焼成したところ、シリカ粒子の形状は半球のおわん内部に球状の突起のある形状をしており、製造例1と同様に、シリカ成分がシリカ複合重合体粒子中に偏在していたことが確認できた。
製造例3
メタクリル酸メチル200g、MKCシリケートMS57を800g用いたこと以外は製造例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は7.9μmであった。製造例1と同様に焼成したところ、シリカ粒子の形状は半球のおわん内部に球状の突起のある形状をしており、製造例1と同様に、シリカ成分がシリカ複合重合体粒子中に偏在していたことが確認できた。
比較製造例1
水2000gに対し、懸濁安定剤として複分解法によるピロリン酸マグネシウム50gを混合させた分散媒を、攪拌装置を有する重合容器に入れ、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.4g、重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.2gを前記分散媒に溶解させた。
別途、単官能性の重合性ビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル700g、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS57を300g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを均一に溶解してなるモノマー組成物を調製した。
このモノマー組成物を上記分散媒に加えて、ホモミキサーにて7000rpmで約10分攪拌して、モノマー組成物を微分散した。
その後、攪拌速度300rpmで攪拌を継続させ、モノマー組成物を加えた分散媒の温度が60℃になってから4時間懸濁重合を行うことで重合性ビニル系モノマーを重合させて重合体成分を得、更に水酸化ナトリウムを20g添加して、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合を行った。
次いで、攪拌しながら重合容器内の反応液を室温まで冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解しシリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子を脱水、乾燥させることで目的の粒子を取り出した。得られたシリカ複合重合体粒子の平均粒子径は8.8μmである。
重合体成分とシリカ成分の複合状態を確認するために、上記シリカ複合重合体粒子を、500℃の電気炉で焼成して重合体成分を除去し、シリカ粒子を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察を行った。シリカ粒子は内部に突起のない半球のおわん形状をしており、重合体成分を被覆していたことがわかる。
(2)導光板の実施例及び比較例
実施例1
製造例1のシリカ複合重合体粒子を、メタクリル酸メチル樹脂(住友化学社製スミペックスEXA)300gに対し3g添加し、フードミキサーにて3分間ブレンド後、射出成形機に供給して射出成形し、長さ300mm、幅275mm、厚さ4mmの導光板を得た。
この導光板の輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
実施例2
製造例2のシリカ複合重合体粒子を、メタクリル酸メチル樹脂300gに対して、45g添加したこと以外は実施例1と同様にして、導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
実施例3
製造例3のシリカ複合重合体粒子を、メタクリル酸メチル樹脂300gに対して、0.15g添加したこと以外は実施例1と同様にして、導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
実施例4
製造例4のシリカ複合重合体粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
比較例1
シリカ複合重合体粒子に代えて、真球状ポリマー粒子(「MBX−12」製品名:積水化成品工業社製)をメタクリル酸メチル樹脂300gに対して、3g添加したこと以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
比較例2
シリカ複合重合体粒子に代えて、アルミナ粒子(一次粒子径0.5μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
比較例3
比較製造例1のシリカ複合重合体粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。更に、実施例1と同様にして輝度を測定し、輝度ムラを目視観察した。結果を下記表1に示す。
表1から、実施例1〜4の導光板は、ポリマー粒子単体(比較例1)や無機粒子(比較例2)を含む導光板に比べ、光源からの光を均一かつ高い輝度で導くことができることがわかる。
また、実施例1と比較例3とから、シリカ成分が内殻部を有することで、輝度をより向上できることが分かる。
バックライトユニットの概略図である。 本発明の導光板の概略図である。 シリカ粒子の概略断面図である。 シリカ複合重合体粒子の概略図である。 液晶表示装置の概略断面図である。 製造例1のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 導光板
2 光源
3 反射シート
4 拡散シート
5 透明基材樹脂
6 シリカ複合重合体粒子
7 重合体成分
8 シリカ成分
10 液晶表示パネル
11、12 基板
13 液晶層
14、15 電極
16、17 配向膜

Claims (5)

  1. 透明基材樹脂と、該透明基材樹脂に分散された粒子とを含む導光板であって、
    該粒子と前記透明基材樹脂との屈折率差が0.01未満であり、
    前記粒子が、重合性ビニルモノマー由来の重合体成分と、シリカ成分とを含むシリカ複合重合体粒子であり、
    前記シリカ成分が、前記重合性ビニルモノマーに対し、不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー由来の縮合物であり、かつ、
    前記シリカ成分が、前記シリカ複合重合体粒子を焼成して前記重合体成分を除去した場合、中空構造を有する球状又は略球状の外殻部と該外殻部に接しかつ中心に向かって凸部を形成する内殻部とを有するシリカ粒子になるように偏在してなることを特徴とする導光板。
  2. 前記シリカ複合重合体粒子が、前記導光板の側面から入射した光を、その表面から取り出せるように、前記透明基材樹脂中に分散されてなる請求項1に記載の導光板。
  3. 前記シリカ複合重合体粒子が、透明基材樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲で含まれる請求項1又は2に記載の導光板。
  4. 前記シリカ成分が、前記導光板100重量部に対して、0.001〜15重量部の範囲で含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の導光板。
  5. 表示面及び裏面を有する液晶表示パネルと、前記裏面側に配置された請求項1〜4のいずれか1つに記載の導光板と、該導光板の側面に光を入射させる光源とを少なくとも備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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