JP4716713B2 - 温度センサ及び温度センサ設置装置 - Google Patents
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Description
このような温度センサを製造するためには、金型をはじめ樹脂の配合装置、注入装置、硬化装置等、高価な製造設備が必要である。
さらにまた、樹脂が冷温水に直接さらされて生じる歪みに計測機能が影響される虞もある。
このように、冷温水中に配設される温度センサは、コスト的に割高の要因を有するのみならず、計測値誤差が増大する要因も孕んでいた。
低コストで冷温水中でも十分な機械的強度を備え正確な温度データを出力温度センサが求められている。
温度センサを冷温水中で所定深さで設置できるような温度センサ設置装置が求められている。
被測定対象の温度値を計測する計測部と、温度値を補正する補正部と、温度値を温度データ信号に変換して通信回線を介して温度データ信号を伝送する通信部と、通信を制御する通信インターフェイスと、を有するセンサと、
センサとの通信回線及び電源供給線を形成するケーブルと、
開口部を有し、ケーブル端末と接続されたセンサを収納するケースと、
ケーブルに挿通されており、ケーブルとケースにより形成される円環状の開口部を塞ぐように配置される略筒形のシールドと、
前記ケース内に設けられ、ケーブル端末と接続されたセンサを封止する硬化性樹脂組成物によるモールドと、
シールドに密接するようにケースに設けられた二重のカシメ部と、カシメ部を含むケースおよびケース開口部付近のケーブルを封止する防水チューブと、を有し、ケースのカシメ部がシールドをケーブルへ押圧することでケースとシールドとの境界およびシールドとケーブルとの境界をともに密着固定して気密水密構造とする防水処置部と、
によるセンサ部を備え、被測定対象の温度値をケーブルを介してセンタ側に伝送することを特徴とする。
請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記モールドは、無機質粉粒体を添加する硬化性樹脂組成物により形成することを特徴とする。
被測定対象の温度値を計測する計測部と、温度値を補正する補正部と、温度値を温度データ信号に変換して通信回線を介して温度データ信号を伝送する通信部と、通信を制御する通信インターフェイスと、を有するセンサと、
センサとの通信回線及び電源供給線を形成するケーブルと、
開口部を有し、ケーブル端末と接続されたセンサを収納するケースと、
ケーブルに挿通されており、ケーブルとケースにより形成される円環状の開口部を塞ぐように配置される略筒形のシールドと、
ケーブル端末とセンサとの接続部を覆う絶縁チューブと、接続部,センサおよび絶縁チューブを封止する封止樹脂と、ケーブル端末に配置されるシールドと封止樹脂を覆う防水テープと、防水テープを覆うシリコーングリースと、を有し前記ケース内に設けられるモールドと、
シールドに密接するようにケースに設けられたカシメ部と、カシメ部,ケース,シールドおよびケーブルにより形成される空間内に充填され,ケース開口部付近のケーブルを封止する開口部封止樹脂と、ケース開口部,開口部封止樹脂およびケーブルを外界から覆う封止テープと、カシメ部を含むケース,封止テープおよび封止テープ付近のケーブルを外界から覆う防水チューブと、を有し、ケースのカシメ部がシールドをケーブルへ押圧することでケースとシールドとの境界およびシールドとケーブルとの境界をともに密着固定して気密水密構造とする防水処置部と、
によるセンサ部を備え、被測定対象の温度値をケーブルを介してセンタ側に伝送することを特徴とする。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の温度センサにおいて、
ケーブルに複数のセンサ部を直列接続する構成とし、列の先頭であってケーブル先端に接続される先端センサ部と、列の最後となるようにケーブルに接続される終端センサ部と、先端センサ部と終端センサ部の間となるようにケーブルに接続される1または複数の中間センサ部と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の温度センサにおいて、
直線状に連設した複数センサ部に対して昇順または降順のそれぞれ異なるID番号を付与することを特徴とする。
請求項5に記載の温度センサにおいて、
ケーブルに挿通されるチューブ状の銘板をセンサ部の近傍に設け、この銘板には近傍にあるセンサ部に付与されたID番号を表記することを特徴とする。
槽内に位置するアンカを連結して垂下するワイヤと、
センサ部又は/及びケーブルとワイヤとを固着する締付治具と、
を備え、
槽内に貯留する冷温水に、請求項1〜請求項6の何れか一項記載の温度センサの各センサ部をワイヤと併設することを特徴とする。
請求項7に記載の温度センサ設置装置において、
一端にアンカを連結し他端に浮きまたは締結部に連結したワイヤとし、
アンカを槽内に載置してワイヤを冷温水中に直線立設させることを特徴とする温度センサ。
本形態の温度センサ10は、図1で示すように、複数個(図1では具体化のため3個として図示している)のセンサ部を備え、先端センサ部11、中間センサ部12、終端センサ部13を備えている。なお、3個に限定する趣旨ではなく、例えば、先端センサ部11のみで1個の場合、先端センサ部11と終端センサ部13とで2個の場合、先端センサ部11、n(nは自然数)個の中間センサ部12、終端センサ部13とでn+2個の場合があるが、いずれでも本形態は採用可能である。
中間センサ部12および終端センサ部13は、中間ケース2、センサ3、ダイオード4,モールド5、シールド6、防水処置部7を備えている。
三芯ケーブル14は、三芯シールド線14aが引き出されてセンサ3と接続されている。三芯シールド線14aは複数のセンサ3との間で通信する通信回線、及び、センサ3への電源供給線として機能する。
また、三芯ケーブル14には銘板15が設けられる。
中間ケース2は、本発明のケースの他の具体例であり、略円筒状を有しており、先端ケース1と同様に金属・プラスチックを材料としている。この中間ケース2は、中間センサ部12および終端センサ部13で用いられる。
計測部3aは、半導体熱電対等サーミスタ素子であり、温度値を出力する。
補正部3bは、温度値を校正して実際に近い温度値に補正して出力する。
通信部3cは、三芯ケーブル14の末端で接続されるコンピュータ等のデータ処理部(図示せず)と通信するための温度データ信号を出力する。
通信部I/F3dは、他の通信部I/F3dを中継してコンピュータ等のデータ処理部(図示せず)と通信信号を送受信する。
なお、先端部では特に保護回路3eが設けられ、反射対策等電気的な保護がなされている。
ダイオード4は、点灯により温度センサ設置数を認識する。
このモールド5について説明する。モールド5は、常温において液状を呈し、硬化剤を配合して硬化する硬化性樹脂であって、特に作業性と反応性を調整し易いエポキシ系硬化樹脂も用いている。
また、図示しないが、三芯シールド線14aやセンサ3の表面のみ硬化性樹脂組成物により覆うようにして先端ケース1,中間ケース2の中に空間があるようにしても良い。この場合は、熱変化によりモールド5の歪みが起きても空間により逃げて、歪みによる力が加わる事態を防止する。
さらにまた、三芯シールド線14aやセンサ3の表面のみ硬化性樹脂組成物により覆うようにし、その上で他の柔軟な充填物(例えばシリコーン樹脂)を充填して水密気密構造としても、歪みによる力が加わる事態を防止できる。
これら温度センサ10の大きさ、形状、計測精度或いは温度センサ10が使用される周囲条件等に応じて形成すればよい。
カシメ部7bは、先端ケース1や中間ケース2に対してカシメにより二カ所に二重のカシメ部7bを形成して固定される。二重のカシメ部は先端ケース1や中間ケース2に環状の溝が形成されて、この溝がシールド6に密着して水密性・気密性を維持している。
防水チューブ7aは、詳しくは熱収縮チューブであり、先端部では先端ケース1,三芯ケーブル14を覆うように、また、他の箇所では中間ケース2,三芯ケーブル14を覆うよう配置して熱収縮させて密着固定している。特に二重のカシメ部7bによる溝に入り込んで、防水処置を確実にする。
温度センサ設置装置20は、ワイヤ21、アンカ22、複数の締付治具23を備えている。
アンカ22は、ワイヤ21の先端に取付けられている。これにより、ワイヤ21がまっすぐに伸びる。
締付治具23は、ワイヤ21に複数個が固定されるとともに、先端センサ部11の先端ケース1,中間センサ部12、終端センサ部13の中間ケース2を締結固定できるようになされている。これら締付治具23は、8の字状治具等であるが、例えば、締付バンド等を採用してもよい。
なお、このような温度センサ10および温度センサ設置装置20を併せて一体構造とした温度センサとしてもよい。
温度センサ10は、先に述べたように三芯ケーブル14を介して直列状に連設して複数のセンサ(先端センサ部11、中間センサ部12、終端センサ部13)がそれぞれ配置されている。
このような温度センサ10を取り付ける温度センサ設置装置20を組立てる。まず、ワイヤ21の先端にアンカ22を取付け、さらに、このワイヤ21に締付治具23を使用して温度センサ10の先端センサ部11、中間センサ部12、および、終端センサ部13を締結する。
また、特に空調用蓄熱槽や各種プラントのタンク或いは養殖用生簀等比較的大量の冷温水を扱う設備では、蓄熱槽やタンクに貯留する冷温水の水面近傍から水深まで多くの箇所で水圧や対流に充分に耐えることができるようになって正確な温度データを取込み、温度分布を把握する等して設備の制御や管理を施すことができるようになる。
また、冷温水槽の周囲設備構造の都合等により、一端にアンカを他端に浮き(図示せず)を連結したワイヤのアンカを冷温水槽底面に載置して、ワイヤを冷温水中に立設するようにしてもよい。さらには一端を単に締結部に固定して静止させるようにしてもよい。
先端センサ部11’は、先端ケース1、センサ3、ダイオード4、モールド5’、シールド6、防水処置部7’を備えている。
中間センサ部12’および終端センサ部13’は、中間ケース2、センサ3、ダイオード4,モールド5’、シールド6、防水処置部7’を備えている。
本形態では防水機能を向上させるため特にモールド5’および防水処置部7’を変更した点が相違する。本形態では相違点のみ説明し、他の構成は同じ符号を付するとともに先に説明した構成と同じであるものとし、重複する説明を省略する。
絶縁チューブ5dは、三芯ケーブル14の端末から引き出された三芯シールド線14aとセンサ3との三本の接続部をそれぞれ覆う。
シリコーングリース5aの塗布についてであるが、防水テープ5bの表面に塗布してから先端ケース1へ挿入する方法では先端ケース1の開口部で削げ落ちるため採用できない。そこで、シリコーングリース5aを先にノズル等で先端ケース1内へ注入し、後から防水テープ5bで覆われたセンサ等を挿入してシリコーングリース5aをシールド6まで到達する程度に押し拡げて充填する。または、先端部のみ充填されるようにする。
このようにしてモールド5’が形成される。
まず、カシメ部7bが先端ケース1に設けられる。これにより、モールド5’が充填されたセンサ側が外界から封止される。
続いて開口部封止樹脂7cが、カシメ部7b、先端ケース1、シールド6および三芯ケーブル14により形成される空間内に充填され、ケース開口部付近から三芯ケーブル14が引き出された状態で開口部を外界から封止する。
続いて、防水チューブ7aが、カシメ部7bを含む先端ケース1、封止テープ7d、および、封止テープ7d付近の三芯ケーブル14を覆うように嵌められた後に加熱されて収縮して、これらを外界から覆う。
このように多重に封止するため、先端センサ部11’は気密水密構造を実現する。
さらに本形態で説明した先端センサ部11’、中間センサ部12’および終端センサ部13’を図3で示した温度センサ設置装置の先端センサ部11、中間センサ部12および終端センサ部13に代えて適用することで、防水能力が高い温度センサとすることができ、例えば、水流が速く流れるような冷温水槽30でも適用できる。
冷温水槽30は、空調用蓄熱槽であって二次配管から流出・流入して大量の冷温水が混在している。温度センサ10は、空調用蓄熱槽に貯留する冷温水の温度を計測して温度データ信号を出力し、MicroLAN40を介してMicroLAN変換器50へ出力する。MicroLAN変換器50は、MicroLANの通信プロトコルにより温度データ信号を上位ネットワーク60の通信プロトコルに変換して上位機器70へ出力する。
1:先端ケース
2:中間ケース
3:センサ
3a:計測部
3b:補正部
3c:通信部
3d:通信インターフェイス(以下通信I/F)
3e:保護回路
4:ダイオード
5,5’:モールド
5a:シリコーングリース
5b:防水テープ
5c;封止樹脂
5d:絶縁チューブ
6:シールド
7,7’:防水処置部
7a:防水チューブ
7b:カシメ部
7c:開口部封止樹脂
7d:封止テープ
11:先端センサ部
12:中間センサ部
13:終端センサ部
14:三芯ケーブル
14a:三芯シールド線
15:銘板
20:温度センサ設置装置
21:ワイヤ
22:アンカ
23:締付治具
30:冷温水槽
40:MicroLAN
50:MicroLAN変換器
60:上位ネットワーク
70:上位機器
Claims (8)
- 被測定対象の温度値を計測する計測部と、温度値を補正する補正部と、温度値を温度データ信号に変換して通信回線を介して温度データ信号を伝送する通信部と、通信を制御する通信インターフェイスと、を有するセンサと、
センサとの通信回線及び電源供給線を形成するケーブルと、
開口部を有し、ケーブル端末と接続されたセンサを収納するケースと、
ケーブルに挿通されており、ケーブルとケースにより形成される円環状の開口部を塞ぐように配置される略筒形のシールドと、
前記ケース内に設けられ、ケーブル端末と接続されたセンサを封止する硬化性樹脂組成物によるモールドと、
シールドに密接するようにケースに設けられた二重のカシメ部と、カシメ部を含むケースおよびケース開口部付近のケーブルを封止する防水チューブと、を有し、ケースのカシメ部がシールドをケーブルへ押圧することでケースとシールドとの境界およびシールドとケーブルとの境界をともに密着固定して気密水密構造とする防水処置部と、
によるセンサ部を備え、被測定対象の温度値をケーブルを介してセンタ側に伝送することを特徴とする温度センサ。 - 請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記モールドは、無機質粉粒体を添加する硬化性樹脂組成物により形成することを特徴とする温度センサ。 - 被測定対象の温度値を計測する計測部と、温度値を補正する補正部と、温度値を温度データ信号に変換して通信回線を介して温度データ信号を伝送する通信部と、通信を制御する通信インターフェイスと、を有するセンサと、
センサとの通信回線及び電源供給線を形成するケーブルと、
開口部を有し、ケーブル端末と接続されたセンサを収納するケースと、
ケーブルに挿通されており、ケーブルとケースにより形成される円環状の開口部を塞ぐように配置される略筒形のシールドと、
ケーブル端末とセンサとの接続部を覆う絶縁チューブと、接続部,センサおよび絶縁チューブを封止する封止樹脂と、ケーブル端末に配置されるシールドと封止樹脂を覆う防水テープと、防水テープを覆うシリコーングリースと、を有し前記ケース内に設けられるモールドと、
シールドに密接するようにケースに設けられたカシメ部と、カシメ部,ケース,シールドおよびケーブルにより形成される空間内に充填され,ケース開口部付近のケーブルを封止する開口部封止樹脂と、ケース開口部,開口部封止樹脂およびケーブルを外界から覆う封止テープと、カシメ部を含むケース,封止テープおよび封止テープ付近のケーブルを外界から覆う防水チューブと、を有し、ケースのカシメ部がシールドをケーブルへ押圧することでケースとシールドとの境界およびシールドとケーブルとの境界をともに密着固定して気密水密構造とする防水処置部と、
によるセンサ部を備え、被測定対象の温度値をケーブルを介してセンタ側に伝送することを特徴とする温度センサ。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の温度センサにおいて、
ケーブルに複数のセンサ部を直列接続する構成とし、列の先頭であってケーブル先端に接続される先端センサ部と、列の最後となるようにケーブルに接続される終端センサ部と、先端センサ部と終端センサ部の間となるようにケーブルに接続される1または複数の中間センサ部と、を備えることを特徴とする温度センサ。 - 請求項4に記載の温度センサにおいて、
直線状に連設した複数センサ部に対して昇順または降順のそれぞれ異なるID番号を付与することを特徴とする温度センサ。 - 請求項5に記載の温度センサにおいて、
ケーブルに挿通されるチューブ状の銘板をセンサ部の近傍に設け、この銘板には近傍にあるセンサ部に付与されたID番号を表記することを特徴とする温度センサ。 - 槽内に位置するアンカを連結して垂下するワイヤと、
センサ部又は/及びケーブルとワイヤとを固着する締付治具と、
を備え、
槽内に貯留する冷温水に、請求項1〜請求項6の何れか一項記載の温度センサの各センサ部をワイヤと併設することを特徴とする温度センサ設置装置。 - 請求項7に記載の温度センサ設置装置において、
一端にアンカを連結し他端に浮きまたは締結部に連結したワイヤとし、
アンカを槽内に載置してワイヤを冷温水中に直線立設させることを特徴とする温度センサ設置装置。
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