JP4716208B2 - 遮水層およびその形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場等の施設を造成するに際して、現場にて形成される粘性土からなる遮水層とその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遮水層は、現場発生土にベントナイトを混合し、それを現場にて敷均し、締固めることで形成されることが従来一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の場合、ベントナイトは高価である、良質の現場発生土が得られない場合がある、現場発生土の含水比が一定でない場合には遮水層の品質管理が困難である、遮水層のトラフィカビリティーが十分でなく転圧が難しい、といった問題があり、これらの問題を解決し得る有効な改善策が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、廃棄物処分場等の施設を造成するに際して、現場にて粘性土を敷均し締固めることで形成される遮水層であって、粘性土として脱水ケーキが採用されるとともに、その粘性土に砂礫材として最大粒径30mm以下の砕石ズリが混合されてシルト以下の微細粒分の配合比が重量比55〜65%の範囲に設定された混合土が調製され、その混合土が95%以上の締固め度で締固められてなることを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1の発明の遮水層であって、混合土にはセメント系硬化材が配合され、かつその配合比が重量比3〜10%に設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の遮水層を形成するに際し、予め調製した混合土を現場にて敷均した後、タンピングローラーまたは振動ローラー等の締固め機により締固めて15〜30cmの層厚の遮水層を形成し、かつその遮水層を積層した状態で順次形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図7を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、遮水層を形成するための粘性土として、従来一般のベントナイトに代えて脱水ケーキを採用し、その脱水ケーキに砂礫材として砕石ズリを混合して用いる。粘性土として用いる脱水ケーキは、たとえば砕石工場や濁水処理設備等において廃棄物として発生するもので、図1(a)に示すようにシルト以下の微細粒分(0.075mmふるい通過分)が90%程度のものが好適に採用可能である。また、砂礫材として用いる砕石ズリは、砕石としては規格外のもので良いが、同じく図1(a)に示すように最大粒径が30mm以下、微細粒分が10%程度のものが好適に採用可能である。
【0008】
本実施形態では、上記の脱水ケーキと砕石ズリとを混合して、図1(b)に示すようにシルト以下の微細粒分が重量比60%程度の混合土を調製し、その混合土に必要に応じてセメント系硬化材を配合して用いる。セメント系硬化材としてはたとえば高炉セメントB種が好適に採用可能であり、その配合比は重量比3〜10%程度とすることが好適である。
【0009】
そして、本実施形態では、上記のように調製した混合土を現場にて敷均し締固めることで、図2に示すように遮水層Aを3層にわたって順次積層した状態で形成するものであり、以下、その工程を図3〜図7を参照して説明する。
【0010】
図3は全体工程を示す図、図4〜図7は各工程の概要を示すものである。施工に先立ち、現場周辺に混合ヤードを確保しておく。
【0011】
まず、図4に示すように、粘性土としての脱水ケーキaをトラクターショベル1によりダンプトラック2に積み込みんで、混合ヤードに搬送する。
【0012】
図5(a)に示すように、混合ヤードにおいてバックホウ3および自走式土質改良機4を用いて脱水ケーキaの1次粉砕を行う。また(b)に示すように砕石ズリbを混合ヤードに搬送し、(c)に示すようにバックホウ3を用いて脱水ケーキaと砕石ズリbとの1次混合を行い、さらに(d)に示すようにバックホウ3と自走式土質改良機4を用いて2次混合を2回にわたって行い、混合土cを調製する。その混合土cにおける粘性土(シルト以下の微細粒分)の配合比は上述のように重量比60%程度とする。
【0013】
さらに、図6(a)に示すように自走式土質改良機4を用いて混合土cに3%程度の配合比でセメント系硬化材を混合する。そして、図3に示すようにこの段階で土質試験を行って混合土cの配合を確認した後、図6(b)に示すように混合土cを遮水層Aを形成するべき施工場所に搬送する。
【0014】
施工場所においては、図7(a)に示すように混合土cを撒出して(b)に示すように敷均した後、(c),(d)に示すようにタンピングローラー5または振動ローラー6等の締固め機を用いて締固め度が95%以上となるように締固めを行い、第1層目の遮水層Aを形成する。この際、遮水層Aの最終的な層厚はたとえば15〜30cm程度とすることが良く、それに応じて混合土cの敷均し厚と締固め工程を設定する。たとえば遮水層Aの1層当たりの最終的な層厚を15cmとする場合、その締固め度を95%とするには、敷均し時の層厚を21cm程度とし、締固め工程としては7トン級のタンピングローラー5あるいは10トン級の振動ローラー6を8〜12回程度走行させると良い。なお、必要に応じて上記のタンピングローラー5や振動ローラー6による締固めに加えて、あるいはそれに代えて、適宜の転圧機による静的な転圧を締固め工程として行っても勿論良い。
【0015】
以上により形成した遮水層Aの締固め度や透水係数その他の性能を確認するための土質試験を行い、所望の性能が得られていれば第1層目の遮水層Aの施工が完了する。なお、締固め度の測定は周知のRI密度計あるいは砂置換法等により行えば良い。
【0016】
引き続いて、同様の工程を繰り返すことで、第1層目の遮水層Aの上に第2層目、第3層目の遮水層Aを順次積層し、図2に示すように全体で3層をなす遮水層を形成し、施工完了となる。
【0017】
上記のように、粘性土として脱水ケーキaを用い砂礫材として砕石ズリbを用いて、その混合土cを上記工程により締固めて3層にわたって形成した遮水層Aによれば、廃棄物処分場等の施設に要求される遮水性能(たとえば透水係数k=1×10-6cm/sec程度)を十分に確保できることはもとより、粘性土として高価なベントナイトに代えて廃棄物である脱水ケーキaを利用し、かつ砂礫材として規格外品である砕石ズリbを利用することにより、従来に比べて大幅なコストダウンを実現できる。しかも、それら脱水ケーキaや砕石ズリbは廃棄物や規格外品であるとはいえ工業副産物であるから、単なる天然素材をそのまま使用する場合に比較してその品質のばらつきは少ないものであり、したがって遮水層Aの品質管理を行う上では支障がないばかりか、現場発生土をそのまま使用する場合に比べて遮水層の品質向上を図ることも可能である。さらに、脱水ケーキaを用いることでベントナイトによる場合よりもトラフィカビリティーを向上させることができ、したがって運搬や締固め、転圧作業の際の作業性に優れ、良質な遮水層Aを効率的に形成することができる。勿論、従来においては廃棄物として処分していた脱水ケーキaや砕石ズリbを有効活用できるから、資源リサイクルおよび廃棄物削減の観点からも極めて有効である。
【0018】
なお、上記実施形態はあくまで一例であって、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく適宜の設計的変更が可能である。たとえば、上記実施形態では遮水層Aを3層にわたって積層して形成するものとしたが、必ずしもそうすることに限らず、遮水層Aの用途やそれに要求される遮水性能に応じて単層とすることでも良いしさらに多層とすることでも良い。また、工程の細部や作業に使用する重機類その他の詳細についても、現場の状況その他の条件に応じて適宜変更して良いことは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明の遮水層は、粘性土として脱水ケーキを採用し、その粘性土に砂礫材として最大粒径30mm以下の砕石ズリを混合してシルト以下の微細粒分の配合比が重量比55〜65%の範囲に設定された混合土とし、その混合土が95%以上の締固め度で締固められたものであるから、優れた遮水性能およびトラフィカビリティーを確保できるばかりでなく、廃棄物である脱水ケーキや砕石ズリを利用することでコストダウンを実現でき、資源リサイクルおよび廃棄物削減の観点からも極めて有効である。
【0020】
請求項2の発明の遮水層は、混合土にセメント系硬化材を重量比3〜10%配合するので、遮水性能とトラフィカビリティーをより高めることができる。
【0021】
請求項3の発明の遮水層の形成方法は、予め調製した混合土を現場にて敷均した後、タンピングローラーまたは振動ローラー等の締固め機により締固めて15〜30cmの層厚の遮水層を形成し、かつその遮水層を積層した状態で順次形成するので、全体として遮水性能に優れた遮水層を効率的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態において使用する粘性土としての脱水ケーキ、砂礫材としての砕石ズリ、それらの混合土の性状の一例を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態である遮水層を3層にわたって形成した状態を示す図である。
【図3】 本発明の実施形態である遮水層の形成方法を示す全体工程図である。
【図4】 同、脱水ケーキの搬送工程を示す図である。
【図5】 同、脱水ケーキと砕石ズリの混合工程を示す図である。
【図6】 同、混合土に対するセメント系硬化材の混合工程を示す図である。
【図7】 同、混合土の撒出し、敷均し、締固め工程を示す図である。
【符号の説明】
A 遮水層
a 脱水ケーキ(粘性土)
b 砕石ズリ(砂礫材)
c 混合土
1 トラクターショベル
2 ダンプトラック
3 バックホウ
4 自走式土質改良機
5 タンピングローラー
6 振動ローラー
Claims (3)
- 廃棄物処分場等の施設を造成するに際して、現場にて粘性土を敷均し締固めることで形成される遮水層であって、粘性土として脱水ケーキが採用されるとともに、その粘性土に砂礫材として最大粒径30mm以下の砕石ズリが混合されてシルト以下の微細粒分の配合比が重量比55〜65%の範囲に設定された混合土が調製され、その混合土が95%以上の締固め度で締固められてなることを特徴とする遮水層。
- 請求項1記載の遮水層であって、混合土にはセメント系硬化材が配合され、その配合比が重量比3〜10%に設定されていることを特徴とする遮水層。
- 請求項1または2記載の遮水層を形成するに際し、予め調製した混合土を現場にて敷均した後、タンピングローラーまたは振動ローラー等の締固め機により締固めて15〜30cmの層厚の遮水層を形成し、かつその遮水層を積層した状態で順次形成することを特徴とする遮水層の形成方法。
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