JP4716107B2 - コネクタの取付構造及び取付方法 - Google Patents
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Description
なお、このようにボルトを用いてコネクタを機器等に取り付けるものは、例えば特許文献1に記載されている。
しかるに、コネクタ、ミッションケースの蓋板、並びにバルブボディの成形上の寸法公差、さらには蓋板とバルブボディとの取付公差等が積み重なると、嵌合孔とボルト孔との間に位置的なずれが生じるおそれがある。また例えばコネクタが長くなると反り等の変形が生じやすく、軸線からの挿通孔の位置が大きく外れるおそれもある。
このような状態から、上記のようにコネクタが取り付けられると、コネクタの軸線が振れた姿勢でその上端部が嵌合孔に嵌合され、コネクタに対して応力が掛かったり、シールの洩れが生じるおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、コネクタを相手の嵌合孔に対して自然状態で嵌合できるようにした取付構造並びに取付方法を提供するところにある。
コネクタの取り付けは、以下のような手順で行われる。第2部材から突設された係止板が、コネクタの他端側の外面に周設された被係止溝にコネクタの軸線と交差する方向から差し込まれることにより、コネクタが第2部材に対して、軸線方向の移動は規制されるものの、軸線とは交差する方向の移動は許容される状態で仮係止される。次に、第2部材に仮係止されたコネクタの一端側が第1部材の嵌合孔に嵌合される。続いて、第2部材が第1部材に固定され、最後に、コネクタの被締結部の挿通孔にねじを通して第2部材のねじ孔にねじ込むことで、被締結部が第2部材に固定される。
ここで、コネクタ、第1部材、並びに第2部材の成形上の寸法公差、さらには第1部材と第2部材との取付公差等が積み重なると、嵌合孔とねじ孔との間隔にずれが生じたり、あるいは、コネクタの変形に起因して被締結部の挿通孔の位置が軸線から大きく外れるおそれがある。
被締結部の挿通孔内に設けられたクリアランスを利用することにより、嵌合孔とねじ孔との間のずれや、挿通孔の位置の外れを、より広範囲にわたって吸収することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図9によって説明する。この実施形態では、オートマチックトランスミッションに中継コネクタ30を取り付ける場合を例示している。
ミッションケース10は、図6に示すように、パン状をなす金属製のケース本体11の上面開口に、合成樹脂製の蓋板12が被着された構造である。蓋板12は、一側のほぼ2/3の領域が低位部13で、残りが高位部14となっている。低位部13は厚肉に形成されており、その下面側にバルブボディ20が取り付けられるようになっている。
一方の高位部14には、後記する中継コネクタ30の上端部を嵌合する嵌合孔17が形成されている。この嵌合孔17は詳細には、図3に示すように、高位部14に開口した円形孔17Aの裏面側の口縁に、所定高さの円筒部17Bが連設された形状となっている。
一方、バルブボディ20における図1の左端面には、その上部側から取付部26が突設されており、この取付部26の下面は、手前側が高く、奥側が低くなった段差状に形成されており、手前の高い方の取付面27(以下、高取付面27という)には、ハウジング31の被締結部40が当てられるようになっている。なお、奥側の低い方の取付面28(以下、低取付面28という)には、後記するブラケット50が取り付けられるようになっている。
また、図7に詳細に示すように、ボルト41の挿通孔42は、ボルト41の軸部よりも所定寸法大きい径寸法を有しており、すなわちボルト41は、挿通孔42に対して所定のクリアランスC2を持って挿通可能となっている。
そのため、ハウジング31の下端部は、図8に示すように、ほぼ方形断面に形成されており、上記した被締結部40の直下位置で3方の側面にわたり、所定深さでかつ所定の溝幅の被係止溝45が切り込み形成されている。被係止溝45が切られた3方の側面は、図1の右側並びに手前側と奥側であり、被締結部40が高取付面27に当てられた際には、被係止溝45が切られていない側面がバルブボディ20とは反対側に位置するようになっている。
ブラケット50は、基体51がバルブボディ20の低取付面28に当てられてボルト54で固定されるようになっており、そのため、基体51にはボルト54の挿通孔56が形成されているとともに、低取付面28にボルト孔28Aが切られている。ブラケット50は、係止板52の開口が図1の左側を向いた姿勢で固定されるようになっている。そして、ハウジング31が鉛直姿勢で嵌合孔17に嵌合された状態において、ブラケット50の係止板52が、ハウジング31の被係止溝45に対して同図の右側から差し込まれるようになっている。
ブラケット50の係止板52と、ハウジング31に切られた被係止溝45とによって、本発明の仮係止機構が構成されるようになっている。
まず図1に示すように、バルブボディ20の低取付面28にブラケット50の基体51が当てられ、下面からボルト54を通してボルト孔28Aに締め付けることにより、係止板52が同図の左側を向いた姿勢で固定される。次に、同図並びに図8の矢線に示すように、ハウジング31の下端部の被係止溝45が、係止板52の内側に差し込まれ、併せて図2に示すように、被締結部40がバルブボディ20の高取付面27に沿って当てられる。
そののち、図4に示すように、バルブボディ20の挿通孔22にそれぞれ下側から通しボルト21が通され、低位部13の下面に切られたボルト孔15にねじ込まれることで、低位部13の下面にバルブボディ20が固定される。
そののち、図6に示すように、バルブボディ20とハウジング31とを取り付けた蓋板12のフランジ12Aが、ケース本体11のフランジ11A上に載せられ、複数箇所をねじ18で止めることによってケース本体11の上面に蓋板12が被着され、ミッションケース10の組み付けが完了する。
また、挿通孔42の軸線とボルト孔27Aの軸線とが互いに傾いてしまった場合にも、対応することが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)仮係止機構側のクリアランスのみで、蓋板の嵌合孔とバルブボディのボルト孔との間の位置ずれや、被締結部に設けられた挿通孔の位置の外れを吸収できるのであれば、被締結部の挿通孔側にはクリアランスを敢えて設ける必要はなく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
17…嵌合孔
20…バルブボディ(第2部材)
27…高取付面
27A…ボルト孔(ねじ孔)
30…中継コネクタ(コネクタ)
31…コネクタハウジング
35…シールリング
40…被締結部
41…ボルト(ねじ)
42…挿通孔
45…被係止溝(被係止部:仮係止機構)
50…ブラケット
52…係止板(係止部:仮係止機構)
C1…(仮係止機構側の)クリアランス
C2…(挿通孔42側の)クリアランス
Claims (3)
- コネクタにおける軸線方向の一端側が、第1部材に開口された嵌合孔に嵌合されるとともに、他端側には被締結部が前記軸線と交差する方向に突設されて前記軸線と平行方向にねじの挿通孔が形成され、この挿通孔に挿通されたねじが前記第1部材に固定される第2部材のねじ孔にねじ込まれて締結されるコネクタの取付構造において、
前記第2部材と前記コネクタの他端側との間には、前記コネクタが軸線方向に移動することは規制する反面、前記コネクタが軸線と交差する方向に移動することは許容するクリアランスを有する仮係止機構が設けられており、
この仮係止機構は、前記コネクタの前記他端側の外面に、周方向に沿った被係止溝が形成されるとともに、前記第2部材に、前記被係止溝に対して前記軸線と交差する方向から差し込まれて係止する係止板が突設され、この係止板と前記被係止溝との間に、前記コネクタが前記軸線と交差する方向に移動することを許容する前記クリアランスが設けられていることで形成されていることを特徴とするコネクタの取付構造。 - 前記被締結部の前記挿通孔が、前記ねじをクリアランスを持って挿通可能となっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタの取付構造。
- コネクタにおける軸線方向の一端側が、第1部材に開口された嵌合孔に嵌合されるとともに、他端側には被締結部が前記軸線と交差する方向に突設されて前記軸線と平行方向にねじの挿通孔が形成され、この挿通孔に挿通されたねじが前記第1部材に固定される第2部材のねじ孔にねじ込まれて締結されるコネクタの取付方法において、
前記第2部材と前記コネクタの他端側との間には、いずれか一方に設けられた係止部が他方に設けられた被係止部と係合することにより、前記コネクタが軸線方向に移動することは規制する反面、前記コネクタが軸線と交差する方向に移動することは許容するクリアランスを有する仮係止機構が設けられており、
前記仮係止機構の前記係止部と前記被係止部とを互いに係合させる工程と、
前記コネクタの前記一端側が前記第1部材の嵌合孔に嵌合される工程と、
前記第2部材を前記第1部材に固定する工程と、
前記被締結部の前記挿通孔に前記ねじを通して前記第2部材の前記ねじ孔にねじ込む工程と、
を順次に行うことを特徴とするコネクタの取付方法。
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