JP4714958B2 - シリンダヘッドガスケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするシリンダヘッドガスケットに関し、より詳しくは、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとにわたって取付けられたカバーの接合部をもシールするようになっているシリンダヘッドガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、シリンダヘッドガスケットとして、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されてこれらの間をシールする基板と、この基板の一端部に設けられて、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとにわたって取付けられたカバーの一方の接合部と他方の接合部との間をシールするビードとを備えたものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来ではビードの端部の位置については考慮しておらず、単にビードの端部をカバーの接合部の中心に設定していたため、シリンダヘッドおよびシリンダブロックとカバーとの三面合わせ部に塗付した液体パッキンの有効シール幅がカバーの接合部の幅の半分程度になってしまっていた。
すなわち、ビードの内側にはカバー内の油が侵入するので、結果的に液体パッキンの有効なシール幅はビードの端部よりも外側となってしまうからである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来に比較してカバーの接合面に対するビードの位置を考慮することにより優れたシール性を得ることができるようにしたものである。
すなわち、従来のシリンダヘッドガスケットと同一の構成を有するシリンダヘッドガスケットにおいて、
上記シリンダヘッドおよびシリンダブロックとカバーとの3面合わせ部には、液体パッキンが塗布されており、上記ビードの端部を、上記カバーの接合部の中心よりも内方側のみに位置させて、該ビードの端部の外側となる、前記液体パッキンの有効シール幅を、上記接合部の幅の半分よりも大きく設定したものである。
上述した構成によれば、ビードの端部をカバーの接合部の中心よりも内方側に設定したことにより、シリンダヘッドおよびシリンダブロックとカバーとの三面合わせ部における有効シール幅を拡大することができるので、これにより従来に比較して優れたシール性を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、シリンダヘッドガスケット1は、基板1´をシリンダヘッド2とシリンダブロック3との間で挟持されて両者間をシールするようになっている。また、上記シリンダヘッド2とシリンダブロック3とに、両者間にわたってカムシャフトの駆動用チェーン等(図示せず)を収容するカバー4が取付けられている。
上記カバー4は、図2に示すように断面コ字状に形成されるとともに、シリンダヘッド2およびシリンダブロック3とに接触する接合部4aを幅広に形成されており、この接合部4aとシリンダヘッド2およびシリンダブロック3との三面合わせ部Gにはカバー4内の油が外部に漏洩するのを防止する液体パッキンP(FIPG)を塗付している。
すなわち、一般的にシリンダヘッドガスケット1は熱膨張を考慮してシリンダヘッド2およびシリンダブロック3よりも0.5mm〜1mm程度小さく設計されており、このシリンダヘッドガスケット1の引っ込みによって生じるシリンダヘッド2とシリンダブロック3との間隙を上記液体パッキンPにより塞いで当該間隙からの油の漏洩を防止するようになっている。
【0006】
また上記カバー4側に位置するシリンダヘッドガスケット1の基板1´の一端部1aには、カバー4側に向かって開口する概略逆コ字状のビード7が形成されており、このビード7によってカバー4内の油が図示しない燃焼室孔および水油孔側に漏洩するのを防止している。
上記ビード7の端部7aは、カバー4の接合部4aの中心Oよりも当該カバー4内の空間よりとなる内方側に位置しており、より具体的には接合部4aの最も内側となる部分に近接させて位置させている。
【0007】
ところで従来では、カバーの接合部に対するビードの端部の位置については全く考慮されておらず、単にビードの端部をカバーの接合部の中心Oに位置するように設定していた。
このため、図3に示すように液体パッキンPによる有効シール幅Lは結果的に接合部4aの幅の約半分程度になってしまっていた。
これに対し、本実施例ではビード7の端部7aを接合部4aの最も内方側となる部分に近接させて位置させているので、液体パッキンPによる有効シール幅L´は図3に示すように従来の約2倍程度となっている。したがって従来に比較して優れたシール性を得ることができるし、しかもその結果として組付け時における液体パッキンPの塗付工程の一部を削減することもできる。
すなわち、カバー4内の油の漏洩をより確実に防止する対策として、従来では組付け直前にシリンダヘッドガスケット1の基板1´の一端部1aの上下面に液体パッキンPを塗付するようにしていたが、液体パッキンPの有効シール幅L´が従来の約2倍程度となる本実施例においてはあえてそのようなことを行なわなくとも良好なシール性が得られるので、削除しても問題はない。
【0008】
なおビード7の端部7aをカバー4の接合部4aの最も内方側の部分に位置させていたがこれに限定されるものではない。より詳しくは、製造公差や組付公差等によってビード7の端部7aがカバー4の接合部4aの内方端部から外れない位置にあればよい。
【0009】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、ビードの端部をカバーの接合部の中心よりも内方側に位置させているので、従来に比較して優れたシール性を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す側面図。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図。
【図3】図2の要部の拡大図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッドガスケット 1´…基板
1a…一端部 2…シリンダヘッド
3…シリンダブロック 4…カバー
4a…接合部 7…ビード
7a…端部 O…中心
Claims (1)
- シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されてこれらの間をシールする基板と、この基板の一端部に設けられて、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとにわたって取付けられたカバーの一方の接合部と他方の接合部との間をシールするビードとを備えたシリンダヘッドガスケットにおいて、
上記シリンダヘッドおよびシリンダブロックとカバーとの3面合わせ部には、液体パッキンが塗布されており、上記ビードの端部を、上記カバーの接合部の中心よりも内方側のみに位置させて、該ビードの端部の外側となる、前記液体パッキンの有効シール幅を、上記接合部の幅の半分よりも大きく設定したことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
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JP2000088040A JP4714958B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | シリンダヘッドガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4714958B2 true JP4714958B2 (ja) | 2011-07-06 |
Family
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JPH07167302A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-07-04 | Toyota Motor Corp | 三面合わせ部のガスケット |
JPH1018909A (ja) * | 1996-06-29 | 1998-01-20 | Suzuki Motor Corp | 内燃機関のシール構造 |
JPH11336902A (ja) * | 1998-05-27 | 1999-12-07 | Ishino Gasket Kogyo Kk | メタルシリンダーヘッドガスケット |
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2000
- 2000-03-28 JP JP2000088040A patent/JP4714958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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