JP4714642B2 - ディスクブレーキパッド - Google Patents

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Description

この発明は、乗用車、トラック、バス、産業機械等に用いられるディスクブレーキに関する。
従来、回転するブレーキ用ロータに対してディスクブレーキ用パッドを押し当てることにより回転軸にブレーキを加えるディスクブレーキにおいては、回転するロータに対してパッドが制動をかけるとき或いは引き摺りの際に、ロータとパッドとが摩擦係合することによって生じた摩擦振動に起因して、ロータやブレーキ部品が振動することがある。ロータやブレーキ部品の振動の固有値が一致すると、固有値連成によって振動が共振状態となる。一般のブレーキでは、鳴きの振動数を吸収する働きが弱いため、共振を抑えることができずにブレーキ鳴きが発生する。
ディスクブレーキにおけるブレーキ鳴きを防止する対策としては、従来から多くの提案がされている。その一つとして、ロータ(ディスク板)の振動に着目し、ディスク板の空間部内にディスク板の回転軸に平行な方向に沿って移動可能な錘を設け、錘と錘の移動端との間に弾性部材を機材させたディスクブレーキが提案されている(特許文献1)。ディスク板が振動したときには、錘の慣性で弾性部材に付勢力が発生し、この付勢力がディスク板の振動方向に対して逆方向に作用し、ディスク板の振動を抑制してブレーキ鳴きを抑えることを図っている。
また、ディスクブレーキにおけるブレーキ鳴きを防止する対策の一例として、作動機構を構成するピストンの振動に着目し、シリンダ内に嵌入する中空円筒状部分と、その中空円筒状部分の両端間に内径側にて、パッド押圧側端に偏らせて位置させた壁部分と、その壁部分の側面から突出させたダイナミックダンパを形成する突出部分とを鋳鉄にて一体に形成したディスクブレーキ用ピストンがある(特許文献2参照)。このディスクブレーキ用ピストンによれば、ピストンの固有振動数の値を調整して、キャリパの固有振動数の値をブレーキ鳴きを抑制することができる値に設定することが図られている。
しかしながら、ロータの空間部を利用するブレーキ鳴き対策は、そうした空間部を持つロータを持つブレーキの形式が限定されるので、一般的に適用可能な対策ではない。また、ブレーキ鳴きの特定の周波数については抑制効果があるが、それ以外の周波数については、一般的に効果が期待し難く、この点でなお一層に改善が求められている。
特開平7−167176号公報(段落[0016]、図3) 特開平10−122279号公報(段落[0012]〜[0014]、図3)
そこで、粘性物と錘を利用して、ブレーキ鳴きを効果的に防止する点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、粘性物と錘を利用して、安価で且つ単純な構造でブレーキ鳴きを効果的に防止することができるディスクブレーキ用パッドを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明によるディスクブレーキパッドは、ライニングと、前記ライニングが取り付けられるプレッシャプレートとを備えたディスクブレーキパッドとを備え前記プレッシャプレートには当該プレッシャプレートを貫いておりその内部の一部に前記ライニングがモールドされている貫通孔が形成されており、前記貫通孔に前記ライニングが一部モールドされることで残されて形成される空間部には、グリースと当該グリースに浮遊した状態に埋められる錘とが封入されており、前記グリースの流動による粘性抵抗と前記錘による慣性抵抗とによってブレーキ鳴きを抑制することから成っている。
このディスクブレーキパッドによれば、グリースの流動による粘性抵抗は、振動の速度に対応するダンパとして機能し、錘による慣性抵抗は、振動の変位に対応する抵抗と機能して、両抵抗の相乗効果によって、ブレーキ鳴きを抑制することができる。
このディスクブレーキパッドにおいて、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側に係止され且つ前記プレッシャプレートとの間に前記グリースが塗布されているシムを備え、前記シムの外側に前記錘を配することができる。グリースと錘とをこのように組み合わせた形式のものでは、幅広い周波数帯にわたってノイズ抑制効果があることが確認されている。
このシムを持つディスクブレーキパッドにおいて、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側に補助シムを係止し、前記グリースは前記シムと前記補助シムとの間に塗布することができる。この形式のディスクブレーキパッドでは、幅広い周波数帯にわたってノイズ抑制効果があるとともに、グリースはシムと補助シムとの間に挟まれるので、シムと補助シム及びグリースをまとめて取り扱うことができ、特に、流動性のあるグリースの扱いが便利である。
シムを持つ上記のディスクブレーキパッドにおいて、前記錘を、前記ライニングの隅部に対応する位置に配置することができる。ライニングの四隅は、ブレーキ作動時の振動の大きさが大きくなる部位であるので、かかる隅部に錘を配置することで、高い制振効果を得ることができる。
グリースの流動による粘性抵抗と錘による慣性抵抗とを組み合わせた上記ディスクブレーキパッドにおいて、前記プレッシャプレートに形成される空間部に、前記錘を浮遊した状態で前記グリース封入されている。この形式のディスクブレーキパッドによれば、幅広い周波数帯にわたってノイズ抑制効果がある。
空間部にグリースと錘とを封入したディスクブレーキパッドにおいて、前記空間部は、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側に係止されるシムによって封鎖することができる。この形式のディスクブレーキパッドによれば、空間部に封入されているグリースはシムによって流出不可能となるので、簡単な構造でありながら錘が外部に露出せず、破壊や分解の可能性がなく、恒久対策が可能である。又、グリースの流出を防ぐことができまたその持続性も備えているディスクブレーキパッドを得ることができる。
空間部にグリースと錘とを封入した上記各ディスクブレーキパッドにおいて、前記空間部は、前記プレッシャプレートの隅部に形成することができる。プレッシャプレートの四隅は、ブレーキ作動時の振動の大きさが最も大きくなる部位であるので、かかる隅部に錘を配置することで、高い制振効果を得ることができる。
空間部にグリースと錘とを封入した上記各ディスクブレーキパッドにおいて、前記プレッシャプレートを貫く貫通孔として形成しておき、前記貫通孔の一部に前記ライニングをモールドすることで、プレッシャプレートには、モールドされずに残されて空間部が形成される。プレッシャプレートには、摩擦材であるライニングの剪断に対する機能を向上するために、ライニングをモールドすることができる貫通孔を形成することが一般的であり、本発明では、この貫通孔においてライニングがモールドされずに残されて形成された空間部を、グリースと錘との封入スペースとしてそのまま利用している
粘性抵抗を与えるグリースは、本発明によるブレーキ鳴き防止に必須のものであるが、空間部においてはグリースとライニングとが接触しているので、グリースがライニングへ浸透する可能性がある。そこで、ライニングとグリースとの間を遮断して、グリースのライニングへの浸透を防止する浸透防止手段を設けることが好ましい。グリースとライニングとを遮断することによって、グリースのライニングへの含浸に起因したライニングの影響を未然に防止することができる。
前記浸透防止手段は、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側から少なくとも前記ライニングと前記グリースとの間に施されている塗装層、又は、前記錘と前記グリースとが封入され且つ前記空間部に装着されるカプセル、或いは前記空間部に前記ライニングと前記グリースとの間を仕切る態様で装着された仕切り板であるとすることができる。塗装層、カプセル又は仕切り板は、グリースとライニングとの間を遮断して、グリースのライニングへの浸透防止する。
この発明によるディスクブレーキパッドは、上記のように構成されているので、摩擦振動が比較的に大きいパッドに粘性抵抗と慣性抵抗との両機能を組み合わせた吸振器構造を設けることにより、効果的にブレーキ振動を吸収し、ブレーキ鳴きを抑制することができる。グリースの粘性抵抗を利用しているため、幅広い周波数の振動を吸収しノイズ抑制効果がある。そのため、ノイズ発生時の緊急対策や確認試験に最適である。また、プレッシャプレートには、摩擦材であるライニングの剪断に対する機能を向上するために、ライニングをモールドすることができる貫通孔を形成することが一般的であるが、本発明ではこの貫通孔の一部にライニングをモールドすることでライニングのプレッシャプレートへの結合を強固にし且つ当該貫通孔においてモールドされずに残されることで形成される空間部をそのまま、グリースと錘との封入スペースとして利用している。また、パッドのプレッシャプレート内の当該空間部を、プレッシャプレートのライニングとは反対側に係止されるシムによって封鎖する場合には、空間部に封入されているグリースはシムによって流出不可能となるので、簡単な構造でありながら錘が外部に露出せず、破壊や分解の可能性がなく、恒久対策が可能となる。また、一つの形態では、通常使用されているシムとグリースに錘を追加するだけの簡単な構造のため、コストアップも最小限に抑えることができる。更に、プレッシャプレートに形成された空間部においてグリースとライニングとの接触の可能性があるときには、グリースのライニングへの浸透を防止する浸透防止手段を設けることで、グリースの含浸に起因したライニングの変質、強度低下、及び性能低下といった影響を未然に防止することができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるディスクブレーキパッドの実施形態について説明する。図1はこの発明によるディスクブレーキパッドの一実施形態について、アウタパッドとして適用されている状態を示す図、図2はこの発明によるディスクブレーキパッドの一実施形態について、インナパッドとして適用されている状態を示す図、図3は図1に示すディスクブレーキパッドのA−A断面図、図4は図2に示すディスクブレーキパッドの作動状態を示す断面図である。
図1に示すディスクブレーキパッド1は、アウタ側に配設されるパッドであり、想像線で示す固定部材3に対して、同じく想像線で示すロータ4に向かって進退する方向に案内支持されている。ディスクブレーキパッド1及びロータ4を跨ぐように、作動機構を内蔵し且つ固定部材3に対してロータ4に向かって進退する方向に案内されるキャリパ5が配設されており、アウタ側のディスクブレーキパッド1は、キャリパ5に作動機構内蔵側とは反対側に備わる一対のキャリパ爪部10,10が、ディスクブレーキパッド1のプレッシャプレート7の裏面に当接している。
図2には、インナ側、即ち、作動機構側に配設されるディスクブレーキパッド2が示されている。ディスクブレーキパッド2には、作動機構に備わるピストン11との配置関係が示されている。インナ側のディスクブレーキパッド2は、アウタ側のディスクブレーキパッド1と実質的に同等であり、再度の説明を省略する。
図3は、図1に示すアウタ側のディスクブレーキパッド1の一部をA−A断面にて切断した断面図である。ディスクブレーキパッド1は、ブレーキ作動時にロータ4に向かって押し付けられるライニング6と、ライニング6が貼り付けられたプレッシャプレート7とを備えている。プレッシャプレート7の両側に突出する凸部8,8が固定部材2に形成されている凹部9,9にそれぞれ嵌まることによって、ディスクブレーキパッド1が固定部材3に対して、ロータ4に向かって進退する方向に案内される。
プレッシャプレート7とキャリパ爪部10,10との間には、この例では、プレッシャプレート7の凸部8を除く輪郭に合致するような外形線を有する金属板から成るシム12が配設されている。シム12は、例えばフックのような適宜の手段によって、プレッシャプレート7に係止させることができる。
図3に示すように、シム12のプレッシャプレート7側には粘性物質として高粘度のグリース13が塗布されており、シム12は、ディスクブレーキパッド1に適用されたときには、グリース13を挟んでプレッ4シャプレート7に装着される。
図1に示すように、プレッシャプレート7の四つの隅部14には、それぞれ、錘15が高温度用接着剤で付着されている。錘15は鉄製のもので、例えば、断面10mmの立方体とすることができるが、これは一例であり、これ以外の仕様も可能であることは明らかである。ブレーキ作動時にロータ4との摩擦係合によって摩擦振動が発生すると、シム12は、錘14の慣性によって、図4に示すように、プレッシャプレート7との間に相対変位が生じる。このとき、シム12とプレッシャプレート7との間に存在するグリース13は、図示のように流動し、シム12のプレッシャプレート7に対する動き(振動)に粘性抵抗を発生させる。この粘性抵抗により、プレッシャプレート7の振動が減衰され、その結果、ブレーキ鳴きの発生を抑制することができる。
錘15は、シム12において、振動の大きな四つの隅部14に取り付けるのが好ましい。振動モードは曲げ、捩りがあるが、両者共四つの隅部での振動が大きいからである。錘15の数は、1個以上可変であるが、多く取り付けるほうがブレーキ鳴きの抑制効果は高い。インナ側のディスクブレーキパッド2においても、アウタ側のディスクブレーキパッド1と同様に、四隅部14に錘15を設けることが好ましい。また、プレッシャプレート7とシム12との間に補助シム12a(図5)を設け、グリース13をシム12と補助シム12aとの間に介在させてもよい。図5は、図3に補助シムを追加した断面図である。この場合、グリースの取扱いが、簡単且つ容易になる。
図6は、図1〜図4に示す形式の吸振器を備えたディスクブレーキパッドの、グリースの粘度をパラメータとして、パッドの固有振動数に対する減衰比の変化を示すグラフである。パラメータとしては、ベース(グリースを用いない)と、粘度小及び粘度大とを用いている。図6(a)から解るように、粘度が小さいときには、5300Hz以下で吸振効果が高く、粘度が大きいときには5300Hz以上で吸振効果が高い。このように、グリースの粘性抵抗を利用しているために、広い周波数範囲に対して高い吸振効果を発揮することができる。また、グリース粘度を調節することで、吸振効果の高い周波数帯域を変更することができる。グリース粘度以外にも、錘の重量や形状で吸振効果のある周波数帯域の調整が可能である。図6(b)は、パッド固有値(横軸)に対する減衰増加比(縦軸:吸振器有りの減衰比/オリジナルの減衰比)の変化を示すグラフである。どの固有値でも、少なくとも1.2倍、大きいものでは5倍近い増加比があることが判明している。
図7及び図8は、この発明によるディスクブレーキパッドの別の実施形態を示す図であり、図7はシム側から見た図、図8は図7のB−B断面図である。図7及び図8に示す実施形態では、錘25がプレッシャプレート17の隅部24に形成されているモールド孔18に埋め込まれる。モールド孔18は、ライニング16をプレッシャプレート17に貼り付ける際に利用される孔であって、ライニング16の一部がモールド孔18内に入り込んだ状態で取り付けられる。ブレーキ作動時、ライニング16に働く剪断力は、一部がモールド孔18内に入り込んでいるライニング16aを介してプレッシャプレート17に伝達されるので、ライニング16のプレッシャプレート17への取り付け強度を高めることができる。
ブレーキ作動時の振動を減衰させるためのグリースや錘は、ライニング16をプレッシャプレート17に貼り付ける際に用いられるモールド孔18を利用することができる。即ち、モールド孔18内において、ライニング16が入り込んで残るスペースにグリース23が充填され、グリース23内には錘25が埋められている。モールド孔18のライニング16が入り込む側とは反対側においては、シム22がプレッシャプレート17の裏面側を覆うことで、閉鎖されており、グリース23の流出を防止している。なお、プレッシャプレート17の隅部24の他に、錘25を専用に配設する孔を形成してもよい。
図9(a)は、オリジナルなディスクブレーキパッド及び図7及び図8に示す形式の制振機構を備えたディスクブレーキパッドの、幾つか(四つ)の振動数に対する減衰比を示すグラフである。ブレーキ鳴きとして聞こえるどの振動数においても、本形式の制振機構を備えたディスクブレーキパッドは、オリジナルなディスクブレーキパッドと比較して、減衰比が有意な値を示すことが判明している。また、図9(b)は、パッド固有値(横軸)に対する減衰増加比(縦軸:吸振器有りの減衰比/オリジナルの減衰比)の変化を示すグラフである。どの固有値でも、少なくとも2倍、多いものでは13倍強の増加比があることが判明している。
図10には、この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する実施形態が部分断面図として示されている。図10に示す実施形態は、図8に示す実施形態において、プレッシャプレート17のライニング16側とは反対側から塗装層30が施されている。塗装層30は、プレッシャプレート17に貫通孔として形成された空間部であるモールド孔18内にまで延びており、モールド孔18の内周面及びモールド孔18内に表れるライニング16の表面に塗布される。その後、塗装層30で覆われたモールド孔18内にグリース23が充填され、グリース23内に錘25が埋められ、更にシム22がプレッシャプレート17の裏面側を覆うことでモールド孔18が閉鎖される。塗装層30は、少なくともライニング16とグリース23との間に延びているので、モールド孔18内においてグリース23のライニング16への浸透を防止する浸透防止手段として機能し、グリース23のライニング16への浸透を遮断する。その結果、ライニングのグリースの含浸に起因したライニングの変質、強度低下、及び性能低下といった影響を未然に防止することができる。
図11は、この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する別の実施形態を示す図であり、(a)はカプセルの分解図、(b)はカプセルが空間部に適用された状態の断面図である。図11に示す浸透防止手段は、(a)に示すように、筒形の容器であるケース41と、ケース41の開口を密封閉鎖するキャップ42とから成るカプセル40である。カプセル40内には、錘25と錘25を包むグリース23とが充填されてキャップ42で封じられている。プレッシャプレート17に貫通孔として形成された空間部であるモールド孔18内にカプセル40が装着されて、シム22で封じられている。なお、キャップ42は、有底円筒体であるケース41の一方の開口を密封する例として挙げたが、筒状胴部の両側の開口を密封する二つのキャップとしてもよい。カプセル40内には、空気を残さずグリース23と錘25とを充填することが好ましい。カプセル40は、グリース23が外部に漏れ出るのを遮断するので、ライニング16に浸透するのを防止している。
図12は、この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する更に別の実施形態を示す部分断面図であり、(b)は(a)の一部変形例である。図12(a)に示す浸透防止手段は、プレッシャプレート17に貫通孔として形成された空間部であるモールド孔18において、ライニング16とグリース23との間を仕切る仕切り板50である。モールド孔18は、錘25と錘25を包むグリース23とが充填されて、シム22で封じられている。仕切り板50は、モールド孔18に嵌まり合う形状に形成されており、板の周端面51がモールド孔18に嵌合している。したがって、仕切り板50は、グリース23がライニング16に流れてライニング16に浸透するのを防止している。図12(b)に示す浸透防止手段では、仕切り板52の周縁部53がグリース23側に湾曲して形成されており、モールド孔18に嵌まり合っている。したがって、仕切り板52は、湾曲した周縁部53がモールド孔18にシール圧力を以て当接するので、グリース23のライニング16側への流れを一層効果的に遮断することができる。
この発明によるディスクブレーキパッドの一実施形態について、アウタパッドとして適用されている状態を示す図。 この発明によるディスクブレーキパッドの一実施形態について、インナパッドとして適用されている状態を示す図。 図1に示すディスクブレーキパッドのA−A断面図。 図2に示すディスクブレーキパッドの作動状態を示す断面図。 図3に示すディスクブレーキパッドに補助シムを追加した実施形態の断面図。 図1〜図4に示す形式のディスクブレーキパッドの特性を示すグラフ。 この発明によるディスクブレーキパッドの別の実施形態を示す図。 図7のB−B断面図。 図7及び図8に示す形式のディスクブレーキパッドの特性を示すグラフ。 この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する実施形態を示す部分断面図。 この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する別の実施形態を示す部分断面図。 この発明によるディスクブレーキパッドにおいてグリースのライニングへの含浸を防止する更に別の実施形態を示す部分断面図。
符号の説明
1,1a ディスクブレーキパッド(アウタ側)
2 ディスクブレーキパッド(インナ側)
3 固定部材 4 ロータ
5 キャリパ 6 ライニング
7 プレッシャプレート
8 凸部 9 凹部
10 キャリパ爪部 11 ピストン
12 シム 12a 補助シム
13 グリース 14 隅部
15 錘
16 ライニング 17 プレッシャプレート
18 モールド孔 22 シム
23 グリース 24 隅部
25 錘
30 塗装層
40 カプセル 41 ケース
42 キャップ
50 仕切り板 51 周端面
52 仕切り板 53 周縁部

Claims (7)

  1. ライニングと、前記ライニングが取り付けられるプレッシャプレートとを備えたディスクブレーキパッドであって、
    前記プレッシャプレートには当該プレッシャプレートを貫いておりその内部の一部に前記ライニングがモールドされている貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔に前記ライニングが一部モールドされることで残されて形成される空間部には、グリースと当該グリースに浮遊した状態に埋められる錘とが封入されており、
    前記グリースの流動による粘性抵抗と前記錘による慣性抵抗とによってブレーキ鳴きを抑制することから成るディスクブレーキパッド。
  2. 前記空間部は、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側に係止されるシムによって封鎖されていることから成る請求項1に記載のディスクブレーキパッド。
  3. 前記空間部は、前記プレッシャプレートの隅部に形成されていることから成る請求項1又は2に記載のディスクブレーキパッド。
  4. 前記空間部において前記グリースの前記ライニングへの浸透を防止する浸透防止手段が設けられていることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッド。
  5. 前記浸透防止手段は、前記プレッシャプレートの前記ライニングとは反対側から少なくとも前記ライニングと前記グリースとの間に施されている塗装層であることから成る請求項に記載のディスクブレーキパッド。
  6. 前記浸透防止手段は、前記錘と前記グリースとが封入され且つ前記空間部に装着されるカプセルであることから成る請求項に記載のディスクブレーキパッド。
  7. 前記浸透防止手段は、前記空間部に前記ライニングと前記グリースとの間を仕切る態様で装着された仕切り板であることから成る請求項に記載のディスクブレーキパッド。
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