JPS60509Y2 - ドラムブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等に用いられるドラムブレーキに関する
ものである。

ドラムブレーキは、回転するドラムと、その内部に設け
られるウェブ、シュー、ライニング等よりなるシューコ
ンプリートの組合せよりなり、該シューコンプリートを
作動させライニングをドラム内面に押しつけることによ
り制動を行なうようになっている。

このようなドラムブレーキにおいては制動作動時普通鳴
きと称されるかん高いスキールが発生する欠点がある。

この鳴きは、制動時におけるシューコンプリートの曲げ
、ねじれ等の振動及び該シューコンプリートの振動によ
るバックプレート（シューコンプリートを支持している
）の振動がその発生原因であり、その鳴き防止対策とし
ては従来はシューコンプリート或はバックプレートを補
強したり剛性を変える等の手段が採られているのが普通
である。

ところがこのよつな従来の手段は特別な別部品を必要と
し構造的にもかなり難かしい面があり、簡単で且つ的確
なる機能を果すべき鳴き防止対策が要望されているのが
現状である。

本考案は上記の要望を満足させるべきドラムブレーキを
提供するもので、以下附図実施例につき説明する。

図において１はシューコンプリートて、該シューコンプ
リート１はウェブ２．該ウェブ２の外周端縁２ａに内周
面を溶接等により固着されたシュー３及び該シュー３の
外周面に取付けられたライニング４等により構成され、
該シューコンプリート１はドラム６の内周面にライニン
グ４が対向するよう図示しないバックプレートに取付け
られ、ホイールシリンダ５の伸張作動によりシューコン
プリート１が作動してライニング４をドラム６の内周面
に押し付は制動を行なうようになっている。

上記のような通常のドラムブレーキにおいて、本考案で
はシュー３のウェブ２端縁２ａが接合される部分の適所
に開口部３ａを例えば切り起し等により構成し、該開口
部３ａの部分ではウェブ２の端縁２ａはシュー３の内面
には直接接触しない構造とすると共に、該開口部３ａ内
には例えばライニング４と同材質又はその他の合戒樹脂
材或いは適当な接着材等の充填材７を充填した構造とし
ている。

尚第１〜４図の実施例ではシュー３に設けた開口部３ａ
を切り起しにより形成し該切り起し部３ｂがウェブ２側
に突出してウェブ２を挾みつけた構造とすると共に、ウ
ェブ２の端縁２ａにはシュー３の開口部３ａ内に突出す
る突出部２ｂを形成し、この状態においてシュー３の外
周面にライニング４をモールド成形することにより、ラ
イニング４と同材質、一体の充填材７がウェブ２の開口
部３ａ及び切り起し部３ｂにて囲まれた部分を包み込む
ように充填された構造とした例を示している。

Ｗは溶接部を示す。第５図は本考案の他の実施例を示し
、この例ではシュー３に設けられる開口部３ａは単純な
孔とし、ウェブ２の端縁２ａには上記第１〜４図のよう
な突出部２ｂは設けず、該ウェブ２端縁２ａをシュー３
に溶接固着した状態で開口部３ａ内に接着材よりなる充
填材７を充填して該部のウェブ端縁２ａは該充填材７を
介してシュー３及びライニング４に連結される構成とし
た例を示している。

この第５図の例により構成した本考案によるシュ−コン
プリート１単体を加振器にて加振しウェブ２の振動加速
度を測定し、これを単にウェブの端縁全体をシューに接
合固着した従来のシューコンプリートと比較した結果は
第６図に示す通りである。

即ち第６図において点線示ａは本考案によるシューコン
プリートにおけるウェブ２の振動加速度であり、実線示
すの従来構成のものにくらべ振動加速度のピークが半分
以下に大幅に低減することが判明した。

本考案の構造による上記のような振動加速度の大幅な低
減は、シュー３の数個所に設けられた開口部３ａ内に充
填した充填材７によってウェブ２の振動がダンピングさ
れるためであると考えられ、第１図乃至第４図の如くシ
ュー３の開口部３ａを切り起しにより構成し切り起し部
３ｂにより充填材７がウェブ２の端面から両側にかけて
包み込むように充填されたものでは、ウェブ２の振動加
速度は上記第６図のａよりも更に犬きく低減され得る。

尚図示実施例ではシュー３に３個所の開口部３ａを設け
た例を示しているが、その数は３個所に限らず任意に選
定され得る。

以上のように本考案によれば極めて簡単なる構成におい
て別部品を必要とすることなくドラムブレーキの制動時
における鳴きを防止することができるもので、実用上多
大の効果をおさめ得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は第１
図のシューコンプリートの拡大詳細図、第３図及び第４
図は第２図のＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線の各断面図である。 第５図は本考案の他の実施例を示すもので、イ図はシュ
ーコンプリートの正面図、０図はイ図のＣ−Ｃ線断面図
である。 第６図は第５図のものと従来構造のものとの振動加速度
の比較実線結果を示す図である。 １・・・シューコンプリート、２・・・ウェブ、２ａ・
・・端縁、３・・・シュー ３ａ・・・開口部、３ｂ・
・・切り起し部、４・・・ライニング、５・・・ホイー
ルシリンダ、６・・・ドラム、７・・・充填材。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ウェブと、該ウェブの外周端縁に内周面を固着さ
   れたシューと、該シューの外周面に取付けられたライニ
   ングとからなるシューコンプリートを、回転ドラムの内
   部に、上記ライニングが回転ドラムの内周面に対向し制
   動操作時シューコンプリートが作動して上記ライニング
   が回転ドラム内周面に圧接するよう組込んた下ラムブレ
   ーキにおいて、上記シューのウェブ外周端縁接合固着部
   分に部分的に開口部を設け、該開口部内に振動低減用の
   充填材を充填したことを特徴とするドラムブレーキ。
2. （２）シューに設けられる開口部は切り起しにより形成
   され、該切り起し部がウェブ側に突出してウェブを挾み
   つけるよう構成され、且つ充填材はウェブの端縁から上
   記切り起し部にて挾みつけられた両側面部にかけて包み
   込むように充填されていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のドラムブレーキ。
3. （３）充填材はライニングと同材質で且つライニングと
   一体となっていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項に記載のドラムブレーキ。