JP2009108940A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シム部もしくはシム部とブレーキパッドとの間のスペースが少なくてもブレーキパッドの振動の減衰を十分に行って、鳴きの発生を効果的に防止することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置10は、ディスクロータ11と接触して摩擦を発生させる第1ブレーキパッド21および第2ブレーキパッド31と、これらブレーキパッド21,31をディスクロータ11に押圧させるピストン18と爪部15,16とを備え、第1ブレーキパッド21とピストン18との間、および、第2ブレーキパッド31と爪部15,16との間にそれぞれダイラタント流体28a及び38aが介在されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の制動装置であるディスクブレーキ装置に関するものであり、特に、ディスクブレーキ作動時に発生する鳴きを防止するのに好適なディスクブレーキ装置に関する。
車両に用いられるブレーキ装置として、従来、ディスクロータにブレーキパッドを押圧し両者の摩擦により制動力を得るディスクブレーキ装置が知られている。このディスクブレーキ装置では、ブレーキ作動時のディスクロータとブレーキパッドとの接触によりブレーキパッドが振動し、いわゆる鳴きといわれる異音が発生することがある。この鳴きを防止するため、ブレーキパッドの裏金にパッドシムからなるシム部を設けて、ブレーキパッドの振動を減衰させる装置が知られている。
また、金属板にゴム等の弾性体を接着又は挟み込んだ構成としたシム部によって、ブレーキパッドの振動を減衰させる装置も知られている(たとえば、特許文献1)。更に、内部に空間を設けその中に高粘度のシリコーンオイルやグリースを充填した構成としたシム部によって、ブレーキパッドの振動を更に減衰させる装置も知られている(たとえば、特許文献2)。
実開平2−78827号公報 特開平7−103269号公報
ところで、特許文献1に記載されたシム部は、波形鋼板から形成された金属板にゴムを接着等した構成であり、波形の構造上、ある程度の厚みが必要とされる。また、特許文献2に記載されたシム部は、振動が大きくなっても減衰能力が一定である高粘度のシリコーンオイル等を内包した構成であり、振動を抑制して効果的に鳴きを防止するには、所定以上の量のシリコーンオイル等が必要とされる。したがって、特許文献1および2に記載されたシム部によって効果的に鳴きを防止するには、十分なスペースが必要とされる。
一方、ディスクブレーキ装置が薄型化するにつれ、ディスクロータの回転軸に沿った方向(厚み方向)において、シム部自体の厚みやシム部とブレーキパッドとの間の隙間も薄型化するようになってきている。しかし、上記特許文献1および2に記載された従来技術では、十分なスペースを確保できず、鳴きの防止が不十分になってしまうという問題が生じていた。
そこで、本発明の課題は、シム部もしくはシム部とブレーキパッドとの間のスペースが少なくてもブレーキパッドの振動の減衰を十分に行って、鳴きの発生を効率的に防止することができるディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るディスクブレーキ装置は、ディスクロータと接触して摩擦を発生させるブレーキパッドと、このブレーキパッドをディスクロータに押圧させる押圧部材とを備え、ブレーキパッドと押圧部材との間にダイラタント流体が介在されていることを特徴とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者は、せん断速度が大きくなるに連れてせん段力が急激に増加する、すなわち振動が大きくなるに連れて振動の減衰能力が急激に増加するという性質をダイラタント流体が有していることに着眼した。そして、一般的によく使用されているシリコーングリース単体に代え、せん断速度が大きくなるに連れてせん段力が急激に増加するダイラタント流体をディスクブレーキ装置に使用することによって、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記構成のディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドと押圧部材との間にダイラタント流体が介在されている。このため、ディスクロータの回転軸に沿った方向(厚み方向)のスペースが少なくても、ブレーキパッドの振動の減衰効果を十分に得ることができる。その結果、鳴きの発生を効果的に防止することができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、ダイラタント流体が封入される流体封入部材を更に備え、この流体封入部材に封入されるダイラタント流体が、ブレーキパッドと押圧部材との間に介在されるようにしてもよい。このようにすると、ダイラタント流体の取扱いが容易になる。また、ダイラタント流体の流失による減少を防止することもできる。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、ブレーキパッドは、ディスクロータと接触するパッド本体部と、このパッド本体部の裏面に接合される裏金と、この裏金の押圧部材側に取り付けられるシム部とを有し、ダイラタント流体がこのシム部に配置されるようにしてもよい。このようにすると、シム部の空きスペースにダイラタント流体を配置することができ、厚み方向のスペースを有効に活用できる。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、シム部は、裏金に取り付けられる第1パッドシムとこの第1パッドシムに対向して押圧部材側に設けられる第2パッドシムとを有し、ダイラタント流体が第1パッドシムと第2パッドシムとの間に配置されるようにしてもよい。このようにすると、第1パッドシムと第2パッドシムとダイラタント流体とを層状に配置することができ、厚み方向のスペースを有効に活用できる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、ダイラタント流体を取り囲む流体漏洩防止部材を更に備え、第1パッドシムと第2パッドシムと流体漏洩防止部材とによって形成される封止空間にダイラタント流体が配置されていることが好ましい。このようにすると、封止空間内にダイラタント流体が配置されることになり、封止空間外へのダイラタント流体の漏れを防止することができ、ブレーキパッドと押圧部材との間に十分な量のダイラタント流体を簡易な構成で維持することができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、ブレーキパッドは、ディスクロータと接触するパッド本体部と、このパッド本体部の裏面に接合される裏金と、この裏金の押圧部材側に取り付けられるシム部を有し、ダイラタント流体がこのシム部と裏金との間に配置されるようにしてもよい。このようにすると、シム部と裏金とダイラタント流体とを層状に配置することができ、厚み方向のスペースを有効に活用できる。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、ダイラタント流体は、車両の減速に応じて流体封入部材内におけるトレーリング側に移動可能な状態で流体封入部材に封入されるようにしてもよい。このようにすると、ブレーキを作動させて車両を減速させる際、ブレーキパッドのトレーリング側にダイラタント流体を集中させることができる。その結果、ブレーキ作動時に、トレーリング側の剛性をリーディング側の剛性より大きくすることができ、ブレーキ鳴きを抑制することができる。
ここで、「トレーリング側」とは、ブレーキパッドにおいて、ディスクロータの回転方向の出側を意味し、「リーディング側」とは、ブレーキパッドにおいて、ディスクロータの回転方向の入側を意味する。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、ダイラタント流体は、低粘度溶媒と微細粒子との混合物であるようにすることもできる。このようにすると、常態時である製造時は低粘性の流体として取り扱いが容易である一方、ブレーキ作動時はダイラタンシーにより急激にせん断力を増加させてブレーキパッドの振動の減衰を効果的に行うことができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、車両の車軸と一体になって回転するディスクロータと、ディスクロータの一面に接離可能な第1ブレーキ部と、ディスクロータの他面に接離可能な第2ブレーキ部と、第1ブレーキ部をディスクロータに押圧させる第1押圧部材と、第2ブレーキ部をディスクロータに押圧させる第2押圧部材とを有している。第1ブレーキ部は、ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第1ブレーキパッドと、第1ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第1シム部と、ダイラタント流体を含む第1振動吸収部とを備えている。また、第2ブレーキ部は、ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第2ブレーキパッドと、第2ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第2シム部と、ダイラタント流体を含む第2振動吸収部とを備えている。そして、この第1振動吸収部が第1ブレーキ部と第1押圧部材との当接箇所に配置されるとともに、第2振動吸収部が第2ブレーキ部と第2押圧部材との当接箇所に配置されるようにすることが好ましい。
上記構成のディスクブレーキ装置は、第1振動吸収部が第1ブレーキ部と第1押圧部材との当接箇所に配置され、第2振動吸収部が第2ブレーキ部と第2押圧部材との当接箇所に配置されている。このため、振動の発生源に近い第1ブレーキ部と第1押圧部材との当接箇所及び第2ブレーキ部と第2押圧部材との当接箇所で振動を減衰させるので、ブレーキパッドの振動を効率的に減衰させることができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、車両の車軸と一体になって回転するディスクロータと、ディスクロータの一面に接離可能な第1ブレーキ部と、ディスクロータの他面に接離可能な第2ブレーキ部と、第1ブレーキ部をディスクロータに押圧させる第1押圧部材と、第2ブレーキ部をディスクロータに押圧させる第2押圧部材とを有している。第1ブレーキ部は、ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第1ブレーキパッドと、第1ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第1パッドシムとこの第1パッドシムに対向して第1押圧部材側に設けられる第2パッドシムとを含む第1シム部と、第1パッドシムと第2パッドシムとの間に配置され、横長形状であり、その長手方向にわたって厚みが均一である弾性体容器からなる第1流体封入部材と第1流体封入部材に封入されるダイラタント流体とを含み、第1流体封入部材にはダイラタント流体以外の流体が存する内部空間を形成した第1振動吸収部とを備えている。また、第2ブレーキ部は、ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第2ブレーキパッドと、第2ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第3パッドシムと第3パッドシムに対向して第2押圧部材側に設けられる第4パッドシムとを含む第2シム部と、第3パッドシムと第4パッドシムとの間に配置され、横長形状であり、その長手方向にわたって厚みが均一である弾性体容器からなる第2流体封入部材と第2流体封入部材に封入されるダイラタント流体とを含み、第2振動吸収部材にはダイラタント流体以外の流体が存する内部空間を形成した第2振動吸収部とを備えている。そして、第1流体封入部材および第2流体封入部材の一端がトレーリング側に対応する箇所に設けられるとともに他端がリーディング側に対応する箇所に設けられ、かつ、第1流体封入部材および第2流体封入部材の長手方向が車両の進行方向に沿うように、第1ブレーキ部および第2ブレーキ部が車両側に取り付けられていることが好ましい。
上記構成のディスクブレーキ装置では、第1,第2流体封入部材の厚みが均一であるという簡易な構成なので、第1,第2流体封入部材を各シム部内に設置する際の調整が容易に行える。しかも、第1,第2流体封入部材の長手方向が車両の進行方向に沿うように取り付けられているので、ブレーキを作動させて車両を減速させた場合、車両の進行方向であるトレーリング側に慣性の法則によりダイラタント流体を容易に集中させることができる。したがって、製造しやすい簡易な構成であるにもかかわらず、トレーリング側の剛性をリーディング側の剛性より容易に大きくすることができ、ブレーキ鳴きを効果的に抑制することができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、シム部もしくはシム部とブレーキパッドとの間のスペースが少なくてもブレーキパッドの振動の減衰を十分に行って、鳴きの発生を効果的に防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両用ディスクブレーキ装置の外観を示す斜視図、図2は図1に示した車両用ディスクブレーキ装置のキャリパの断面構造を模式的に示す部分断面図、図3(a)(b)は図2の矢印A、B方向からのキャリパの側面図である。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
[第1実施形態]
本発明に係る車両用のディスクブレーキ装置10は、図1〜図3に示すように、ディスクロータ11、マウンティング12、浮動式キャリパ13、第1ブレーキ部20、第2ブレーキ部30を備えている。
ディスクロータ11は、略円板形状を有しており、その一面が内側ロータ面11A、他面が外側ロータ面11Bとされている。また、ディスクロータ11は、車軸Sに固定されており、ディスクロータ11と車軸Sとは一体になって図示R方向へ回転する。この車軸Sの軸線と、ディスクロータ11の回転軸の軸線とは一致する。
マウンティング12は、ディスクロータ11の外周部を挟み込むような形状を有している。また、マウンティング12は、後述する浮動式キャリパ13を、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で車両側に連結させるための支持部材であり、図示省略する車体のサスペンションパーツ等に支持固定されている。
浮動式キャリパ13は、図1および図2に示すように、ディスクロータ11の外周部を挟み込むような形状を有し、その一方はシリンダ部14から構成され、他方は一対の爪部15,16から構成されている。そして、このシリンダ部14と一対の爪部15,16は連結されている。この浮動式キャリパ13は、マウンティング12に対し一対のスライドピン17,17を介して装着され、上述したように、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動可能となっている。
シリンダ部14の内部には、図2に示すように、ピストン18が備えられている。このピストン18は、ディスクロータ11の内側ロータ面11Aに面して配置されている。また、このピストン18は、図示しない車両のブレーキ配管を介してシリンダ部14に供給される作動油のブレーキ油圧に応じ、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動するように構成されている。このような構成により、ブレーキが作動すると、ピストン18がまずディスクロータ11に向かって移動させられる。そして、このピストン18の移動により、第1ブレーキ部20がディスクロータ11の内側ロータ面11Aへ移動・押圧させられる。
一対の爪部15,16は、図1および図2に示すように、ディスクロータ11の回転R方向に離間した状態で、ディスクロータ11の外側ロータ面11Bに面して配置されている。この一対の爪部15,16は、ピストン18が作動油のブレーキ油圧でスライド移動した際の反力によって、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動するように構成されている。このような構成により、ブレーキが作動すると、一対の爪部15,16がまず、ピストン18と同様、ディスクロータ11に向かって移動させられる。そして、この一対の爪部15,16の移動により、第2ブレーキ部30がディスクロータ11の外側ロータ面11Bへ移動・押圧させられる。
第1ブレーキ部20は、第1ブレーキパッド21と第1シム部22とを備えている。この第1ブレーキ部20は、ディスクロータ11とピストン18との間に配置されている。また、第1ブレーキ部20は、図1および図2に示すように、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で浮動式キャリパ13に保持される。ブレーキ非作動時には、第1ブレーキ部20は、ディスクロータ11とピストン18とに接触しないようになっている。
第1ブレーキパッド21は、パッド本体部23と裏金24とを備えている。パッド本体部23は、金属等を焼結したものから構成され、ディスクロータ11の内側ロータ面11Aに接触して、その接触により摩擦抵抗を発生させる。裏金24は、略平板形状を有する剛性体から構成される。この裏金24の一方の面にパッド本体部23が接合される。
第1シム部22は、ブレーキ作動時に第1ブレーキパッド21に発生する振動を抑制してブレーキ鳴きを防止する部材である。この第1シム部22は、上述した裏金24の他方の面に添えた状態に設けられる。第1シム部22の詳細については後述する。
第2ブレーキ部30は、第2ブレーキパッド31と第2シム部32とを備えている。この第2ブレーキ部30は、ディスクロータ11と一対の爪部15,16との間に配置されている。また、第2ブレーキ部30は、図1および図2に示すように、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で浮動式キャリパ13に保持される。ブレーキ非作動時には、第2ブレーキ部30は、ディスクロータ11と一対の爪部15,16とに接触しないようになっている。
第2ブレーキパッド31は、パッド本体部33と裏金34とを備えている。これらパッド本体部33と裏金34は、第1ブレーキパッド21を構成するパッド本体部23と裏金24と同様の構成であり、説明を省略する。また、第2シム部32は、上述した第1シム部と同様の構成であり、詳細については第1シム部とあわせて以下、説明する。
第1ブレーキ部20の構成要件の1つである第1シム部22および第2ブレーキ部30の構成要件の1つである第2シム部32について、図4〜図6を用いて更に詳細に説明する。なお、図4(b)および図6(b)の分解斜視図では説明を容易にするため、パッド本体部23,33をそれぞれ省略している。
まず、第1シム部22について説明する。第1シム部22は、図4および図5に示すように、第1パッドシム26、第2パッドシム27、第1振動吸収部28、Oリング29を備えている。
第1パッドシム26は、表面の形状が横長形状である金属製薄板から構成されている。この第1パッドシム26は、ピストン18と対向する側に配置されている。第2パッドシム27は、第1パッドシム26と略同様の外形を有する金属製薄板から構成されている。この第2パッドシム27は、裏金24に添えた状態に設けられている。上述した第1パッドシム26と第2パッドシム27は、ブレーキパッドの振動を減衰させてブレーキ鳴きを防止する機能を有している。
第1振動吸収部28は、ダイラタント流体28aと流体封入部材28bとを備えている。この第1振動吸収部28は、第1パッドシム26と第2パッドシム27との間に配置される。このような配置により、第1シム部22は三層構造となる。また、第1振動吸収部28は、第1パッドシム26と第2パッドシム27の長手方向中央付近に配置される。このような配置により、図2に示すピストン18と第1シム部22とが当接する箇所に対応した位置に、第1振動吸収部28がくるようになる。
ダイラタント流体28aは、非ニュートン流体であってダイラタンシー現象を示す流体である。「ダイラタンシー」とは、異常粘性の一種であり、図7に示すように、ニュートン流体などの通常流体に比べて、せん断速度が大きくなるに連れてせん断力が急激に増加する性質をいう。つまり、ダイラタント流体28aは、ダイラタント流体28aに及ぼされる振動、すなわち、せん断速度が大きくなるにつれて、その振動を減衰する能力であるせん断力が急激に向上する流体である。
本実施形態で使用するダイラタント流体28aは、溶媒と微細粒子を質量比で、溶媒:微細粒子=1:4程度で混合した溶液である。図8に示すように、溶媒であるシリコーンオイルは、通常のグリースに用いられている溶液より一桁小さい動粘度を有する。また、混合される微細粒子は、粒径が数μ〜10μのものである。
ダイラタント流体28aは、せん断速度が大きくなるにつれて、せん断力が急激に向上するため、せん断力と比例する流体粘度を、元々高くしておく必要はない。そこで、本実施形態で使用するダイラタント流体28aでは、上述したように、従来、グリースとして使用していたシリコーンオイルより動粘度が小さいものを溶媒として使用している。その結果、通常状態では、ダイラタント流体28aはゲル状である。このため、ダイラタント流体28aを流体封入部材28bへ封入したり、または、ダイラタント流体28aを第1シム部22に塗布したりする作業を行いやすい。
流体封入部材28bは、中空の略円板形状を有する弾性体容器である。そして、ダイラタント流体28aは、流体封入部材28bに封入される。
Oリング29は、円環形状のゴムから構成され、第1振動吸収部28を取り囲むように第1パッドシム26と第2パッドシム27との間に配置される。このような配置により、第1パッドシム26と第2パッドシム27との間に封止空間T1が形成される。第1振動吸収部28は、この封止空間T1内に位置するように配置される。なお、上述の配置において、Oリング29は、第1パッドシム26と第2パッドシム27との間から流体が漏れることを防止する流体漏洩防止部材として機能する。
次に、第2シム部32について説明する。第2シム部32は、図5および図6に示すように、第3パッドシム36、第4パッドシム37、第2振動吸収部38,38、Oリング39,39を備えている。
第3パッドシム36は、表面形状が横長形状である金属製薄板から構成されている。この第3パッドシム36は、図1に示す一対の爪部15,16と対向側に配置されている。第4パッドシム37は、第3パッドシム36と略同様の外形を有する金属製薄板から構成されている。この第4パッドシム37は、裏金34に添えた状態に設けられている。上述した第3パッドシム36と第4パッドシム37は、ブレーキパッドの振動を減衰させてブレーキ鳴きを防止する機能を有している。
第2振動吸収部38は、ダイラタント流体38aと流体封入部材38bとを備えている。この第2振動吸収部38は、第3パッドシム36と第4パッドシム37との間に配置される。このような配置により、第2シム部32は三層構造となる。また、第2振動吸収部38は、第3パッドシム36と第4パッドシム37の長手方向の左右に1個ずつ配置される。このような配置により、図2に示す一対の爪部15,16と第2シム部32とが当接する箇所に対応した位置に、第2振動吸収部38,38がくるようになる。なお、第2振動吸収部38のその他の構成は、第1振動吸収部28と同じであり、ここでは、その説明を省略する。
Oリング39は、円環形状のゴムから構成され、第2振動吸収部38を取り囲むように第3パッドシム36と第4パッドシム37との間に配置される。このような配置により、第3パッドシム36と第4パッドシム37との間に封止空間T2が形成される。第2振動吸収部38は、この封止空間T2内に位置するように配置される。なお、上述の配置において、Oリング39は、第3パッドシム36と第4パッドシム37との間から流体が漏れることを防止する流体漏洩防止部材として機能する。
以上のように構成された本実施形態のディスクブレーキ装置10の動作について以下、説明する。
図示しない車両のブレーキペダルにより制動操作が行われると、ブレーキペダルの踏み込み操作に応じた作動油のブレーキ油圧が浮動式キャリパ13のシリンダ部14に供給される。このブレーキ油圧の供給により、図1および図2に示すように、ピストン18がディスクロータ11の回転軸に沿って、ディスクロータ11を挟み込む方向にスライド移動する。そして、このピストン18が図2に示した第1ブレーキ部20の裏金24を内側ロータ面11Aの方向へ押圧する。また、その押圧の反力により一対の爪部15,16も、ディスクロータ11の回転軸に沿って、ディスクロータ11を挟み込む方向にスライド移動する。そして、この一対の爪部15,16は第2ブレーキ部30の裏金34を外側ロータ面11Bの方向へ押圧する。
その結果、第1ブレーキ部20のパッド本体部23がディスクロータ11の内側ロータ面11Aに摩擦接触するとともに、第2ブレーキ部30のパッド本体部33がディスクロータ11の外側ロータ面11Bに摩擦接触する。このように、第1ブレーキ部20と第2ブレーキ部30が、ディスクロータ11を挟み込むように摩擦接触することにより、ディスクロータ11には制動力が発生し、ディスクロータ11と一体になって回転する車軸Sの回転を制動させる。
ところで、パッド本体部23,33とディスクロータ11との摩擦接触により、両者間で振動が発生し、いわゆる鳴きが発生する場合がある。この鳴き発生の原因として、たとえば、次のものが挙げられている。1つ目として、ディスクロータ11の振動特性と、浮動式キャリパ13またはパッド本体部23,33の摩擦材の振動特性とが連成して自励振動が発生することである。2つ目として、パッド本体部23,33の摩擦材をディスクロータへ押圧した際の、面圧分布が不適切であることである。3つ目として、パッド本体部23,33に採用した摩擦材の摩擦特性が不適切であることである。
本実施形態では、上記の原因などに基づいて発生する鳴きを防止する技術として、第1パッドシム26と第2パッドシム27を有する第1シム部22に、ダイラタント流体28aを含む第1振動吸収部28を適切な数量設けている。また、第3パッドシム36と第4パッドシム37を有する第2シム部32に、ダイラタント流体38aを含む第2振動吸収部38,38を適切な数量設けている。その結果、各パッドシムだけでなく、ダイラタント流体28a,38aによっても、振動を吸収している。特に、上述したようにダイラタント流体28a,38aは、振動が大きくなるにつれ、その振動を減衰する能力が急激に向上するので、それほど多くの量のダイラタント流体28a,38aを要せずに適切に振動を減衰でき、鳴きを防止することができる。
以下、上述した本発明に係るディスクブレーキ装置における鳴き試験の結果について、図9に基づいて説明する。図9において、Nは従来技術である比較例1における鳴き発生の平均値を示し、Gは別の従来技術である比較例2における鳴き発生の平均値を示し、Dは本願発明における鳴き発生の平均値を示す。図9に示す表から明らかなように、本実施形態に係るディスクブレーキ装置は、比較例1,2のディスクブレーキ装置に比べ、10〜30[dB]程度、音圧が下がっており、鳴きの発生をかなり防止していることがわかる。
本実施形態では、押圧部材であるピストン18と第1ブレーキパッド21との間に、ダイラタント流体28aを有する第1振動吸収部28を備えている。また、一対の爪部15,16と第2ブレーキパッド31との間に、ダイラタント流体38aを有する第2振動吸収部38を備えている。このような構成により、ディスクロータ11の回転軸に沿った方向のスペースが少なくても、第1ブレーキパッド21、または第2ブレーキパッド31で発生する振動の減衰効果を十分に得ることができる。その結果、鳴きの発生を効果的に防止することができる。
本実施形態では、ダイラタント流体28aが封入される流体封入部材28bおよびダイラタント流体38aが封入される流体封入部材38bを更に備えている。このような構成により、ダイラタント流体28a,38aの取扱いが容易になる。また、ダイラタント流体28a,38aの流失による減少を防止することができる。
本実施形態では、第1パッドシム26と第2パッドシム27との間にダイラタント流体28aが配置されている。また、第3パッドシム36と第4パッドシムとの間にダイラタント流体38aが配置されている。このような構成により、第1パッドシム26と第2パッドシム27とダイラタント流体28aとを層状に配置することができる。また、第3パッドシム36と第4パッドシム37とダイラタント流体38aとを層状に配置することができる。そして、厚み方向のスペースを有効に活用できる。
本実施形態では、第1パッドシム26と、第2パッドシム27と、流体漏洩防止部材として機能するOリング29とによって形成される封止空間T1にダイラタント流体28aが配置されている。また、第3パッドシム36と、第4パッドシム37と、流体漏洩防止部材として機能するOリング39とによって形成される封止空間T2にダイラタント流体38aが配置されている。このため、ディスクブレーキ装置10を連続使用して流体封入部材28b,38bに磨耗等が発生したとしても、封止空間T1,T2外へのダイラタント流体28a,38aの漏れを防止することができる。その結果、簡易な構成にもかかわらず、第1ブレーキパッド21とピストン18との間、および、第2ブレーキパッド31と一対の爪部15,16との間に十分な量のダイラタント流体28a,38aを継続的に維持することができる。また、上述した封止空間T1またはT2内にダイラタント流体28a,38aを配置する構成であれば、ダイラタント流体28a、38aを流体封入部材28b,38bに封入せずに第1シム部又は第2シム部に配置することもできる。
本実施形態では、ダイラタント流体28a,38aを取り囲むように配置されているOリング29,39はゴム等の弾性部材でできており、上述した流体漏洩防止部材としての封止機能を有するだけでなく、振動を減衰する機能をも有している。その結果、Oリング29を第1パッドシム26と第2パッドシム27との間に配置するとともに、Oリング39を第3パッドシム36と第4パッドシム37との間に配置することによって、鳴きの発生を更に防止することができる。
本実施形態では、第1振動吸収部28が第1ブレーキ部20とピストン18との当接箇所に配置され、第2振動吸収部38,38が第2ブレーキ部30と一対の爪部15,16との当接箇所に配置されている。このため、振動の発生源に近い第1ブレーキ部20とピストン18との当接箇所、および第2ブレーキ部30と一対の爪部15,16との当接箇所で振動をそれぞれ減衰させるので、第1ブレーキ部20と第2ブレーキ部30の振動を効果的に減衰させることができる。
[第2実施形態]
次に本発明に係る車両用のディスクブレーキ装置の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態の第1シム部22と第2シム部32に代えて、第1シム部62と第2シム部72を設けている。また、この第1ブレーキ部60と第2ブレーキ部70は、図10に示すように、長手方向が車両の進行方向に沿うように水平に配置されている。その他の構成は第1実施形態と同様であり省略する。
なお、ディスクロータ11は、図12に示すように、図示R1からR2の方向Rに回転する。図12に示すR1は、第1,第2ブレーキパッド21,31におけるディスクロータ11の回転方向の入側を意味する「リーディング側」であり、R2は、第1,第2ブレーキパッド21,31におけるディスクロータ11の回転方向の出側を意味する「トレーリング側」である。
本実施形態に係る第1ブレーキ部60は、図11に示すように、第1ブレーキパッド21と第1シム部62とを備え、ディスクロータ11とピストン18との間に配置されている。この第1シム部62は、図13に示すように、第1パッドシム26、第2パッドシム27、第1振動吸収部68を備えている。第1振動吸収部68は、ダイラタント流体68aと流体封入部材68bとを備えている。この第1振動吸収部68は、第1パッドシム26と第2パッドシム27との間に配置されている。このような配置により、第1シム部62は三層構造となっている。
ダイラタント流体68aは、第1実施形態のダイラタント流体28a,38aと同様の性質を有する流体である。流体封入部材68bは、図13および図14に示すように、横長形状である略矩形状であり、その長手方向にわたって厚みが均一な弾性体容器である。また、流体封入部材68bの内部容積は、封入されるダイラタント流体68aの容積の2倍程度の大きさになるように設定されている。そのため、流体封入部材68bには、ダイラタント流体68aが封入されるとともに、ダイラタント流体68aが封入されていない内部空間68cには空気などが充填されている。
本実施形態に係る第2ブレーキ部70は、図11に示すように、第2ブレーキパッド31と第2シム部72とを備えている。第2シム部72は、図13に示すように、第3パッドシム36、第4パッドシム37、第2振動吸収部78を備えている。第2振動吸収部78は、第1振動吸収部68と同様の構成を有しており説明を省略する。
次に、上述した構成を有する第1シム部62を有する第1ブレーキ部60と、第2シム部72を有する第2ブレーキ部70の取り付け方法について、以下、説明する。
図10または図12に示すように、第1ブレーキ部60および第2ブレーキ部70は、長手方向が車両の進行方向に沿うように、浮動式キャリパ13によって水平に保持されて、車体側に連結される。第1ブレーキ部60を水平に保持すると、その内部にある第1振動吸収部68を構成する流体封入部材68bの長手方向も車両の進行方向に沿うように水平になる。同様に、第2ブレーキ部70を水平に保持すると、その内部にある第2振動吸収部78を構成する流体封入部材78bの長手方向も車両の進行方向に沿うように水平になる。そのため、車両が等速運動または停止などをしている場合、第1振動吸収部68および第2振動吸収部78は、図14(a)に示すように、リーディング側R1およびトレーリング側R2のどちらにおいても同じように、流体封入部材68b,78bの高さ方向の下方にダイラタント流体68a,78aを有し、上方に内部空間68c,78cを形成するようになっている。
第2実施形態のディスクブレーキ装置50では、第1実施形態のディスクブレーキ装置10と同様の動作が行われるが、第2実施形態では、第1振動吸収部68内に内部空間68cが形成され、第2振動吸収部78内に内部空間78cが形成されている。これにより、第1振動吸収部68内においてダイラタント流体68aは移動可能となっている。また、第2振動吸収部78内においてもダイラタント流体78aは移動可能となっている。そのため、ブレーキが作動されると、第1振動吸収部68内のダイラタント流体68aと第2振動吸収部78内のダイラタント流体78aとは、慣性の法則により、図14(b)のように、進行方向前方に引き寄せられる。
この進行方向前方という位置は、第1ブレーキ部60と第2ブレーキ部70におけるトレーリング側に相当する。そのため、ブレーキ作動時、両ブレーキ部60,70のトレーリング側に相当する箇所にダイラタント流体68a,78aが集中して存在し、リーディング側に相当する箇所にダイラタント流体68a,78aがほとんど存在しない状態となる。このため、リーディング側に相当する箇所のせん断力は変化しない一方、トレーリング側に相当する箇所のせん断力が一時的に増加する。このようなせん断力の増減により、リーディング側に相当する箇所の剛性は変化しない一方、トレーリング側に相当する箇所の剛性が増加し、リーディング側の剛性より大きくなる。
ところで、本願発明者は、ブレーキパッドの数学モデルとして2接点モデルを考え、その2接点モデルに係る運動方程式を解くことによって、ブレーキパッドの鳴きを効果的に防止する条件を見出した。すなわち、第1ブレーキ部60の第1ブレーキパッド21と第2ブレーキ部70の第2ブレーキパッド31のトレーリング側の剛性を、リーディング側の剛性より大きくなるようにするとブレーキ鳴きが効果的に防止できるのである。したがって、第2実施形態に係る第1振動吸収部68および第2振動吸収部78の構成によれば、ブレーキ作動時の慣性を利用して、トレーリング側にダイラタント流体を容易に集中させることができる。そして、このダイラタント流体の集中により、両ブレーキパッド21,31のトレーリング側の剛性を大きくすることができ、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
本実施形態では、ダイラタント流体68a,78aは、車両の減速に応じて流体封入部材68b,78b内におけるトレーリング側R2に移動可能な状態で第1,第2流体封入部材68b,78bに封入されるようにしている。このような構成により、ブレーキを作動させて車両を減速させる際、第1,第2ブレーキパッド21,31のトレーリングR2側にダイラタント流体68a,78aを容易に集中させることができる。その結果、ブレーキ作動時に、トレーリングR2側の剛性をリーディングR1側の剛性より大きくすることができ、ブレーキ鳴きを抑制することができる。
本実施形態では、第1,第2流体封入部材68b,78bの厚みが長手方向にわたり均一であるという簡易な構成により、第1,第2流体封入部材を各シム部内に設置する際の調整が容易に行える。しかも、第1,第2流体封入部材68b,78bの長手方向が車両の進行方向に沿うように水平に取り付けられているので、ブレーキを作動させて車両を減速させた場合、車両の進行方向であるトレーリングR2側に慣性の法則によりダイラタント流体68a,78aを集中させることができる。したがって、製造しやすい簡易な構成であるにもかかわらず、トレーリングR2側の剛性をリーディングR1側の剛性より容易に大きくすることができ、ブレーキ鳴きを効果的に抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、ダイラタント流体をシム部内に設ける構成で説明したが、ディスクブレーキの構成によっては、シム部と裏金との間にダイラタント流体を設ける構成としてもよい。また、上記実施形態では、流体漏洩防止部材として、Oリングを用いたが、これに限定される訳ではなく、流体を封止できるものであれば、たとえば、ガスケットなどでもよい。
また、本実施形態では、第1振動吸収部および第2振動吸収部として、流体封入部材に封入されたダイラタント流体を用いて説明したが、ダイラタント流体はシム部またはシム部と裏金との間に介在されて振動を減衰できる形態であればどのような形態でもよく、たとえば、ダイラタント流体をそのままシム部に塗布して設ける構成としてもよい。
また、本実施形態では、ダイラタント流体を、溶媒であるシリコーンオイルと微細粒子(粒径数μm〜10μm)を質量比1:4で混合した溶液としたが、ダイラタント流体の溶媒、微細粒子径、混合比率などはこれらに限定される訳ではなく、例えば、シリコーンオイルに代えて、水を溶媒としてもよい。
本発明の一実施形態に係る車両用ディスクブレーキ装置の外観を示す斜視図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキ装置のキャリパ断面構造を模式的に示す部分断面図である。 (a)は図2のディスクブレーキ装置の矢印A方向からの側面図、(b)は図2のディスクブレーキ装置の矢印B方向からの側面図である。 (a)は第1実施形態に係る第1ブレーキ部の断面図、(b)は第1実施形態に係る第1ブレーキ部の分解斜視図である。 (a)は第1実施形態に係る振動吸収部の正面図、(b)は(a)のV−V線断面図である。 (a)は第1実施形態に係る第2ブレーキ部の断面図、(b)は第1実施形態に係る第2ブレーキ部の分解斜視図である。 ダイラタント流体と通常流体のせん断速度とせん断力の関係を示す表である。 ダイラタント流体に使用するシリコーンオイルの動粘度を示す表である。 従来のディスクブレーキ装置と本発明に係るディスクブレーキ装置における鳴き試験の結果(平均値)を示す表である。 第2実施形態に係るキャリパの取り付け方向を示す側面図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキ装置のキャリパ断面構造を模式的に示す部分断面図である。 図10におけるキャリパを拡大した部分拡大図である。 (a)は第2実施形態に係る第1,第2ブレーキ部の断面図、(b)は第2実施形態に係る第1,第2ブレーキ部の分解斜視図である。 (a)は車両が定速走行中の振動吸収部におけるダイラタント流体の位置を示す図、(b)は車両が減速した際の振動吸収部におけるダイラタント流体の位置を示す図、(c)は(b)のVI−VI線断面図である。
符号の説明
10,50…ディスクブレーキ装置、11…ディスクロータ、11A…内側ロータ面、11B…外側ロータ面、14…シリンダ部、15,16…爪部、18…ピストン、20,60…第1ブレーキ部、21…第1ブレーキパッド、22,62…第1シム部、23,33…パッド本体部、24,34…裏金、26…第1パッドシム、27…第2パッドシム、28,68…第1振動吸収部、28a,38a,68a,78a…ダイラタント流体、28b,38b,68b,78b…流体封入部材、29,39…Oリング、30,70…第2ブレーキ部、31…第2ブレーキパッド、32,72…第2シム部、36…第3パッドシム、37…第4パッドシム、38,78…第2振動吸収部、68c,78c…内部空間、R…ディスクロータの回転方向、R1…リーディング側、R2…トレーリング側、T1,T2…封止空間

Claims (10)

  1. ディスクロータと接触して摩擦を発生させるブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる押圧部材とを備え、
    前記ブレーキパッドと前記押圧部材との間にダイラタント流体が介在されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記ダイラタント流体が封入される流体封入部材を更に備え、前記流体封入部材に封入される前記ダイラタント流体が、前記ブレーキパッドと前記押圧部材との間に介在されていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記ブレーキパッドは、前記ディスクロータと接触するパッド本体部と、前記パッド本体部の裏面に接合される裏金と、前記裏金の前記押圧部材側に取り付けられるシム部とを有し、前記ダイラタント流体が前記シム部に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記シム部は、前記裏金に取り付けられる第1パッドシムと前記第1パッドシムに対向して前記押圧部材側に設けられる第2パッドシムとを有し、前記ダイラタント流体が前記第1パッドシムと前記第2パッドシムとの間に配置されていることを特徴とする請求項3記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記ダイラタント流体を取り囲む流体漏洩防止部材を更に備え、前記第1パッドシムと前記第2パッドシムと前記流体漏洩防止部材とによって形成される封止空間に、前記ダイラタント流体が配置されていることを特徴とする請求項4記載のディスクブレーキ装置。
  6. 前記ブレーキパッドは、前記ディスクロータと接触するパッド本体部と、前記パッド本体部の裏面に接合される裏金と、前記裏金の前記押圧部材側に取り付けられるシム部とを有し、前記ダイラタント流体が前記シム部と前記裏金との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ装置。
  7. 前記ダイラタント流体は、車両の減速に応じて前記流体封入部材内におけるトレーリング側に移動可能な状態で前記流体封入部材に封入されていることを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ装置。
  8. 前記ダイラタント流体は、低粘度溶媒と微細粒子との混合物であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
  9. 車両の車軸と一体になって回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの一面に接離可能な第1ブレーキ部と、
    前記ディスクロータの他面に接離可能な第2ブレーキ部と、
    前記第1ブレーキ部を前記ディスクロータに押圧させる第1押圧部材と、
    前記第2ブレーキ部を前記ディスクロータに押圧させる第2押圧部材と、を有し、
    前記第1ブレーキ部は、
    前記ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第1ブレーキパッドと、
    前記第1ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第1シム部と、
    ダイラタント流体を含む第1振動吸収部と、を備え、
    前記第2ブレーキ部は、
    前記ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第2ブレーキパッドと、
    前記第2ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第2シム部と、
    ダイラタント流体を含む第2振動吸収部と、を備え、
    前記第1振動吸収部が前記第1ブレーキ部と前記第1押圧部材との当接箇所に配置されると共に、前記第2振動吸収部が前記第2ブレーキ部と前記第2押圧部材との当接箇所に配置されることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  10. 車両の車軸と一体になって回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの一面に接離可能な第1ブレーキ部と、
    前記ディスクロータの他面に接離可能な第2ブレーキ部と、
    前記第1ブレーキ部を前記ディスクロータに押圧させる第1押圧部材と、
    前記第2ブレーキ部を前記ディスクロータに押圧させる第2押圧部材と、を有し、
    前記第1ブレーキ部は、
    前記ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第1ブレーキパッドと、
    前記第1ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第1パッドシムと前記第1パッドシムに対向して前記第1押圧部材側に設けられる第2パッドシムとを含む第1シム部と、
    前記第1パッドシムと前記第2パッドシムとの間に配置され、横長形状であり、その長手方向にわたって厚みが均一である弾性体容器からなる第1流体封入部材と前記第1流体封入部材に封入されるダイラタント流体とを含み、前記第1流体封入部材には前記ダイラタント流体以外の流体が存する内部空間を形成した第1振動吸収部と、を備え、
    前記第2ブレーキ部は、
    前記ディスクロータと接触して摩擦を発生させる第2ブレーキパッドと、
    前記第2ブレーキパッドの裏金に取り付けられる第3パッドシムと前記第3パッドシムに対向して前記第2押圧部材側に設けられる第4パッドシムとを含む第2シム部と、
    前記第3パッドシムと前記第4パッドシムとの間に配置され、横長形状であり、その長手方向にわたって厚みが均一である弾性体容器からなる第2流体封入部材と前記第2流体封入部材に封入されるダイラタント流体とを含み、前記第2流体封入部材には前記ダイラタント流体以外の流体が存する内部空間を形成した第2振動吸収部と、を備え、
    前記第1流体封入部材および前記第2流体封入部材の一端がトレーリング側に対応する箇所に設けられるとともに他端がリーディング側に対応する箇所に設けられ、かつ、前記第1流体封入部材および前記第2流体封入部材の長手方向が車両の進行方向に沿うように、前記第1ブレーキ部および前記第2ブレーキ部が車両側に取り付けられていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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