JP4714464B2 - 二輪車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

二輪車用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤトレッドの側縁部まで接地させて高速旋回走行を行う自動二輪車、とりわけその前輪に適用して好適な二輪車用空気入りラジアルタイヤに関し、とくに、高速耐久性、直進安定性等の各種性能を十分に発揮させてなお、高速旋回走行時の操縦安定性を大きく向上させる技術を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
市街地での自動二輪車の旋回走行に当って、タイヤにキャンバー角を付与するときは、トレッド踏面を、タイヤ赤道面位置から測って、トレッド半幅の50〜75%程度の沿面幅位置を限界として接地させることが広く一般に行われている。
【0003】
従って、専ら市街地走行に使用される二輪車用空気入りタイヤでは、大きなキャンバー角を付与することで、トレッド踏面を、その側縁位置に至るまで接地させて走行する高速旋回走行時の操縦安定性に影響の大きい、ベルトの各種の曲げ剛性および剛性バランス等についての最適化を深く追求するまでもなく、所要の機能を十分に発揮させることが可能であった。
【0004】
しかるに、近年においては自動二輪車が高性能化してきており、また、これと併せて一般ライダーが操縦技術の限界に挑戦して思い切ったスポーツ走行を楽しむことのできる練習場、サーキット等の、公道ではない、スポーツ走行用の特定管理区域が増加して、手軽にスポーツ走行が楽しめるようになるにつれて、車体を大きく傾けて高速で旋回する、いわゆる大キャンバー走行がしばしば行われるに至っており、従来のままのベルト設計技術等に基づくタイヤでは、このような大キャンバー走行に当っての、高速旋回走行時の操縦安定性が不足するという不満が高まりつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、従来の二輪車用空気入りタイヤが抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、高速耐久性、直進安定性等の各種の性能を十分に発揮できることはもちろん、上述したような大キャンバー走行に際してすぐれた操縦安定性を発揮できる二輪車用空気入りラジアルタイヤを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る二輪車用空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部およびサイドウォール部と、トロイド状に延びてそれぞれのサイドウォール部に連続するトレッド部とを具えるとともに、タイヤ赤道面に対して60〜90°の角度で延びる有機繊維コードからなるカーカスプライの一枚以上で形成したカーカスと、タイヤ赤道面に対して15〜40°の角度で延びるコードからなるベルト層の少なくとも二層で形成されて、カーカスのクラウン部の外周側に配設された、層間でコードが相互に交差するベルトとを具える、扁平比が0.50〜0.85であるタイヤであって、
カーカスプライコードの引張破断強度(Edci)を980MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edci)と、タイヤ赤道面内でのカーカスプライコードの、50mm長さ当りの打込み本数(Nmci)との積として定義されるカーカス剛性(Fci)をそれぞれのカーカスプライについて加算してなるカーカス総剛性(Fc=ΣFci)の絶対値を30000以上とし、
また、ベルト層コードの引張破断強度(Edbj)を2350MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edbj)と、タイヤ赤道面内でのベルト層コードの、50mm長さ当りの打込み本数(Nmbj)との積として定義されるベルト剛性(Fbj)をそれぞれのベルト層について加算してなるベルト総剛性(Fb=ΣFbj)の絶対値を170000以上とし、
さらに、トレッド部を幅方向にカットして形成した15mm幅のサンプルを用いて3点曲げ試験によりトレッド路面に押圧力を作用させて(力/変位量)を計測して求めた値である幅方向面外曲げ剛性(Sb)の、トレッド部を周方向にカットして形成した15mm幅のサンプルを用いて3点曲げ試験によりカット面に押圧力を作用させて(力/変位量)を計測して求めた値である周方向の面内曲げ剛性(Sa)に対する比としての曲げ剛性比(Sb/Sa)を4.20〜9.10の範囲としたものである。
【0007】
かかるタイヤにおいて、より好ましくは、トレッド部の、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)を3.92〜6.86N/mm、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を0.49〜1.47N/mmとする。
【0008】
ここで、扁平比とは、たとえば、JATMA YEAR BOOKで規定する「偏平比」または、ETRTO STANDARDS MANUALで規定する「NOMINAL ASPECT RATIO」をいうものとする。
【0009】
また、トレッド部の、周方向の面内曲げ剛性(Sa)とは、トレッド部内で、その円周方向成分に、トレッド幅方向から作用する力に対する剛性をいうものとし、具体的には、たとえば、製品タイヤのトレッド部を、図1に実線で示すように、タイヤ円周方向にカットして形成した15mm幅のサンプルAを、図2に示すような測定装置に、カット面が上下に向く姿勢でセットし、上方側のカット面に押圧力を作用させた時の(力/変位量)を計測および演算することによって求めることができる。
【0010】
一方、トレッド部の、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)とは、トレッド部の幅方向成分に、トレッド踏面の押込み方向に作用する外力に対する剛性をいうものとし、この剛性は、たとえば、製品タイヤのトレッド部を、図1に仮想線で示すように、トレッド幅方向にカットして形成した15mm幅のサンプルBを、図2に示す装置に、トレッド踏面を上面とした姿勢でセットし、その上面に押圧力を作用させた時の(力/変位量)を計測および演算することで求めることができる。
【0011】
ところで、この明細書でいう「剛性」および「引張破断強度」はいずれも、25℃の常温で所要の計測を行った場合の値をいうものとする。
【作用】
【0012】
このように構成してなる二輪車用空気入りラジアルタイヤでは、カーカスプライコードの引張破断強度(Edci)を980MPa以上とするとともに、ベルト層コードの引張破断強度(Edbj)を2350MPa以上とすることにより、それぞれ、カーカスプライ数、カーカスプライコードの打込み本数等の増加なしに、所要のタイヤケース強度を確保することができ、そして、ベルト層数等の増加なしに、高速走行時のすぐれたたが効果をもたらすに十分なベルト強度を確保することができる。従って、これらのいずれによっても、タイヤ重量の増加を防ぐことができる。
【0013】
またここでは、カーカス総剛性(Fc)の絶対値を30000以上とし、また、ベルト総剛性(Fb)の絶対値を170000以上とすることで、タイヤに所要の耐久性を付与することができる。これをいいかえれば、カーカス総剛性の絶対値が30000未満では、直進安定性や、高速旋回走行時の操縦安定性の確保が難しく、また、ベルト総剛性の絶対値が170000未満では、高速耐久性および、高速旋回走行時の操縦安定性の確保が難しい。
【0014】
なおここで、カーカス総剛性(Fc)の絶対の、ベルト総剛性(Fb)の絶対値に対する比としての剛性比(|Fc/Fb|)は、0.10〜0.50の範囲とすることが好ましい。
【0015】
すなわち、ベルト剛性が高すぎるときは、高速耐久性の向上はあっても、カーカスとの剛性段差を原因として、高速旋回走行時の操縦安定性が低下するおそれがあり、逆に、ベルト剛性が低すぎるかまたは、カーカス剛性が高すぎるときは、高速耐久性が低下したり、タイヤサイド部の剛性が高くなってキックバックが強くなり、直進安定性が低下するおそれがあり、また、旋回性能のピーキーな変化が生じ易いので、剛性比を0,10〜0.50の範囲に選択することで、すぐれた剛性バランスを確保することが好ましい。
【0016】
ところで、自動二輪車の走行に当り、とくに前輪タイヤは、コーナへの進入時のブレーキング、旋回中のキャンバー角の付与とハンドリング、コーナを通過後の直進走行等によって、接地姿勢を目まぐるしく変更され、また、タイヤに対する各種の入力を繰返し受けることになるが、このような走行にあって、たとえばコーナの入口付近で、車体の若干のバンキングによる、タイヤへの比較的小さいキャンバー角の付与と、ハンドリングと、ブレーキングとのそれぞれの操作を併せて行う場合には、トレッド部の、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を0.49N/mm以上とすることが、特に高速旋回時の操縦安定性の確保のために好ましい。
【0017】
また、車体の激しいバンキングとハンドリングとをミックスさせた、コーナ内での旋回走行中は、トレッドクラウン部を、路面反力に基づいて柔軟に変形させてロードホールディング性を高めるために、トレッド部の、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)を6.86N/mm以下に抑えることが好ましい。この一方で、その面外曲げ剛性(Sb)が3.92N/mm未満では剛性が不足することになる。
【0018】
なお、かかる観点の下では、トレッド部の、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を1.47N/mmを越える値としたときは、前記面外曲げ剛性(Sb)の選択範囲内でのトレッドクラウン部の柔軟な接地が妨げられることになる。
【0019】
ところで、トレッドクラウン部の適度の剛性と、適度の柔軟性とをバランスよく確保するためには、トレッド部の前記各曲げ剛性を適正な範囲に納めることの他、とくに、それらの曲げ剛性の比(Sb/Sa)を、4.20〜9.10の範囲に納めることが必要である。
【0020】
すなわち、その比が4.20未満では、直進安定性の確保が難しく、一方、9.10を越えると、高速走行時の操縦安定性の確保が難しい。
【実施例】
【0021】
図3に示す、この発明の実施の形態において、図中1は一対のビード部を、2は、各ビード部1に連続してそこから半径方向外方へ延びるサイドウォール部を、そして3は、トロイド状に延びてそれぞれのサイドウォール部に連続するトレッド部をそれぞれ示し、図示のこのタイヤは、0.50〜0.85の扁平比を有する。
【0022】
ここでは、それぞれのビード部1に配設したそれぞれのビードコア4間に、上記各部1,2,3を補強するラジアルカーカス5をトロイダルに延在させて配設する。ここにおけるカーカス5は、タイヤ赤道面Sに対して60〜90°の範囲の角度で延在する有機繊維コードよりなるカーカスプライ6の少なくとも一枚で形成してなる。
【0023】
また、このようなラジアルカーカス5のクラウン部の外周側には、二層以上のベルト層7,8からなり、層間でベルト層コードが相互に交差し、好ましくは、それらのコードが、タイヤ赤道面に対して相互に逆方向に延びるベルト9を配設し、それぞれのベルト層コードの、タイヤ赤道面Sに対する角度を15〜40°の範囲とする。
【0024】
そしてここでは、カーカスプライ6を構成する有機繊維コード、すなわち、各カーカスプライコードの引張破断強度(Edci)を980MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edci)と、タイヤ赤道面内でのカーカスプライコードの、50mm長さ当りの打込み本数(Nmci)との積として定義されるカーカス剛性(Fci)を、それぞれのカーカスプライ6について加算してなるカーカス総剛性(Fc)の絶対値を30000以上とする。
【0025】
またここでは、これと併せて、各ベルト層コードの引張破断強度(Edbj)を2350MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edbj)と、タイヤ赤道面内でのベルト層コードの、長さ50mm当りの打込み本数(Nmbj)との積として定義されるベルト剛性(Fbj)を、それぞれのベルト層7,8について加算してなるベルト総剛性(Fb)の絶対値を170000以上とする。
【0026】
なお、ここで好ましくは、ベルト総剛性(Fb)の絶対値に対するカーカス総剛性(Fc)の絶対値の比としての剛性比(|Fc/Fb|)を0.10〜0.50の範囲とする。
【0027】
また好ましくは、トレッド部3の、図1,2との関連の下に先に説明した、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を0.49〜1.47N/mmの範囲とするとともに、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)を3.92〜6.86N/mmの範囲とし、また、その面内曲げ剛性(Sa)に対する面外曲げ剛性(Sb)の比としての曲げ剛性比(Sb/Sa)を4.20〜9.10の範囲とする。
【0028】
このように構成してなる二輪車用空気入りタイヤによれば、それぞれのコードの引張破断強度、各種の剛性および剛性比の範囲内等での選択に基づき、タイヤ重量の増加なしに、しかも、すぐれた高速耐久性、直進安定性等の基本性能を十分に確保してなお、大キャンバー走行に際する、高い操縦安定性の発揮を担保することができる。
【0029】
なお、かかるタイヤにおいて、より好ましくは、タイヤを、JATMA YEAR BOOK、ETRTO STANDARDS MANUAL等の規格に定められたリムに組付けるとともに、そのタイヤ内へ同規格に定める空気圧を充填した、無負荷状態の下で、図ではタイヤ最大幅と等しいトレッド最大幅TWに対する、タイヤ赤道面S上のタイヤ最大外径点Pからトレッド最大幅位置までの半径方向距離hの比であるトレッド湾曲率を0.23以上0.5以下とする。
すなわち、湾曲率が0.23未満では、旋回時の接地性が低下して、旋回時の安定性の確保が難しくなり、0.50を越えると、十分な横力を発生させることが難しくなる懸念がある。
【0030】
実施例1
自動二輪車を用い、前輪タイヤを、サイズが120/70 ZR17(リム幅3.50インチ 内圧206kPa)とするとともに、後輪タイヤを、サイズが190/55ZR17(リム幅6.00インチ 内圧186kPa)として実車走行試験を行い、前輪タイヤのトレッド部の、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)を種々に変化させた場合の、高速旋回走行時の操縦安定性をフィーリング評価したところ図4にグラフで示す結果を得た。
なおこの場合の旋回速度は120km/hとし、操縦安定性指数は大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0031】
ところで、このグラフでは、後述する表1の比較タイヤをコントロールとして、それの性能を指数100としている。
図4によれば、面外曲げ剛性(Sb)が6.86N/mmを越えると、タイヤのロードホールディン性の低下に起因して、操縦安定性がコントロールタイヤと同程度にまで低下することが解る。一方、面外曲げ剛性が3.92N/mm未満では、剛性不足に起因する操縦安定性の低下が激しくなる。
【0032】
実施例2
前輪タイヤのトレッド部の、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を種々に変化させた場合の操縦安定性の変化を、実施例1の場合と同様にして求めたところ、図5にグラフで示す結果を得た。
ここでもまた、後述する表1の比較タイヤをコントロールとし、それの性能を指数100で表わしている。
【0033】
図5によれば、面内曲げ剛性(Sa)が0.49N/mm以上でコントロールタイヤよりすぐれた旋回操縦安定性をもたらし得る一方、それが1.47N/mmを越えると、トレッドクラウン部の柔軟な接地が妨げられることになって、操縦安定性の急激な低下が余儀なくされることになる。
【0034】
実施例3
前輪タイヤのトレッド部の曲げ剛性比(Sb/Sa)を変化させた場合の操縦安定性の変化を、実施例1と同様にして求めたところ図6に示す結果を得た。
この場合のコントロールタイヤもまた表1の比較タイヤであり、その性能を指数100とした。
【0035】
図6のグラフによれば、曲げ剛性比(Sb/Sa)が9.10を越えると、操縦安定性がコントロールタイヤ以下に急激に低下し、同様の傾向は、その比が4.20未満においても生じることが明らかである。
【0036】
実施例4
前輪タイヤのベルト剛性(Fb)の絶対値に対する、カーカス総剛性(Fc)の絶対値の比として剛性比(|Fc/Fb|)を変化させたときの操縦安定性の変化を実施例1と同様に求めたところ、図7に示す結果を得た。
ここでのコントロールタイヤも表1の比較タイヤである。
【0037】
図7によれば、剛性比(|Fc/Fb|)が0.10以上で操縦安定性が大きく向上する一方で、それが0.50を越えると、コントロールタイヤと同程度にまで操縦安定性が低下することが解かる。
【0038】
実施例5
自動二輪車を用い、前輪タイヤを、サイズが120/70 ZR17(リム幅3.50インチ 内圧206kPa)とするとともに、後輪タイヤを、サイズが190/55ZR17(リム幅6.00インチ 内圧186kPa)として実車走行試験を行い、高速旋回走行時の操縦安定性をフィーリング評価したところ表1に示す結果を得た。
なお、表1中には前輪タイヤとして用いた、実施例タイヤ及び比較タイヤのそれぞれの構成態様をもまた併せて記載する。
【0039】
【表1】
Figure 0004714464
【0040】
上記表1によれば、実施例タイヤは、各種の剛性要件等を満たすことで、高速旋回走行時の操縦安定性を大きく向上させ得ることが明らかである。
【発明の効果】
【0041】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、トレッド踏面が、その側縁部まで接地するような大きなキャンバー角をタイヤに付与してなお、高い操縦安定性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】曲げ剛性測定用のサンプルの切り出し方を示す図である。
【図2】曲げ剛性の測定装置を示す略線図である。
【図3】この発明の実施の形態を示すトレッド幅方向断面図である。
【図4】トレッド部の幅方向での面外曲げ剛性に対する操縦安定性の変化を示すグラフである。
【図5】トレッド部の周方向での面内曲げ剛性に対する操縦安定性の変化を示すグラフである。
【図6】曲げ剛性比に対する操縦安定性の変化を示すグラフである。
【図7】カーカストとベルトとの剛性比に対する操縦安定性の変化を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 一対のビード部およびサイドウォール部と、トロイド状に延びてそれぞれのサイドウォール部に連続するトレッド部とを具えるとともに、タイヤ赤道面に対して60〜90°の角度で延びる有機繊維コードからなるカーカスプライの一枚以上で形成したカーカスと、タイヤ赤道面に対して15〜40°の角度で延びるコードからなるベルト層の少なくとも二層で形成されて、カーカスのクラウン部の外周側に配設された、層間でコードが相互に交差するベルトとを具える、扁平比が0.50〜0.85である二輪車用空気入りラジアルタイヤであって、
    カーカスプライコードの引張破断強度(Edci)を980MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edci)と、タイヤ赤道面内でのカーカスプライコードの、50mm長さ当りの打込み本数(Nmci)との積としてのカーカス剛性(Fci)を、それぞれのカーカスプライについて加算してなるカーカス総剛性(Fc)の絶対値を30000以上とし、
    ベルト層コードの引張破断強度(Edbj)を2350MPa以上とするとともに、この引張破断強度(Edbj)と、タイヤ赤道面内でのベルト層コードの、50mm長さ当りの打込み本数(Nmbj)との積としてのベルト剛性(Fbj)を、それぞれのベルト層について加算してなるベルト総剛性(Fb)の絶対値を170000以上とし、
    かつ、トレッド部を幅方向にカットして形成した15mm幅のサンプルを用いて3点曲げ試験によりトレッド路面に押圧力を作用させて(力/変位量)を計測して求めた値である幅方向面外曲げ剛性(Sb)の、トレッド部を周方向にカットして形成した15mm幅のサンプルを用いて3点曲げ試験によりカット面に押圧力を作用させて(力/変位量)を計測して求めた値である周方向の面内曲げ剛性(Sa)に対する比としての曲げ剛性比(Sb/Sa)を4.20〜9.10の範囲としてなる二輪車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. トレッド部の、幅方向の面外曲げ剛性(Sb)を3.92〜6.86N/mm、周方向の面内曲げ剛性(Sa)を0.49〜1.47N/mmとしてなる請求の範囲1記載の二輪車用空気入りラジアルタイヤ。
  3. ベルト総剛性(Fb)の絶対値と、カーカス総剛性(Fc)の絶対値との剛性比(|Fc/Fb|)を0.10〜0.50の範囲としてなる請求の範囲1もしくは2に記載の二輪車用空気入りラジアルタイヤ。
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