JP4714374B2 - コンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材、及びこれを用いたコンデンサケース、及びこのコンデンサケースを備えたコンデンサ - Google Patents

コンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材、及びこれを用いたコンデンサケース、及びこのコンデンサケースを備えたコンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂皮膜(有機樹脂皮膜)の密着性が良好で安定した絶縁性が得られるコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム(以下、適宜Alと記す)材、前記樹脂被覆アルミニウム材を用いたコンデンサケース、および前記コンデンサケースを用いたコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンデンサは、例えば、図2に示すように、Al板を深絞りして作製した有底筒状のケース5に、駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子6を入れ、次いでゴム製封口体7を収納したのち、ケース5側面に横溝8を加工して封口体7の脱落防止と、封口体7とケース5の密着を図り、さらにケース5の開口端4をカーリング加工して封口体7上部に食い込ませてケース5内部を密封して作製される。以後、前記横溝加工とカーリング加工を「かしめ加工」と総称する。
【0003】
前記のコンデンサ素子6は、図3に示すように、陽極箔9と陰極箔10をセパレータ11を介して巻回し、巻回途中の陽極箔9と陰極箔10にそれぞれリード線12、13をタブ14、15を介して接続したもので、前記リード線12、13は封口体7に設けた孔を通してケース5の外側に導出される(図2参照)。
ケース5には多くの種類があり、例えば円筒形のものの寸法には、(A)タイプ:φ16×22L、φ5×7.0L、(B)タイプ:φ16×37L、φ5×10.9L、(C)タイプ:φ14.5×47L、φ5×14.4L(以上、単位はmm、φは直径、Lは長さを示す)などがある。
【0004】
前記横溝加工は、図4に示すように、回転軸16に回転自在に取付けられた円盤状のかしめゴマ17をケース5の外周に押し付けて行われる。前記カーリング加工はケース5の開口端4に回転軸18に取付けられたカーリング治具19の凹部を押し当てて行われる。前記横溝加工とカーリング加工は、かしめゴマ17とカーリング治具19のそれぞれの回転軸16、18を所定位置に固定し、ケース5を自転させて行う。
【0005】
ところで、前記ケースは、その外面が他の電子部品と接触して作動不良を起こすのを防止するため、塩ビ製カバーを被せて絶縁して用いられる。
しかし、Al製ケースに塩ビ製カバーを被せて絶縁するのは生産性を害するため、Al板の代わりに、Al板と熱可塑性ナイロン樹脂とを積層したラミネート材(特開平08−1857号公報)、Al板に熱可塑性ポリエステル樹脂を塗装した塗装材(特開平09−275043号公報)などを用いて塩ビ製カバーを被せる工程を省く方法が提案されている。
【0006】
また、近年、電子部品の小型化に伴ってAl電解コンデンサも小型化の傾向にあり、例えば、表面実装(チップオンボード)用のリード線をなくして小型化したチップタイプのAl電解コンデンサが実用されているが、このような小型のAl電解コンデンサでは、熱収縮チューブの被覆が極めて困難なため、Al板に代えて、Al板に熱可塑性ナイロン樹脂皮膜を積層したラミネート材、或いはAl板に熱硬化性エポキシ樹脂を塗装した塗装材などを用いて熱収縮チューブの被覆を省く方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術のラミネート材は、かしめ加工時に樹脂皮膜とAl板との密着性が低下して樹脂皮膜にピンホールが発生し、使用中に樹脂皮膜が細かく破断(ピンホール破断)して絶縁性が低下するため、これを防止するためにかしめ加工後に熱処理を施しており生産性が悪かった。また前記ラミネート材は高温高湿度雰囲気下に放置しておくと樹脂皮膜の密着性が低下するという問題があった。
一方、前記塗装材には、絞り加工比が1.5〜2.2程度に高くなると絞り加工時に樹脂皮膜が破断して絶縁性が低下するという問題があった。
本発明は,このような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、樹脂皮膜の密着性が良好で安定した絶縁性が得られるコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材、及びこれを用いたコンデンサケース、及びこのコンデンサケースを備えたコンデンサを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、アルミニウム板上に化成皮膜が設けられ、その上に樹脂皮膜が設けられた樹脂被覆アルミニウム材において、前記樹脂皮膜に、数平均分子量が8000〜28000の水酸基を有するポリエステル樹脂を数平均分子量が2700〜4500のポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物で架橋してなる熱硬化性樹脂皮膜を用いたことを特徴とするコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材である。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、前記水酸基を有するポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃〜120℃であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材である。
ここで、ガラス転移温度とは、樹脂が溶融状態からガラス状態に転移する温度で、この温度で分子鎖セグメントの凍結又は解放が生じ、力学的、誘電的、磁気的性質が急激に変化する。
また、請求項3記載の発明は、樹脂皮膜の厚さが25μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材である。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材が用いられていることを特徴とするコンデンサケースである。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項4記載のコンデンサケースが用いられていることを特徴とするコンデンサである。
【0011】
【発明の実態の形態】
本発明のコンデンサケース用樹脂被覆Al材は、図1に示すように、Al板1上に化成皮膜2を設け、その上に樹脂皮膜3を設けた樹脂被覆Al材における樹脂皮膜3の種類を規定してAl板と樹脂皮膜との密着性を熱処理などを要さずに高めたものである。
【0012】
本発明において、前記樹脂皮膜は、水酸基を有するポリエステル樹脂と、前記水酸基と反応するポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物(架橋剤)とを塗装焼付けして形成される熱硬化性樹脂皮膜である。
【0013】
前記ポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物は、ポリオールにて変性し多官能化及び高分子量化したイソシアネート化合物の末端イソシアネートをブロック剤によりブロック化したものである。
前記イソシアネートとしては、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)などが挙げられる。
【0014】
前記ブロック剤は、各種焼付条件に応じて、解離温度の異なる種々のブロック剤の中から選定される。前記ブロック剤には、活性メチレン類としてアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、フェノール類としてフェノール、P−ニトロフェノール、m−クレゾール、ラクタム類としてε−カプロラクタム、アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ベンジルアルコールなどがある。
ポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物は、前記イソシアネートやブロック剤の組み合わせで多種類になるが、その中から1種を単独使用しても、2種以上を混合使用しても良い。
【0015】
本発明において、Al板には純Al(JISA1100など)板、Al合金(JISA3004など)板などが使用できる。予めAl表面を粗面化しておくと化成皮膜と樹脂皮膜の密着性が向上する。粗面化には表面が粗な圧延ロールを用いて圧延する方法、ショットブラスト法、電気化学的エッチング法などが適用できる。
【0016】
本発明において、化成皮膜はAl板と樹脂皮膜との間に介在して両者の密着性を高めるもので、Al板および前記樹脂皮膜と強固に密着するものである。
具体的には、リン酸クロメート、クロム酸クロメート、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウムなどの処理液で形成される反応型化成皮膜であり、特にリン酸クロメート処理皮膜は低コストでかつ汎用性に富み好ましい。
【0017】
本発明において、樹脂皮膜は、次のようにして設ける。
即ち、水酸基を有するポリエステル樹脂と架橋剤を混合し、この混合物を芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤などを主溶剤または希釈剤に用いて塗料化し、この塗料を前記化成皮膜上にロールコーター、ブレードコーター、スプレー装置などにより塗装する。粘度などのコーティング特性は前記溶剤の量を調整して制御する。
【0018】
本発明では、前記塗料に着色剤を添加して装飾性を向上させたり、素地を隠蔽したり、カラークリヤー塗装にして素地を生かしたりすることも可能である。樹脂皮膜に無機系微粒子や有機系潤滑剤を添加して絞り加工性を向上させることもできる。前記塗装はAl板のコイリング工程で連続的に行うのが生産性の点で好ましい。塗装後は焼付処理を行って密着性を高めるのが好ましい。
【0019】
本発明において、前記水酸基を有するポリエステル樹脂の数平均分子量を8000〜28000に規定する理由は、数平均分子量が8000未満の場合は樹脂皮膜の伸びが減少してその密着性が低下するためである。また数平均分子量が28000を超える場合は樹脂を溶剤で希釈し塗料化する際、塗料粘度が高くなって塗装表面外観が悪化することがあるためである。
【0020】
本発明において、前記ポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物の数平均分子量1000〜5000が好ましく、この範囲に規定する理由は、数平均分子量が1000未満の場合は樹脂皮膜の伸びが減少してその密着性が低下し、数平均分子量が5000を超える場合は樹脂皮膜の架橋密度が低下し洗浄用脱脂溶剤の種類によっては加工後のプレス油洗浄工程で樹脂皮膜が溶解したり変質したりすることがあるためである。本発明においては、前記ポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物の数平均分子量をより好ましい2700〜4500とする。
【0021】
前記水酸基を有するポリエステル樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が40℃〜120℃のものが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が40℃未満の場合は洗浄用脱脂溶剤の種類によっては加工後のプレス油洗浄工程で樹脂皮膜が溶解または変質し生産性が大きく低下することがあり、ガラス転移温度(Tg)が120℃を超える場合は樹脂皮膜の伸びが減少して密着性が低下することがあるためである。
【0022】
前記樹脂皮膜の厚さは、25μmを超えると絞り加工時に樹脂皮膜が部分的にむしりとられ(所謂“かじり”)、かしめ加工時に樹脂皮膜の破断や剥離が生じることがある。従って樹脂皮膜の厚さは25μm以下が好ましい。一方樹脂皮膜厚さが2μm未満では絞り加工時に樹脂皮膜が剥離したり破断したりすることがあるので、樹脂皮膜厚さは2μm以上が好ましい。
【0023】
【実施例1】
以下に、本発明の実施例1について表1により説明する。
表1の本発明例1〜9は、厚さ0.3mmのAl合金板(JISA3004)に脱脂と水洗処理を常法により施し、次いでリン酸クロメート化成皮膜をスプレー法により設け、その上に表1に示す数平均分子量を本発明規定内で種々に変化させた水酸基を有するポリエステル樹脂に架橋剤として数平均分子量を本発明規定内で種々に変化させたポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物を混合し、これを溶剤に溶かしたもの(塗料)をロールコーター法により塗装し、次いで、これをPMT(最高到達板温度)230℃で架橋・焼付けして樹脂被覆Al材を製造した。
次に前記樹脂被覆Al材からブランク(直径11mmの円板)を打ち抜き、脱脂後、その両面に揮発性潤滑油G−6284M(商品名:日本工作油社製)を塗布し、次いで前記ブランクを、樹脂被覆面を外側にして絞り加工(絞り比〔ブランク径/ポンチ径〕=2.2)して円筒状ケース(直径5mm、高さ7mm)を作製した。
なお、表1に示した本発明例1〜9は請求項1の発明の実施例、本発明例3〜8は請求項2の発明の実施例、本発明例1〜6及び本発明例8、9は請求項3の発明の実施例である。
【0024】
比較例1〜3は、前記水酸基を有するポリエステル樹脂と架橋剤の数平均分子量を本発明の規定値外とした他は、上記本発明例と同じ方法により円筒状ケースを作製した。
比較例4は、架橋剤にメラミン樹脂を用いた他は、上記本発明例と同じ方法により円筒状ケースを作製した。
比較例5は、塗料に従来のエポキシ樹脂塗料を用いた他は、上記本発明例と同じ方法により円筒状ケースを作製した。
【0025】
本発明例1〜9及び比較例1〜5で作製した各々の円筒状ケースについて、樹脂皮膜の密着性を目視観察により調べた。また樹脂皮膜のかじりの有無を調べた。
次いで、前記円筒状ケースに脱脂および煮沸をこの順に施して脱脂後および煮沸後における樹脂皮膜の密着性を調べた。
【0026】
前記脱脂剤には下記の2種の市販品を用いた。
脱脂剤P:パークレン(商品名、パークロロエチレンと界面活性剤からなるクリーニング剤)、脱脂剤N:NKクリーナー(商品名:日本工作油社製、炭化水素系溶剤と界面活性剤からなるクリーニング剤)。
煮沸は沸騰する純水に1時間浸漬して行った。
樹脂皮膜の密着性は、樹脂皮膜が全く剥離しなかったものは極めて良好(◎)、樹脂皮膜が僅かに後退しただけのものは良好(○)、樹脂皮膜が大きく後退したものはやや不良(△)、樹脂皮膜が剥離または破断したものは不良(×)と判定した。
【0027】
さらに、脱脂後の円筒状ケースについて耐洗浄液性を調べた。
耐洗浄液性はケース同士を密着させたときのくっつき具合で評価した。
ケース同士が全くくっつかなかった場合は耐洗浄性が極めて良好(◎)、若干くっついたが簡単に分離できたものは良好(○)、強固にくっついて分離すると樹脂皮膜が剥離したものは不良(×)と判定した。これらの結果を表1に示す。
また、表1には水酸基を有するポリエステル樹脂のTg、水酸基を有するポリエステル樹脂と架橋剤の数平均分子量および樹脂皮膜厚さを併記した。
【0028】
【表1】
Figure 0004714374
【0029】
表1から明らかなように、本発明例1〜9はいずれも樹脂皮膜の密着性、耐洗浄液性が良好であり、コンデンサケース用樹脂被覆Al材として好適なものであった。
但し、本発明例1、2は樹脂皮膜のガラス転位温度(Tg)が低かったため脱脂剤Pを用いたときに耐洗浄液性が若干劣った。本発明例6は樹脂皮膜の厚さが薄かったため、本発明例9は水酸基を有するポリエステル樹脂のTgが高かったため、いずれも樹脂皮膜が僅かに後退した。本発明例7は樹脂皮膜が厚かったため樹脂皮膜の密着性が幾分低下し、また絞り加工後の樹脂皮膜に僅かながらかじりが生じた。しかしながら、本発明例1、2、6、7、9における僅かな欠陥はいずれも実用化には支障にならないものであった。
【0030】
一方、比較例1は水酸基を有するポリエステル樹脂の数平均分子量が小さいため、比較例2は架橋剤の数平均分子量が小さいため、いずれも樹脂皮膜の伸びが低下して密着性が低下した。比較例3は架橋剤の数平均分子量が大きいため架橋密度が低下し、特に脱脂剤Pにおける樹脂皮膜密着性および耐洗浄液性が悪化した。比較例4は架橋剤にメラミン樹脂を用いたため、樹脂皮膜にミクロ的に非常に硬い部分ができ絞り加工後に樹脂皮膜と化成皮膜の界面に大きな残留応力が生じ、脱脂後および煮沸後において密着性が劣った。比較例5は樹脂皮膜がエポキシ樹脂(従来品)のため、樹脂皮膜の密着性が劣った。
【0031】
【実施例2】
本発明の実施例2について表2により説明する。
上記実施例1で製造した樹脂被覆Al材(表1の本発明例1〜9)を絞り加工して得られたケースを用いて、上述した図2に示すコンデンサを常法により作製し、このコンデンサについて、かしめ加工部分の塗膜のピンホール破断および剥離状況を観察し、良否を判定した。ピンホール破断数または塗膜剥離数が0のものは極めて密着性が良好なもので、前記破断数または剥離数が1〜5のものは良好(○)、6〜10のものはほぼ良好(△)、11以上のものは不良なものと判定した。ほぼ良好(△)以上であれば実用上問題ない。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 0004714374
【0033】
表2より明らかなように、本発明例1〜9はいずれも、塗膜(樹脂被膜)の密着性が良好で実用上問題ない程度であった。
実施例2で作製したコンデンサを電子回路に組み込み、高温高湿度雰囲気で使用したが、塗膜が剥離するようなことはなく、良好な性能が安定して得られた。
【0034】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、アルミニウム板上に化成皮膜を設け、その上に、数平均分子量が8000〜28000の水酸基を有するポリエステル樹脂と数平均分子量が2700〜4500のポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物とからなる熱硬化性樹脂皮膜を設けたものなので、樹脂皮膜の密着性が良好で熱処理などを要さずに安定した絶縁性が得られる。従って、本発明の樹脂被覆アルミニウム材は、高品質でかつ生産性に優れ、アルミニウム電解コンデンサケースなどに用いて顕著な効果を奏するものである。また、本発明はコンデンサケースとしてこのような樹脂被覆アルミニウム材を用いることによりピンホール破断や樹脂被膜破断のないコンデンサケースを得ることができるものであり、さらに、このコンデンサケースを備えたコンデンサは、かしめ加工によって樹脂被膜にピンホール破断が生じたり樹脂被膜が剥離したりすることなく良好な特性が安定して得られるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサケース用樹脂被覆Al材の実施形態を示す縦断面説明図である。
【図2】コンデンサの縦断面説明図である。
【図3】コンデンサ素子の展開図である。
【図4】コンデンサのかしめ加工方法の説明図である。
【符号の説明】
1 Al板
2 化成皮膜
3 樹脂皮膜
4 開口端
5 コンデンサケース
6 コンデンサ素子
7 ゴム製封口体
8 横溝
9 陽極箔
10 陰極箔
11 セパレータ
12 陽極箔のリード線
13 陰極箔のリード線
14 陽極箔のタブ
15 陰極箔のタブ
16 かしめゴマの回転軸
17 かしめゴマ
18 カーリング治具の回転軸
19 カーリング治具

Claims (5)

  1. アルミニウム板上に化成皮膜が設けられ、その上に樹脂皮膜が設けられた樹脂被覆アルミニウム材において、前記樹脂皮膜に、数平均分子量が8000〜28000の水酸基を有するポリエステル樹脂を数平均分子量が2700〜4500のポリオール変性ブロック化イソシアネート化合物で架橋してなる熱硬化性樹脂皮膜を用いたことを特徴とするコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材。
  2. 前記水酸基を有するポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃〜120℃であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材。
  3. 樹脂皮膜の厚さが25μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のコンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム材が用いられていることを特徴とするコンデンサケース。
  5. 請求項4記載のコンデンサケースが用いられていることを特徴とするコンデンサ。
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