JP4713530B2 - 浮遊粒子状物質測定装置 - Google Patents

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本発明は、流体中に浮遊する微小粒子を光学的に検出し、その粒子の形状が球形状か繊維(円柱)形状かを識別する浮遊粒子状物質測定装置に関するものである。
従来の浮遊粒子の測定方法としては、粒子を濾紙上に捕集して光学顕微鏡や電子顕微鏡で直接測定する方法や、粒子を電気的に帯電させて帯電量と粒子の大きさとにより変化する電気移動度から求める方法、あるいは粒子に光を照射して散乱光量から粒子の粒径を求め、散乱光パルスの個数から粒子の個数濃度を求める方法など、原理が異なる種々の測定方法がある。
現在、アスベストなどの繊維(円柱)状粒子の数を測定する方法としては、粒子を白色フィルタ上に捕集して、フィルタと屈折率が等しい油浸液でフィルタを透明化した後、偏光顕微鏡(Polarized Light Microscope)あるいは位相差顕微鏡(Phase Contrast Microscope )で繊維状粒子の形状を確認しながら計数して繊維数濃度を求める方法が主に使用されている。しかし、この方法では捕集と識別という操作が必要なため、多大の労力と測定時間を必要とすると共に顕微鏡観察の熟練度を必要とし、原理的に実時間測定は不可能である。
これらの顕微鏡観察による計数法の問題点を解決し、実時間で測定できる手段として、繊維状粒子を振動電場によって回転させて識別する第1の方式の装置と(例えば非特許文献1参照)、後方散乱光の偏光度によって繊維状粒子を識別する第2の方式の装置(例えば特許文献1、非特許文献2参照)が近年開発されている。
第1の方式の装置の形状識別原理を簡単に記述する。装置内に吸引された粒子は、検出部に設けられた四重電極内に導入される。四重電極へはお互いに位相差をもって同一周波数の交流の高電圧が印加されており、四重電極によって回転電場が形成されている。回転電場の中に導入された繊維状粒子は、対向する電極に引かれて繊維が引き伸ばされるとともに、交流の周波数に同期して粒子の主軸が電場とともに回転する。この繊維状粒子に、その回転面とは垂直な方向からレーザ光を照射し、90度側方散乱光を検出する。この散乱光の強度は、高電圧電場の振動に同期して変化し、長い繊維ほど散乱強度の変動幅が大きくなる。球状粒子の場合は、高電圧電場の振動に同期しても、散乱光強度が変調を受けることはないので、繊維状粒子と球状粒子との判別が可能である。
次に、第2の方式の装置の形状識別原理を簡単に記述する。この第2の方式では、振動電場で繊維状粒子を回転させる代わりに、静電場の中を粒子を通過させることで繊維状粒子の対称軸を一定方向に配向させた上で、45度直線偏光の短波長レーザ光を被検出対象粒子に対して入射させる。このレーザ光の入射による後方散乱光の偏光状態は、球状粒子と円柱状粒子で大きく異なる。すなわち、繊維状粒子のような円柱状粒子では、散乱平面の法線方向に配向された粒子の長軸方向に平行な偏光成分(すなわち、散乱平面に垂直な偏光成分)が強くなる一方、球状粒子では、散乱平面に平行な偏光成分が強くなるので、繊維状粒子と球状粒子との判別が可能である。
特許第2881731号公報 Pedro Lilienfeld,"Light Scattering from Oscillating Fibers at Normal Incidence",J.Aeroso1.Sci,Vo1.18,No.4,p.389-400,1987 N.Hiromoto,K.Hashiguchi,S.Ito,and T.Itabe,"Asbestos Real-Time Monitor in an Atmospheric Environment",Applied Optics,vol.36,No.36,9475-9480,1997
第1の方式の装置では、繊維状粒子の計数に測定誤差、より詳しくは数え落としが発生するという問題点があった。その理由は、曲がっている繊維状粒子を伸ばして直線性を良くし、さらに粒子を回転させるために四重電極を設けていることから、絶縁限界に近い高電圧を印加しているものの、直線性の乏しい繊維状粒子が高電圧印加による強い電場を通過する際に完全に直線とならず、数え落としが発生するものと考えられる。
一方、第2の方式の装置では、静電場を利用することで、粒子を長時間にわたって分極させることができ、曲がった繊維状粒子も一直線状に伸ばすことができるので、第1の方式の装置に比べて、伸張不足による繊維状粒子の数え落としは少ない。
しかし、第2の方式の装置では、後方散乱光を検出するため、光源と検出器を隣接して配置する必要があり、粒子を導入するフロー管に垂直方向に枝管を設けて、この枝管に光源と検出器を隣接して配置する必要がある。また、第2の方式の装置では、散乱光の垂直偏光成分と水平偏光成分を別々に測る必要があるため、散乱光を1:1の偏光タイプビームスプリッタで分離する必要がある。このため、検出器の構成が大掛かりになる。
このように、第2の方式の装置では、気体レーザを光源として用いていること、識別方式の原理として散乱光の垂直偏光成分と水平偏光成分を分離して計測することが要求されるため、光学系の構成が複雑になり、装置が大型になるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、小型の光学系配置で被検出対象粒子が球状粒子か繊維状粒子かを正確に識別することができる浮遊粒子状物質測定装置を提供することを目的とする。
本発明の浮遊粒子状物質測定装置は、直線偏光を射出する光源と、流体中に浮遊している被検出対象粒子を観測視野内に導入する導入手段と、前記観測視野内に導入された粒子に前記直線偏光が入射したことによる散乱光を検出して電気信号に変換する受光手段と、前記直線偏光が前記粒子に入射する前に、前記光源と前記粒子と前記受光手段とを含む散乱平面に対して、前記直線偏光の偏光面を前記散乱平面の法線方向から任意の角度だけ所定の周波数で繰り返し変動させる偏光面回転手段と、前記直線偏光が前記粒子に入射する前に、前記粒子を前記散乱平面の法線方向に向ける粒子配向手段と、前記受光手段から出力された信号に基づいて前記粒子の形状を識別する粒子識別手段とを有し、前記光源は、前記直線偏光の偏光面を前記散乱平面の法線方向に偏光させ、前記受光手段は、前記光源から前記粒子に向かう方向に対して前記粒子を中心とする散乱角が略10度の散乱光を検出することを特徴とするものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記光源から射出される直線偏光の波長の最小値は、識別対象とする球状微小粒子の半径よりも長く、かつ円柱状微小粒子の長さよりも短い。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記偏光面回転手段は、光磁気効果を利用した素子からなるものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記偏光面回転手段は、前記所定の周波数の制御信号に応じて前記直線偏光の偏光面の回転角を制御する偏光面回転角可変型ファラデー回転子からなるものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記偏光面回転手段は、前記直線偏光の偏光面の回転角が固定された偏光面回転角固定型ファラデー回転子と、前記所定の周波数の制御信号に応じて前記偏光面回転角固定型ファラデー回転子を機械的に回転させるモータとからなるものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記粒子配向手段は、前記散乱平面の法線方向を向いた静電場を前記観測視野の近傍に形成する手段である。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記粒子識別手段は、前記受光手段から出力された信号の強度が前記所定の周波数で変調されている場合は、前記粒子が円柱状粒子であると識別し、前記信号の強度が変調されていない場合は、前記粒子が球状粒子であると識別するものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記粒子識別手段は、前記受光手段から出力された信号のパルスの数から前記粒子の個数を検出し、前記粒子が球状粒子であると識別した場合は前記パルスの最大強度から粒径を検出し、前記粒子が円柱状粒子であると識別した場合は前記パルスの最大強度から粒子の長さを検出するものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記導入手段は、絶縁材料からなる中空ディスク状絶縁ブロックと、その上下から前記中空ディスク状絶縁ブロックを挟む絶縁材料からなる二枚の蓋とからなり、前記中空ディスク状絶縁ブロックは、このブロックの中心を通る前記直線偏光の導入用の第1の貫通孔と、前記ブロックの中心を通り、かつ前記第1の貫通孔と直交する前記流体の導入用の第2の貫通孔と、前記第1の貫通孔の軸に対して略10度の方向に、かつその延長線が前記ブロックの中心を通るように形成された前記散乱光の検出用の第3の貫通孔と、前記第1、第2、第3の貫通孔と繋がる中央部に設けられた光の散乱室となる空間とを有し、上側の前記蓋と前記中空ディスク状絶縁ブロックとの間、及び下側の前記蓋と前記中空ディスク状絶縁ブロックとの間に、それぞれ前記粒子配向手段を構成する金属電極を前記第2の貫通孔に沿って配設することを特徴とするものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記導入手段は、前記流体を導入する流路であるフロー管からなり、このフロー管は、前記直線偏光の導入用及び前記散乱光の検出用の開孔を有し、この開孔の上下部分に前記粒子配向手段を構成する金属電極を配設することを特徴とするものである。
また、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の1構成例において、前記中空ディスク状絶縁ブロックと2枚の蓋とは、プラスティック、マシナブル・セラミックス、あるいはエンジニアリング・セラミックスの何れかからなり、前記散乱室の壁面及び前記第1、第2、第3の貫通孔の壁面は、前記光源の波長の光を吸収する材料で被覆されることを特徴とするものである。
本発明によれば、光源からの直線偏光の偏光面を偏光面回転手段によって変調させるので、静電場中を長時間にわたり被検出対象粒子を移動させることができる。このため、被検出対象粒子を長時間にわたって鉛直方向へ引き伸した状態を続けることができるので、繊維状粒子の絡み合いや不十分な伸張に起因する粒子の数え落としを低減することができ、被検出対象粒子が球状粒子か繊維状粒子かを正確に識別することができる。また、本発明では、光源と受光手段として短波長光源とその短波長領域の受光手段の代わりに、通信波長帯領域の長波長光源と通信波長帯領域の受光手段が利用可能であるので、安価かつ安定した半導体レーザ光源などの利用が可能となり、装置全体の小型化並びに廉価化を実現することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、特定の散乱角で散乱光を検出することにより、形状の異なる粒子の識別を可能にする本発明の原理を説明するための図であり、球状粒子及び円柱状粒子による散乱光の偏光度(偏光の大きさ)と粒子半径との関係を示す図である。図1において、Sは球状粒子の特性、Cは円柱状粒子の特性である。
この図1は、屈折率1.55の物質の球状粒子及び円柱状粒子による散乱光の偏光度を、種々の粒子半径について前方散乱に近い散乱角10度で散乱理論に基づき導出したものである。偏光度を導出した光の波長は、識別対象粒子の半径よりも長い1.55μmである。図1では、偏光度の数値が正の方向にいくほど散乱平面に対して垂直偏光の度合いが強くなり、+1で完全に垂直偏光のみとなる。他方、偏光度の数値が負の方向にいくほど散乱平面に対して水平偏光の度合いが強くなり、−1で完全に水平偏光のみとなる。
大きい半径の粒子は重量沈降により空気中に浮遊できないため、浮遊している粒子の粒子半径は10μm以下のものが多い。そのうち、特に個数濃度で多数分布しているのは半径1μm以下の粒子である。このような半径1μm以下の粒子について見ると、散乱角10度という散乱角での散乱光の偏光状態は、球状粒子の場合はほぼ無偏光状態に近く、他方、円柱状粒子の場合は垂直偏光成分が多くなる。つまり、円柱状粒子による散乱光は、円柱軸方向に電気ベクトルが振動する垂直偏光成分を多く含む。このような散乱光の偏光度の違いから、形状の異なる球状粒子と円柱状粒子の識別が可能となる。この図1に示す特性は、発明者が光の散乱理論に基づいて見出した事実である。
以下、本発明の浮遊粒子状物質測定装置の構成を図面に基づいてさらに詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の概略構成を示す図である。図2は被検出対象粒子1に光を照射した状態を示している。被検出対象粒子1は、粒子配向手段2によって、すでに主軸が散乱平面5の法線VERの方向に揃えられている。粒子配向手段2は、円柱状粒子1の主軸を、光源3と粒子1と受光手段4によって定義される散乱平面5の法線VERの方向に揃える手段であり、本実施の形態では静電場を想定している。
光源3からの射出光は、散乱平面5に対して垂直な方向を向いた直線偏光である。この射出光は、偏光面回転手段6を通過した後に、被検出対象粒子1の主軸に対して直角な方向から被検出対象粒子1に入射する。ここで、偏光面回転手段6としては、例えばファラデー回転子などで構成され、光の伝播方向に印加する磁場の強さによって偏光面の回転角を変調できるものを想定している。この偏光面回転手段6は、YIG(Yttrium Iron Garnet )などのガーネット系結晶にコイルを巻き、電流を流すことによって、光の伝播方向に平行の磁場を発生させることで、偏光面の回転角を制御することができる。
偏光面回転手段6による、散乱平面5の法線VERの方向からの偏光面の回転角を図2に示すようにφとすると、散乱平面5の法線VERの方向を向いた被検出対象粒子1に、角度φだけ傾いた直線偏光を入射させることができる。この入射光は被検出対象粒子1が円柱状粒子である場合、円柱軸に平行な成分(散乱平面5に対しては垂直偏光成分)と円柱軸に垂直な成分(散乱平面5に対しては水平偏光成分)がそれぞれ違ってくる。なお、以後は、散乱平面を基準に「垂直」、「水平」を特定する。ここで、一定の角度、特に前方散乱に近い散乱角θ=10度での散乱光に着目する。
受光手段4は、この散乱角θ=10度の散乱光を検出して電気信号に変換する。受光手段4としては、光電子倍増管、固体接合光ダイオード、半導体フォトダイオード、アバランシェフォトダイオードの何れか1つが考えられる。
図1に示すように、円柱状粒子による散乱光には垂直偏光成分が多く、これに対して球状粒子による散乱光は無偏光状態である。したがって、偏光面回転手段6によって偏光面の回転角φを変動させると、被検出対象粒子1が円柱状粒子の場合は受光手段4による検出信号が回転角φに連動して変動するのに対して、被検出対象粒子1が球状粒子の場合は検出信号が変動しないことが期待される。そこで、球状粒子及び円柱状粒子による散乱光の強度と入射光の偏光面の回転角φとの関係を示す特性図を描くと、図3のようになる。期待通り、粒子半径が入射光の波長より小さい場合、円柱状粒子による散乱光の強度は偏光面の回転によって二回対称の変調を受けるのに対して、球状粒子による散乱光はほとんど変調されない。なお、図3のS1,S2は、それぞれ球状粒子の径が0.3μm、0.5μmの場合である。また、C1,C2,C3,C4,C5は、それぞれ円柱状粒子の半径がそれぞれ0.3μm、0.5μm、1μm、1.5μm、2μmの場合である。
入射光の波長は、識別したい球状粒子の半径より長くてもよいが、円柱状粒子の軸方向の長さに比べて短くしておく。入射光の波長が円柱状粒子の軸方向の長さよりも長いと、円柱状粒子も球状粒子と同様なレーリー(Rayleigh)散乱をするようになるため、本発明の識別原理が適用できなくなる。
本実施の形態では、偏光面回転手段6に交流電流を印加することで交流磁場を発生させ、被検出対象粒子1への入射光の偏光面の回転角φを印加交流電流で変調する。この交流電流の周波数をfとすると、光源3からの垂直偏光は、周波数fでその偏光面が散乱平面5の鉛直方向から変動しながら被検出対象粒子1に入射する。被検出対象粒子1が観測視野を横切る際に、観測される光散乱パルスの強度が周波数fで変調されていれば、被検出対象粒子1は円柱状粒子であると識別でき、変調されていなければ、被検出対象粒子1は球状粒子であると識別できる。換言すれば、散乱光パルスの数から検出粒子の個数を検出することができ、散乱光パルスの最大強度から粒子径あるいは円柱状粒子の長さを検出することができ、さらに周波数fの変調に対する応答信号の有無で、円柱状粒子か球状粒子かの識別が可能である。以上が、本実施の形態による粒子形状識別の原理である。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の詳細な構成を示す斜視図である。検出器7は、大別して、中空ディスク状絶縁ブロック7bと、その上下からブロック7bを挟む二枚の蓋7aと、2枚の金属電極8と図示しない高圧安定化電源からなる粒子配向手段と、受光手段4とから構成される。中空ディスク状絶縁ブロック7bと二枚の蓋7aとは、被検出対象粒子1を含む試料流体18aを観測視野内に導入する導入手段を構成している。図5(A)は中空ディスク状絶縁ブロック7bの正面図、図5(B)は中空ディスク状絶縁ブロック7bの平面図、図5(C)は上側の蓋7aの平面図である。
まず、中空ディスク状絶縁ブロック7bより説明する。中空ディスク状絶縁ブロック7bは、絶縁材料からなる中空ディスクであり、検出器7として組み立てた際に上下の蓋7aに挟まれた中心部分の空間が光の散乱室7cとなる。ブロック7bには、その上面及び下面と平行な方向に沿って放射状に二本の互いに直交する貫通孔が開孔されている。ブロック7b内に向かうこれらの貫通孔の延長線はブロック7bの中心を通るようになっている。一方の第1の貫通孔のうち半分を照射光導入用貫通孔11aとし、もう半分を照射光導入用貫通孔11bとする。また、他方の第2の貫通孔のうち半分を採気用貫通孔(試料流体導流路)13aとし、もう半分を排気用貫通孔(試料流体導流路)13bとする。
また、ブロック7bには、その上面及び下面と平行な方向に沿って、照射光導入用貫通孔11a,11bの軸に対して略10度の方向に、散乱光観測用貫通孔兼受光手段挿入用座繰り12(第3の貫通孔)が開孔されている。ブロック7b内に向かう散乱光観測用貫通孔兼受光手段挿入用座繰り12の延長線もブロック7bの中心を通るようになっている。加えて、ブロック7bには、上下に圧着するための蓋7aをネジ止めするためのネジ貫通孔10bが開孔される。さらに、ブロック7bの上面及び下面には、散乱室7cの機密性を向上させる目的で、シール用Oリング9の挿入用溝9b(図4中には図示せず)が形成されている。
こうして形成された中空ディスク状絶縁ブロック7bに対して、照射光導入用貫通孔11bの出口側にはオプティカル・トラップ11cが取り付けられる。オプティカル・トラップ11cは、曲がった円錐状あるいは角形状をした不要光の減衰器である。また、散乱光観測用貫通孔兼受光手段挿入用座繰り12には、受光手段4が挿入されて固定される。さらに、照射光導入用貫通孔11aの内側開孔部には、密閉用のガラス窓11dが挿入固定される。
中空ディスク状絶縁ブロック7bの厚さは、繊維状粒子を配向させるのに必要な静電場の強度により決定される。例えば、ブロック7bの厚さを1cmとすると、電場強度1kV/cmの静電場を散乱室7c内に実現するためには、後述する金属電極8にそれぞれ±500Vずつ印加することになる。ブロック7bの外径、内径、厚さは、このブロック7bに搭載する受光手段4やオプティカル・トラップ11cのサイズに依存して、これらを実装する際に、互いに干渉し合わないサイズに適宜設定される。
蓋7aは、その直径が中空ディスク状絶縁ブロック7bの外径と同一で、同じく絶縁材料で構成された円板である。採気用貫通孔13a及び排気用貫通孔13bに沿って散乱室7cの前後において、粒子配向のための静電場を形成するために、上側の蓋7aの下面及び下側の蓋7aの上面には、それぞれ金属電極8が搭載されている。したがって、検出器7を組み立てる際には、上側の蓋7aの下面とブロック7bの上面との間、及び下側の蓋7aの上面とブロック7bの下面との間に、それぞれ金属電極8を挟み込むことになる。この2枚の金属電極8の間に高圧安定化電源(不図示)から高い電圧を印加することで、散乱平面5(ブロック7bの上面及び下面に平行な面)に対して鉛直な方向を向いた静電場を、採気用貫通孔13a及び排気用貫通孔13bに沿って形成することができる。
また、中空ディスク状絶縁ブロック7bのネジ貫通孔10bと対応する、蓋7aの位置には、ネジ止め用孔10aが形成されている。
さらに、検出器7の組み立てに際しては、上側の蓋7aの下面及び下側の蓋7aの上面には、それぞれシール用Oリング9が配設される。これらのシール用Oリング9は、組み立て時に中空ディスク状絶縁ブロック7bの挿入用溝9bの内部に埋め込まれる。
以上のように、検出器7を構成することによって、図2に概略を示したように、散乱平面5に対して鉛直な方向を向いた被検出対象粒子1に対して、前方散乱に近い散乱角10度での散乱光を検出するための光学系を実現することができる。
すなわち、光源3(図4、図5では不図示)からの射出光は、照射光導入用貫通孔11aから検出器7に入射し、試料流体18a(被検出対象粒子1を含む空気)は、採気用貫通孔13aから検出器7に流入する。被検出対象粒子1は、検出器7内部の静電場によって散乱平面5(ブロック7bの上面及び下面に平行な面)に対して鉛直な方向に揃えられる。そして、被検出対象粒子1による散乱光のうち散乱角θ=10度での散乱光は受光手段4に入射し、照射光導入用貫通孔11bに向かって進んだ散乱光はオプティカル・トラップ11cによって減衰される。
中空ディスク状絶縁ブロック7bの材料としては、絶縁耐圧が1kV/cmに耐え得るものであれば、成形の容易なプラスティックを利用することも可能であるが、マシナブル・セラミックス(研削可能なセラミック材料)を用いることが望ましい。搾孔、研削などの加工の後焼結するエンジニアリング・セラミックスを利用することも可能である。何れの場合も、散乱室7cを形成する中空部分並びに光ビームが通過する各貫通孔11a,11b,13a,13bには、マットブラック等の黒色を焼き付け塗装するか、光吸収率の高い塗料などを塗布するかして、散乱室内部並びに光ビームの通過する部分の乱反射光を減少させる必要がある。あるいは、中空ディスク状絶縁ブロック7bの材料として、元々黒色のエンジニアリング・セラミックスを利用してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、従来法のように、電気四重極子によって入射光の光軸に垂直方向に引き伸ばされた繊維状粒子を検出器に対して回転させる代わりに、光源からの垂直偏光の偏光面を偏光面回転手段6によって変調させるので、静電場中を長時間にわたり被検出対象粒子1を移動させることができる。このため、被検出対象粒子1を長時間にわたって鉛直方向へ引き伸した状態を続けることができるので、繊維状粒子の絡み合いや不十分な伸張に起因する粒子の数え落としを低減することができる。特に、従来法で数え落としが多いとされる湾曲したアスベストや、わが国において最も使用量が多いとされるクリソタイルの識別計数に有効であるものと期待できる。
また、本実施の形態では、粒子を回転させるための電気四重極子構成の代わりに、散乱平面に対して鉛直方向の静電場を用いるので、4枚の電極の代わりに2枚の金属電極8を配置すればよく、被検出対象粒子1の導入手段そのものを薄くすることが可能となり、その結果、金属電極8への印加電圧も導入手段の厚さの減少量に比例して低電圧化することが可能である。さらに、回転電場発生のための回路系を省略することができ、静電場発生のために、単なる直流の高圧安定化電源20で済むことになる。
また、本実施の形態では、光学系の構成に関しては、光源3と受光手段4として短波長光源とその短波長領域の受光手段の代わりに、通信波長帯領域の長波長光源と通信波長帯領域の受光手段が利用可能であるので、安価かつ安定した半導体レーザ光源などの利用が可能となり、装置全体の小型化並びに廉価化を実現することができる。
[第2の実施の形態]
上述の第1の実施形態においては、中空ディスク状絶縁ブロック7bの採気用貫通孔13a及び排気用貫通孔13b(試料流体導流路)の上下に金属電極8を配設することによって平行平板電極を形成し、粒子配向手段2を実現した。この金属電極8の間に1kV近い高電圧を印加して、電場強度1kV/cmもの配向用静電場を形成した。
このような構成にした場合、採気用貫通孔13aより導入された試料流体18aは、貫通孔13aの閉鎖空間を流れた後に、散乱室7cに導かれて広い空間へと導かれ、さらに前進して排気用貫通孔13bを通って排気される。
採気用貫通孔13aを通過する被検出対象粒子1は、配向用静電場中を通過する際に、瞬時に分極する。このとき、2枚の金属電極8のうちの正極に近い方の被検出対象粒子1の端部は負に帯電し、金属電極8の負極に近い方の被検出対象粒子1の端部は正に帯電する。このため、静電場中で分極して双極子状態となった被検出対象粒子1は、電場の方向ヘ引き伸ばされ、そのまま出口方向へと移動することが期待される。一般に、断面積が急激に変化する流路中を流体が流れる場合、断面積の急変部分において乱流を発生しやすい。強い静電場により被検出対象粒子1を散乱平面5の鉛直方向に向けたとしても、こうした乱流により被検出対象粒子1の対称軸方向が撹乱されるのは、本発明の検出原理においては好ましくない。
そこで、本発明の第2の実施の形態では、試料流体導流路の断面積が変化しないような流路を中空円管によって構成する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の概略構成を示す図である。本実施の形態の検出器7は、大別して、絶縁材料からなる試料流体導流路であるフロー管14aと、2枚の粒子配向用電極16と高圧安定化電源20からなる粒子配向手段と、受光手段(図6では不図示)とから構成される。
フロー管14aには、照射光・散乱光導入・導出用開孔15が2つ対向して設けられ、この開孔15の上下部分に粒子配向用電極16が形成されている。また、開孔15には、密閉用のガラス窓(不図示)が挿入固定されている。粒子配向用電極16は、例えば金がコートされたアルミ薄板で構成される。高圧安定化電源20から2枚の粒子配向用電極16間に高い電圧を印加することで、静電場をフロー管14aに沿って形成することができる。
試料流体18a(被検出対象粒子1を含む空気)は、図6の矢印で示すようにフロー管14aの一方の側から流入し、他方の側から排出される。また、光源3(図6では不図示)からの射出光は、照射光・散乱光導入・導出用開孔15からフロー管14aの内部に入射する。被検出対象粒子1による散乱光は、照射光・散乱光導入・導出用開孔15から射出され、フロー管14aを挟んで光源3と反対側にある受光手段4に入射する。
こうして、本実施の形態では、試料流体導流路の断面積が変化しないようにすることができ、乱流の発生による被検出対象粒子1の対称軸方向の撹乱を抑えることができる。
なお、図6に示したフロー管14aと粒子配向用電極16とを、第1の実施の形態の中空ディスク状絶縁ブロック7bの採気用貫通孔13a及び排気用貫通孔13bに挿入し、照射光・散乱光導入・導出用開孔15が照射光導入用貫通孔11a,11bの軸を通過するように配置して、検出器を構成することも可能である。この場合は、上下の蓋7aとの間に挟み込み実装する金属電極8は不要である。
[第3の実施の形態]
第2の実施の形態の構成では、フロー管には、ガラスやプラスティック等の絶縁材料を用いる。ただし、一般に、微小粒子が絶縁材料で形成された流路中を通過すると、管壁との衝突や摩擦などによって粒子が帯電することがあり、帯電した粒子が静電場中に導入されると、フロー管の管壁に粒子が付着することが懸念される。
図7(A)、図7(B)は、本発明の第3の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の概略構成を示す図であり、図6と同一の構成には同一の符号を付してある。なお、図7(A)、図7(B)の左半分は検出器の外観を示し、右半分は検出器の断面構造を示している。
図7(A)の検出器7は、絶縁材料からなるフロー管14bの中に金属製の採気管17を設けて二重管構成とすることで、粒子配向用電極16の直近まで被検出対象粒子1を帯電させない状態で導入する形態としている。この場合、シース流体18bとして清浄流体を用い、シース流体18bによって被検出対象粒子1を浮遊させた試料流体18aを包み込むことで、フロー管14bの内壁面への被検出対象粒子1の付着を防止することができる。シース流体18bと試料流体18aとが混合しないような包みこみを達成し、かつフロー管14b内において層流境界層を形成できるように、粒子配向用電極16の直近において、シース流体18bと試料流体18aの流速が等しくなるように排気側の流速を調整する。第2の実施の形態と同様に、フロー管14bの開孔15には、密閉用のガラス窓(不図示)が挿入固定されている。
図7(B)の検出器7は、図7(A)と同様の二重管構造を、例えば径違いユニオン・ティー19によって構成する例を示している。
本実施の形態においても、光源3(図7(A)、図7(B)では不図示)からの射出光は、照射光・散乱光導入・導出用開孔15からフロー管14b,14cの内部に入射する。被検出対象粒子1による散乱光は、照射光・散乱光導入・導出用開孔15から射出され、フロー管14b,14cを挟んで光源3と反対側にある受光手段4(図7(A)、図7(B)では不図示)に入射する。
なお、第2、第3の実施の形態では、フロー管14a,14b,14cの断面形状を円形としたが、その断面形状は加工が可能であれば、四角形であってもよく、円形に限定されるものではないことは言うまでもない。特に、四角形のフロー管14a,14b,14cに形成した2枚の粒子配向用電極16により静電場を形成する場合には、円管表面に電極16を沿わせた場合に比較して、電極端部も含めて同一距離離して電極16を対向配置することが可能であるので、粒子配向用により高い電圧を印加することができる。
アモサイト、クロシドライト等青石綿を構成する棒状粒子に比較して、クリソタイル(白石綿)等の湾曲した粒子は、四重電極による回転電場中では充分に伸張できないため、数え落としが多いとされている。これに対して、断面が四角形のフロー管14a,14b,14cに形成した2枚の粒子配向用電極16により静電場を形成する場合には、大気の耐圧(約104V/cm)近くまで印加電圧を昇圧できるので、湾曲した繊維状粒子も充分に伸ばすことができ、検出し易くすることができる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の偏光面回転手段の概略構成を示す斜視図である。図8は、第1〜第3の実施の形態に適用する偏光面回転手段6を説明するための図であり、偏光面回転手段6を構成する偏光面回転角可変型ファラデー回転子21を示す図である。
偏光面回転角可変型ファラデー回転子21は、強い磁場内に配置された物質に対して磁場の印加方向に平行に直線偏光を入射させたときに、光の偏光面が回転するファラデー効果あるいは磁気旋光効果と呼ばれる現象を利用した素子である。波長1.55μmの通信波長帯域の場合、回転子21は、YIGなどのガーネット系結晶22の周囲に図8に示すようにコイル23を巻くことにより実現できる。
入射光が回転子21を通過したことによる偏光面の回転角をφとすると、回転角φは光がガーネット系結晶22内を通過する距離D(結晶22の長さ)と光の伝搬方向に印加される磁場の強度Hにほぼ比例し、物質に固有のヴェルデ定数と呼ばれる比例定数をβとすると、次式で与えられる。
φ=β・H・D ・・・(1)
比例定数βは、波長と温度に依存する。図8に示すような形態で偏光面回転角可変型ファラデー回転子21を構成した場合、偏光面の回転角φは、コイル23に流す電流の強さで制御できるので、本発明のように偏光面を周波数fで変調するような構成にする場合には非常に有効である。
[第5の実施の形態]
図9(A)は、本発明の第5の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の偏光面回転手段の概略構成を示す斜視図であり、第1〜第3の実施の形態に適用する別の偏光面回転手段6を説明するための図である。本実施の形態の偏光面回転手段6は、中空円筒状永久磁石によって偏光面の回転角が固定された偏光面回転角固定型ファラデー回転子24を利用するものである。図9(B)は中空円筒状永久磁石25を切断した図であり、回転子24の構造を示す斜視図である。
偏光面回転角固定型ファラデー回転子24は、中空円筒状永久磁石25の内部にTGG(Terbium Gallium Garnet )などのガーネット系結晶22を配置したものである。偏光面回転手段6として回転子24を利用する場合には、ベアリング26aにより固定用笙体26b中に搭載されたファラデー回転子24を、電動モータ26cと歯車回転機構26dによって機械的に回転させると、回転子24のガーネット系結晶22を通過する光の偏光面の回転速度は機械的な回転速度と同一になる。したがって、通常の光学測定で利用する光チョッパと同様の利用形態で、図9(A)に示す偏光面回転角固定型ファラデー回転子24により入射直線偏光の偏光面に変調を加え、受光手段4による検出信号と同期させて計測する構成としてもよい。
なお、第4、第5の実施の形態では、偏光面回転手段6を構成する光磁気効果を利用した素子として、ファラデー素子を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、磁気カー効果を利用した素子を用いてもよい。
[第6の実施の形態]
図10は本発明の第6の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の信号処理系の概念を示す図、図11は信号処理系の構成を示すブロック図である。この図10、図11は、第1〜第5の実施の形態に適用する信号処理系を説明するための図である。
粒子形状識別を行う本実施の形態の信号処理系は、信号増幅手段27と、変調手段28と、位相弁別検知手段29と、演算手段30と、通信手段31とを有する。位相弁別検知手段29と演算手段30とは、粒子識別手段を構成している。そして、演算手段30は、波高分析部30aと、制御・計数部30bとを有する。
図10、図11に基づいて、粒子識別の信号処理の流れを説明する。まず、演算手段30の制御・計数部30bは、高圧安定化電源20を駆動し、第1〜第3の実施の形態で説明した検出器7の粒子配向手段2に粒子配向用の静電場を生成させて、被検出対象粒子1を散乱平面5に対して鉛直方向の向きに揃える。
また、制御・計数部30bは、第4の実施の形態で説明した偏光面回転角可変型ファラデー回転子21により偏光面回転手段6を構成する場合には、変調手段28から周波数fの交流電流(制御信号)を偏光面回転角可変型ファラデー回転子21のコイル23に印加させることで交流磁場を発生させ、光源3からの射出光の偏光面の回転角φを印加交流電流の周波数fで変調する。あるいは、制御・計数部30bは、第5の実施の形態で説明した偏光面回転角固定型ファラデー回転子24により偏光面回転手段6を構成する場合には、電動モータ26cが所定の回転数になるように変調手段28から供給する電圧(制御信号)を調整させて、光源3からの射出光の偏光面の回転角φを周波数fで変調する。変調の周波数fは概ね400Hz前後とする。
図10に示すように、粒子配向手段2により被検出対象粒子1の向きを散乱平面5の法線VERの方向に揃え、偏光面回転手段6により光源3からの垂直偏光の偏光面を散乱平面5の鉛直方向から周波数fで変動させながら、この光を被検出対象粒子1に照射する。被検出対象粒子1が観測視野を横切る際に、受光手段4は散乱角θ=10度の散乱光を検出して微弱電流パルスに変換し、信号増幅手段27は受光手段4から出力された微弱電流パルスを電圧パルスに変換して増幅する。
位相弁別検知手段29は、信号増幅手段27から出力された電圧パルスの強度が周波数fで変調されていれば、被検出対象粒子1が円柱状粒子であると識別し、電圧パルスの強度が変調されていなければ、被検出対象粒子1が球状粒子であると識別する。位相弁別検知手段29は、識別結果と信号増幅手段27から出力された信号とを演算手段30に出力する。
演算手段30の波高分析部30aは、位相弁別検知手段29から出力された散乱光の電圧パルスの波高値を予め定められた幾つかの閾値電圧と比較することで、電圧パルスをその波高値で分別し、分別したパルスの種類毎にパルスを数える。こうして、分別したパルスの波高値によって被検出対象粒子1の粒子径あるいは円柱状粒子の長さを求めることができ、また被検出対象粒子1の個数をパルスの波高値の範囲毎(すなわち、粒子径毎あるいは円柱状粒子の長さ毎)に数えることができる。
位相弁別検知手段29による識別結果と、波高分析部30aによる長さの判定結果と計数結果とは、制御・計数部30bの図示しない内蔵メモリ(不図示)に蓄積される。そして、内蔵メモリに蓄積された情報は、通信手段31を介して装置外部へ伝送され、また装置に搭載された表示部(不図示)へ伝送され表示される。
なお、本実施の形態の位相弁別検知手段29と演算手段30とは、例えばCPU、メモリ及びインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
[第7の実施の形態]
図12は、本発明の第7の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の流体フロー系の構成を示す図であり、第3〜第6の実施の形態に適用する流体フロー系を説明するための図である。
試料流体18aは、採気管17から、第3の実施の形態で説明した検出器7へと導かれる。検出器7の受光手段4により検出された信号は、第6の実施の形態で説明した信号処理系へと出力される。
ポンプ33は、試料流体18aを採気管17より吸引すると共に、図12の流体フロー系の内部にシース流体18bを循環させる。フィルタ34を経由した流体は、清浄なシース流体18bとして試料流体18aを包みこみ、検出器7の光学系内での乱流及び光学系内の汚れを防ぐようにしている。
バルブ35は、試料流体18aの流量(吸引量)を調節する。流量計36は、試料流体18aの流量を常時検出する。そして、演算手段30の制御・計数部30bは、流量計36で検出された試料流体18aの流量に基づいて、ポンプ33及びバルブ35を制御することで、試料流体18aの流量を例えば2リットル/minに調整する。
[第8の実施の形態]
図13は、本発明の第8の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の光源の構成を示す図であり、第1〜第7の実施の形態に適用する光源を説明するための図である。
光源3は、白熱ランプ40と、波長フィルタ41と、直線偏光板42と、コリメート光学系43とを有する。
波長フィルタ41は、白熱ランプ40からの射出光のうち所望の波長の光のみを通過させる。波長フィルタ41からの光は、直線偏光板42を通過することで直線偏光となり、コリメート光学系43から射出される。
なお、本実施の形態では、光源3として、白熱ランプ40と波長フィルタ41と直線偏光板42とコリメート光学系43とからなるものを説明したが、これに限るものではなく、ガスレーザ、半導体レーザダイオードあるいはライトエミッティングダイオード(Light Emitting Diode)の何れか1つと、波長フィルタ41と直線偏光板42とコリメート光学系43とを組み合わせて光源3を構成してもよい。また、波長1.55μmの通信波長帯域のレーザだけでなく、他の波長のレーザやインコヒーレントな光源を用いた場合にも、第1〜第8の実施の形態と同様の効果が得られることは明らかである。
本発明は、空気等の流体中に浮遊する微小粒子の形状を識別する技術に適用することができる。
波長1.55μmの入射光に対する球状粒子及び円柱状粒子による散乱光のうち散乱角10度での散乱光の偏光度と粒子半径との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の概略構成を示す図である。 球状粒子及び円柱状粒子による散乱光の強度と入射光の偏光面の回転角との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の詳細な構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検出器の中空ディスク状絶縁ブロックの正面図と平面図、並びに蓋の平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の検出器の概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の偏光面回転手段の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の偏光面回転手段の概略構成及び偏光面回転角固定型ファラデー回転子の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第6の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の信号処理系の概念を示す図である。 本発明の第6の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の信号処理系の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の流体フロー系の構成を示す図である。 本発明の第8の実施の形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の光源の構成を示す図である。
符号の説明
1…被検出対象粒子、2…粒子配向手段、3…光源、4…受光手段、5…散乱平面、6…偏光面回転手段、7…検出器、7a…蓋、7b…中空ディスク状絶縁ブロック、7c…散乱室、8…金属電極、9a…シール用Oリング、9b…Oリング挿入用溝、10a…ネジ止め用孔、10b…ネジ貫通孔、11a,11b…照射光導入用貫通孔、11c…オプティカル・トラップ、11d…ガラス窓、12…散乱光観測用貫通孔兼受光手段挿入用座繰り、13a…採気用貫通孔、13b…排気用貫通孔、14a,14b,14c…フロー管、15…照射光・散乱光導入・導出用開孔、16…粒子配向用電極、17…採気管、18a…試料流体、18b…シース流体、19…径違いユニオン・ティー、20…高圧安定化電源、21…偏光面回転角可変型ファラデー回転子、22…ガーネット系結晶、23…コイル、24…偏光面回転角固定型ファラデー回転子、25…中空円筒状永久磁石、26a…ベアリング、26b…固定用筐体、26c…電動モータ、26d…歯車回転機構、27…信号増幅手段、28…変調手段、29…位相弁別検知手段、30…演算手段、30a…波高分析部、30b…制御・計数部、31…通信手段、33…ポンプ、34…フィルタ、35…バルブ、36…流量計、40…白熱ランプ、41…波長フィルタ、42…直線偏光板、43…コリメート光学系。

Claims (11)

  1. 直線偏光を射出する光源と、
    流体中に浮遊している被検出対象粒子を観測視野内に導入する導入手段と、
    前記観測視野内に導入された粒子に前記直線偏光が入射したことによる散乱光を検出して電気信号に変換する受光手段と、
    前記直線偏光が前記粒子に入射する前に、前記光源と前記粒子と前記受光手段とを含む散乱平面に対して、前記直線偏光の偏光面を前記散乱平面の法線方向から任意の角度だけ所定の周波数で繰り返し変動させる偏光面回転手段と、
    前記直線偏光が前記粒子に入射する前に、前記粒子を前記散乱平面の法線方向に向ける粒子配向手段と、
    前記受光手段から出力された信号に基づいて前記粒子の形状を識別する粒子識別手段とを有し、
    前記光源は、前記直線偏光の偏光面を前記散乱平面の法線方向に偏光させ、
    前記受光手段は、前記光源から前記粒子に向かう方向に対して前記粒子を中心とする散乱角が略10度の散乱光を検出することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  2. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記光源から射出される直線偏光の波長の最小値は、識別対象とする球状微小粒子の半径よりも長く、かつ円柱状微小粒子の長さよりも短いことを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  3. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記偏光面回転手段は、光磁気効果を利用した素子からなることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  4. 請求項3記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記偏光面回転手段は、前記所定の周波数の制御信号に応じて前記直線偏光の偏光面の回転角を制御する偏光面回転角可変型ファラデー回転子からなることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  5. 請求項3記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記偏光面回転手段は、前記直線偏光の偏光面の回転角が固定された偏光面回転角固定型ファラデー回転子と、前記所定の周波数の制御信号に応じて前記偏光面回転角固定型ファラデー回転子を機械的に回転させるモータとからなることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  6. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記粒子配向手段は、前記散乱平面の法線方向を向いた静電場を前記観測視野の近傍に形成する手段であることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  7. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記粒子識別手段は、前記受光手段から出力された信号の強度が前記所定の周波数で変調されている場合は、前記粒子が円柱状粒子であると識別し、前記信号の強度が変調されていない場合は、前記粒子が球状粒子であると識別することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  8. 請求項7記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記粒子識別手段は、前記受光手段から出力された信号のパルスの数から前記粒子の個数を検出し、前記粒子が球状粒子であると識別した場合は前記パルスの最大強度から粒径を検出し、前記粒子が円柱状粒子であると識別した場合は前記パルスの最大強度から粒子の長さを検出することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  9. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記導入手段は、絶縁材料からなる中空ディスク状絶縁ブロックと、その上下から前記中空ディスク状絶縁ブロックを挟む絶縁材料からなる二枚の蓋とからなり、
    前記中空ディスク状絶縁ブロックは、このブロックの中心を通る前記直線偏光の導入用の第1の貫通孔と、前記ブロックの中心を通り、かつ前記第1の貫通孔と直交する前記流体の導入用の第2の貫通孔と、前記第1の貫通孔の軸に対して略10度の方向に、かつその延長線が前記ブロックの中心を通るように形成された前記散乱光の検出用の第3の貫通孔と、前記第1、第2、第3の貫通孔と繋がる中央部に設けられた光の散乱室となる空間とを有し、
    上側の前記蓋と前記中空ディスク状絶縁ブロックとの間、及び下側の前記蓋と前記中空ディスク状絶縁ブロックとの間に、それぞれ前記粒子配向手段を構成する金属電極を前記第2の貫通孔に沿って配設することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  10. 請求項1記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記導入手段は、前記流体を導入する流路であるフロー管からなり、
    このフロー管は、前記直線偏光の導入用及び前記散乱光の検出用の開孔を有し、
    この開孔の上下部分に前記粒子配向手段を構成する金属電極を配設することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  11. 請求項9記載の浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記中空ディスク状絶縁ブロックと2枚の蓋とは、プラスティック、マシナブル・セラミックス、あるいはエンジニアリング・セラミックスの何れかからなり、
    前記散乱室の壁面及び前記第1、第2、第3の貫通孔の壁面は、前記光源の波長の光を吸収する材料で被覆されることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
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