JP4713008B2 - 紙用透明化剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙用透明化剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、紙用の透明化剤であって、紙のリサイクル性が容易な透明化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙は通常40〜50%の空気を含有しており、含有される空気とセルロース繊維との屈折率の違いにより紙が白く見え、また不透明度が得られている。したがって、セルロース繊維に近い屈折率を有する化合物を浸透させて紙の空隙を満たすことにより、透明紙を得ることができる。このような透明紙は、例えば、トレーシングペーパーや窓付封筒の窓の部分に使用されている。
従来より窓付封筒は、封筒用紙の一部を切り抜き、その部分にセロファンなどの透明なフィルムを貼り付ける方法と、有機溶剤に溶かした樹脂類(例えば、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、高分子脂環式化合物やワックス)を封筒用紙の一部に塗布し、その部分を加熱して樹脂を紙の中に浸透させ、透明化する方法により作られている。しかし、前者の方法では窓部分の切り抜き、フィルムの糊付などの複雑な工程を必要とするので作業効率が低い。後者の方法では、使用する樹脂類が水溶性を示さず、あるいは水溶性であっても僅かに分散、乳化する程度であって、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水であっても溶けずに古紙再生が困難となるため、古紙回収の際に、窓付封筒を新聞や広告紙などとは分別する作業が必要となり、コスト高になる。また、古紙回収の際の分別が不充分であると、パルパーなどで離解された場合に樹脂ピッチやワックス由来のスカムが発生するために、抄紙の際にトラブルが発生するだけでなく、再生紙がインクを弾くなど多くの問題が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような窓付封筒の欠点、すなわち、製造工程及び古紙回収作業の煩雑性の問題、リサイクルの問題、品質の問題を解決するものであり、透明性に優れ、透明紙表面のべたつきがなく、透明化剤の除去が容易であって紙のリサイクル性が良好な紙用透明化剤を提供することを目的とする。
【0004】
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する融点が40℃以上63℃以下の水性ポリエーテル化合物が、紙に優れた透明性を付与し、透明紙表面のべたつきもなく、また、古紙のリサイクル性が良好であることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。すなわち、本発明は、(1)下記一般式[1]で表され、融点40℃以上63℃以下である水性ポリエーテル化合物を含有する紙用透明化剤、
O(AO) [1]
(式中、R、Rはぞれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22の炭化水素基又はアシル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは付加モル数を表す)、(2)R、Rの少なくとも一方が水素原子である、第(1)項に記載の紙用透明化剤、を提供するものである。
【0005】
本発明の紙用透明化剤は、有効成分として、融点が40℃以上63℃以下である水性ポリエーテル化合物を含有するものである。なお、本発明において「水性」とは、有効成分の1重量%水溶液が透明に溶解するものであり、分散、懸濁又は乳化状のものは除く。
【0006】
本発明において用いられる水性ポリエーテル化合物は、下記一般式[1]で表される構造を有する。
O(AO) [1]
一般式[1]において、R、Rはぞれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22の炭化水素基又はアシル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは付加モル数を表す。
【0007】
、Rとしての炭素数1〜22の炭化水素基及びアシル基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、直鎖状あるいは分岐鎖状のいずれでもよい。R、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、オクチル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基などの飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、2−ペンテニル基、オレイル基、エライジル基、9,12−オクタデカジエニル基、9,12,15−オクタデカトリエニル基、13−ドコセニル基などの不飽和炭化水素基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基などのアシル基が挙げられる。
【0008】
一般式[1]において、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加単位を表し、例えば、エチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位、ブチレンオキサイド単位などが挙げられ、付加形態は単独付加であってもよいし、2種以上のアルキレンオキサイドのランダム又はブロック付加であってもよい。
また、一般式[1]において、nはアルキレンオキサイドの付加モル数を表し、水性ポリエーテル化合物の融点が40℃以上になる数であり、nは20以上であるのがより好ましい。さらに、作業性、性能、コストの点より、一般式[1]で表される水性ポリエーテル化合物の融点は50〜60℃であるのがより好ましく、重量平均分子量は10,000以下であるのが好ましい。融点が40℃以下であると、得られる透明紙の表面がべたつく傾向があるので好ましくない。
【0009】
一般式[1]で表される水性ポリエーテル化合物は、非イオン界面活性剤を合成する従来公知の方法により得ることができる。例えば、高圧反応装置を使用し、ジエチレングリコールと塩基触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)とを高温及び減圧下で充分に脱水した後、80〜200℃でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを単独付加、ブロック付加、又はランダム付加させることにより、一般式[1]においてR及びRが水素原子である化合物を得ることができる。次いで、用途により塩基触媒を酸で中和し、ろ過などにより除去した後、炭素数1〜22のカルボン酸とを130〜250℃でエステル化反応させる、あるいは、炭素数1〜22のカルボン酸のエステルと80〜150℃でエステル交換反応させることにより、一般式[1]において、R、Rの少なくとも一方がアシル基である化合物を得ることができる。本発明において使用される炭素数1〜22のカルボン酸としては、特に制限はないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸などが挙げられ、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】
また、高圧反応装置を使用し、炭素数1〜22のアルコールと塩基触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)とを高温及び減圧下で充分に脱水した後、100〜150℃でアルキレンオキサイドを単独付加、ブロック又はランダム付加させることにより、一般式[1]においてRが炭化水素基である化合物を得ることができる。炭素数1〜22のアルコールとしては特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ドコセノールなどが挙げられ、これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0011】
さらに、一般式[1]で表される水性ポリエーテル化合物としては、市販されているものを使用しても良く、プルロニックF−68(旭電化(株))、PEG1540、PEG2000、PEG4000、PEG6000など(三洋化成工業(株)、日本油脂(株)など)のグリコール類が挙げられる。
【0012】
次に、一般式[1]において、R、Rの少なくとも一方が水素原子である化合物とポリイソシアネート化合物との反応物(以下、「化合物A」と記す)について述べる。この化合物Aもまた前記の水性を示すものである。
上記のポリイソシアネート化合物としては特に制限はないが、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物;ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられ、これらの中でもヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートであると、得られる化合物Aの水性が優れているのでより好ましい。これらのポリイソシアネート化合物は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0013】
本発明において、化合物Aは従来公知のウレタン化反応により得ることができ、例えば、一般式[1]においてR、Rの少なくとも一方が水素原子である化合物を50〜80℃に保温しながら、ポリイソシアネート化合物を少量ずつ添加し、添加後、80〜100℃で6〜10時間反応させる方法が挙げられる。
【0014】
本発明において、有効成分、すなわち、一般式[1]で表される水性ポリエーテル化合物又は化合物Aは、そのままを紙用透明化剤とし加熱溶融させて直接紙に塗布してもよいし、あるいは、水溶液を紙用透明化剤として用いてもよい。水溶液として用いる場合には、乾燥性、作業性、透明性を考慮し、有効成分を20重量%以上とするのが好ましい。また、水性ポリエーテル化合物と化合物Aとは併用してもよい。
【0015】
さらに、本発明の紙用透明化剤には、粘度を下げたり紙への浸透性を向上させる目的で、アルコール系溶剤や界面活性剤を少量添加してもよい。アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられ、界面活性剤としては、浸透性良好な非イオン活性剤(例えば、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド9モル付加物)、浸透性良好なアニオン界面活性剤(例えば、ジオクチルスルホサクシネート)などが挙げられる。
上記のようにして得られた紙用透明化剤を紙に浸透させることにより、透明性に優れ、表面のべたつきもなく、紙のリサイクル性が良好な透明紙を得ることができる。本発明の紙用透明化剤を適用できる紙としては特に制限はないが、普通紙を好適に挙げることができる。ここで普通紙とは一般に用いられる中性紙又は酸性紙である。
【0016】
本発明においては、上記の紙用透明化剤を紙の少なくとも片面に塗布して加熱した後、乾燥、静置などの工程を経て、透明紙を得ることができる。塗布方法には従来公知の方法が適用でき、例えば、バーコーターなどの機器を用いる方法、あるいは、ローラー、刷毛などを用いる方法、スプレーによる塗布などが挙げられる。本発明においては、有効成分が紙の坪量の20〜100%となるような重量で、紙用透明化剤を塗布するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の紙用透明化剤を塗布して得られた透明紙に耐水性を付与する場合は、必要に応じて、酸化澱粉、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとマレイン酸とのコポリマー、メチルセルロース、アクリルアミド樹脂等などの水溶性樹脂を塗布してもよい。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
融点は、JIS K 0064(1992)、目視による方法に準じ、測定した。
なお、紙用透明化剤の性能は下記のように評価した。
【0019】
透明紙の作製
不透明度が68%であり、坪量50g/mの試験紙の表面に、実施例及び比較例の紙用透明化剤(実施例2及び比較例については100℃に加熱溶融したもの)を、有効成分が35g/m(試験紙に対し70%)になるようにバーコーターで塗布した後、105℃で60秒間乾燥し、次いで、室温にて冷却させることにより透明紙を得た。
【0020】
透明紙の評価
(1)透明性
JIS P 8138(1976)に準じ、REFLECTOMETER MODEL TC−ED(東京電色(株))を用いて、透明紙の不透明度(%)を測定した。この数値が小さいほど、透明性が良好である。
(2)表面のべたつき
指の触感で、透明紙の表面(紙用透明化剤の塗布面)のべたつきの有無を判断した。
(3)紙のリサイクル性
2重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に5時間浸漬した後取り出し、乾燥して試験前後の透明紙の重量を測定し、下式の通り、透明紙からの有効成分の溶出率を算出した。
溶出率=(浸漬前の重量−浸漬後の重量)/有効成分の全付着量×100
有効成分の溶出率により透明紙のリサイクル性を評価した。溶出率が高いほど紙のリサイクル性は良好である。
非常に良好;溶出率が95%以上
良好 ;溶出率が90%以上95%未満
やや劣る ;溶出率が20%以上90%未満
劣る ;溶出率が20%未満
【0021】
合成例1(ラウリルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物)
5Lの高圧反応装置に、ラウリルアルコール186g及び水酸化カリウム3.7gを仕込み、100〜120℃で30分減圧脱水した後、120〜150℃でエチレンオキサイド3520gを、反応圧力を4kg/cm以下に保ちながら導入した。導入後、120〜150℃で、反応圧力がほぼ0kg/cmになるまで約30分間反応させた後、冷却し、次いで、80℃以下で酢酸を約4g加えて中和し、ラウリルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物を得た。この付加物は室温では白色の固体であり、融点は50℃であった。
【0022】
合成例2(ポリエチレングリコールのラウリン酸モノエステル)
500mLの4つ口フラスコに、脱水装置、温度計及び窒素導入管を装着し、その中に、PEG6000(ポリエチレングリコール(日本油脂(株)製)、分子量約7500)を375g、ラウリン酸10g及びパラトルエンスルホン酸0.4gを仕込み、窒素ガスを導入しながら昇温し、150〜200℃で、酸価が1mgKOH/g以下になるまで約3時間反応させ、その後、約100℃に冷却して約3時間反応し、ポリエチレングリコールのラウリン酸モノエステルを得た。このモノエステルの融点は54℃であった。
【0023】
合成例3(ポリエチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物)
500mLの4つ口フラスコに、冷却管、温度計及び滴下ロートを装着し、その中にPEG2000(ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製)、分子量約2000)400gを仕込み、加熱融解させ60〜80℃とした。同温度にて、滴下ロートよりヘキサメチレンジイソシアネート16.8gを約1時間かけて滴下した。滴下後、80〜100℃を保ちながら、途中サンプリングし、赤外分光光度計(IR−810、日本分光(株))にてイソシアネート基の吸収がなくなるまで約8時間反応させた。この反応物の融点は55℃であった。
【0024】
合成例4(オレイルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物と、ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物)
5Lの高圧反応装置に、オレイルアルコール268g及び水酸化カリウム3.8gを仕込み、100〜120℃で30分減圧脱水した後、120〜150℃でエチレンオキサイド3520gを、反応圧力を4kg/cm以下に保ちながら導入した。導入後、120〜150℃で、反応圧力がほぼ0kg/cmになるまで約30分間反応させた後、冷却し、次いで、80℃以下で酢酸を約4g加えて中和し、オレイルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物を得た。
合成例3と同様の装置に、オレイルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物379gを仕込んで60〜80℃に昇温し、同温度にて、滴下ロートよりヘキサメチレンジイソシアネート8.4gを約1時間かけて滴下した。滴下後、途中サンプリングし、赤外分光光度計(IR−810、日本分光(株))にてイソシアネート基の吸収がなくなるまで、100〜110℃で約5時間反応させた。この反応物の融点は51℃であった。
【0025】
実施例1
合成例1で得られたラウリルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物30gを加熱溶融させ、その中に水60gを徐々に加え混合し、次いで、40℃まで冷却してエタノール10gを加えて均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度18.1%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は90%で、リサイクル性は良好であった。
【0026】
実施例2
合成例2で得られたポリエチレングリコールのラウリン酸モノエステルをそのまま紙用透明化剤とした。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度17.4%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は92%で、リサイクル性は良好であった。
【0027】
実施例3
合成例3で得られた、ポリエチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物35gを加熱溶融し、その中に水55gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却してエタノール10gを加えて均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度19.7%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は90%で、リサイクル性は良好であった。
【0028】
実施例4
合成例4で得られた、オレイルアルコールエチレンオキサイド80モル付加物とヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物35gを加熱溶融し、その中に水55gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却してエタノール10gを加えて均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度20.2%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は91%で、リサイクル性は良好であった。
【0029】
実施例5
PEG2000(ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製)、分子量約2000)40gを加熱溶融し、その中に水50gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却してエタノール10gを加えて均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度17.8%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は97%で、リサイクル性は非常に良好であった。
【0030】
実施例6
PEG4000(ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)、分子量3000)40gを加熱溶融し、その中に水50gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却してエタノール10gを加え、均一になるまで混合して、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度18.0%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は95%で、サイクル性は非常に良好であった。
【0031】
実施例7
PEG6000(ポチエチレングリコール(三洋化成工業(株)、分子量約8300)30gを加熱溶融し、その中に水60gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却してエタノール10gを加えて、均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度19.4%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は92%で、リサイクル性は良好であった。
【0032】
実施例8
プルロニックF−68(旭電化工業(株)、分子量約8350)30gを加熱溶融し、その中に水60gを徐々に加え混合し、次いで、40℃以下に冷却しエタノール10gを加え、均一になるまで混合し、紙用透明化剤を得た。
この透明化剤を用いた透明紙は、不透明度20.1%であって透明性は良好であり、表面のべたつきは無く、有効成分の溶出率は90%で、リサイクル性は良好であった。
【0033】
比較例1
パラフィンワックス115゜F(日本精蝋(株)、融点45℃)をそのまま紙用透明化剤として用い、得られた透明紙の性能を評価した。不透明度は27.0%であって透明性は実施例1〜8よりやや劣り、表面のべたつきはないが、有効成分の溶出率は20%以下であって、リサイクル性が劣っていた。
【0034】
比較例2
パラフィンワックス130゜F(モービル石油(株)、融点58℃)をそのまま紙用透明化剤として用い、得られた透明紙の性能を評価した。不透明度は25.0%であり、透明性は実施例1〜8よりやや劣り、表面のべたつきはないが、有効成分の溶出率は20%以下であってリサイクル性が劣っていた。
【0035】
以上の結果から、本発明の実施例1〜8の紙用透明化剤を用いた透明紙は、透明性に優れ、表面のべたつきもなく、また、有効成分の溶出率が高いことから、透明紙から紙用透明化剤の除去が容易であり、紙のリサイクル性が良好であることが分かる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の紙用透明化剤を塗布し、加熱乾燥して得られた透明紙は表面のべたつきがなく、透明性にも優れている。また、透明紙から紙用透明化剤の除去が容易であり、古紙回収の際の分別作業が不要であることから、リサイクル性が良好である。したがって、本発明の紙用透明化剤は環境保護や資源の節約の点からも工業的利用価値が高い。

Claims (2)

  1. 下記一般式[1]で表され、融点40℃以上63℃以下である水性ポリエーテル化合物を含有する紙用透明化剤。
    O(AO) [1]
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22の炭化水素基又はアシル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは付加モル数を表す。)
  2. 、Rの少なくとも一方が水素原子である、請求項1に記載の紙用透明化剤。
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