JP4162421B2 - 紙用透明化剤及び透明紙の製造方法 - Google Patents

紙用透明化剤及び透明紙の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙用透明化剤及び透明紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙は通常40〜50%の空気を含有しており、含有される空気とセルロース繊維との屈折率の違いにより紙が白く見え、不透明度が得られている。したがって、セルロース繊維に近い屈折率を有する化合物を浸透させて紙の空隙を満たすことにより、透明紙を得ることができる。このような透明紙は、例えば、トレーシングペーパーや窓付封筒の窓の部分に使用されている。
【0003】
従来より窓付封筒は、封筒用紙の一部を切り抜き、その部分にセロファンなどの透明なフィルムを貼り付ける方法や、有機溶剤に溶かした樹脂類(例えば、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、高分子脂環式化合物やワックス)を封筒用紙の一部に塗布し、その部分を加熱して樹脂を紙の中に浸透させ、透明化する方法等により製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の方法では窓部分の切り抜き、フィルムの糊付などの複雑な工程を必要とするので作業効率が低い。後者の方法では、使用する樹脂類が水溶性を示さず、あるいは水溶性であっても僅かに分散、乳化する程度であって、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水であっても溶けずに古紙再生が困難となるため、古紙回収の際に、窓付封筒を新聞や広告紙などとは分別する作業が必要となり、コスト高になる。また、古紙回収の際の分別が不充分であると、パルパーなどで離解された場合に樹脂ピッチやワックス由来のスカムが発生するために、抄紙の際にトラブルが発生するだけでなく、再生紙がインクを弾くなど多くの問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記のような窓付封筒の欠点、すなわち、製造工程及び古紙回収作業の煩雑性の問題、リサイクルの問題、品質の問題を解決するものであり、透明性に優れ、透明紙表面のべたつきがなく、透明化剤の除去が容易であって紙のリサイクル性が良好な透明紙を得ることの可能な紙用透明化剤を提供することを目的とする。また、かかる紙用透明化剤を用いた透明紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、アルキレンオキサイド鎖を有する所定の化学構造の水性化合物により上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表され融点が40℃以上である水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤を提供するものである。
【化5】
Figure 0004162421
[式中、R1は炭素数1〜22の1価炭化水素基又は炭素数2〜22のアルコキシアルキル基、Z1は水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜3の数、mはn×mが25〜700となるような数、をそれぞれ示す。但し、R2は炭素数1〜22の1価炭化水素基であり、n個のZ1、(3−n)個のR1及びn×m個のA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0008】
本発明はまた、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を反応させてなる融点が40℃以上の水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤を提供する。
【化6】
Figure 0004162421
[式中、R1は炭素数1〜22の1価炭化水素基又は炭素数2〜22のアルコキシアルキル基、Z2は水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜3の数、mはn×mが25〜700となるような数、をそれぞれ示す。但し、n個のZ2のうち少なくとも1つは水素原子であり、R2は炭素数1〜22の1価炭化水素基である。また、n個のZ2、(3−n)個のR1及びn×m個のA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0009】
本発明は更に、下記一般式(3)で表され融点が40℃以上である水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤を提供するものである。
【化7】
Figure 0004162421
[式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12の2価炭化水素基、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価炭化水素基、A10、A11及びA12はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基、pは0〜6の数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の数、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数、をそれぞれ示す。但し、R30は炭素数1〜22の1価炭化水素基、s×p+t×q+u×rは25〜700の数である。また、p個のZ10、q個のZ11、r個のZ12、(2−q)個のR21、(2−r)個のR22、s×p個のA10、t×q個のA11及びu×r個のA12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0010】
本発明は上記に加えて、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、を反応させてなる融点が40℃以上の水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤を提供する。
【化8】
Figure 0004162421
[式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12の2価炭化水素基、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価炭化水素基、A10、A11及びA12はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、Z20、Z21及びZ22はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基、pは0〜6の数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の数、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数、をそれぞれ示す。但し、p個のZ20、q個のZ21及びr個のZ22のうち少なくとも1つは水素原子であり、R30は炭素数1〜22の1価炭化水素基、s×p+t×q+u×rは25〜700の数である。また、p個のZ20、q個のZ21、r個のZ22、(2−q)個のR21、(2−r)個のR22、s×p個のA10、t×q個のA11及びu×r個のA12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0011】
本発明の紙用透明化剤は、上述の化合物又は反応物を含有することから、透明性に優れ、透明紙表面のべたつきがなく、透明化剤の除去が容易で、紙のリサイクル性が良好な透明紙を得ることが可能になる。
【0012】
そして、本発明の透明紙の製造方法は、上記本発明の紙用透明化剤を紙に付着させる付着工程を含むことを特徴とするものである。かかる製造方法により、上記特性を発揮する透明化剤により透明化された紙(透明紙)を容易に得ることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上述のように、本発明の紙用透明化剤は、40℃以上である水性化合物であって、一般式(1)若しくは(3)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物1」、「化合物3」という。)、又は一般式(2)若しくは(4)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物2」、「化合物4」という。)と、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物との反応物(以下、それぞれ「反応物2」、「反応物4」という。)を含有する。
【0014】
以下、本発明にかかる紙用透明化剤の実施の形態を先ず説明するが、本発明において「水性化合物」とは、1重量%となるように水と混合した場合に、透明水溶液が得られる化合物、又は同様の混合をした場合に水に分散・乳化が可能な化合物をいう。
【0015】
(化合物1を含有する紙用透明化剤)
化合物1は、一般式(1)の構造から明らかなように、例えば、(3−n)個のR1を有するモノアミン(第一級又は第二級モノアミン)1モルに、AOなるアルキレンオキサイドをn×mモル付加させ、その末端をZ1にすることにより製造することができる化合物である。なお、n個存在するmのそれぞれは、同一の数であっても異なる数であってもよい。
【0016】
1が水素原子である化合物1は、モノアミンにAOなるアルキレンオキサイドをmモル付加させて得ることができ、Z1が、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基である化合物1は、このようにして得られた化合物の末端を、それぞれアシル化、エーテル化又はウレタン化させて得ることができる。
【0017】
モノアミンとアルキレンオキサイドを付加させる方法としては、例えば、モノアミンを高圧反応装置に仕込み、雰囲気を不活性ガスで置換したのち加熱して、活性水素(すなわちアミノ基及びイミノ基由来の水素)当量のアルキレンオキサイドを付加させ、次いで、塩基触媒(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム)を添加し、高温及び減圧下で充分に脱水した後、アルキレンオキサイドを単独付加、ブロック付加、又はランダム付加させる方法を挙げることができる。
【0018】
また、アシル化の方法としては、例えば、カルボン酸を用いて130〜250℃でエステル化させる方法、カルボン酸エステルを用いて80〜150℃でエステル交換させる方法、ハロゲン化アシルを用いるアシル化反応などを挙げることができる。エーテル化の方法としては、例えば、アルコールを濃硫酸などの触媒下で反応させる方法、グリシジルエーテルを反応させる方法を挙げることができる。そして、ウレタン化の方法としては、例えば、モノイソシアネートを反応させる方法が挙げられる。
【0019】
化合物1において、AOなるアルキレンオキサイドがmモル付加したポリオキシアルキレン構造がn個存在するが、ポリオキシアルキレン構造部分は、1種のオキシアルキレンからなっていてもよく(例えばポリオキシエチレン)、2種以上のオキシアルキレンからなっていてもよい(例えばポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)。そして2種以上のオキシアルキレンからなる場合は、ブロック共重合体を形成していてもランダム共重合体を形成していてもよい。更に、複数個存在するポリオキシアルキレン構造のそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
【0020】
そして、化合物1は、A1としてエチレン基を含んでいることが特に好ましく、この場合において、n×m個のA1に占める、エチレン基の個数が60%以上であることが好ましい。すなわち、オキシエチレン以外のオキシアルキレンが含まれる場合は、オキシアルキレンの総モルに占めるオキシエチレンのモル数は60%以上であることが好ましい。化合物1におけるエチレン基の個数を60%以上にすることにより、水性を向上させることができ、透明化剤の除去が更に容易となり、紙のリサイクル性を一段と向上させることが可能になる。また、化合物の融点が上昇し、透明紙表面のべたつきをより低減させることが可能なる。
【0021】
また、化合物1におけるZ2を、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基にすることにより、透明紙の耐水性を更に向上させることが可能になり、この結果、透明紙の雨や雪等に対する耐久性が優れるようになる。また、吸湿性が制限され透明紙の安定性を向上させることもできる。
【0022】
化合物1においては、mは、n×mが40〜500となるような数であることが好ましい。R1としての1価炭化水素基は、炭素数12〜18の1価炭化水素基が好ましく、R1としてのアルコキシアルキル基としては、アルコキシ部分が炭素数1〜14でありアルキル部分が炭素数1〜4である、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基が好ましい。
【0023】
また、Z1としてのアシル基は、炭素数2〜22(好ましくは2〜18)のアシル基が好ましく、Z1としての1価炭化水素基は、炭素数1〜20(好ましくは1〜18)の1価炭化水素基が好ましい。また、Z1が−CONH−R2で表される基である場合のR2は、炭素数1〜18(好ましくは6〜18)の1価炭化水素基であることが好ましい。
【0024】
化合物1は40℃以上の化合物であるが、化合物1の融点は40〜90℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。融点が40℃未満である場合は、透明紙にべたつきが生じる。また、化合物1は、1重量%となるように水と混合した場合に透明水溶液を与える水性化合物であることが好ましい。かかる場合は透明紙のリサイクル性がより良好になるからである。そして、化合物1の平均分子量は20,000以下が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。平均分子量が20,000を超すと紙への塗布が困難になる傾向にある。
【0025】
(反応物2を含有する紙用透明化剤)
反応物2は、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、化合物2との反応物であり、融点が40℃以上の水性化合物である。
【0026】
化合物2は、一般式(2)の構造から明らかなように、例えば、(3−n)個のR1を有するモノアミン(第一級又は第二級モノアミン)1モルに、AOなるアルキレンオキサイドをn×mモル付加させ、その末端をZ2にすることにより製造することができる化合物である(アルキレンオキサイドを付加させる方法は上述のとおりである)。なお、n個存在するmのそれぞれは、同一の数であっても異なる数であってもよい。
【0027】
化合物2においては、n個のZ2のうち少なくとも1つは水素原子である必要があるため、化合物2は、モノアミンにAOなるアルキレンオキサイドをmモル付加させて得られるZ2が水素(すなわち、末端が水酸基)である化合物、又は、かかる化合物の末端水酸基の一部を、アシル化、エーテル化又はウレタン化させて得られる化合物でなければならない(アシル化、エーテル化又はウレタン化の方法は上述のとおりである)。
【0028】
例えば、化合物2の原料となるモノアミンがジアルキルアミンのような第二級モノアミンである場合は、末端(Z1)は水素原子にする必要があるため、アシル化、エーテル化又はウレタン化は行わない。一方、原料となるモノアミンがモノルキルアミンのような第一級モノアミンである場合は、2個存在するZ1の少なくとも1つは水素原子でなければならならず、他の水素原子は、アシル化、エーテル化又はウレタン化のために用いてもよい。
【0029】
このようにして、化合物2に残存させた水素原子(水酸基)は、多価カルボン酸、ポリイソシアネート又はポリグリシジルエーテルとの反応に用いられる。すなわち、化合物2と多価カルボン酸とは、前者のOH基と後者のCOOH基との間で反応が生じエステル結合が形成される。また、化合物2とポリグリシジルエーテルとは、前者のOH基と後者のエポシキ基との間で反応が生じ、−O−CH2−CH(OH)−結合が形成される。そして、化合物2とポリイソシアネートとは、前者のOH基と後者のNCO基との間で反応が生じ、ウレタン結合が形成される。なお、化合物2と、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、の反応モル比は、前者2モルに対して後者1モルが好ましい。
【0030】
例えば、化合物2がn=1の化合物であって、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルが、それぞれジカルボン酸、ジイソシアネート及びジグリシジルエーテルである場合は、反応により生成する反応物は、一分子中に化合物2に由来する構造を2つ有する二量化物が得られる。
【0031】
化合物2において、AOなるアルキレンオキサイドがmモル付加したポリオキシアルキレン構造がn個存在するが、ポリオキシアルキレン構造部分は、1種のオキシアルキレンからなっていてもよく(例えばポリオキシエチレン)、2種以上のオキシアルキレンからなっていてもよい(例えばポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)。そして2種以上のオキシアルキレンからなる場合は、ブロック共重合体を形成していてもランダム共重合体を形成していてもよい。更に、複数個存在するポリオキシアルキレン構造のそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
【0032】
そして、化合物2は、A1としてエチレン基を含んでいることが特に好ましく、この場合において、n×m個のA1に占める、エチレン基の個数が60%以上であることが好ましい。すなわち、オキシエチレン以外のオキシアルキレンが含まれる場合は、オキシアルキレンの総モルに占めるオキシエチレンのモル数は60%以上であることが好ましい。化合物2におけるエチレン基の個数を60%以上にすることにより、水性を向上させることができ、透明化剤の除去が更に容易となり、紙のリサイクル性を一段と向上させることが可能になる。また、化合物の融点が上昇し、透明紙表面のべたつきをより低減させることが可能なる。
【0033】
また、化合物2におけるZ2の一部を、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基にすることにより、透明紙の耐水性を更に向上させることが可能になり、この結果、透明紙の雨や雪等に対する耐久性が優れるようになる。また、吸湿性が制限され透明紙の安定性を向上させることもできる。
【0034】
化合物2においては、mは、n×mが40〜500となるような数であることが好ましい。R1としての1価炭化水素基は、炭素数12〜18の1価炭化水素基が好ましく、R1としてのアルコキシアルキル基としては、アルコキシ部分が炭素数1〜14でありアルキル部分が炭素数1〜4である、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基が好ましい。
【0035】
また、Z2としてのアシル基は、炭素数2〜22(好ましくは2〜18)のアシル基が好ましく、Z2としての1価炭化水素基は、炭素数1〜20(好ましくは1〜18)の1価炭化水素基が好ましい。また、Z2が−CONH−R2で表される基である場合のR2は、炭素数1〜18(好ましくは6〜18)の1価炭化水素基であることが好ましい。
【0036】
反応物2は40℃以上の化合物であるが、反応物2の融点は40〜90℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。融点が40℃未満である場合は、透明紙にべたつきが生じる。また、化合物1は、1重量%となるように水と混合した場合に透明水溶液を与える水性化合物であることが好ましい。かかる場合は透明紙のリサイクル性がより良好になるからである。そして、反応物2の平均分子量は20,000以下が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。平均分子量が20,000を超すと紙への塗布が困難になる傾向にある。
【0037】
(化合物3を含有する紙用透明化剤)
化合物3は、例えば、下記一般式(5)で表されるポリアミン(以下「化合物5」という。)1モルに、AOなるアルキレンオキサイドを、s×p+t×q+u×rモル付加させ(アルキレンオキサイドを付加させる方法は上述のとおりである)、その末端をZ10、Z11又はZ12にすることにより製造することができる化合物である。なお、化合物5におけるR10、R11、p、q及びrの定義は化合物3におけるのと同様であり、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基である。また、Z10、Z11及びZ12を、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30とする場合のアシル化、エーテル化又はウレタン化の方法は上述のとおりである。なお、p個存在するs、q個存在するt、r個存在するu、のそれぞれは、同一の数であっても異なる数であってもよい。
【化9】
Figure 0004162421
【0038】
化合物3において、アルキレンオキサイド(A10O、A11O又はA12O)がs、t及びuモル付加したポリオキシアルキレン構造が存在するが、ポリオキシアルキレン構造部分は、1種のオキシアルキレンからなっていてもよく(例えばポリオキシエチレン)、2種以上のオキシアルキレンからなっていてもよい(例えばポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)。そして2種以上のオキシアルキレンからなる場合は、ブロック共重合体を形成していてもランダム共重合体を形成していてもよい。更に、複数個存在するポリオキシアルキレン構造のそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
【0039】
そして、化合物3は、A10、A11又はA12としてエチレン基を含んでいることが特に好ましく、この場合において、A10、A11及びA12の合計個数に占める、エチレン基の個数が60%以上であることが好ましい。すなわち、オキシエチレン以外のオキシアルキレンが含まれる場合は、オキシアルキレンの総モルに占めるオキシエチレンのモル数は60%以上であることが好ましい。化合物3におけるエチレン基の個数を60%以上にすることにより、水性を向上させることができ、透明化剤の除去が更に容易となり、紙のリサイクル性を一段と向上させることが可能になる。また、化合物の融点が上昇し、透明紙表面のべたつきをより低減させることが可能なる。
【0040】
また、化合物3におけるZ10、Z11及びZ12の少なくとも一つを、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基にすることにより、透明紙の耐水性を更に向上させることが可能になり、この結果、透明紙の雨や雪等に対する耐久性が優れるようになる。また、吸湿性が制限され透明紙の安定性を向上させることもできる。
【0041】
化合物3において、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の2価炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6の2価炭化水素基であることがより好ましく、エチレン基又はトリメチレン基であることが特に好ましい。また、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4の1価炭化水素基であることが好ましい。
【0042】
また、Z10、Z11又はZ12としてのアシル基は、炭素数2〜22(好ましくは2〜18)のアシル基が好ましく、Z10、Z11又はZ12としての1価炭化水素基は、炭素数1〜20(好ましくは1〜18)の1価炭化水素基が好ましい。また、Z10、Z11又はZ12が−CONH−R30で表される基である場合のR30は、炭素数1〜18(好ましくは6〜18)の1価炭化水素基であることが好ましい。そして、R10及びR11がエチレン基又はトリメチレン基であり、pが0〜3の数であり、q及びrが2であることが特に好ましい。
【0043】
化合物3においては、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数であるが、s×p+t×q+u×rは25〜700の数でなければならない。s×p+t×q+u×rは40〜500であることが好ましい。
【0044】
また、化合物3は40℃以上の化合物であるが、化合物3の融点は40〜90℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。融点が40℃未満である場合は、透明紙にべたつきが生じる。また、化合物3は、1重量%となるように水と混合した場合に透明水溶液を与える水性化合物であることが好ましい。かかる場合は透明紙のリサイクル性がより良好になるからである。そして、化合物3の平均分子量は20,000以下が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。平均分子量が20,000を超すと紙への塗布が困難になる傾向にある。
【0045】
(反応物4を含有する紙用透明化剤)
反応物4は、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、化合物4との反応物であり、融点が40℃以上の水性化合物である。
【0046】
化合物4は、例えば、1モルの上記化合物5に、AOなるアルキレンオキサイドを、s×p+t×q+u×rモル付加させ(アルキレンオキサイドを付加させる方法は上述のとおりである)、その末端をZ20、Z21又はZ22にすることにより製造することができる化合物である。なお、Z20、Z21及びZ22はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基である。また、Z20、Z21及びZ22を、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30とする場合のアシル化、エーテル化又はウレタン化の方法は上述のとおりである。なお、p個存在するs、q個存在するt、r個存在するu、のそれぞれは、同一の数であっても異なる数であってもよい。
【0047】
化合物4においては、Z20、Z21及びZ22のうち少なくとも1つは水素原子である必要があるため、化合物4は、化合物5にAOなるアルキレンオキサイドを付加させて得られる、Z20、Z21及びZ22が水素(すなわち、末端が水酸基)である化合物、又は、かかる化合物の末端水酸基の一部を、アシル化、エーテル化又はウレタン化させて得られる化合物でなければならない(アシル化、エーテル化又はウレタン化の方法は上述のとおりである)。このようにして、化合物4に残存させた水素原子(水酸基)は、多価カルボン酸、ポリイソシアネート又はポリグリシジルエーテルとの反応に用いられる。なお、化合物4と、多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、の反応モル比は、前者2モルに対して後者1モルが好ましい。
【0048】
化合物4において、アルキレンオキサイド(A10O、A11O又はA12O)がs、t及びuモル付加したポリオキシアルキレン構造が存在するが、ポリオキシアルキレン構造部分は、1種のオキシアルキレンからなっていてもよく(例えばポリオキシエチレン)、2種以上のオキシアルキレンからなっていてもよい(例えばポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)。そして2種以上のオキシアルキレンからなる場合は、ブロック共重合体を形成していてもランダム共重合体を形成していてもよい。更に、複数個存在するポリオキシアルキレン構造のそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
【0049】
そして、化合物4は、A10、A11又はA12としてエチレン基を含んでいることが特に好ましく、この場合において、A10、A11及びA12の合計個数に占める、エチレン基の個数が60%以上であることが好ましい。すなわち、オキシエチレン以外のオキシアルキレンが含まれる場合は、オキシアルキレンの総モルに占めるオキシエチレンのモル数は60%以上であることが好ましい。化合物4におけるエチレン基の個数を60%以上にすることにより、水性を向上させることができ、透明化剤の除去が更に容易となり、紙のリサイクル性を一段と向上させることが可能になる。また、化合物の融点が上昇し、透明紙表面のべたつきをより低減させることが可能なる。
【0050】
また、化合物4におけるZ20、Z21及びZ22の一部を、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基にすることにより、また、透明紙の耐水性を更に向上させることが可能になり、この結果、透明紙の雨や雪等に対する耐久性が優れるようになる。また、吸湿性が制限され透明紙の安定性を向上させることもできる。
【0051】
化合物4において、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の2価炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6の2価炭化水素基であることがより好ましく、エチレン基又はトリメチレン基であることが特に好ましい。また、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4の1価炭化水素基であることが好ましい。
【0052】
また、Z20、Z21又はZ22としてのアシル基は、炭素数2〜22(好ましくは2〜18)のアシル基が好ましく、Z20、Z21又はZ22としての1価炭化水素基は、炭素数1〜20(好ましくは1〜18)の1価炭化水素基が好ましい。また、Z20、Z21又はZ22が−CONH−R30で表される基である場合のR30は、炭素数1〜18(好ましくは6〜18)の1価炭化水素基であることが好ましい。そして、R10及びR11がエチレン基又はトリメチレン基であり、pが0〜3の数であり、q及びrが2であることが特に好ましい。
【0053】
化合物4においては、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数であるが、s×p+t×q+u×rは25〜700の数でなければならない。s×p+t×q+u×rは40〜500であることが好ましい。
【0054】
また、反応物4は40℃以上の化合物であるが、反応物4の融点は40〜90℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましい。融点が40℃未満である場合は、透明紙にべたつきが生じる。また、反応物4は、1重量%となるように水と混合した場合に透明水溶液を与える水性化合物であることが好ましい。かかる場合は透明紙のリサイクル性がより良好になるからである。そして、反応物4の平均分子量は20,000以下が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。平均分子量が20,000を超すと紙への塗布が困難になる傾向にある。
【0055】
(その他成分)
本発明の紙用透明化剤は、上述した化合物1若しくは化合物3、又は反応物2若しくは反応物4を含むものであれば、その他の成分を含有していてもよい。例えば、粘度を下げたり紙への浸透性を向上させる目的で、アルコール系溶剤や界面活性剤を少量含有していてもよい。アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられ、界面活性剤としては、浸透性良好な非イオン活性剤(例えば、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド9モル付加物)、浸透性良好なアニオン界面活性剤(例えば、ジオクチルスルホサクシネート)などが挙げられる。
【0056】
(原料となる化合物の例示)
上述したように、化合物1及び反応物2を得る場合にはモノアミンが用いられる。化合物1及び反応物2を得る場合に適用可能なモノアミンとしては、炭素数1〜22の炭化水素基を有するモノアミン(第一級アミン又は第二級アミン)、炭素数2〜22のアルコキシアルキル基を有するモノアミン(第一級アミン又は第二級アミン)が挙げられる。なお、モノアミンにおける炭素数1〜22の炭化水素基又は炭素数2〜22のアルコキシアルキル基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。
【0057】
炭素数1〜22の炭化水素基を有するモノアミンとしては、メチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、オレイルアミン、メチルエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルヘキシルアミン、ジ−N−オクチルアミン、メチルステアリルアミン、4−メチルアミノブタノール等が挙げられる。
【0058】
炭素数2〜22のアルコキシアルキル基を有するモノアミンとしては、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−デシルオキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ミリスチルオキシプロピルアミン等が挙げられる。
【0059】
また、化合物3及び反応物4を得る場合には一般式(5)で表されるポリアミン(化合物5)が用いられる。化合物5においてpが0であるポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミンが挙げられ、pが1〜6のポリアミンとしては、ジメチルアミノエチルアミン、1,3−プロパンジアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノプロピルアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
【0060】
化合物1、反応物2、化合物3及び反応物4においてアシル化反応に用いられるハロゲン化アシルとしては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、オクタン酸クロライド、ラウリン酸クロライド、オレイン酸クロライド、ステアリン酸クロライドなどのモノカルボン酸クロライド等が挙げられる。
【0061】
また、化合物1、反応物2、化合物3及び反応物4においてエーテル化に用いられる飽和又は不飽和アルコールとしては、炭素数1〜22のものが好ましく、これは直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。このようなアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アリルアルコール、オレイルアルコール、ドコセノール等が挙げられる。
【0062】
そして、エーテル化に用いられるグリシジルエーテルとしては、炭素数1〜18のアルコールのグリシジルエーテルが好ましく、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0063】
化合物1、反応物2、化合物3及び反応物4においてウレタン化に用いられるモノイソシアネートとしては、炭素数1〜18のアルキル基を有するモノイソシアネートが好ましく、例えば、メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ネオペンチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステアリルイソシアネート等が挙げられる。
【0064】
また、反応物2及び反応物4を得るための多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、無水ピロメリト酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
【0065】
そして、反応物2及び反応物4を得るためのポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートは、透明紙が無黄変性となるので特に好適である。これらのポリイソシアネート化合物は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0066】
また、反応物2及び反応物4を得るためのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0067】
(透明紙の製造方法)
次に、本発明にかかる透明紙の製造方法について説明する。本発明の透明紙の製造方法は、上述した本発明の紙用透明化剤を紙に付着させる付着工程を含むことを特徴とするものであり、前記付着工程においては、紙用透明化剤を加熱溶融させて紙に付着させる方法、紙用透明化剤の水溶液を紙に付着させる(塗布する)方法が採用可能である。
【0068】
紙用透明化剤を付着させる紙としては、本発明の透明化の作用機構上、セルロース繊維からなる植物パルプを主体として抄造した紙を用いることが好ましい。
本発明の紙用透明化剤は、紙の少なくとも片面に塗布することが好ましい。塗布方法には従来公知の方法が適用でき、例えば、バーコーター、ドクターコート、ブレードコート、エアーナイフコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアコート、オフセットグラビアコート、トランスファーロールコート、カーテンコート、エクストールジョンコート、ダイコート、スライドコート、リップコート、マイクログラビアコートなどのほか、ローラーや刷毛などを用いる方法、スプレーによる塗布などの方法が挙げられる。本発明においては、有効成分が紙の坪量の20〜100%となるような重量で、紙用透明化剤を塗布するのが好ましい。
【0069】
なお、本発明の紙用透明化剤を塗布して得られた透明紙に耐水性を付与する場合は、必要に応じて、酸化澱粉、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとマレイン酸とのコポリマー、メチルセルロース、アクリルアミド樹脂等などの水溶性樹脂や市販されているニスを塗布してもよい。
【0070】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0071】
(紙用透明化剤の融点)
融点は、JIS K 0064(1992)、目視による方法に準じて測定した。
【0072】
(透明紙の作製及び紙用透明化剤の評価)
不透明度が68%であり、坪量50g/m2の試験紙の表面に、実施例及び比較例の紙用透明化剤を塗布してバーコーターで塗布を行った。この場合において、紙用透明化剤が固形である場合は各実施例及び比較例に記載した温度に加熱溶融して試験紙表面に塗布し、紙用透明化剤が液状である場合はそのまま塗布した。また、紙用透明化剤における水性化合物等の有効成分が35g/m2(試験紙に対し70%)になるように塗布を行った。塗布終了後、105℃で60秒間乾燥し、室温にて冷却させることにより透明紙を得た。そして、透明性、表面のべたつき及び紙のリサイクル性について、それぞれ以下の(1)、(2)及び(3)の方法で評価した。
【0073】
(1)透明性
JIS P 8138(1976)に準じ、REFLECTOMETER MODEL TC−ED(東京電色(株))を用いて、透明紙の不透明度(%)を測定した。この数値が小さいほど、透明性が良好である。
【0074】
(2)表面のべたつき
指の触感で、透明紙の表面(紙用透明化剤の塗布面)のべたつきの有無を判断した。
【0075】
(3)紙のリサイクル性
2重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に5時間浸漬した後取り出し、乾燥して試験前後の透明紙の重量を測定し、下式の通り、透明紙からの有効成分の溶出率を算出した。
溶出率=(浸漬前の重量−浸漬後の重量)/有効成分の全付着量×100
有効成分の溶出率により透明紙のリサイクル性を評価した。溶出率が高いほど紙のリサイクル性は良好である。
非常に良好;溶出率が95%以上
良好 ;溶出率が90%以上95%未満
やや劣る ;溶出率が20%以上90%未満
劣る ;溶出率が20%未満
【0076】
(実施例1)
アデカプルロニックTR−707(旭電化(株)製、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドのブロック付加物、平均分子量12,000、融点49℃)を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0077】
(実施例2)
500mLの4つ口フラスコに、脱水装置、温度計及び窒素導入管を装着し、アデカプルロニックTR−707(旭電化(株)製、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドのブロック付加物、平均分子量12,000、融点49℃)を300g、ラウリン酸10g及びパラトルエン酸スルホン酸0.31gを仕込み、窒素ガスを導入しながら昇温し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで220〜240℃で反応し、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドのブロック付加物のジラウリン酸エステルを得た。この化合物の融点は48℃であった。この化合物を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0078】
(実施例3)
5Lの高圧反応装置に、ステアリルアミンのエチレンオキサイド2モル付加物を313g、水酸化ナトリウム3.7gを仕込み、充分に窒素置換した後、加熱溶融し、150〜180℃でエチレンオキサイド2112gを、反応圧力を4kg/cm2以下に保ちながら導入した。導入後、150〜180℃で、反応圧力がほぼ0kg/cm2になるまで約30分間反応させた。反応終了後、冷却し、減圧下で30分間の脱エチレンオキサイドを行った。更に、80℃以下で酢酸を約4g加えて中和し、ステアリルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物を得た。この化合物の融点は48℃であった。この化合物を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0079】
(実施例4)
500mLの4つ口フラスコに、脱水装置、温度計、窒素導入管を装着し、その中に、実施例3で得たステアリルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物を242.5gと、ラウリン酸20gとパラトルエンスルホン酸0.24gとを仕込み、窒素ガスを導入しながら昇温し、酸価が1mgKOH/gになるまで230〜250℃で約5時間反応させ、ステアリルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物のモノラウリン酸エステルを得た。この化合物の融点は47℃であった。この化合物を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0080】
(実施例5)
実施例4と同様の装置に、実施例3で得たステアリルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物を485g仕込み、窒素ガスを導入しながら昇温し、100〜120℃で減圧し、1時間ほど脱水した。70℃に冷却した後、ヘキサメチレンジイソシアネート16.8gを滴下した。滴下途中サンプリングを行い、赤外分光光度計(IR−810、日本分光(株))にてイソシアネート基の吸収がなくなるまで、80〜100℃で5時間反応させた。得られた化合物の融点は50℃であった。この化合物を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0081】
(実施例6)
300mLの4つ口フラスコに、脱水装置、温度計、窒素導入管を装着し、その中に、アデカプルロニックTR−707(旭電化(株)社製、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドのブロック付加物、平均分子量12,000)240gを仕込み、窒素ガスを導入しながら昇温し、100〜120℃で減圧し、1時間ほど脱水した。70℃に冷却した後、ヘキサメチレンジイソシアネート1.7gを滴下した。滴下途中サンプリングを行い、赤外分光光度計(IR−810、日本分光(株))にてイソシアネート基の吸収がなくなるまで、80〜100℃で5時間反応させた。得られた化合物の融点は52℃であった。この化合物を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して透明紙を作製した。
【0082】
(比較例1)
パラフィンワックス115゜F(日本精蝋(株)、融点45℃)を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して用い、透明紙を作製した。
【0083】
(比較例2)
パラフィンワックス130゜F(モービル石油(株)、融点58℃)を紙用透明化剤とし、100℃に加熱溶融して用い、透明紙を作製した。
【0084】
(比較例3)
クラレポバールPVA−110((株)クラレ製、ポリビニルアルコール、重合度1000、40℃以上で固形状)を100gと水900gとを混合し、90〜100℃で3〜4時間攪拌して溶解させた後、室温に冷却して10重量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。この水溶液を紙用透明化剤として用いて透明紙を作製した。
【0085】
(比較例4)
ポリアクリル酸ナトリウム(分子量10,000、40℃以上で固形状)の40重量%水溶液を作製し、この水溶液を紙用透明化剤として用いて透明紙を作製した。
【0086】
上記の実施例及び比較例で得られた透明紙の評価結果を、以下の表1に記載した。
【表1】
Figure 0004162421
【0087】
本発明の実施例の紙用透明化剤を用いて得られる透明紙は、透明性に優れ、表面のべたつきもなく、また、有効成分の溶出率が高いことから、透明紙から紙用透明化剤の除去が容易であり、紙のリサイクル性が良好であることが分かった。
【0088】
一方、比較例1及び2で得られた透明紙は、透明性は実施例よりやや劣り、表面のべたつきはないが、有効成分の溶出率は20%以下であって、リサイクル性が劣っていた。また、比較例3及び4においては40℃で固形の水性化合物を用いたが、化学構造が本発明のものとは異なるため、透明性の点において非常に劣っていた。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、透明性に優れ、透明紙表面のべたつきがなく、透明化剤の除去が容易であって紙のリサイクル性が良好な透明紙を得ることの可能な紙用透明化剤を提供することが可能になる。また、かかる紙用透明化剤を用いた透明紙の製造方法を提供することが可能になる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表され融点が40℃以上である水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤。
    Figure 0004162421
    [式中、R1は炭素数1〜22の1価炭化水素基又は炭素数2〜22のアルコキシアルキル基、Z1は水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜3の数、mはn×mが25〜700となるような数、をそれぞれ示す。但し、R2は炭素数1〜22の1価炭化水素基であり、n個のZ1、(3−n)個のR1及びn×m個のA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  2. 多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を反応させてなる融点が40℃以上の水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤。
    Figure 0004162421
    [式中、R1は炭素数1〜22の1価炭化水素基又は炭素数2〜22のアルコキシアルキル基、Z2は水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R2で表される基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜3の数、mはn×mが25〜700となるような数、をそれぞれ示す。但し、n個のZ2のうち少なくとも1つは水素原子であり、R2は炭素数1〜22の1価炭化水素基である。また、n個のZ2、(3−n)個のR1及びn×m個のA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  3. 前記A1としてエチレン基を含み、n×m個の前記A1に占める、当該エチレン基の個数が60%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の紙用透明化剤。
  4. 下記一般式(3)で表され融点が40℃以上である水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤。
    Figure 0004162421
    [式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12の2価炭化水素基、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価炭化水素基、A10、A11及びA12はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基、pは0〜6の数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の数、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数、をそれぞれ示す。但し、R30は炭素数1〜22の1価炭化水素基、s×p+t×q+u×rは25〜700の数である。また、p個のZ10、q個のZ11、r個のZ12、(2−q)個のR21、(2−r)個のR22、s×p個のA10、t×q個のA11及びu×r個のA12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  5. 多価カルボン酸、ポリイソシアネート及びポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、を反応させてなる融点が40℃以上の水性化合物を含むことを特徴とする紙用透明化剤。
    Figure 0004162421
    [式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12の2価炭化水素基、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価炭化水素基、A10、A11及びA12はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、Z20、Z21及びZ22はそれぞれ独立に水素原子、アシル基、炭素数1〜22の1価炭化水素基又は−CONH−R30で表される基、pは0〜6の数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の数、s、t及びuはそれぞれ独立に1〜700の数、をそれぞれ示す。但し、p個のZ20、q個のZ21及びr個のZ22のうち少なくとも1つは水素原子であり、R30は炭素数1〜22の1価炭化水素基、s×p+t×q+u×rは25〜700の数である。また、p個のZ20、q個のZ21、r個のZ22、(2−q)個のR21、(2−r)個のR22、s×p個のA10、t×q個のA11及びu×r個のA12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  6. 前記A10、A11又はA12としてエチレン基を含み、前記A10、A11及びA12の合計個数に占める、当該エチレン基の個数が60%以上であることを特徴とする請求項4又は5記載の紙用透明化剤。
  7. 前記R10及びR11がエチレン基又はトリメチレン基であり、前記pが0〜3の数であり、前記q及びrが2であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の紙用透明化剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の紙用透明化剤を紙に付着させる付着工程を含むことを特徴とする透明紙の製造方法。
  9. 前記付着工程において、前記紙用透明化剤を加熱溶融させて前記紙に付着させることを特徴とする請求項8記載の透明紙の製造方法。
  10. 前記付着工程において、前記紙用透明化剤の水溶液を前記紙に付着させることを特徴とする請求項8記載の透明紙の製造方法。
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