JP4712739B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー製合成皮革 - Google Patents
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Description
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革は、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、シンジタクティックポリプロピレン、及び/または、アイソタクティックポリプロピレンからなるポリオレフィン樹脂(B)及びポリブテン(C)からなることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー製の合成皮革である。
さらに、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は、1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.5以上であり、
(a-1)プロピレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-2)エチレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-3)炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる繰り返し単位と、必要に応じて、
(a-4)共役ポリエン及び非共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のポリエンから導かれる繰り返し単位とからなり、
前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位との合計量を100モル%としたとき前記(a-1)単位を30〜78モル%、前記(a-2)単位を1〜30モル%、
前記(a-3)単位を1〜50モル%の量で含み(ただし(a-2)単位と(a-3)単位との合計量は22から70モル%である)、前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位の合計量100モル%に対して前記(a-4)単位を0〜30モル%の量で含み、かつ実質的にシンジオタクティック構造である。
また、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、シンジタクティックポリプロピレン、及び/または、アイソタクティックポリプロピレンからなるポリオレフィン樹脂(B)、及びポリブテン(C)に加えて、更に、エチレン系共重合体ゴム(D)を含んでもよく、そのエチレン系共重合体ゴム(D)は架橋されていてもよい。
また、ポリブテン(C)は、1-ブテンのホモポリマ―、或いは1-ブテンと、1-ブテンを除くオレフィンとの共重合体であって、1-ブテン含有量が50モル%以上であるコポリマ―であることが好ましい。
そして、該オレフィン系熱可塑性エラストマー製合成皮革は、布、木材、樹脂などの基材と積層されていることが好適である。
以下、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー製合成皮革について具体的に説明する。
シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)とポリブテン(C)の合計100重量部に対して、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は10〜95重量部、好ましくは30〜90重量部、特に好ましくは50〜90重量部、最も好ましくは70〜90重量部、ポリオレフィン樹脂(B)は89〜4重量部、好ましくは67〜7重量部、特に好ましくは47〜7重量部、最も好ましくは25〜5重量部、及びポリブテン(C)好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部、特に好ましくは3〜25重量部、最も好ましくは5〜20重量部の割合で配合される。
まずシンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)について説明する。
本発明に係るシンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプ―(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチュ―ブに装入する。そして日本電子製GX―500型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。 シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)がこのような範囲にあるとシンジオタクティック性に優れ透明性、柔軟性、耐摩耗性に優れる傾向にある。
これらのなかでは5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)が望ましい。(aー4)単位は、2種以上含まれていてもよい。
また示差走査熱量計(DSC)によって測定した融解ピ―クが、存在しないことが望ましい。この場合、該オレフィン系熱可塑性エラストマー製合成皮革の柔軟性、耐傷付性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れる。
このようなシンジオタクティック構造α-オレフィン共重合体(A)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンとエチレンとα-オレフィンを共重合させて得ることができる。
(x)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物と、
(y)(y―1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(y―2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(y―3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体が好ましく、特に230℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ―レ―トが、0.1〜200g/10分であるポリプロピレンが最も好ましい。また、耐熱性の観点から、広角X線回折などから求められる結晶化度は5%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上のものが用いられる。
上記のような熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに上記の熱可塑性樹脂とともに、上記以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
本発明で用いられるポリブテン(C)は、1-ブテンのホモポリマ―、或いは1-ブテンと、1-ブテンを除くオレフィンとの共重合体である。具体的なオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、2-メチル- プロペン、3-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、5-メチル-1- ヘキセンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。このようなポリオレフィンとして、例えば、1-ブテン・エチレンランダム共重合体、1-ブテン・プロピレンランダム共重合体、1-ブテン・メチルペンテン共重合体、1-ブテン・メチルブテン共重合体、1-ブテン・プロピレン・エチレン共重合体などが挙げられる。このような共重合体において、耐久性の点から、1-ブテン含有量が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが特に好ましい。ポリブテン(C)を用いることで耐久性が優れ、特に時間の経過に伴う光沢の変化が抑制される。
本発明で必要に応じて用いられるエチレン系共重合体ゴム(D)は、エチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンからなる無定型ランダムな弾性共重合体ゴム、或いはエチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムである。
また、このエチレン系共重合体ゴム(D)のヨウ素価は、3〜30であることが好ましく、5〜25の範囲にあることが特に好ましい。
低・中分子量エチレン・α-オレフィンランダム共重合体等の合成油;
コールタール、コールタールピッチ等のコ−ルタ−ル類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;
ト−ル油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノ−ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチルセバケ−ト等のエステル系可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコ−ルなどが挙げられる。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー製合成皮革は、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、ポリブテン(C)、及びエチレン系共重合体ゴム(D)に加えて、軟化剤及び/または無機充填剤をブレンドすることができる。
熱処理は80〜130℃で1〜10時間程度行われることが好ましい。この熱処理によって、架橋剤の残査などを除去することができ、臭気が少ない合成皮革を得ることが出来る。
また、成形時に化学発泡剤、または物理発泡剤を使用して公知の方法で発泡させ、発泡状の合成皮革を得ることもできる。発泡剤は、公知の化学発泡剤、または、炭酸ガス、窒素ガス、水などの公知の物理は発泡剤を使用することが出来る。発泡させた場合のシ−トの厚みは、発泡させない場合に比べてより厚くしても構わない。
家具:いす、ソファ、オットマン、ベッド、机、テ−ブル、クッション、各種マット、コ−スタ−、灰皿敷、各種工芸・装飾品、など
文具:手帳、アルバム、各種ファイル、ケ−ス類、かばん・バッグ、額縁、など
建材:壁装飾材、天井装飾材、床装飾材、カーテン、ドア・扉装飾材、など
スポ−ツ用品:手袋、グローブ、シュ−ズ、各種グリップ、自転車などのサドル、など
家電製品:カメラなどの本体の一部、ハウジングの表皮材、ケ−ス類、グリップ類、マウスパッド、など
工業製品:工具類のグリップ、ホ−ス、パッキン、シ−ト、など 自動車部品:インストゥルメントパネル表皮、ドア表皮、天井表皮、コンソ−ボックス表皮、座席表皮、ヘッドレスト表皮、ア−レスト表皮、レッグレスト表皮、ピラートリム表皮、サンバイザ−表皮、トランクル−ムトリム表皮、トノカバ−皮、グローブボックス表皮、ステアリングホイ−ル表皮、エアバッグカバ−表皮、チェンジレバ−ノブ表皮、チェンジレバ−ブ−ツ、パ−キングレバ−ノブ表皮、各種グリップ、など その他:靴、手袋、衣服、おもちゃ、人形、時計バンド、など。
(重合例1;シンジオタクティック プロピレン・ブテン・エチレン ランダム共重合体(A-1)の重合)
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、100mlの乾燥ヘキサン、1-ブテン480gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を35℃に昇温し、プロピレンで0.54MPaに加圧し、次いでエチレンで0.62MPaに加圧した。その後、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.005mmolとアルミニウム換算で1.5mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温35℃、エチレン圧0.62MPaを保ちながら5分間重合し、20mlのメタノ−ルを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノ−ル中で重合溶液からポリマ−を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、36.1gであった。また、ポリマ−の組成は、プロピレン含量が61.3mol%、エチレン含量が10.3mol%、1-ブテン含量が28.4mol%であり、極限粘度[η]が2.67dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−7.7℃であり、融解ピ−クは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.8であった。
減圧乾燥及び窒素置換してある1.5リットルのオ−トクレ−ブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トのトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トが0.004ミリモル/リットルであった。
重合例1で得られた、シンジオタクティック プロピレン・ブテン・エチレン ランダム共重合体(A-1)70重量部とアイソタクティックポリプロピレン(B-1)(ホモポリマ−、MFR(230℃、2.16kg荷重、以下同じ測定条件)1.0(g/10分))30重量部、カ−ボンブラックマスタ−バッチ2重量部(黒に着色するため、以下同じ)とシリコ−ンオイル(東レ・ダウコ−ニングシリコ−ン社製、商品名SH100(100cs))2重量部とをバッチ式高速ミキサ−で攪拌混合した後、最高温度230℃に設定した2軸押出機で混練し、組成物のペレットを得た。
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ2mmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストロ−ク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化を以下の通り評点を評価した。
4:微かに摩耗跡が認められる
3:はっきりと摩耗跡が認められる
2:3と1の中間
1:著しい摩耗跡が認められる
更に、シボつきシ−を80℃のギアオ―ブンに24時間入れ、取り出した後の外観をギアオ−ブンに入れる前と比較して、耐熱老化による光沢変化を以下の評点で評価した。
4:微かに光沢変化が認められる
3:はっきりと光沢変化が認められる
2:3と1の中間
1:著しい光沢変化が認められる
それぞれの評価結果を表1に示す。
シンジオタクティック プロピレン・ブテン・エチレン ランダム共重合体(A-1)70重量部とアイソタクティックポリプロピレン(B-1)30重量部、カーボンブラックマスタ―バッチ2重量部とシリコ−ンオイル2重量部、ポリテトラフルオロエチレンパウダ−(PTFE)0.3重両部から実施例1と同様に組成物のペレットを得た。
また、真空成形を行っていないシ−トを用いて比較例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
また、真空成形を行っていないシ−トを用いて比較例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
また、真空成形を行っていないシ−トを用いて実施例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
また、真空成形を行っていないシ−トを用いて実施例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
重合例2で得られた、シンジオタクティックプロピレン・エチレンランダム共重合体(A-2)70重量部とシンジオタクティックポリプロピレン(B-1)30重量部、カ−ボンブラックマスタ−バッチ2重量部とシリコ−ンオイル2重量部、ポリテトラフルオロエチレンパウダ−(PTFE)0.3重両部から比較例1と同様に組成物のペレットを得た。
また、真空成形を行っていないシートを用いて比較例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
また、真空成形を行っていないシ−トを用いて実施例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
比較例1において、シンジオタクティック プロピレン・ブテン・エチレン ランダム共重合体(A-1)の代わりに、既存のアイソテクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(A-3)(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1-ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を使用した以外は、実施例1と同様に組成物のペレットを得た。
実施例5において、シンジオタクティック プロピレン・ブテン・エチレン ランダム共重合体(A-1)の代わりに、既存のアイソテクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(A-3)を使用した以外は、実施例5と同様に組成物のペレットを得た。
実施例6において、シンジオタクティック プロピレン・エチレン ランダム共重合体(A-2)の代わりに、既存のアイソテクティック構造のプロピレン・エチレン共重合体(A-4)(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、エチレン含量は24モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は3.0)を使用した以外は、実施例6と同様に組成物のペレットを得た。
黒に着色された軟質塩化ビニル樹脂(デンカ製、ビニコンM−2510 、ショアA硬度89)のシ−ト(厚さ1.0mm)を実施例1と同様に傷付きテスト、学振摩耗試験、耐熱老化試験を行なった。それぞれの評価結果を表1に示す。
Claims (8)
- シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、シンジタクティックポリプロピレン、及び/または、アイソタクティックポリプロピレンからなるポリオレフィン樹脂(B)及びポリブテン(C)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
ここで、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)とポリブテン(C)の合計100重量部に対して、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は10〜95重量部、ポリオレフィン樹脂(B)は89〜4重量部、及び、ポリブテン(C)1〜50重量部の割合で配合され、
さらに、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は、
1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.5以上であり、
(a-1)プロピレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-2)エチレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-3)炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる繰り返し単位と、必要に応じて、
(a-4)共役ポリエン及び非共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のポリエンから導かれる繰り返し単位とからなり、
前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位との合計量を100モル%としたとき前記(a-1)単位を30〜78モル%、前記(a-2)単位を1〜30モル%、
前記(a-3)単位を1〜50モル%の量で含み(ただし(a-2)単位と(a-3)単位との合計量は22から70モル%である)、前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位の合計量100モル%に対して前記(a-4)単位を0〜30モル%の量で含み、かつ実質的にシンジオタクティック構造である。 - シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、及びポリブテン(C)に加えて、更に、エチレン系共重合体ゴム(D)を含むことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- エチレン系共重合体ゴム(D)が架橋されていることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- 前記シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)が、示差走査型熱量計(DSC)により測定した融解ピ―クが存在せず、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、GPCによる分子量分布が5以下であり、ガラス転移温度Tgが―5℃以下である請求項1から3のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)が架橋されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- ポリブテン(C)が、1-ブテンのホモポリマ―、或いは、1-ブテンと、1-ブテンを除くオレフィンとの共重合体であって、1-ブテン含有量が50モル%以上であるコポリマ―であることを特徴とする請求項1か5のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- シリコーンオイル、及び/または、フッ素系の滑剤を含むことを特徴とすることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
- 布、木材、樹脂などの基材と積層されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革。
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