JP2015119826A - クッション材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 芯材に発泡体や網状構造体を用い、表皮材と一体化され、品質に優れた安価なクッション材及びその製造方法を提供する。【解決手段】 芯材により覆われてなるクッション材である。芯材の一方の主面を覆う表皮材が耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマー(例えばナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマー)を含む樹脂材料により形成されている。ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーは、分子鎖がシンジオタクチック構造を有していても良い。製造に際しては、表皮材となる樹脂シート間に芯材を挿入し、金型により成形する。表皮材となる樹脂シートは、溶融状態で押し出し溶融樹脂シートとして供給する。あるいは、予め所定の寸法に裁断された樹脂シートを再加熱し、軟化して用いる。【選択図】 図1

Description

本発明は、反発性の優れた発泡体や網状構造体を芯材として用いたクッション材及びその製造方法に関するものであり、表皮を一体に成形した新規なクッション材及びその製造方法に関する。
寝具用マット等のクッション材としては、金属製コイルスプリングを用いたコイルマットレス等が広く普及しているが、近年、いわゆる熱可塑性樹脂製網状構造体を用いたノンスプリングタイプのマットレスパッドが開発され、注目されている。熱可塑性樹脂製網状構造体を用いたマットレスパッドは、復元性が高いこと、体圧分散に優れること、通気性に優れること、水洗いが可能であること等の優れた特徴を有し、快適な睡眠環境を提供することが可能であり、衛生的な環境も維持することができる。
ここで、使用する熱可塑性樹脂製網状構造体は、熱可塑性樹脂の線条を曲がりくねらせてランダムループを形成し、ループの接触部を熱接着することにより構成されるものであり、クッション性等の特性の改善等を目的に、各方面において改良が進められている(特許文献1や特許文献2等を参照)。
例えば、特許文献1には、熱可塑性弾性樹脂からなる線条を曲がりくねらせ互いに接触せしめて、該接触部の大部分を融着せしめ3次元構造を形成した網状構造体の片面または両面を構成する線条の融点がその面と接する高融点弾性樹脂の線条の融点より少なくとも10℃以上低い低融点弾性樹脂からなる熱接着性網状構造体が開示されている。特許文献1記載の網状構造体は、耐熱性、耐久性、クッション性に優れ、蒸れにくく熱接着成形が容易であるという特徴を有する。
特許文献2には、熱可塑性弾性樹脂と燐含有エステル形成性化合物を共重合または燐含有難燃剤を含有してなる難燃性ポリエステルとを混合した組成物からなる線条であって、熱可塑性樹脂のソフトセグメント量A(対混合組成物:重量%)と燐含有量B(混合組成物中の燐原子含有量ppm)が特定の関係式を満足し、繊度が100〜100000デニールの連続線条を曲がりくねらせ互いに接触させて接触部の大部分を融着された3次元網状構造を形成された網状構造体が開示されている。特許文献2記載の網状構造体は、難燃性で燃焼時に有毒ガスの発生が少なく、リサイクルが可能で、形態保持性、クッション性にも優れるという特徴を有する。
その他、網状構造体の製造方法や、クッション材への適用に関しても、種々の提案がなされている。例えば、特許文献3には、合成樹脂モノフイラメントを複雑に絡ませて粗い網状に展開させた弾力のあるマットの製造方法が開示されており、特許文献4には、座席裏面の深絞り形状部が射出成形された樹脂成形体からなり、クッション層が連続した線条を曲がりくねらせ互いに接触させて接触部の大部分が融着した3次元立体構造体を形成した網状体で構成され、樹脂成形体と網状体が一体接合され、表層に難燃性側地を配した座席が開示されている。
特開平7−197366号公報 特開平8−13302号公報 特公平4−33906号公報 特開平8−33782号公報
ところで、前述の網状構造体に限らず、発泡体等の芯材をクッション材に用いる場合、何らかの表皮材で覆って使用するのが一般的である。この時、表皮材を別途作製し、これにより芯材を覆う構成とすると、工数が多くなり、コストを増大する要因となる。例えば、特許文献4記載の発明では、クッション層となる網状体の上に深絞り成形した樹脂成形体を配し、熱成形により一体化しているが、工数も多く、接着剤が必要になることもあり、コスト増を招くことになる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、表皮材で被覆され芯材と表皮材とが確実に固定され、使用感に優れたクッション材を安価に提供することを目的とし、さらには、その製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明のクッション材は、芯材が表皮材により覆われてなるクッション材であって、前記芯材の一方の主面を覆う表皮材が耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーを含む樹脂材料により形成されていることを特徴とする。また、本発明のクッション材の製造方法は、表皮材となる樹脂シート間に芯材を挿入し、金型により成形するクッション材の製造方法であって、芯材の一方の主面を覆う表皮材として耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーを含む樹脂材料により形成されている樹脂シートを用いることを特徴とする。
本発明のクッション材では、芯材に対して溶融状態の樹脂シートが積層され表皮材とされているので、芯材と表皮材とが確実に一体化される。また、接着剤等も不要である。さらに、表皮材のうちの一方の面が耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマー(例えばナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマー)を含む樹脂材料により形成されているので、柔軟性やゴム弾性に優れるばかりでなく、耐久性にも優れたものとなり、この面を使用者と接するように配することで、使用感に非常に優れたクッション材が実現される。製造に際しては、芯材の挿入から成形まで一括して行われ、工数が大幅に削減されるという利点を有する。
本発明によれば、使用感に優れ耐久性に優れたクッション材を効率的に製造することが可能であり、高品質のクッション材を安価に提供することが可能である。
本発明を適用したクッション材の一例を示す概略断面図である。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、溶融樹脂シート供給工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、溶融樹脂シートの金型当接工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、溶融樹脂シートの賦形工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、芯材の挿入工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、芯材の装着状態を示す。 本発明を適用したクッション材の製造工程の一例を示す図であり、金型による成形工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造方法の他の例を示す図であり、樹脂シートの金型載置工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造方法の他の例を示す図であり、樹脂シートの軟化賦形工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造方法の他の例を示す図であり、芯材の挿入工程を示す。 本発明を適用したクッション材の製造方法の他の例を示す図であり、芯材の装着状態を示す。 本発明を適用したクッション材の製造方法の他の例を示す図であり、金型による成形工程を示す。
以下、本発明を適用したクッション材及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のクッション材1は、例えば寝具(マットレスパッド)や座席パッド等に使用されるものであり、芯材2を表皮材3により被覆することにより形成されている。前記芯材2は、クッション性を有するものであれば任意のものが使用可能である。具体的には、各種発泡体や固綿等の繊維の集合体、コイルスプリング等のスプリング類等を使用することが可能である。
芯材2に用いる発泡体としては、例えばオレフィン系発泡体やウレタン系発泡体等を例示することができ、高反発ウレタンフォーム、低硬度ウレタンフォーム等、硬さや反発力等が異なる発泡体を任意に組み合わせて積層した積層体を用いることも可能である。中でも、エチレンビニルアルコール共重合体やポリウレタンの発泡体が好ましく、発泡倍率としては、空気/ポリマーが10倍以上のものが好ましい。
また、前記芯材2には、熱可塑性樹脂の線条を絡ませ部分的に熱接着することにより形成され、樹脂製スプリングとしての機能を果たす網状構造体も使用可能である。網状構造体は、例えば連続線条を曲がりくねらせて多数のループを形成し、それぞれのループを互いに接触せしめ、接触部の大部分を融着することで、一定の幅と厚みを保形した三次元ランダムループ構造としたものである。このような構成とすることで、非常に大きい応力で変形を与えても、融着一体化した3次元網状構造全体が変形して応力を吸収し、応力が解除されると熱可塑性樹脂のゴム弾性が発現して元の形態に回復する。
網状構造体に使用する熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を使用することが可能であるが、例えばソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重合したポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、メタロセン触媒を使用した直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体等が好適である。ポリエステル系エラストマーとしては、、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体や、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体等を挙げることができる。
網状構造体を構成する線条の太さも任意であり、例えば100〜100000デニール程度の線条を使用することができる。
なお、前記網状構造体の構成としては、従来公知の構成をいずれも採用することが可能である。例えば高融点と低融点の熱可塑性弾性樹脂よりなり、高融点熱可塑性弾性樹脂の融点より10℃以上融点が低い低融点熱可塑性弾性樹脂からなる網状構造体が熱接着層を形成し、高融点熱可塑性弾性樹脂からなる網状構造体が基本層を形成し、両層が三次元ランダムループ形成時に融着一体化されてなる熱接着性網状構造体であってもよい。
あるいは、2種類の熱可塑性弾性樹脂が複合化されるようにノズルオリフィス前で分配し、熱可塑性弾性樹脂のうち最も低融点の樹脂の融点〜融点+120℃の温度から、最も高融点の樹脂の融点〜融点+10℃の温度で両方の樹脂を溶融複合化し、ノズルから下方に向けて吐出させ、溶融状態で多数のル−プを形成し、夫々のル−プを互いに接触し融着させて三次元のランダムル−プを形成し、引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめて網状構造体を一体化したものであってもよい。
さらには、熱可塑性弾性樹脂層と熱可塑性非弾性樹脂層とを積層したもの、熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着性短繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる短繊維が混合開繊されて3次元構造化され、接触部の大部分が熱接着成分により融着一体化した面が実質的にフラット化された不織布が接合一体化されたもの、溶融した樹脂の線条集合体の一部を水槽の水面着水前に受け止め、線条の厚さを絞り込んで網状構造体の表面層を形成したもの、難燃剤を含有する線条を用いたもの等であってもよい。
芯材2は、前述の発泡体や網状構造体のみからなってもよいが、芯材2の少なくとも一方の主面と表皮材3との間に介在される形で介在層を有していてもよい。介在層は、芯材2の使用者と接する側の面に形成することが好ましく、それにより芯材2表面の凹凸が表皮3に転写されることがなくなり、外観及び肌触りを良好なものとすることができる。介在層の材質は任意であるが、例えば発泡樹脂シートや不織布等が好適である。また、介在層の厚さも任意であるが、数mm〜1.5cm程度とすることが好ましい。なお、介在層は予め芯材2と積層されていてもよいし、予め表皮材3と積層しておき、これにより芯材2と表皮材3の間に介在層が形成されるようにしてもよい。
前述の芯材2は、表皮材3により被覆され、芯材2と表皮材3とが溶着されていることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。芯材2と表皮材3とが溶着されることで、芯材2と表皮材3とが高度に一体化し、品質の高いクッション材となる。
したがって、表皮材3は、前記芯材2と熱溶着し得る材料により形成すればよく、通常は熱可塑性樹脂が用いられるが、本発明においては、前記表皮材3において、芯材2の一方の主面(使用者と接する側の主面)を覆う表皮材3aが他方の主面を覆う表皮材3bよりも軟質とすることで、快適な使用感を実現している。
ここで、芯材2の一方の主面(使用者と接する側の主面)を覆う表皮材3aには柔軟性等が良好で耐久性に優れた樹脂材料を使用する必要がある。係る樹脂材料としては、耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーを挙げることができる。耐スクラッチ性に優れるか否かは、東洋精機製作所社製のテーパースクラッチテスター試験機を用い、荷重を変えながら引っ掻き試験を実施することで判定した。具体的には、射出成形にて平滑な表面の平板を成形し、成形した平板を水平に置き、荷重を加えた綿布を置き、200回往復させ、摩擦面の光沢度をJISK7105の方法で測定し、光沢度が70%以下となる荷重を傷つき荷重とし、この傷つき荷重が50g以上である場合を耐スクラッチ性に優れ表皮材3aに用いる樹脂材料として好適であると判定した。
耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーとして、本実施形態においては、ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーを用いている。ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーは、メタロセン触媒を利用して結晶構造をナノオーダーで制御したオレフィン系エラストマーであり、ポリマーの結晶/非晶構造がナノオーダーで制御され、且つ結晶がナノオーダーで網目構造を有した熱可塑性のポリオレフィ系エラストマーである。ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーの具体例としては、例えば三井化学社製の商品名ノティオ等を挙げることができる。従来のポリオレフィン系エラストマー樹脂の結晶サイズがミクロンオーダーであるのに対して、ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーでは結晶サイズがナノオーダーで制御されている。このため、従来のポリオレフィン系エラストマー樹脂に比べて、透明性、耐熱性、柔軟性、ゴム弾性等に優れている。
また、前記ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーは、分子鎖がシンジオタクチック構造を有するものであってもよい。分子鎖がシンジオタクチック構造を有するオレフィン系エラストマーの成分としては、例えば13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上、好ましくは90%以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90〜100モル%、好ましくは92〜100モル%含むプロピレン系重合体を挙げることができる。
シンジオタクチックペンタッド分率が前記の範囲にあるプロピレン系重合体は、成形性、さらには耐熱性および透明性にも優れ、結晶性ポリプロピレンとしての特性がより良好なものとなる。また、このようなプロピレン系重合体を用いることで、結晶化が抑制され、低結晶化および微細球晶化が起こる。
シンジオタクチック構造を有するプロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体、あるいは、プロピレンと炭素原子数が2〜20、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられ、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種でも二種以上であってもよい。
また、シンジオタクチック構造を有するプロピレン系重合体は、他の樹脂と組み合わせて用いることができる。組み合わせる他の樹脂としては、下記(A)〜(H)等を例示することができる。
(1)非架橋の、または部分的に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー
(2)スチレン系エラストマー
(3)プロピレン由来の構成単位を40−85モル%、エチレン由来の構成単位を5〜30モル%、炭素数4から20のα−オレフィン由来の構成単位を5〜30モル%含むプロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体
(4)アイソタクチックプロピレン系重合体
(5)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(6)密度が850〜930kg/mのエチレン系重合体
(7)ポリブテン
(8)エチレン系共重合体ゴム
具体的組成例としては、例えば以下の重合体を含むプロピレン系重合体組成物を挙げることができる。
(A)13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90〜100モル%含有するプロピレン系重合体:1〜35質量部、
(B)プロピレン由来の構成単位を40〜89モル%、炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位を11〜60モル%含有し、以下の(b4)を満たすプロピレン系共重合体:5〜95質量部、
(b4)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と230℃、荷重2160gで測定したMFRが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
及び、(A)及び(B)に加え、以下の(C)〜(F)の重合体のいずれか少なくとも1種を含有し、(G)及び/又は(H)の重合体を下記に規定する範囲で任意に含んでもよく、且つ、(C)〜(H)の重合体を合計で1〜94質量部含む〔但し、(A)〜(H)の重合体の合計を100質量部とする。〕。
(C)非架橋の、または部分的に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー:0〜94質量部、
(D)スチレン系エラストマー:0〜94質量部、
(E)プロピレン由来の構成単位を40−85モル%、エチレン由来の構成単位を5〜30モル%、炭素数4から20のα−オレフィン由来の構成単位を5〜30モル%含む。
かつ、mmが85%以上である、プロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体:0〜94質量部、
(F)アイソタクチックプロピレン系重合体:0〜49質量部、
(G)エチレン・酢酸ビニル共重合体:0〜60質量部、
(H)密度が850〜930kg/mのエチレン系重合体:0〜60質量部。
あるいは、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、シンジタクティックポリプロピレン、及び/または、アイソタクティックポリプロピレンからなるポリオレフィン樹脂(B)及びポリブテン(C)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーをシート状に成形することにより得られる合成皮革も使用可能である。
ここで、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)とポリブテン(C)の合計100重量部に対して、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は10〜95重量部、ポリオレフィン樹脂(B)は89〜4重量部、及び、ポリブテン(C)1〜50重量部の割合で配合され、さらに、シンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(A)は、1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.5以上であり、
(a-1)プロピレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-2)エチレンから導かれる繰り返し単位と、
(a-3)炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる繰り返し単位と、必要に応じて、
(a-4)共役ポリエン及び非共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のポリエンから導かれる繰り返し単位とからなり、
前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位との合計量を100モル%としたとき前記(a-1)単位を30〜78モル%、前記(a-2)単位を1〜30モル%、前記(a-3)単位を1〜50モル%の量で含み(ただし(a-2)単位と(a-3)単位との合計量は22から70モル%である)、前記(a-1)単位と(a-2)単位と(a-3)単位の合計量100モル%に対して前記(a-4)単位を0〜30モル%の量で含み、かつ実質的にシンジオタクティック構造である。
なお、前述のオレフィン系エラストマーについては、例えば特開2011−225890号公報や、特許4712739号公報等に詳述されている。また、市販のものとして、三井化学社製、商品名ノティオPN、商品名ノティオSN等を挙げることができる。
一方、芯材2の他方の面を被覆する表皮材3bには、前記一方の主面を覆う表皮材3aよりも硬質な樹脂材料が用いられる。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂や、オレフィン系エラストマー、メタロセン触媒を使用した直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体等を例示することができる。
次に、前述の構成を有するクッション材1の製造方法について説明する。
図2は、クッション材1の製造方法の一例を示すものである。本実施形態の製造方法では、溶融状態で押し出される溶融樹脂シートを表皮材3として使用する。
本実施形態の製造方法によりクッション材1を製造するには、先ず、図2(a)に示すように、二条の溶融状態の熱可塑性樹脂溶融樹脂シートPを、各押し出しスリット11から鉛直下方に押し出す。その際、一対のローラ12により溶融樹脂シートPを挟み込みながら溶融押し出しすることも可能である。一対のローラ12の回転により一対のローラ12により挟み込まれた溶融樹脂シートPを下方に送り出す速度が押し出し速度以上となる範囲において、一対のローラ12の回転速度を調整することにより、溶融樹脂シートPを延伸薄肉化し、ドローダウンやネックインを防止し、各溶融樹脂シートPを押し出し方向において一様な膜厚とすることが可能である。なお、この場合、一対のローラ12の回転の調整とともに、押し出しスリット11の間隔の調整を連動して行ってもよい。
これら二条の溶融樹脂シートPは、2つの分割金型13の間に供給し、図2(b)示すように、分割金型13のピンチオフ部に溶融樹脂シートPを当接させる。これにより、溶融樹脂シートPと分割金型13の間に密閉空間が形成される。
次いで、前記分割金型13を通じて前記密閉空間内を吸引する。これにより、図2(c)に示すように、連続シート状の溶融樹脂シートPが分割金型13のキャビティ13aに押し付けられ、キャビティ13aに沿った形状に賦形される。
この状態において、図2(d)に示すように、マニピュレータの吸着盤14により保持された芯材Aを、2つの分割金型13の間に側方より挿入する。その後、マニピュレータの吸着盤14を移動し、芯材Aを一方の分割金型13のキャビティ13aに賦形された溶融樹脂シートPに対して押し付け、図2(e)に示すように、芯材Aを溶融樹脂シートPと接するように装着する。装着後、吸着盤14は芯材Aから離脱させ、マニピュレータを分割金型13の間から引き抜き、型締の準備を行う。
続いて、図2(f)に示すように、分割金型13の型締を行う。分割金型13の型締では、金型駆動装置(図示せず)により各分割金型13を開位置から閉位置まで互いに近づく方向に移動させて互いに突き当てる。これにより、芯材Aが溶融樹脂シートPにより被覆され、クッション材が形成される。この時、表皮材となる溶融樹脂シートPは、芯材である芯材Aと溶着され、一体化される。
以上がクッション材1の製造方法の実施形態であるが、前記製造方法において、二条の溶融樹脂シートPの材質等を変えることで、芯材Aの一方の主面を覆う表皮材と他方の主面を覆う表皮材の硬さを変えることが可能である。例えば、芯材の一方の主面に対応する溶融樹脂シートPを前述のナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーとし、他方の主面に対応する溶融樹脂シートPをポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂とすることで、快適な使用感のクッション材を製造することができる。
クッション材の製造方法としては、これに限らず、種々の方法を採用することができる。先の実施形態では、溶融押し出しされる熱可塑性樹脂の溶融樹脂シートを用いて成形を行ったが、例えば、予め所定の寸法に切断された樹脂シートを再加熱して軟化させ、成形する方法を採用することもできる。樹脂シートを再加熱して成形する方法としては、クランプした樹脂シートを金型に押し付け金型の背面側から真空吸引して樹脂シートと金型の間を真空にして成形する真空成形や、真空吸引に加えて圧縮空気を送って樹脂シートを金型に押し付ける圧空成形、シートブロー成形(ツインコンポジット成形)等を採用することも可能である。
図3は、予め所定の寸法に切断した樹脂シートを用い、真空成形によりクッション材を製造する方法を示すものである。
本実施形態の製造方法では、所定の寸法に切断された2枚の樹脂シート21を用意し、ヒーター等を用いて加熱し軟化させた後、図3(a)に示すように、それぞれ一対の分割金型22のいずれかの上に載置する。なお、この時、各樹脂シート21は、各分割金型22に設けられたキャビティ22aの開口部を塞ぐように載置し、樹脂シート21と分割金型22の間に密閉空間が形成されるようにする。
次いで、前記分割金型22を通じて密閉空間内を吸引する。これにより、図2(b)に示すように、加熱により軟化した樹脂シート21が分割金型22のキャビティ22aに押し付けられ、キャビティ22aに沿った形状に賦形される。
これ以降の工程は先の実施形態と同様である。すなわち、図3(c)に示すように、マニピュレータの吸着盤23により保持された芯材Aを、2つの分割金型22の間に側方より挿入する。その後、マニピュレータの吸着盤23を移動し、芯材Aを一方の分割金型22のキャビティ22aに賦形された樹脂シート21に対して押し付け、図3(d)に示すように、芯材Aを軟化した樹脂シート21と接するように装着する。装着後、吸着盤23は芯材Aから離脱させ、マニピュレータを分割金型22の間から引き抜き、型締の準備を行う。
続いて、図3(e)に示すように、分割金型22の型締を行う。分割金型22の型締では、各分割金型22を開位置から閉位置まで互いに近づく方向に移動させて互いに突き当てる。これにより、芯材Aが樹脂シート21により被覆され、クッション材が形成される。この時、表皮材となる樹脂シート21は、加熱により軟化しているので、芯材である芯材Aと溶着され、一体化される。
本実施形態においても、2枚の樹脂シート21の材質等を変えることにより、すなわち芯材の一方の主面に対応する樹脂シート21を前述のナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーとし、他方の主面に対応する樹脂シート21をポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂とすることで、快適な使用感のクッション材を製造することができる。
前述の各製造方法においては、ナットやフレーム等、付属部品をインサート成形することも可能である。これにより、成形品(クッション材)を多様な形態とすることが可能である。
以上、本発明を適用した実施形態についてを説明してきたが、本発明が前述の実施形態に限られるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
1 クッション材
2 芯材
3 表皮材
3a 芯材の一方の主面を覆う表皮材
3b 芯材の他方の主面を覆う表皮材
13,22 分割金型
13a,22a キャビティ
P 溶融樹脂シート
A 芯材

Claims (8)

  1. 芯材が表皮材により覆われてなるクッション材であって、
    前記芯材の一方の主面を覆う表皮材が耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーを含む樹脂材料により形成されていることを特徴とするクッション材。
  2. 前記耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーがナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーであることを特徴とする請求項1記載のクッション材。
  3. 前記ナノ結晶構造制御型のオレフィン系エラストマーは、分子鎖がシンジオタクチック構造を有することを特徴とする請求項2記載のクッション材。
  4. 芯材の他方の主面を覆う表皮材が前記一方の主面を覆う表皮材よりも硬質であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のクッション材。
  5. 前記芯材が、熱可塑性樹脂の線条を絡ませ部分的に熱接着した網状構造体、又は発泡材であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のクッション材。
  6. 表皮材となる樹脂シート間に芯材を挿入し、金型により成形するクッション材の製造方法であって、
    芯材の一方の主面を覆う表皮材として耐スクラッチ性に優れたオレフィン系エラストマーを含む樹脂材料により形成されている樹脂シートを用いることを特徴とするクッション材の製造方法。
  7. 樹脂シートを溶融状態で押し出し、表皮材として成形することを特徴とする請求項6記載のクッション材の製造方法。
  8. 予め所定の寸法に裁断された樹脂シートを再加熱し、表皮材として成形することを特徴とする請求項6記載のクッション材の製造方法。
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