JP4710301B2 - パワートレーン支持装置 - Google Patents

パワートレーン支持装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4710301B2
JP4710301B2 JP2004323334A JP2004323334A JP4710301B2 JP 4710301 B2 JP4710301 B2 JP 4710301B2 JP 2004323334 A JP2004323334 A JP 2004323334A JP 2004323334 A JP2004323334 A JP 2004323334A JP 4710301 B2 JP4710301 B2 JP 4710301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
vehicle
power train
mount
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004323334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005306356A (ja
Inventor
一志 村上
賢士 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004323334A priority Critical patent/JP4710301B2/ja
Publication of JP2005306356A publication Critical patent/JP2005306356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4710301B2 publication Critical patent/JP4710301B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用のパワートレーン支持装置に関するものであり、特に、車両の前後方向に対して横向きに配置したパワートレーンを支持する装置に関するものである。
従来のパワートレーン支持装置としては、エンジンとトランスミッションとから成るパワートレーンを車両の進行方向に対して横向き状態に搭載する場合に、パワートレーンの重心を通過する慣性主軸と鉛直線とを含む平面を形成し、マウント部をこの平面の近傍に配置すると共に、エンジンの外端近傍且つ慣性主軸の上下、及びトランスミッションの外端近傍且つ慣性主軸の上方の少なくとも3個のマウント部を配置するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−123770号公報(第2頁、図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、パワートレーンを慣性主軸近傍のエンジン外端近傍とトランスミッション外端近傍とで支持しているので、ピッチ方向の振動が比較的大きいエンジンのパワートレーンを車両の進行方向に対して横向きに搭載する場合に、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を低周波数域に下げづらく、前記エンジンの回転慣性加振力によるパワートレーンのピッチ方向の振動により励起されるアイドル時のフロア振動を低減しづらいという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数をアイドル時のフロア振動が発生する振動数よりも低周波数域に下げやすくして、パワートレーンのピッチ方向振動がアイドル時のフロア振動を励起しにくくすることにより、アイドル時のフロア振動を低減することができるパワートレーン支持装置を提供することを目的としている。
ここで、パワートレーンのピッチ方向の定義を図15に示す。
上記目的を達成するために、本発明に係るパワートレーン支持装置は、前記マウント部が、前記エンジンに対して車両の前方側及び後方側に、車両正面視において前記パワートレーンの重心を通過する慣性主軸と一致又は略一致するように夫々配置されたエンジン側マウントと、前記慣性主軸近傍且つ前記トランスミッションの近傍に配置されたトランスミッション側マウントとを有する。そして、車両正面視において、前記車両の前方側及び後方側のエンジン側マウントを、前記パワートレーンの重心に対して一方の側に配置し、前記トランスミッション側マウントを、前記パワートレーンの重心に対して他方の側に配置する。また、前記パワートレーンの重心から前記車両の前方側及び後方側のエンジン側マウント同士を結ぶ直線までの前記慣性主軸方向の距離が、前記パワートレーンの重心から前記トランスミッション側マウントまでの前記慣性主軸方向の距離より短くなるように配置する。さらに、前記車両の前方側のエンジン側マウントを、前記車体側のフレームに対して車両後方にオフセットして配置し、前記車両の前方側のエンジン側マウント及び前記車体側フレームで構成される共振系の振動モードの中心を、当該車両の前方側のエンジン側マウント位置と一致又は略一致するように設定する。
本発明によれば、エンジンとトランスミッションとから成るパワートレーンの重心を考慮し、マウント部をパワートレーンの重心からエンジン側マウント同士を結ぶ直線までの慣性主軸方向の距離が、パワートレーンの重心からトランスミッション側マウントまでの慣性主軸方向の距離より短くなるように配置して、パワートレーンの重量が、トランスミッション側マウントよりも車両前方側及び車両後方側に配置されたエンジン側マウントに、より集中して負荷されるようになるため、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を低周波数域に下げやすくなり、エンジンの回転慣性加振力によるパワートレーンのピッチ方向振動により励起されるアイドル時のフロア振動を改善することができる。
また、エンジン側マウント及びトランスミッション側マウントを、車両正面視においてパワートレーンの慣性主軸に一致又は略一致するように配置するので、エンジンの燃焼加振力によるトルク変動により励起される振動をパワートレーンの慣性主軸のまわりの振動に集中することができ、励起される複数の振動が連成しにくくなり、その結果、アイドル時のフロア振動を改善することができる。
さらに、エンジン前方側マウントを車体側のフレームに対して車両後方にオフセットして配置し、エンジン前方側マウント及び車体側のフレームで構成される共振系の捩り共振時のモード中心が、エンジン前方側マウント位置に一致するように設定するので、エンジン前方側マウントからの入力によって車体側フレームに対して捩りモードの振動が入力されることが抑制されて、車体側フレームの共振が励起され難くなり、車内の静粛性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明における第1の実施形態のパワートレーン支持装置の平面図であり、図2はパワートレーン支持装置の正面図である。
図中Gは、エンジン4及びトランスミション6を一体的に設けたパワートレーン2の重心を示している。
このパワートレーン2は、車両の前後方向に対して横向きに配置されており、車体前部のフレームに支持されている。そして、フレームは、自動車ボディを支持するメインフレーム8と、メインフレーム8の下方に配設されてメインフレーム8に結合されたサブフレーム10とで構成されている。
メインフレーム8は、車両前後方向に延びる左右一対のメインサイドメンバ8R,8Lと、これらメインサイドメンバ8R,8Lの前端部どうしを連結して車幅方向(車両右側、車両左側)に延びる図示しないフロントクロスメンバと、メインサイドメンバ8R,8Lの後端部どうしを連結して車幅方向に延びる図示しないリヤクロスメンバとを備えている。
サブフレーム10は、メインサイドメンバ8R,8Lの下方に位置して車両前後方向に延びる左右一対のサブサイドメンバ10R,10Lと、これらサブサイドメンバ10R,10Lの前端部どうしを連結して車幅方向(車両右側、車両左側)に延びるサブフロントクロスメンバ10Fと、サブサイドメンバ10R,10Lの後端部どうしを連結して車幅方向に延びるサブリヤクロスメンバ10REとを備えている。
パワートレーン2を支持するマウント部材は、エンジン4に対して車両前方側にエンジン前方側マウントMT1が配置され、エンジン4に対して車両後方側にエンジン後方側マウントMT2が配置され、トランスミッション6の外端にトランスミッション側マウントMT3が配置されている。エンジン4の前後に配置されている2つのマウントMT1,MT2は、図1に示すように、慣性主軸TRを含む鉛直面を挟んで配置されている。
ここで、慣性主軸TRは、ある軸の回りに剛体を回転させたとき、剛体と共に回転する座標系から見て回転軸の方向を変えさせようとするモーメントが発生しないような軸のことをいい、パワートレーンに固有のものである。また、この慣性主軸TRは、図2に示すように、車両右側から車両左側に向かうに従って下り勾配を付けて滞在している。
そして、図2に示すように、マウントMT1〜MT3は、重心Gからエンジン前方側マウントMT1及びエンジン後方側マウントMT2を結ぶ直線までの慣性主軸方向距離L1が、重心Gからトランスミッション側マウントM3までの距離L2より短くなるように配置されている。
ところで、3気筒エンジンの回転慣性加振力はパワートレーンのピッチ方向の振動を励起することが知られている。このパワートレーンのピッチ方向の振動によるアイドル時のフロア振動を改善するためには、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を低周波数域に設定する必要がある。
ところで、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数は、各エンジンマウントからパワートレーン重心までの距離あるいはエンジンマウントの剛性が増加すると、前記固有振動数が増加する関係にある。
また、前記エンジンマウントの剛性は、パワートレーンの荷重とパワートレーン静たわみ規制値とから決まる値より小さくすることができない。
従来の構造は、パワートレーンの慣性主軸近傍のエンジン外端近傍とトランスミッション外端近傍とで支持しており、パワートレーン重心から各エンジンマウントまでの距離が大きく、かつ、全エンジンマウントにパワートレーン荷重が加わる。したがって、従来の構造は、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を決めるエンジンマウントの剛性およびパワートレーン重心からエンジンマウントまでの距離を低減することが困難であるため、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を低周波数域に設定するのに不利であり、パワートレーンのピッチ方向振動により励起されるアイドル時のフロア振動を低減することができないという課題がある。
しかし、本実施形態では、図1及び図2に示すようにエンジン側マウント及びトランスミッション側マウントを配置することにより、エンジン側マウントについてはパワートレーンの重心からの距離を短くでき、トランスミッション側マウントについては支持するパワートレーン荷重が減るためマウント剛性を小さくできる。以上の効果により、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を決めるエンジンマウントの剛性およびパワートレーン重心からエンジンマウントまでの距離を低減することができる。これにより、従来の構造に対して、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を低周波数域に設定するのに有利となり、パワートレーンのピッチ方向振動により励起されるアイドル時のフロア振動を改善することができる。
図3は、従来のパワートレーン支持装置を搭載した車両と、第1の実施形態のパワートレーン支持装置を搭載した車両とについて、アイドルフロア振動を調べた結果を示す図である。
この図3は、横軸に加振周波数をとり、縦軸にフロア振動の加速度レベルをとって、車両のアイドル振動を比較したものである。図3において、実線は第1の実施形態のパワートレーン支持装置を搭載した車両、破線は前述した従来装置を搭載した車両を示している。
図3の結果より、本実施形態の装置を搭載した車両は、パワートレーンの慣性主軸近傍のエンジン外端近傍とトランスミッション外端近傍とで支持する従来装置を搭載した車両と比較して、アイドル時のフロア振動が低減されていることがわかる。
このように、上記第1の実施形態では、エンジンとトランスミッションとから成るパワートレーンの重心を考慮し、パワートレーンの重心からエンジン前後マウントを結ぶ直線までの慣性主軸方向距離が、重心からトランスミッション側マウントまでの距離より短くなるように配置するので、パワートレーンピッチ方向固有値を低周波数域に下げやすくなり、エンジンの回転慣性加振力によるパワートレーンピッチ方向振動により励起されるアイドル時のフロア振動を改善することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、車両正面視において、エンジン側マウントを慣性主軸に一致するように配置したものである。
図4は、本発明における第2の実施形態のパワートレーン支持装置の平面図であり、図5はパワートレーン支持装置の正面図である。
図5に示すように、車両の正面図において、エンジン前方側マウントMT1、エンジン後方側マウントMT2及び慣性主軸TRが一致するように、マウントMT1及びMT2が配置されている。
ところで、パワートレーンの慣性主軸TRは、通常エンジンの燃焼加振力によるエンジンロール方向入力軸に対して傾いているため、車両正面視においてエンジン側マウントとトランスミッション側マウントをエンジンロール方向入力軸に略一致するように配置した図2に示す第1の実施形態では、エンジンの燃焼加振力によるトルク変動によりエンジンロール方向の振動が励起されるのに加えて、それ以外の方向の振動が励起され、励起された複数の振動が連成しやすいためアイドル時のフロア振動が悪化するという問題がある。
しかし、本実施例では、図4及び図5に示すようにエンジン側マウント及びトランスミッション側マウントを、車両正面視において前記パワートレーンの慣性主軸TRに略一致するように配置するので、エンジンの燃焼加振力によるトルク変動により励起される振動をパワートレーンの慣性主軸TRのまわりの振動に集中することができ、励起される複数の振動が連成しにくくなり、その結果、アイドル時のフロア振動を改善することができる。
図6は、横軸に加振周波数をとり、縦軸にフロア振動の加速度レベルをとって、車両のアイドル振動を比較したものであり、実線は第1の実施形態の装置を搭載した車両、破線は第2の実施形態の装置を搭載した車両を示している。
図6の結果からもわかるように、第2の実施形態の装置を搭載した車両は、第1の実施形態の装置を搭載した車両と比較して、アイドル時のフロア振動がさらに低減されることになる。
このように、上記第2の実施形態では、エンジンとトランスミッションとから成るパワートレーンの重心を考慮し、パワートレーンの重心からエンジン前後マウントを結ぶ直線までの慣性主軸方向距離が、重心からトランスミッション側マウントまでの距離より短くなるように配置すると共に、車両正面視において、エンジン側マウントを慣性主軸に一致するように配置するので、エンジンの燃焼加振力によるトルク変動により励起されるロール方向の振動とそれ以外の振動とを連成しにくくすることができ、アイドル時のフロア振動をより改善することができる。
なお、上記第2の実施形態においては、車両正面視において、エンジン側マウントが慣性主軸に一致するように配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、エンジン側マウントが慣性主軸に略一致していればよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、エンジン側マウントを結ぶ直線がパワートレーンの重心近傍に位置するように、エンジン側マウントを配置するようにしたものである。
図7は、本発明における第3の実施形態のパワートレーン支持装置の平面図であり、図8はパワートレーン支持装置の正面図である。
図7及び図8に示すように、エンジン前方側マウントMT1及びエンジン後方側マウントMT2を結ぶ直線が、パワートレーンの重心Gの近傍に位置するようにマウントMT1及びMT2が配置されている。
このように配置することにより、パワートレーンのロール方向振動の回転中心からエンジン前方側マウント及びエンジン後方側マウントまでの距離が略同等となる。
これにより、パワートレーンのロール方向振動によりエンジン前方側マウント及びエンジン後方側マウントから車体に入力される力が略同等、且つ逆位相となるので、エンジン前方側マウントからの入力とエンジン後方側マウントからの入力とがキャンセルされ、アイドル時のフロア振動を改善することができる。
また、この第3の実施形態は、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を決めるエンジンマウントの剛性およびパワートレーン重心からエンジンマウントまでの距離について、第1の実施形態に対し、エンジン側マウントのパワートレーンの重心からの距離をより短くでき、トランスミッション側マウントの支持するパワートレーン荷重をより小さくできる。以上の効果があり、パワートレーンのピッチ方向の固有振動数を第1の実施形態よりもより低周波数域に設定することが可能になり、パワートレーンのピッチ方向振動により励起されるアイドル時のフロア振動を更に改善することができる。
図6の一点鎖線は、第3の実施形態の装置を搭載した車両を示している。図6の結果より、第3の実施形態の装置を搭載した車両は、実線で示す第1の実施形態及び破線で示す第2の実施形態と比較して、アイドル時のフロア振動がさらに低減されていることがわかる。
このように、上記第3の実施形態では、エンジン側マウントを結ぶ直線がパワートレーンの重心近傍に位置するように、エンジン側マウントを配置するので、パワートレーンのロール方向振動によりエンジン前方側マウント及びエンジン後方側マウントから車両に伝達される力を略同等且つ逆位相とすることができ、両者の打ち消し合いによりアイドル時のフロア振動をより改善することができる。
また、上記各実施形態では、エンジンマウントとサブフレームとをつなぐエンジンマウントブラケットを小さくすることができるので、ブラケット剛性を向上して加速時の騒音を改善することができると共に、コストを低減することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、エンジン前方側マウントをサブフロントクロスメンバに対して車両後方にオフセットして配置した場合に、エンジン前方側マウントからの入力による捩りモードを励起され難くして、サブフロントクロスメンバの共振を励起され難くするようにしたものである。
図9は、本発明における第4の実施形態のパワートレーン支持装置の平面図であり、図10はパワートレーン支持装置の正面図である。
前述した第1〜第3の実施形態では、エンジン前方側マウントMT1はサブフロントクロスメンバ10F上に配置しているが、デザインや車両サイズの観点からフロントオーバーハングの短縮要望により、例えば、ラジエータをサブフロントクロスメンバ10F上に搭載する場合がある。このような場合には、エンジン前方側マウントMT1は、サブフロントクロスメンバ10F上に配置することができず、サブフロントクロスメンバ10Fに対して車両後方にオフセットして搭載される。
すなわち、図9及び図10に示すように、サブフロントクロスメンバ10F上にラジエータ12が搭載されており、エンジン前方側マウントMT1がサブフロントクロスメンバ10Fから車両後方に伸びたブラケット14上に配置されている。つまり、このエンジン前方側マウントMT1はサブフロントクロスメンバ10Fに対して車両後方にオフセットして配置されている。
ところで、エンジン前方側マウントMT1はサブフロントクロスメンバ10F上に設置されているため、エンジン前方側マウントMT1からの入力によりサブフロントクロスメンバ10Fは励起される。前述した第1〜第3の実施形態のように、エンジン前方側マウントMT1がサブフロントクロスメンバ10Fの中心近傍上に配置されており、オフセット無しの場合には、図11の破線に示すように、サブフロントクロスメンバ10Fの上下共振のピークP1のみが発生する。ここで、図11において、横軸は周波数、縦軸は振動レベルである。
これに対し、本実施形態のように、エンジン前方側マウントMT1をサブフロントクロスメンバ10Fに対して車両後方にオフセットして配置した場合には、エンジン前方側マウントMT1の入力により捩りモードが励起されるので、図11の細線に示すように、上下共振のピークP2に加えて捩り共振のピークP3が発生する。したがって、サブフロントクロスメンバ10Fの捩り共振で入力が増幅され、こもり音のピークが発生し、静粛性を低下させるという問題がある。
そこで、本実施形態では、エンジン前方側マウントMT1とサブフロントクロスメンバ10Fとで構成される共振系の捩り共振時のモードの中心をエンジン前方側マウントMT1位置に設定することで、エンジン前方側マウントMT1の入力により捩りモードが励起されることを抑制する。
図12は、エンジン前方側マウントMT1とサブフロントクロスメンバ10Fとで構成される共振系の振動モデルを簡略化して示した図である。図12において、ktはサブフロントクロスメンバ10Fの捩り剛性、kはサブフロントクロスメンバ10Fの上下曲げ剛性である。
また、m1はサブフロントクロスメンバ10Fの上下曲げ等価質量であり、前記共振系を図12のような振動モデルで示したときにサブフロントクロスメンバ10F位置に存在すると考えられる仮想マスの質量である。また、m2はエンジン前方側マウントMT1の質量、Mはm1とm2との和であり(M=m1+m2)、その位置はm1とm2との重心である。
サブフロントクロスメンバ10Fからエンジン前方側マウントMT1までの距離をl、サブフロントクロスメンバ10Fから重心Mまでの距離をlG(=m2・l/M)、慣性モーメントをI(=(m1・m2)l2/M)とし、重心Mの上下方向変位をx、回転角をθとすると、直進運動と回転運動とで夫々重心の運動方程式は下記(1)及び(2)式で表される。
Mx″+kx+klGθ=0 ………(1)
Iθ″+lGkx+(lG 2k+kt)θ=0 ………(2)
上記(1)、(2)式を変形すると、
x″+ax+(b/M)θ=0 ………(3)
θ″+(b/I)x+cθ=0 ………(4)
となる。ここで、a,b,cは下記(5)式に示すようになる。
a=k/M,
b=klG
c=(klG 2+kt)/I ………(5)
次に、x=Xcosωt,θ=Θcosωtと置き、前記(3)及び(4)式に代入すると、振幅比(X/Θ)が求められる。
X/Θ=−b/{M(a−ω2)}=−{I(c−ω2)}/b ………(6)
上記(6)式を解くと、
ω2=(a+c)/2±√[{(c−a)2/4}+b2/MI] ………(7)
となる。前記(7)式において、
ω1 2=(a+c)/2−√[{(c−a)2/4}+b2/MI] ………(8)
ω2 2=(a+c)/2+√[{(c−a)2/4}+b2/MI] ………(9)
とし、上記(8)及び(9)式の√内を夫々展開することにより、固有振動数ωは次式で表される。
ω1 2=a−b2/{MI(c−a)} ………(10)
ω2 2=c+b2/{MI(c−a)} ………(11)
ここで、前記(8)及び(9)式からも明らかなように、ω2 2>ω1 2である。
ところで、捩り共振時のモードの中心をエンジン前方側マウントMT1位置に設定した場合、振動モデルは図13に示すようになる。つまり、m2位置が捩り共振時のモード中心位置となる。
ここで、重心Mからエンジン前方側マウントMT1までの距離は(l−lG)であるので、tanΘ=X/(l−lG)の関係式が成り立つ。Θを微小角度としてtanΘ≒Θと近似すると、
Θ=X/(l−lG) ………(12)
となり、さらに、
X/Θ=l−lG ………(13)
となり、振幅比(X/Θ)が重心Mからエンジン前方側マウントMT1までの距離(l−lG)と等しくなる。
したがって、前記(6)式に示す振幅比X/Θ=(l−lG)と置く。
X/Θ=−b/{M(a−ω2)}=−{I(c−ω2)}/b
=l−lG ………(14)
そして、上記(14)式に、前記(5)式に示すa,b,cと、固有振動数のうち剛性の高い方であるω2 2(前記(11)式)とを代入することにより、次の関係式が求められる。
kt=(I/M)・k={(m1・m2)/M2}・l2・k ………(15)
即ち、上記(15)式を満たすように、サブフロントクロスメンバ10Fの捩り剛性kt及び上下曲げ剛性kを設定することにより、捩り共振時のモード中心をエンジン前方側マウントMT1位置に一致させることができる。
図11の太線で示す曲線は、エンジン前方側マウントMT1を車両後方にオフセットして配置し、且つ前記(15)式を満たすように設定することで捩り共振時のモード中心を当該エンジン前方側マウントMT1位置に一致させた場合の振動レベルを示している。この図からも明らかなように、捩り共振時のモード中心をエンジン前方側マウントMT1位置に一致させることにより、捩り共振のピークが図11の細線に示すP3から太線に示すP5に変更される。
つまり、捩り共振時のモード中心をエンジン前方側マウントMT1位置に一致させることにより、エンジン前方側マウントMT1の入力により捩りモードが励起され難くなることがわかる。
図14は、本発明の捩り共振時における入力低減のメカニズムを示す図である。振動モードの中心をエンジン前方側マウントMT1位置に一致させない場合、図14(a)に示す上下振動モードと、図14(b)に示す捩り振動モードとが発生し、エンジン前方側マウントMT1からの入力によってサブフロントクロスメンバ10Fの共振が励起されてしまう。
これを前記(15)式に示す条件に合わせることで、振動モードの中心と力Fの入力位置とを一致させることができ、図14(b)に示す振動モードを図14(c)に示すような振動モードに変更することができる。つまり、捩りモードの入力を低減することができる。
このように、上記第4の実施形態では、エンジン前方側マウントを車体側のフレームに対して車両後方にオフセットした配置した場合には、エンジン前方側マウント及び車体側のフレームで構成される共振系の捩り共振時のモード中心が、エンジン前方側マウント位置に一致するように設定するので、エンジン前方側マウントからの入力によって車体側フレームに対して捩りモードの振動が入力されることが抑制されて、車体側フレームの共振が励起され難くなり、車内の静粛性を向上することができる。
また、車体側フレームの捩り剛性及び上下曲げ剛性が、kt=(I/M)・k={(m1・m2)/M2}・l2・kの関係式を満たすよう車体側フレームの断面係数を設定するので、捩り共振時のモードの中心がエンジン前方側マウント位置に一致するように設定することができ、エンジン前方側マウントからの入力によって車体側フレームに対して捩りモードの振動が入力されることが抑制されて、車体側フレームの共振が励起され難くなり、車内の静粛性を向上することができる。
なお、上記第4の実施形態においては、捩り共振時のモードの中心がエンジン前方側マウント位置に一致する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、エンジン前方側マウント位置に略一致していればよい。
また、上記第4の実施形態においては、エンジン側マウント同士を結ぶ直線がパワートレーンの重心近傍に位置する場合に、エンジン前方側マウントをサブフロントクロスメンバに対して車両後方にオフセットして配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前述した第1の実施形態に示すようにエンジン側マウント同士を結ぶ直線がパワートレーンの重心近傍に位置しない場合に、エンジン前方側マウントを車両後方にオフセットして配置する場合であっても有効である。
本発明の第1の実施形態を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態を示す正面図である。 第1の実施形態の効果を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態を示す正面図である。 第2、第3の実施形態の効果を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態を示す正面図である。 本発明の第4の実施形態を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態を示す正面図である。 第4の実施形態の効果を示す図である。 第4の実施形態における振動モデルを示す図である。 捩り共振時のモード中心位置を説明する図である。 捩り共振時における入力低減のメカニズムを説明する図である。 パワートレーンのピッチ方向の定義の説明図である。
符号の説明
2 パワートレーン
4 エンジン
6 トランスミション
8 メインフレーム
8R,8L メインサイドメンバ
10 サブフレーム
10R,10L サブサイドメンバ
10F サブフロントクロスメンバ
10RE サブリヤクロスメンバ
12 ラジエータ
14 ブラケット
MT1 エンジン前方側マウント
MT2 エンジン後方側マウント
MT3 トランスミッション側マウント
TR 慣性主軸

Claims (3)

  1. エンジンとエンジンの出力軸に対して直列的に配置されたトランスミッションとから成るパワートレーンを、前記出力軸が車両の前後方向の中心線に対して、車両上面視において交差するように、車体側のフレームに少なくとも3個のマウント部によって支持するパワートレーン支持装置において、
    前記マウント部は、前記エンジンに対して車両の前方側及び後方側に、車両正面視において前記パワートレーンの重心を通過する慣性主軸と一致又は略一致するように夫々配置されたエンジン側マウントと、前記慣性主軸近傍且つ前記トランスミッションの近傍に配置されたトランスミッション側マウントとを有し、
    車両正面視において、前記車両の前方側及び後方側のエンジン側マウントは、前記パワートレーンの重心に対して一方の側に配置され、前記トランスミッション側マウントは、前記パワートレーンの重心に対して他方の側に配置されており、
    前記パワートレーンの重心から前記車両の前方側及び後方側のエンジン側マウント同士を結ぶ直線までの前記慣性主軸方向の距離が、前記パワートレーンの重心から前記トランスミッション側マウントまでの前記慣性主軸方向の距離より短くなるように配置されており、
    前記車両の前方側のエンジン側マウントが、前記車体側のフレームに対して車両後方にオフセットして配置され、前記車両の前方側のエンジン側マウント及び前記車体側フレームで構成される共振系の振動モードの中心が、当該車両の前方側のエンジン側マウント位置と一致又は略一致するように設定されていることを特徴とするパワートレーン支持装置。
  2. 前記マウント部は、前記エンジン側マウント同士を結ぶ直線が、前記パワートレーンの重心近傍に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパワートレーン支持装置。
  3. 前記車体側のフレームの捩り剛性をkt、前記車体側のフレームの上下曲げ剛性をk、前記車体側のフレームの上下曲げ等価質量をm1、前記車両の前方側のエンジン側マウントの質量をm2、前記車体側のフレームから前記車両の前方側のエンジン側マウントまでの車両前後方向の距離をl、前記m1と前記m2との和をM、慣性モーメントをIとしたとき、
    kt=(I/M)・k={(m1・m2)/M 2 }・l 2 ・k
    を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワートレーン支持装置。
JP2004323334A 2004-03-24 2004-11-08 パワートレーン支持装置 Expired - Fee Related JP4710301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004323334A JP4710301B2 (ja) 2004-03-24 2004-11-08 パワートレーン支持装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004087061 2004-03-24
JP2004087061 2004-03-24
JP2004323334A JP4710301B2 (ja) 2004-03-24 2004-11-08 パワートレーン支持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005306356A JP2005306356A (ja) 2005-11-04
JP4710301B2 true JP4710301B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=35435577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004323334A Expired - Fee Related JP4710301B2 (ja) 2004-03-24 2004-11-08 パワートレーン支持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4710301B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58176021U (ja) * 1982-05-21 1983-11-25 日産自動車株式会社 パワ−ユニツトのマウント構造
JPS59196751U (ja) * 1983-06-16 1984-12-27 トヨタ自動車株式会社 エンジンマウンテイング装置
JPH1128937A (ja) * 1997-07-11 1999-02-02 Toyota Motor Corp パワートレーンの懸架装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58176021U (ja) * 1982-05-21 1983-11-25 日産自動車株式会社 パワ−ユニツトのマウント構造
JPS59196751U (ja) * 1983-06-16 1984-12-27 トヨタ自動車株式会社 エンジンマウンテイング装置
JPH1128937A (ja) * 1997-07-11 1999-02-02 Toyota Motor Corp パワートレーンの懸架装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005306356A (ja) 2005-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8827250B2 (en) Vibration reduction device
JP5325653B2 (ja) 電動モータ駆動式車両用の駆動ユニット防振保持装置
JP3341638B2 (ja) パワートレーンの懸架装置
US8567771B2 (en) Device for mounting a drive unit in a motor vehicle
EP1580057B1 (en) Power train supporting apparatus and method for automotive vehicle
JP7285684B2 (ja) パワーユニット懸架構造
JP4710301B2 (ja) パワートレーン支持装置
JP4487693B2 (ja) エンジンマウント装置
JP3384191B2 (ja) エンジン支持装置
JP3134708B2 (ja) パワープラントの支持構造
JPH08197970A (ja) 車室内のこもり音低減構造
KR100581124B1 (ko) 트랜스 미션 마운팅부 구조
JPH0319087B2 (ja)
JP2570673B2 (ja) 車両用マウント装置
JP4985242B2 (ja) 駆動ユニットの支持構造
JPS644619Y2 (ja)
JP3011033B2 (ja) 四輪駆動車両におけるフロントデフの支持構造
JP2002362175A (ja) パワートレーン支持装置
JP4244373B2 (ja) 車両のパワートレイン支持構造
JP5004030B2 (ja) 制振構造及び制振装置
JP2002087073A (ja) パワーユニット支持装置
JP4720304B2 (ja) フロア下部品支持構造
JPH08156508A (ja) 自動車のフライホイール付アクスルの構造
JP2013154789A (ja) パワープラントの支持構造
JPH02249770A (ja) 自動車のサブフレーム構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100917

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110307

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees