JP4710184B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、半導体素子より発生する熱を冷却する冷却機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄道車両床下には、鉄道車両の駆動用あるいは補助電源用の電力を供給するための電力変換装置が取り付けられている。このような電力変換装置では、電力変換装置を構成する半導体素子から発生する熱を強制的に大気へ放散するようにしている。すなわち、半導体素子より発生する熱を、受熱板を介してに設けられた放熱フィンに伝達し、電動送風機により風路に強制的に空気を流して、放熱フィンから熱を大気へ放散するようにしている。
【0003】
図31は、例えば特開2001−25254号公報に記載された従来の電力変換装置の概略断面図である。電力変換装置101内に設けられた風洞102内には、複数個の放熱フィン104a、104b、104cが直列に配置され、これら複数個の放熱フィン104a、104b、104cはそれぞれの受熱板105a、105b、105cに取り付けられてヒートシンクを構成している。これらの受熱板105a、105b、105cは、風洞102の壁の一部分となるよう取り付けられ、風洞102の内外を仕切っている。一方、受熱板105a、105b、105cの放熱フィン104a、104b、104cが取り付けられた反対面には複数個の半導体素子106が取り付けられる。図31では、1個の受熱板105に電力変換装置101の3相分のうちの1相分の半導体素子106が取り付けられている。
【0004】
また、風洞102の断面形状は、風の通路の大きさが風上側から風下側にいくにつれて絞られて形成されている。すなわち、図31の下部の風上側では、電動送風機103により取り込まれる冷却風が、1個目の放熱フィン104aおよび2個目の放熱フィン104b以外にも流れるように放熱フィン104a、104bの大きさよりも大きく形成されている。そして、放熱フィン104a、104bより大きく形成された電力変換装置101の風入口部には、ほぼ1個目の放熱フィン104aを覆う範囲に案内板108を設けて風洞102を仕切った構成としている。
【0005】
このように、風洞102を風の通路が風上側から風下側にいくにつれて絞って形成しているので、風上側の1個目の放熱フィン104aで暖められた空気は2個目の放熱フィン4bに直接流入するが、案内板108で仕切られて1個目の放熱フィン104aをバイパスした空気の一部が2個目の放熱フィン104bの側面から流入する。また、3個目の放熱フィン104cについても、1個目および2個目の放熱フィン104a、104bで暖められた空気が流入するが、案内板108で仕切られて1個目の放熱フィン104aをバイパスした空気の一部が流入する。従って、風洞102内に放熱フィン104a、104b、104cを直列に配置しても、ほぼ均等に冷却できる。これにより、冷却風の温度の違いによる風上側の放熱フィン104aと風下側の放熱フィン104cとの放熱量を均等にできるので、電力変換装置100の各相の半導体素子106の温度上昇値の差は低減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の電力変換装置では、例えば2個目の放熱フィン104bには、1個目の放熱フィン104aをバイパスした空気の一部が流入するが、1個目の放熱フィン104aで暖められた空気も直接流入する。また、3個目の放熱フィン104cには、1個目および2個目の放熱フィン104a、104bをバイパスした空気が流入するが、1個目および2個目の放熱フィン104a、104bで暖められた空気も直接流入する。
【0007】
このように、下流側の放熱フィンには、上流側で暖められた空気に加えて上流側の放熱フィンをバイパスした空気が一部流入するので、上流側で暖められた空気のみが流入する場合に比べると、下流側の放熱フィンすなわちヒートシンクの冷却性能を向上させることができるが、下流側の放熱フィンには上流側の放熱フィンをバイパスした空気のみが流れるわけではないので、下流側のヒートシンクでは上流側のヒートシンクの熱干渉は避けられないという問題点があった。
【0008】
なお、冷却用の空気が各ヒートシンクに分岐して流れるように、各ヒートシンクを冷却用の空気の流れに対して並列に配置することも考えられるが、半導体素子数の増加に伴い冷却用の空気に面する部分の面積が大きくなってしまい、設置可能な場所が限られるなどの不都合が生じるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、他のヒートシンクの熱干渉を防ぐことができ、しかも冷却気体に対面する部分の面積を増加させることなく半導体素子の数を増加させることが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の電力変換装置は、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームと上記風路を複数に仕切る仕切板とを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記仕切板は、上記放熱フィンから上記冷却ユニットの入口まで延伸し、および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口まで延伸し、上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィンまでの風路および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口までの風路を、上記冷却気体の流れに沿って複数に仕切るものである。
【0011】
また、本発明に係る第2の電力変換装置は、仕切板の上記放熱フィン側を、ヒートシンクの端部に配置したものである。
【0012】
また、本発明に係る第3の電力変換装置は、仕切板の一部がユニットフレームの少なくとも一部を兼用しているものである。
【0013】
また、本発明に係る第4の電力変換装置は、冷却ユニットの入口から放熱フィン間に配置された仕切板または放熱フィンの入口に突出物を設けたものである。
【0014】
また、本発明に係る第5の電力変換装置は、放熱フィンの入口部に冷却ユニットの入口に向かって配置され、または放熱フィンの出口部に冷却ユニットの出口に向かって配置され、冷却気体を誘導する誘導体を備えたものである。
【0015】
また、本発明に係る第6の電力変換装置は、放熱フィンは板状であり、誘導体は、放熱フィンの入口側の部分を冷却ユニットの入口に向かって曲げたもの、または放熱フィンの出口側の部分を冷却ユニットの出口に向かって曲げたものである。
【0016】
また、本発明に係る第7の電力変換装置は、放熱フィンは板状で、受熱板と交差する方向に複数段配置されており、各段の放熱フィンを流れる冷却気体はそれぞれ異なる方向に流れるように放熱フィンが配置されているものである。
【0017】
また、本発明に係る第8の電力変換装置は、ヒートシンクには、複数の半導体素子が冷却気体の流れに対して並列に搭載されているものである。
【0018】
また、本発明に係る第9の電力変換装置は、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、冷却ユニットの入口から放熱フィンまたは放熱フィンから冷却ユニットの出口までの風路を、冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、仕切板の放熱フィン側を、ヒートシンクの中央部に配置したものである。
【0019】
また、本発明に係る第10の電力変換装置は、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、冷却ユニットの入口から放熱フィンまたは放熱フィンから冷却ユニットの出口までの風路を、冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、冷却ユニットの入口と放熱フィン間の仕切板における放熱フィン側の位置と、冷却ユニットの出口と放熱フィン間の仕切板における放熱フィン側の位置とは、一方の位置がヒートシンクの端部であり、他方の位置がヒートシンクの中央部となるようにしたものである。
【0020】
また、本発明に係る第11の電力変換装置は、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、放熱フィンの入口または出口に、風路への放熱フィンの開口率を調節する手段を設けたものである。
【0021】
また、本発明に係る第12の電力変換装置は、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、ヒートシンクの入口側の放熱フィンが、冷却ユニットの入口から遠い程突出して階段状に形成されているものである。
【0022】
また、本発明に係る第13の電力変換装置は、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように冷却気体の流れに対して並列に配置したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図6は本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図1は要部の構成を示す平面図、図2(a)は図1のA−A’線断面図、(b)は図1のB−B’線断面図、図3は冷却気体の流れる様子を示す説明図、図4は図1の電力変換装置に電気配線を施した様子を示す平面図、図5は本発明の実施の形態1による電力変換装置の別の構成を示す平面図、図6(a)は図5を矢印A方向から見た正面図、(b)は図5を矢印B方向から見た側面図である。なお、図1では内部が分かりやすいように、ユニットフレーム蓋21を取り外して示している。また、図6(a)では分かりやすいように、手前側の枠体61を取り外して示している。
【0025】
図1および図2において、1a、1d(以下、1で代表する場合もある。)は冷却ユニット、2a、2d(以下、2で代表する場合もある。)はユニットフレーム側壁、21はユニットフレーム蓋、22はユニットフレーム底板、3a、3b、3c、3d、3f(以下、3で代表する場合もある。)はヒートシンク、31は受熱板、32は放熱フィン、4a、4b、4c、4d、4f(以下、4で代表する場合もある。)は半導体素子である。
【0026】
ヒートシンク3は、複数の放熱フィン32と、半導体素子4を搭載して半導体素子4より発生する熱を放熱フィン32に伝達する受熱板31とを有する。
冷却ユニット1は、ユニットフレーム側壁2、ユニットフレーム蓋31およびユニットフレーム底板32を備えて、放熱フィン32へ例えば空気などの冷却気体を給排する略クランク状(S字状)の風路を形成しており、ヒートシンク3は、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って、冷却気体の流れに対して並列に配置されている。
また、本実施の形態では、放熱フィン32は板状であり、複数の板状放熱フィン32が、ヒートシンク3の並んでいる方向と直交する方向に冷却気体が流れるように並んで配置されている。これは後出の各実施の形態においても特に断らない限り同様である。
また、本実施の形態では、上記のように構成された複数の冷却ユニット1a、1d(図1では代表して2個記載している。)を備えており、冷却気体が各冷却ユニット1a、1dに分岐して流れるように、冷却気体の流れに対して並列に配置されている。
更に、冷却ユニット1内の各ヒートシンク2に冷却気体を強制的に流すファン(図示せず)を備えている。
【0027】
次に、図3を用いて冷却気体の流れについて説明する。図3に示すように、冷却気体である外部の空気が冷却ユニット1aと1dに分岐して流れる。
各冷却ユニット1aと1dに流入した空気の流れを、例えば、冷却ユニット1aを例に説明すると、冷却ユニット1aの入口から導入された空気がその向きを変えて各ヒートシンク3a、3b、3cの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニット1aの出口から導出される。なお、冷却ユニット1bの場合も同様に流れる。
【0028】
このように、本実施の形態によれば、冷却気体が各冷却ユニット1aと1dに分岐して流れるので、他の冷却ユニットの熱干渉を防ぐことができ、冷却ユニット1aと1dとの冷却能力を等しくすることが可能となる。
また、ヒートシンク3aと3bと3c、ヒートシンク3dと3eと3fに流れる空気も、他のヒートシンクを通過せずに流れるので、他のヒートシンクの熱干渉を防ぐことができる。
さらに、風路はS字状であり、複数のヒートシンク3aと3bと3cまたは3dと3eと3fは、S字の中央付近に、風路を流れる空気の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置されているので、ヒートシンクの数すなわち半導体素子の数を増加させる場合は、上記方向に沿って並べるヒートシンクの数を増やすことにより対応でき、冷却ユニット1aと1dの入口へ供給される冷却気体の流れに対面する冷却ユニット部分の面積を増加させることなくヒートシンクの数すなわち半導体素子の数を増加させることが可能となる。
【0029】
また、図4に示すように、電気配線5aによって、半導体素子4aと4bと4c、半導体素子4dと4eと4fがそれぞれ電気的に並列接続され、更に半導体素子4a、4b、4cと半導体素子4d、4e、4fとが電気的に直列接続される電力変換装置において、電気配線5aの接続を非常に容易にできる。
【0030】
なお、上記では、2個の冷却ユニット1a、1dを1段のみ配置した場合について示したが、図5および図6(a)、(b)に示すように、複数段に積層してもよい。図5および図6において、1g、1j、1m、1pは冷却ユニット、2g、2mはユニットフレーム側壁、4g、4h、4i、4j、4m、4n、4o、4pは半導体素子、5g、5mは電気配線、61は枠体、62は棒状の棚である。
なお、図5および図6では棚62が棒状である場合について示したが、棚62を板状とし、さらに最下段の冷却ユニット1m、1pにも板状の棚62を設け、板状の棚62で冷却ユニット1a、1d、1g、1j、1m、1pの底板22と兼ねてもよい。
【0031】
このように複数段に積層して構成された電力変換装置においても、外部の空気が各冷却ユニット1a、1d、1g、1j、1m、1pに分岐して流れるので、他の冷却ユニットの熱干渉を防ぐことができ、上記1段の場合と同様の効果が得られる。
【0032】
実施の形態2.
図7〜図10は本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図7は冷却ユニットの構成を示す平面図、図8は冷却気体の流れを説明する図、図9は仕切板の効果を説明する図、図10は冷却ユニットの別の構成を示す平面図である。図7、図8および図10において、10a、10b、10c(以下、10で代表する場合もある。)は冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路を冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板、10d、10e、10f(以下、10で代表する場合もある。)は放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路を冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板である。
【0033】
本実施の形態では、図7に示したように、冷却ユニット1a内のヒートシンク3aと3bの境界と、ヒートシンク3bと3cの境界と、ヒートシンク3cとユニットフレーム2aの境界(以下、これらの境界を単にヒートシンクの境界またはヒートシンクの端部と呼ぶこともある。)から、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口の断面積を3等分する位置間にそれぞれ仕切板10a、10b、10cを設け、ヒートシンク3aとユニットフレーム2aの境界と、ヒートシンク3aと3bの境界と、ヒートシンク3bと3cの境界から、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの出口の断面積を3等分する位置間にそれぞれ仕切板10d、10e、10fを設けている。各仕切板10a、10b、10c、10d、10e、10fで仕切られた各風路はS字状となっている。
【0034】
このように構成されたものにおいては、上記実施の形態1の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
すなわち、各仕切板10a、10b、10cと10d、10e、10fの放熱フィン32側を、それぞれヒートシンク3a、3b、3cの境界(端部)に配置することにより、図8に示すように、各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる空気が冷却ユニット1aの入口から出口まで各仕切板10により分岐され、冷却ユニット1aの入口および出口側における仕切板10の位置を調整することにより、各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体の風量を調整することが可能になる。
またさらに、冷却ユニット1aの入口側および出口側における各仕切板10a、10b、10c、10d、10e、10fの位置を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口および出口の断面積をそれぞれ3等分する位置とする(すなわち仕切板10により仕切られた複数の風路において冷却ユニット1aのそれぞれの出入口の断面積を同じにする)ことにより、各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体の風量を等しくすることができる。
【0035】
図9に仕切板10を取付けた場合と取付けない場合の各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体(空気)の風量割合を示す。仕切板10を取付けると各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体の風量が均一化されることがわかる。このため、各ヒートシンク3a、3b、3c上に搭載される各半導体素子4a、4b、4cの冷却効率も等しくできるので、各半導体素子4a、4b、4cの発熱による温度上昇も等しくでき、例えば半導体素子4aと4bと4cが電気的に並列接続されている場合、半導体素子4aと4bと4c間の分流も均一化できる。
【0036】
なお、上記では、各仕切板10は平板状である場合について示したが、図10に示すように湾曲状の仕切板10を設けてもよく、この場合には、平板状の仕切板10に比べて、圧損を小さくできるので、各ヒートシンク3a、3b、3cの放熱フィン32に流れる冷却気体の流速が増加し、冷却性が高まる。
【0037】
なお、図7、図8および図10では、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
【0038】
また、図7において、ヒートシンク3cとユニットフレーム2aの境界から冷却ユニット1aの入口端部間に配置された仕切板10c、およびヒートシンク3aとユニットフレーム2aの境界から冷却ユニット1aの出口端部間に配置された仕切板10dは省略することも可能である。
【0039】
なお、上記では、冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路、および放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路の両方に仕切板10を設けた場合について示したが、どちらか一方の風路のみに設けてもよく、その場合にも、仕切板10を全く設けない場合に比べて、各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体の風量の均一化を図ることができるという効果が得られる。
【0040】
実施の形態3.
図11および図12は本発明の実施の形態3による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図11は冷却ユニットの構成を示す平面図、図12(a)は図11の冷却ユニットを2個並べて配置した本実施の形態による電力変換装置を示す平面図、(b)は図7の冷却ユニットを2個並べて配置した実施の形態2による電力変換装置を示す平面図である。
本実施の形態では、図7におけるユニットフレーム側壁2aを省略し、図11に示すように、仕切板10c、10dをユニットフレームの一部とした。このような構造にすると、上記実施の形態2の効果に加えて、部品点数を削減することができるという効果が得られる。
【0041】
また、図12(a)に示すように、複数の冷却ユニット1a、1dを、冷却気体が各冷却ユニット1a、1dに分岐して流れるように冷却気体の流れに対して並列に配置すると、隣接する冷却ユニット1aと1dで仕切板10dと10iを共通化できるため、仕切板10の数を減らすことができる。さらに、図12(b)に比べて、並列方向の長さを縮小(2個の場合Lだけ縮小)することができ、更に冷却ユニットの数が多くなればなる程、電力変換装置の小型化を図ることができる。
なお、図12において、10g、10h、10i(以下、10で代表する場合もある。)は冷却ユニット1dの入口から放熱フィン32までの風路を冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板、10j、10k、10l(以下、10で代表する場合もある。)は放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路を冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板である。
【0042】
なお、上記では、冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路、および放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路の両方に仕切板10を設けた場合について示したが、どちらか一方の風路のみに設けてもよく、その場合にも、仕切板10を全く設けない場合に比べて、各ヒートシンク3a、3b、3cに流れる冷却気体の風量の均一化を図ることができるという効果が得られる。例えば、図12(a)において、仕切板10を冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路のみに設ける場合には、仕切板10fと10eおよび仕切板10kと10lを省くことにより対応できる。
【0043】
実施の形態4.
図13および図14は本発明の実施の形態4による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図13は冷却ユニットの構成を示す平面図、図14は冷却ユニットの別の構成を示す平面図である。
図13および図14において、20a、20b、20c、20d、20e、20f(以下、20で代表する場合もある。)は突出物であり、本実施の形態では、冷却ユニット1aの入口から放熱フィン間に配置された仕切板10a、10b、10cに設けられている。突出物20は、例えばユニットフレーム蓋からユニットフレーム底板までに亘って畝状に形成されており、冷却ユニット1aの入口から流入し、仕切板10a、10b、10cにより仕切られた各風路を流れる冷却気体は、突出物20によりその流線が変化する。したがって、突出物20の位置や形状などを調整することにより各放熱フィンに流れる冷却気体の風量を調整することが可能になる。
また、図14において、4s、4t、4uは半導体素子である。
【0044】
図13においては、冷却気体の流線が各突出物20a、20b、20cに当たってそれぞれ変化し、冷却気体が各半導体素子4a、4b、4cの中央部付近に対応する放熱フィンに主に流れるような位置に、突出物20a、20b、20cをそれぞれ設けた。このように突出物20a、20b、20cを設けると、冷却ユニット1aの入口から流入した冷却気体の流線が突出物20a、20b、20cによって半導体素子4a、4b、4cの中央部付近に対応する放熱フィンの方向に変わり、その部分の風量が増加する。このため、最も発熱量の大きい半導体素子4a、4b、4cの中央部の冷却性が高まり、半導体素子4a、4b、4cの温度上昇を効果的に抑制できる。
【0045】
また、図14に示すように、ヒートシンク3aに半導体素子4aと4s、ヒートシンク3bに半導体素子4bと4t、ヒートシンク3cに半導体素子4cと4uというように、1つのヒートシンク3に複数個の半導体素子4が搭載されている場合でも、各半導体素子4a、4s、4b、4t、4c、4uの中央部付近に対応する放熱フィンの方向に空気の流線が変化するようにそれぞれ突出物20aと20d、20bと20e、20cと20fを設けることによって、各半導体素子4a、4s、4b、4t、4c、4uの中央部付近に対応する放熱フィン部の風量が増加する。このため、最も発熱量の大きい半導体素子4a、4s、4b、4t、4c、4uの中央部の冷却性が高まり、半導体素子4a、4s、4b、4t、4c、4uの温度上昇を効果的に抑制できる。
【0046】
また、図31で示した従来の電力変換装置では、各受熱板105a、105b、105cには2個の半導体素子106が冷却気体の流れ方向に沿って(すなわち冷却気体の流れに対して直列に)配置されていたので、下流側の半導体素子106は上流側の半導体素子106の熱干渉を受けることになる。これに対して、図14においては、各受熱板すなわちヒートシンク3a、3b、3cには、それらヒートシンク3a、3b、3cの配置方向に沿って(すなわち冷却気体の流れに対して並列に)複数の半導体素子4aと4s、4bと4t、4cと4uがそれぞれ搭載されている。このように構成されたものにおいては、冷却気体が各半導体素子に対応した放熱フィンに分岐して流れるので、他の半導体素子の熱干渉を防ぐことができる。
【0047】
また、例えば図13において、1個のヒートシンク3に搭載する半導体素子4の数が増加した場合に、従来のように冷却気体の流れに対して直列に配置した場合には、冷却ユニット1aの入口へ供給される冷却気体の流れに面するヒートシンク3部分の面積が増加してしまうが、図14に示したように、冷却気体の流れに対して並列に配置した場合には、ヒートシンク3の配置方向に沿ったヒートシンク3部分の面積が増加し、冷却ユニット1aの入口へ供給される冷却気体の流れに面するヒートシンク3部分の面積は変わらない。したがって、半導体素子4の数が増加しても、冷却ユニット1の入口へ供給される冷却気体の流れに面する冷却ユニット1部分の面積を増加させることなく半導体素子4の数を増加させることが可能となる。
【0048】
実施の形態5.
図15および図16は本発明の実施の形態5による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図15は冷却ユニットの構成を示す平面図、図16は冷却ユニットの別の構成を示す平面図である。
上記実施の形態4では、突出物20a、20b、20c、20d、20e、20fは冷却ユニット1aの入口から放熱フィン間に配置された仕切板10a、10b、10cに設けられていたが、本実施の形態では、放熱フィン(ヒートシンク3a、3b、3c)の入口に設けられている。
本実施の形態のように、各半導体素子4a、4s、4b、4t、4c、4uの中央部付近に対応する放熱フィンの方向に空気の流線が変化するように、放熱フィンの入口に突出物20a、20b、20c、20d、20e、20fを設けても実施の形態4の場合と同様な効果が得られる。
【0049】
なお、上記実施の形態4および5では、冷却ユニット1の入口から放熱フィンまでの風路、および放熱フィンから冷却ユニット1の出口までの風路の両方に仕切板10を設けた場合について示したが、冷却ユニット1の入口から放熱フィンまでの風路のみに設けてもよく、その場合にも、仕切板10を全く設けない場合に比べて、各ヒートシンク3に流れる冷却気体の風量の調節が可能となり、しかも、突出物20の位置や形状などを調整することにより、各放熱フィンに流れる冷却気体の風量を調整することが可能になるという効果が得られる。
【0050】
実施の形態6.
図17は本発明の実施の形態6による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、冷却ユニットの構成を示す平面図である。図17において、10m、10nは仕切板である。
上記実施の形態2〜5では何れも、仕切板10のヒートシンク3側を、ヒートシンク3の境界(端部)に配置した場合について示したが、本実施の形態では、各仕切板10a、10b、10c、10d、10e、10fのヒートシンク3a、3b、3c側を、各ヒートシンク3a、3b、3c(半導体素子)の端部ではなく中央部に配置した。
【0051】
複数の仕切板10により分離された各風路を流れる冷却気体は、外側の仕切板(すなわち、例えば、仕切板10aと10bで挟まれた風路では仕切板10b側)に近い程、流速が速い。このため、上記のように仕切板10を配置することによって、最も発熱量の大きい半導体素子4a、4b、4cの中央部に対応する放熱フィンを流れる冷却気体の流速が速まるため、この部分の冷却性が高まり、半導体素子4a、4b、4cの温度上昇を効果的に抑制できる。
なお、詳細に述べれば、半導体素子4a、4b、4cの中央部に対応する放熱フィンを流れる冷却気体の流速を速めるためには、冷却ユニット1aの入口側の仕切板10a、10b、10cは各ヒートシンク3a、3b、3c(半導体素子)の中点よりも多少冷却ユニット1aの入口側と反対の方向にずらせた位置に配置するのが望ましく、冷却ユニット1aの出口側の仕切板10d、10e、10fは各ヒートシンク3a、3b、3c(半導体素子)の中点よりも多少冷却ユニット1aの出口側と反対の方向にずらせた位置に配置するのが望ましい。
【0052】
なお、図17では、1つのヒートシンク3に1個の半導体素子4が搭載されている場合について示したが、複数個の半導体素子4が冷却気体の流れに対して並列に搭載されている場合でも、仕切板10の放熱フィン側を各半導体素子4の中央部付近に配置することで、同様な効果が得られる。
【0053】
なお、上記では、冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路、および放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路の両方に仕切板10を設けた場合について示したが、どちらか一方の風路のみに設けてもよく、その場合にも、仕切板10を全く設けない場合に比べて、最も発熱量の大きい半導体素子4a、4b、4cの中央部に対応する放熱フィンを流れる冷却気体の流速が速まるため、この部分の冷却性が高まり、半導体素子4a、4b、4cの温度上昇を効果的に抑制できるという効果が得られる。
【0054】
実施の形態7.
図18および図19は本発明の実施の形態7による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図18は冷却ユニットの構成を示す平面図、図19は冷却ユニットの別の構成を示す平面図である。
図18において、冷却ユニット1aの入口とヒートシンク3a、3b、3c間の仕切板10a、10b、10cのヒートシンク3a、3b、3c側を半導体素子4a、4b、4cの中央部付近に配置し、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3a、3b、3c間の仕切板10d、10e、10fのヒートシンク3a、3b、3c側を、ヒートシンク3a、3b、3cの端部(ヒートシンク3a、3b、3cおよびユニットフレーム2aの境界)に配置した。
【0055】
各仕切板10をこのように配置することにより、上述のように、複数の仕切板10により分離された各風路を流れる冷却気体は、外側の仕切板に近い程、流速が速いため、ヒートシンク3(放熱フィン)に流入する冷却気体はヒートシンク3の中央部(半導体素子4の中央部)付近で、ヒートシンク3から流出する冷却気体はヒートシンク3の端部(半導体素子4の端部)で流速が最も速くなる。このため、それぞれのヒートシンク3a、3b、3c内部において流速分布の均一化が図れ、各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性を均一化できる。
【0056】
また、図19に示すように、ヒートシンク3aに半導体素子4aと4s、ヒートシンク3bに半導体素子4bと4t、ヒートシンク3cに半導体素子4cと4uというように、1つのヒートシンク3に複数個の半導体素子4が冷却気体の流れに対して並列に搭載されている場合でも、冷却ユニット1aの入口とヒートシンク3a、3b、3c間の仕切板10a、10b、10c、10o、10p、10qのヒートシンク3a、3b、3c側を半導体素子4a、4b、4c、4s、4t、4uの中央部付近に配置し、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3a、3b、3c間の仕切板10d、10e、10fのヒートシンク3a、3b、3c側を、各ヒートシンク3a、3b、3cの境界およびヒートシンク3aとユニットフレーム2aの境界(各ヒートシンク3a、3b、3cの端部)に、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3a、3b、3c間の仕切板10r、10s、10tのヒートシンク3a、3b、3c側をそれぞれ半導体素子4aと4s、4bと4t、4cと4uの境界に配置することにより、同様に、ヒートシンク3a、3b、3cそれぞれの内部の流速分布を均一化できる。したがって、1つのヒートシンク3に複数個の半導体素子4が搭載される場合でも各半導体素子4の冷却性を均一化できる。なお、図19において、10o、10p、10q、10r、10s、10tは仕切板である。
【0057】
なお、図18および図19では、何れも、冷却ユニット1aの入口とヒートシンク3間の仕切板10のヒートシンク側を半導体素子4(ヒートシンク3)の中央部付近に、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3間の仕切板10のヒートシンク3側を半導体素子4(ヒートシンク3)の境界に配置した場合について示したが、冷却ユニット1aの入口とヒートシンク3間の仕切板10のヒートシンク3側を半導体素子4(ヒートシンク3)の境界に、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3間の仕切板10のヒートシンク3側を半導体素子4(ヒートシンク3)の中央部付近に配置してもよく、同様な効果が得られる。
【0058】
なお、上記実施の形態4〜7では、何れも、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
また、複数の冷却ユニットを配置する場合には、図12に示した実施の形態3と同様に、ユニットフレーム側壁2aを省略して仕切板をユニットフレームの一部としてもよく、部品点数を削減することができるという効果が得られる。
【0059】
実施の形態8.
図20は本発明の実施の形態8による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、冷却ユニットの構成を示す平面図である。
上記実施の形態2〜7では、何れも、仕切板10a、10b、10cにおける冷却ユニット1aの入口側を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口の断面積を3等分する位置に配置した場合について示したが、本実施の形態では、仕切板10a、10b、10cにおける冷却ユニット1aの入口側を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口の断面積がヒートシンク3a>ヒートシンク3b>ヒートシンク3cとなる位置に配置した。なお、仕切板10a、10b、10cのヒートシンク3a、3b、3c側は、ヒートシンク3a、3b、3c間の境界およびヒートシンク3cとユニットフレーム側壁2aの境界(ヒートシンク3a、3b、3cの端部)に配置した。
【0060】
各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる風路において、冷却ユニット1aの入口のそれぞれの断面積を同じにすると、各ヒートシンク3a、3b、3cへ流入する風量はヒートシンク3a=ヒートシンク3b=ヒートシンク3cとなるため、図20に示す各領域A、B、Cの圧力は領域A>領域B>領域Cとはならず、領域A→領域B→領域Cへ冷却気体が流れにくくなる。すなわち、ヒートシンク3aと3bの冷却気体が流れにくくなり、ヒートシンク3a、3b、3c間の冷却性にばらつきが発生する。
そこで、図20に示すような仕切板配置にすると、ヒートシンク3a、3b、3cへ流入する風量はヒートシンク3a>ヒートシンク3b>ヒートシンク3cとなり、領域A、B、Cの圧力は領域A>領域B>領域Cとなるため、領域A→領域B、領域B→領域Cへ空気が流れ易くなる。したがって、冷却ユニット1aの出口とヒートシンク3a、3b、3c間に仕切板を設けなくても、各ヒートシンク3a、3b、3cを流れる冷却気体の風量を均一化することができ、各ヒートシンク3a、3b、3c間における冷却性のばらつきを抑制できる。
【0061】
なお、上記では、ヒートシンク3a、3b、3cの入口側に配置された仕切板10a、10b、10cにおける冷却ユニット1aの入口側を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口の断面積がヒートシンク3a>ヒートシンク3b>ヒートシンク3cとなる位置に配置したが、ヒートシンク3a、3b、3cの出口側に配置された仕切板における冷却ユニット1aの出口側を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの出口の断面積がヒートシンク3a>ヒートシンク3b>ヒートシンク3cとなる位置に配置してもよく、同様の効果が得られる。
【0062】
なお、上記では、各ヒートシンク3a、3b、3cを流れる冷却気体の風量が均一化されるように、仕切板10における冷却ユニット1aの入口側または出口側を、各ヒートシンク3a、3b、3cに通じる冷却ユニット1aの入口または出口の断面積がヒートシンク3a>ヒートシンク3b>ヒートシンク3cとなる位置に配置した場合について示したが、これに限るものではなく、例えば半導体素子4aと4bと4cとで発熱にばらつきがある場合などには、一番発熱量の大きい半導体素子が搭載されたヒートシンクに多くの冷却気体が流れるようにしてもよい。
【0063】
なお、上記では、何れも、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
【0064】
実施の形態9.
図21および図22は本発明の実施の形態9による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図21(a)は冷却ユニットの構成を示す平面図、(b)は(a)を矢印Aの方向から見た正面図、図22(a)は冷却ユニットの別の構成を示す平面図、(b)は(a)を矢印Aの方向から見た正面図である。
図21および図22において、40a、40b、40cは冷却気体の風路への放熱フィンの開口率を調節するフィン開口率調節手段に相当するフィン開口率調節用マスクである。
【0065】
本実施の形態では、例えば、図21に示すように、ヒートシンク3a、3b、3cの入口に、大きさが異なり冷却気体を通さないマスク40a、40b、40cを設け、マスク40a、40b、40cの大きさを、マスク40a<マスク40b<マスク40cとした(すなわち、冷却気体の風路への各放熱フィンの開口率をヒートシンク3a>3b>3cとした。)。
【0066】
図1に示したような仕切板やマスクを取付けない場合には、冷却気体の風量は、風下側のヒートシンクほど多く(ヒートシンク3a<ヒートシンク3b<ヒートシンク3c)、ヒートシンク3cに流れる冷却気体の風量が最も多いのが一般的である。そこで、ヒートシンク3a、3b、3cの入口に、大きさがマスク40a<マスク40b<マスク40cとなるマスク40a、40b、40cを設けることにより、各ヒートシンク3a、3b、3cに流入する冷却気体の風量を均一化することができる。
【0067】
なお、図22に示すように、フィン開口率調節用マスク40a、40b、40cとして、メッシュ状のマスクを用い、メッシュの開口率がマスク40a>マスク40b>マスク40cとなるようにしてもよい。
【0068】
また、フィン開口率調節手段は、図21および図22で示したフィン開口率調節用マスク40a、40b、40cに限ったものではなく、各ヒートシンク3a、3b、3cにおけるフィンの開口率が3a>3b>3cとなるものであればよい。
【0069】
またさらに、図21および図22ではフィン開口率調節用マスク40a、40b、40cをヒートシンク3a、3b、3cの入口に配置したが、ヒートシンク3a、3b、3cの出口に配置しても同様な効果が得られる。
【0070】
なお、上記では、各ヒートシンク3a、3b、3cを流れる冷却気体の風量が均一化されるように、冷却気体の風路への各放熱フィンの開口率をヒートシンク3a>3b>3cとした場合について示したが、これに限るものではなく、例えば半導体素子4aと4bと4cで発熱にばらつきがある場合などには、一番発熱量の大きい半導体素子が搭載されたヒートシンクに多くの冷却気体が流れるようにしてもよい。
【0071】
なお、上記では、何れも、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
【0072】
実施の形態10.
図23は本発明の実施の形態10による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、冷却ユニットの構成を示す平面図である。図23において、50a、50b、50cは放熱フィン中央部、51a、51b、51cは放熱フィン入口部、52a、52b、52cは放熱フィン出口部である。
本実施の形態では、放熱フィンの入口側の部分(放熱フィン入口部)51a、51b、51cを冷却ユニット1aの入口に向かって曲げると共に、放熱フィンの出口側の部分(放熱フィン出口部)52a、52b、52cを冷却ユニット1aの出口に向かって曲げ、冷却気体を誘導する誘導体とした。
【0073】
このように構成すると、冷却ユニット1aの入口からヒートシンク3a、3b、3cの各放熱フィン間に冷却気体が流れやすくなり、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となるので、ヒートシンク3aと3bと3c間の冷却性、および各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性を均一化できる。
【0074】
なお、図23では、放熱フィンの入口側および出口側の部分をそれぞれ冷却ユニットの入口および出口に向かって曲げて誘導体としたので、誘導体を放熱フィンで兼用することにより、部品点数を増加させることなく、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となった。しかし、これに限るものではなく、放熱フィンの入口部および出口部に、それぞれ冷却ユニット1aの入口および出口に向かって配置された誘導体を新たに設けてもよい。
【0075】
なお、上記では、放熱フィンの入口部および出口部の両方に誘導体を設ける場合について示したが、入口部にのみ設けてもよく、この場合にも誘導体を全く設けない場合に比べて、冷却ユニット1aの入口からヒートシンク3a、3b、3cの各放熱フィン間に冷却気体が流れやすくなり、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となるので、ヒートシンク3aと3bと3c間の冷却性、および各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性を均一化できるという効果が得られる。
【0076】
なお、図23において、ヒートシンク3cとユニットフレーム2aの境界から冷却ユニット1aの入口端部間に配置された仕切板10c、およびヒートシンク3aとユニットフレーム2aの境界から冷却ユニット1aの出口端部間に配置された仕切板10dは省略することも可能である。
【0077】
なお、図23では、何れも、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
また、複数の冷却ユニットを配置する場合には、図12に示した実施の形態3と同様に、ユニットフレーム側壁2aを省略して仕切板をユニットフレームの一部としてもよく、部品点数を削減することができるという効果が得られる。
【0078】
また、上記では、冷却ユニット1aの入口から放熱フィン32までの風路、および放熱フィン32から冷却ユニット1aの出口までの風路の両方に仕切板10を設けた場合について示したが、どちらか一方の風路のみに設けてもよい。
さらに、誘導体の形状によっては仕切板10は無くてもよい。
【0079】
実施の形態11.
図24および図25は本発明の実施の形態11による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図24(a)は冷却ユニットの構成を示す平面図、(b)は(a)の一部を拡大して冷却気体の流れる様子を示す説明図、図25は冷却ユニットの別の構成を示す平面図である。
本実施の形態では、例えば、図24(a)に示すように、ヒートシンク3a、3b、3cの入口側の放熱フィンが、冷却ユニット1aの入口から遠い程突出して階段状に形成されている。
【0080】
このように構成されたものにおいては、図24(b)に示すように、冷却ユニット1aの入口から流入した冷却気体は、階段状に突出した板状の放熱フィンに当たって進路を曲げ、放熱フィン間に流入する。このように、ヒートシンク3a、3b、3cの各放熱フィン間に冷却気体が流れやすくなり、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となる。その結果、ヒートシンク3aと3bと3c間の冷却性、および各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性を均一化することが可能となる。
また、図23で示したように放熱フィンの方向を変える必要がない。
【0081】
なお、図25に示すように、ヒートシンク3a、3b、3c入口側の放熱フィンのみならず、ヒートシンク3a、3b、3cの出口側の放熱フィンも階段状に形成してもよく、同様な効果が得られ、さらに、冷却ユニット1aの大きさを小型化できるという効果も得られる。
【0082】
実施の形態12.
図26は本発明の実施の形態12による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、冷却ユニットの構成を示す平面図である。
本実施の形態では、ヒートシンク3a、3b、3cを冷却ユニット1a内に斜めに配置した。
このように構成することにより、実施の形態11の場合と同様に、冷却ユニット1aの入口からヒートシンク3a、3b、3cの各放熱フィン間へ空気が均一に流入しやすく、ヒートシンク3aと3bと3c間の冷却性、および各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性を均一化することが可能となる。
また、実施の形態10のようにフィン出入口の方向を変えたり、実施の形態11のように階段状に加工したりしなくてもよいので、製造が容易である。
【0083】
なお、上記実施の形態1〜12では、放熱フィン32は板状であり、複数板状放熱フィン32が、ヒートシンク3の並んでいる方向とほぼ直交する方向に冷却気体が流れるように並んで配置されている場合について示したが、放熱フィンは板状に限らず、例えば棒状などであってもよい。
【0084】
実施の形態13.
図27〜図29は本発明の実施の形態13による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図27は冷却ユニットの構成を示す平面図、図28(a)は図27のA−A’線断面図、(b)は図27のB−B’線断面図、図29(a)、(b)はそれぞれ冷却気体の流れる様子を示す説明図である。
図28において、32aは上部放熱フィン、32bは下部放熱フィンである。
【0085】
本実施の形態では、放熱フィンは板状で、受熱板31と交差する方向に複数段(図28では上部放熱フィン32aと下部放熱フィン32bの2段)配置されており、各段の放熱フィン32a、32bを流れる冷却気体はそれぞれ異なる(図28および図29では直交する)方向に流れるように放熱フィン32a、32bが配置されている。
また、上記各実施の形態1〜13では、ユニットフレーム側壁2aは、端部に配置されたヒートシンク3a、3cにまで延び、ヒートシンク3a、3cの側面を覆っていたが、本実施の形態では、ヒートシンク3a、3cの側面は開放されている。
【0086】
図29(a)に示すように、ヒートシンク3a、3b、3cの上部放熱フィン32aに流れる冷却気体は、その上部の半導体素子4a、4b、4cの発熱によって、ヒートシンク3a→ヒートシンク3b→ヒートシンク3cに流れるにしたがい、徐々に温度が上昇する。このため、上部放熱フィン32aのみでは、半導体素子4a、4b、4cの温度が半導体素子4a<半導体素子4b<半導体素子4cとなり、ばらつきが発生する。
一方、図29(b)に示すように、ヒートシンク3a、3b、3cの下部放熱フィン32bに流れる冷却気体の風量は、ヒートシンク3a<ヒートシンク3b<ヒートシンク3cとなる。このため、下部放熱フィン32bのみでは、半導体素子4a、4b、4cの温度が半導体素子4a>半導体素子4b>半導体素子4cとなる。
従って、本実施の形態のように、両者を合せ持つことにより、各ヒートシンク3a、3b、3c間の冷却性および各ヒートシンク3a、3b、3c内の冷却性の均一化が図れ、半導体素子4a、4b、4cの温度上昇も均一化することができる。
【0087】
なお、放熱フィンの段数は2段に限ったものではなく、3段以上であってもよい。
また、格段の放熱フィンの配置方向は、直交する方向に限ったものではなく、異なる方向であればよい。
【0088】
なお、上記では、放熱フィン32は板状であり、上部放熱フィン32aが、ヒートシンク3の並んでいる方向に冷却気体が流れるように並んで配置されており、下部放熱フィン32bが、ヒートシンク3の並んでいる方向と直交する方向に冷却気体が流れるように並んで配置されている場合について示したが、放熱フィンは板状に限らず、例えば棒状などであってもよく、この場合には、複数段に分ける必要はなく、図29(a)で示した流れと(b)で示した流れが自然に混ざり合って上記と同様の効果が得られる。
【0089】
なお、上記実施の形態11〜13では、何れも、1個の冷却ユニット1aしか示さなかったが、実施の形態1の場合と同様に、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように1段あるいは複数段に配置してもよいのは言うまでもない。
【0090】
実施の形態14.
図30は本発明の実施の形態14による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、冷却ユニットの構成を示す平面図である。
例えば図1において、ユニットフレーム側壁2a、2dの形状を、図30に示したようにしてもよく、この場合には実施の形態3で図11を用いて説明したのと同様に、電力変換装置のコンパクト化が可能となる。なお、この場合にも、各冷却ユニット1a、1dの風路はS字状となっている。
さらに、図1の構造に比べて、ヒートシンク3a、3b、3c間やヒートシンク3d、3e、3f間に流れる冷却気体の風量を均等化できるという効果が得られる。
【0091】
なお、上記のようなユニットフレーム側壁2a、2dの形状は、図1に限らず、例えば図20〜図22および図27で示した冷却ユニットにも適用することができ、同様の効果が得られる。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る第1の電力変換装置によれば、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームと上記風路を複数に仕切る仕切板とを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記仕切板は、上記放熱フィンから上記冷却ユニットの入口まで延伸し、および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口まで延伸し、上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィンまでの風路および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口までの風路を、上記冷却気体の流れに沿って複数に仕切るので、冷却気体が各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れる結果、他のヒートシンクの熱干渉を防ぐことが可能となる。また、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って配置されているので、冷却ユニットの入口へ供給される冷却気体の流れに対面する冷却ユニット部分の面積を増加させることなくヒートシンクの数すなわち半導体素子の数を増加させることが可能となる。さらに、仕切板の位置を調整することにより各放熱フィンに流れる冷却気体の風量を調整することが可能となる。
【0093】
また、本発明に係る第2の電力変換装置によれば、仕切板の上記放熱フィン側を、ヒートシンクの端部に配置したので、冷却ユニットの入口側または出口側における仕切板の位置を調整することにより各ヒートシンクに流れる冷却気体の風量を調整することが可能となる。
【0094】
また、本発明に係る第3の電力変換装置によれば、仕切板の一部がユニットフレームの少なくとも一部を兼用しているので、部品点数を削減でき、しかも、冷却ユニットの小型化すなわち電力変換装置の小型化を図ることが可能なる。
【0095】
また、本発明に係る第4の電力変換装置によれば、冷却ユニットの入口から放熱フィン間に配置された仕切板または放熱フィンの入口に突出物を設けたので、突出物の位置や形状などを調整することにより各放熱フィンに流れる冷却気体の風量を調整することが可能なる。
【0096】
また、本発明に係る第5の電力変換装置によれば、放熱フィンの入口部に冷却ユニットの入口に向かって配置され、または放熱フィンの出口部に冷却ユニットの出口に向かって配置され、冷却気体を誘導する誘導体を備えたので、各放熱フィン間に冷却気体が流れやすくなり、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となる結果、各ヒートシンク間の冷却性、および各ヒートシンク内の冷却性を均一化することが可能となる
【0097】
また、本発明に係る第6の電力変換装置によれば、放熱フィンは板状であり、誘導体は、放熱フィンの入口側の部分を冷却ユニットの入口に向かって曲げたもの、または放熱フィンの出口側の部分を冷却ユニットの出口に向かって曲げたので、誘導体を放熱フィンで兼用することにより、部品点数を増加させることなく、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となる
【0098】
また、本発明に係る第7の電力変換装置によれば、放熱フィンは板状で、受熱板と交差する方向に複数段配置されており、各段の放熱フィンを流れる冷却気体はそれぞれ異なる方向に流れるように放熱フィンが配置されているので、各ヒートシンク間の冷却性、および各ヒートシンク内の冷却性を均一化することが可能となる
【0099】
また、本発明に係る第8の電力変換装置によれば、ヒートシンクには、複数の半導体素子が冷却気体の流れに対して並列に搭載されているので、冷却気体が各半導体素子に対応した放熱フィンに分岐して流れる結果、他の半導体素子の熱干渉を防ぐことができる。また、半導体素子の数が増加しても、冷却ユニットの入口へ供給される冷却気体の流れに面する冷却ユニット部分の面積を増加させることなく半導体素子の数を増加させることが可能なる。
【0100】
また、本発明に係る第9の電力変換装置によれば、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、冷却ユニットの入口から放熱フィンまたは放熱フィンから冷却ユニットの出口までの風路を、冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、仕切板の放熱フィン側を、ヒートシンクの中央部に配置したので、ヒートシンク中央部の放熱性を向上させることができ、ヒートシンクの中央部に配置された半導体素子を効果的に冷却することが可能なる。
【0101】
また、本発明に係る第10の電力変換装置によれば、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、冷却ユニットの入口から放熱フィンまたは放熱フィンから冷却ユニットの出口までの風路を、冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、冷却ユニットの入口と放熱フィン間の仕切板における放熱フィン側の位置と、冷却ユニットの出口と放熱フィン間の仕切板における放熱フィン側の位置とは、一方の位置がヒートシンクの端部であり、他方の位置がヒートシンクの中央部となるようにしたので、ヒートシンクの各放熱フィンに流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となる。
【0102】
また、本発明に係る第11の電力変換装置によれば、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、放熱フィンの入口または出口に、風路への放熱フィンの開口率を調節する手段を設けたので、放熱フィンに流れる冷却気体の風量を調整することが可能となる。
【0103】
また、本発明に係る第12の電力変換装置によれば、複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して半導体素子より発生する熱を放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、風路はS字状であり、複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って冷却気体の流れに対して並列に配置され、冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、ヒートシンクの入口側の放熱フィンが、冷却ユニットの入口から遠い程突出して階段状に形成されているので、各放熱フィン間に冷却気体が流れやすくなり、各放熱フィン間を流れる冷却気体の風量を均一化することが可能となる結果、各ヒートシンク間の冷却性、および各ヒートシンク内の冷却性を均一化することが可能となる。
【0104】
また、本発明に係る第13の電力変換装置によれば、複数の冷却ユニットを、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れるように冷却気体の流れに対して並列に配置したので、冷却気体が各冷却ユニットに分岐して流れる結果、他の冷却ユニットの熱干渉を防ぐことができ、冷却ユニット間の冷却能力を等しくすることが可能となる。また、半導体素子の数が増加しても、各冷却ユニットに配置するヒートシンクの数を増やすことにより、冷却ユニットの入口へ供給される冷却気体の流れに面する冷却ユニット部分の面積を増加させることなく半導体素子の数を増加させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図4】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図5】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図6】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図である。
【図8】 本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図である。
【図9】 本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図である。
【図10】 本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図である。
【図11】 本発明の実施の形態3による電力変換装置を説明するための図である。
【図12】 本発明の実施の形態3による電力変換装置を説明するための図である。
【図13】 本発明の実施の形態4による電力変換装置を説明するための図である。
【図14】 本発明の実施の形態4による電力変換装置を説明するための図である。
【図15】 本発明の実施の形態5による電力変換装置を説明するための図である。
【図16】 本発明の実施の形態5による電力変換装置を説明するための図である。
【図17】 本発明の実施の形態6による電力変換装置を説明するための図である。
【図18】 本発明の実施の形態7による電力変換装置を説明するための図である。
【図19】 本発明の実施の形態7による電力変換装置を説明するための図である。
【図20】 本発明の実施の形態8による電力変換装置を説明するための図である。
【図21】 本発明の実施の形態9による電力変換装置を説明するための図である。
【図22】 本発明の実施の形態9による電力変換装置を説明するための図である。
【図23】 本発明の実施の形態10による電力変換装置を説明するための図である。
【図24】 本発明の実施の形態11による電力変換装置を説明するための図である。
【図25】 本発明の実施の形態11による電力変換装置を説明するための図である。
【図26】 本発明の実施の形態12による電力変換装置を説明するための図である。
【図27】 本発明の実施の形態13による電力変換装置を説明するための図である。
【図28】 本発明の実施の形態13による電力変換装置を説明するための図である。
【図29】 本発明の実施の形態13による電力変換装置を説明するための図である。
【図30】 本発明の実施の形態14による電力変換装置を説明するための図である。
【図31】 従来の電力変換装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1a、1d、1g、1j、1m、1p 冷却ユニット、2a、2d、2g、2m ユニットフレーム側壁、21 ユニットフレーム蓋、22 ユニットフレーム底板、3a、3b、3c、3d、3e、3f ヒートシンク、31 受熱板、32 放熱フィン、32a 上部放熱フィン、32b 下部放熱フィン、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、4m、4n、4o、4p、4q、4r、4s、4t、4u 半導体素子、5g、5m 電気配線、61 枠体、62 棚、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j、10k、10l、10m、10n、10o、10p、10q、10r、10s、10t 仕切板、20a、20b、20c、20d、20e、20f 突出物、40a〜40c フィン開口率調節用マスク、50a、5b、50c 放熱フィン中央部、51a、51b、51c 放熱フィン入口部、52a、52b、52c 放熱フィン出口部。

Claims (13)

  1. 複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームと上記風路を複数に仕切る仕切板とを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記仕切板は、上記放熱フィンから上記冷却ユニットの入口まで延伸し、および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口まで延伸し、上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィンまでの風路および/または上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口までの風路を、上記冷却気体の流れに沿って複数に仕切ることを特徴とする電力変換装置。
  2. 上記仕切板の上記放熱フィン側を、上記ヒートシンクの端部に配置したことを特徴とする請求項記載の電力変換装置。
  3. 上記仕切板の一部が上記ユニットフレームの少なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項記載の電力変換装置。
  4. 上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィン間に配置された上記仕切板または上記放熱フィンの入口に突出物を設けたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  5. 上記放熱フィンの入口部に上記冷却ユニットの入口に向かって配置され、または上記放熱フィンの出口部に上記冷却ユニットの出口に向かって配置され、上記冷却気体を誘導する誘導体を備えたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  6. 上記放熱フィンは板状であり、上記誘導体は、上記放熱フィンの入口側の部分を上記冷却ユニットの入口に向かって曲げたもの、または上記放熱フィンの出口側の部分を上記冷却ユニットの出口に向かって曲げたものであることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  7. 上記放熱フィンは板状で、上記受熱板と交差する方向に複数段配置されており、上記各段の放熱フィンを流れる冷却気体はそれぞれ異なる方向に流れるように上記放熱フィンが配置されていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  8. 上記ヒートシンクには、複数の半導体素子が冷却気体の流れに対して並列に搭載されていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  9. 複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィンまたは上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口までの風路を、上記冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、上記仕切板の上記放熱フィン側を、上記ヒートシンクの中央部に配置したことを特徴とする電力変換装置。
  10. 複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記冷却ユニットの入口から上記放熱フィンまたは上記放熱フィンから上記冷却ユニットの出口までの風路を、上記冷却気体の流れに沿って複数に仕切る仕切板を備え、上記冷却ユニットの入口と上記放熱フィン間の上記仕切板における上記放熱フィン側の位置と、上記冷却ユニットの出口と上記放熱フィン間の上記仕切板における上記放熱フィン側の位置とは、一方の位置が上記ヒートシンクの端部であり、他方の位置が上記ヒートシンクの中央部となるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  11. 複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記放熱フィンの入口または出口に、上記風路への上記放熱フィンの開口率を調節する手段を設けたことを特徴とする電力変換装置。
  12. 複数の放熱フィンと、半導体素子を搭載して上記半導体素子より発生する熱を上記放熱フィンに伝達する受熱板とを有するヒートシンクが複数個配置され、上記放熱フィンへ冷却気体を給排する風路となるユニットフレームを有する冷却ユニットを備えたものであって、上記風路はS字状であり、上記複数のヒートシンクは、S字の中央付近に、上記風路を流れる冷却気体の方向と交差する方向に沿って上記冷却気体の流れに対して並列に配置され、上記冷却ユニットの入口から導入された冷却気体がその向きを変えて上記各ヒートシンクの放熱フィンに分岐して流れた後、また向きを変えて上記冷却ユニットの出口から導出されるように構成され、上記ヒートシンクの入口側の上記放熱フィンが、上記冷却ユニットの入口から遠い程突出して階段状に形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  13. 複数の上記冷却ユニットを、上記冷却気体が上記各冷却ユニットに分岐して流れるように上記冷却気体の流れに対して並列に配置したことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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