JP4710149B2 - 電子部品パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を内部に収容するのに適した電子部品パッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品パッケージとしては、互いに接合されて内部に電子部品収容空間を構成する第一および第二パッケージ材と、両パッケージ材の互いの接合面を接合して電子部品収容空間を封止する接合材とを備えたものが周知である。
【0003】
このような電子部品パッケージにおいては、接合材の厚みを極力薄くして、両パッケージ材の密着性を高めることで高温高圧下での湿気の内部への侵入を抑制してその気密封止性を高められるようにしている。
【0004】
具体的には、両パッケージ材の接合面間の接合材厚みを20μm以下に抑えることによって所要の気密封止性が得られるようにしていた。この場合、接合材としてのエポキシ樹脂等の接着剤には、無機充填材としてSiO2の微小粉体を、50〜60パーセントの割合で含有されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記電子部品パッケージの製造において、パッケージ材がアルミナや樹脂系で構成されていてその接合面の平滑性が低く凹凸が存在しているような場合、この凹凸の大きさ以下に接合材の厚みを薄くすることができないから、そのまま両パッケージ材を接合することは、電子部品収容空間への湿気侵入等に対する気密封止性を図るうえで限界があった。
【0006】
そのため、従来では、その接合面に対して凹凸を無くすように研磨などの処理を施して、接合面の平滑性を高めた上で互いを接合することで接合材の厚みを薄くすることが行われていた。
【0007】
しかしながら、このような研磨処理は、時間がかかり、その分、電子部品パッケージの量産性の低下や製造コストアップの要因となっている。
【0008】
したがって、本発明は、前記パッケージ材における接合面に対する研磨などの処理をしなくても、また、接合面の平滑性が低く凹凸が存在しても接合材の厚みを薄くして両パッケージ材の密着性を高められるようにして、前記処理の省略による電子部品パッケージの量産性向上と製造コスト低減とを可能にすることを共通の解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品パッケージは、互いに接合されて内部に電子部品収容空間を構成する第一および第二パッケージ材と、前記両パッケージ材の互いの接合面を接合して前記電子部品収容空間を封止する接合材とを備えた電子部品パッケージであって、前記第二パッケージ材を、その形状を保持するための形状保持部と、少なくとも、この形状保持部に対して接合面側に設けられかつ他方のパッケージ材の接合面に対する接合時に際して受ける圧力により変形する柔軟層とを含む構成とすることで、少なくとも一方のパッケージ材における接合面が、他方のパッケージ材の接合面に対する接合により変形する柔軟性を有しており、前記第二パッケージ材における前記柔軟層がニッケルで構成されるとともに、前記第二パッケージ材における前記形状保持部が、アルミナ製である第一パッケージ材の熱膨張係数と同じ熱膨張率、もしくは前記柔軟層の熱膨張率より前記第一パッケージ材の熱膨張率に近い熱膨張係数を備える、ニッケル含有率が40〜55重量%のニッケル−鉄系合金で構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によると、少なくとも一方のパッケージ材の柔軟層が接合面となって他方のパッケージ材の接合面に対して接合されるから、一方または他方のパッケージ材の接合表面に凹凸が存在して平滑性が低くても、一方のパッケージ材の柔軟層が接合材を間にして他方のパッケージ材の接合面におけるその凹凸に対応して変形して接合され、その結果、接合材は凹凸に沿うようにして両接合面を接合しその厚みは極めて薄くなる。なお、両パッケージ材の接合面が共に軟質の場合でも、加圧されることにより表面の凹凸がつぶされて、互いの接合面が平坦面になることで、両接合面が接合された状態での接合厚みは極めて薄くなる。
【0012】
したがって、本発明の場合、パッケージ材における接合面の凹凸はそのまま残した状態で両パッケージ材を接合する際に加圧するだけで両パッケージ材の密着性を高められるから、従来と異なって、上述した研磨処理を省略することができ、電子部品パッケージの量産性の向上と製造コストの低減とを図れるものとなる。
【0013】
上記の本発明において、形状保持部が平板状で、柔軟層が、形状保持部の両側に設けられていると、第二パッケージ材の両面のいずれも接合面として第一パッケージ材の接合面に接合させられるから、第二パッケージ材の接合面の識別作業が不要となって両パッケージ材の組み立てが容易となって好ましい。
【0014】
上記の場合、接合材を樹脂系接着剤で構成すると、その樹脂系接着剤の欠点である湿気の侵入の容易さを克服する一方で、その長所である加工容易性を生かして、電子部品パッケージの量産性の向上と製造コストの低減とを一層図れるものにできる。
【0015】
上記の結果、接合材の厚みを他方のパッケージ材における接合面の凹凸に沿う程度とすることができるから、両パッケージ材の熱膨張係数が異なると、接合面と接合材との間に微小隙間が発生しやすくなる。
【0016】
そこで、本発明は第二パッケージ材における柔軟層がニッケルで構成されるとともに、第二パッケージ材における形状保持部が、アルミナ製である第一パッケージ材の熱膨張係数と同じ熱膨張率、もしくは前記柔軟層の熱膨張率より前記第一パッケージ材の熱膨張率に近い熱膨張係数を備えるよう、ニッケル含有率が40〜55重量%のニッケル−鉄系合金で構成されており、両パッケージ材が高温下でも同様に熱膨張するから、接合面と接合材との間に微小隙間が発生しにくくなり、高温下でも両パッケージ材の密着性を保持できることになって好ましい。
【0017】
この場合、第二パッケージ材における形状保持部を合金とする一方、柔軟層を金属として形状保持部に対してクラッドまたはラミネート、蒸着、スパッタで設けるようにしているから、柔軟層の硬さを低く、つまり、柔軟性を保持させることができて好ましい。これは、形状保持部に対して柔軟層を電解や無電解のメッキで設けた場合と比較して、そのビッカース硬さ(Hv)を小さくすることができる。
【0018】
この形状保持部をニッケル含有率が40〜55重量%とされたニッケル−鉄系合金で構成し、柔軟層の金属をニッケルで構成しているから、柔軟層を形状保持部に対して良好になじませて接着できるとともに、一般的にアルミナ等で構成される他方のパッケージ材に対して、形状保持部が熱膨張率においてほぼ近いものとなるから、接合された両パッケージ材が温度変化により接合面に隙間が生じたり接合強度が低下する等の不具合も回避できる。
【0019】
本発明の電子部品パッケージの製造方法は、互いに接合されて内部に電子部品収容空間を構成する第一および第二パッケージ材と、前記両パッケージ材の互いの接合面を接合して前記電子部品収納空間を封止する接合材とを備えた電子部品パッケージの製造方法であって、前記第二パッケージ材を、その形状を保持するためのニッケル含有率が40〜55重量%のニッケル−鉄系合金製の形状保持部と、この形状保持部に対して接合面側に設けられかつ他方のパッケージ材の接合面に対する接合時に際して受ける圧力により変形するニッケル製の柔軟層とを含む構成とすることで、一方のパッケージ材における接合面が、アルミナ製の他方のパッケージ材の接合面に対する接合により変形する柔軟接合面となっている前記両パッケージ材における互いの接合面間に接合材を介装する第一の工程と、所要の加圧力を加えて前記柔軟接合面を変形させて一方のパッケージ材の接合面を他方のパッケージ材の接合面に対して接合する第二の工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の電子部品パッケージの製造方法によると、一方のパッケージ材の柔軟層を接合面として他方のパッケージ材の接合面に対して接合できるから、他方のパッケージ材の接合表面に凹凸が存在して平滑性が低くても、一方のパッケージ材の柔軟層を接合材を間にしてその凹凸に対応して変形させて接合することができ、接合材の厚みを極めて薄くできる電子部品パッケージが得られる。
【0021】
これによって、パッケージ材における接合表面の凹凸をそのまま残した状態で両パッケージ材の密着性を高めた電子部品パッケージを製造することができ、従来とは異なって、その接合表面の凹凸の研磨処理工程を省略して、電子部品パッケージの量産性の向上と製造コストの低減とを図れるものとなる。
【0022】
この製造方法において、第一の工程よりも前のパッケージ材製造工程において、両パッケージ材のうち少なくとも一方のパッケージ材を、その形状を保持するための形状保持部と、柔軟接合面をなす表面層とを積層して得るようにしてもよい。
【0023】
また、パッケージ材製造工程において、両パッケージ材のうち少なくとも一方のパッケージ材を、形状保持部に対して、柔軟接合面をなす表面層をクラッドまたはラミネート、蒸着、スパッタにより積層するようにしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0025】
図1および図2は、本発明の実施形態に係り、図1は、本実施形態の電子部品パッケージを分解して示す正面から見た断面図、図2は、その電子部品パッケージを正面から見た断面図である。
【0026】
図1および図2を参照して、本実施形態の電子部品パッケージ10は、第一パッケージ材12と、第二パッケージ材14と、接合材16とを備える。
【0027】
なお、図において、第一パッケージ材12における接合面18の凹凸や接合材16の厚みは理解を容易にするため誇張して示されている。
【0028】
第一パッケージ材12は、開口20を有した箱状をなしており、その内部底面22に、例えば、SAWフィルタや水晶発振子のように高い気密性が要求される電子部品24が搭載されている。
【0029】
第一パッケージ材12は、金属やセラミックスが耐湿性の点で好ましく、その中でもアルミナ(酸化アルミニウム)がコストや、熱伝導率の理由からより好ましい。この場合、第一パッケージ材12を樹脂で構成しても構わない。樹脂としては、オルソクレゾールノボラック、フェノールノボラック、ナフタレン系エポキシがある。
【0030】
なお、耐湿性を重視するなら樹脂よりアルミナの方が良いが、コストや生産性を優先するなら樹脂を採用することもある。その場合でも、極力湿気の侵入を防ぐため接合材厚みを小さくする必要がある。
【0031】
第二パッケージ材14は、平板状の蓋体をなしており、第一パッケージ材12の開口20を閉塞するよう第一パッケージ材12の接合面18に接合されて互いの間で電子部品収容空間26を構成する。
【0032】
次に、本実施形態の場合、第二パッケージ材14が、形状を保持するための形状保持部14aと、この形状保持部14aの両側に積層されかつ加圧により変形する柔軟性を有する柔軟層14bとで構成されていることに特徴を有する。
【0033】
形状保持部14aは、第一パッケージ材12がアルミナで構成されている場合は、このアルミナと熱膨張係数が近いニッケル合金で構成されることが好ましい。このニッケル合金として、ニッケルが40重量%から55重量%の範囲で含まれるニッケル−鉄系合金が好ましい。
【0034】
なお、アルミナの熱膨張係数は7ppmであるのに対して、主なニッケル−鉄系合金における熱膨張係数は図6に示した表の通りである。
【0035】
柔軟層14bは、第二パッケージ材12の接合面に対する接合時に受ける圧力により塑性変形する柔軟性を有する金属好ましくは純ニッケルで構成されており、形状保持部14aの両面に対してクラッドもしくはラミネート、蒸着、スパッタにより設けられる。
【0036】
形状保持部14aの両面に柔軟層14bを設けることで、第二パッケージ材14の接合面28(一方の柔軟層14b表面)を第一パッケージ材12の接合面18に接合する場合の接合向きを識別する必要がなくなって、接合に際しての作業性を向上することができる。もちろん、この柔軟層14bは形状保持部14aの一方側に対してのみ設けても構わない。
【0037】
この場合の柔軟層14bの硬さは、ビッカース硬さ(Hv)で60となる。これに対して、特開平11−176969号公報に示されるようにニッケル合金に対してニッケルを電解メッキまたは無電解メッキで設ける従来技術があるが、電解メッキにおけるニッケル硬さは、ビッカース硬さ(Hv)で200〜250となり、無電解メッキにおけるニッケルの硬さは、ビッカース硬さ(Hv)で450〜550となる。
【0038】
したがって、本実施形態のように柔軟層14bを形状保持部14aに対してクラッドあるいはラミネート、蒸着、スパッタで設ける場合では、電解メッキまたは無電解メッキで設ける場合と比較してビッカース硬さ(Hv)は十分に小さくなり、柔軟性が高くなっている。
【0039】
なお、クラッドは、2つ以上の金属材料の表面を密着させ、接触面の全面を冶金的に接着することであり、冶金的に接着させる方法としては圧延、押し出し、爆発圧接などがある。
【0040】
接合材16は、好ましくは樹脂系接着剤で構成されており、より好ましくは、エポキシ樹脂系接着剤である。接合材16を樹脂系接着剤とした場合、湿気が侵入しやすいという欠点があるものの、その厚みを薄くしてその欠点をカバーするとともに、その長所である加工性を生かせる。
【0041】
なお、接合材として樹脂を用いる場合、湿気の侵入のしやすさは、侵入経路長さに反比例し、断面積に比例する。そこで、接合材厚みを小さくすることにより耐湿性が向上する樹脂が最も効果的であり、その一例としてエポキシ樹脂がある。ただし、エポキシ樹脂に限定されるものでなく、他の樹脂材を接合材として用いても良い。
【0042】
本実施形態の電子部品パッケージ10と従来の電子部品パッケージ30とを図2および図3を参照して比較して具体的に説明する。なお、図3に示されている従来の電子部品パッケージ30において、32は、第一パッケージ材、34は、第二パッケージ材、35は、収納される電子部品、36は、接合材であるが、第二パッケージ材14が本実施形態のそれと異なって、柔軟層が無く、単層構造とされている。
【0043】
そして、従来においては、少なくとも第二パッケージ材34における接合面をその表面に凹凸がないよう予め研磨処理された平滑面にした状態で、第一パッケージ材32に対して第二パッケージ材34を接合材36を介して接合していた。この研磨処理工程があることで、従来においては製造上手間がかかるとともに、コストアップの要因となっていた。また、第一パッケージ材32の接合面の凹凸の上下高さが10μm程度であり、さらに接合材の厚みが4μm程度あることで、接合層の実質的な厚みが14μmとなって透湿性を十分抑制できるほど接合層を薄くはできなかった。
【0044】
これに対して、本発明では研磨処理工程を省くことができる。また、本発明では、第一パッケージ材12に対して第二パッケージ14を接合する際の加圧によって、第一パッケージ材12の接合面の凹凸形状に合わせて第二パッケージ14の接合面も変形して、接合面の凹凸の形状に合わせて接合層がラビリンス状になることで、電子部品収容部と外部との接合層をとおしての透湿経路長が長いものとなるとともに、接合層の厚みも接合材の厚み分の薄いもの、具体的は上記従来例に対応して4μmとなるので、耐透湿性の点で有利になる。
【0045】
また、本発明に係る電子部品パッケージ10の第二パッケージ材14は、平板状の形状保持部14aに対して柔軟層14b,14bが積層されていることで、形状保持部14aが柔軟層14b,14bを支持する基材となっている。そして、その形状保持部14aの熱膨張率が第一パッケージ材12の熱膨張率に近いことで、温度変化に対して第一パッケージ材12と第二パッケージ材14とが同程度に膨張または収縮するから、接合箇所で亀裂が生じるのを抑制でき、気密性が不当に低下しないようになっている。なお、第2パッケージ材の形状保持層の熱膨張係数が第一パッケージ材に近い場合、第二パッケージ材は一層でも構わない。
【0046】
次に、本発明に係る電子部品パッケージの製造方法について説明する。
【0047】
予め第二パッケージ材14を、ニッケルが50重量%含まれるニッケル−鉄系合金の単板(厚み0.1mm)(形状保持部)の両面に厚みが10μmである純ニッケル(柔軟層)をクラッドまたは張り付けにより積層して3層構造のリッドとする(パッケージ材製造工程)。
【0048】
そして、アルミナからなる第一パッケージ材12(キャビティの開口3.0mm×3.0mm、接合部分の幅が0.4mm)の接合面にエポキシ樹脂系の接合材を塗布して、乾燥処理し、次いで、例えば弾性表面波素子等の電子部品素子をキャビティに搭載設置したうえで、第二パッケージ材14を開口封止状態に位置決めして載置させる(第一の工程)。
【0049】
次いで、接合材接着剤の熱硬化に適した高温環境下で、第一パッケージ材12と第二パッケージ材14とにその重ね合わせ方向で所要の加圧力(10Pa)を加えて、第二パッケージ材14における純ニッケルの接合面を第一パッケージ材14の接合面の凹凸に合わせて塑性変形させるとともに、接合材による接合を行う(第二の工程)。
【0050】
なお、上記実施の形態に係る材質のパッケージ材の場合、接合のための加圧力としては、5Pa以上が好ましい。
【0051】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々な応用や変形が可能である。
【0052】
(1)上述の実施形態の場合、第一パッケージ材12が箱状で、第二パッケージ材14が蓋状であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図4で示すように、第二パッケージ材14を、第一パッケージ材12と類似した形状とした電子部品パッケージでもよく、また、図5で示すように部品が搭載設置される側の第一パッケージ材12を平板状とし、第二パッケージ材14を箱状とし、第一パッケージ材12上に電子部品を搭載する形状とした電子部品パッケージにも、同様に適用することができる。
【0053】
なお、図4および図5において、図1ないし図3と類似ないしは対応する部分には同一の符号を付している。
【0054】
(2)上述の実施形態の場合、柔軟層14bは、第二パッケージ材14側だけに設けているが、第一パッケージ材12側にも、柔軟層14bを設けてもよい。両パッケージ材12,14それぞれに柔軟層14bを設けた場合、両パッケージ材12,14のそれぞれの接合面の凹凸が加圧によって低くなるよう潰されることで、接合状態での接合面の凹凸高さが小さくなるようにでき、接合層の厚みを気密性が高くなるよう薄いものにできる。
【0055】
(3)上述の実施形態の第二パッケージ材14における形状保持部14aは、ニッケル−鉄系合金であったが、これに限定されるものではなく、金属だけで構成してもよい。この金属としては、例えば、NiFeCr(コバール)、ステンレス、洋白、りん青銅などがある。
【0056】
この金属としては、アルミナで構成されている第一パッケージ材12と熱膨張係数を合わせるうえでは、ニッケル−鉄合金(特にニッケル含有率40〜55%)が好ましい。
【0057】
柔軟層14bを構成するものとしては純ニッケルがある
【0058】
また、形状保持部14a、柔軟層14b、第一パッケージ材12をプラスチックで構成してもよい。
【0059】
接合材としては、例えばはんだ等の金属ろう材、ガラス、樹脂がある。
【0060】
また、熱膨張率に関して第一パッケージ材と第二パッケージ材との材質の組み合わせとして、上記したように、アルミナとニッケル−鉄合金との組み合わせの他に、例えばガラスエポキシ樹脂と洋白の組み合わせ等がある。
【0061】
また、第一パッケージ材と第二パッケージ材とをそれぞれ樹脂材で構成する場合、互いの熱膨張係数を近いものにするため、第一パッケージ材と、第二パッケージ材の形状保持部とを同一樹脂にすることが好ましい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも一方のパッケージ材における接合面が、加圧により変形する柔軟性を有しているから、他方のパッケージ材の接合表面に凹凸が存在して平滑性が低くても、一方のパッケージ材の柔軟層が接合材を間にしてその凹凸に対応して変形して接合される結果、接合材は凹凸に沿うようにして両接合面を接合しその厚みは極めて薄くなる。
【0063】
したがって、本発明の場合、パッケージ材における接合表面の凹凸はそのまま残した状態で両パッケージ材の密着性を高められるから、従来とは異なって、上述した研磨処理を省略することができ、電子部品パッケージの量産性の向上と製造コストの低減とを図れるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子部品パッケージを分解して示す正面図
【図2】図1の電子部品パッケージを組み立てて正面から見た断面図
【図3】従来の電子部品パッケージを正面から見た断面図
【図4】本発明の他の実施形態に係る電子部品パッケージを正面から見た断面図
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る電子部品パッケージを正面から見た断面図
【図6】ニッケル−鉄合金におけるニッケルの含有量に対応するおおよその熱膨張係数を示す表
【符号の説明】
10 電子部品パッケージ
12 第一パッケージ材
14 第二パッケージ材
14a 形状保持部
14b 柔軟層
16 接合材
26 電子部品収容空間

Claims (7)

  1. 互いに接合されて内部に電子部品収容空間を構成する第一および第二パッケージ材と、前記両パッケージ材の互いの接合面を接合して前記電子部品収容空間を封止する接合材とを備えた電子部品パッケージであって、
    前記第二パッケージ材を、その形状を保持するための形状保持部と、少なくとも、この形状保持部に対して接合面側に設けられかつ他方のパッケージ材の接合面に対する接合時に際して受ける圧力により変形する柔軟層とを含む構成とすることで、少なくとも一方のパッケージ材における接合面が、他方のパッケージ材の接合面に対する接合により変形する柔軟性を有しており、
    前記第二パッケージ材における前記柔軟層がニッケルで構成されるとともに、前記第二パッケージ材における前記形状保持部が、アルミナ製である第一パッケージ材の熱膨張係数と同じ熱膨張率、もしくは前記柔軟層の熱膨張率より前記第一パッケージ材の熱膨張率に近い熱膨張係数を備える、ニッケル含有率が40〜55重量%のニッケル−鉄系合金で構成されている、ことを特徴とする電子部品パッケージ。
  2. 請求項1に記載の電子部品パッケージにおいて、前記第二パッケージ材における前記柔軟層が、前記形状保持部に対してクラッドまたはラミネート、蒸着、スパッタで設けられている、ことを特徴とする電子部品パッケージ。
  3. 請求項1または2に記載の電子部品パッケージにおいて、前記形状保持部は平板状であり、前記柔軟層が、前記形状保持部の両側に設けられている、ことを特徴とする電子部品パッケージ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品パッケージにおいて、前記接合材が、樹脂系接着剤である、ことを特徴とする電子部品パッケージ。
  5. 互いに接合されて内部に電子部品収容空間を構成する第一および第二パッケージ材と、前記両パッケージ材の互いの接合面を接合して前記電子部品収納空間を封止する接合材とを備えた電子部品パッケージの製造方法であって、
    前記第二パッケージ材を、その形状を保持するためのニッケル含有率が40〜55重量%のニッケル−鉄系合金製の形状保持部と、この形状保持部に対して接合面側に設けられかつ他方のパッケージ材の接合面に対する接合時に際して受ける圧力により変形するニッケル製の柔軟層とを含む構成とすることで、一方のパッケージ材における接合面が、アルミナ製の他方のパッケージ材の接合面に対する接合により変形する柔軟接合面となっている前記両パッケージ材における互いの接合面間に接合材を介装する第一の工程と、所要の加圧力を加えて前記柔軟接合面を変形させて一方のパッケージ材の接合面を他方のパッケージ材の接合面に対して接合する第二の工程と、を有することを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。
  6. 請求項に記載の電子部品パッケージの製造方法において、前記第一の工程よりも前のパッケージ材製造工程において、前記第二パッケージ材を、その形状を保持するための形状保持部に対して、前記柔軟層を積層して得る、ことを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。
  7. 請求項に記載の電子部品パッケージの製造方法において、前記パッケージ材製造工程において、前記第二パッケージ材を、前記形状保持部に対して、前記柔軟層をクラッドまたはラミネート、蒸着、スパッタにより積層する、ことを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。
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