JP2004304017A - 電子部品パッケ−ジ - Google Patents
電子部品パッケ−ジ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004304017A JP2004304017A JP2003096306A JP2003096306A JP2004304017A JP 2004304017 A JP2004304017 A JP 2004304017A JP 2003096306 A JP2003096306 A JP 2003096306A JP 2003096306 A JP2003096306 A JP 2003096306A JP 2004304017 A JP2004304017 A JP 2004304017A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lid
- electronic component
- container
- plating layer
- metal plating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/15—Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/161—Cap
- H01L2924/1615—Shape
- H01L2924/16195—Flat cap [not enclosing an internal cavity]
Landscapes
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
【課題】従来のようなリッドと容器開口頂部の金属メッキ層が全周にわたって密着する構造のパッケージでは、パッケージ内部の気体や水分をパッケージ外に引き出し、パッケージ内部を真空にすることが難しく、また可能であっても、パッケージ内を所望の真空度にするのに時間を要してしまい、電子部品製造の作業性に問題が生じる可能性がある。
【解決手段】容器開口頂部に形成した金属メッキ層とリッドとをレーザ溶融接合し、内部に搭載した電子部品を気密封止する電子部品パッケ−ジにおいて、溶融接合される前のリッドの内側主面上において、少なくとも真空中でレーザ溶融接合される、相対した辺縁部から容器内部空間に至る溝が形成されていることを特徴とする電子部品パッケ−ジ。
【選択図】図1
【解決手段】容器開口頂部に形成した金属メッキ層とリッドとをレーザ溶融接合し、内部に搭載した電子部品を気密封止する電子部品パッケ−ジにおいて、溶融接合される前のリッドの内側主面上において、少なくとも真空中でレーザ溶融接合される、相対した辺縁部から容器内部空間に至る溝が形成されていることを特徴とする電子部品パッケ−ジ。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器側の金属層とリッドとを溶融接合して、内部の電子部品を気密封止する電子部品パッケ−ジに関し、特に、レ−ザビ−ムを使用し、内部を真空に気密封止する電子部品パッケ−ジに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に搭載される圧電振動子や圧電発振器等の電子部品における小型化の要求が強く、それに伴い各種電子部品パッケージが発明考案されている。
【0003】
図3は、従来技術として圧電振動子に使用される電子部品パッケージの一例を示す断面図である。即ち、一辺を開口して空間を形成した容器61内部に圧電振動体62を搭載し、容器61の開口頂部64にはメタライズ層及びその上に金属メッキ層63が形成され、金属メッキ層63の上にリッド65を被せている。
【0004】
リッド65と容器61とを接合するために、まずリッド65の相対する一方の辺縁部66aとその下にある金属メッキ層とを窒素又は大気雰囲気中でレーザ溶融接合し、その後リッド65の相対する他方の辺縁部66bとその下にある金属メッキ層とを真空中でレーザ溶融接合している。これにより容器内部を気密封止し電子部品パッケージ60を形成している。
【0005】
前記のような電子部品用パッケージの構造、及び気密封止に係る工程については、以下のような文献が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−46075号公報
【特許文献2】
特開2002−359311公報
【0007】
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電子部品パッケージの小型化が進み、長さ寸法が数mmとなるにつれ、パッケージを作成する際の製造精度を向上させる必要がある。特に容器とリッドとの封止には高い精度が必要とされ、それに対応するために、リッドの表面荒さの低減及び容器開口頂部に形成するび金属メッキ層の表面荒さの低減が図られ、リッドと金属メッキ層が隙間なく密着できるようになり、封止の信頼性が向上した。
【0009】
本発明ではより高品質な電子部品を得るため、まずリッドの相対する一方の辺縁部とその下の金属メッキ層とを窒素又は大気雰囲気中でレーザ溶融接合し、その後リッドの相対する他方の辺縁部と、その下の金属メッキ層とを真空中でレーザ溶融接合する工程でパッケージを気密封止している。しかし前述したようなリッドと容器開口頂部の金属メッキ層が密着する構造のパッケージでは、パッケージ内部の気体や水分をパッケージ外に引き出し、パッケージ内部を真空にすることが難しく、また可能であっても、パッケージ内を所望の真空度にするのに時間を要してしまい、電子部品製造の作業性に問題が生じる可能性がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述した問題点を解決するために成されたものであり、一辺を開口して電子部品を搭載する空間を形成した容器の開口頂部に、メタライズ層及びその上に金属メッキ層を形成し、金属メッキ層にリッドを被せてパッケージの外形を構成し、このパッケージの相対する一方の辺の、金属メッキ層とリッドとをレーザ溶融接合し、その後このパッケージの相対する他方の辺の、金属メッキ層とリッドとを真空中でレーザ溶融接合した、電子部品を気密封止する電子部品用パッケ−ジにおいて、溶融接合される前のリッドの主面上における、少なくとも真空中でレーザ溶融接合される、相対した辺の辺縁部から容器内部空間に至る溝が形成されていることを特徴とする電子部品パッケ−ジである。
【0011】
本発明の電子部品パッケージは、気密封止の信頼性を低下させることなく、容器内部を短時間に所望の真空度にする作用を成す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電子部品パッケ−ジの実施形態を各図面を参照しながら説明する。図1は本発明に関わる電子部品パッケ−ジを使用した圧電振動子の一実施形態を示す構成図である。図2乃至4は本発明の電子部品用パッケージに使用する各種リッドを、パッケージ内側になる面を上にした形で表した斜視図である。図5は図1記載の線分A1−A2でレーザ溶融封止後に切断した際の容器開口頂部付近の部分断面図である。尚、図1乃至5にあって、説明を明りょうにするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。特にリッドの厚さは本発明を理解し易くするためにデフォルメした形で現している。
【0013】
即ち、図1において電子部品パッケージ10は、一辺を開口して空間を形成した容器11内部に圧電振動体12を搭載し、容器11の開口頂部14全周にはタングステンからなるメタライズ層19(図示せず)、及びその上にニッケルなどの金属メッキ層13が形成され、金属メッキ層13の上にリッド15を被せることで構成されている。容器11は絶縁材であって、熱膨張係数が小さい材質、例えばセラミックス材により形成され、長さ方向の寸法を1〜数ミリメ−トル程度とした長方形の容器である。
【0014】
又、リッド15には、パッケージ10内部の空間に露出する側の主面上に、後述する少なくとも真空中でレーザ溶融接合される相対した辺縁部16bから、リッド15を容器11に被せた際に形成される容器内閉空間までに至る溝17が形成されている。尚、この溝17はリッド15の機械的強度を低下させることがないような形状で形成され、溝17を含むリッド15は、プレス或いはハ−フエッチングにより簡易に形成することが出来、その後、表面保護等を目的として必要により金属メッキ層(図示せず)が形成される。更に、リッド15に用いる材質としては、後述する気密封止時の加熱工程を考慮して、前記容器11の熱膨張率、この場合はセラミック材の熱膨張率に近いものとしてコバ−ル材が適当である。
【0015】
以下、以上の構成において、本発明に関わる電子部品パッケ−ジにおける気密封止の一工程について、図1及び図5を参照しつつ順を追って詳述する。
先ず、容器11の容器開口頂部14全周にわたってタングステン材によるメタライズ層18を印刷により形成する。この時のメタライズ層18の厚みは、この後の気密封止のための加熱溶融時の容器11に対するダメ−ジによる影響を抑え、軽減することを考慮して、10〜30μm程度とすることが望ましいものである。
【0016】
この後、前記メタライズ層18の表面に金属メッキ層13を形成する。具体的には、ニッケルメッキ層を形成するが、必要により更にその上に金メッキ層(図示せず)を形成することも可能である。
【0017】
以上の如くして容器開口頂部14にメタライズ層18及び金属メッキ層13を形成した容器11の内部に、圧電振動体12を搭載後、図示するようにリッド15を、容器11の容器開口部を塞ぐ位置となるように位置合わせしつつ容器11に形成した金属メッキ層13上に被せる。
【0018】
次に、以上のようにしてリッド15を容器開口頂部14上に載置した容器11を、窒素又は大気が置換された第1の密閉装置内に配置し、容器11及びリッド15で構成されるパッケージにおける、相対する一方の辺の金属メッキ層13とリッドの辺縁部16aとを、例えばYAGレ−ザを用い、レ−ザビームを照射してリッド15の一方の辺縁部16aと容器11の開口頂部、この場合、金属メッキ層13を共に溶融接合する。
【0019】
次に、リッド15の相対する一方の辺のみが溶接された容器11を、第2の密閉装置内に配置し、密閉装置内を真空にする。このとき、まだ溶接されていないリッド15の相対する他方の辺16bに形成された溝17の作用により、容器11内の空間にある窒素又は大気などの気体及び水分などを溝17を介して容器11外に引き出す。本発明では容器11内を所望の真空度にするのに、従来構造のパッケージに比べ半分以下の時間ですることができる。
【0020】
容器11内部の真空度が所望の値になった後、容器11及びリッド15で構成されるパッケージにおける、相対する他方の辺の金属メッキ層13とリッドの辺縁部16bとを、例えばYAGレ−ザを用い、レ−ザビームを照射して、リッド15の他方の辺縁部16bと容器11の容器開口頂部14、この場合、金属メッキ層19を共に溶融接合し、容器11内部の空間を気密封止する。図5にはリッド15に形成した溝17部分におけるレーザ溶接後の状態を断面図で表している。レーザの加熱によりリッド15の辺縁部16bと金属メッキ層19が溶融し、溶融したリッド材及び金属メッキ材が溝17内に流れ込み、溝17の辺縁部16b側が埋まり固化することで、容器内部を気密封止している。
【0021】
このような作用を成す溝17を形成したリッド15は、図2に開示した形状の他、図3又は図4のような形状の溝17を形成したリッド15でも良く、本発明と同様な作用を成すものであるなら、溝の形状を図2乃至4に開示した形状に限定するものではない。尚、図2乃至4において平行線で表した領域は、容器11の容器開口頂部14にリッド15を被せた際に金属メッキ層13と密着する領域を示している。更に、図3ではリッド15のすべての辺縁部16a及び16bに溝17を形成しているが、これは真空中で溶接する相対した2辺を、容器にリッドを被せ第1の封止装置内に配置した段階では限定しないような工程(パッケージの平面形状が正方形の場合など)で使用することを可能にしたものである。
【0022】
又、本実施例においては、リッド15に形成する溝17を、リッド15のパッケージ内部空間に露出する側のみに形成する構造としたが、溝17をリッド15の表裏両主面に形成することにより、リッドを容器開口頂部に搭載する際のリッド表裏判定工程を省略することができる。尚、本実施例では溝17をリッド辺縁部から容器内空間に至る位置までの形状で加工しているが、相対する辺にそれぞれ形成された溝をリッド主面中央まで伸ばし、相対する2本の溝を1本に繋げた溝の形状としても良い。
【0023】
また、容器11の材質の一実施形態として、セラミック材を用いて説明したが、絶縁体であれば他の材質でも問題はなく、例えば樹脂材で形成しても本発明の所期の効果が期待できることは説明するまでもない。
【0024】
更に、容器11とリッド15の材質の熱膨張率は、封止時に加えられる熱に対し、互いに影響を与えることを防ぐとともに、気密封止後に加熱された場合でも膨張率の違いによる封止部分での歪みの発生を抑えることから、同じか、その差が少ない組合せとすることがよい。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明に関わる電子部品パッケ−ジによれば、気密封止の信頼性を低下させることなく、容器内部を確実に且つ短時間に所望の真空度にする作用を成すことができ、因ってエージングなどの特性が良く且つ高品質の電子部品パッケ−ジを提供できる効果が期待出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に関わる電子部品パッケ−ジの一実施形態を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの一実施形態を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】図5は、図1記載の線分A1−A2において、レーザ溶接封止後に切断した際の容器開口頂部付近の状態を開示した部分断面図である。
【図6】図6は、従来技術における電子部品パッケ−ジの一実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
10,電子部品パッケージ
11,容器
12,圧電振動板
13,金属メッキ層
14,容器開口頂部
15,リッド
16a,16b,リッド辺縁部
17,溝
18,メタライズ層
【発明の属する技術分野】本発明は、容器側の金属層とリッドとを溶融接合して、内部の電子部品を気密封止する電子部品パッケ−ジに関し、特に、レ−ザビ−ムを使用し、内部を真空に気密封止する電子部品パッケ−ジに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に搭載される圧電振動子や圧電発振器等の電子部品における小型化の要求が強く、それに伴い各種電子部品パッケージが発明考案されている。
【0003】
図3は、従来技術として圧電振動子に使用される電子部品パッケージの一例を示す断面図である。即ち、一辺を開口して空間を形成した容器61内部に圧電振動体62を搭載し、容器61の開口頂部64にはメタライズ層及びその上に金属メッキ層63が形成され、金属メッキ層63の上にリッド65を被せている。
【0004】
リッド65と容器61とを接合するために、まずリッド65の相対する一方の辺縁部66aとその下にある金属メッキ層とを窒素又は大気雰囲気中でレーザ溶融接合し、その後リッド65の相対する他方の辺縁部66bとその下にある金属メッキ層とを真空中でレーザ溶融接合している。これにより容器内部を気密封止し電子部品パッケージ60を形成している。
【0005】
前記のような電子部品用パッケージの構造、及び気密封止に係る工程については、以下のような文献が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−46075号公報
【特許文献2】
特開2002−359311公報
【0007】
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電子部品パッケージの小型化が進み、長さ寸法が数mmとなるにつれ、パッケージを作成する際の製造精度を向上させる必要がある。特に容器とリッドとの封止には高い精度が必要とされ、それに対応するために、リッドの表面荒さの低減及び容器開口頂部に形成するび金属メッキ層の表面荒さの低減が図られ、リッドと金属メッキ層が隙間なく密着できるようになり、封止の信頼性が向上した。
【0009】
本発明ではより高品質な電子部品を得るため、まずリッドの相対する一方の辺縁部とその下の金属メッキ層とを窒素又は大気雰囲気中でレーザ溶融接合し、その後リッドの相対する他方の辺縁部と、その下の金属メッキ層とを真空中でレーザ溶融接合する工程でパッケージを気密封止している。しかし前述したようなリッドと容器開口頂部の金属メッキ層が密着する構造のパッケージでは、パッケージ内部の気体や水分をパッケージ外に引き出し、パッケージ内部を真空にすることが難しく、また可能であっても、パッケージ内を所望の真空度にするのに時間を要してしまい、電子部品製造の作業性に問題が生じる可能性がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述した問題点を解決するために成されたものであり、一辺を開口して電子部品を搭載する空間を形成した容器の開口頂部に、メタライズ層及びその上に金属メッキ層を形成し、金属メッキ層にリッドを被せてパッケージの外形を構成し、このパッケージの相対する一方の辺の、金属メッキ層とリッドとをレーザ溶融接合し、その後このパッケージの相対する他方の辺の、金属メッキ層とリッドとを真空中でレーザ溶融接合した、電子部品を気密封止する電子部品用パッケ−ジにおいて、溶融接合される前のリッドの主面上における、少なくとも真空中でレーザ溶融接合される、相対した辺の辺縁部から容器内部空間に至る溝が形成されていることを特徴とする電子部品パッケ−ジである。
【0011】
本発明の電子部品パッケージは、気密封止の信頼性を低下させることなく、容器内部を短時間に所望の真空度にする作用を成す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電子部品パッケ−ジの実施形態を各図面を参照しながら説明する。図1は本発明に関わる電子部品パッケ−ジを使用した圧電振動子の一実施形態を示す構成図である。図2乃至4は本発明の電子部品用パッケージに使用する各種リッドを、パッケージ内側になる面を上にした形で表した斜視図である。図5は図1記載の線分A1−A2でレーザ溶融封止後に切断した際の容器開口頂部付近の部分断面図である。尚、図1乃至5にあって、説明を明りょうにするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。特にリッドの厚さは本発明を理解し易くするためにデフォルメした形で現している。
【0013】
即ち、図1において電子部品パッケージ10は、一辺を開口して空間を形成した容器11内部に圧電振動体12を搭載し、容器11の開口頂部14全周にはタングステンからなるメタライズ層19(図示せず)、及びその上にニッケルなどの金属メッキ層13が形成され、金属メッキ層13の上にリッド15を被せることで構成されている。容器11は絶縁材であって、熱膨張係数が小さい材質、例えばセラミックス材により形成され、長さ方向の寸法を1〜数ミリメ−トル程度とした長方形の容器である。
【0014】
又、リッド15には、パッケージ10内部の空間に露出する側の主面上に、後述する少なくとも真空中でレーザ溶融接合される相対した辺縁部16bから、リッド15を容器11に被せた際に形成される容器内閉空間までに至る溝17が形成されている。尚、この溝17はリッド15の機械的強度を低下させることがないような形状で形成され、溝17を含むリッド15は、プレス或いはハ−フエッチングにより簡易に形成することが出来、その後、表面保護等を目的として必要により金属メッキ層(図示せず)が形成される。更に、リッド15に用いる材質としては、後述する気密封止時の加熱工程を考慮して、前記容器11の熱膨張率、この場合はセラミック材の熱膨張率に近いものとしてコバ−ル材が適当である。
【0015】
以下、以上の構成において、本発明に関わる電子部品パッケ−ジにおける気密封止の一工程について、図1及び図5を参照しつつ順を追って詳述する。
先ず、容器11の容器開口頂部14全周にわたってタングステン材によるメタライズ層18を印刷により形成する。この時のメタライズ層18の厚みは、この後の気密封止のための加熱溶融時の容器11に対するダメ−ジによる影響を抑え、軽減することを考慮して、10〜30μm程度とすることが望ましいものである。
【0016】
この後、前記メタライズ層18の表面に金属メッキ層13を形成する。具体的には、ニッケルメッキ層を形成するが、必要により更にその上に金メッキ層(図示せず)を形成することも可能である。
【0017】
以上の如くして容器開口頂部14にメタライズ層18及び金属メッキ層13を形成した容器11の内部に、圧電振動体12を搭載後、図示するようにリッド15を、容器11の容器開口部を塞ぐ位置となるように位置合わせしつつ容器11に形成した金属メッキ層13上に被せる。
【0018】
次に、以上のようにしてリッド15を容器開口頂部14上に載置した容器11を、窒素又は大気が置換された第1の密閉装置内に配置し、容器11及びリッド15で構成されるパッケージにおける、相対する一方の辺の金属メッキ層13とリッドの辺縁部16aとを、例えばYAGレ−ザを用い、レ−ザビームを照射してリッド15の一方の辺縁部16aと容器11の開口頂部、この場合、金属メッキ層13を共に溶融接合する。
【0019】
次に、リッド15の相対する一方の辺のみが溶接された容器11を、第2の密閉装置内に配置し、密閉装置内を真空にする。このとき、まだ溶接されていないリッド15の相対する他方の辺16bに形成された溝17の作用により、容器11内の空間にある窒素又は大気などの気体及び水分などを溝17を介して容器11外に引き出す。本発明では容器11内を所望の真空度にするのに、従来構造のパッケージに比べ半分以下の時間ですることができる。
【0020】
容器11内部の真空度が所望の値になった後、容器11及びリッド15で構成されるパッケージにおける、相対する他方の辺の金属メッキ層13とリッドの辺縁部16bとを、例えばYAGレ−ザを用い、レ−ザビームを照射して、リッド15の他方の辺縁部16bと容器11の容器開口頂部14、この場合、金属メッキ層19を共に溶融接合し、容器11内部の空間を気密封止する。図5にはリッド15に形成した溝17部分におけるレーザ溶接後の状態を断面図で表している。レーザの加熱によりリッド15の辺縁部16bと金属メッキ層19が溶融し、溶融したリッド材及び金属メッキ材が溝17内に流れ込み、溝17の辺縁部16b側が埋まり固化することで、容器内部を気密封止している。
【0021】
このような作用を成す溝17を形成したリッド15は、図2に開示した形状の他、図3又は図4のような形状の溝17を形成したリッド15でも良く、本発明と同様な作用を成すものであるなら、溝の形状を図2乃至4に開示した形状に限定するものではない。尚、図2乃至4において平行線で表した領域は、容器11の容器開口頂部14にリッド15を被せた際に金属メッキ層13と密着する領域を示している。更に、図3ではリッド15のすべての辺縁部16a及び16bに溝17を形成しているが、これは真空中で溶接する相対した2辺を、容器にリッドを被せ第1の封止装置内に配置した段階では限定しないような工程(パッケージの平面形状が正方形の場合など)で使用することを可能にしたものである。
【0022】
又、本実施例においては、リッド15に形成する溝17を、リッド15のパッケージ内部空間に露出する側のみに形成する構造としたが、溝17をリッド15の表裏両主面に形成することにより、リッドを容器開口頂部に搭載する際のリッド表裏判定工程を省略することができる。尚、本実施例では溝17をリッド辺縁部から容器内空間に至る位置までの形状で加工しているが、相対する辺にそれぞれ形成された溝をリッド主面中央まで伸ばし、相対する2本の溝を1本に繋げた溝の形状としても良い。
【0023】
また、容器11の材質の一実施形態として、セラミック材を用いて説明したが、絶縁体であれば他の材質でも問題はなく、例えば樹脂材で形成しても本発明の所期の効果が期待できることは説明するまでもない。
【0024】
更に、容器11とリッド15の材質の熱膨張率は、封止時に加えられる熱に対し、互いに影響を与えることを防ぐとともに、気密封止後に加熱された場合でも膨張率の違いによる封止部分での歪みの発生を抑えることから、同じか、その差が少ない組合せとすることがよい。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明に関わる電子部品パッケ−ジによれば、気密封止の信頼性を低下させることなく、容器内部を確実に且つ短時間に所望の真空度にする作用を成すことができ、因ってエージングなどの特性が良く且つ高品質の電子部品パッケ−ジを提供できる効果が期待出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に関わる電子部品パッケ−ジの一実施形態を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの一実施形態を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明に関わる電子部品パッケージを構成するリッドの他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】図5は、図1記載の線分A1−A2において、レーザ溶接封止後に切断した際の容器開口頂部付近の状態を開示した部分断面図である。
【図6】図6は、従来技術における電子部品パッケ−ジの一実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
10,電子部品パッケージ
11,容器
12,圧電振動板
13,金属メッキ層
14,容器開口頂部
15,リッド
16a,16b,リッド辺縁部
17,溝
18,メタライズ層
Claims (6)
- 一辺を開口して電子部品を搭載する空間を形成した容器の開口頂部に、メタライズ層及びその上に金属メッキ層を形成し、該金属メッキ層にリッドを被せパッケージの外形を構成し、該パッケージの相対する一方の二辺の、金属メッキ層とリッドとをレーザ溶融接合し、その後該パッケージの相対する他方の二辺の、金属メッキ層とリッドとを真空中でレーザ溶融接合した電子部品を気密封止する電子部品パッケ−ジにおいて、
溶融接合される前の該リッドの主面上における、少なくとも真空中でレーザ溶融接合する相対した二辺に、辺縁部から容器内部空間に至る溝が形成されていることを特徴とする電子部品パッケ−ジ。 - 気密封止前の該リッドに形成された溝が、各々の辺に少なくとも1カ所以上形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品パッケ−ジ。
- リッドの主面のうち、パッケージ内の空間に露出する面にのみ該溝を形成したことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の電子部品パッケージ。
- 該容器の材質として、絶縁材を使用したものであることを特徴とする請求項1記載の電子部品パッケ−ジ。
- 該容器と該リッドを、熱膨張係数が同じ、あるいは近い材質を組み合わせて形成したことを特徴とする請求項1記載の電子部品パッケ−ジ。
- 該容器の主たる構成材がセラミックスで、該リッドの主たる構成材がコバ−ルで形成したことを特徴とする請求項1記載の電子部品パッケ−ジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003096306A JP2004304017A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電子部品パッケ−ジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003096306A JP2004304017A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電子部品パッケ−ジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004304017A true JP2004304017A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33408412
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003096306A Pending JP2004304017A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電子部品パッケ−ジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004304017A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015094614A (ja) * | 2013-11-11 | 2015-05-18 | セイコーエプソン株式会社 | 蓋体、パッケージ、電子機器、移動体、およびパッケージの製造方法 |
US9660176B2 (en) | 2012-09-26 | 2017-05-23 | Seiko Epson Corporation | Method of manufacturing electronic device, electronic apparatus, and mobile apparatus |
JP2018105889A (ja) * | 2018-03-26 | 2018-07-05 | セイコーエプソン株式会社 | パッケージ、電子機器、移動体、およびパッケージの製造方法 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096306A patent/JP2004304017A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9660176B2 (en) | 2012-09-26 | 2017-05-23 | Seiko Epson Corporation | Method of manufacturing electronic device, electronic apparatus, and mobile apparatus |
JP2015094614A (ja) * | 2013-11-11 | 2015-05-18 | セイコーエプソン株式会社 | 蓋体、パッケージ、電子機器、移動体、およびパッケージの製造方法 |
CN104639088A (zh) * | 2013-11-11 | 2015-05-20 | 精工爱普生株式会社 | 盖体、封装、电子设备、移动体以及封装的制造方法 |
CN104639088B (zh) * | 2013-11-11 | 2019-09-06 | 精工爱普生株式会社 | 盖体、封装、电子设备、移动体以及封装的制造方法 |
CN110379773A (zh) * | 2013-11-11 | 2019-10-25 | 精工爱普生株式会社 | 封装、电子设备、移动体和封装的制造方法 |
CN110379773B (zh) * | 2013-11-11 | 2023-04-21 | 精工爱普生株式会社 | 封装、电子设备、移动体和封装的制造方法 |
JP2018105889A (ja) * | 2018-03-26 | 2018-07-05 | セイコーエプソン株式会社 | パッケージ、電子機器、移動体、およびパッケージの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4707725B2 (ja) | パッケージ型圧電振動子及びパッケージ型圧電振動子の製造方法 | |
JP2007013636A (ja) | 圧電振動子の製造方法及び圧電振動子 | |
KR20090048539A (ko) | 압전 진동 장치 | |
US20060022319A1 (en) | Airtight package, piezoelectric device, and piezoelectric oscillator | |
JP3448865B2 (ja) | 電子部品用パッケージおよび圧電振動デバイス | |
JP2005026974A (ja) | 圧電振動デバイスの製造方法およびその方法によって製造された圧電振動デバイス | |
JP2004304017A (ja) | 電子部品パッケ−ジ | |
JP4427873B2 (ja) | 圧電振動デバイス用パッケージ | |
JP2010103600A (ja) | 振動子およびその製造方法 | |
JP2004266239A (ja) | 圧電デバイス | |
JP3401781B2 (ja) | 電子部品用パッケージおよび電子部品用パッケージの製造方法 | |
JP3797061B2 (ja) | セラミックパッケージの封止方法と封止構造 | |
JPH11340348A (ja) | 素子の封止パッケージ構造およびその製造方法 | |
JP2007013608A (ja) | 圧電振動子の製造方法及び圧電振動子 | |
JP3800998B2 (ja) | 電子部品用パッケージと、それを用いた電子パッケージ部品及び電子機器 | |
JP3897162B2 (ja) | 電子部品用パッケ−ジ | |
JP2002033636A (ja) | 圧電振動デバイス用パッケージ | |
JP2004179373A (ja) | 電子部品パッケ−ジとその封止方法 | |
JP2004281545A (ja) | 圧電デバイス用パッケージの封止方法並びにパッケージの蓋体及び圧電デバイス | |
US20240090133A1 (en) | Electronic component package and method for manufacturing electronic component package | |
JP2004241671A (ja) | 電子部品パッケージ及びその封止方法 | |
JP2010034099A (ja) | 気密封止方法 | |
JP3438224B2 (ja) | 圧電振動デバイス | |
JP4364676B2 (ja) | 電子部品用パッケ−ジの製造方法 | |
JP2006080380A (ja) | 電子部品用パッケージの封止方法 |