JP4709925B2 - 燃焼度相対分布測定方法、燃焼度相対分布測定装置、放射線信号分布測定装置及び燃焼度相対分布測定プログラム - Google Patents

燃焼度相対分布測定方法、燃焼度相対分布測定装置、放射線信号分布測定装置及び燃焼度相対分布測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体における軸方向の燃焼度相対分布を測定する燃焼度相対分布測定方法、燃焼度相対分布測定装置、放射線信号分布測定装置及び燃焼度相対分布測定プログラムに関する。
原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の燃焼度測定結果は、燃料集合体を貯蔵し保管するための貯蔵プールの貯蔵ラックや燃料を輸送するための輸送キャスクなどに燃料集合体を装荷する際、または使用済燃料の再処理施設で燃料溶解時の臨界安全性の確認や遮蔽性の確認の際に利用することができる。また、原子炉の炉心管理計算との比較照合を行って、計算の信頼性確認のためにも利用することができる。更に、燃料集合体が十分に燃焼して、内蔵する核燃料物質量が減少していることを確かめるための査察検査にも利用することができる。このような利用を図るために、従来、燃料集合体の燃焼度測定技術の開発が国内外で盛んに行われてきた。
原子炉、特に沸騰水型や加圧水型の軽水炉の燃料集合体では、燃料が充填された燃料有効部長さが3m以上であり、原子炉内の中性子束分布のために、燃焼度は中央部で高く、上下端部で低い分布を示す。このため、中性子が照射された燃料集合体の燃焼度を精度良く測定するためには、燃料集合体の全長に亘って燃焼度分布を測定する必要がある。従来開発された燃焼度測定技術には、特許文献1及び2に示すように、燃料集合体の側方に放射線測定用の検出器を多数配置して、それらの信号分布から燃焼度相対分布を測定する方法がある。また、燃料集合体を検出器の側方で上下に移動させながら、燃料集合体における軸方向全長の燃焼度相対分布を測定する方法もある(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1:特開平1−92692号公報
特許文献2:特開平2−222884号公報
特許文献3:特開平3−273192号公報
発明の開示
上述のような従来の燃焼度相対分布の測定方法、即ち、検出器を多数配置して一度に燃焼度相対分布を測定する方法や、燃料集合体を上下に移動させながら燃焼度相対分布を測定する方法は、燃焼度相対分布測定の目的を達成することは可能である。
しかし、多数の検出器を用いる場合に、測定の途中で一部の検出器がノイズなどの原因により本来と異なる信号を出力したときには、測定された信号分布から正常な結果が得られない。更に、劣化などの原因により一部の検出器の感度が変化してしまった場合にも正常な結果が得られない。
また、燃料集合体を移動させながら測定する場合にも、測定の途中でノイズなどの原因で測定値が異常となったときには、正常な結果を得ることができない。燃料を移動させるためには、その駆動力となるモータなどが稼動しており、電気的に負荷の大きな回路が近くに存在するため、この回路がノイズ発生源となって測定信号に悪影響を及ぼす恐れがある。
測定値を十分に吟味することによって、ノイズなどの異常な測定値を除外することが可能な場合も考えられる。しかしながら、例えば、使用済燃料を輸送キャスクに順次装荷していく作業の過程で、燃料集合体の燃焼度を測定した直後に当該燃料集合体をキャスクに収納する場合のように、測定結果を十分に吟味する期間が与えられていないときには、上述のような突発的な異常信号を見落とす可能性がないとはいえない。
また、多数の検出器を用いて燃焼度相対分布を測定する装置では、測定時間は短縮されるものの、検出器の個数が多いために、故障率が高いことや製造・保守のための費用が多くなるなどの欠点がある。一方、燃料集合体を移動させながら測定する方法では、故障率や費用では優るが、多大な測定時間を要することが欠点となる。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体の燃焼度相対分布を測定できる燃焼度相対分布測定方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、測定結果の信頼性を確保しつつ、燃料集合体の燃焼度相対分布を効率的に測定できる燃焼度相対分布測定方法及びプログラムを提供することにある。
本発明に係る燃焼度相対分布測定方法は、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に所定の間隔で設置し、前記燃料集合体と前記検出器を当該燃料集合体の軸方向に沿って相対移動させながら、前記検出器により放射線信号の分布を測定し、これら複数の検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号分布を比較することによって、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、測定された放射線信号を用いて相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とするものである。
また、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法は、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、最下位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器とを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記各検出器により放射線信号の分布を測定し、前記燃料集合体の軸方向に隣接する検出器により当該燃料集合体の同一部分を部分的に重複して測定し、この重複部分の放射線信号の関係を前回の測定結果を含む基準値と比較することにより、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、複数の前記検出器により測定された放射線信号を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出し、この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とするものである。
更に、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法は、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、複数の検出器ユニットを、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器ユニット個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、前記検出器ユニットが、前記燃料集合体の軸方向に所定間隔で設置された、放射線を検出する複数の検出器からなり、最下位置の前記検出器ユニットにおける最上位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器ユニットとを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器ユニットの間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記検出器ユニットの前記各検出器により放射線信号の分布を測定し、前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより当該燃料集合体の軸方向同一部分を部分的に重複して測定し、また、前記各検出器ユニットにおける複数の前記検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定し、前記各検出器ユニットにおける複数の検出器により多重化して測定された放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器ユニットの当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、複数の前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号を、前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせることにより組み合わせて、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出し、この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とするものである。
本発明に係る燃焼度相対分布測定プログラムは、燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に所定の間隔で設置し、前記燃料集合体と前記検出器を当該燃料集合体の軸方向に沿って相対移動させながら、前記検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、複数の前記検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、この判定後に、測定された放射線信号を用いて相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
また、本発明に係る燃焼度相対分布測定プログラムは、燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、最下位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器とを当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記各検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、前記燃料集合体の軸方向に隣接する各検出器により部分的に重複して測定された前記燃料集合体の重複部分の放射線信号の関係を、前回の測定結果を含む基準値と比較することにより、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、この判定後に、複数の前記検出器により測定された放射線信号を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する手順と、この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
更に、本発明に係る燃焼度相対分布測定プログラムは、燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、複数の検出器ユニットを、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器ユニット個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、前記検出器ユニットが、前記燃料集合体の軸方向に所定間隔で設置された、放射線を検出する複数の検出器からなり、最下位置の前記検出器ユニットにおける最上位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器ユニットとを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器ユニットの間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、前記各検出器ユニットにおける複数の検出器により多重化して測定された放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器ユニットの当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、その後、複数の前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号を、前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせることにより組み合わせて、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する手順と、この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
本発明に係る燃焼度相対分布測定方法及びプログラムによれば、複数の検出器により燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号分布を比較することによって、測定毎に各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、測定された放射線信号を用いて燃焼度相対分布を測定することから、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体の燃焼度相対分布を測定できる。
また、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法及びプログラムによれば、燃料集合体の軸方向に隣接する各検出器により燃料集合体の同一部分を部分的に重複して測定し、この重複部分の放射線信号の関係を前回の測定結果を含む基準値と比較することにより、測定毎に各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、複数の前記検出器により測定された放射線信号を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。このように、測定毎に各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定することで、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体の燃焼度相対分布を測定できる。
また、燃料集合体と検出器とを、当該燃料集合体の軸方向に沿って検出器間隔よりも長い距離を相対移動させながら、各検出器により放射線信号の分布を測定することから、上記移動距離が短縮されて、放射線信号の測定時間を短縮できるので、燃料集合体の燃焼度相対分布を効率的に測定することができる。
更に、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法及びプログラムによれば、各検出器ユニットにおける複数の検出器により多重化して測定された放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器ユニットの当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、複数の検出器ユニットの各検出器により測定された放射線信号を、燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせることにより組み合わせて、燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。このように、測定毎に各検出器ユニットのそれぞれの検出器により測定された放射線信号の健全性を判定することで、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体の燃焼度相対分布を測定できる。
また、燃料集合体と検出器ユニットとを、当該燃料集合体の軸方向に沿って検出器ユニットの間隔よりも長い距離を相対移動させながら、各検出器ユニットの各検出器により放射線信号の分布を測定することから、上記移動距離が短縮されて、放射線信号の測定時間を短縮できるので、燃料集合体の燃焼度相対分布を効率的に測定することができる。
(A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第1の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図1(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 (A)が、図1(A)の検出装置の他の態様を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図2(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 図1(A)の検出器を含む測定系と信号処理装置とを示すブロック図である。 図3の測定系及び信号処理装置が実行する燃焼度相対分布測定方法を示すフローチャートである。 本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。 (A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第3の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図6(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 (A)が、図6(A)の検出装置の他の態様を燃料集合体と共に示す側面図、(B)が、図7(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 図7(A)の検出器を含む測定系と信号処理装置を示すブロック図である。 図8の測定系及び信号処理装置が実行する燃焼度相対分布測定方法を示すフローチャートである。 (A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第4の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図10(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 (A)が、図10(A)の検出装置の他の態様を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図11(A)の検出器により測定された信号を示すグラフである。 (A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第5の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図12(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。 図12(A)の検出器を含む測定系と信号処理装置を示すブロック図である。 図13の測定系及び信号処理装置が実行する燃焼度相対分布測定方法の一部を示すフローチャートである。 図14のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したり、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせたりして実施する形態も包含する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図4)
図1は、(A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第1の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図1(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。図3は、図1(A)の検出器を含む測定系と信号処理装置とを示すブロック図である。
本実施の形態における燃焼度相対分布測定方法では、まず、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体1の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器、例えば上検出器2及び下検出器3を、燃料集合体1の軸方向に所定の間隔で設置する。
図1に示す検出装置4には、検出器保持部5の対向位置に検出器ユニット6及び7が設置され、各検出器ユニット6、7に上検出器2及び下検出器3が備えられている。これらの上検出器2と下検出器3は、燃料集合体1の軸方向長さに対して比較的短い、5〜50cmの範囲の距離で接近して配置されている。検出器保持部5における検出器ユニット6、7間を挟む中央位置に燃料集合体1が配置される。
ここで、検出器ユニット6と7のそれぞれの上検出器2及び下検出器3は、燃料集合体1の対向するそれぞれの側面A、Bの放射線信号分布を独立して検出し、これにより、燃料集合体1の対向する側面A、Bのそれぞれの燃焼度相対分布が後述のごとく独立して測定される。従って、本実施の形態を含めた各実施の形態においては、燃料集合体1の一方の側面Aについて検出器ユニット6により放射線信号分布を測定し、この放射線信号分布に基づいて、燃料集合体1の側面Aについて燃焼度相対分布を測定する場合を説明する。
次に、検出器ユニット6の上検出器2を燃料集合体1の燃料有効部8の下端に位置付けた状態で、燃料集合体1と検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3とを、燃料集合体1の軸方向に沿って相対移動させながら、検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3により、燃料集合体1の側面Aについて放射線信号の分布を測定する。
燃料集合体1と上検出器2及び下検出器3との相対移動は、燃料集合体1、及び、上検出器2と下検出器3の少なくとも一方を移動させる駆動部23によってなされる。例えば、図1(A)に示した検出装置4は、上検出器2及び下検出器3を保持する検出器保持部5と、燃料集合体1を上下方向へ移動させる駆動部23を有して構成されており、駆動部23が燃料集合体1と上検出器2及び下検出器3との相対移動を行う。
図1(A)に一例として示される駆動部23は、例えばモータ等の駆動機構を有しており、当該駆動機構の作用によって、燃料集合体1の上端を掴んで吊り下げた状態のまま、測定の際には、初期位置から下方(図1(A)に示す矢印方向)に移動させたり、測定後は上方に持ち上げたりの上下方向の移動が可能となる。尚、駆動機構については公知技術を採用して成し得るものから適宜選択できる。例えば、燃料集合体1を下方から保持して支える台を設け、この台を油圧機構(油圧ピストン)によって上下方向に移動させることも可能である。
また、図1(A)に示した検出装置4では、燃料集合体1を上検出器2及び下検出器3に対して下方へ移動させることによって燃料集合体1と上検出器2及び下検出器3との相対移動を行っているが、図2(A)に示した検出装置4のように、上検出器2及び下検出器3を備えた検出器ユニット6を保持する検出器保持部5に駆動部23を設け、駆動部23の駆動機構の作用によって、検出器ユニット6を燃料集合体1の軸方向に沿って上方(図2(A)に示す矢印方向)へ移動させて燃料集合体1と上検出器2及び下検出器3との相対移動を行っても良い。
尚、図2(A)に一例として示される駆動部23の駆動機構についても、公知技術を採用して成し得るものから適宜選択するものである。例えば、螺子シャフトの回転によって検出器ユニット6,7を上下方向に駆動する駆動機構や検出器ユニット6,7をワイヤで吊り下げておき、当該ワイヤをモータ等で巻き取り及び送り出しを行うことで検出器ユニット6,7を上下方向に駆動する駆動機構を採用することもできる。
このように構成される駆動部23の作用によって、燃料集合体1と検出器ユニット6,7における上検出器2及び下検出器3との相対移動を行うことで、燃料集合体1の側面A、Bについて、燃料有効部8の略全長にわたる放射線信号の分布を多重化して測定することができる。
次に、検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3により燃料集合体1の燃料有効部8について多重化して測定した放射線信号分布を比較することによって、測定毎に上検出器2及び下検出器3により測定された放射線信号の健全性を判定する。この判定は、後述のごとく、検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3により多重化して測定された放射線信号をそれぞれ規格化し、これらの規格化値の差の最大値を判定値と比較することによって実施する。
図1(B)において、上検出器2により測定された放射線信号分布を破線α1に、下検出器3により測定された放射線信号分布を実線β1にそれぞれ示す。上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号の分布は、検出器の感度の相違によって信号の絶対値が異なる場合はあるものの、本来同一な形状となる。しかし、上検出器2と下検出器3のいずれかが故障や突発的なノイズ等によって異常な状態となった場合には、これらの上検出器2と下検出器3により測定される放射線信号の分布は、同一な形状からずれてしまう。従って、上検出器2と下検出器3により測定された放射線信号を比較することによって、これらの信号の異常を判定することが可能となる。
その後、検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3により測定された放射線信号を用いて相対燃焼度を算出し、燃料集合体1の側面Aについて軸方向の燃焼度相対分布を測定する。
放射線信号からの相対燃焼度の算出は、測定される放射線信号の種類によって異なる。つまり、上検出器2及び下検出器3が、放射線としてのガンマ線をエネルギー弁別することなくガンマ線エネルギー総量として、つまり、グロスガンマ線として測定する電離箱である場合には、このグロスガンマ線信号分布と相対燃焼度分布とは必ずしも一致しない。そこで、この場合には、放射線信号(グロスガンマ線信号)と相対燃焼度との関係を、本発明者が特許文献2に開示した例えば式(4)を用いて予め求め、この関係を用いて放射線信号(グロスガンマ線信号)から相対燃焼度を算出する。
また、上検出器2及び下検出器3が、Ge半導体検出器のようにエネルギー分解能が高い検出器である場合で、137Csから放出される662keVのガンマ線を放射線として測定した場合には、このガンマ線信号分布は相対燃焼度分布と一致する。従って、この場合には、上検出器2及び下検出器3が検出した放射線信号から直ちに相対燃焼度を求めることが可能となる。但し、本実施の形態を含めた全ての実施の形態においては、装置構成が簡易な電離箱が上検出器2及び下検出器3として用いられる。
ところで、図1に示す上検出器2、下検出器3のそれぞれは、図3に示すように測定器9、10にそれぞれ接続され、上検出器2及び測定器9により測定系11が、下検出器3及び測定器10により測定系12が構成される。上検出器2にて検出され測定器9にて増幅された放射線信号(上検出器信号ともいう)と、下検出器3にて検出され測定器10にて増幅された放射線信号(下検出器信号ともいう)は、ともに信号処理装置13へ入力される。この信号処理装置13はコンピュータであり、分布データ演算部14、15、規格化部16、17、比較判定演算部18、平均化演算部19及び燃焼度相対分布演算部20の各機能部を有する。これらの機能部の各機能を実現する後述の手順ST1〜ST14(図4)が、図示しない記憶装置にコンピュータプログラムとして記憶されている。
前記測定器9、10は、前述のごとく上検出器2、下検出器3からのそれぞれの放射線信号を増幅するものであり、図4のフローチャートにおいて、測定器9が手順ST1及びST2を、測定器10が手順ST1及びST3をそれぞれ実行する。
分布データ演算部14は、燃料集合体1に対する上検出器2の測定位置と、当該上検出器2による上検出器信号とを対応付けた分布データを演算するものであり、図4のフローチャートの手順ST4及びST5を実行する。また、分布データ演算部15は、燃料集合体1に対する下検出器3の測定位置と、当該下検出器3による下検出器信号とを対応付けた分布データを演算するものであり、図4のフローチャートの手順ST6及びST7を実行する。
規格化部16は、上検出器信号を規格化して規格化値を算出するものであり、図4のフローチャートの手順ST8を実行する。また、規格化部17は、下検出器信号を規格化して規格化値を算出するものであり、図4のフローチャートの手順ST9を実行する。
比較判定演算部18は、規格化部16及び17による規格化値の差の最大値を判定値と比較して、上検出器2及び下検出器3にて測定された放射線信号の健全性を判定するものであり、図4のフローチャートの手順ST10〜ST12を実行する。
平均化演算部19は、上検出器2と下検出器3により多重化して測定された上検出器信号と下検出器信号との平均値を算出するものであり、図4のフローチャートの手順ST13を実行する。
相対燃焼度算出部20は、平均化演算部19にて算出された上検出器信号と下検出器信号との平均値から相対燃焼度を算出して、燃焼度相対分布を求めるものであり、図4のフローチャートの手順ST14を実行する。
この信号処理装置13が実行する燃焼度相対分布測定の手順を、図4を用いて以下に説明する。
燃料集合体1の側面Aに検出器ユニット6の上検出器2及び下検出器3が対面して隣接設置されている状態で、燃料集合体1の位置zを変化させながら、上検出器2により上検出器信号S1を測定し、下検出器3により下検出器信号S2を測定する(ST1、2、3)。
燃料集合体1の位置zを、上検出器2の位置に変換する値A1と、下検出器3の位置に変換する値A2とが、検出装置4における上検出器2、下検出器3の据付位置と、燃料集合体1の駆動装置との取り合いによって決められる。この変換値A1を燃料集合体1の位置zに加えて、燃料集合体1に対する上検出器2の測定位置Z1を求め(ST4、5)、また、変換値A2を燃料集合体1の位置zに加えて、燃料集合体1に対する下検出器3の測定位置Z2を求める(ST6、7)。
次に、燃料集合体1における燃料有効部8の下端から上端までの上検出器信号S1の平均値Sa1でこの上検出器信号S1を割って、上検出器信号S1の規格化値Sn1を求める(ST8)。同様に、燃料集合体1における燃料有効部8の下端から上端までの下検出器信号S2の平均値Sa2でこの下検出器信号S2を割って、下検出器信号S2の規格化値Sn2を求める(ST9)。
上検出器2及び下検出器3が、燃料集合体1における燃料有効部8の同じ位置を多重化して測定した場合、即ちZ1=Z2の場合毎に、両規格化値Sn1とSn2との差Δを求め(ST10)、この差Δの絶対値の最大値Δmaxを求める(ST11)。この最大値Δmaxが予め決められた判定値Hよりも小さい場合に、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号に異常がないと判定する(ST12)。
この差Δは、平均値が1となるように規格化された規格化値Sn1とSn2の差であるから、測定が正常に行われた場合には、差Δが0に近い値となる。従って、判定値Hは、両検出器信号S1、S2のばらつきや、燃料集合体1の位置ずれ等による測定誤差を考慮して決定される。
そして、上検出器2及び下検出器3が燃料有効部8の同じ位置を測定した場合、即ちZ1=Z2の場合における上検出器信号S1と下検出器信号S2との平均値Sを求める(ST13)。この平均値Sは、上検出器信号S1と下検出器信号S2の幾何平均値を用いてもよい。この幾何平均は相乗平均とも呼ばれるもので、上検出器信号S1と下検出器信号S2の積の平方根である。
上下両検出器信号S1、S2の平均値Sと燃焼度との関係を予め計算しておき、この関係を用いて、手順ST13にて求めた平均値Sから相対燃焼度BUを算出し、燃焼度相対分布を求める(ST14)。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)上検出器2及び下検出器3により燃料集合体1の燃料有効部8における軸方向同一部分を多重化して測定し、これらの上下両検出器信号のそれぞれの規格化値の差の最大値を判定値Hと比較することによって、測定毎に上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された上検出器信号、下検出器信号の健全性を判定し、その後、上下両検出器信号の平均値を用いて相対燃焼度を求め、燃焼度相対分布を測定することから、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体1の燃焼度相対分布を測定することができる。
(2)燃料集合体1の側面Aに多数の検出器を設置せず、2台の検出器(即ち上検出器2及び下検出器3)を設置しただけなので、検出器の個数が多い場合に比べ、検出器の故障率が低くなり、且つ保守費用も低減できる。
尚、上検出器2、測定器9及びこの測定器9への電源系統21(図3)と、下検出器3、測定器10及びこの測定器10への電源系統22とが多重化して別系統に構成されている。このため、これら多重化された何れかの系統に故障やノイズ等の異常の発生が判明した場合、他方の系統が正常であることを確認できれば、正常な系統で測定された放射線信号を用いて、燃焼度相対分布を測定することも可能である。
また、燃料集合体1の対向する側面A、Bに配置された上検出器2どうし、または下検出器3どうしのそれぞれの検出器信号(放射線信号)を平均化することにより測定精度を向上させて、燃料集合体1の側面A、B毎ではなく、燃料集合体1毎に燃焼度相対分布を求めてもよい。この場合には、上検出器2、下検出器3のそれぞれを、燃料集合体1の対向する2側面または4側面に設置するのが望ましい。また、発明者らが特許文献3に開示したように、上述の平均化の際に、燃料集合体1の対向する2側面についての上検出器2または下検出器3の検出器信号の幾何平均を求めることにより、更に測定精度を向上させることが可能になる。
つまり、幾何平均は相乗平均とも呼ばれるもので、2個の値の積の平方根である。燃料集合体1が水平方向に位置がずれて、所定の位置よりも少しだけ片側の検出器に近寄った場合、この燃料集合体1は反対側の検出器からは同じ距離だけ遠ざかる。放射線強度は水などの遮蔽物を通るとき、通った距離の指数関数として減衰するので、もとの値が同じである場合、同じ距離だけ指数関数的に減少したものと、指数関数的に増加したものの積は、指数関数による影響が相殺されてもとの値の2乗になる。従って、その平方根、即ち幾何平均はもとの値となる。幾何平均は、燃料集合体1において対向する2側面の放射線強度が近い値の場合に有効である。
[B]第2の実施の形態(図5)
図5は、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の燃焼度相対分布測定方法が前記第1の実施の形態と異なる点は、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号の健全性の判定手順である。つまり、上検出器2、下検出器3により多重化してそれぞれ測定された放射線信号(上検出器信号、下検出器信号)を規格化した後、これらの規格化値の比の最大値と最小値を、それぞれの判定値と比較することによって、上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号の健全性を判定する。
本実施の形態の燃焼度相対分布の測定手順を、図5を用いて以下に説明する。
前記第1の実施の形態の手順ST1〜ST9と同様の手順で、上検出器2による上検出器信号S1の規格化値Sn1と、下検出器3による下検出器信号S2の規格化値Sn2を求める(ST21〜ST29)。
上検出器2及び下検出器3が燃料集合体1における燃料有効部8の同じ位置を測定した場合、即ちZ1=Z2の場合毎に、規格化値Sn1とSn2との比Rを求める(ST30)。次に、この比Rの最大値Rmax及び最小値Rminを求める(ST31)。この比の最小値Rminが予め決められた判定値Hminよりも大きく、かつ、最大値Rmaxが予め決められた判定値Hmaxよりも小さいときに、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号に異常がないと判定する(ST32)。
この比Rは、平均値が1となるように規格化された規格化値Sn1とSn2の比であるから、測定が正常に行われた場合には、1に近い値となる。また、比の最小値Hmin、最大値Hmaxは、第1の実施の形態と同様に、両検出器信号S1、S2のばらつきや、燃料集合体1の位置ずれ等による測定誤差を考慮して決定される。
そして、第1の実施の形態の手順ST13及び14と同様に、Z1=Z2の場合の上検出器信号S1と下検出器信号S2の平均値Sを求め(ST33)、上下両検出器信号S1、S2の平均値Sと燃焼度との予め計算した関係を用いて、手順ST33にて求めた平均値Sから相対燃焼度BUを算出し、燃料集合体1の燃焼度相対分布を求める(ST34)。
従って、本実施の形態においても、測定毎に上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号の健全性を判定することから、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図6〜図9)
図6は、(A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第3の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図6(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態における燃焼度相対分布測定方法は、まず、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体1の対向する側面A、Bのそれぞれに対面して、放射線を検出する上検出器2及び下検出器3を、燃料集合体1の軸方向に沿って配置する。これらの上検出器2と下検出器3は、燃料集合体1の軸方向に沿って、当該燃料集合体1の燃料有効部8の長さの約半分の距離だけ離間して、好ましくは、燃料有効部8の長さの半分よりも若干短い距離だけ離間して配置される。つまり、検出装置30の検出器保持部31には、その上部に上検出器2が設置され、この上検出器2よりも燃料有効部8の長さの約半分の距離(好ましくは燃料有効部8の長さの半分よりも若干短い距離)だけ下方に下検出器3が設置される。
次に、下検出器3を燃料集合体1の燃料有効部8の下端に位置付けた状態で、燃料集合体1を軸方向に沿って、燃料有効部8の長さの約半分よりも若干長い距離だけ下方へ移動させながら、上検出器2及び下検出器3により放射線信号の分布を測定する。このとき、燃料集合体1の燃料有効部8における略上半分の範囲の放射線信号分布が上検出器2により測定され、燃料有効部8の略下半分の範囲の放射線信号分布が下検出器3により測定される。更に、燃料有効部8の上下略中央部分の放射線信号分布が上検出器2及び下検出器3により重複して測定される。
燃料集合体1を、検出器保持部31に固定配置の上検出器2及び下検出器3に対して下方へ移動させる代りに、図7(A)に示すように、上検出器2及び下検出器3を燃料集合体1に対して上方へ移動させてもよい。つまり、上検出器2及び下検出器3を、それらの離間距離を燃料有効部8の約半分の距離に保持した状態で、検出器保持部31に対して燃料集合体1の軸方向に沿い上方へスライドさせる。そして、これらの上検出器2及び下検出器3を、燃料集合体1に対して燃料有効部8の約半分よりも若干長い距離だけ移動(スライド)させながら、燃料有効部8の上半分の範囲の放射線信号分布を上検出器2により、下半分の範囲の放射線信号分布を下検出器3により、上下略中央部分の放射線信号分布を上検出器及び下検出器3により、それぞれ測定するようにしてもよい。
次に、上検出器2及び下検出器3が測定した放射線信号の健全性を判定する。つまり、上検出器2及び下検出器3が放射線信号分布を重複して測定した燃料集合体1の燃料有効部8の上下略中央部分について、各放射線信号の比を求め、この比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比の平均値を含む基準値、即ち当該比の平均値及び予め決められた判定値と比較する。この比較により、上検出器2及び下検出器3が測定した放射線信号の健全性を判定する。
図6(B)において、上検出器2により測定された放射線信号分布を破線α2で、下検出器3により測定された放射線信号分布を実線β2で示す。燃料集合体1における燃料有効部8の同一部分を上検出器2及び下検出器3にて重複して測定したときの測定信号の強度は、検出器の感度により相違はあるものの、どの燃料集合体1を測定した場合も略同一である。従って、上検出器2及び下検出器3により重複して測定した部分における放射線信号の比を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比などと比較することにより、測定毎に上検出器2、下検出器3の故障や感度の変化の有無を判定することが可能となる。
この判定後、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号を、同一の感度レベルに補正する。そして、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号を、これらの放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号に重ね合わせて組み合わせることにより、燃料集合体1の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して、燃料集合体1の燃焼度相対分布を測定する。
上述のような燃焼度相対分布の測定は、図8に示す信号処理装置32によって主に実施される。この信号処理装置32は、前記第1の実施の形態の信号処理装置13と略同様な構成であるが、信号処理装置13の規格化部16及び17が省略され、比較判定演算部33の内容が信号処理装置13の比較判定演算部18と異なり、信号処理装置13の平均化演算部19に代えて合成演算部34が設けられたものである。この信号処理装置32もコンピュータにて構成され、この信号処理装置32を駆動させる後述の手順ST41〜ST53は、コンピュータプログラムとして図示しない記憶装置に記憶される。
この信号処理装置32、測定器9及び10と、それぞれが実行する図9に示す手順ST41〜ST53との関係を、以下に示す。測定器9は手順ST41及びST42を実行し、測定器10は、手順ST41及びST43を実行する。分布データ演算部14は手順ST44及びST45を実行し、分布データ演算部15は手順ST46及びST47を実行する。比較判定演算部33は、上検出器2と下検出器3が重複して測定した部分について放射線信号の比を求め、これらの放射線信号の健全性を判定するものであり、手順ST48〜ST51を実行する。合成演算部34は、上検出器2と下検出器3のそれぞれが測定した放射線信号(それぞれ上検出器信号、下検出器信号ともいう)を組み合わせて燃料集合体1の軸方向の放射線信号分布を演算するものであり、手順ST52を実行する。相対燃焼度算出部20は手順ST53を実行する。
上述の信号処理装置32等が実行する燃焼度相対分布測定の手順を、図9を用いて以下に説明する。
燃料集合体1の例えば側面Aに上検出器2及び下検出器3が対面して、燃料有効部8の長さの約半分の距離だけ上下に離間して設置された状態で、燃料集合体1を、燃料有効部8の下端が下検出器3の位置となるように設定する。次に、燃料集合体1の位置zを、燃料有効部8の長さの半分よりも少し長い距離まで変化させながら、上検出器2により上検出器信号S1を測定し、下検出器3により下検出器信号S2を測定する(ST41、42、43)。
燃料集合体1の位置zを上検出器2の位置に変換する値A1をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する上検出器2の測定位置Z1を求める(ST44、45)。また、燃料集合体1の位置zを下検出器3の位置に変換する値A2をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する下検出器3の測定位置Z2を求める(ST46、47)。
上検出器2と下検出器3の重複部分、即ちZ1=Z2である部分が存在する範囲について、Z1=Z2のときの上検出器信号S1と下検出器信号S2の比Rを求める(ST48)。そして、このRの平均値Ra、最大値Rmax、最小値Rminをそれぞれ求める(ST49)。この場合の比Rは、測定が正常に行われたときには、概ね検出器2、3の感度の比となる。
次に、前回の測定にて同様の方法で得られた比Rの平均値RaをRa0とする(ST50)。そして、上記最小値Rminが、前回の比の平均値Ra0から予め決められた判定値Hrを差し引いた値よりも大きく、かつ、上記最大値Rmaxが、前回の比の平均値Ra0に予め決められた判定値Hrを加えた値よりも小さいときに、上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号に異常がないと判定する(ST51)。この判定では、上検出器2及び下検出器3の感度比が、前回行った測定と比べて変化していないことが判定され、これらの検出器2、3に感度変化や故障が生じていないことが確認される。
ここで、当該測定における比Rの平均値Raと比較する基準としては、前回の測定で得られた比Rの平均値Ra0のほかにも、その時点までの複数回の全ての測定で得られた比の平均値Raの平均値を用いることや、検出装置30の運用開始時に入念にテストして得られた信頼性の高い値を用いることなどが想定される。
次に、下検出器信号S2に比の平均値Raを掛けることにより、この下検出器信号S2を上検出器信号S1と同一の感度レベルに補正した補正下検出器信号S2’を求める(ST52)。そして、上検出器信号S1がある部分についてはS=S1、下検出器信号S2のみがある部分についてはS=S2’として、燃料集合体1における燃料有効部8の全長の放射線信号Sの分布を求める。
以下、放射線信号Sと燃焼度との予め計算した関係を用いて、手順ST52にて算出した放射線信号Sから相対燃焼度BUを求め、燃料集合体1の燃焼度相対分布を求める(ST53)。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(3)及び(4)を奏すると共に、前記第1の実施の形態の効果(2)と同様な効果を奏する。
(3)上検出器2、下検出器3のそれぞれにより燃料集合体1の燃料有効部8における同一部分の放射線信号を若干重複して測定し、この重複部分の放射線信号の比を、前回の測定で得られた放射線信号の比などと比較することにより、測定毎に上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、これらの上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号(上検出器信号、下検出器信号)を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、燃料集合体1の燃料有効部8における軸方向全長の放射線信号分布を算出する。このように、測定毎に上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号の健全性を判定することで、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体1の燃焼度相対分布を測定できる。
(4)燃料集合体1と上検出器2及び下検出器3とを、燃料集合体1の軸方向に沿って燃料有効部8の約半分の距離よりも長い距離だけ相対移動させながら、上検出器2、下検出器3により放射線信号の分布を測定することから、上記移動距離が短縮されて、放射線信号の測定時間を短縮できるので、燃料集合体1の燃焼度相対分布を効率的に測定することができる。
[D]第4の実施の形態(図10、図11)
図10は、(A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第4の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図10(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。この第4の実施の形態において、前記第1及び第3の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の燃焼度相対分布測定方法が前記第3の実施の形態と異なる点は、燃料集合体1の軸方向に沿って等間隔に配置された3〜6個のいずれかの個数、例えば3個の検出器を用い、これらの検出器と燃料集合体1とを、燃料集合体1の軸方向に沿って検出器の配置間隔よりも若干長い距離だけ相対移動させながら、放射線信号の分布を測定する点である。
つまり、本実施の形態における燃焼度相対分布測定方法では、まず、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体1の対向する側面A、Bのそれぞれに対面して、放射線信号を検出する上検出器41、中検出器42及び下検出器43を、燃料集合体1の軸方向に沿って配置する。
これらの上検出器41、中検出器42及び下検出器43は、燃料集合体1の軸方向に沿って、当該燃料集合体1の燃料有効部8の長さの約3分の1の距離だけ離間して、好ましくは燃料有効部8の長さの3分の1よりも若干短い距離だけ離間して配置される。即ち、検出装置40の検出器保持部44には、その上部に上検出器41が設置され、この上検出器41よりも燃料有効部8の長さの約3分の1の距離(好ましくは燃料有効部8の長さの3分の1よりも若干短い距離)だけ下方に中検出器42が設置され、この中検出器42によりも燃料有効部8の長さの約3分の1の距離(好ましくは燃料有効部8の長さの3分の1よりも若干短い距離)だけ下方に下検出器43が設置される。
次に、下検出器43を燃料有効部8の下端に位置付けた状態で、燃料集合体1を軸方向に沿って燃料有効部8の長さの約3分の1よりも若干長い距離だけ下方へ移動させながら、上検出器41、中検出器42及び下検出器43により放射線信号の分布を測定する。このとき、燃料集合体1の燃料有効部8における上方の約3分の1の範囲の放射線信号分布が上検出器41により測定され、燃料有効部8の上下中央の略3分の1の範囲の放射線信号分布が中検出器42により測定され、燃料有効部8の下方の略3分の1の範囲の放射線信号分布が下検出器43により測定される。
更に、燃料集合体1における燃料有効部8の上方から約3分の1付近において、同一の部分が上検出器41と中検出器42により重複して測定される。また、燃料集合体1の燃料有効部8の下方から約3分の1付近において、同一の部分が中検出器42と下検出器43により重複して測定される。
燃料集合体1を、検出器保持部44に固定配置の上検出器41、中検出器42及び下検出器43に対して下方へ移動させる代りに、図11(A)に示すように、上検出器41、中検出器42及び下検出器43を燃料集合体1に対して上方へ移動させてもよい。即ち、上検出器41、中検出器42及び下検出器43を、これらの離間距離を燃料有効部8の約3分の1の距離に保持した状態で、検出器保持部44に対して燃料集合体1の軸方向に沿い上方へスライドさせる。そして、これらの上検出器41、中検出器42及び下検出器43を、燃料集合体1に対して燃料有効部8の約3分の1よりも若干長い距離だけ移動(スライド)させながら、燃料有効部8の上方の略3分の1の範囲の放射線信号分布を上検出器41により、燃料有効部8の上下中央の略3分の1の範囲の放射線信号分布を中検出器42により、燃料有効部8の下方の略3分の1の範囲の放射線信号分布を下検出器43によりそれぞれ測定するようにしてもよい。
次に、上検出器41、中検出器42及び下検出器の43により測定された放射線信号の健全性を判定する。つまり、上検出器41及び中検出器42が放射線信号分布を重複して測定した部分について各放射線信号の比を求め、この比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比の平均値を含む基準値と比較する。同様に、中検出器42及び下検出器43が放射線信号分布を重複して測定した部分について各放射線信号の比を求め、この比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比の平均値を含む基準値と比較する。これらの比較により、上検出器41、中検出器42、下検出器43が測定した放射線信号の健全性を判定する。
図10(B)において、上検出器41により測定された放射線信号の分布を破線α3で、中検出器42により測定された放射線信号の分布を実線β3で、下検出器43により測定された放射線信号の分布を一点鎖線γ3でそれぞれ示す。燃料集合体1における燃料有効部8の同一部分を2個の検出器で重複して測定したときの測定信号の強度は、検出器の感度により相違はあるものの、どの燃料集合体1を測定した場合にも略同一である。従って、上検出器41と中検出器42にて重複して測定した部分における放射線信号の比を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比と比較し、更に、中検出器42と下検出器43で重複して測定した部分における放射線信号の比を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比と比較することにより、測定毎に上検出器41、中検出器42、下検出器43の故障や感度変化などの有無を判定することが可能となる。
その後、上検出器21、中検出器42、下検出器43によりそれぞれ測定された放射線信号を同一の感度レベルに補正する。そして、上検出器41、中検出器42、下検出器43によりそれぞれ測定された放射線信号を、これらの信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、燃料集合体1の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して、燃料集合体1の燃焼度相対分布を測定する。
本実施の形態は、燃料集合体1の軸方向に等間隔に配置される検出器の個数が第3の実施の形態と異なるだけなので、この第3の実施の形態の効果(2)、(3)及び(4)と同様な効果を奏する。
[E]第5の実施の形態(図12〜図15)
図12は、(A)が、本発明に係る燃焼度相対分布測定方法の第5の実施の形態に用いられる検出装置を燃料集合体と共に示す側面図であり、(B)が、図12(A)の各検出器により測定された信号を示すグラフである。この第5の実施の形態において、前記第1及び第3の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態における燃焼度相対分布測定方法では、まず、原子炉内で中性子が照射された燃料集合体1の対向する側面A、Bのそれぞれに対面して、上検出器ユニット51、下検出器ユニット52を、燃料集合体1の軸方向に沿って配置する。これらの上検出器ユニット51と下検出器ユニット52は、燃料集合体1の軸方向に沿って、当該燃料集合体1の燃料有効部8の長さの約半分の距離だけ離間して、好ましくは、燃料有効部8の長さの半分よりも若干短い距離だけ離間して配置される。上検出器ユニット51、下検出器ユニット52のそれぞれには、放射線を検出する上検出器2及び下検出器3が、燃料集合体1の軸方向に沿って、燃料集合体1の軸方向長さに対して比較的短い、5〜50cmの範囲の距離で接近して配置されている。
従って、検出装置50の検出器保持部53には、その上部に、上検出器2及び下検出器3を上下に接近して配置した上検出器ユニット51が設置され、この上検出器ユニット51よりも燃料有効部8の長さの約半分の距離(好ましくは燃料有効部8の長さの半分よりも若干短い距離)だけ下方に、上検出器2及び下検出器3を上下に接近して配置した下検出器ユニット52が設置されている。
次に、下検出器ユニット52の上検出器2を燃料集合体1の燃料有効部8の下端に位置付けた状態で、燃料集合体1を軸方向に沿って燃料有効部8の長さの約半分よりも若干長い距離だけ下方へ移動させながら、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3と、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3により、例えば燃料集合体1の側面Aについて、それぞれ放射線信号の分布を測定する。
このとき、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3が燃料集合体1における燃料有効部8の略上半部分について、放射線信号分布を多重化して測定し、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3が燃料有効部8の略下半部分について、放射線信号分布を多重化して測定する。更に、上検出器ユニット51と下検出器ユニット52のそれぞれの上検出器2及び下検出器3が、燃料有効部8の上下略中央部分について、放射線信号分布を若干重複して測定する。
燃料集合体1を上検出器ユニット51及び下検出器ユニット52に対して下方へ移動させる代りに、燃料集合体1を固定保持し、上検出器ユニット51及び下検出器ユニット52を、それらの離間距離を燃料有効部8の約半分の距離に保持した状態で、燃料集合体1の軸方向に沿って上方へ、燃料有効部8の約半分よりも若干長い距離だけ移動させてもよい。
次に、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3と、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号の健全性を判定する。つまり、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3が放射線信号分布を多重化して測定した燃料集合体1の燃料有効部8における略上半部分について、この多重化して測定された放射線信号の比を求め、これらの比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比の平均値を含む基準値、即ち当該比の平均値及び予め決められた判定値と比較する。この比較により、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3が測定した放射線信号の健全性を判定する。
同様に、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3が放射線信号分布を多重化して測定した燃料集合体1の燃料有効部8における略下半部分について、この多重化して測定された放射線信号の比を求め、これらの比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた放射線信号の比の平均値を含む基準値、即ち当該比の平均値及び予め決められた判定値と比較する。この比較により、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3が測定した放射線信号の健全性を判定する。
図12(B)において、上検出器ユニット51の上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号分布を破線α4、二点鎖線β4でそれぞれ示し、下検出器ユニット52の上検出器2、下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号分布を実線γ4、を一点鎖線δ4でそれぞれ示す。
燃料集合体1における燃料有効部8の同一部分を、上検出器ユニット51または下検出器ユニット52のそれぞれ2個の検出器(上検出器2及び下検出器3)で多重化して測定したときの放射線信号の分布は、検出器の感度の相違によって信号の絶対値が異なる場合はあるもの、本来同一の形状となる。従って、上検出器ユニット51の上検出器2と下検出器3で多重化して測定された放射線信号を上述のごとく比較することで、この上検出器ユニット51の上検出器2、下検出器3の故障や感度変化、ノイズ等による突発的な異常の有無を判定することが可能となる。下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3で多重化して測定された放射線信号についても同様であるため、これらの放射線信号を比較することで、下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3の故障、感度変化などの有無を判定することが可能となる。
その後、上検出器ユニット51の上検出器2と下検出器3により測定された放射線信号の平均値と、下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3により測定された放射線信号の平均値とを、同一の感度レベルに補正する。そして、これらの放射線信号の平均値を、上検出器ユニット51と下検出器ユニット52とが重複して測定した部分の放射線信号の平均値を重ね合わせることで組み合わせて、燃料集合体1の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して、燃焼度相対分布を測定する。
上述のような燃焼度相対分布の測定は、図13に示す信号処理装置54によって主に実施される。この信号処理装置54は、前記第1の実施の形態の信号処理装置13、第3の実施の形態の信号処理装置32と同様な機能部を有し、同一の符号を付す。このうち、上検出器2、下検出器3、測定器9、10、分布データ演算部14、15、比較判定演算部33及び平均化演算部19は、上検出器ユニット54と下検出器ユニット52に対応してそれぞれ設けられる。この信号処理装置54もコンピュータにて構成され、この信号処理装置54を駆動させる後述の手順ST61〜ST86(図14、図15)は、コンピュータプログラムとして図示しない記憶装置に記憶される。
この信号処理装置54、測定器9及び10と、それぞれが実行する図14及び図15に示す手順との相対関係を以下に示す。上検出器ユニット51側の測定器9は手順ST61及びST62を実行し、上検出器ユニット51側の測定器10は手順ST61及びST63を実行する。下検出器ユニット52側の測定器9は手順ST61及びST64を実行し、下検出器ユニット52側の測定器10は手順ST61及びST65を実行する。上検出器ユニット51側の分布データ演算部14は手順ST66及び手順ST67を実行し、上検出器ユニット51側の分布データ演算部15は手順ST68及びST69を実行する。下検出器ユニット52側の分布データ演算部14は手順ST70及びST71を実行し、下検出器ユニット52側の分布データ演算部15は手順ST72及びST73を実行する。
上検出器ユニット51側の比較判定演算部33は手順ST74、ST75、ST78及びST80を実行し、下検出器ユニット52側の比較判定演算部33は手順ST76、ST77、ST79及びST81を実行する。上検出器ユニット51側の平均化演算部19は手順ST82を実行し、下検出器ユニット52側の平均化演算部19は手順ST83を実行する。合成演算部34は手順ST84及びST85を実行し、相対燃焼度算出部20は手順ST86を実行する。
上述の信号処理装置54などが実行する燃焼度相対分布測定の手順を、図14及び図15を用いて以下に説明する。
燃料集合体1の例えば側面Aに対面して、5〜50cm程度の比較的短い距離で上下に上検出器2及び下検出器3が配置された2組の検出器ユニット(上検出器ユニット51、下検出器ユニット52)が、燃料集合体1の燃料有効部8の長さの約半分の距離だけ離間して上下に配置されている。
最初に、下検出器ユニット52の上検出器2が燃料有効部8の下端に、上検出器ユニット51が燃料有効部8の約中央となる位置に燃料集合体1を設置する。そして、この燃料集合体1を、上検出器ユニット51及び下検出器ユニット52に沿って下方向へ、燃料有効部8の長さの半分よりも少しだけ長い距離だけ移動させながら、または、上検出器ユニット51及び下検出器ユニット52を燃料集合体1に沿って上方向へ、燃料有効部8の長さの半分よりも少しだけ長いだけ移動させながら、例えば燃料集合体1の側面Aについて、放射線信号分布を測定する(ST61)。
このとき、上検出器ユニット51の上検出器2及び測定器9を用いて、燃料集合体1の位置zにおける上検出器信号S11を測定する(ST62)。また、上検出器ユニット51の下検出器3及び測定器10を用いて、燃料集合体1の位置zにおける下検出器信号S12を測定する(ST63)。更に、下検出器ユニット52の上検出器2及び測定器9を用いて、燃料集合体1の位置zにおける上検出器信号S21を測定する(ST64)。また、下検出器ユニット52の下検出器3及び測定器10を用いて、燃料集合体1の位置zにおける下検出器信号S22を測定する(ST65)。
燃料集合体1の位置zを上検出器ユニット51の上検出器2の位置に変換する値A11をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する上検出器ユニット51の上検出器2の測定位置Z11を求める(ST66、67)。また、燃料集合体1の位置zを上検出器ユニット51の下検出器3の位置に変換する値A12をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する上検出器ユニット51の下検出器3の測定位置Z12を求める(ST68、69)。
燃料集合体1の位置zを下検出器ユニット52の上検出器2の位置に変換する値A21をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する下検出器ユニット52の上検出器2の測定位置Z21を求める(ST70、71)。また、燃料集合体1の位置zを下検出器ユニット52の下検出器3の位置に変換する値A22をこの位置zに加えて、燃料集合体1に対する下検出器ユニット52の下検出器3の測定位置Z22を求める(ST72、73)。
上検出器ユニット51の上検出器2と下検出器3による測定の多重化部分、即ちZ11=Z12である部分が存在する範囲について、Z11=Z12のときの上検出器信号S11と下検出器信号S12との比R1を求め(ST74)、この比R1の平均値R1a、最大値R1max、最小値R1minをそれぞれ求める(ST75)。
更に、下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3による測定の多重化部分、即ちZ21=Z22である部分が存在する範囲について、Z21=Z22のときの上検出器信号S21と下検出器信号S22との比R2を求め(ST76)、この比R2の平均値R2a、最大値R2max、最小値R2minをそれぞれ求める(ST77)。
同様の方法で前回の測定で得られた比の平均値R1aをR1a0とし(ST78)、比の平均値R2aをR2a0とする(ST79)。そして、上記最小値R1minが、前回の比の平均値R1a0から予め決められた判定値Hrを差し引いた値よりも大きく、かつ、上記最大値R1maxが、前回の比の平均値R1a0に予め決められた判定値Hrを加えた値よりも小さいときに、上検出器ユニット51の上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号に異常がないと判定する(ST80)。
更に、上記最小値R2minが、前回の比の平均値R2a0から予め決められた判定値Hrを差し引いた値よりも大きく、かつ、上記最大値R2maxが、前回の比の平均値R2a0に予め決められた判定値Hrを加えた値よりも小さいときに、下検出器ユニット52の上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号に異常がないと判定する(ST81)。
ここでは、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3は、燃料集合体1の燃料有効部8の略上半分の部分について、同じ位置を多重化して測定しており、同様に、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3は、燃料集合体1の燃料有効部8の略下半分の部分について、同じ位置を多重化して測定している。
測定が正常に行われた場合には、上検出器ユニット51の上検出器信号S11と下検出器信号S12との比R1の平均値R1aは、上検出器ユニット51の上検出器2と下検出器3の感度比に相当し、また、下検出器ユニット52の上検出器信号S21と下検出器信号S22との比R2の平均値R2aは、下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3の感度比に相当する。もし、上検出器2と下検出器3のいずれかの検出器に故障、感度変化、またはノイズなどの突発的な信号異常があれば、比R1の平均値R1aや比R2の平均値R2aの最大値または最小値が判定値を超えて、異常を検知することが可能となる。
次に、上検出器ユニット51の上検出器2と下検出器3が同じ位置を測定したとき、即ちZ11=Z12のときの上検出器信号S11と下検出器信号S12との平均値をS1とする(ST82)。また、下検出器ユニット52の上検出器2と下検出器3が同じ位置を測定したとき、即ちZ21=Z22のときの上検出器信号S21と下検出器信号S22の平均値をS2とする(ST83)。
上検出器ユニット51と下検出器ユニット52の重複測定部分、即ちZ11=Z21となる部分がある範囲における上検出器ユニット51側の平均値S1と、下検出器ユニット52側の平均値S2との比Rを求めて、その比Rの平均値をRaとする(ST84)。
下検出器ユニット52側の平均値S2に比Rの平均値Raを掛けることにより、下検出器ユニット52側の平均値S2を、上検出器ユニット51側の平均値S1と同一の感度レベルに補正した下検出器ユニット52側の補正平均値S2’を求める。上検出器ユニット51の検出器信号がある部分についてはS=S1、下検出器ユニット52の検出器信号のみがある部分についてはS=S2’として、燃料集合体1における燃料有効部8の全長の放射線信号Sの分布を求める(ST85)。
その後、放射線信号Sと燃焼度との予め計算した関係を用いて、手順ST85にて算出した放射線信号Sから相対燃焼度BUを求めて、燃料集合体1の燃焼度相対分布を求める(ST86)。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(5)及び(6)を奏すると共に、前記第1の実施の形態の効果(2)と同様な効果を奏する。
(5)上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3により多重化して測定された放射線信号分布を比較し、また、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3により多重化して測定された放射線信号を比較して、測定毎に上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3によりそれぞれ測定された放射線信号の健全性を判定し、その後、上検出器ユニット51の上検出器2及び下検出器3により測定された放射線信号の平均値と、下検出器ユニット52の上検出器2及び下検出器3により測定された放射線信号の平均値とを、これらの上検出器ユニット51と下検出器ユニット52により重複して測定された部分の放射線信号の平均値を重ね合わせることにより組み合わせて、燃料集合体1の軸方向全長の放射線信号分布を算出する。このように、測定毎に、上検出器ユニット51、下検出器ユニット52のそれぞれの上検出器2、下検出器3により測定された放射線信号の健全性を判定することで、測定結果の信頼性を確保して燃料集合体1の燃焼度相対分布を測定することができる。
(6)燃料集合体1と上検出器ユニット51及び下検出器ユニット52とを、燃料集合体1の軸方向に沿って、上検出器ユニット51と下検出器ユニット52の間隔よりも少し長い距離だけ相対移動させながら、上検出器ユニット51、下検出器ユニット52の上検出器2、下検出器3により放射線信号の分布を測定することから、上記移動距離が短縮されて、放射線信号の測定時間を短縮できるので、燃料集合体1の燃焼度相対分布を効率的に測定することができる。
尚、この第5の実施の形態において、検出器ユニットは上検出器ユニット51と下検出器ユニット52に限らず、3個以上の複数個が燃料集合体1の軸方向に沿って設置されるものでもよい。
本発明によれば、測定結果の信頼性を確保しつつ燃料集合体の燃焼度相対分布を効果的に測定できる。

Claims (17)

  1. 原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に所定の間隔で設置し、
    前記燃料集合体と前記検出器を当該燃料集合体の軸方向に沿って相対移動させながら、前記検出器により放射線信号の分布を測定し、
    これら複数の検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号分布を比較することによって、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、
    その後、測定された放射線信号を用いて相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とする燃焼度相対分布測定方法。
  2. 前記検出器により測定された放射線信号の健全性の判定は、前記各検出器により多重化して測定された放射線信号を規格化し、これらの規格化値の差の最大値を判定値と比較することによって実施することを特徴とする請求項1に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  3. 前記検出器により測定された放射線信号の健全性の判定は、前記各検出器により多重化して測定された放射線信号を規格化し、これらの規格化値の比の最大値と最小値を、それぞれの判定値と比較することによって実施することを特徴とする請求項1に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  4. 前記検出器は、燃料集合体の軸方向長さに対して比較的短い、5〜50cmの範囲の距離で接近して配置された2個の検出器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼度相対分布測定方法。
  5. 原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、
    最下位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器とを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記各検出器により放射線信号の分布を測定し、
    前記燃料集合体の軸方向に隣接する検出器により当該燃料集合体の同一部分を部分的に重複して測定し、この重複部分の放射線信号の関係を前回の測定結果を含む基準値と比較することにより、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、
    その後、複数の前記検出器により測定された放射線信号を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出し、
    この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とする燃焼度相対分布測定方法。
  6. 前記検出器により測定された放射線信号の健全性の判定は、各検出器が重複して測定した部分について各放射線信号の比を求め、この比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた各放射線信号の比の平均値を含む基準値と比較することにより実施し、
    また、燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布の算出は、各検出器による放射線信号を同一の感度レベルに補正した後に、これらの放射線信号を組み合わせることで実施することを特徴とする請求項5に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  7. 前記検出器は、燃料集合体における燃料有効部長さの実質的に半分の距離だけ離間して配置された2個の検出器であり、前記燃料集合体と前記各検出器とを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記燃料有効部長さの実質的に半分よりも長い距離を相対的に移動させながら、放射線信号の分布を測定することを特徴とする請求項5に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  8. 前記検出器は、燃料集合体の軸方向に等間隔に配置された3〜6個のいずれかの個数の検出器であり、前記燃料集合体と前記各検出器とを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器の配置間隔よりも長い距離を相対的に移動させながら、放射線信号の分布を測定することを特徴とする請求項5に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  9. 原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、複数の検出器ユニットを、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器ユニット個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、前記検出器ユニットが、前記燃料集合体の軸方向に所定間隔で設置された、放射線を検出する複数の検出器からなり、
    最下位置の前記検出器ユニットにおける最上位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器ユニットとを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器ユニットの間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記検出器ユニットの前記各検出器により放射線信号の分布を測定し、
    前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより当該燃料集合体の軸方向同一部分を部分的に重複して測定し、また、前記各検出器ユニットにおける複数の前記検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定し、
    前記各検出器ユニットにおける複数の検出器により多重化して測定された放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器ユニットの当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定し、
    その後、複数の前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号を、前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせることにより組み合わせて、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出し、
    この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定することを特徴とする燃焼度相対分布測定方法。
  10. 前記検出器ユニットの各検出器により測定された放射線信号の健全性の判定は、当該各検出器ユニットの複数の前記検出器により多重化して測定された放射線信号の比を求め、これらの比の平均値、最大値、最小値を、前回の測定で同様にして得られた各放射線信号の比の平均値を含む基準値と比較することにより実施し、
    また、燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布の算出は、前記検出器ユニットのそれぞれの検出器により測定された放射線信号の平均値を同一の感度レベルに補正して組み合わせることにより実施することを特徴とする請求項9に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  11. 前記検出器ユニットは、燃料集合体における燃料有効部長さの実質的に半分の距離だけ離間して配置された上検出器ユニット及び下検出器ユニットであり、各検出器ユニットが、前記燃料集合体の軸方向長さに対して比較的短い、5〜50cmの範囲の距離で接近して配置された2個の検出器からなり、
    前記上検出器ユニットの前記各検出器が前記燃料集合体における燃料有効部の上半部分について、前記下検出器ユニットの前記各検出器が前記燃料集合体における燃料有効部の下半部分について、それぞれ多重化して放射線信号分布を測定し、
    これらの上検出器ユニットと下検出器ユニットのそれぞれの前記検出器が、前記燃料集合体における燃料有効部の中央部分について、放射線信号分布を重複して測定することを特徴とする請求項9または10に記載の燃焼度相対分布測定方法。
  12. 前記検出器が、ガンマ線をエネルギー弁別することなくガンマ線エネルギー総量として測定する電離箱であり、この検出器にて検出される放射線信号と燃焼度との関係式を予め算出し、この関係式を用いて放射線信号から相対燃焼度を算出することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の燃焼度相対分布測定方法。
  13. 燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、
    原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に所定の間隔で設置し、前記燃料集合体と前記検出器を当該燃料集合体の軸方向に沿って相対移動させながら、前記検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、
    複数の前記検出器により前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、
    この判定後に、測定された放射線信号を用いて相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする燃焼度相対分布測定プログラム。
  14. 燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、
    原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、放射線を検出する複数の検出器を、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、最下位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器とを当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記各検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、
    前記燃料集合体の軸方向に隣接する各検出器により部分的に重複して測定された前記燃料集合体の重複部分の放射線信号の関係を、前回の測定結果を含む基準値と比較することにより、測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、
    この判定後に、複数の前記検出器により測定された放射線信号を、この放射線信号が重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせて組み合わせることにより、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する手順と、
    この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする燃焼度相対分布測定プログラム。
  15. 燃料集合体の燃焼度相対分布測定処理をコンピュータに実行させる燃焼度相対分布測定プログラムであって、
    原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面して、複数の検出器ユニットを、前記燃料集合体の軸方向に沿って、当該燃料集合体の燃料有効部の長さを当該検出器ユニット個数で除した距離と実質的に等しい間隔で設置し、前記検出器ユニットが、前記燃料集合体の軸方向に所定間隔で設置された、放射線を検出する複数の検出器からなり、
    最下位置の前記検出器ユニットにおける最上位置の前記検出器を前記燃料有効部の下端に配置して、前記燃料集合体と前記検出器ユニットとを、当該燃料集合体の軸方向に沿って前記検出器ユニットの間隔よりも長い距離を相対移動させながら、前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号の分布を用いて、燃焼度相対分布を測定する際に、
    前記各検出器ユニットにおける複数の検出器により多重化して測定された放射線信号分布を比較して、測定毎に当該各検出器ユニットの当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定手順と、
    その後、複数の前記検出器ユニットの前記各検出器により測定された放射線信号を、前記燃料集合体の軸方向に隣接する前記検出器ユニットにより重複して測定された部分の放射線信号を重ね合わせることにより組み合わせて、前記燃料集合体の軸方向全長の放射線信号分布を算出する手順と、
    この軸方向全長の放射線信号分布から相対燃焼度を算出して燃焼度相対分布を測定する手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする燃焼度相対分布測定プログラム。
  16. 放射線を検出する複数の検出器と、
    原子炉内で中性子が照射された燃料集合体の少なくとも一側面に対面し、かつ、前記燃料集合体の軸方向に所定の間隔で前記検出器を保持する検出器保持部と、
    前記燃料集合体及び前記検出器の少なくとも一方を前記燃料集合体の軸方向に沿って移動させる駆動部と、
    前記複数の検出器が前記燃料集合体の軸方向同一部分を多重化して測定した放射線信号に基づき前記燃料集合体の軸方向の放射線信号分布を取得する放射線信号分布取得部と、
    前記放射線信号分布取得部が取得した複数の放射線信号分布に基づいて測定毎に当該各検出器により測定された放射線信号の健全性を判定する判定部と、
    前記判定部が前記放射線信号は健全であると判定した場合、前記燃料集合体の軸方向同一部分について測定された複数の放射線信号値を平均して得られた平均放射線信号値に基づいて前記燃料集合体の軸方向の放射線信号分布を得る平均化演算部と、を備えることを特徴とする放射線信号分布測定装置。
  17. 請求項16記載の放射線信号分布測定装置に、前記放射線信号分布測定装置が測定した放射線信号分布に基づき相対燃焼度を算出する相対燃焼度算出部をさらに備え、前記相対燃焼度算出部が算出した相対燃焼度を相対燃焼度測定結果として出力するように構成されたことを特徴とする燃焼度相対分布測定装置。
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