JP2012112862A - 燃料集合体の燃焼度分布測定方法および燃焼度分布測定装置 - Google Patents

燃料集合体の燃焼度分布測定方法および燃焼度分布測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料集合体の燃焼度分布の測定の信頼性を高める。
【解決手段】燃料集合体の側面に対向して配置されて相対位置が一定速度で移動するガンマ線検出器で、一定の時間間隔ごとに放射線の計数を取得する(ステップ1)。次に、得られた放射線計数の列から1つの値Siを判定対象として特定し(ステップ2)、その判定対象に対して列の前および後の1つずつを含む3以上の前後データを特定し、それらの前後データの測定時刻に対する近似曲線を導出し(ステップ3)、近似曲線と前後データのそれぞれとの差の根二乗平均σを算出し(ステップ4)、Siの測定時刻Tiにおける近似曲線の値Sfを算出し(ステップ5)、SiとSfとの差dを算出し(ステップ6)、σで除してAを算出し、dをSfで除してBを算出する。AおよびBの絶対値がいずれもそれぞれに対する判定値よりも大きい場合にSiを異常データであると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉で使用された燃料集合体の燃焼度分布測定方法および燃焼度分布測定装置に関する。
原子炉で使用された使用済燃料燃料集合体は、燃料プールで一定の期間保管し、半減期の比較的短い放射能を減衰させた後に、再処理施設や長期貯蔵施設へ輸送される。貯蔵施設や輸送容器の臨界安全設計では、燃焼度クレジットと呼ばれる、燃焼による核分裂性物質の減少を考慮した設計がなされる場合がある。燃焼度クレジットを考慮した設計がなされている場合、貯蔵施設や輸送容器の臨界安全性を確保するためには、輸送あるいは貯蔵に先立って、使用済み燃料の燃焼度などを評価する必要がある。そのために、燃焼度計測装置によって燃焼度等の非破壊測定が行われる。
使用済み燃料の燃焼度の絶対値を測定する方法には、たとえばガンマ線スペクトル測定法や、中性子測定法などがある。ガンマ線スペクトル測定法では、燃料に蓄積されている核分裂生成物、特にセシウム(Cs137やCs134など)から放出されるガンマ線を測定する。中性子測定法では、使用済み燃料中に蓄積している超ウラン元素のキュリウムなどから放出されている中性子を測定する。
一方、原子炉の中性子束および出力は、中央部分で高く、周辺や上下部分で低い分布をしており、使用済燃料集合体の燃焼度も軸方向にわたって上下端部分で低く、中央部で高い分布をしている。使用済燃料集合体の燃焼度の軸方向の分布を軸方向燃焼度分布という。
使用済燃料集合体には、このような燃焼度分布があるため、燃料集合体の平均燃焼度を測定するためには、燃料集合体の軸方向燃焼度分布を測定する必要がある。さらに、燃料軸方向の端部は燃焼度が低く核分裂性物質の残留割合が高いので、臨界安全管理のためには、燃料集合体端部の燃焼度を精度良く測定する必要がある。
特開2010−151696号公報
燃料集合体とガンマ線検出器との相互の位置を移動させながら燃料集合体の軸方向にわたる燃焼度分布を測定する測定装置が知られている。このような燃焼度計測では、燃焼度クレジットによる臨界安全性を担保するための測定を行うため、測定値の信頼性を十分に確保することが必要である。
特に燃焼度分布を連続的に測定する装置においては、燃料集合体あるいは検出器を移動する必要があり、移動のための駆動装置の発するノイズによって測定データに影響を及ぼすことに留意することが必要になってくる。
そこで、本発明は、原子炉で使用された燃料集合体の燃焼度分布を測定する際にノイズによる影響を受けた測定データを検知して燃焼度分布の信頼性を高めることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、軸方向に延びる燃料集合体の燃焼度分布測定方法において、前記燃料集合体の側面に対向して配置されて前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動する放射線検出器で一定の時間間隔ごとに放射線の計数を取得する測定工程と、前記測定工程で得られた放射線計数の列から1つの値を判定対象として特定し、その判定対象に対して列の前および後の1つずつを含む3以上の前後データを特定し、それらの前後データの測定時刻に対する近似曲線を導出する近似曲線導出工程と、前記近似曲線と前記前後データのそれぞれとの差の根二乗平均σを算出する分散算出工程と、前記判定対象の測定時刻における前記近似曲線の値Sfを算出する近似値算出工程と、前記判定対象とSfとの差dをσで除して第1評価値Aを算出する第1評価値算出工程と、dを基準値で除して第2評価値Bを算出する第2評価値算出工程と、前記第1評価値Aの絶対値が所定の第1判定値よりも大きくかつ前記第2評価値Bの絶対値が所定の第2判定値よりも大きい場合に前記判定対象を異常データであると判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、軸方向に延びる燃料集合体の燃焼度分布測定装置において、前記燃料集合体の側面に対向して配置された放射線検出器と、前記放射線検出器を前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動させる移動手段と、前記放射線検出器が前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動しながら一定の時間間隔ごとに放射線の計数を記憶する記憶部と、前記測定工程で得られた放射線計数の列から1つの値を判定対象として特定し、その判定対象に対して列の前および後の1つずつを含む3以上の前後データを特定し、それらの前後データの測定時刻に対する近似曲線を導出する近似曲線導出部と、前記近似曲線と前記前後データのそれぞれとの差の根二乗平均σを算出する分散算出部と、前記判定対象とSfとの差dをσで除して第1評価値Aを算出する第1評価値算出部と、dを基準値で除して第2評価値Bを算出する第2評価値算出部と、前記第1評価値Aの絶対値が第1判定値よりも大きくかつ前記第2評価値Bの絶対値が第2判定値よりも大きい場合に前記判定対象を異常データであると判定する判定部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、原子炉で使用された燃料集合体の燃焼度分布を測定する際にノイズによる影響を受けた測定データを検知して燃焼度分布の信頼性を高めることができる。
発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態のフローチャートである。 発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態に用いる燃焼度分布測定装置を測定対象の燃料集合体とともに示すブロック図である。 発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態によって収集されたガンマ線の計数の時間変化の例を示すグラフである。 図3の一部を拡大した図である。 発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態における判定の様子を説明するための模擬的な信号測定値の例のグラフである。 図4のデータを発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態で処理したときの第1評価値Aと第2評価値Bとを示すグラフである。
本発明に係る燃焼度分布測定方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。
図2は、本発明に係る燃焼度分布測定方法の一実施の形態に用いる燃焼度分布測定装置を測定対象の燃料集合体とともに示すブロック図である。
この燃焼度分布測定装置20は、燃料集合体10の軸方向燃焼度分布を測定する。測定対象の燃料集合体10は、たとえば複数の燃料棒12を互いに平行に配列して正方格子状に束ねたものである。燃料棒12の両端は、タイプレート16で支持されている。また、両端部のタイプレート16の間の複数の位置には、燃料棒12の軸に垂直な面内での移動を制限するスペーサ18が設けられている。燃料棒12は、たとえば核燃料物質を焼き固めたペレットをジルコニウム合金製の被覆管に収めて両端を封じたものである。燃料棒12が配列された正方格子の一部には、内部に水が流れる水管が配置されていてもよい。
燃焼度分布測定装置20は、ガンマ線検出器22と、移動手段24と、データ処理器26とを有している。ガンマ線検出器22は、検出面が測定対象の燃料集合体10の側面に向かうように配置されて、ガンマ線を検出する。ガンマ線検出器22は、その強度が燃料集合体10の燃焼度に依存するガンマ線を検出する。ガンマ線検出器22の代わりに、強度が燃焼度に依存する中性子線などの放射線を検出する検出器を用いてもよい。
移動手段24は、ガンマ線検出器22を測定対象の燃料集合体10の側面に沿って、燃料集合体10に対して相対的に燃料集合体の軸に平行に移動させる。移動手段24は、たとえば燃料クレーンである。ガンマ線検出器22の燃料集合体10に対する相対的な移動速度は、一定である。ガンマ線検出器22は、燃料集合体10に対して相対的に移動しながら放射線を計数し、一定時間ごとに、測定した放射線の計数をデータ処理器26に伝達する。
データ処理器26は、記憶部31と、近似曲線導出部32と、分散算出部33と、近似値算出部34と、第1評価値算出部35と、第2評価値算出部36と、判定部37と、燃焼度分布算出部38とを有している。データ処理器26は、たとえば1台のコンピュータ上に構築される。
図1は、本実施の形態における燃焼度分布測定方法のフローチャートである。
ガンマ線検出器22は、測定対象の燃料集合体10の側面に沿って燃料集合体の軸に平行に一定の速度vで移動しながら、一定の測定時間間隔ごとの燃焼度分布測定データS(Ti)を収集する(ステップ1)。ここで、燃焼度分布測定データS(T)とは、時刻Tを含む所定の測定時間内における放射線の計数である。収集された測定データは、記憶部31に記憶される。
iは自然数であり、T=i×ΔTである。ΔTは、所定の測定時間である。つまり、本実施の形態では、放射線のすべての計数は、いずれかの時刻Tにおける燃焼度分布測定データに含まれている。なお、ある時刻の放射線の計数が隣り合う燃焼度分布測定データに重複して含まれていてもよい。あるいは、ある時刻の放射線の計数が燃焼度分布測定データに含まれていない、すなわち、燃焼度分布の評価に用いない放射線の計数があってもよい。
図3は、本実施の形態によって収集されたガンマ線の計数の時間変化の例を示すグラフである。
図3は、時間的に連続したデータのように見えるが、実際には、微少時間ΔTごとのガンマ線の計数の集合である。横軸は時刻を示しているが、ガンマ線検出器22の移動速度は速度vで一定であるため、横軸は燃料集合体10の軸方向位置に対応している。
たとえば、ガンマ線検出器22が燃料集合体10の下方から上方に向かって相対的に移動している場合、時刻0におけるガンマ線検出器22の位置が燃料有効部の下端であるとすると、時刻Tにおけるガンマ線検出器22の位置は、燃料有効部下端からV×Tとなる。S(T)が、時刻Ti−1から時刻Tまでのガンマ線の計数であるとすると、S(T)は、燃料有効部下端からV×(i−1)×ΔTからV×i×ΔTまでの範囲におけるガンマ線の計数を示す。したがって、S(T)は、燃料有効部下端からV×Ti−1からV×Tまでの位置における燃料集合体10の断面の燃焼度に対応する。
ガンマ線信号分布には、ある間隔で数箇所に下にくぼんだ部分が現れるが、これは、燃料集合体の燃料棒を束ねるための沸騰水型原子炉用の燃料集合体ではスペーサ、加圧水型原子炉用の燃料集合体ではグリッドと呼ばれる部品による影響である。これらの部品の位置では、原子炉での中性子束や出力が周辺よりも小さくなっており、燃焼度も周辺に比して少しくぼんでいる。
スペーサなどによる燃焼度のくぼみを利用し、燃料棒の伸びを考慮した燃焼度分布を測定する場合、燃焼度のくぼみ位置を求めるために、ガンマ線の測定結果を曲線に表示し、ユーザによってくぼみを選択させる方法がある。しかし、この場合、コンピュータ処理によって自動的に処理する途中で人間の判断が必要になり、測定の効率化を損なう場合がある。また、ガンマ線の測定結果の曲線の極値を検出したり、あらかじめ登録された波形を基にif then ルールやDPマッチングなどを用いて最もマッチした部分を見つけることで、くぼみを自動的に検出できる場合がある。しかし、自動的にくぼみ位置を求めるとき、もし、測定データにノイズなどによる異常なデータが含まれていると、正常に求めることができない可能性が高くなる。このため、測定データにノイズなどによる異常なデータがある場合に、これを検知して削除あるいは補正する必要がある。
ノイズの影響を受けた測定データがなければ、ガンマ線計数の時間変化はほぼ連続することになる。しかし、ノイズの影響を受けた測定データがある場合には、図3に示すように、ほぼ連続して現れたガンマ線計数の時間変化から外れた点が現れることとなる。
本実施の形態では、一定の測定間隔で得られた連続燃焼度分布測定データS(T)について、測定データを逐次判定していく。フローでは、判定しようとするひとつの測定データSiの判定手順を示している。判定対象の測定データSiは、時刻Tにおける測定データすなわちS(T)である。判定対象の測定データSiは、ステップ2で近似曲線導出部32によって特定される。
次に、近似曲線導出部32は、Siに対して時系列上の前後のデータから少なくとも3個以上のデータを選択する。選択されたデータを前後データと呼ぶこととする。
図4は、図3の一部を拡大した図である。
前後データとしては、たとえば判定対象のデータであるSiに対して、時間軸上の前後1つずつを避けて、その両側の2つずつのデータ、すなわち、S(Ti−3)、S(Ti−2)、S(Ti+2)およびS(Ti+3)を選択する。前後データには、判定しようとするデータS(T)は含まれない。これらの前後データから、近似曲線導出部32が測定時刻Tに対する近似曲線f_Ti(T)を求める(ステップ3)。
ノイズが瞬時発生して、一瞬のみに限られる電気的なものである場合、その影響は非常に短期間である。測定データがたとえば1秒程度の間隔で得られる場合、このようなノイズの影響はひとつの測定データのみに現れ、連続しない。このようなノイズの影響が想定される場合には、前後データは、判定しようとするデータSiの直前および直後のデータを含むものであってよい。もし、ノイズの影響が2点の測定にまたがる可能性が想定される場合には、前後データは、判定しようとするデータSiとその直前および直後の3点を含まないことが望ましい。
近似曲線の関数形は分布形状の変化の様子に合せて選択できる。図3に示したように、時刻Tに対するガンマ線信号の変化すなわち燃料集合体の軸方向燃焼度分布は、スペーサなどによるくぼみ部分を除いて概ねなだらかな曲線となっている。このため、実用上は、測定時刻に対する1次式(直線)として問題ない。近似曲線は2次式としても実用的である。1次式あるいは2次式のとき、前後データは4点または6点が実用上望ましい。
次に、分散算出部33は、近似曲線f_Ti(T)と前後データの各データとの差を2乗したものの平均値(平方根、根二乗平均)σを求める(ステップ4)。σは、判定しようとするデータSiの周辺のデータがどれだけばらついているかを示している。
また、近似値算出部34は、判定しようとする測定データSiの測定時刻Tにおける近似曲線f_Ti(T)の値Sf=f_Ti(T)を求める(ステップ5)。さらに、第1評価値算出部35は、SiとSfとの差d=Si−Sfを求める(ステップ6)。dは、近似曲線f_Ti(T)とSiとのずれを表している。
第1評価値算出部35は、ずれの程度を判定するための第1評価値として、dをσで除した値Aを求める(ステップ7)。dがσに比して、大きく近似曲線f_Ti(T)からずれて、第1評価値Aの絶対値が予め決めた第1判定値を超える場合には、Siはノイズの影響を受けた異常データである可能性がある。第1判定値は、5ないし20程度が実用的である。
Siがノイズによる影響を受けた異常データであれば、第1評価値Aの絶対値は必ず第1判定値を超える。しかし、ある特殊な場合には、正常な測定値の場合にも第1評価値Aの絶対値が第1判定値を超えることがある。
たとえば、測定データが非常に滑らかで揃ったものであり、前後データのばらつきが極めて小さいにもかかわらず、Siだけがごくわずかな差をもつとき、σがきわめて小さな値となる。この場合には、dが小さくとも、第1評価値Aの絶対値が第1判定値を超える可能性がある。
このため、dの値の大きさ自体を同時に判定する必要がある。dの大きさ自体は、ガンマ線信号測定値に対して有意な大きさであるかによって判定できる。そこで、第2評価値算出部36は、dを基準値で除して第2評価値Bを求める(ステップ8)。ここで、基準値としては、判定しようとする測定データSiの測定時刻Tにおける近似曲線f_Ti(T)の値Sfを用いる。第2評価値Bは、Sfを1としたときのdの比率を表す。
ノイズの影響が正常な信号に比して非常に大きい場合は、第2評価値Bの絶対値は1を超える非常に大きな値となり、ノイズの影響が正常な信号と同程度のものであればBの絶対値は1以下の値になる。第2評価値Bの判定値(第2判定値)は分布データのばらつきの程度と想定されるノイズの影響の大きさとを考慮することによって適切に決めることができる。
燃料集合体の端部においてはガンマ線信号が小さくなっているので、第2評価値Bを求めるときにdをSfで除す場合、dが同じ値であったとしても、燃料集合体の中央部では第2評価値Bの絶対値が小さく、端部では第2評価値Bの絶対値が大きくなる。このため、第2評価値Bの判定値を比較的小さく設定しようとするときには、端部において正常なデータを異常と判定してしまう誤判定の確率が増す。
このような誤判定をなくすためには、第2評価値Bを求めるとき、dをSfで除す代わりに、dをガンマ線信号分布における代表的な値を基準値として、この基準値で除すことによってもよい。ガンマ線信号分布における代表的な値としては、図2に示したようにガンマ線信号分布は中央部分で高くなっているので、中央部分の平均的なガンマ線信号測定値を用いることができる。測定時間範囲の中央点の値ないしは中央点を含む複数点の平均値としてよい。こうして求めた第2評価値Bによって、ガンマ線信号分布における、データのずれdの大きさの程度を正確に判定することができる。
その後、判定部37は、第1評価値Aの絶対値を第1判定値と比較する(ステップ9)。第1評価値Aの絶対値が第1判定値よりも大きい場合には、判定部37は、さらに第2評価値Bの絶対値を第2判定値と比較する(ステップ10)。第1評価値Aの絶対値が第1判定値よりも大きく、かつ、第2判定値Bの絶対値が第2判定値よりも大きい場合には、判定対象データSiは異常データであると判定される(ステップ12)。第1評価値Aの絶対値が第1判定値以下である場合、または、第2評価値Bの絶対値が第2判定値以下である場合には、判定対象データSiは正常データであると判定される(ステップ11)。このようにして、AおよびBについて、そのどちらの絶対値もがそれぞれに対する判定値を超えたとき、Siはノイズの影響を受けた異常データであると判定される。
図5は、本実施の形態における判定の様子を説明するための模擬的な信号測定値の例のグラフである。
0秒から40秒まで、約1の値が測定されているが、10秒のデータのみ、ノイズの影響を想定して1.8としている。また、21秒と30秒のデータの前後は良く揃ったデータとした。
図6は、図4のデータを本実施の形態の評価法で処理したときの第1評価値Aと第2評価値Bとを示すグラフである。
10秒、21秒および30秒では、第1評価値Aの絶対値が大きい。しかし、21秒と30秒では第2評価値Bは小さいので、異常データではないことが分る。一方、10秒では第2評価値Bも大きいので異常データと判定される。
10秒の前後の2つずつのデータでは、第2評価値Bの絶対値が大きくなっている。これは、10秒のデータが大きく外れているため、このデータが前後データとして近似曲線を求めるのに使われるとき、得られた近似曲線が10秒の異常データの影響で正常な場合からずれてしまった結果である。しかしながら、このときはdの値は大きいものの前後データのばらつきσも大きくなるため第1評価値Aは小さくなり、異常データとして判定されることはない。
Siが異常データと判定されたとき、Siを全測定データから除くことにより、燃焼度分布を評価することができる。燃焼度分布は、燃焼度分布算出部38によって求められる。
Siが異常データと判定されたとき、Siを測定データから除く代わりに、その異常データを、その前後の測定データの平均値と、あるいは、近似式から求められるSfと置き換えて補正したうえで燃焼度分布を評価することもできる。
全測定データから異常データと判定されたSiを除く場合には、一定時間間隔の測定データに欠落が生じる。しかし、補正をした場合には欠落なくデータを処理できる利点がある。
軽水炉の燃料集合体の多くは、燃料有効長が約3.6m(3600mm)である。このような燃料集合体について、一定時間間隔で連続する測定を行うとき、たとえば、移動速度を10mm毎秒、測定間隔を1秒間隔とすると、燃料有効長の範囲において約360点の測定点が得られる。移動速度が20mm毎秒となれば測定点は約180点になる。これらの点数は、スペーサなどのくぼみを検出して燃焼度分布を評価するうえで十分な点数といえる。測定間隔を0.1秒とすれば測定点数は10倍になり評価上十分であることは同じである。
また、測定に要する時間は前者で6分、後者で3分であり、これらも極めて実用的といえる。測定に要する時間は、移動速度に依存して決まる。移動速度は、燃料集合体を安全に測定装置に設置する必要から、燃料クレーンなどの移動手段によって決められる。上に示したように、概ね10mmから20mm毎秒の移動速度は、実用的かつ実現可能である。
測定間隔は、検出器の信号と測定器の性能にも依存するが、燃焼度分布を測定するためにガンマ線電離箱の電流を測定するときには、電流値の測定周期はミリ秒の間隔とすることが可能なので、自由度が大きい。測定周期を短くするとデータ数が増えるので、処理に要する時間や、保存データの媒体容量が増大するため、適切に選択することが望ましい。移動速度を10mmから20mm毎秒とするとき、0.1ないし1秒の測定間隔とすることが、実用上好ましい。
このように、本実施の形態によれば、原子炉で使用された燃料集合体の燃焼度分布を測定する際に、ノイズなどによる異常データを検知、補正して信頼性の高い燃焼度分布評価法を実現することができる。
10…燃料集合体、12…燃料棒、16…タイプレート、18…スペーサ、20…燃焼度分布測定装置、22…ガンマ線検出器、24…移動手段、26…データ処理器、31…記憶部、32…近似曲線導出部、33…分散算出部、34…近似値算出部、35…第1評価値算出部、36…第2評価値算出部、37…判定部、38…燃焼度分布算出部

Claims (8)

  1. 軸方向に延びる燃料集合体の燃焼度分布測定方法において、
    前記燃料集合体の側面に対向して配置されて前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動する放射線検出器で一定の時間間隔ごとに放射線の計数を取得する測定工程と、
    前記測定工程で得られた放射線計数の列から1つの値を判定対象として特定し、その判定対象に対して列の前および後の1つずつを含む3以上の前後データを特定し、それらの前後データの測定時刻に対する近似曲線を導出する近似曲線導出工程と、
    前記近似曲線と前記前後データのそれぞれとの差の根二乗平均σを算出する分散算出工程と、
    前記判定対象の測定時刻における前記近似曲線の値Sfを算出する近似値算出工程と、
    前記判定対象とSfとの差dをσで除して第1評価値Aを算出する第1評価値算出工程と、
    dを基準値で除して第2評価値Bを算出する第2評価値算出工程と、
    前記第1評価値Aの絶対値が所定の第1判定値よりも大きくかつ前記第2評価値Bの絶対値が所定の第2判定値よりも大きい場合に前記判定対象を異常データであると判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする燃焼度分布測定方法。
  2. 前記基準値は、前記判定対象の測定時刻での前記近似曲線の値Sfであることを特徴とする請求項1に記載の燃焼度分布測定方法。
  3. 前記前後データは、前記放射線計数の列で前記判定対象に対して所定の個数以上離れた値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃焼度分布測定方法。
  4. 前記一定速度は10ないし20mm毎秒であり、一定間隔は0.1ないし1秒であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃焼度分布測定方法。
  5. 前記判定対象が異常データであると判定されたとき、その判定対象をその前後の測定データの平均値に置き換えるデータ補正工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の燃焼度分布測定方法。
  6. 前記判定対象が異常データであると判定されたとき、その判定対象をSfに置き換えるデータ補正工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の燃焼度分布測定方法。
  7. 前記基準値は、前記放射線計数の列の中央部分の所定の範囲での代表値であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼度分布測定方法。
  8. 軸方向に延びる燃料集合体の燃焼度分布測定装置において、
    前記燃料集合体の側面に対向して配置された放射線検出器と、
    前記放射線検出器を前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動させる移動手段と、
    前記放射線検出器が前記燃料集合体との相対位置が前記軸方向に平行に一定速度で移動しながら一定の時間間隔ごとに放射線の計数を記憶する記憶部と、
    前記測定工程で得られた放射線計数の列から1つの値を判定対象として特定し、その判定対象に対して列の前および後の1つずつを含む3以上の前後データを特定し、それらの前後データの測定時刻に対する近似曲線を導出する近似曲線導出部と、
    前記近似曲線と前記前後データのそれぞれとの差の根二乗平均σを算出する分散算出部と、
    前記判定対象とSfとの差dをσで除して第1評価値Aを算出する第1評価値算出部と、
    dを基準値で除して第2評価値Bを算出する第2評価値算出部と、
    前記第1評価値Aの絶対値が第1判定値よりも大きくかつ前記第2評価値Bの絶対値が第2判定値よりも大きい場合に前記判定対象を異常データであると判定する判定部と、
    を有することを特徴とする燃焼度分布測定装置。
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