JP4708320B2 - Nox浄化装置 - Google Patents

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本発明は、NOX浄化装置に関し、特に、NOX触媒の上流側の排気通路中に還元剤を噴霧し、選択的にNOXを還元する構成のNOX浄化装置に関する。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中には、環境に影響を及ぼすおそれのある黒煙微粒子(以下、PMと称する)や窒素酸化物(以下、NOXと称する)等が含まれている。このうち、NOXを浄化するために用いられる浄化装置として、排気ガス中に尿素水溶液や生ガス(HC)等の還元剤を添加し、触媒中で排気ガス中のNOXを選択的に還元するNOX浄化装置(SCRシステムと称する場合がある。)が知られている。
このようなNOX浄化装置の構成例を図7に示す。このNOX浄化装置は、内燃機関の排気系に設けられ排気ガス中のNOXを選択還元するNOX触媒313と、NOX触媒313上流の排気系に還元剤としての尿素水を供給する還元剤供給手段319と、所定の添加量となるように還元剤供給手段319を制御する制御手段A2とを備えている。
このNOX浄化装置においては、NOX触媒313の直径が排気管321の直径よりも大きいために、NOX触媒の上流側にテーパ部311が設けられている。また、異なる車両等におけるレイアウトの都合上、排気管321には屈曲部350が設けられており、当該屈曲部350に、噴射方向をNOX触媒313側に向けて還元剤供給手段319が配置されている。
特開2003−293736号公報 (特許請求の範囲 図1)
しかしながら、排気管を流れる排気ガスは質量成分を有しており、排気ガスが排気管の屈曲部を通過する際に、慣性力によって屈曲部の外側を通過するようになることから、屈曲部の下流側においては、速度成分が屈曲部の外側方向に偏ってしまうという問題がある。したがって、特許文献1に開示されたNOX浄化装置は、屈曲部350に配置された還元剤供給手段319から噴射された還元剤が排気ガスの速度分布の影響を受け、NOX触媒に流入する還元剤の濃度分布にばらつきを生じるおそれがある。すなわち、排気ガスの流れの影響を受けて、屈曲部350の外側方向の還元剤濃度が高くなる一方、屈曲部350の内側方向の還元剤濃度が低くなる場合がある。その結果、NOX触媒に流入する還元剤の量が部分的に異なり、還元剤を効率的に利用することができず、ひいてはNOXの還元効率が低下するおそれがあった。
この排気ガスの速度分布の偏りについては、図8(a)〜(d)に示すシミュレーション結果から理解することができる。この図8(a)〜(d)は、排気通路の内径をdとしたときに、屈曲部とテーパ部との間の直線部分の長さLが、それぞれ1d、2d、4d、10dである排気通路を用いた排気ガスの速度分布のシミュレーション結果を示している。図中、排気通路中の色が赤に近づくほど排気ガスの流速が速い状態を、排気通路中の色が青に近づくほど排気ガスの流速が遅い状態を表している。すなわち、屈曲部からテーパ部までの距離Lにかかわらず、屈曲部を通過した排気ガスの速度分布が、屈曲部の外側方向から連続する排気通路の内周面側に偏って現れることが理解できる。
したがって、還元剤を噴射する噴射弁の配置位置や噴射方向を特に考慮せずに還元剤を噴射した場合には、排気ガスの速度分布の影響を受けて、還元剤の濃度分布も偏ってしまい、濃度分布が不均一な状態でNOX触媒に流入しやすいという問題が生じる。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、排気ガス中のNOXを還元し、排気ガスを浄化するためのNOX浄化装置において、屈曲部を通過した排気ガスの速度分布を考慮して還元剤の噴射弁を配置することにより、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、排気通路中に噴射され、NOX触媒に流入する還元剤の濃度分布のばらつきを低減することにより、還元剤の効率的な利用が可能になるとともに、NOXの還元効率を向上させることができるNOX浄化装置を提供することである。
本発明によれば、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元するためのNOX触媒と、NOX触媒の上流側で排気通路中に還元剤を噴射するための噴射弁と、を備えたNOX浄化装置であって、排気通路は、NOX触媒の上流側に、断面積が下流側に向けて次第に拡大するテーパ部を有するとともに、当該テーパ部のさらに上流側に屈曲部を有し、噴射弁は、屈曲部とテーパ部との間において、排気通路の外周部のうち、屈曲部の外側方向から連続する外周部に配置されるとともに、内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲がテーパ部の入口側端部の上流側及び下流側にまたがるように噴射弁を配置したNOX浄化装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明のNOX浄化装置を構成するにあたり、噴射弁は、噴射方向を排気通路の下流側方向に傾けて配置されることが好ましい。
また、本発明のNOX浄化装置を構成するにあたり、噴射弁の噴射軸と、屈曲部の上流側の排気通路の軸線と、屈曲部の下流側の排気通路の軸線と、が同一平面をなすように、噴射弁が配置されることが好ましい。
また、本発明のNOX浄化装置を構成するにあたり、噴射弁は、排気通路の外周部に設けられた還元剤導入路を介して、排気通路の内周面から離間して配置されることが好ましい。
また、本発明のNOX浄化装置を構成するにあたり、噴射弁から噴射される還元剤は、少なくとも、粒径が150μm以上の大径粒子と、粒径が100μm以下の小径粒子と、を含むことが好ましい。
本発明のNOX浄化装置によれば、屈曲部を通過した排気ガスの速度分布を考慮して還元剤の噴射弁が配置されているために、NOX触媒に流入する還元剤の濃度分布のばらつきを低減させることができる。すなわち、内燃機関の非運転状態で還元剤の噴射範囲がテーパ部の入口側端部の上流側及び下流側にまたがるように配置することにより、テーパ部の入口側端部よりも上流側の排気通路内面に衝突して細かく分散した小径かつ質量の小さい粒子は排気ガスの速度分布の影響を受けて屈曲部の外側方向から連続する内周面側を流れる一方、それ以外の比較的質量の大きい粒子はテーパ部の入口側端部よりも下流側に向けてそのまま進行し、屈曲部の内側方向から連続する内周面側を流れやすくなる。したがって、NOX触媒の入口において、全面にわたって均等な濃度分布で還元剤を流入させることができ、還元剤の利用効率が改善されるとともに、NOX触媒でのNOXの浄化効率を向上させることができる。
また、本発明のNOX浄化装置において、噴射弁の噴射方向を、排気通路の下流側に傾けて配置することにより、噴射された還元剤が対面の排気通路の内周面に付着することを防止することができる。
また、本発明のNOX浄化装置において、噴射弁を所定位置に配置することにより、排気ガスの速度分布の偏りを考慮して、より効果的に還元剤の濃度分布のばらつきを低減することができる。
また、本発明のNOX浄化装置において、噴射弁を排気通路の内周面から離間して配置することにより、噴射弁が排気ガスの熱の影響を受けて損傷することを防ぐことができる。
また、本発明のNOX浄化装置において、噴射弁から噴射される還元剤が、それぞれ所定の粒径を有する大径粒子と小径粒子とを含むことにより、排気ガスの流れに影響されずに進行する成分と、排気ガスの流れの影響を受ける成分とが混在することになって、排気ガスの流れ方向断面における還元剤の濃度分布のばらつきをより効果的に低減させることができる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明のNOX浄化装置に関する実施形態について具体的に説明する。ただし、この実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
本発明にかかる実施の形態は、図1(a)〜(b)に例示されるように、内燃機関1の排気通路3に配置され、排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元するためのNOX触媒5と、NOX触媒5の上流側で排気通路3中に還元剤を噴射するための噴射弁7と、を備えたNOX浄化装置10である。
本実施形態のNOX浄化装置10において、排気通路3は、NOX触媒5の上流側に、断面積が下流側に向けて次第に拡大するテーパ部11を有するとともに、当該テーパ部11のさらに上流側に屈曲部13を有し、噴射弁7は、屈曲部13とテーパ部11との間において、排気通路3の外周部のうち、屈曲部13の外側方向から連続する外周部3Aに配置されるとともに、内燃機関1の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲Aがテーパ部11の入口側端部11aの上流側及び下流側にまたがるように噴射弁7を配置したことを特徴とする。
1.内燃機関
NOX浄化装置によって浄化される排気ガスを排出する内燃機関1としてはディーゼルエンジンやガソリンエンジンが典型的であるが、現状においてNOXの浄化が課題とされるディーゼルエンジンを対象とすることが適している。
2.排気通路
また、内燃機関1の排気ガスの排出口には排気通路3が接続されている。この排気通路3の途中にはNOX触媒5が配設されており、NOX触媒5の上流側には、断面積が下流側に向けて次第に大きくなるテーパ部11が設けられている。このテーパ部11は、通常、NOX触媒5の断面積が排気通路3の断面積よりも大きいことから、NOX触媒5の配設箇所の前後において、排気通路3の断面積が変化する領域として形成される。
このようなテーパ部は、例えば、NOX触媒ユニットの一部として構成され、当該NOX触媒ユニットを排気管に接続することによって装置上に設けられる。
また、排気通路3におけるテーパ部11のさらに上流側には、直線部分15を介して、屈曲部13が設けられている。この屈曲部13は、例えば、内燃機関1から排気ガスの流出口までの間を直線的に結ぶことができないために、レイアウトの都合上設けられる。
また、屈曲部13の屈曲角度は特に制限されるものではないが、屈曲部13を通過する排気ガスの速度分布の偏りによる還元剤の濃度分布のばらつきを低減する本発明においては、より屈曲角度が大きくなるにつれて得られる効果は大きくなる。したがって、例えば、屈曲部の屈曲角度が30〜120°の範囲内である排気通路を備える場合に適しており、45〜90°の範囲内である排気通路を備える場合により適している。
3.NOX触媒
また、排気通路3の途中に配置されるNOX触媒5は、排気ガス中のNOXを選択的に還元するための触媒である。このNOX触媒5の種類については特に制限されるものではなく、公知のもの、例えば、多孔質担体上に、活性成分としてのストロンチウム又はバリウム、及びマグネシウム等のアルカリ土類金属や、セリウムとランタン等の希土類金属、白金とロジウム等の貴金属等を含むものを用いることができる。
4.NOXセンサ
また、NOX触媒5の下流側の排気通路3には、排気ガス中のNOX濃度を検知するためのNOXセンサ9が取り付けられている。このNOXセンサ9は、NOX触媒5を通過した後の排気ガス中に含まれるNOX濃度の値を検知し、所定の基準値を下回っているかの判断に用いられる。そして、検知結果は、噴射弁7から噴射する還元剤の量を補正したりするために用いられる。
なお、噴射弁から噴射する還元剤の量は、NOX触媒に流入する、NOX触媒の上流側の排気ガス中のNOX濃度に応じて決定されるが、図1に示すNOX浄化装置10の例では、内燃機関1における燃料噴射量や噴射タイミング、回転数などをもとに、DCU(Dosing-valve Control Unit)35においてNOX濃度を推定する構成をとっているが、その代わりに、NOX触媒の上流側入口にNOXセンサを配置し、排気ガス中のNOX濃度を直接的に検知するように構成することもできる。
5.噴射弁
また、還元剤の噴射弁7は、排気通路3の屈曲部13とテーパ部11との間の直線部分15に配置されている。この噴射弁7は、燃料や尿素水溶液等の還元剤を噴射制御するための弁であり、例えば、内燃機関の気筒内に燃料を噴射する際に用いられる電磁制御弁を使用することができるが、これに制限されるものではない。
このような還元剤の噴射弁7を含む還元剤噴射装置の構成例を図2に示す。
図2に示す還元剤噴射装置30は、液体の還元剤が貯蔵された貯蔵タンク31と、貯蔵タンク31内の還元剤を汲み上げ、圧送するポンプ33と、ポンプ33から圧送される還元剤を排気通路3中に噴射する噴射弁7とを備えている。また、この還元剤噴射装置30の例では、内燃機関の運転状態を基に排出されるNOX濃度を演算し、算出されたNOX濃度に応じて還元剤の噴射量を決定し、噴射弁7を制御するための信号を発するDCU35と、DCU35からの制御信号を受け、噴射弁7の噴射制御を行うアクチュエータ37とを備えている。
また、貯蔵タンク31と噴射弁7とを接続する還元剤供給路39は、その途中から分岐して貯蔵タンク31に接続された排出路41を備えるとともに、この排出路41の途中に、還元剤を貯蔵タンク31に排出させるための排出弁43を備えている。この排出弁43は、還元剤の供給終了後に開弁され、還元剤供給路39や噴射弁7に残存している余剰の還元剤を、排出路41を経て貯蔵タンク31に還流させるための弁である。
また、図示しないものの、還元剤噴射装置を構成する噴射弁や貯蔵タンク、還元剤供給路には、還元剤の状態を維持したり、噴射制御に利用したりするために用いられる温度センサや、ヒータ等の加熱手段が備えられている。
このうち、貯蔵タンク31は、還元剤を貯蔵しておくことができるタンクであれば特に制限されるものではない。また、ポンプ33についても、貯蔵タンク31中の還元剤を噴射弁7に対して圧送することができるものであれば特に制限されるものではない。また、貯蔵タンク31に貯蔵された還元剤についても、尿素水溶液や未燃燃料(HC)が代表的な例であるが特に制限されるものではない。
さらに、NOX濃度を求める際には、内燃機関の運転状態を基に排気ガス中のNOX濃度を演算する以外に、排気通路中にNOXセンサを配置して、直接的に排気ガス中のNOX濃度を測定することもできる。
ここで、図1(a)〜(b)に示すように、本実施形態のNOX浄化装置10においては、噴射弁7は、屈曲部13とテーパ部11との間の直線部分15において、屈曲部13の外側方向から連続する外周部3Aに配置されている。また、噴射弁7は、図1(b)に示すように、内燃機関1の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲Aが排気通路3のテーパ部11の入口側端部11aの上流側及び下流側にまたがるように、噴射方向を調整して取り付けられている。
噴射弁7をこのように配置することにより、テーパ部11の入口側端部11aよりも上流側に向けて噴射された還元剤の粒子は、排気通路3の直線部分15の内周面に衝突したり、排気ガスの熱の影響を受けたりして小径かつ質量の小さい粒子になり、その結果、排気ガスの流れの影響を受けて屈曲部13の外側方向から連続する内周面側を流れやすくなる。また、テーパ部11の入口側端部11aよりも下流側に向けて噴射された還元剤の粒子は、一部の粒子が排気ガスの熱の影響を受けて小径かつ質量の小さい粒子になり排気ガスの流れの影響を受ける一方で、大部分の粒子は、テーパ部11における屈曲部13の内側方向から連続する内周面側に沿ってそのまま進行し、屈曲部13の内側方向から連続する内周面側を流れやすくなる。このほか、噴射された状態で還元剤に含まれる小径かつ質量の小さい粒子についても、排気ガスの流れの影響を受けて、屈曲部13の外側方向から連続する内周面側を流れやすくなる。
その結果、NOX触媒の入口から、全面にわたって均一な濃度分布で還元剤を導入させることができるようになり、部分的に還元剤が過剰になったり、不足したりすることがなく、還元剤を効率的に利用することができる。その結果、排気ガス中のNOXを効率的に浄化することができる。
還元剤の噴射弁をこのように配置した場合の作用について具体的に説明する。
図3(a)は、内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲Aが、すべてテーパ部11の入口側端部11aよりも上流側となるように噴射弁7を配置した場合の、還元剤の濃度分布のシミュレーション結果を示している。また、図3(b)は、内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲Aが、すべてテーパ部11の入口側端部11aよりも下流側となるように噴射弁7を配置した場合の、還元剤の濃度分布のシミュレーション結果を示している。一方、図4は、本実施形態のNOX浄化装置に相当するシミュレーション結果であり、内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲Aが、テーパ部11の入口側端部11aの上流側及び下流側にまたがるように噴射弁7を配置した場合の、還元剤の濃度分布のシミュレーション結果を示している。また、図中、還元剤の粒子のうち、粒径が大きいほど赤色で表示されており、粒径が小さいほど青色で表示されている。
なお、これらのシミュレーションは、排気ガスの流速を21.8m/秒、排気温度を300℃の条件に設定して行った。
まず、図3(a)に示すように配置した場合には、噴射弁7から噴射された還元剤のうち大部分の還元剤粒子は対向する側の排気通路3の内周面19に衝突したり、排気ガスの熱の影響を受けたりして、小径かつ質量の小さい粒子となる。そうすると、排気ガスの流れの影響を受け、屈曲部13の外側方向から連続する排気通路3の内周面18側(図中下側)に沿って流れやすくなる。その結果、還元剤の濃度分布が屈曲部13の外側方向から連続する排気通路3の内周面18側(図中下側)に偏ってしまい、NOX触媒5に対して不均一に流入することになる。
また、図3(b)に示すように配置した場合には、噴射弁から噴射された還元剤のうちの一部の粒子が排気ガスの熱の影響を受けて小径かつ質量の小さい粒子になり排気ガスの流れの影響を受ける一方で、大部分の還元剤粒子は、対向する側の排気通路3の内周面19に激しく衝突することなく、屈曲部13の内側方向から連続するテーパ部11の内周面11b側に沿って流れる。その結果、屈曲部13の内側方向から連続する排気通路3の内周面11b側(図中上側)に偏ってしまい、NOX触媒5に対して不均一に流入することになる。
なお、噴射弁7から噴射された還元剤には、排気ガスの流れの影響を受けやすい比較的小径かつ質量の小さい粒子が当初から含まれており、このような粒子については、屈曲部13の外側方向から連続する排気通路3の内周面18側に向かって流されやすくなっているが、全体量に比べて割合は少ないために、上述のような濃度分布の偏りが生じてしまう。
一方、図4に示す本実施形態のNOX浄化装置の場合には、噴射弁7から噴射された還元剤が、テーパ部11の入口側端部11aよりも上流側で、対向する排気通路3の内周面19に衝突する粒子と、排気通路3の内周面19に激しく衝突することなくテーパ部11の内周面11bに沿って流れる粒子と、排気ガスの熱の影響を受けて小径かつ質量の小さい粒子になる粒子とを含むことになる。すなわち、排気ガスの流れの影響を受けて、屈曲部13の外側方向から連続する内周面18側に向かって流されやすい粒子と、屈曲部13の内側方向から連続する内周面11b側に向かって流されやすい粒子とが混在する状態となる。したがって、噴射弁7から噴射された還元剤は、NOX触媒5の入口面の全体にわたって均等に分散した状態で、NOX触媒5に流入することになる。
このように還元剤濃度が均一に分散した状態でNOX触媒に流入することにより、NOX触媒の全体を利用してNOXの還元処理を行うことができるとともに、NOX触媒の全体にわたって過不足なく還元剤を供給しやすくなるため、還元剤の利用効率も向上させることができる。
なお、内燃機関の運転状態においては、質量が大きい還元剤粒子についても排気ガスの流れや熱の影響を多少受けることになる。したがって、本発明においては、内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における還元剤の噴射範囲がテーパ部の入口側端部の上流側及び下流側にまたがるように噴射弁を配置することを規定しているが、内燃機関の運転状態において、噴射されたすべての還元剤が、テーパ部の入口側端部よりも下流側に向かって進むことがないように考慮する必要がある。
このような発明の作用を考慮すれば、噴射弁から噴射される還元剤は、少なくとも、粒径が150μm以上の大径粒子と、粒径が100μm以下の小径粒子とを含むことが好ましい。このような大径粒子及び小径粒子を含む還元剤を噴射することにより、内燃機関の運転状態によって排気ガスの流速が変化する場合であっても、質量が比較的大きく排気ガスの流れの影響を受けにくい粒子と、質量が比較的小さく排気ガスの流れの影響を受けやすい粒子とを混在させることができ、NOX触媒に流入する還元剤の濃度分布をより均一に分散させやすくすることができる。
また、図1(a)に示すように、還元剤の噴射弁7の噴射方向を、排気通路3の下流側方向に傾けて配置することが好ましい。噴射弁7をこのように配置することにより、テーパ部11の入口側端部11aよりも上流側に向けて噴射された還元剤が、対向する排気通路3の内周面19に衝突した際に、排気通路3の内周面19に付着することを防ぐことができる。
例えば、図5に示すように、噴射弁7の噴射方向と排気通路3の内周面18とがなす角度θ1が30〜60度の範囲内の値となるように、噴射弁7を配置することが好ましい。
また、還元剤の噴射弁の配置位置に関し、噴射された還元剤の濃度分布がばらつき、還元剤が偏在することを防ぐために、図6(a)に示すように、排気通路の直線部分15の軸線方向から眺めた場合における、屈曲部13の上流側の排気通路17aの軸線S2と下流側の排気通路17bの軸線S3をともに含む平面Mと噴射弁7の噴射軸S1とのなす角度θ2を30度以下の範囲内の値とすることが好ましく、15度以下の範囲内の値とすることがより好ましい。中でも、図6(b)に示すように、噴射弁7の噴射軸S1と、屈曲部13の上流側の排気通路17aの軸線S2と、屈曲部13の下流側の排気通路17bの軸線S3とが同一平面Mをなすように、噴射弁7を配置することが好ましい。噴射弁7をこのように配置することにより、NOX触媒に流入する還元剤の濃度分布をより均一に分散させやすくすることができる。
これは、図6(c)に示すように、排気通路の直線部分15の軸線方向から眺めた場合における、噴射弁7の噴射軸S1と、屈曲部13の上流側の排気通路17aの軸線S2と屈曲部13の下流側の排気通路17bの軸線S2をともに含む平面Mとのなす角度θ2が過度に大きくなるように噴射弁7が配置されている場合には、排気ガスの流れの影響を受けやすい還元剤粒子と、排気ガスの流れの影響を受けにくい還元剤粒子とが、偏在してしまうおそれがあるためである。
なお、図6(a)〜(c)は、図1(a)に示す排気通路3の直線部分15を排気通路の17bの軸線S3に沿って屈曲部13側から眺めた図を示している。
また、図5に示すように、噴射弁7は、排気通路3の外周に設けられた還元剤導入路8を介して、排気通路3の内周面18から離間して配置することが好ましい。噴射弁7をこのように配置することにより、排気通路3中を流れる排気ガスの熱の影響により、噴射弁7が損傷することを防止することができる。
また、噴射される還元剤をより均一に分散させるためには、排気通路中を流れる排気ガスの流速に応じて、還元剤噴射弁から噴射する還元剤の噴射圧力を制御することが好ましい。還元剤の噴射圧力を変えることによって、噴射された還元剤粒子の粒度分布や速度を調整することができる。その結果、排気通路における屈曲部の外側方向から連続する内周面側を流れやすい還元剤粒子と、屈曲部の内側方向から連続する内周面側を流れやすい還元剤粒子とを、排気ガスの流速に対応させて均等に分散させることができる。したがって、排気ガスと還元剤との混合状態を良好な状態にして、NOX触媒の全面に対して均一に還元剤を流入させることができる。
このように制御する例としては、例えば、還元剤の噴射圧力を大きくしたり小さくしたりすることに伴って、比較的質量の大きい大径の還元剤粒子の分布が減少したり増加したりするような場合には、排気ガスの流速が速くなるにしたがい還元剤の噴射圧力を小さくし、排気ガスの流れに影響されにくい比較的大径の粒子を多く含ませる一方、排気ガスの流速が遅くなるにしたがい還元剤の噴射圧力を大きくし、排気ガスの流れに影響されやすい比較的小径の粒子を多く含ませるように制御することができる。
一方、噴射される還元剤粒子の粒径が還元剤の噴射圧力の影響を受けにくいような場合には、排気ガスの流速が速くなるにしたがい、排気ガスの流れに影響されにくくなるように還元剤粒子の運動量を大きくすべく還元剤の噴射圧力を大きくする一方、排気ガスの流速が遅くなるにしたがい、排気ガスの流れに影響されやすくなるように還元剤粒子の運動量を小さくすべく還元剤の噴射圧力を小さくするように制御することができる。
以上のように、本実施形態のNOX浄化装置によれば、噴射弁から噴射される還元剤がNOX触媒の全面にわたって均一に分散した状態で流入するため、部分的に過剰になったり、不足したりすることが低減され、還元剤の利用効率を向上させることができる。その結果、還元剤を用いたNOXの浄化効率を向上させることができる。
本実施形態にかかるNOX浄化装置の構成例を説明するための図である。 噴射弁を含む還元剤噴射装置の構成例を説明するための図である。 噴射弁の配置と還元剤の濃度分布との関係を説明するための図である。 本実施形態にかかるNOX浄化装置の噴射弁の配置と還元剤の濃度分布との関係を説明するための図である。 噴射弁の噴射方向と排気通路の内周面とのなす角度について説明するための図である。 噴射弁の配置位置について説明するための図である。 従来のNOX浄化装置の構成について説明するための図である。 屈曲部を通過した排気ガスの速度分布の偏りについて説明するための図である。
符号の説明
1:内燃機関、3:排気通路、3A:外周部、5:NOX触媒、7:噴射弁、8:還元剤導入路、9:NOXセンサ、11:テーパ部、11a:テーパ部の上流側端部、11b:テーパ部の内周面、13:屈曲部、15:直線部分、17a:屈曲部の上流側排気通路、17b:屈曲部の下流側排気通路、18・19:排気通路の内周面、30:還元剤噴射装置、31:貯蔵タンク、33:ポンプ、35:DCU、37:アクチュエータ、39:還元剤供給路、41:排出路、43:排出弁

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元するためのNOX触媒と、前記NOX触媒の上流側で前記排気通路中に前記還元剤を噴射するための噴射弁と、を備えたNOX浄化装置において、
    前記排気通路は、前記NOX触媒の上流側に、断面積が下流側に向けて次第に拡大するテーパ部を有するとともに、当該テーパ部のさらに上流側に屈曲部を有し、
    前記噴射弁は、前記屈曲部と前記テーパ部との間において、前記排気通路の外周部のうち、前記屈曲部の外側方向から連続する外周部に配置されるとともに、
    前記内燃機関の非運転状態に還元剤を噴射した場合における前記還元剤の噴射範囲が前記テーパ部の入口側端部の上流側及び下流側にまたがるように前記噴射弁を配置したことを特徴とするNOX浄化装置。
  2. 前記噴射弁は、噴射方向を前記排気通路の下流側方向に傾けて配置されることを特徴とする請求項1に記載のNOX浄化装置。
  3. 前記噴射弁の噴射軸と、前記屈曲部の上流側の排気通路の軸線と、前記屈曲部の下流側の排気通路の軸線と、が同一平面をなすように、前記噴射弁が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のNOX浄化装置。
  4. 前記噴射弁は、前記排気通路の外周部に設けられた還元剤導入路を介して、前記排気通路の内周面から離間して配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のNOX浄化装置。
  5. 前記噴射弁から噴射される前記還元剤は、少なくとも、粒径が150μm以上の大径粒子と、粒径が100μm以下の小径粒子と、を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のNOX浄化装置。
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