JP4707796B2 - 5−アルキルベンゾジオキソールの合成法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゾジオキソール誘導体合成の技術分野に属し、香料や殺虫剤の製造において特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
メチレンジオキシ−1,2−ベンゼン基(ベンゾ[1,3]ジオキソールとも言う)を有する、フラボンやアルカロイド等の種々の天然物質は生物学的活性を有する。例えば、ベンソ[1,3]ジオキソール誘導体は肝臓疾患の治療に使用される(「Chem.Abstracts」1990、113:52534)。
【0003】
前記誘導体には、香料およびフレーバーや殺虫剤の製造において広い用途があることがわかった。殺虫活性を示す、ベンゾ[1,3]ジオキソール基を有する化合物は幾つかの刊行物に記載されている(参照:例「Bull.Soc.Chim.France」1964,1892〜1895)。
【0004】
特に興味深いのは、多くの精油の1成分およびサッサフラス油の主要成分のうちの1つ(約75%)である例えば、5−(2−プロペニル)−ベンゾ[1,3]ジオキソール(サフロール)等の5−置換ベンゾ[1,3]ジオキソール誘導体である(Oswald氏等「Biochim.Biophys.Acta」1971,230,237)。更に重要な5−置換誘導体は、5−(1−プロペニル)−ベンゾ[1,3]ジオキソール(イソサフロール)であり、これら香料に使用されるエッセンスであり、石鹸の脱臭剤として使用される。イソサフロールはピペロナール(ヘリオトロピンあるいはベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボキシアルデヒドともいう)の合成にも使用され、これは香料やフレーバー業界で使用されるもう1つのエッセンスである。更に5−ヒドロキシメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール(ピペロニルアルコール)およびその誘導体は上記業界で最も関心がもたれている。
【0005】
特に興味深いのは、5位をアルキル基で置換されたベンゾ[1,3]ジオキソールである。その理由は、これらは、業界の重要な前記生成物、および殺虫作用を示す活性成分であるピペロニルブトキシド等の他の生成物の合成における基本的な試薬として使用できるからである。更に、5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールはこれ自体で肝臓酵素の阻害剤として生物学的活性を示す。
【0006】
従って、5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールの合成に対する効果的な方法が非常に必要であると思われる。
典型的には、ベンゾ[1,3]ジオキソール環を形成するには、カテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)をメチレンハロゲン化物(例えばCH2Cl2)と双極子非プロトン性溶媒中および塩基性環境下で反応させることによる(「Tetrahedron Lett.」1991,32(22),p.2464)。しかし、5−アルキル化ベンゾ[1,3]ジオキソールを得る上記反応は産業規模の工場ではほとんど利用できない。実際、前記誘導体合成に必要な4−アルキルカテコールは高価であるため、前記合成は経済的に不利となる。この問題は4−アルキルカテコールを直接合成することによって解決できない。この理由は、この合成では、望ましくない異性体混合物が生じ(J.March,「Advanced Organic Chem istry」McGraw−Hill Inc.,1968,406〜409)、あるいは例えば液状態でフッ化水素酸を使用する等、特定のきびしい条件で試薬を使用する必要があり、これらの要因が製造コストを高くするからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため、5−アルキル化ベンゾ[1,3]ジオキソールの効果的な合成法を早急に確率する必要がある。特に、開発されるべき合成法は、低コストであり、産業規模で再現しやすいことが必要である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記構成の5−アルキル化ベンゾ[1,3]ジオキソールの合成法を驚くべきことに見い出した。この合成法は、順に以下の工程からなる。つまり、4−アシルフェノールの接触水素化、アシル化、ルイス酸を触媒とする置換反応、無機塩基性化合物と過酸化水素を用いた処理、アルキルジハロゲン化物またはジアルコキシアルカンを用いた反応である。
本発明にかかる5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソール合成法は経済的であり、産業規模に容易に大規模化できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソール合成法の提供であり、この方法は図1に示され、以下の工程を特徴とする。
(a)一般式(I)で示す4−アシルフェノール(式中、R1はC1〜C17のアルキル基を示す。)の接触水素化により、一般式(II)で示す4−アルキルフェノールを得る工程
(b)酢酸又はプロピオン酸、或いはこれらの塩化物又は無水物を用いて、一般式(II)で示す化合物をアシル化して、一般式(III)で示す化合物(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)を得る工程
(c)ルイス酸を用いて一般式(III)で示す化合物を処理して、一般式(IV)で示す4−アルキル−2−アシルフェノールを得る工程
(d)一般式(IV)で示す化合物を0〜25℃にて過酸化水素および無機塩基性化合物含有のヒドロアルコール溶液で処理し(無機塩基性化合物対一般式(IV)で示す化合物のモル比=0.8:1〜2:1好ましくは1:1〜1.5:1)、一般式(V)で示す4−アルキルカテコールを得る工程
(e)一般式(V)で示す化合物を一般式X−CH(R2)−Yで示す化合物〔式中、XおよびYは同じでも異なっていてもよく、それぞれ、(i)群(塩素、臭素、ヨウ素)または(ii)群(CH3O−、C25O−)からそれぞれ選択され、R2はHまたはC1〜C3のアルキル基を示す〕で環化し、一般式(VI)で示す5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールを得る工程
【0010】
本発明にかかる工程(a)では一般式(I)で示す4−アシルフェノールを接触水素化し、一般式(II)で示す4−アルキルフェノールを得る。R1基は炭素数1〜17、好ましくは1〜5を有するアルキル基である。4−アシルフェノール(I)は市販されている。水素化は圧力0.5〜60bar、温度10〜100℃で行われ、接触水素に通常使用される触媒を用い、触媒はそのまま、あるいは不活性なマトリックスに担持されていてもよい。これらの触媒の典型的な例としては、PtO2、PtO、Niラネー、Pd/炭素、Pd硫酸バリウム、Pt/炭素、Pt/アルミナ、Pd/アルミナである。
この反応は適切な溶媒存在下で、または溶媒不存在下で行なわれる。メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびブタノール等のアルコール性溶媒を使用することが好ましい。
工程(a)は周囲条件下(1bar、20℃)でさえも高収率をもたらすので、大規模な工場に使用でき、これによりかなり省エネ化が図れる。
【0011】
本発明にかかる工程(b)では一般式(II)で示す4−アルキルフェノールのヒドロキシル基をアシル化する。アシル化はこの業界で知られた方法を使用でき、化合物(II)を、酢酸又はプロピオン酸、或いはこれらの塩化物又は無水物反応させることにより行う。
【0012】
酸を用いて反応させる場合には、適切な不活性溶媒の存在下であるいは不存在下で、酸触媒を用いて行われるであろう。反応溶媒はベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタンが好ましく、トルエンが最も好ましい。酸触媒は硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸が好ましく、p−トルエンスルホン酸が最も好ましい。反応温度は、反応中に形成された水が共沸蒸留により除去される温度が好ましい。反応を酸塩化物で行う場合には、適当な不活性溶媒および有機塩基から選択される適切な塩酸アクセプターの存在下で行われるであろう。
反応溶媒はベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンが好ましく、トルエンが最も好ましい。有機塩基はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ルチジンが好ましく、トリエチルアミンが最も好ましい。反応は0〜80℃で行われ、0〜25℃が便利である。塩基は酸塩化物1モルあたり1:1〜1:3好ましくは1:1〜1.5:1の範囲で使用される。
【0013】
無水物を用いて反応させる場合には、不活性溶媒を用いてあるいは用いずに行われるであろう。反応溶媒はベンゼン、トルエン、メシチレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロエタン、テトラクロロエタンが好ましく、トルエンが最も好ましい。使用される無水物の量は、化合物(II)1モルあたり1:1〜2:1である。反応温度は溶媒の還流温度あるいはバルク状態で行う場合は試薬として使用される無水物の還流温度で行う。
工程(b)によりアシル化生成物(III)が得られ、式中、R3はメチル基またはエチル基であり、R1は上記の通りである。
【0014】
工程(c)では、化合物(III)をルイス酸で処理して4−アルキル−2−アシルフェノール(IV)を得る。式中、R1とR3は上記の通りである。典型的なルイス酸は、アルミナ等の不活性マトリックスに任意に担持されたAlCl3、AlBr3、BCl3、BBr3、BF3、ZnCl2 FeClである。
Si/Al比が8〜100、好ましくは10〜60の範囲でゼオライトを酸触媒として使用したとき優れた結果が得られた。工程(c)の反応は、適切な不活性溶媒を用いてあるいは用いずに行われる。この溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロエタン、テトラクロロエタンが例示される。
反応は溶媒還流温度で行われる。反応をバルク状態で行う場合には、反応温度は80〜140℃の範囲であり、90〜120℃が便宜上より好ましいであろう。
工程(c)の反応により置換生成物(IV)を得る。式中,R1とR3は上記のとおりである。
【0015】
工程(d)では0〜25℃で化合物(IV)を、無機塩基性化合物を含むヒドロアルコール溶液(無機塩基性化合物/化合物(IV)のモル比は0.8:1〜2:1好ましくは1:1〜1.5:1)、および過酸化水素を用いて処理する。
ヒドロアルコール溶液は好ましは1:1(V/V)の水−メタノールまたは水−エタノール混合物である。
無機塩基性化合物としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを例示できる。
過酸化水素は2〜70重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜25重量%の濃度の溶液として使用される。好ましくは、化合物(IV)、無機塩基性化合物および過酸化水素は等モル量で使用される。
反応の好ましい態様では、無機塩基性化合物を含むヒドロアルコール溶液を調製しておき、これに先ず化合物(IV)を添加し、次に過酸化水素を添加する。
工程(d)の反応は「Houben−Weil E−3」1983,p.293に記載の酸化反応の変形であり、特に、サリチルアルデヒドに対する変形例である。すなわち、工程(d)では、この条件下ではほとんど生成させることができない、相当するアルデヒド誘導体にではなく、アシル化合物(IV)に直接反応させる。この反応により、化合物(V)を非常に高収率で得ることができる。
更に工程(d)の反応は周囲条件下で行うことができるので、産業規模の工場に容易に適用できる。
【0016】
工程(e)では、ベンゾジオキソール環は一般式X−CH(R2)−Yで示される化合物との反応により閉環される。式中、XとYは同じでも異なっていてもよく、それぞれ、(i)群(塩素、臭素、ヨウ素)または(ii)群(CH3O−、C25O−)、から選択され、R2はHまたはC1〜C3のアルキル基を示す。この反応は例えば「J.Chem.Soc.(c)」1969,1202〜1204に記載された当業者既知の方法に従って行われる。XとYがハロゲンを表すとき(例えばジクロロメタン等)、反応は双極子非プロトン性溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)中で、無機塩基(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)の存在下で、ヨウ素塩(例えばNaI、KI、CaI2等)の任意存在下で、70〜150℃の温度範囲で行われる。好ましくは、化合物(V)をDMF−ジクロロメタン混合物に溶解し、得られた溶液をDMFとジクロロメタン中の無機塩基懸濁液に添加し、添加中を通して温度を110〜130℃に維持する。
【0017】
XとYがCH3O−および/またはC25O−を表す場合、反応は不活性溶媒(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等)中で、適当なエステル交換反応触媒(例えば、ナトリウムメトキシド、リチウムアミド、水素化ナトリウム、チタンテトラブトキシド、酸化ジメチルスズ等)の存在下で行われる。操作温度は好ましくは溶媒の沸点である。得られたベンゾジオキソールは殺虫剤として重要な生物活性を示す。さらに、これは、ピペロニルアルコール、サフロール、イソサフロール、これらの誘導体の合成における基本的な試薬として使用でき、香料および殺虫剤の製造において有利である。
これらの生成物は5位のアルキル基を酸化、脱水することにより容易に得られ、この反応は業界周知である。
【0018】
本発明を、非制限的に示した実施例により説明する。
実施例1A:4−プロピルフェノールの合成
500mlのオートクレーブ中に、メタノール(100ml)中の4−ヒドロキシプロピオフェノン(30g、0.2mol)および5%Pd/C(1g、50%wet(ウェット))を入れた。この混合物を窒素で洗浄した後、室温および大気圧下で水素化した。
触媒をろ過し、生成物を真空(40℃/24mbar)中で濃縮した。4−プロピルフェノールを定量的に得た。
【0019】
実施例1B:4−プロピルフェノールアセテートの合成
4−プロピルフェノール(13.6g、0.1mol)をジクロロエタン(100ml)に溶解した。得られた混合物にトリエチルアミン(15.2g、21ml、0.15mol)を室温にて添加した。
この溶液を0〜3℃に冷却し、ゆっくりと、これに、ジクロロエタン(20ml)中に溶解した塩化アセチル(9.4g、8.6ml、0.12mol)を5〜10℃に維持しつつ添加した。
添加完了後、この溶液を室温で1時間攪拌し、ろ過した。この有機溶液を2MのHCl(50ml)、2MのNaOH(50ml)そして水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、無色の油状物を得た。
【0020】
実施例1C:2−アセチル−4−プロピルフェノールの合成
4−プロピルフェノールアセタート(17.8g、0.1mol)に、塩化アルミニウム(13.3g、0.1mol)を添加した。
この反応は強い発熱反応であった。この混合物を110℃で4時間攪拌し、その後0℃に冷却し、ジクロロエタン(100ml)および6NのHCl(100ml)に溶解した。攪拌を継続し、有機層を分離した。水層を3回、ジクロロエタン(50ml)で洗浄し、前記有機層と一緒にした。
得られた有機層を5%(W/V)の重炭酸ナトリウム水溶液(150ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空(40℃/24mbar)で濃縮し、薄黄色の油状物を得た。
【0021】
実施例1D:4−プロピルカテコールの合成
水(25ml)中の重炭酸ナトリウム溶液(4.2g、50mmol)に、メタノール(25ml)中に溶解した2−アセチル−4−プロピルフェノール(8.6g、50mmol)を添加した。
室温に保持しつつ、得られた混合物に、15%(w/w)の過酸化水素(11.9g、52.5mmol)をゆっくりと添加した。
添加完了後、この混合物を4時間攪拌し、真空(45℃/24mbar)中で濃縮した。水性残留物を水(30ml)に溶解し、3回、イソプロピルエーテル(50ml)で抽出した。この有機層を真空(30℃/24mbar)中で濃縮し、非常に濃い黄色の油状物を得た。
【0022】
実施例1E:5−プロピルベンゾジオキソールの合成
4−プロピルカテコールの合成(10.7g、70mmol)を90:10(V/V)のDMF/ジクロロメタン混合物(17ml)に溶解した。得られた溶液を、90:10(V/V)のDMF/ジクロロメタン混合物(85ml)中の無水K2CO3(14.1g、87mmol)の懸濁液に、115〜120℃に保持しつつ、非常にゆっくりと添加した。
添加完了後、この溶液をさらに3時間120〜125℃に維持し、冷却し、ろ過した。
この混合物を60℃/12mbarでろ過し、この残留物を水(30ml)に溶解し、n−ヘキサン(50ml)で抽出した。
この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空(30℃/24mbar)で乾燥した。
11.2gの5−プロピルベンゾ−[1,3]−ジオキソールを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールの合成の順序を示すフローチャートである。

Claims (11)

  1. 下記の(a)〜(e)の工程を含んで構成される5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールの合成法。
    (a)一般式(I)で示す4−アシルフェノール(式中、R1はC1〜C17のアルキル基を示す。)の接触水素化により、一般式(II)で示す4−アルキルフェノールを得る工程
    Figure 0004707796
    (b)酢酸又はプロピオン酸、或いはこれらの塩化物又は無水物を用いて、一般式(II)で示す化合物をアシル化して、一般式(III)で示す化合物(式中、R3はメチル基またはエチル基を示す。)を得る工程
    Figure 0004707796
    (c)ルイス酸を用いて一般式(III)で示す化合物を処理して、一般式(IV)で示す4−アルキル−2−アシルフェノールを得る工程
    Figure 0004707796
    (d)一般式(IV)で示す化合物を0〜25℃にて過酸化水素および無機塩基性化合物含有のヒドロアルコール溶液で処理し(無機塩基性化合物対一般式(IV)で示す化合物のモル比=0.8:1〜2:1)、一般式(V)で示す4−アルキルカテコールを得る工程
    Figure 0004707796
    (e)一般式(V)で示す化合物を一般式X−CH(R2)−Yで示す化合物〔式中、XおよびYは同じでも異なっていてもよく、それぞれ、(i)群(塩素、臭素、ヨウ素)または(ii)群(CH3O−、C25O−)から選択され、R2はHまたはC1〜C3のアルキル基を示す〕で環化し、一般式(VI)で示す5−アルキルベンゾ[1,3]ジオキソールを得る工程
    Figure 0004707796
  2. 1がC1〜C5のアルキル基である請求項1記載の合成法。
  3. 水素化工程(a)が1bar、20℃下で行われ、PtO2、PtO、Niラネー、Pd/炭素、Pd/硫酸バリウム、Pt/炭素、Pt/アルミナ、Pd/アルミナよりなる群から選択される化合物により触媒される請求項1または2記載の合成法。
  4. 工程(c)で使用されるルイス酸がAlCl3、AlBr3、BCl3、BBr3、BF3、ZnCl2、FeCl2、およびゼオライトよりなる群から選択されてなる請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の合成法。
  5. 工程(d)で使用される無機塩基性化合物が重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムよりなる群から選択されてなる請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の合成法。
  6. 工程(d)で使用される、化合物(IV)、無機塩基性化合物および過酸化水素は等モル量である請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の合成法。
  7. 工程(d)は、先ず、無機塩基性化合物含有ヒドロアルコール溶液を調製し、次いで、化合物(IV)を添加し、さらに、過酸化水素を添加することからなる請求項1〜6うちいずれか1項に記載の合成法。
  8. 工程(e)で使用される一般式X−CH(R2)−Yで表される化合物の、XおよびYが(i)群から選択され、この反応が、塩基性双極性溶媒中で行われる請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の合成法。
  9. 工程(e)で使用される一般式X−CH(R2)−Yで表される化合物の、XおよびYが(ii)群から選択され、その反応が不活性溶媒中で、エステル交換反応触媒の存在下で行われる請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の合成法。
  10. エステル交換反応触媒が、ナトリウムメトキシド、リチウムアミド、水素化ナトリウム、チタンテトラブトキシド、ジメチルスズオキシドよりなる群から選択される請求項9記載の合成法。
  11. 化合物(VI)が、5位のアルキル基を酸化、脱水することにより、さらに転化されて、ピペロニルアルコール、サフロール、イソサフロール、ピペロニルブトキシドよりなる群から選択される化合物になる請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の合成法。
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