JP4707596B2 - 部品搭載方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装装置において装着ヘッドにより部品を吸着し、吸着された部品を基板上に搭載する部品搭載方法に関するものである。
部品実装装置では、装着ヘッドを部品実装装置の部品供給部へXY軸移動させ、吸着ノズルを下降させて部品を吸着した後、装着ヘッドを基板上の部品を搭載すべく指定された位置へXY軸移動させ、吸着ノズルを下降させて部品を搭載している。
そのとき、基板の位置ずれがあるので、基板が搭載位置に搬送されたときに、装着ヘッドをXY軸移動させて、装着ヘッドに搭載された基板認識カメラを基板に形成された基板位置認識用の基板マーク上の位置に移動させ、基板マークを撮像し、その画像に基づいて基板の位置を認識して、基板の位置ずれを補正している(特許文献1)。また、部品を吸着した後に装着ヘッドを、部品認識カメラ上に移動し、同カメラにより吸着された部品を撮像し、その画像に基づいて部品の吸着位置ずれと角度ずれを認識し、その認識結果に基づいて基板上での部品搭載位置を補正することにより、高精度な部品搭載を行っている。
特開2002−288632号公報
従来の部品実装装置の部品搭載方法では、基板マークの認識動作は、装着ヘッドに搭載された基板認識カメラを、例えば図3に示すようにXY軸移動させて行っている。図3は、マーク(1)〜(3)として示す第1〜第3の基板マークが基板10の三方の角部に形成されている場合のカメラの移動軌跡、すなわち装着ヘッドの移動軌跡を示している。図3中で右方向が+X方向、左方向が−X方向、上方向が+Y方向、下方向が−Y方向とする。丸付き数字は移動やマーク認識などの各動作の順番を示している。
マーク認識動作では、まずカメラをマーク(1)上の指定された認識位置へ最短距離となる1直線方向である−X、−Y方向に移動させた後、マーク(1)の認識を行う。次に、カメラをマーク(2)上の認識位置へ最短距離となる+X方向に移動させた後、マーク(2)の認識を行う。次にマーク(3)上の認識位置へ最短距離となる+Y方向に移動させた後、マーク(3)の認識を行う。このように、各マークへのカメラの移動方向はマーク毎に異なる方向となる。
このように、従来の基板認識マーク認識処理では、基板マーク位置への移動方向が不特定方向となるので、装着ヘッドが基板マーク位置に移動した際に発生する誤差(ロストモーション)や、異なる方向からマーク位置に移動した際に発生するヒステリシスの影響が大きい場合、認識結果に誤差が発生し、高精度なマーク認識を行えないという問題があった。
また、吸着した部品の画像認識処理においても、部品実装装置のフロント側から部品を認識する場合とリア側から認識する場合では、装着ヘッドが部品認識カメラに移動する方向が異なるため、認識結果に誤差が発生し、高精度な画像認識を行えないという問題があった。また、装着ヘッドが部品を基板上に搭載するために、搭載位置に移動する場合にも、搭載位置へ移動する方向が異なるために、搭載誤差が発生し、高精度な部品搭載が行えないという問題があった。
本発明は、以上のような問題を解決し、部品の基板上への搭載精度を向上することができる部品搭載方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、
装着ヘッドにより部品を吸着し、吸着された部品を基板上に搭載する部品搭載方法であって、
装着ヘッドを複数の方向から予め定められた位置に移動させて、そのうち最も高精度で該位置に移動する方向を高精度方向として予め求めておき、
部品吸着あるいは搭載に際して装着ヘッドを指定位置に移動させるときは、装着ヘッドを、該指定位置から前記高精度方向と逆方向に所定距離離れた位置に移動させ、続いてその位置から高精度方向に沿って指定位置に移動させることを特徴とする。
前記指定位置は、例えば、基板に形成された基板位置認識用の基板マーク位置、部品を基板上に搭載する部品搭載位置、部品供給部から部品を吸着する部品吸着位置、装着ヘッドに吸着された部品を認識するための撮像手段上の部品認識位置、あるいは、装着ヘッドの移動原点位置である。
本発明の部品搭載方法によれば、装着ヘッドを複数の方向から予め定められた位置に移動させて、そのうち最も高精度で該位置に移動する方向を高精度方向として予め求めておき、装着ヘッドを指定位置(基板マーク位置、吸着位置、搭載位置、部品認識位置、移動原点位置など)に移動させるときに、まず装着ヘッドを指定位置から所定距離離れた位置に移動させ、続いてその位置から高精度方向に沿って指定位置に移動させるようにしているので、装着ヘッドを高精度で指定位置に位置決めすることができる。したがって、基板マークの認識精度、吸着精度、部品認識精度、及び搭載精度を向上させることができる。
以下、添付図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。
図1は、部品(電子部品)を基板(回路基板)上に搭載する部品実装装置の機械的構成の概略を示している。同図に示すように、部品実装装置1は、中央部から少し後方で左右方向(X軸方向)に延在する基板搬送路15と、装置1の前部(図示の下側)に配設され、基板10に実装される部品を供給する部品供給部14と、これらの上方に配設されたX軸移動機構11とY軸移動機構12を備えている。
X軸移動機構11は、部品を吸着する吸着ノズル13aを備えた装着ヘッド13をX軸方向に移動させ、またY軸移動機構12は、X軸移動機構11並びに装着ヘッド13をY軸方向に移動させる。また装着ヘッド13は、図1には図示されていないが、吸着ノズル13aを垂直方向(Z軸方向)に昇降可能に移動させるZ軸移動機構を備え、また吸着ノズルをノズル軸(吸着軸)を中心に回転させるθ軸移動機構を備えている。
また、装着ヘッド13には、基板10上に形成された基板位置認識用の基板マークを撮像する撮像手段としての基板認識カメラ17が基板10を照明する不図示の照明手段と共に取り付けられている。なお、基板10には、図3に示したように、三方の角部に第1〜第3の基板マークが形成されている。また、基板認識カメラ17は後述する高精度方向の検出のためにも使用される。
また、部品供給部14の側部の所定位置には、吸着ノズル13aに吸着された部品を下方から撮像する部品認識カメラ16が吸着された部品を照明する不図示の照明手段と共に固定されている。
また、部品実装装置1の前面上部には、装置の動作状態などを表示するオペレーションモニター18が設けられており、さらに、装置全体の制御と、画像処理などを行う制御部19が本体内に設けられている。
図2は部品実装装置1の制御系の構成を示している。図1中の制御部19は、図2中のコントローラ20、画像処理装置27及び記憶装置30などから構成される。
コントローラ20は、装置全体を制御するマイクロコンピュータ(CPU)、並びにRAM、ROMなどからなる。このコントローラ20に以下の21〜35の構成が接続される。
X軸モータ21は、X軸移動機構11の駆動源で、装着ヘッド13をX軸方向に移動させる。また、Y軸モータ22は、Y軸移動機構12の駆動源で、X軸移動機構11と装着ヘッド13をY軸方向に駆動し、それにより装着ヘッド13はX軸方向とY軸方向に移動可能となる。
Z軸モータ23は、吸着ノズル13aのZ軸駆動機構の駆動源で、吸着ノズル13aをZ軸方向(高さ方向)に昇降させる。また、θ軸モータ24は、吸着ノズル13aのθ軸回転機構の駆動源で、吸着ノズル13aをそのノズル中心軸(吸着軸)を中心にして回転させる。
各モータ21〜24には、それぞれの回転量と回転方向を検出するモータエンコーダ32〜35が接続されており、それぞれの検出信号がコントローラ20に入力される。
画像処理装置27は、A/D変換器27a、メモリ27b及びCPU27cから構成される。部品認識カメラ16で撮像された部品2のアナログの画像信号は、A/D変換器27aによりデジタル信号に変換されてメモリ27bに格納され、CPU27cが部品画像データに基づいて吸着された部品2の吸着ノズル13aに対する部品中心の位置ずれ(吸着位置ずれ)と吸着角度のずれを認識する。
また、画像処理装置27は、基板認識カメラ17で撮像される基板位置認識用の基板マークの画像を、A/D変換器27aによりデジタル信号に変換してメモリ27bに格納し、CPU27cがその画像データに基づいて基板マークの位置を認識して基板10の位置を認識する。さらに、画像処理装置27は、基板認識カメラ17を使用して行う後述する高精度方向の検出のためにマークの画像認識も行う。
キーボード28とマウス29は、部品データなどのデータを入力するために用いられる。
記憶装置30は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード28とマウス29により入力された部品データ、及び不図示のホストコンピュータから供給される部品データなどを格納するのに用いられる。
表示装置(モニタ)31は、部品データ、演算データ、及び部品認識カメラ16で撮像した部品2の画像、基板認識カメラ17で撮像した基板マークなどの画像を画面31aに表示する。
本発明では、装着ヘッドが、基板マークなどの指定された位置に移動するとき、その移動方向によって指定位置に到達するときの位置決め精度が異なるので、装着ヘッドを複数の方向から予め定められた位置(以下、目標位置)に移動させて、そのうち最も高精度で該位置に移動する方向(以下、高精度方向という)を予め求めるようにする。図6は、その高精度方向の検出方法を説明するものである。
図6中で、40は、高精度方向検出のために装着ヘッド13が移動する目標位置を示し、50は、この目標位置40に形成された高精度方向検出用マークである。この目標位置は、基板マークを高精度方向検出用マークとして利用することにより基板マーク位置とすることができるが、基板上あるいは部品搭載装置の所定位置に高精度方向検出用マークを設け、そのマーク位置とするようにしてもよい。
高精度方向の検出のために、装着ヘッド13を、図6の目標位置40に対して、例えば、それぞれ矢印で示すように、X軸とY軸に沿った平面内で45°ずつ異なる8つの方向、すなわち(+X,+Y)、(+X,0)、(+X,−Y)、(0,−Y)、(−X,−Y)、(−X,0)、(−X,+Y)、及び(0,+Y)の各方向からそれぞれの方向に沿って移動させて、目標位置40に位置決めする。そして、基板認識カメラ17で目標位置にあるマーク50を撮像し、その画像を画像認識装置27で処理して、目標位置40からのマーク50の画像の位置ずれ量を求める。コントローラ20は、この動作を8つの各移動方向毎に複数回ずつ、例えば10回ずつ繰り返して行わせ、各移動方向毎に複数回ずつの動作における装着ヘッド13の位置ずれ量を合計する。そして、その位置ずれ量の合計が最も小さい移動方向を、8方向の内で高精度方向として検出し、これを記憶装置30などに記憶しておく。
なお、以上では8方向の内から高精度方向を検出するものとしたが、8方向に限らないことは勿論であり、それ以上の方向とすることができる。
基板マーク認識時、従来では、先に図3で説明したように、各基板マーク上へのカメラの移動方向(装着ヘッドの移動方向)が、最短距離となる1直線方向とされ、高精度方向は考慮されていなかった。これに対して、本実施例では、高精度方向を考慮して移動させる。その移動方法を図4及び図5により説明する。なお、図5において、丸付き数字は移動やマーク認識などの各動作の順番を示している(図8、図9も同様)。
例えば、目標位置40へ移動するときの高精度方向が、図4に示すように、X軸に対してθの角度を有している場合、目標位置40から高精度方向と逆方向に所定距離L離れた位置を、高精度位置41として求める。目標位置の座標が(X1、Y1)であるときは、ΔX=Lcosθ、ΔY=Lsinθとして、高精度位置41の座標は(X1−ΔX、Y1−ΔY)となる。なお、所定距離Lは、たとえば、装着ヘッド13が目標位置に整定して停止する(振動なく停止する)最小距離とすることができる。
図5は、基板マークであるマーク(2)の認識を行うときの装着ヘッド13の移動の軌跡を示している。ここに示すように、マーク(2)の認識を行うときは、指定位置としてマーク(2)の位置が指定される。このマーク(2)の指定位置に対する高精度位置41を求め、この位置41から高精度方向42に沿って所定距離L移動させてマーク(2)上の指定位置に移動させ、基板認識カメラ17によりマーク(2)を撮像してマーク(2)の位置を認識する。
図7は、図5のように装着ヘッド13を移動させて基板マークの認識を行うためのコントローラ20の制御手順を示している。この制御手順では、まず装着ヘッド13の指定された移動先の基板マーク(マーク(1)〜(3)のいずれか)上の指定位置に対する高精度位置を図4で説明したようにして算出する(ステップS1)。次に、装着ヘッド13を算出した高精度位置に移動させ(ステップS2)、続いて、高精度位置から高精度方向に所定距離移動させて基板マーク上の指定位置に移動させる(ステップS3)。そして、基板認識カメラ17で基板マークを撮像して基板マークの位置を認識する(ステップS4)。図7の手順は、設けられている基板マークの数だけ繰り返される。
また、装着ヘッド13は、部品吸着のために、部品供給部14上の指定された位置(部品吸着位置)に移動し、また部品搭載のために、基板10上の指定された位置(部品搭載位置)に移動する。このとき、従来では、図8に示したように、装着ヘッドの各吸着位置及び各搭載位置への移動方向は最短距離となる直線方向となっており、高精度方向については何ら考慮されていなかった。
これに対して、本実施例では、部品の吸着及び搭載動作においても基板マーク認識動作時と同様に高精度方向を考慮して、吸着と搭載が行われる。
例えば、図9に示すように、搭載位置(1)〜(4)及び吸着位置(1)、(2)に装着ヘッド13を移動させる場合、予め求めた高精度方向42を用いて、搭載位置(1)〜(4)及び吸着位置(1)、(2)に対して高精度位置41を求め、まずその高精度位置に移動させ、続いてその位置から高精度方向に沿って所定距離だけ移動させて搭載位置(1)〜(4)及び吸着位置(1)、(2)に移動させ、部品2の吸着または搭載を行なう。図9において、星印で示すものは、各高精度位置を示している。
図10は、図9のように装着ヘッド13を移動させて部品の搭載または吸着を行うためのコントローラ20の制御手順を示している。この制御手順では、まず装着ヘッド13の指定された搭載位置または吸着位置に対する高精度位置を算出し(ステップS11)、次に、装着ヘッド13を算出した高精度位置に移動させ(ステップS12)、さらに、高精度位置から高精度方向に所定距離移動させて、指定された搭載位置または吸着位置に移動させる(ステップS13)。図10の手順は、吸着し搭載される部品の数だけ繰り返される。
なお、図9、図10における搭載位置は、部品認識の結果に基づき補正された搭載位置であり、また吸着位置は、ティーチングなどで補正された吸着位置とする。
また、部品吸着あるいは搭載時の高精度方向は、基板マーク認識時に用いられる高精度方向としたが、機種によっては、装着ヘッドが基板あるいは部品供給部のどの位置に移動するかによって高精度方向が異なり、高精度方向が位置依存性をもつことがある。このような場合には、搭載位置(n)、吸着位置(n)ごとに、あるいは代表的な搭載位置、吸着位置に対して個別に高精度方向を求めるようにしてもよい。このときの高精度方向を求めるためには、装着ヘッドが移動する予め定められた位置(目標位置)に高精度方向検出用マークが必要となるが、基板の場合には、電極をそのマークとすることができ、また、部品供給部では、フィーダに設けられた何らかの目印をそのマークとすることができる。また、高精度方向が位置依存性をもつ場合には、基板マーク(n)も、各基板マークごとに個別に高精度方向を求めるようにしてもよい。
また、指定位置として装着ヘッド13の移動原点位置に移動させるときも、同様の方法で移動させることができる。
本発明方法により部品の搭載を行う部品搭載装置の機械的構成を概略的に示す斜視図である。 同部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。 従来の基板マーク認識動作における基板認識カメラの移動軌跡(装着ヘッドの移動軌跡)を示す説明図である。 高精度方向と高精度位置を説明する説明図である。 基板マークの認識動作時の装着ヘッドの移動軌跡を示した説明図である。 高精度方向の検出方法を説明する説明図である。 基板マークの認識動作時に装着ヘッドの移動を制御する手順を示すフローチャート図である。 従来の部品の吸着及び搭載動作における装着ヘッドの移動軌跡を示す説明図である。 本発明の実施例で、部品の吸着及び搭載動作における装着ヘッドの移動軌跡を示す説明図である。 図9で部品の吸着及び搭載動作時に装着ヘッドの移動を制御する手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 部品実装装置
2 部品
10 基板
11 X軸移動機構
12 Y軸移動機構
13 装着ヘッド
14 部品供給部
16 部品認識カメラ
17 基板認識カメラ
20 コントローラ
21 X軸モータ
22 Y軸モータ
27 画像処理装置
32,33 モータエンコーダ

Claims (6)

  1. 装着ヘッドにより部品を吸着し、吸着された部品を基板上に搭載する部品搭載方法であって、
    装着ヘッドを複数の方向から予め定められた位置に移動させて、そのうち最も高精度で該位置に移動する方向を高精度方向として予め求めておき、
    部品吸着あるいは搭載に際して装着ヘッドを指定位置に移動させるときは、装着ヘッドを、該指定位置から前記高精度方向と逆方向に所定距離離れた位置に移動させ、続いてその位置から高精度方向に沿って指定位置に移動させることを特徴とする部品搭載方法。
  2. 前記指定位置は、基板に形成された基板位置認識用の基板マーク位置であることを特徴とする請求項1に記載の部品搭載方法。
  3. 前記指定位置は、部品を基板上に搭載する部品搭載位置であることを特徴とする請求項1に記載の部品搭載方法。
  4. 前記指定位置は、部品供給部から部品を吸着する部品吸着位置であることを特徴とする請求項1に記載の部品搭載方法。
  5. 前記指定位置は、装着ヘッドに吸着された部品を認識するための撮像手段上の部品認識位置であることを特徴とする請求項1に記載の部品搭載方法。
  6. 前記指定位置は、装着ヘッドの移動原点位置であることを特徴とする請求項1に記載の部品搭載方法。
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