JP4706294B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、乾電池を駆動源とし、電磁弁により開閉動作を行う止水栓において、当該乾電池の電池残量を警告報知する技術が開示されている。この止水栓では、フットスイッチにより電磁弁に電源供給がなされると、電圧検出回路により乾電池電圧を測定するとともに、タイマによる計時が実行される。
そして、乾電池電圧と所定の電圧値とを比較し、乾電池電圧が所定の電圧値より低い電圧値である場合に、その時点において、タイマの計時結果が所定時間を越えたか否かについての判断を行う。これにより、乾電池の電池残量が負荷を正常に動作させることができない状態を報知する交換モードと、乾電池の電池残量が残り少ない状況であることを報知する予告モードとを報知することができる。
この現象は、ACアダプタに入力されるAC一時電源の電圧値が低下している場合に加えて、この電圧低下が一般的に許されている範囲内において、交流をACアダプタにより、直流に変換し、平滑化した電流を作り出す際に生じるリップルの影響が大きい。ここで、リップルとは、コンデンサなどで完全に平滑化することができずに残ってしまった、あるレベルの電圧を中心に三角波のような電圧変動のことをいう。
例えば、当該装置に配設されているデバイスを使用した際に、前記所定の電圧近傍まで電圧値が低下するものとする。この時、リップルの影響により、電圧値が一時的に更に低下した場合には、前記電池残量検出回路では、所定の電圧値以下であると判断し、予告表示又は交換表示を行ってしまう。
従って、当該装置のユーザにとっては、乾電池を使用せず、電圧が安定供給される交流電源からACアダプタを利用して、当該装置を使用しているにも関わらず、前記交換表示や予告表示がなされることとなるため、当該装置が故障しているとの勘違い等の様々な不具合が生じてしまうという問題点があった。
しかし、この場合には、ACアダプタを使用していることを検出する検出スイッチを配設する必要が生じる。即ち、特許文献1に係る技術を、電池だけではなく、ACアダプタも使用可能な装置に適用した場合には、結果として部品点数の増加を招いてしまう。従って、特許文献1に記載した技術では、部品点数を削減した安価な装置には適当ではなく、部品点数に制限のある装置を含む、多様な装置に広くて起用可能な技術ではない。
このとき、電源電圧検出手段により、前記電源供給手段の電源電圧を検出し、検出結果に基づいて、前記通電期間の終了を決定し、前記印刷周期における通電期間を計測する。そして、前記通電期間計測手段の計測結果と、前記記憶手段に記憶された判定データに基づいて、前記電源供給手段の使用状態を判定し、報知手段により判定結果を報知する。
これにより、通電期間に基づいて、電源供給手段の使用状態が判定されるので、正確な使用状態を判断することができる。更に、電源電圧に基づいて、使用状況を判定せずに、印字周期毎に通電時間を介して、電源供給手段の使用状態を判定するので、交流から直流に変換する際に生じるリップルの影響をなくすことができる。
電源供給手段から供給される電圧が高い場合には、印刷動作を実行する際に短期の通電期間で良いが、電圧が低い場合には、通電期間が長期化する。従って、印字が良好な通電期間よりも長い非常停止通電期間を示す第1判定データにより、非常停止通電期間を超過している場合には、電源供給手段から供給される電圧は低下している。従って、この場合には、非常停止手段で印刷動作を停止することにより、電圧低下の影響で発生する印刷不良を防止することができる。
これにより、印刷動作が非常停止する前に、事前に措置を施すことができる。従って、常時、良好な印刷が可能な状態にしておくことができるので、快適な印刷操作を実行できると共に、良好な印刷結果を得ることができる。
また、本体2の長手方向のほぼ上半分側の部分は、水平視やや丸く形成され、この上側表面の略中央部には左右方向に横長の窓部5が穿設されている。
この窓部5の下側には、液晶ディスプレイ6が配設されており、文字入力キー12等を操作した入力結果等が表示される。そして、液晶ディスプレイ6の左側側面部には、カッターレバー7が設けられている。このカッターレバー7を親指などで内側に押すことにより、印字終了後に、テープ排出口8(図3参照)から排出された印字用テープ9(図3参照)を後述の切断刃10(図3参照)にて切断することができる。
そして、本体2に取り付けられる背面カバー3は、テープカセット26に対向する部分から把持部11にかけて、テープ印字装置1の厚さ寸法がなだらかに小さくなるように形成されている。つまり、把持部11の厚さ寸法は、テープカセット26が収納されている部分の厚さ寸法よりも小さくなるように形成され、操作者の手に持ちやすいように把持部11が構成されている。
また、切替キー14を押下する毎に液晶ディスプレイ6上のカーソル位置に表示される英小文字「a」と英大文字「A」、英小文字「b」と英大文字「B」、英小文字「c」と英大文字「C」が切り替えて表示され、リターンキー18を押下することによって確定される。
そして、把持部11の下方には、接続端子22が形成されている。この接続端子22は、外部の交流電源24(図5参照)から電源供給を受ける際に、ACアダプタ23(図5参照)を接続する接続端子である。ACアダプタ23を介することにより、交流電流は直流電流に変換される。これにより、外部の交流電源をテープ印字装置1の駆動電源とすることができる。
更に、本体2の把持部11と液晶ディスプレイ6との間の内部には、制御回路部が構成される制御基板21が配設されている。
この制御基板21のサーマルヘッド33(図3参照)に対して反対側で本体2の長手方向上側には、印字用テープ9を搬送する駆動モータ25が配設されている。
この仕切部材30には、印字用テープ9を収納したテープカセット26が収納されるカセット収納部27(図3参照)と、テープ印字装置1の駆動電源として使用可能な6本の乾電池28が2本ずつ直列に収納される電池収納部29(図3参照)が形成されている。
図3に示すように、仕切部材30の長手方向上半分側の部分には、カセット収納部27が形成されている。カセット収納部27は、テープカセット26の外形とほぼ同じ水平断面略四角形状で、テープカセット26の厚さ寸法にほぼ等しい深さ寸法で裏側に膨出するように形成されている。
このカセット収納部27のカッターレバー7側の端縁部近傍の底面部には、サーマルヘッド33が取り付けられる薄板状のサーマルヘッド取付部34が、本体2の長手方向に沿うように立設されている。
サーマルヘッド33は、複数の発熱素子(本実施形態においては、64個の発熱素子を1列に配設している)を有し、各発熱素子(図示せず)を発熱することにより、印字用テープ9に文字等の印字を行う。
また、仕切部材30の裏面部には、プラテンホルダ35が、サーマルヘッド33に対向するように配設されている。このプラテンホルダ35は、下端部の回転軸40を中心に回動可能に設けられている。
さらに、カセット収納部27の底面部には、複数個の検出スイッチ49(図4参照)が配設されている。ここで、テープカセット26の底面には、そのテープカセットに内蔵されている印字用テープ9の種類に対応する複数個の凹凸部(図示せず)が形成されている。従って、テープカセット26をカセット収納部27にセットした際には、テープカセット26の底面に形成された複数個の凹凸部(図示せず)により、検出スイッチ49が選択的にオン・オフされる。これにより、カセット収納部27にセットされたテープカセット26の印字用テープ9の種類を判断することができる。
前述したように、テープカセット26の底面には、テープカセット26に内蔵されている印字用テープ9の種類に対応する複数の凹凸部が選択的に形成されており、係る凹凸部は、テープカセット26をカセット収納部27にセットした際に、複数の検出スイッチ49を選択的にオン・オフする。これにより、検出スイッチ49からは、そのオン・オフのスイッチ信号を組み合わせたスイッチ信号パターンが得られる。
一方、後述するROM58には、テープカセット26に内蔵されている印字用テープ9の種類と、検出スイッチ49より得られるスイッチ信号パターンの組合せとを相互に対応させたテープ種類検出テーブルが格納されている。
従って、テープカセット26をカセット収納部27にセットした際には、検出スイッチ49から出力されるスイッチ信号パターンと、前記テープ種類検出テーブルとを相互に参照することにより、テープカセット26に内蔵されている印字用テープ9の種類を検出することができる。
図4に示すように、制御ユニットCUには、キーボード19と、印刷機構PMと、液晶ディスプレイ6と、検出スイッチ49が接続されている。
ここに、RAM60には、キーボード19を介して入力された入力データを記憶する入力バッファ82、印刷用データを記憶する印刷バッファ84、シフトレジスタ86、その他種々のカウンタやレジスタが設けられている。
また、印刷用CG−ROM62には、印刷対象となる多数の文字のドットパターンデータが記憶されている。そして、表示用CG−ROM64には、印刷対象となる多数の文字の表示用ドットパターンデータが記憶されている。
更に、出力インタフェース68には、印刷機構PMを構成するサーマルヘッド33を駆動するためのヘッド駆動回路72と、駆動モータ25を駆動するためのモータ駆動回路74と、前記液晶ディスプレイ6の表示を行うためのディスプレイ駆動回路76が接続されている。
プログラムメモリ78には、テープ印字装置1の制御上必要な各種の制御プログラムが格納されており、テープ印字装置1のメイン制御プログラムに加え、後述する通電非安定制御プログラムも格納されている。
又、数値テーブル81には、テープカセット検出用テーブルや、後述する通電非安定制御プログラム実行時に使用されるデータテーブル等が格納されている。
そして、辞書メモリ80には、キーボード19から入力されるテキストの仮名・漢字変換を行う際に使用される辞書データが格納されている。
ヘッド印加電圧検出回路54は、印字用テープ9に対して印字する際に、サーマルヘッド33に印加される電圧値を検出する回路である。ヘッド印加電圧検出回路54では、サーマルヘッド33に印加される電圧を検出すると、CPU56に送り、CPU56では内部のA/D変換器でディジタル値に変換してRAM60に格納する。こうして、ヘッド印加電圧検出回路54により検出された電圧値は、RAM60に格納され、後述する通電非安定制御処理において用いられる。
タイマ51が配設されている。このタイマ51は、μsの単位までの時間を計時可能なタイマであり、印字用テープ9に対する印字を行う際に使用される。
電源装置88は、乾電池28又は交流電源24からから所定の直流電圧を出力するものである。この所定の直流電圧は、スイッチ部94を介して電源供給回路96に供給される。
テープ印字装置1において、電池収納部29に乾電池28が直列状態で収納されている場合には、6本の乾電池28から直流電圧を出力し、スイッチ部94を介して電源供給回路96に供給される。
一方、電池収納部29に乾電池28が収納されていない場合において、接続端子22にACアダプタ23を接続することにより、外部の交流電源24(例えば、家庭用の交流電源)を駆動電源とすることができる。この時、交流電源24から供給される交流電圧は、ACアダプタ23により所定電圧の直流電圧に変換され、接続端子22、スイッチ部94を介して、電源供給回路96に供給される。
このように、本実施形態に係るテープ印字装置1においては、乾電池28と、外部の交流電源24のどちらからも、電源供給を受けることができる。
尚、乾電池28が電池収納部29に収納された状態において、接続端子22、ACアダプタ23を介して、交流電源24からの電源供給を受けた場合に、本実施形態に係るテープ印字装置1では、交流電源24からの電源供給が優先される。
印刷機構PMでは、電源供給回路96から供給された電圧により、ヘッド駆動回路72、モータ駆動回路74を介して、サーマルヘッド33及び駆動モータ25が駆動される。
一方、制御ユニットCUは、安定化回路100により、降下された電圧が供給され、これにより、CPU56の動作が行われる。即ち、安定化回路100によって、降下された電圧により、本実施形態に係るテープ印字装置1の制御処理は実行される。
テープ印字装置1において、電源ボタン17が押下され、制御ユニットCUに電源供給がなされると、メイン制御プログラムの実行が開始される。メイン制御プログラムが実行されると、CPU56は、先ず、本体処理(S1)を実行する。
ここで、本体処理(S1)とは、電源投入直後の初期化処理や、印字用テープ9に印字する印字データの作成、編集処理、印字データの作成、編集処理に伴う液晶ディスプレイ6における表示処理等、各種処理が行われる。これらの処理は、既に周知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
S3では、温度サーミスタ52により、テープ印字装置1の環境温度を測定し、その測定結果をRAM60に格納する。ここで、取得した温度データは、後述する通電非安定制御処理(S10)において用いられる。温度サーミスタ52による温度データを取得し、RAM60に格納した後、S4に移行する。
そして、S4においては、CPU56は、テープカセット26に内蔵されている印字用テープ9の種類を示すテープ種データを取得する。即ち、CPU56は、検出スイッチ49から得られるスイッチ信号パターンと、前記テープ種類検出テーブルとを相互に参照することにより、テープカセット26に内蔵されている印字用テープ9の種類を検出し、テープ種データとして、RAM60に格納する。テープ種データをRAM60に格納した後、S5に移行する。
そして、S6では、余白送りが必要か否か、即ち、所定の余白量が形成されたか否かについての判断がなされる。CPU56は、駆動モータ25により、印字用テープ9が所定量分だけ搬送されたか否かについての判断を行う。余白分の印字用テープ9が搬送されておらず、余白送りが必要な場合には(S6:YES)、S5に戻り、所定量分の印字用テープ9を搬送するまで駆動モータ25を駆動する。そして、所定量分の印字用テープ9が搬送され、所定量の余白が形成された場合には、余白送りを必要としないので(S6:NO)、S7に移行する。
上述したように、本実施形態においては、これらの文字を印字するサーマルヘッド33には、64個の発熱素子が1列に並んで配設されているので、サーマルヘッド33に対する1回の通電で印字される印字データは、縦64ドット×横1ドット分の印字データとなる。本実施形態においては、このデータを1ライン分印字データと称する。
そして、1ライン分印字データは、発熱素子に通電する通電時間と、発熱素子に通電しない非通電時間からなる一印字周期により、印字用テープ9に印字される。
尚、本実施形態に係るテープ印字装置1においては、1印字周期は、14.1msであるものとする。
上述したように、本実施形態においては、全角1文字の印字データは、64ライン分のデータで構成されているので、全角1文字を印字する際には、64印字周期(0.9s)を要し、サーマルヘッド33に64回の通電が行われることになる。そして、この1文字に対する処理を、印字データを構成する全ての文字に対して行うことで、入力された印字データが印字されたテープが作成されることとなる。
そして、作成された1ライン通電データを、ヘッド駆動回路72を介して、サーマルヘッド33に送信する(S9)。
この通電非安定制御処理(S10)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
通電非安定制御処理(S10)を実行することにより、印字用テープ9には、1ライン分印字データが印字されることになる。通電非安定制御処理(S10)を終了すると、CPU56は、S11に移行する。
RAM60に電池弱エラーフラグが格納されている場合には(S10:YES)、通電非安定制御処理(S10)により印字されたラインまでで印字データの印字を終了し、S1に戻る。これにより、不明瞭な印字が行われたラベルを作成してしまうことを防止することができる。一方、RAM60に電源弱エラーフラグが格納されていない場合には(S11:NO)、S12に移行する。
RAM60に電池弱ワーニングフラグが格納されている場合には(S12:YES)、S13に移行し、液晶ディスプレイ6に、「乾電池28の交換を促す旨」のワーニング表示を表示するワーニング表示処理が実行される。ワーニング表示処理(S13)を実行した後、S14に移行する。一方、RAM60に電源弱ワーニングフラグが格納されていない場合には(S12:NO)、そのまま、S14に移行する。
印字データを構成する全ラインについて、処理を完了していない場合には(S14:NO)、S7に戻り、次の1ライン分のデータに対し処理を実行する。一方、全ラインについて処理を完了している場合には(S14:NO)、S15に移行する。
従って、1ライン分印字データ毎に行われるS7〜S13までの印字処理が、印字データを構成する全ラインについて実行されるまでは、S7〜S13の処理を繰り返され、S15に移行する時点では、印字用テープ9には、入力された印字データが印字されている状態となっている。
この結果、印字用テープ9には、印字データが印字された印字部分の両側に、S5により形成される余白と、S15により形成される余白が形成されることとなり、見栄えの良いラベルを作成することができる。
そして、このS16の時点で、カッターレバー7を操作し、テープ排出口8から排出された印字済みの印字用テープ9を切断することで、所望のラベルを得ることができる。
通電非安定処理(S10)に移行すると、CPU56は、S3で取得された温度データ、S4において判定され、RAM60に格納されている印字用テープ9の種類を示すテープ種データに基づいて、制御基本値CをROM58から読み出す(S20)。
例えば、図8(a)に示すように、RAM60に、Aテープを示すテープ種データと、テープ印字装置1の環境温度が25℃であることを示す温度データが格納されている場合には、制御基本値Cとして、「81300」という値が読み出され、RAM60に格納される(S20)。
S22では、現在、通電非安定制御処理で処理されている1ライン分印字データ(以後、対象データと称す)が、全印字データにおける最初の1ライン分印字データであるか否かについての判断がなされる。対象データが、最初の1ライン分印字データである場合には(S22:YES)、S23に移行する。一方、対象データが最初の1ライン分印字データではない場合(S22:NO)、S24に移行する。
S24においては、RAM60に格納される電源状態を示すカウンタの値のリセットが行われる。ここで、本実施形態においては、電池弱ワーニングフラグの発生条件を規定する電源弱ワーニングカウンタmと、電池弱エラーフラグの発生条件を規定する電源弱エラーカウンタkとが存在する。
従って、印字データの印字を開始した時点においては、これらのカウンタの値、n、m、kの数値がリセットされ、0に設定される。カウンタ値のリセット終了後、S24に移行する。
尚、この電源弱エラーカウンタkと、電源弱ワーニングカウンタmの値は、1ライン分印字データごとにリセットされず、最初の1ライン分印字データの時のみリセットされる。従って、電源弱エラーカウンタk、電源弱ワーニングカウンタmの値は、後述するS32、S33により加算されると、1印字データの間が終了されるまで順次加算される。
そして、S25では、サーマルヘッド33に通電を開始する。この時、サーマルヘッド33配設されている64個の発熱素子は、1ライン通電データに基づいて通電され、1ライン分印字データの印字を行う。
サーマルヘッド33の発熱素子への通電が開始されると、S26に移行し、発熱素子への通電開始から、250μs経過したか否かの判断がなされる。ここで、CPU56は、サーマルヘッド33への通電開始から計時を開始するタイマ51の値を参照し、タイマ51の値に基づいて、250μs経過を判断する。
そして、CPU56は、発熱素子への通電開始から、250μs経過するまで、サーマルヘッド33への通電を継続し(S26:NO)、250μs経過した時点で(S26:YES)、S27に移行する。
そして、S28では、CPU56は、制御基本値Cから、S27で読み出された制御変数C(v)を減算し、減算結果を新たな制御基本値Cとして、RAM60に格納する。
この点について、前述の具体例(図8(a)参照)において、サーマルヘッド33に対する印加電圧が8.63(V)であった場合を例として説明する。
図8(b)に示すように、印加電圧が8.63(V)の場合、制御変数C(v)の値は、2538となる。従って、S27においては、制御基本値C「81300」から制御変数C(v)の「2538」を減算した値が算出される。つまり、S28において、制御基本値Cは、「81300」から「78762」の値に更新され、RAM60に格納される。
その後、S29では、カウンタnに1を加算し、S30に移行する。
即ち、1印字周期中において、カウンタnの値が大きければ大きいほど、通電時間を多く要したこととなる。
又、図8(b)に示すように、制御基本値Cから減算される制御変数C(v)は、サーマルヘッド33の印加電圧が大きいほど、大きな値である。従って、印加電圧が大きいほど、カウンタnの値は小さな値を示し、逆に、印加電圧が小さな場合には、カウンタnの値は大きな値を示すこととなる。
言い換えると、電源装置88から供給される電圧が低い場合には、1印字周期内における通電時間が長期化し、電源装置88から供給される電圧が高い場合には、1印字周期内における通電時間を短期に終了することとなる。
上述したように、供給される電圧が低い場合には、1印字周期における通電時間が長期化するのであるから、1印字周期内の通電時間の長さから電圧値を判断することができる。
カウンタnの値が52以上の数値を示している場合には(S30:YES)、供給される電圧が低下しており、印字用テープ9への印字にかすれ等の不具合が発生する蓋然性が高いと判断することができる。従って、この場合には、電源弱エラーカウンタkの値に1を加算する(S33)。電源弱エラーカウンタkの値に1を加算した後、S23に戻る。一方、カウンタnの値が51以下の場合(S30:NO)、S31に移行する。
上述したように、通電時間は印加電圧に依存し、印加電圧が大きければ、通電時間は短縮化し、印加電圧が小さければ、通電時間は長期化する。従って、本実施形態においては、通電時間が11.75ms以下の場合には、テープ印字装置1の印字を行う上で十分な電圧が供給されていると判断する。一方、通電時間が13ms以上の場合には、テープ印字装置1の印字を実行に十分な電圧が供給することができていない。この場合に、テープ印字装置1により印字を継続すると、印字のかすれ等の印字不良が発生してしまう。つまり、乾電池28使用の場合に、乾電池28の状態を、印字を継続すると印字不良が発生してしまう要交換状態であると判断することができる。
又、通電時間が12ms以上であって、12.75msより長い場合には、印字不良が発生するほど乾電池28が弱っているわけではないが、テープ印字装置1の印字動作を継続すると近々、乾電池28の交換時期が到来する状態である。従って、この場合には、乾電池28の交換時期が来ることを警告する要警告状態と判断することができる。
即ち、本実施形態においては、電源装置88が要警告状態の場合には、電源弱ワーニングカウンタmに1を加算し、電源装置88が要交換状態の場合には、電源弱エラーカウンタkに1を加算する。
従って、電源弱ワーニングカウンタm、電源弱エラーカウンタkの数値を参照することにより、電源装置88の状態を正確に判断することができる。
即ち、S36では、1印字データの印字動作の現時点までの処理において、通電時間が13.0ms以上となった印字周期が3回以上存在するか否かについて判断する。
電源弱エラーカウンタkが3以上の数値を示している場合には(S36:YES)、1印字データ中に要交換状態と3回以上判断されているので、乾電池28の電池残量が、テープ印字装置1の印字に十分ではないと判断することができる。従って、この場合には、CPU56は、RAM60に電源弱エラーフラグをセットする(S37)。電源弱エラーフラグをセットした後、S38に移行する。一方、電源弱エラーカウンタkの数値が2以下の場合には(S36:NO)、そのままS38に移行する。
即ち、S38では、1印字データの印字動作の現時点までの処理において、通電時間が12.0ms以上であって、12.75ms以下となった印字周期が3回以上存在するか否かについて判断する。
電源弱ワーニングカウンタmが3以上の数値を示している場合には(S38:YES)、1印字データ中に要警告状態と3回以上判断されているので、乾電池28の電池残量が、テープ印字装置1の印字に支障はないものの、近々、要交換状態になるものと判断することができる。従って、この場合には、CPU56は、RAM60に電源弱ワーニングフラグをセットする(S39)。電源弱ワーニングフラグをセットした後、通電非安定制御処理(S10)を終了する。一方、電源弱ワーニングカウンタmの数値が2以下の場合には(S38:NO)、そのまま通電非安定制御処理(S10)を終了する。
先ず、図9中において、「A」で示すように、印字周期の最初の状態の電圧から、250μs毎にサーマルヘッド33への通電を継続する(S25、S26)、電圧が低下していく。そして、この時、ヘッド印加電圧検出回路54により、サーマルヘッド33に印加されている電圧値が読み取られ、印加電圧に対応する制御変数C(v)が決定される。このC(v)を制御基本値Cより減算することにより、1印字周期内の通電時間が決定される。
図9に示す「A」の場合には、通電時間を示すカウンタnは、「47」を示しており、1印字周期(14.1ms)中において、時間にして「11.75ms」が通電時間に該当する。この場合には、通電時間が短いことから(S30:NO、S31:NO)、電源装置88から供給されている電圧は、テープ印字装置1の印字動作を実行するために十分な値であると判断できる。
一方、図9に示す「B」の場合には、通電時間を示すカウンタnは、「50」を示しており、1印字周期(14.1ms)中において、時間にして「12.50ms」が通電時間に該当する。ここで、図9に示すように、カウンタnの数値が48〜52の間にある、即ち、通電時間が12msから12.75msの範囲内であることから(S30:NO、S31:YES)、電源装置88から供給されている電圧は、要警告状態にあると判断できる。
そして、図9に示す「C」の場合は、通電時間を示すカウンタnは、「53」を示しているので、1印字周期中の「13.25ms」が通電時間になる。この時、カウンタnの数値「53」は、52以上であるので、1ライン分印字データを印字する為に、13ms以上の通電時間を要している。従って、「C」の場合には、このまま印字を継続した場合には電圧不足により、印字不良が発生する要交換状態であると判断される。
又、液晶ディスプレイ6により、事前に乾電池28の交換を促されたにも関わらず、テープ印字装置1の乾電池28による使用を継続した場合においても、一の印字データを印字する際に要交換状態が3回以上発生したときに、その時点で印字動作が中断される(S11)。これにより、ユーザは、印字用テープ9を無駄に消費することなく、乾電池28の交換を行うことができる。
この場合に、ACアダプタ23を介して、交流と直流に変換する際には、コンデンサなどで完全に平滑化することができずに残ってしまった、あるレベルの電圧を中心に三角波のような電圧変動であるリップルが生じる。
本実施形態においては、電圧値をそのまま電源残量として判定せず、ヘッド印加電圧検出回路54を介して、サーマルヘッド33の印加電圧を検出し、印加電圧に応じて変動する1印字周期中の通電時間の長さに基づいて、電源残量を判定する。
即ち、通電非安定制御処理(S10)を実行し、この通電非安定制御処理において、電源残量に係る判断を行うことにより、交流を直流に変換する際に生じるリップルの影響をなくし、正確な判断を行うことができる。
この結果、乾電池28を使用せずに、交流電源24からの電源供給を受けて使用している場合に、安定した電源供給を受けているにもかかわらず、リップルの影響により、上記警告表示をするといった誤作動が生じることがなくなる。
又、上記問題点の解決方法としては、例えば、乾電池28と、交流電源24とのどちらから電源供給を受けているかを判断するスイッチを配設することにより、交流電源24から電源供給を受けている場合には、電池残量に係る判定を実行しないようにするといった方法も存在する。しかし、本実施形態に係るテープ印字装置1では、上記スイッチを配設しなくとも、正確な判断をすることができる。従って、部品点数を削減した安価な製品に対しても適用することができ、広範な製品に適用することができる。
また、ヘッド印加電圧検出回路54は、電源電圧検出手段として機能し、タイマ51は、通電期間計測手段として機能する。そして、液晶ディスプレイ6は、報知手段として機能する。また、通電非安定制御処理(S10)におけるS30の判断を行う際に用いられる「カウンタnの値が52以上」という条件を示すデータが、第1判定データであり、S32の判断を行う際の「カウンタnの値が48以上」という条件を示すデータが第2判定データである。
例えば、本実施形態においては、温度データと、テープ種データとに基づいて、制御変数C(v)を決定していたが、これに限定するものではない。例えば、サーマルヘッド33に64個列設された発熱素子の蓄熱状態や、直前の1ライン分印字データの発熱態様に応じて、制御変数C(v)の数値を補正することにより、より正確な電池寿命の判断をすることができる。
また、通電非安定制御処理(S10)におけるカウンタの処理(S30、S31、S36、S38)については、適用される製品に応じて、適宜設定変更することが可能であることはいうまでもない。
6 液晶ディスプレイ
22 接続端子
23 ACアダプタ
24 交流電源
28 乾電池
33 サーマルヘッド
51 タイマ
54 ヘッド印加電圧検出回路
56 CPU
58 ROM
60 RAM
88 電源装置
Claims (3)
- 電源供給手段と、
通電することにより、印字データを被印刷媒体に印刷する印刷手段と、
前記電源供給手段の使用状況を判定する判定データを格納した記憶手段と、
前記印刷手段に通電する通電期間と、前記印刷手段への通電を中止する通電中止期間とからなる印刷周期毎に印刷制御を行う印刷制御手段と、
通電期間中において所定間隔で前記電源供給手段の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
前記電源電圧と制御変数とを対応付けたテーブルと、
前記電源電圧検出手段により検出された前記電源電圧に対応付けられた前記制御変数を前記テーブルから読み出す制御変数読出手段と、
前記制御変数読出手段により読み出された前記制御変数を制御基本値から順次減算する減算手段と、
前記制御基本値が所定値以下となった場合に、前記通電期間の終了を決定する通電終了決定手段と、
前記印刷周期における通電期間を計測する通電期間計測手段と、
前記通電期間計測手段の計測結果と、前記判定データに基づいて、前記電源供給手段の使用状態を判定する電源状態判定手段と、
前記電源状態判定手段の判定結果を報知する報知手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項1に記載の印刷装置において、
前記記憶手段は、前記印刷手段により良好な印刷が可能な状態における標準通電時間より長い非常停止通電期間を示す第1判定データを格納し、
前記通電期間計測手段で計測された通電期間が、前記非常停止通電期間を超過していると判断された場合に、前記印刷手段への通電を非常停止する非常停止手段を有することを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項2に記載の印刷装置において、
前記記憶手段は、前記標準通電時間よりも長く、前記非常停止通電期間よりも短い警告通電期間を示す第2判定データを格納し、
前記通電期間計測手段で計測された通電期間が、前記警告通電期間を超過していると判断された場合に、前記報知手段により、警告報知することを特徴とする印刷装置。
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