JP4705532B2 - 連続波方式マイクロ波センサによる距離の測定方法 - Google Patents
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前記対象物体からの散乱波と前記第1周波数f1の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第2周波数f2の連続波を合成した信号との位相差φAを検出し、光の速度cにおいて対象物体までの距離dAは、
dA=cφA/{4π(f1+f2)}
により算出し、前記対象物体からの散乱波と前記第1周波数f1の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第3周波数f3の連続波を合成した信号との位相差φBを検出し、光の速度cにおいて対象物体までの距離dBは、
dB=cφB/{4π(f1+f3)}
により算出し、1波長λAを越える距離RAおよび1波長λBを越える距離RBは、
RA=dA+nA・λA
RB=dB+nB・λB
により算出し、ここで整数nA,nBは正値をとり距離RA,RBの残差eを、
e=RA−RB
とおくとき、残差eが最小になる整数nA,nBを決定し、決定した整数nA,nBにより前記距離RA,RBが同一値となる値を前記対象物体までの距離として求める手順を採る(請求項1)。
dA=cφA/{4π(f1+f2)} …(15)
により算出する。
dB=cφB/{4π(f1+f3)} …(17)
により算出できる。このとき、1波長λAを越えた距離RAおよび1波長λBを越えた距離RBは、
RA=dA+nA・λA …(18)
RB=dB+nB・λB …(19)
により算出する。ここで整数nA,nBは正値をとり距離RA,RBの残差eを、
e=RA−RB …(20)
とおくとき、残差eが最小になる整数nA,nBを決定し、決定した整数nA,nBにより同一値となる距離RA,RBを距離dの真値Rとする手順を採る。
演算処理としては、マイクロ波センサ1,2において送信部から出力する送信波V1(t),V2(t)を、
V1(t)=Acos2πf1t …(1)
V2(t)=Acos2πf2t …(2)
とおくとき、対象物体10へ向かう照射波Vt(t)は、
Vt(t)=Acos2πf1t+Acos2πf2t …(3)
と表すことができ、式(3)において、Aは振幅、f1,f2は周波数、tは時間である。
対象物体10から反射(散乱)した反射波Vr(t)は、
Vr(t)=αAcos2πf1(t−τ)+αAcos2πf2(t−τ)
…(4)
と表すことができ、式(4)において、αは減衰係数である。
τ=2d/c …(5)
と表すことができ、式(5)において、dは対象物体10までの距離、cは光の速度である。
Vc1=αA^2[cos2πf1t・cos2πf1(t−τ)]
+αA^2[cos2πf1t・cos2πf2(t−τ)] …(6)
Vc2=αA^2[cos2πf2t・cos2πf1(t−τ)]
+αA^2[cos2πf2t・cos2πf2(t−τ)] …(7)
と表すことができる。これらの式(6),(7)は、三角関数の積の公式(8)
cosαcosβ=cos(α−β)/2+cos(α+β)/2 …(8)
を使って変形し、以下の式(9),(10)を得る。
+cos{(2πf1+2πf1)t−2πf1τ}
+cos{(2πf1−2πf2)t+2πf2τ}
+cos{(2πf1+2πf2)t−2πf2τ}]
…(9)
Vc2=[αA^2/2][cos{(2πf2−2πf1)t+2πf1τ}
+cos{(2πf2+2πf1)t−2πf1τ}
+cos{(2πf2−2πf2)t+2πf2τ}
+cos{(2πf2+2πf2)t−2πf2τ}]
…(10)
ここで、2πf1,2πf1+2πf2,2πf2と直流成分をフィルタで取り除き、それぞれ以下の式(11),(12)になる。
…(11)
Vc2=[αA^2/2][cos{(2πf2−2πf1)t+2πf1τ}]
…(12)
そして、式(11),式(12)で表されるビート信号波について位相差φAを求めると、
φA=(2πf1+2πf2)τ …(13)
となり、往復時間τは式(5)の関係があるので位相差φAは、
φA=4π(f1+f2)d/2 …(14)
で表すことができる。したがって、対象物体10までの距離dAは、ビート信号(f1・f2,f2・f1)の2周波の位相差φAから、
dA=cφA/{4π(f1+f2)} …(15)
となる。ここで、距離dAの最大測定可能距離λAは、位相差φAが2πである場合に相当し、
λA=2πc/{4π(f1+f2)}
=c/2(f1+f2) …(16)
と表すことができる。
λA=3×10^10/(2×48.302×10^9)
=0.310546147[cm]
となる。したがって、対象物体10までの距離dAは、周波数f1,f2の周波数差Δf1−f2によるビート信号の位相差φAから求まる。ここで周波数差Δf1−f2は、Δf1−f2=f1−f2=24.152GHz−24.150GHz=2MHzであり、このときビート信号の位相差φAと距離dAとの関係は、図2に示すように正比例の関係を示す。同図から明らかなように、位相差φAを1度の精度で検出することでは距離dAは0.001cm、すなわち10μmの精度で決定することができ、位相差φAの測定精度に応じて距離dAの測定が高精度に行える。
dB=cφB/{4π(f1+f3)} …(17)
そして、1波長λAを越えた距離RAおよび1波長λBを越えた距離RBは、f1,f2およびf1,f3という周波数の対において同一であるはずであり、式(14),(15),(16),(17)から一般的に以下の式(18),(19)で表すことができる。
RB=dB+nB・λB …(19)
ここでnA,nBは正の整数であり、λA、λBは波長の長さ、dA、dBは図3に示すように、1波長以内の距離dを示している。図3から分かるように、式(18),(19)に示す距離RA,RBは本来同じ距離dであり、距離RA,RBの残差eを、
e=RA−RB …(20)
とおくとき、距離dの真値Rは距離RA,RBと同一値になるはずである。したがって、残差eが最小になる整数nA,nBを決定することができれば、式(18),(19)から真値Rを求めることができる。
λA=3×10^10/(2×48.302×10^9)
=0.310546147[cm]
λB=3×10^10/(2×48.301×10^9)
=0.310552577[cm]
となる。また、1波長以内の距離dA,dBは、
dA=cφA/(4×180°×48.302×10^9)
=0.125046582[cm]
dB=cφB/(4×180°×48.302×10^9)
=0.124635101[cm]
となり、式(18),(19)により対象物体10までの距離dつまり1波長を越えた距離RA,RBは、
RA=0.125046582+0.310546147×nA[cm]
RB=0.124635101+0.310552577×nB[cm]
となる。また、式(20)に示す残差eの最小条件から整数nA,nBは何れも64と求まり、その結果、距離dの真値Rは20cmと求まる。ここに、シミュレーションの結果は距離dを高精度に決定できることを示しており、実用性が十分に高いことを確認した。
λ=cφ/{4π(f1−f2)}
=c2π/{4π(f1−f2)}
=c/{2(f1−f2)}
=3×10^10/(2×2×10^6)
=7500[cm]
となり、
位相差φが1°の精度で検出可能な場合の検出距離精度dは、
d=(cπ/180)/{4π(f1−f2)}
=(3×10^10/180)/(4×2×10^6)
=20.833[cm]
となる。
f1+f2=24.152GHz+24.150GHz=48.302GHz
となるので、
λA=cφA/{4π(f1+f2)}
=c2π/{4π(f1+f2)}
=3×10^10/(2×48.302×10^9)
=0.3105[cm]
となり、
位相差φが1°の精度で検出可能な場合の検出距離精度dAは、式(15)から
dA=(cπ/180)/{4π(f1+f2)}
=(c/180)/{(4(f1+f2))
=(3×10^10/180)/(4×48.302×10^9)
=0.00086[cm]
となる。
4 ミキサ
10 対象物体
Claims (2)
- それぞれ近接した第1周波数f1,第2周波数f2,第3周波数f3の異なる3つの周波数の連続波のマイクロ波を対象物体へ向けて照射し、前記対象物体からの散乱波と前記第1周波数f1の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第2周波数f2の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第3周波数f3の連続波を合成した信号の3つの信号を得て、その3つの信号に基づいて前記対象物体までの距離を測定する方法であって、
前記対象物体からの散乱波と前記第1周波数f1の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第2周波数f2の連続波を合成した信号との位相差φAを検出し、光の速度cにおいて前記対象物体までの距離dAは、
dA=cφA/{4π(f1+f2)}
により算出し、
前記対象物体からの散乱波と前記第1周波数f1の連続波を合成した信号と前記対象物体からの散乱波と前記第3周波数f3の連続波を合成した信号との位相差φBを検出し、光の速度cにおいて前記対象物体までの距離dBは、
dB=cφB/{4π(f1+f3)}
により算出し、1波長λAを越える距離RAおよび1波長λBを越える距離RBは、
RA=dA+nA・λA
RB=dB+nB・λB
により算出し、ここで整数nA,nBは正値をとり前記距離RA,RBの残差eを、
e=RA−RB
とおくとき、前記残差eが最小になる整数nA,nBを決定し、決定した整数nA,nBにより前記距離RA,RBが同一値となる値を前記対象物体までの距離として求めることを特徴とする連続波方式マイクロ波センサによる距離の測定方法。 - 前記位相差φA,φBは、オシロスコープの出力に基づいて求めることを特徴とする請求項1に記載の連続波方式マイクロ波センサによる距離の測定方法。
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