JP4705286B2 - 特定道路判定装置及び方法並びに特定道路判定用プログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーションに関する技術の改良に関するもので、特に、自車の走行位置が特定道路か一般道路かの判定を、地域を問わず簡易な構成で廉価に行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車や道路網の普及と情報処理技術の発達に伴い、カーナビゲーション装置に代表される移動体経路案内技術が急速に発達している。カーナビゲーション装置は、指定された目的地までの最適な経路を計算し、自車の現在地をGPSなどで逐次判定しながら、経路に沿って周辺地図の画面表示や右左折点の音声案内などを行うものである。
【0003】
ところで、車両の経路となる道路は、一般道路とそれ以外の特定道路に分けることができる。このうち一般道路は、国道、県道、市道などを含み、多くの場合、歩道・民家・商店などが面する。一方、ここでいう特定道路は「高速道路」や「有料道路」等と俗称されるもので、高架や料金所等で一般道路等の周囲と区分されるなど特定の構造を持ち、高速自動車国道の他、高規格幹線道路、地域高規格道路、自動車専用道路、各種有料道路等を含むものとするが、その代表例としては高速道路を挙げるものとする。
【0004】
そして、カーナビゲーション装置においては、自車が高速道路にいるのか一般道路にいるのかの判定をする必要があり、これが一つの大きな技術的課題となっている。その理由の一つは、高速道路と一般道路が並行又は交差するように、ほとんど同じ緯度経度で上下に配置されている場合がしばしばあり、そのような場所では判定が困難なことである。もう一つの理由は、高速道路にいるのか一般道路にいるのかで、ルート探索の結果が変わってしまい、誤ったルートを導出してしまうおそれがあるなどナビゲーションへの影響が大きいためである。このような判定の従来技術はいくつか知られているが、それぞれ次のような問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開2001−21369のように、高速道路の入口に設けられているETCシステムからの情報を利用して判定を行う技術があるが、適用対象がETC車載機を搭載している車に限られ、また、ETCを利用する費用すなわち装置の料金やサービス料金がかかってしまう問題があった。
【0006】
また、特開平8−189956のように、ー般道路の光ビーコンと高速道路の電波ビーコンの違いから判定する技術があるが、これも光ビーコンや電波ビーコンを受信する装置が必要になるため費用がかかり、また、光ビーコンが敷設されている一般道路は非常に少なく、地域により利用できないという問題があった。
【0007】
また、特開平10−253373、特開平9−304095、特開平6−129866などのように、車両の方位角の連続データを使いマップマッチングにより道路の判別をさせたり、車両の傾斜角により高架に上がったかどうかの判定をさせたりして、高速道路か一般道路かの判定をする技術があるが、これはマップマッチングが前提となるため車載機に地図データがある場合にのみ有効であり、いわゆるオフボードナビゲーションのように外部から地図データをダウンロードするシステムでは有効ではないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、自車の走行位置が特定道路か一般道路かの判定を、地域を問わず簡易な構成で廉価に行う技術すなわち特定道路判定装置及び方法並びに特定道路判定用プログラムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の特定道路判定装置は、車両外部の画像を撮影する撮像手段と、特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶する手段と、車両の所定の減速を検出し、前記減速が検出された場合に、前記撮像手段による前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定する手段と、前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の特定道路判定方法は、請求項1の発明を方法という見方から捉えたもので、撮像手段及びコンピュータを使用して、特定道路を判定する特定道路判定方法であって、前記コンピュータは、減速検出手段と、マッチング手段と、出入認識手段と、特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶する記憶手段とを備え、前記撮像手段により、車両外部の画像を撮影し、前記減速検出手段により、車両の所定の減速を検出し、前記減速が検出された場合に、前記マッチング手段により、撮影された前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定し、前記出入認識手段により、前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識すること、を特徴とする。
【0011】
請求項3の特定道路判定用プログラムは、請求項1,2の発明を、コンピュータのプログラムという見方から捉えたもので、コンピュータを制御することにより、特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶させておき、車両外部の画像を撮影させ、車両の所定の減速を検出し、前記減速が検出された場合に、撮影された前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定させ、前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識させることを特徴とする。
【0012】
これらの態様では、高速道路の入口と出口の特徴的な構造物を画像認識して、自車が高速道路上にあるのかどうかを判定するので、マップマッチングとそのための地図データが必須とならず、オフボードナビゲーションにおいても特に有効である。また、ETCや光及び電波ビーコン装置のような高額で大掛かりな装置が無くても、CCDやCMOSを用いた簡単なカメラを車両側に設置するだけで、地域を問わず簡易な構成で高速道路か否かの判定が可能となる。また、車両減速時のみパターンマッチングが行われるので、通常の走行中に車両前方等の風景中に、判定用のパターンにたまたま似た形状パターンが表れたり、隣接する他のレーンや高速道路の料金所が撮影範囲内に現れても誤認識が回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、本発明の特定道路判定装置を含むカーナビゲーション装置(以下「本装置」と呼ぶ)であり、本装置上における特定道路判定方法及び特定道路判定用プログラムとして把握することもできる。また、本実施形態では、コンピュータをソフトウェアで制御することで実現できるが、この場合のハードウェアやソフトウェアの実現態様は各種変更可能であるから、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。
【0017】
〔1.構成〕
本装置は、図1の機能ブロック図に示す次の要素を備えている。まず、カメラ1及び画像処理部2は、車両前方の画像(以下「前方画像」と呼ぶ)を撮影する撮像手段を構成する。このうちカメラ1は、例えば車両外部やフロントガラス内側などに設ける。また、画像処理部2は、画像信号に基き、A/D変換、静止画の切り出しや絞り等カメラの制御といった情報処理を行う部分である。
【0018】
また、パターン用メモリ3は、特定道路の入口及び出口につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶する手段であり、例えばROM上に設けることもできる。また、入口のパターンと出口のパターンは別々に用意してもよいし共通化してもよく、一例として、高速道路ゲートの特徴的構造を表す画像のパターンの一例を図2に示す。
【0019】
また、減速検出部4は、車両の所定の減速を検出する手段であり、検出の基準は例えば時速20km以下など道路事情等に応じて予め定める。また、マッチング部5は、減速検出部4により前記減速が検出された場合に、撮像手段であるカメラ1及び画像処理部2による前記画像と、パターン用メモリ3から読み出される前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定する手段である。
【0020】
また、出入認識部6は、マッチング部5による前記判定の結果に基づいて、車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことを認識する手段である。また、本装置は、オフボードナビゲーションで特に有効なシステムであり、地図データ等のダウンロードに用いる携帯電話端末装置(以下単に「携帯端末」とも呼ぶ)7、そのための接続機構、携帯電話による発着信制御等を行う通信制御部8も備えている。
【0021】
なお、本装置は上記に加え、各部分の動作を支えるCPU9、DRAM等によりワークエリアなどを提供する他のメモリ10の他、カーナビゲーションにおける地図表示や音声案内等を行うための他の処理部11を備える。
【0022】
〔2.作用〕
上記のように構成された本実施形態は以下のように作用する。まず、図3は、本実施形態において、高速道路上か否かを判定する処理手順のフローチャートである。まず、この処理手順では、高速道路に乗っているのかどうかを記憶しておくためのフラグ(高速道路判定フラグと呼ぶ)を用い、このフラグを高速道路に乗っているときはON、乗っていないときはOFFとすることにより、自車が現在走行中の道路が高速道路か一般道路かを区別する。
【0023】
すなわち、高速道路判定フラグがOFFである場合(ステップ01)、車が大きく減速したかどうかを減速検出部4によりチェックしながら、減速した場合には、カメラ1にて撮った前方画像と、予め用意しておいたパターンとをマッチング部5によるパターンマッチングで比較する(ステップ02)。そして、出入認識部6は、マッチング部5による認識率すなわち一致度が例えば80%程度以上の場合、高速道路のゲートであると判定し(ステップ03)、高速道路判定フラグをONにする(ステップ04)。
【0024】
ここで、高速道路のゲートのパターンマッチングは、例えば図2に例示したようなパターンを表すデータと、撮った画像とを照合することで可能であり、より具体的には例えば、パターンと、A/D変換された画像の間で、方形や円といった要素の数、位置、サイズ、色彩などの一致度を数値化すればよい。
【0025】
その結果、撮った画像が高速道路ゲートではないと判定されれば(ステップ03)、高速道路判定フラグはOFFのままになる。例えば、信号や一時停止の交差点、コンビニエンスストアなどの店舗で、よく減速することがあるが、そういう場所では、フラグはOFFのままとなる。
【0026】
その逆に、高速道路判定フラグがONの場合(ステップ01)、車が大きく減速したかどうかを減速検出部4によりチェックしながら、減速した場合にカメラ1にて撮った前方画像と、予め用意しておいたパターンとをマッチング部5によるパターンマッチングで比較する(ステップ05)。そして、出入認識部6は、マッチング部5による認識率すなわち一致度が例えば80%程度以上の場合、高速道路のゲートであると判定し(ステップ06)、高速道路判定フラグをOFFにする(ステップ07)。
【0027】
この処理の繰り返しで、現在自車が高速道路に乗っているのかどうかの情報が高速道路フラグの状態として得られ、この情報をカーナビゲーション装置の他の処理部11が利用することにより、予め用意された地図を使ったマップマッチングをしなくても高速道路か否かを判定できることになる。なお、出入認識部6から他の処理部11へ、自車が高速道路等の特定道路に乗っているか否かを伝達する手法は自由であるが、例えば所定の信号を特定道信号として出入認識部6から出力している間は特定道路に乗っているものと、予め決めておくなどが考えられる。
【0028】
〔3.効果〕
以上説明したように、本実施形態では、高速道路の入口と出口の特徴的な構造物を画像認識して、自車が高速道路上にあるのかどうかを判定するので、マップマッチングとそのための地図データが必須とならず、オフボードナビゲーションにおいても特に有効である。また、ETCや光及び電波ビーコン装置のような高額で大掛かりな装置が無くても、CCDやCMOSを用いた簡単なカメラを車両側に設置するだけで、地域を問わず簡易な構成で高速道路か否かの判定が可能となる。
【0029】
また、本実施形態では、車両減速時のみパターンマッチングが行われるので、通常の走行中に車両前方等の風景中に、判定用のパターンにたまたま似た形状パターンが表れたり、隣接する他のレーンや高速道路の料金所が撮影範囲内に現れても誤認識が回避できる。
【0030】
〔4.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態も含むものである。例えば、以上では代表例として高速道路を挙げたが、特定道路は高速道路には限定されず、自動車専用道路や各種有料道路なども本発明の適用対象となる。また、図2のパターンは例示に過ぎず、例えばニューラルネットワークなどを用いて高速道路ゲート識別等を学習させてもよい。また、図3の処理はさらに単純化し、減速検出時に前方画像を得て、その画像から高速道路ゲートが検出されれば高速道路フラグの値を反転する、と把握してもよい。また、ゲートを一旦検出後一定時間、再検出を抑止すれば、障害物など画像の加減で同じゲートを繰り返し検出する不都合が防止できる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、自車の走行位置が特定道路か一般道路かの判定を、地域を問わず簡易な構成で廉価に行う技術すなわち特定道路判定装置及び方法並びに特定道路判定用プログラムを提供することが可能となるので、カーナビゲーションの使い勝手も大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態におけるパターンを例示する図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…カメラ
2…通信制御部
3…パターン用メモリ
4…減速検出部
5…マッチング部
6…出入認識部
7…携帯端末
8…通信制御部
9…CPU
10…メモリ
11…他の処理部
STEP01…手順の各ステップ

Claims (3)

  1. 車両外部の画像を撮影する撮像手段と、
    特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶する手段と、
    車両の所定の減速を検出し、前記減速が検出された場合に、前記撮像手段による前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定する手段と、
    前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識する手段と、
    を備えたことを特徴とする特定道路判定装置。
  2. 撮像手段及びコンピュータを使用して、特定道路を判定する特定道路判定方法であって、
    前記コンピュータは、
    減速検出手段と、マッチング手段と、出入認識手段と、特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶する記憶手段とを備え、
    前記撮像手段により、車両外部の画像を撮影し、
    前記減速検出手段により、車両の所定の減速を検出し、
    前記減速が検出された場合に、前記マッチング手段により、撮影された前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定し、
    前記出入認識手段により、前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識すること、
    を特徴とする特定道路判定方法。
  3. コンピュータを制御することにより、
    特定道路の入口及び出口の少なくとも一方につき、その特徴的構造を表す画像のパターンをあらかじめ記憶させておき、
    車両外部の画像を撮影させ、
    車両の所定の減速を検出し、前記減速が検出された場合に、撮影された前記画像と前記パターンについて、両者を比較するパターンマッチングにより一致度を判定させ、
    前記判定の結果に基づいて車両が特定道路に入ったこと及び特定道路から出たことの少なくとも一方を認識させることを特徴とする特定道路判定用プログラム。
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