JP6069081B2 - 車両運転支援装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、道路の破線中央線を認識し、白線の長さ、レーダ波による自車両と先行車両の速度差の推移、大気圧差などを用いて一般道路と高速道路を判別する技術が開示されている。
特許文献2では、カメラで撮像した画像から一般道路特定画像、高速道路特定画像を抽出して一般道路と高速道路を判別する技術が開示されている。
以上の特許文献1,2のように道路種別を判定する目的は、例えばカーナビゲーションシステムにおける自車位置の正確な表示を実現できるようにしたり、走行環境に応じた障害物検出を行うことができるようにすることにある。
本来、自動車運転の安全性向上のために、障害物や信号機の認識に応じた制御は、一般道路であるか高速道路であるかの区別なく、実行されることが適切と考えられる。
ところが高速道路における特有の事情により、信号機の認識に応じた制御に関しては工夫が求められる。高速道路の場合、信号機を検出する機会は一般道路に比べて少ないが、料金所の信号機の存在がある。高速道路の本線走行中に、合流する侵入路(側道)の料金所の信号機を検出してしまい、これを自車進行路上の信号機と認識してしまうおそれがある。側道の料金所の信号機によって停止制御や警報制御が行われることは適切ではない。
即ち原則的には、高速道路走行中は信号機対応制御を実行しないこととする。これにより本線走行中に合流する料金所の信号機を検出した場合に、不要な運転支援を実行しないようにできる。
上記のように原則的には高速道路走行中に信号機対応制御を行わないが、高速道路においても、車両の停止を求める交通信号機が存在することはある。例えばトンネル侵入口に設けられている信号機などである。その場合、信号機対応制御は有用となるため、高速道路上であっても交通信号機と認識した場合は、例外処理として信号機対応制御を行う。
これにより、高速道路判定の精度を向上させる。
第4に、上記した本発明に係る車両運転支援装置においては、前記道路判定部は、前記信号機検出部で検出される信号機が一般道路用のサイズか高速道路用のサイズかの判定を行い、一般道路用のサイズと判定された場合に、一般道路との判定を行うことが望ましい。
高速道路と一般道路では信号機サイズ(発光部の円の直径)が異なるため、一般道路の判定は信号機サイズにより行う。
「交通信号機」とは、道路上の交差点や横断歩道等設置箇所などにおいて交通の円滑化や安全のために設置され、車両の進行/停止を示す赤発光・青発光等が切り換えられて交通整理を行う信号機のことをいう。つまり運転支援として信号機対応制御が必要と判断されるべき信号機である。
「指示信号機」とは、料金所ゲート等の閉鎖/開放を示すための信号機、車線指示のために道路上に設置された信号機等であって上記の交通信号機以外の信号機のことをいう。即ち運転支援として必ずしも常に信号機対応制御が必要なわけではないとされる信号機である。実施の形態の説明では主に料金所の信号機を指す。
「信号機」とはこれら「交通信号機」と「指示信号機」を総称した用語とする。
「信号機対応制御」とは、信号機(特に交通信号機)が検出された場合に行う運転支援のための動作制御で、実施の形態では、車両の停止や運転者への警報を実行させる制御を指す。
図1により、本発明の実施の形態としての運転支援ユニット2を含む車両制御システム1について説明する。運転支援ユニット2は、外部環境認識と外部環境に応じた運転支援制御を当該車両制御システム1において実現する機能を有する装置となり、請求項でいう車両運転支援装置に相当する。特には走行車両が一般道路か高速道路かを判定し、この道路判定に応じて信号機対応制御を行う。
図1に示すように、車両制御システム1は、運転支援ユニット2、車両制御部10、表示制御部11、アクチュエータ12、ディスプレイ13、センサ類14を備えている。
ディスプレイ13は、例えばMFD(Multi Function Display)とされて運転者に各種情報を提示する。例えばディスプレイ13では走行速度、エンジン回転数、燃料計、ギア表示、ギアシフト指示、各種警報などの表示が可能とされている。
センサ類14とは、エンジン回転数センサ、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、アクセルペダルの踏込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン温度を示す冷却水温を検出する水温センサ、ブレーキスイッチ等、車両及びエンジン運転の状態を検出するセンサ類を包括的に表している。
表示制御部11は、車両制御部10や運転支援ユニット2からの要求や情報に基づいて上記のような各種表示をディスプレイ13に実行させるように表示制御を行う。また、運転支援ユニット2からの表示要求に応じて警報表示等の制御も行う。
車両制御部10、表示制御部11、運転支援ユニット2は、バス15を介しての相互のデータ通信が可能とされる。
このため運転支援ユニット2は、撮像部3A、3B、環境認識部4、メモリ部5、運転支援制御部6を備えている。
本実施の形態の場合、環境認識部4は、撮像部3A、3Bから供給される第1撮像画像データ、第2撮像画像データとしての各フレーム画像データをメモリ部5に格納していく。そして各フレームの第1撮像画像データ、第2撮像画像データに基づき、外部環境として車両前方に存在する物体を認識するための画像処理を実行する。
なお各種の物体認識及びそれに応じた車両制御は多様であるが、本実施の形態では、特に撮像画像から物体として信号機を検出する処理を行う。また撮像画像に基づいて走行中の道路が一般道路であるか高速道路であるかの道路判定も行う。このために、環境認識部4は以下の処理を行う。
次に、距離画像生成処理で生成した距離画像に基づく領域選択処理を実行し、領域選択処理の結果を用いて距離画像について画像内に存在する物体を検出する物体検出処理を実行する。本実施の形態の動作に関連しては、特に信号機の検出を行う。
さらに撮像画像、特には上記処理で検出された信号機の画像を用いて、自車両が高速道路の走行中であるか一般道路を走行中であるのかを判定する道路判定を行う。
本例の場合には、距離画像生成処理、物体(信号機)検出処理、道路判定処理は、ROMに格納されたプログラムに従ったCPUによるソフトウェア処理で実現される。図1中では便宜的に、これらの処理を実行するハードウェアがそれぞれ存在するものと擬制し、それぞれ距離画像生成部4a、信号機検出部4b、道路判定部4cと表している。
運転支援制御部6は、CPU、ROM、RAMを備えた半導体集積回路で構成され、ROMに格納されたプログラムに従った各種の処理を実行する。運転支援制御部6には、環境認識部4からの物体認識に関する情報や、センサ類14としての例えばアクセル開度センサ、車速センサ、ブレーキスイッチ等の各センサ信号が入力される。これらの入力に基づいて、各種運転支援、例えば信号機対応制御、衝突回避、オートクルーズ等といった運転者を支援するための制御を行う。信号機対応制御としては、例えば赤信号としての交通信号機判定に応じた停止動作を車両制御部10に要求したり、ディスプレイ13に警報表示を実行させるように表示制御部11に要求するなどの制御処理を行う。
以下、運転支援ユニット2の環境認識部4及び運転支援制御部6において実行する処理を図2,図3,図4を用いて説明していく。
図2は環境認識部4において行われる走行環境判定処理を示している。この走行環境判定処理では、撮像画像から交通信号機を検出するとともに道路判定を行う。
ステップS103で環境認識部4は、上述の信号機検出部4bの機能により距離画像内に存在する物体として信号機を検出する。信号機の検出処理の具体的な手法は各種考えられる。例えば信号機形状についてのパターンマッチングや信号発光部分としての高輝度領域検出などを用いることなどで検出可能であるが、他の手法を用いてもよい。
このステップS103で信号機が検出されなければ、環境認識部4は、ステップS104から図2の処理を終了し、再びステップS101から次のフレームの第1、第2撮像画像データを用いた処理を開始する。
ここで、交通信号機の場合は5mより広い間隔を開けて設置されている場合が殆どである。また交通信号機の場合、同じ自車位置からの距離が同じ信号機は同じ発光色であることが通常である。逆に言えば、自車位置から同じ距離にある信号機の間隔が5m以下である場合や、異なる発光色の場合、指示信号機と判定できる。
つまり、自車からほぼ同じ距離に複数の信号機が検出され、それらの間隔が5m以内である場合、あるいは異なる発光色となっている場合、検出された信号機は料金所の指示信号機と判定できる。換言すれば、料金所が存在すると判定できる。
指示信号機の中には、単純に●形状で発光せず、◎形状や×形状で発光するものがある。この特徴を利用し、◎形状や×形状で点灯していることを判定することで指示信号機であるか否かを判定できる。
また料金所の場合、信号機の上部に料金所の状態を示す標識を有していることが多い。例えば「ETC専用」「一般」などの掲示板が存在する。そこで、信号機の周辺に、信号機とほぼ同一の距離に掲示板が存在するか否かを確認することで、料金所指示信号機を判別できる。具体的には、信号機の周辺に、信号機と同一距離とされる物体が画像上で検出され、その物体の領域に、一般ゲートの緑、ETCゲートの紫、閉鎖中ゲートの白のいずれかの色を一定以上の割合で含んでいれば、当該物体は有料道路掲示板と判定できる。
このような発光形状判定、掲示板判定を行うことでも、料金所判定が可能である。
例えば自車両51の車幅を延長した正面に指示信号機50が存在し、かつ指示信号機までの距離が所定距離以内であれば、前方に存在するとすればよい。この場合、その料金所を通過するとの判定にもなる。
具体的には、図4Cのように一般道路53を走行していた自車両51が交通信号機54を検出した場合である。或いは高速道路52を走行していた自車両51が、高速道路52上の交通信号機(例えばトンネル侵入口の交通信号機)を検出した場合も該当する。
交通信号機の発光部分の円形サイズは、高速道路と一般道路では異なる。高速道路では高速走行に対応して視認性を確保するため、信号機発光部分の直径が一般道路より大きくなっている。例えば一般道路では直径30cm、高速道路では直径が45cmである。
そこで撮像画像上で確認できる交通信号機の発光部分(高輝度部分)の画素サイズと、当該交通信号機について距離画像から判定できる自車両からの距離の情報を用い、当該交通信号機の発光部分のサイズを求める。
この場合、料金所判定回数Ctr=0にリセットする。また道路判定結果=一般道路とする。さらに、信号機種別の判定結果として、信号機種別=一般道路用信号機とする。
交通信号機のサイズが高速道路用のサイズであった場合は、環境認識部4はステップS113からS115に進む。通常は、この場合は既に高速道路走行中と判定されている。ここでは、信号機種別判定=高速道路用信号機とする。
以上の図2の処理が、フレーム画像データが取得される毎に環境認識部4で繰り返され、これによって運転支援制御部6は、逐次、現在の判定情報を取得できる。
ここで述べる運転支援動作設定処理とは、運転支援制御の実行モードや信号機対応制御の実行/不実行を設定する処理である。実際の運転支援制御プログラムの詳細なフローチャートに関しては、本実施の形態の特徴的な動作とはならないため説明は省略する。
ステップS202で運転支援制御部6は、現在の道路判定結果の情報を参照して処理を分岐する。
道路判定結果=高速道路の場合、ステップS204に進み、高速道路用の運転支援モード設定を行う(もしくは当該設定を継続する)。
ここで、一般道路用と高速道路用では、運転支援モード設定において例えば以下の点で異なる。
例えば高速道路では、レーンキープ制御など、一般道路では実行しない運転支援制御を行うことがある。また、障害物検出、信号機検出などの物体検出において、一般道路ではターゲット数を多くするが、高速道路ではターゲット数を少なくして処理負担を軽減することが行われる場合もある。また撮像部3A、3Bのシャッタースピードを一般道路/高速道路で切り換えるなども行われる。
このように運転支援において、高速道路と一般道路で切り換える点は各種考えられるが、少なくとも本実施の形態の場合、一般道路では信号機対応制御を実行するが、高速道路では原則的には信号機対応制御を実行しないものとする。つまりステップS203の一般道路用の運転支援モード設定とは、信号機対応制御をオンとする設定を含み、ステップS204の高速道路用の運転支援モード設定とは、信号機対応制御をオフとする設定を含む。
本実施の形態では以上の処理によって次のような効果が得られる。
まず図3のステップS204の処理により、運転支援制御において高速道路走行中は信号機対応制御を原則的には実行しないものとしている。これによって不要な運転支援が行われないようにすることができる。例えば高速道路走行中に側道(高速道路侵入路)の料金所の指示信号機が検出されたとしても、それに反応して停止制御や警報表示が行われることがない。
そして高速道路では停止すべき交通信号機はトンネル侵入口等を除いて殆ど存在しないため、信号機対応制御を実行しないことによる安全性の低下は生じない。逆に信号機対応制御を実行しないことによる運転の快適性の向上や、不要な停止制御がなされないことによる安全性向上効果の方が大きい。
一方で、トンネル侵入口等で高速道路上に交通信号機が存在する場合は、ステップS206の例外的な設定により、信号機対応制御が実行されるようになる。これにより、信号機対応制御が真に必要な場合は実行されることになり、結局、原則的に高速道路上で信号機対応制御をオフとすることによる安全性低下は生じない。
また、高速道路との判定中において、料金所判定を行うとともに、当該料金所が自車両の進行方向に対して側方と判定される場合に、高速道路の判定を継続する(ステップS111)。これにより、現在の高速道路判定の精度を向上させることができる。即ち高速道路走行と判定している状態で、側方に料金所が確認できることになるため、高速道路走行中という判定の確からしさを確認できる。具体的には料金所判定回数Ctrの値が大きいことが、高速道路判定の確度の高いことの指標となる。
料金所判定回数Ctrの値に応じて、他の手法の道路判定を組み合わせて現在の道路判定結果を検証することも可能である。例えば料金所判定回数Ctrの値が小さい場合は、信号機サイズ判定も行って判定の信頼性をチェックしたり、或いはナビゲーションシステムと連携して、高速道路走行中か否かをチェックしたり、白線の長さを確認してチェックすることなどもできる。逆に料金所判定回数Ctrの値が大きければ、これらの検証を行わないとか、検証回数を減らすということも考えられる。
また高速道路上では、通過しても高速道路が継続する料金所もある。このような料金所通過後に一般道路と誤判定することがないようにするためにも、高速道路判定から一般道路判定に切り換える際は、料金所判定ではなく信号機サイズ判定を行うことが適切である。
例えば、希有なケースではあるが、高速道路を走行している車両が、高速道路に近接した一般道路の交通信号機を検出する場合もあり得る。その場合に、信号機サイズが一般道路用のサイズであることで、道路判定を一般道路として誤判定してしまう可能性がある。
そこで図2のステップS112では、検出した交通信号機について、サイズだけでなく自車両進行方向を基準とした位置も判定するようにしてもよい。上記のような事例の場合、検出される信号機は自車の進行方向よりもかなり側方や、或いは上下方向にずれた位置に検出される。そこで高速道路走行中において、信号機位置が進行方向からある程度の角度以上逸れていたり、高さ位置が所定範囲外であれば、その信号機が一般道路用のサイズであってもステップS114は進まない(道路判定に用いない)ようにしてもよい。
或いはステップS103の信号機検出で、撮像画像内での位置として自車の走行路を対象としていないと考えられる範囲の信号機を検出から排除してもよい。
このようにすると例えば高速道路侵入路に料金所が存在しないようなことがあった場合でも、最初に高速道路上で信号機が検出されたときに、高速道路判定ができる。また料金所判定に基づく道路判定での誤判定の解消或いは修正を行うこともできる。
また運転支援制御部6が車両制御部10と一体化されてもよい。また車両制御部10は、実際には例えばエンジンECU(electronic control unit)、ブレーキECU、トランスミッションECUなどとして複数のマイクロコンピュータで構成されてもよい。さらに表示制御部11と車両制御部10が一体化されていてもよい。
また信号機対応制御として停止制御や警報制御を挙げたが、これらに限られるものではない。
Claims (4)
- 自車両の進行方向を撮像した撮像画像内で交通信号機の存在を検出する信号機検出部と、
自車両が高速道路の走行中であるか否かを判定するとともに、前記信号機検出部で検出される信号機が料金所の信号機か否かの判定により料金所判定を行い、一般道路との判定中において料金所通過と判定された場合に、高速道路との判定を行う道路判定部と、
信号機対応制御として、前記信号機検出部で信号機が検出されることに応じた所定の運転支援動作の実行制御を行うとともに、前記道路判定部で高速道路走行中と判定された場合は、前記信号機対応制御を実行しない運転支援制御部と、を備えた
車両運転支援装置。 - 前記運転支援制御部は、高速道路走行中と判定された場合であっても、検出された信号機が高速道路上の交通信号機と判定される場合は、前記信号機対応制御を実行する
請求項1に記載の車両運転支援装置。 - 前記道路判定部は、高速道路との判定中において、前記信号機検出部で検出される信号機が料金所の信号機か否かの判定により料金所判定を行うとともに、当該料金所が自車両の進行方向に対して側方と判定される場合に、高速道路の判定を継続する
請求項1又は請求項2に記載の車両運転支援装置。 - 前記道路判定部は、前記信号機検出部で検出される信号機が一般道路用のサイズか高速道路用のサイズかの判定を行い、一般道路用のサイズと判定された場合に、一般道路との判定を行う
請求項1又は請求項2に記載の車両運転支援装置。
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