JP4704648B2 - トポイソメラーゼI阻害を有するカンプトテシンβ−アラニンエステル - Google Patents

トポイソメラーゼI阻害を有するカンプトテシンβ−アラニンエステル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素トポイソメラーゼIを阻害しかつ抗ガン活性を有するカンプトテシン(camptothecin)化合物のβ-アラニンエステルに関する。本発明は、カンプトテシン化合物で動物の腫瘍を処理することも関する。
【0002】
【従来の技術】
カンプトテシン(CPT)は、酵素トポイソメラーゼIを阻害することが知られており、かつ、強力な抗腫瘍剤である、天然に存在する細胞毒性アルカロイドである。カンプトテシン化合物は、以下に示す一般的な環構造を有する。
【化2】
Figure 0004704648
カンプトテシンは、Wallら(Wallら,1966,J.Am.Chem.Soc.,88:3888)により、キジュ(Camptotheca acuminata)の木材および樹皮から単離された。
主な合成の試みは、細胞毒性活性を改善し、かつ水溶性を改善するために、A環および/またはB環を誘導化(derivatizing)することに向けられてきた。
【0003】
カンプトテシン化合物の細胞毒性活性は、これらの化合物がDNAおよびRNA合成の両方を阻害し、かつ、哺乳動物細胞におけるDNAの可逆的断片化を引き起こす能力によるものと信じられている。トポイソメラーゼIは、ポジティブおよびネガティブの両方でスーパーコイル化したDNAを緩和し、複製、転写および組み換えのような種々のDNA処理に関与している。この酵素メカニズムは、二本のDNA鎖の一方の一過的な切断、および可逆的な共有的トポイソメラーゼI酵素−DNA複合体の形成を含むと信じられている。カンプトテシンは、“分裂可能複合体(cleavable complex)”と称される酵素−DNA中間体を可逆的にトラップすることによりDNA切断−再結合反応を妨げる。分裂可能複合体アッセイは、カンプトテシン化合物の細胞傷害性活性を調べるための標準的なテストである。いくつかのタイプのヒトのガンにおける高レベルのトポイソメラーゼIと、対応する正常組織における低レベルのトポイソメラーゼIとが、生理学的に活性なカンプトテシン類似体を用いた腫瘍処置の基礎を与える。
【0004】
U.S.4894456は、トポイソメラーゼIのインヒビターとして作用し、かつ、白血病(L-1210)の処理に有効なカンプトテシン化合物を合成する方法について記載している。U.S.5225404は、カンプトテシン化合物を用いて結腸腫瘍を処理する方法を記載している。
多数のカンプトテシン化合物とそのトポイソメラーゼIのインヒビターとしての使用が、U.S.5053512;U.S.4981968;U.S.5049668;U.S.5106742;U.S.5180722;U.S.5244903;U.S.5227380;U.S.5122606;U.S.5122526;およびU.S.5340817に報告されている。
【0005】
U.S.4943579は、いくつかのプロドラッグを形成するために、カンプトテシンの20位におけるヒドロキシル基のエステル化について開示している。この特許は、さらに、プロドラッグが水溶性であり、加水分解により元のカンプトテシン化合物に変換されることについて記載している。
Wallら,U.S.5646159および5916892は、CPT化合物のC20アミノ酸エステルを開示している。
Wallら,U.S.5932588は、C20Hまたはアミノ酸置換基を有するC7メチレン残基を有するCPT化合物を開示している。
Brangiら, Cancer Research,59,5938-5946 1999年12月1日は、ガン細胞におけるカンプトテシン耐性の調査について報告し、かつ、化合物ジフルオロ-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシンについて報告している。
しかしながら、改善された活性を有するカンプトテシン化合物が、依然として必要とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
従って、本発明の第一の目的は、改善された安定性および可溶性を有するカンプトテシン化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、カンプトテシン化合物を投与することにより、それを必要とする哺乳動物の白血病または固形腫瘍を処理する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、DNA−トポイソメラーゼI複合体をカンプトテシン化合物と接触させることにより、酵素トポイソメラーゼIを阻害し、かつ/または結合したDNA−トポイソメラーゼIのDNAをアルキル化する方法を提供することである。
【0007】
本発明の、これらのおよび他の目的は、以下の構造(I)または(II):
【化3】
Figure 0004704648
[式中、
XとYは、それぞれ独立に、NO2、NH2、H、F、Cl、Br、I、COOH、OH、O-C1-6アルキル、SH、S-C1-6アルキル、CN、NH-C1-6アルキル、N(C1-6アルキル)2、CHO、C1-8アルキル、N3
−Z-(CH2)a-N-((CH2)bOH)2(ここでZはO、NHおよびSからなる群から選択され、aとbはそれぞれ独立に2または3の整数である)、
−Z-(CH2)a-N-(C1-6アルキル)2(ここでZはO、NHおよびSからなる群から選択され、aは2または3の整数である)、
−CH2-L{ここでLはハロゲン(F、Cl、Br、I)、+2+(OR1)2+S(R1)2+N(R1)3、OC(O)R1、OSO21、OSO2CF3、OSO249、C1-6アルキル-C(=O)-、C4-18アリール-C(=O)-、C1-6アルキル-SO2-、ペルフルオロC1-6アルキル-SO2-およびC4-18アリール-SO2-(ここで各R1は独立にC1-6アルキル、C4-18アリールまたはC4-18ArC1-6アルキルである)である};または
−CH2NR23{ここで、
(a)R2およびR3は、独立に水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ-C1-6COR4(ここでR4は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルである)であるか、または
(b)R2およびR3は、これらが結合する窒素原子と共に、飽和3−7員複素環を形成し、O、SまたはNR5基を含んでもよい[ここでR5は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、アリール、以下の基:C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルおよび-COR6(ここでR6は水素原子、C1-6アルキルペルハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アリール、および一以上のC1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキル基で置換されたアリールである)からなる群から選択された一以上の基で置換されたアリールである]}であり;
7は、C(O)-CH2-CH2-NR89、R8およびR9は、独立に、水素原子、C1-8アルキル、C(O)-(CH2)m-NR1011(ここでmは1ないし6の整数)、または-C(O)CHR12NR1314(ここでR12は天然に存在するα-アミノ酸の一つの側鎖であり、かつ、R10、R11、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子またはC1-8アルキルである)であり;かつ
nは1または2の整数である]
を有するカンプトテシン化合物のアミノ酸エステル、およびこれらの塩により可能とされる。
【0008】
カンプトテシン化合物のβ-アラニンエステルは、トポイソメラーゼIの強力な阻害剤であり、天然に存在するアミノ酸のエステルよりも優れた安定性と可溶性を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
特に示唆しない限り、ここで用いる用語“アルキル”は、1−30、好ましくは1−18、さらに好ましくは1−8の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味し、これは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、ウンデシル、ドデシル、ミリスチル、ヘプタデシルおよびオクタデシル基を含む。また用語“アルキル”は、C3-30シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル基も含む。
【0010】
特に示唆しない限り、ここで用いる用語“アリール”は、芳香環構造中に6−18の炭素原子、好ましくは6−10の炭素原子を有する炭素環式芳香環を意味する。芳香環は、一以上のアルキル基、好ましくは1−10の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよい。特に好ましいアリール基はフェニルである。
特に示唆しない限り、ここで用いる用語“アラルキル”は、用語“アリール”のところで説明したアリール基に結合した用語“アルキル”のところで説明した直鎖または分枝鎖状アルキル基を意味する。好ましいアラルキル基は、ベンジル、フェネチル等である。
【0011】
ここで用いる、用語“アシル”は、芳香族カルボン酸、複素環式カルボン酸、アラルキルカルボン酸、並びにアルキルおよび芳香族スルホン酸から誘導されたアシル部分およびホルミルオキシ(formyloxy)を意味する。これらのアシルオキシ部分のアルキル基は、1−7の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基とすることができる。さらに、アシル部分は、一以上の不飽和炭素−炭素結合を含んでもよく、また、ハロゲン、アミノ、およびヒドロキシル基のような一以上の置換基を有してもよい。
【0012】
本発明のカンプトテシン化合物は、カンプトテシン環構造のC7またはC9位の一以上に残基(leaving group)を有してもよい。特に、この残基とは、式-CH2-Lの基であり、ここでLは容易に置換されうる基であって、すなわちLは求核置換反応において良好な残基である。適切な基Lは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、+2+(OR12+S(R12+N(R13、OC(O)R1、OSO21、OSO2CF3およびOSO249、C1-6アルキル-C(=O)-、C4-18アリール-C(=O)-、C1-6アルキル-SO2-、ペルフルオロC1-6アルキル-SO2-およびC4-18アリール-SO2-を含む(ここで各R1は、独立してC1-6アルキル、C4-18アリール、またはC4-18ArC1-6アルキルである)。
【0013】
なんらかの特別な理論に拘束されることはないが、DNAの求核基が、本発明のカンプトテシン化合物から残基Lを置換し、カンプトテシン環構造のアルキル化基によるDNAのアルキル化をもたらすと考えられる。DNAに存在する適切な求核基は、DNA塩基アデニン、グアニン、チミンおよびシトシンに見られる求核基、例えばNH2、-NH-、および=N-基を含む。-CH2-L基を有する本発明のカンプトテシン化合物がDNAと接触すると、残基Lの求核置換により核酸のアルキル化がもたらされる。本発明の化合物は、DNAをアルキル化することにより新規の抗腫瘍活性を示す。
【0014】
カンプトテシン化合物は、20位における不斉炭素原子を有し、二つの鏡像異性体、すなわち(R)および(S)立体配置を形成可能にする。本発明は、両方の鏡像異性体を含み、これらの形態のあらゆる組合せまたは混合物を含む。また本発明は、溶媒和化合物、水和物、多形体(polymorph)、塩などを含むカンプトテシン化合物のその他の形態も含む。特に好ましい化合物は、20位において(S)立体配置を有するカンプトテシン誘導体である。
【0015】
好ましい実施態様では、Xは、以下のものである:NO2、NH2、H、F、Cl、Br、I、COOH、OH、O-C1-6アルキル、SH、S-C1-6アルキル、CN、CH2NH2、NH-C1-6アルキル、CH2NHC1-6アルキル、N(C1-6アルキル)2、CH2N(C1-6アルキル)2、O-CH2CH2N(CH2CH2OH)2、NH-CH2CH2N(CH2CH2OH)2、S-CH2CH2N(CH2CH2OH)2、O-CH2CH2CH2N(CH2CH2OH)2、NH-CH2CH2CH2N(CH2CH2OH)2、S-CH2CH2CH2N(CH2CH2OH)2、O-CH2CH2N(CH2CH2CH2OH)2、NH-CH2CH2N(CH2CH2CH2OH)2、S-CH2CH2N(CH2CH2CH2OH)2、O-CH2CH2CH2N(CH2CH2CH2OH2)2、NH-CH2CH2CH2N(CH2CH2CH2OH2)2、S-CH2CH2CH2N(CH2CH2CH2OH2)2、O-CH2CH2N(C1-6アルキル)2、NH-CH2CH2N(C1-6アルキル)2、S-CH2CH2N(C1-6アルキル)2、O-CH2CH2CH2N(C1-6アルキル)2、NH-CH2CH2CH2N(C1-6アルキル)2、S-CH2CH2CH2N(C1-6アルキル)2、CHO、N2、C1-8アルキル、CH2-L、ここでLはハロゲン(F、Cl、Br、I)、+2+(OR12(ここで各R1は、独立して上記アルキル、アリールまたはアラルキルである)、+S(R12+N(R13、OC(O)R1、OSO21、OSO2CF3、OSO249、C1-6アルキル-C(=O)-、C4-18アリール-C(=O)-、C1-6アルキル-SO2-、ペルフルオロC1-6アルキル-SO2-およびC4-18アリール-SO2-である。
【0016】
好ましい実施態様では、Yは、以下のものである:H、C1-8アルキル、またはCH2NR23であって、ここで、
(a)R2およびR3は、独立に水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ-C1-6COR4(ここでR4は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルである)であるか、または
(b)R2およびR3は、これらが結合する窒素原子と共に、飽和3−7員複素環を形成し、O、SまたはNR5基を含んでもよい[ここでR5は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、アリール、以下の基:C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルおよび-COR6(ここでR6は水素原子、C1-6アルキルペルハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アリール、および一以上のC1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキル基で置換されたアリールである)からなる群から選択された一以上の基で置換されたアリールである]。
【0017】
基R7は、β-アラニンエステル、またはそのアミノ酸ペプチドである。
基R7に存在する適切な側鎖R8およびR9は、アミノ酸グリシン、α-アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン、グルタミン、システインおよびメチオニンの側鎖である。さらに、基R7は、ペプチド結合により結合した二つのアミノ酸ユニットを含むこともできる。特に基R7は、以下の構造:
【化4】
Figure 0004704648
のリシンに結合したβ-アラニン基を含むことができる。
【0018】
さらに、基R7は、遊離アミン基を介して、ヒドロクロライドまたはジヒドロクロライドのような、モノまたはジ塩の形成の基礎を与えうる。
係る基を末端ヒドロキシル基に結合させるためのシンソン(synthon)は、Hudkinsら Bioorg.Med.Chem.Lett,8(1998)1873-1876に記載されている。
【0019】
特に好ましいエステルは、β-アラニン-リシンをベースとするペプチドエステルである。これらのエステルは、エステル結合の加水分解によりカンプトテシン化合物に変換されるプロドラッグである。このエステルは、U.S.4943579に記載された方法により調製することができ、これを、エステルを調製する方法に関するより完全な記載のため、およびこの方法により形成される適切なエステルに関する記載のための参考として、ここに含める。エステル化シンソン(synthon)は、アミン基の反応が阻害されるように、保護された形態で導入されて、その後に保護基を除去する必要があるかもしれない。係る保護基は、当業者に周知であり、HudkinsらBioorg.Med.Chem.Lett,8(1998)1873-1876に記載されている。
【0020】
特定の非限定的な例は、10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ヒドロキシメチル-10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;9-ニトロ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;9-アミノ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-9-ニトロ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシンおよび7-エチル-9-アミノ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシンを含む。
【0021】
さらなる特定の非限定的な例は、10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ヒドロキシメチル-10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;9-ニトロ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;9-アミノ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-9-ニトロ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシンおよび7-エチル-9-アミノ10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシンを含む。
【0022】
さらなる特定の非限定的な例は、20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;9-ニトロ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;9-アミノ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-9-ニトロ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシンおよび7-エチル-9-アミノ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシンをふくむ。
【0023】
さらなる特定の非限定的な例は、20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ヒドロキシメチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;9-ニトロ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;9-アミノ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-エチル-9-ニトロ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシンおよび7-エチル-9-アミノ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシンを含む。
【0024】
本発明の範囲内で、上記カンプトテシン化合物のラクトン環は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基(MOH)、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウムにより開環されて、カンプトテシン化合物の開環塩形態のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を形成してもよい。アルキレンジオキシ化合物についてのみの例を示す。
【化5】
Figure 0004704648
開環化合物は、一般的に、水中における優れた可溶性を有する。基Mは、開環により直接的に、もしくは開環塩のカチオン交換により得られた、薬学的に許容できるあらゆるカチオンとすることもできる。適切な基Mは、Li+、Na+、K+およびMg+2を含む。
【0025】
本発明の化合物は、過度の実験を要することなく、当業者に知られている通常の方法により調製することができる。
本発明のC20OH CPT化合物は、Wallら U.S.5122526に記載されている方法のような、当業者に公知の通常の方法で調製することができ、その関連部分を参照としてここに含める。
7位における置換は、C7置換基の対応するアルデヒドとの縮合により行うことができる。
【0026】
20におけるアミノ酸とのエステル化は、当業者に公知の通常の方法により行うことができる。ニトロおよびアミノのような基を用いたC9における置換も、文献に記載されているものと類似の方法により行うことができる。
【0027】
9に-CH2-L基を有する本発明の化合物は、C9位に、例えば臭素原子のようなハロゲンを有する公知の20(S)-CPT化合物から調製される。このハロゲン原子は、CuCNとの反応により対応するシアノアナログへと容易に変換され、その後、加水分解により、対応するカルボキシアナログを形成する。このカルボキシアナログは、対応するヒドロキシメチルアナログへと還元され、これをPh3P-CCl4と反応させ、対応するクロロメチルアナログを与える。このクロロメチルアナログは、LiBrまたはLiIを用いて容易にブロモメチルおよびヨードメチルアナログへと変換することができる。本発明にかかる他の化合物は、対応する酸クロリド、スルホニルクロリド等と反応させることによりこれらの化合物から調製される。これらの反応は、当業者に周知である。
【0028】
LがBrまたはIである化合物は、ジメチルホルムアミド(DMF)溶液中のLiBrまたはLiIを用いた単純なハロゲン化物交換により、LがClである化合物から容易に調製される(Larock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc.,p.337, N.Y.1989)。
【0029】
あるいは、7-メチル化合物(LがHである)は、対応するアセトフェノンを用いるフリードレンデル(Friedlander)反応、またはフリーラジカルアルキル化反応(Sawadaら,1991,Chem.Pharm.Bull.,39:2574)のいずれかにより調製することができる。7-メチル基質のフリーラジカル臭素化は、ベンゾイルペルオキシドによる触媒下で、酢酸(HOAc)中のN-ブロモスクシニミド(NBS)を用いることにより達成され、LがBrである化合物を与えることができる。
【0030】
トリフラートまたはトシラートのような酸素誘導残基を有する他の化合物は、7-ヒドロキシメチルおよび/または7-ハロメチル化合物から調製される。7-ヒドロキシメチル化合物は、対応する親化合物から、ヒドロキシメチル化反応により調製される(例えば、Sawadaら,1991,Chem,Pharm.Bull.,39:2574)。これらの化合物を、容易に入手可能なスルホン酸クロリドまたは無水物を用いて公知の手法で処理(Stangら,1982,Synthesis,85)することにより、上記の高度に求電子基質が提供される。あるいは、上記化合物は、一般的に、Stangらにより、特にGramstadとHaseldine(T.GramstadとR.N.Haszeldine, 1956, J.Chem.Soc.,173)により記載されているように、対応する酸の銀塩(例えば、銀トリフルオロメタンスルホナート、銀トシラートなど)との反応により、LがCl、BrまたはIであるあらゆる基質から生成することができる。
【0031】
20エステルは、水溶性部分を含有するエステルを形成するために、カンプトテシン化合物の20位ヒドロキシル基をエステル化することにより調製することができる。一般的に、カンプトテシン化合物は、最初に、メチレンクロリドまたは他の不活性溶媒に懸濁されてから、攪拌および冷却される。この冷却した混合物に、式HOOC-CH2-CH2-NR89を有する酸の1等量を加える。ここで、R8とR9は、独立して、水素原子、C1-8アルキル、C(O)-(CH2)m-NR1011(ここでmは1−6の整数)または-C(O)CHR12NR1314(ここでR12は天然に存在するα-アミノ酸の一つの側鎖であり、R10、R11、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子またはC1-8アルキルである)である。適切な側鎖R12は、アミノ酸グリシン、α-アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ロイシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン、グルタミン、システインおよびメチオニンの側鎖である。特に好ましいエステルは、グリシナートエステルである。1等量のジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)および触媒量のアミン塩基、好ましくは第二級または第三級アミンもこの混合物に加え、反応が完了するまで攪拌する。形成されたあらゆる沈降物を濾過により除去し、溶媒を除去した後に産物が単離される。
【0032】
薬学的に許容できる酸の添加により、フリーのアミンを酸付加塩に変換してもよい。適切な酸は、無機酸と有機酸の両方を含む。適切な付加塩は、これらに限定されないが、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パルモアート(palmoate)、サリチル酸塩およびステアリン酸塩を含む。これらの塩は、適切な溶媒から結晶化することにより精製することができる。
【0033】
本発明の水溶性20-ヒドロキシルエステルは、そのエステルを調製した親化合物よりも実質液に毒性が弱い。
カンプトテシン化合物は、腫瘍の増殖を阻害するのに有効な投与量で投与される。ここで用いるように、カンプトテシン化合物の有効量は、腫瘍の増殖を阻害する、すなわち、腫瘍をカンプトテシン化合物で処理しないコントロールと比べて、腫瘍増殖部位を低減するであろう化合物の量を意味する。これらの有効量は、一般に、週当たり約1−60mg/体重kg、好ましくは週当たり約2−20mg/kgである。
【0034】
本発明の化合物は、カンプトテシン化合物、および薬学的に許容できるキャリアーまたは希釈液を含む薬学的組成物として投与することができる。活性物質は、所望の作用を損なわないおよび/または所望の作用を補う別の活性物質と混合することもできる。本発明にかかるこの活性物質は、例えば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下または局所的のあらゆる経路で、液状または固形形態で投与することができる。
【0035】
非経口的治療投与の目的では、活性成分を溶液または懸濁液に含めることができる。この溶液または懸濁液は、以下の成分:無菌希釈液、例えば注射用の水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;バッファー、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩、および張性調節剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースも含むことができる。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多重投与量バイアルに収容できる。
【0036】
本発明の化合物の投与の別の方式は経口によるものである。経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食べることのできるキャリアーを含む。経口治療的投与の目的では、上記化合物は賦形剤とともに含まれ、錠剤、ゼラチンカプセル、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガム等の形態で用いられる。組成物は、薬学的組成物の製造について当該技術分野に公知のあらゆる方法に従って調製することができ、かかる組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される一以上の薬剤を含むことができる。錠剤の製造に適している無毒の薬学的に許容できる賦形剤と混合して活性成分を含む錠剤を、許容することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム、顆粒化剤および分解剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、胃腸管における分解および吸収を遅らせ、より長期間にわたって持続した作用を付与するために、公知技術により被覆されていても未被覆であってもよい。例えば、時間遅延物質、例えばグリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラートのみまたはロウとの混合物を用いることができる。経口的使用のための製剤は、活性成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合された堅いゼラチンカプセルとして提供されてもよく、また、活性成分が水または油性媒体、例えばピーナツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合された柔軟なゼラチンカプセルとして提供されてもよい。
【0037】
錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどは、以下の成分:バインダー、例えばマイクロクリスタリンセルロース、トラガカントガムまたはゼラチン;賦形剤、例えばデンプンまたはラクトース、分解剤、例えばアルギン酸、プリモゲル(Primogel)、トウモロコシデンプンなど;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステロート(Sterotes);グリダント(glidant)、例えばコロイド状ケイ素ジオキシド;および甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリン、または香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料を含むことができる。投与単位形態がカプセルの場合には、上記のタイプの物質に加えて、液状キャリアー、例えば脂肪油を含むことができる。他の投与単位形態は、例えばコーティングのような投与単位の物理形態を修正する他の種々の物質を含むことができる。かくして、錠剤または丸薬は、糖、シェラック、または他の腸溶性の被覆剤で被覆することができる。シロップは、上記活性化合物に加えて、甘味剤および一部の防腐剤としてスクロース、染料および着色剤、および香料を含むことができる。これらの種々の組成物を調製する際に用いられる物質は、薬学的または獣医学的に純粋であり、かつ使用量で無毒性であるべきである。
【0038】
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性物資を含む。かかる賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム、および分散または湿潤剤、例えば天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンステアラート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート)、または、エチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)を含む。この水性懸濁液は、エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾアートのような一以上の防腐剤、一以上の着色剤、一以上の香味剤、および一以上の甘味剤、例えばスクロース、アスパルテーム、サッカリン、またはスクラロース(sucralose)も含むことができる。
【0039】
油懸濁物は、活性成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油に、あるいは鉱油、例えば流動パラフィンに懸濁することにより製剤化することができる。この油懸濁物は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含むことができる。甘味剤は、口に合う経口調製物を得るために添加されてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加により保護されてもよい。
【0040】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した本発明にかかる分散可能な粉末および顆粒は、分散、懸濁および/または湿潤剤と一以上の防腐剤と組み合わせて活性成分から調合することができる。適切な分散または湿潤剤および懸濁剤は、上記のものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば甘味、香味および着色剤も、存在させることができる。
【0041】
本発明の薬学的組成物は、水中油型エマルションの形態とすることもできる。この油相は、オリーブ油または落花生油のような植物油、流動パラフィンのような鉱油、またはこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアカシアガムおよびトラがタントガム、天然に存在するホスファチド、例えば大豆レシチン、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されたエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、およびこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートを含む。エマルションは、甘味および香味剤を含むこともできる。
【0042】
シロップとエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、ソルビトールまたはスクロースと共に製剤化することができる。かかる製剤は、保護剤、防腐剤、香料または着色料も含むことができる。
【0043】
本発明の薬学的組成物は、例えば無菌注射可能水性または油性懸濁液のような、無菌の注射可能な調製物の形態とすることができる。この懸濁液は、上記の適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術に従って調合することができる。また、無菌の注射可能な調製物は、1,3-ブタンジオールの溶液のような、無毒の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液とすることができる。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水およびリンガー液、等張性塩化ナトリウムである。さらに無菌の不揮発性油は、通常は、溶媒または懸濁媒体として用いることができる。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含む刺激性の低いあらゆる不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸を、注射可能な調製物において同様に用いることができる。滅菌は、例えば、無菌濾過、照射、またはターミナル滅菌(例えばオートクレーブ)により、当業者に公知の通常の方法で行うことができる。
【0044】
水性製剤(すなわち、水中油型エマルション、シロップ、エリキシルおよび注射可能な調製物)は、最適な安定性のpHを達成するために製剤化することができる。最適なpHの決定は、当業者に公知の通常の方法により行うことができる。製剤のpHを維持するために適切なバッファーも用いることができる。
【0045】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与のために坐剤形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温で固形であるが直腸の温度で液状であり、それゆえ直腸で溶けて薬剤を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することにより調製することができる。かかる物質の非限定的な例は、ココアバターとポリエチレングリコールである。
また、これらは、坐剤、吸入、粉末、およびエアゾール製剤を含む、鼻腔内、眼球内、膣内、および直腸内経路により投与することもできる。
【0046】
本発明の化合物は、リポソームまたはミクロベシクル調製物の形態で投与することもできる。リポソームは、脂質または重合膜内に脂質を内包したミクロベシクルである。リポソームとリポソームの調製方法は公知であり、例えば、U.S.4452747、U.S.4448765、U.S.4837028、U.S.4721612、U.S.4594241、U.S.4302459およびU.S.4186183に記載されている。これらの米国特許の開示内容を参照としてここに含める。本発明で用いるのに適しているリポソーム調製物は、WO-9318749-A1、J-02056431-AおよびEP-276783-Aにも記載されている。
【0047】
カンプトテシン化合物は、腫瘍の増殖を阻害するために個々に用いることができる。あるいは、2以上のカンプトテシン化合物の組合せを用いることができ、あるいは、一以上のカンプトテシン化合物と一以上の公知の抗腫瘍化合物との組合せを用いることができる。カンプトテシン化合物を通常の抗腫瘍化合物と組み合わせる場合、一般的に、カンプトテシン化合物は、カンプトテシンと通常の抗腫瘍化合物とを組合せた量の約1−99重量%、好ましくは5−95重量%の範囲の量で存在させる。上記薬学的組成物は、かかる組合せの化合物と共に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含むことができる。
【0048】
本発明のエステル化合物は、ヒトを含む哺乳動物の白血病および固形の腫瘍を処理するために投与することができる。本発明のエステルは、トポイソメラーゼIの阻害活性を示すカンプトテシン化合物へと加水分解されるプロドラッグである。本発明のエステルの加水分解により形成されたカンプトテシン化合物も、哺乳動物の白血病および固形の腫瘍を処理するのに有効である。多数のカンプトテシン化合物が、スタンダードL1210白血病アッセイ(Wallら(1993), Journal of Medicinal Chemistry, 36:2689-2700)を用いて白血病に対して有効であることが示されてきた。カンプトテシンとカンプトテシンアナログの高活性は、P388白血病アッセイ(Wall(1983), Medical and Pediatric Oncology, 11:480A-489A)でも証明されている。後者の参考文献は、L1210およびP388白血病アッセイにより決定された抗白血病活性と、固形腫瘍に対するカンプトテシン化合物の効率との間の関係についても提供している。白血病アッセイで活性であることが報告されている化合物は、結腸異種移植、肺異種移植、ウォーカー(Walker)肉腫および乳異種移植を含む多数の固形腫瘍においても活性が示された(Wall(1983),表IV,484A頁)。最近の研究では、トポイソメラーゼI阻害活性と、カンプトテシン化合物の抗白血病/抗腫瘍活性との間の関係が確認された(Giovanellaら(1989),Science,246:1046-1048)。本発明の化合物は、結腸、肺、乳および卵巣の固形腫瘍、脳神経膠腫および白血病の治療に特に有効である。これらの化合物は、マレリア(maleria)を治療することにも用いることができる。
【0049】
本発明を一般的に記載してきたが、特に言及しない限り、本発明の例示のためのみに与えられ、限定することを意図しない、特定の実施例を参照することにより、さらに理解することができるであろう。
【0050】
【実施例】
1.10,11-メチレンジオキシ-カンプトテシン-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
BOC-Lys(BOC)-β-ala-OHを、刊行物に記載されているように調製した(R.L.Hudkinsら,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 8(1998)1873-1876を参照)。10,11-MD-20(S)-CPT(785mg;20mmol)、BOC-Lys(BOC)-β-Ala-OH(1.0g、2.45mmol)、CH2Cl2(400mL)、DMAP(80mg)の攪拌溶液を、DCC(CH2Cl2中にDCCの1.0M溶液;5.0mL)で処理した。24時間後に、反応混合物を40mLに濃縮して濾過した。濾液を濃縮してカラムクロマトグラフィーにより精製した(SiO2、100g、CHCl3)。BOCエステルを、明るい褐色の粉末として得た(1.09g、69%)1H-NMR(DMSO-d6+D2O)0.93(t,3H),1.10-3.56(m,33H),5.21(s,2H),5.46(s,2H),6.24(s,2H),7.09(s,1H),7.39(s,1H),7.44(s,1H),8.40(s,1H).MS m/z 791(M+)。
上記CPT-BOCペプチドエステル(500mg、0.6mmol)を、乾燥CH2Cl2(70mL)に溶かし、この溶液を0℃に冷却した。HCl(g)飽和-ジオキサン溶液(3mL)を、滴下して加えた。2.5時間攪拌した後に、溶媒を蒸発させ、粗製の塩を得た。この物質を、H2O(75mL)に溶かし、CHCl3で4回抽出した(4x40mL)。この水溶液を濾過し、凍結乾燥させて、オフホワイトの固形物として産物を得た(310mg、74%)。この産物を、0.5N HCl数滴を含むEtOHから再結晶化することによりさらに精製した。1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ0.92(t,3H),1.15-1.67(m,5H),1.47(m,2H),1.66(m,2H),2.18(m,2H),2.60-3.12(m,4H),5.22(s,2H),5.48(s,2H),6.19(s,2H),7.15(s,1H),7.39(s,1H),7.49(s,1H),8.44(s,1H)。
【0051】
2.10,11-エチレンジオキシ-カンプトテシン-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、実施例1に記載したように調製した。
【0052】
3.7-エチル-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質として7-エチル-10,11-MD-20(S)-CPTを用いて実施例1に記載したように調製した。
【0053】
4.カンプトテシン-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質としてカンプトテシンを用いて実施例1に記載したように調製した。
【0054】
5.7-クロロメチル-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質として7-クロロメチル-10,11-MD-20(S)-CPTを用いて実施例1に記載したように調製した。
【0055】
6.10-ヒドロキシ-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質として10-ベンジルオキシカンプトテシンを用いて実施例1に記載したように調製した。
【0056】
7.7-エチル-10-ヒドロキシ-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lys-エステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質として7-エチル-10-ベンジルオキシ-20(S)-CPTを用いて実施例1に記載したように調製した。
【0057】
8.7-エチル-9-アミノ-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lysエステルジヒドロクロリド
7-エチル-9-ニトロ-10,11-MD-20(S)-CPT(900mg、2.0mmol)、BOC-Lys(BOC)-β-Ala-OH(1.0g、2.45mmol)、CH2Cl2(200mL)、DMAP(80mg)の攪拌溶液を、DCC(CH2Cl2中にDCCの1.0M溶液;5.0mL)で処理した。24時間後に、反応混合物を30mLに濃縮して濾過した。濾液を濃縮してカラムクロマトグラフィーにより精製した(SiO2、100g、CHCl3)。BOCエステルを、橙色の粉末として得た(1.33g、80%)1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ0.92(t,3H),1.03-3.40(m,38H),5.31(s,2H),5.50(s,2H),6.47(s,2H),7.18(s,1H),7.68(s,1H).MS m/z 864(M+)。
上記7-エチル-9-アミノ-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-BOC-Lysエステル(1.05g、mmol)を、エタノール(120mL)中に溶かした。触媒(10%Pd/C、150mg)を加えて、この反応混合物を1気圧のH2下で20時間攪拌した。触媒を除いた後で、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製した(SiO2、100g、CHCl3;1%MeOH/CHCl3)。純粋な7-エチル-9-アミノ-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-BOC-Lysエステルを、明るい橙色の粉末として得た(710mg、71%)1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ0.92(t,3H),1.05-3.83(m,38H),5.25(s,2H),5.54(s,2H),6.20(s,2H),7.02(s,1H),7.08(s,1H).MS m/z 834(M+)。
上記CPT-BOCペプチドエステル(500mg、0.58mmol)を、乾燥CH2Cl2(50mL)に溶かし、この溶液を0℃に冷却した。ジオキサン中のHCl(g)の飽和溶液(3mL)を、滴下して加えた。2.5時間攪拌した後に、溶媒を半分の量まで蒸発させた。沈降した産物を集めて、H2O(70mL)に溶かした。CHCl3で4回抽出した。得られた水溶液を濾過し、凍結乾燥させて、黄褐色の固形物を得た(290mg、71%)。この産物を、0.5N HCl数滴を含むEtOHから再結晶化することによりさらに精製した。1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ0.95(t,3H),1.32(m,2H),1.37(t,3H),1.47(m,2H),1.66(m,2H),2.11(m,2H),2.69-2.85(m,4H),5.32(s,2H),5.57(s,2H),6.21(s,2H),7.02(s,1H),7.22(s,1H)。
【0058】
9.9-アミノ-10,11-MD-20(S)-CPT-20-β-Ala-Lysエステルジヒドロクロリド
標題の化合物を、出発物質として9-ニトロ-10,11-MD-20(S)-CPTを用いて実施例8に記載したように調製した。
【0059】
明らかに、本発明の多数の修正および変更が、上記教示の下で可能である。それゆえ、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、ここに特別に記載した以外に実施することができると解される。

Claims (6)

  1. 以下の構造:
    Figure 0004704648
    [式中、
    Xは、NO2、NH2、H、F、Cl、Br、I、COOH、OH、O-C1-6アルキル、SH、S-C1-6アルキル、CN、NH-C1-6アルキル、N(C1-6アルキル)2、CHO、C1-8アルキル、N3
    −Z-(CH2)a-N-((CH2)bOH)2(ここでZはO、NHおよびSからなる群から選択され、aとbはそれぞれ独立に2または3の整数である)、
    −Z-(CH2)a-N-(C1-6アルキル)2(ここでZはO、NHおよびSからなる群から選択され、aは2または3の整数である)、
    −CH2-L{ここでLはハロゲン(F、Cl、Br、I)、+2+(OR1)2+S(R1)2+N(R1)3、OC(O)R1、OSO21、OSO2CF3、OSO249、C1-6アルキル-C(=O)-、C4-18アリール-C(=O)-、OH、C1-6アルキル-SO2-、ペルフルオロC1-6アルキル-SO2-およびC4-18アリール-SO2-(ここで各R1は独立にC1-6アルキル、C4-18アリールまたはC4-18ArC1-6アルキルである)である};または
    −CH2NR23
    {ここで、
    (a)R2およびR3は、独立に水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ-C1-6COR4(ここでR4は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルである)であるか、または
    (b)R2およびR3は、これらが結合する窒素原子と共に、飽和3−7員複素環を形成し、O、SまたはNR5基を含んでもよい[ここでR5は水素原子、C1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、アリール、以下の基:C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキルおよび-COR6(ここでR6は水素原子、C1-6アルキルペルハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アリール、および一以上のC1-6アルキル、ペルハロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキル基で置換されたアリールである)からなる群から選択された一以上の基で置換されたアリールである]}であり;
    Yは、−CH2-L{ここでLはハロゲン(F、Cl、Br、I)、+2+(OR1)2+S(R1)2+N(R1)3、OC(O)R1、OSO21、OSO2CF3、OSO249、C1-6アルキル-C(=O)-、C4-18アリール-C(=O)-、OH、C1-6アルキル-SO2-、ペルフルオロC1-6アルキル-SO2-およびC4-18アリール-SO2-(ここで各R1は独立にC1-6アルキル、C4-18アリールまたはC4-18ArC1-6アルキルである)である}であり、
    7は、C(O)-CH2-CH2-NR89 であり、
    8およびR9は、独立に、水素原子、C1-8アルキル、C(O)-(CH2)m-NR1011(ここでmは1ないし6の整数)、または-C(O)CHR12NR1314(ここでR12は天然に存在するα-アミノ酸のうちの一つの側鎖である、かつ、
    10、R11、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子またはC1-8アルキルであり;かつ
    は1または2の整数である]
    を有するカンプトテシン化合物、及びそれらの薬学的に許容できる塩。
  2. nが1である、請求項1記載のカンプトテシン化合物。
  3. LがCl、BrおよびIからなる群から選択される、請求項1または2に記載のカンプトテシン化合物。
  4. 7-クロロメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ヒドロキシメチル-10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-ヒドロキシメチル-10,11-メチレンジオキシ-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;7-クロロメチル-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル-20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;20-O-β-ala-lys-20-(S)-カンプトテシン;7-ブロモメチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシン;及び7-ヒドロキシメチル-20-O-β-ala-20-(S)-カンプトテシンからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のカンプトテシン化合物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のカンプトテシン化合物を含む白血病または固形腫瘍の処置用薬学的組成物。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載のカンプトテシン化合物をDNA−トポイソメラーゼI複合体と接触させることを含む、酵素トポイソメラーゼIを阻害する方法。
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