JP4704579B2 - 感熱記録材料及びそれを用いた温度履歴表示方法 - Google Patents

感熱記録材料及びそれを用いた温度履歴表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、感熱記録材料からなる発色成分と消色成分とを有する材料であり、発色成分により形成された発色部域を所望の手段で消色が開始され、経時後の消色状態によって、該材料と共に置かれた被検物の温度履歴を表示する感熱記録材料、及びそれを用いた温度履歴表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、食品業界、流通業界、医薬品業界等においては、物品等に製造年月日、賞味期限、有効期限、保存温度等を記載することが通常である。しかし、経時した物品は実際にはどのような保持温度を経てきたかは不明である。即ち、必らずしもその指定保存温度の下に保持されてきたとは限らず、一時期それより高い温度で保持されてきているかもしれないし、逆に保存温度より低い温度(冷蔵又は冷凍温度)で保存されているかもしれない。物品は高い温度で保持されていれば腐っているかもしれないし、冷蔵されていればその分更に賞味期間が伸びるかもしれない。このためこれらの温度履歴を簡便に表示する手段が求められてきた。
【0003】
従来、色の変化又は濃度変化によって温度履歴などを表示する材料としては、
(1)扉透材の毛細管現象を利用したものが知られている(例えば特開昭50−60262号、特開昭61−53531号)。特開昭50−60262号は濾紙のような浸透材と着色液体とからなり、液体状態にある着色液体溜りを加圧で破り浸透を開始せしめ所望の領域での発色を起こさせるか、又は所望の領域に付着させておいた顕色剤で発色液体中の発色体と反応させ、発色させることにより表示するものである。発色液体が所定温度以上では液体となり、所定温度以下では固体又は半固体となり浸透が止まるため、所定温度以上に何時間保持されたかの温度履歴を表示することができる。
一方、特開昭61−53531号は、上記の浸透材と着色物と検知剤とからなり、液体状態にある検知剤の溜りを加圧で破り以後検知剤を浸透させ、検知剤中の消色剤により該着色物を消色するものである。消色剤は所定温度以上では液体であり、所定温度以下では固体又は半固体であり透過しないため、所定温度以上の温度履歴を表示できるのは特開昭50−60262号の例と同様である。
【0004】
また、(2)100℃前後の温度で数十時間の範囲をピンクからメタリックグリーンヘの変化等で表示する共晶アセチレン系混合物を用いたもの(米国特許第4,189,399号、米国特許第4,208,186号、米国特許第4,276,190号)、
(3)室温温度で数十目の範囲で無色から紫に変色する染料と酸あるいはアルカリの拡散による反応を用いたもの、(米国特許第4,212,153号)、
(4)レドックス染料酸素拡散性を用いたもの(米国特許第3,786,976号)、
(5)緑が退色することで表示する遊離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたもの(米国特許第3,966,414号)、
(6)使用温度で熱的に破壊されないマイクロカプセルに発色剤と所定温度で溶融するワックスを内包し、核マイクロカプセルを外圧により破壊するとともに変色剤と接触し着色することを利用したもの(特開昭60−55235号)、
(7)還元剤で脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって着色することを利用したもの(特開昭62−190447号)、
(8)酸を生成する微生物とpH表示薬を用いたもの(特開平5−61917号)、
(9)ラジカル発生剤と色素あるいは色素前駆体とを接触させることによって着色することを利用したもの(特開平9−96572号)等がある。その他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開示されている。
【0005】
また、(10)特開平7−253482号には、発色状態の発色剤層の上に変色剤層を積層したものが提案されているが、この技術は前述の特開昭60−55235号と同様に、依拠する消色の原理が単に常温液体の変色剤のマイグレーションによるものであり、同様の欠点を有し、本発明とは基本的に異なる。また、変色の契機が製造時又は発色部材と消色部材の密着時であり、任意の時点に契機を起こすことができない。また、可塑剤を変色剤として用いることが開示されているが、常温液体の可塑剤を前提としたものであるため、変色の契機が製造時又は発色部材と消色部材の密着時となり、発明者自身も明らかにしているように常温固体の可塑剤ではマイグレーションが起こらず発明を達成することができない。
【0006】
さらに、(11)特開平7−260955号には、同じく発色剤層の上にマイクロカプセルに内包した変色剤からなる変色剤層を積層したものが提案されているが、マイクロカプセルに内包されてはいるが特開平7−253482号と同様に、単に常温液体の変色剤のマイグレーションに依拠したものであり同様のことが言える。また、変色の契機が製造後ではあるが爪等の加圧によるものであり、簡便に行なえない、加圧領域がブロック状となり画像様でないと言う欠点を有する。また、特開平7−253482号と同様に可塑剤を変色剤として用いることが開示されているが、常温固体の可塑剤では発明が達成できないのは同様である。
(12)特開平12−136968号においても同様に可塑剤を消色剤として用いられているで、室温以上の環境下においては温度履歴表示機能を果たすことが可能である。
ただ、図1は特開平12−136968号の技術での消色曲線を示すものであるが、保存環境温度がT2>T1>T0で、T0が低温環境温度を示している。T0では熱溶融した消色成分が固まってしまう為、消色が進まない。
すなわち、特開平12−136968号においても低温環境下においては、一度熱溶融した可塑剤が固化することにより、消色が進まず、温度履歴表示機能を果たさない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、加圧の問題や使用の際に安全性の問題のない固体可塑剤を用いても、低温環境下における使用することのできる感熱記録材料及びそれを用いた温度履歴表示方法を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、感熱記録材料の感熱記録層中に消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤が少なくとも1種以上含有させることで、上記の課題を達成することができた。
すなわち、本発明によれば、下記の感熱記録材料及びそれを用いた温度履歴表示方法が提供される。
(1)少なくとも発色成分と消色成分からなる感熱記録材料において、該感熱記録材料中に前記消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤が少なくとも1種以上含有されていることを特徴とする感熱記録材料。
(2)該消色成分が常温において固体の可塑剤であることを特徴とする上記(1)の感熱記録材料。
(3)該常温固体の可塑剤の融点が40〜150℃であることを特徴とする上記(2)の感熱記録材料。
(4)該過冷却性促進剤が融点60〜180℃の熱溶融性有機化合物であることを特徴とする上記(1)〜(3)の感熱記録材料。
(5)該過冷却性促進剤の添加量が該消色成分1.0重量部に対して、0.1〜10.0重量部であることを特徴とする上記(1)〜(4)の感熱記録材料。
(6)該過冷却性促進剤の平均粒径が0.2〜50.0μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)の感熱記録材料。
(7)支持体上に、少なくとも発色成分からなる発色層があり、該発色層に隣接する層が消色成分と該消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤からなる消色層であることを特徴とする上記(1)〜(6)の感熱記録材料。
(8)支持体上に、発色成分からなる発色層、消色成分と該消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤からなる消色層、及び前記発色層と該消色層の間にバリアー層を有することを特徴とする上記(1)〜(7)の感熱記録材料。
(9)支持体上にアンダー層を有することを特徴とする上記(1)〜(8)の感熱記録材料。
(10)アンダー層の主成分が、空孔を有する微小粒子からなることを特徴とする上記(9)の感熱記録材料。
(11)支持体の感熱記録層とは反対面に粘着剤層を有することを特徴とする上記(1)〜(10)の感熱記録材料。
(12)支持体と粘着剤層の間にバック層を有することを特徴とする上記(11)の感熱記録材料。
(13)上記(1)〜(12)の感熱記録材料を加熱発色させ、消色成分と過冷却性促進剤を溶融させ加熱消色を開始させ、該加熱消色を開始させた感熱記録材料とともに被検物を温度環境下に置き、時間経過後の感熱記録材料の消色状態により前記被検物の温度履歴を表示することを特徴とする温度履歴表示方法。
(14)予め所望の画面域全面を発色させた上記(1)〜(12)の感熱記録材料を加熱して消色成分と過冷却性促進剤を溶融させ加熱消色を開始させ、該加熱消色を開始させた感熱記録材料とともに被検物を温度環境下に置き、時間経過後の該感熱記録材料の背景に対して浮かび上がった該画像の消色状態により被検物の温度履歴を表示することを特徴とする温度履歴表示方法。
(15)消色状態を画像濃度変化又は色の変化としてスキャナーで光学的に読み取り被検物の温度履歴を管理することを特徴とする上記(13)〜(14)の温度履歴表示方法。
(16)加熱消色をドット状又はパターン状に行うことを特徴とする上記(13)〜(15)の温度履歴表示方法。
(17)加熱消色を開始させる加熱手段として、サーマルヘッドを用いることを特徴とする上記(16)の温度履歴表示方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は、少なくとも発色成分と消色成分からなる感熱記録材料おいて、前記消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤が含有されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明で用いる消色成分は一度熱溶融すると、液体状態を保つ物質である。熱的物性を示差走査熱量分析(DSC)装置を用いて分析すると、昇温過程において融点近傍で固相から液相に相変化するときの潜熱が吸熱ピークとして見られるが、昇温過程後、冷却過程において液相から固相に戻る際の潜熱に相当する発熱ピークが融点(凝固点)近傍で観察されず、室温付近まで冷却しても液相であり続ける。上記のような熱的物性を有する物質は、一般的に過冷却物質と呼ばれている。
【0011】
消色機能を有する過冷却物質として、固体可塑剤が挙げられる。固体可塑剤の融点は40〜150℃が好ましく、更に好ましくは融点が60〜100℃のものである。融点が40℃より低いと常温で発色層と作用する為に保存性が悪くなる。また、融点が150℃より高いとサーマルヘッドで印加したときに溶融に必要なエネルギーが不十分になる。消色機能を有する過冷却物質として、フタル酸エステル類等が好ましく用いられる。具体的にはフタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等、フェニルプロピオン酸エステル類、(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル、(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オタタデシル、ビス−3−(3−タシャリーブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸トリエチレングリコール、フタル酸ジヘキシル、イソフタル酸ジメチル、安香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸、トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリジクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。勿論これらに限定されるものではなく、必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0012】
「過冷却促進剤」とは消色成分である過冷却物質の過冷却性を促進させる物質をいい、消色成分の熱溶融後の液体状態をさらに低い温度環境下においても維持させる機能を有した物質である。具体的には過冷却物質の凝固点を降下させる物質をさす。消色成分である過冷却物質と過冷却促進剤を混合し、DSCで測定すると過冷却物質単独よりも、さらに低い温度環境下、具体的には5〜10℃の温度環境下においても液体状態が維持されることが確認できる物質である。
【0013】
本発明における過冷却性促進剤としては、過冷却性促進剤の融点は60〜180℃が好ましく、更に好ましくは融点が65〜120℃のものである。融点が60℃より低いと常温で発色層と作用する為に保存性が悪くなる。また、融点が180℃より高いとサーマルヘッドで印加したときに溶融に必要なエネルギーが不十分になる。具体的には、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体などがある。
【0014】
過冷却性促進剤の添加量は常温固体の可塑剤1.0重量部に対して0.1〜15.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜10.0重量部である。添加量が0.1重量部未満では常温固体の可塑剤の凝固点を降下させるには不充分であり、添加量が15.0重量部を超えると、消色機能が低下する。
【0015】
また、過冷却性促進剤の粒径は0.1〜60.0μmが好ましく、更に好ましくは0.2〜50.0μmである。0.1μm未満では過冷却性促進剤粒子が凝集してしまい、60.0μmを超えると固体可塑剤との溶融しにくい。
【0016】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に主に電子供与性染料と電子受容性化合物を主成分とする発色成分から成る発色層を設け、その上に消色成分から成る消色層を設けたり、又は、支持体−消色層−発色層の順に積層してもよい。消色成分はその凝固点以上の環境下では、後述のように液体状態となり、消色成分はわずかずつ層方向に浸透拡散し、発色された発色成分に到達し、消色を進めることで、消色速度を所望の速度に合わせることが可能となる。
【0017】
更に、発色層と消色層との間にバリアー層を設けることで、消色過程を制御することもできる。バリアー層存在下では、バリアー層を経て消色剤が発色層に浸透・拡散することにより消色がバリアー層のないものより遅く進む。消色層に用いる消色機能を有する物質の透過力、あるいは消色能等を制御することが可能となり、バリアー層の厚み、材質を適当に変えることにより、所定温度における時間変化又は時間積算値を色の変化又は濃度の変化として表示する際に、その変色速度或いは濃度変化速度を制御することが可能になる為、本発明の構成要素として重要である。
【0018】
本発明のバリアー層には水溶性高分子、有機系又は無機系のフィラーを主体として形成された被膜等が包含される。
【0019】
本発明のバリアー層に用いる樹脂としては水溶性高分子を用いたものが特に良好であるが、成膜性のある樹脂であれば必ずしもこれらに限定されるものではなく、以下のような化合物が挙げられる。
スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョンやSBR、MBR、NBR等のラテックス及びポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキジル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アグリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等の水溶性高分子樹脂など。また、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
【0020】
またワックスをバリアー層に用いても良く、ワックスの例としては、動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバろう、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、例えばアセトトルイジド等が、各々例示される。
【0021】
本発明においては、支持体上にアンダー層を設けることによって、サーマルヘッドの熱エネルギーの効率活用により、消色成分を効率的に溶融させることができ、消色率の向上が可能となる。
アンダー層としては、空孔を有する微小粒子は、消色成分の効率的な溶融において好ましく、更に好ましくは空孔度合(中空率)が30%以上であることが望ましい。ここで求める中空率は下記式で表される。
中空率=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100(%)
【0022】
また、空孔を有する微小粒子の平均粒子径は2.0〜20μmのものが使用できるが、3〜10μmのものがより好ましい。この平均粒子径(粒子外径)が2.0μmよりも小さいものは、任意の中空率にするのが難しい等の生産上の問題があって、コストの面で問題があり、逆に20μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、ドット再現性が悪くなるとともに感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布スペクトラムの均一なものが望ましい。
【0023】
本発明で用いる微小中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とするものが一般的であり、この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
【0024】
また、本発明のアンダー層に用いられる顔料としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料やシラス上等の無機顔料等があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0025】
本発明の非発泡性アンダー層を設けるには、前記の微小中空粒子や顔料をバインダーと共に水に分散し、これを支持体上に塗布し、乾燥することによって得られる。塗布量は、好ましくは2〜15g/m2程度であり、またバインダー樹脂の塗布量は、アンダー層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は該微小中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。非発泡性アンダー層を形成する際に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水性高分子エマルジョンから適宜選択される。その具体例としては、水溶性高分子として、例えばポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アグリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
【0026】
また、本発明において用いる発泡性フィラーは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に低沸点溶媒の発泡剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり、加熱により発泡する。このような発泡プラスチックフィラーは従来公知であり、種々のものが適用されるが、その粒子直径に関しては、未発泡の状態の場合、2〜50μm、好ましくは5〜20μmであり、発泡状態では10〜100μm、好ましくは10〜50μmである。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいはそれらの共重合体が挙げられる。また、殻内に含まれる発泡剤としては、プロパンやブタン等が一般的である。
【0027】
支持体上に発泡性アンダー層を設けるには、前記した発泡性プラスチックフィラーを、結着剤と共に支持体上に塗布乾燥した後、その塗布面に熱板を密着させ、プラスチックフィラーを加熱発泡させればよい。プラスチックフィラーの塗布量は、支持体1m2に対し、未発泡フィラーとして、少なくとも1g、好ましくは2〜5g程度である。また、結着剤の使用量は、発泡性アンダー層を支持体に対し強く結着させるような量であればよく、通常は、未発泡フィラーと結着剤の合計量に対し、5〜50重量%である。また、加熱発泡温度は、フィラーの殻を構成する熱可塑性樹脂を軟化させる温度である。
発泡倍率は、通常2〜4倍、好ましくは2〜3倍程度であり、所期の発泡を達成するように適宜選択される。
【0028】
前記のようにして形成した支持体上に形成された発泡性アンダー層の表面は、かなり凸凹が生じているために、発泡性アンダー層形成後(加熱発泡後)キャレンダー処理により表面を平滑にすることが好ましく、また、必要に応じて発泡性アンダー層の表面又は下面に1層又は複数層のアンダーコート層を設けることもできる。
【0029】
なお、本発明のアンダー層においては、前記微小中空粒子又は顔料又は発泡性フィラー及びバインダーと共に、必要に応じて、更にこの種の発色層に慣用される補助添加成分、例えば、熱可融性物質、界面活性剤等を併用することができる。
【0030】
本発明において、支持体の感熱記録層の反対面に粘着剤層を設けることで、温度履歴を管理したい被検物に貼ることができ、被検物から離れることが無くなり、確実に被検物の温度履歴を表示することが可能とある。
上記のように粘着剤層を設けることで、粘着剤層中に含まれる可塑剤成分が支持体反対面より含浸することで消色促進される可能性がある。そこで支持体と粘着剤層の間にバック層を設けることで、粘着剤層中の可塑剤成分による消色を防ぐことが可能となり、正確な温度履歴表示か可能となる。
【0031】
次に、本発明における温度履歴表示方法の一例を説明する。従来より公知のサーマルヘッド又はパターン状加熱部材を有するプリンターを用いて本発明における感熱記録材料に加熱印字することにより消色を開始できる。サーマルヘッド又はパターン状加熱部材を有するプリンターを用いることにより、本発明における感熱記録材料に任意の時刻に、任意のエネルギーで、任意の画像様に加熱印字及び消色開始することができる。すなわち、任意の時刻に加熱印字することにより任意の時刻より温度履歴を計測することができる。更に任意のエネルギーで加熱印字することにより任意の印字濃度に発色層を発色させることができる。すなわち温度履歴表示開始の印字濃度を任意に選択できるため、温度履歴表示終了の期間(消色限界)を任意に選択することができる。
【0032】
更に任意の画像様に加熱印字することにより、バーコード等の電子変換情報、又は文字や絵や記号等の視覚情報を任意に加熱印字することができる。すなわちバーコード等を印字することにより温度履歴を読み込ませて、機械的に検知し、電子情報として取り扱うことができる。また、検知できなかった時に消色限界として判断することができる。また文字や絵や記号等を印字することにより、温度履歴を視覚的に直接判断することができる。温度履歴を視覚的に判断する補助として温度履歴表示材料に印刷等の手段を用いて限度見本となるような段階濃度画像を事前に設けることができる。あるいは文字や絵や記号等の印字情報の変化に関する説明を印刷等により事前に設けることができる。例えば「絵が消えたら賞味できません」、「文字が浮かび上がったら賞味期限を過ぎています」というような説明を印字することができる。冷蔵輸送宅配便等の温度管理された物品に本発明の温度履歴表示材料を用いることにより、簡便に温度管理の状態を判断できる。
【0033】
次に、スキャナーで温度履歴を読み取る方法について説明する。本発明におけるスキャナーで色の変化又は濃度の変化を光学的に読み取り被検物の温度履歴を管理する温度履歴表示方法として、公知のスキャナーを用いることができる。スキャナーにより反射率の差を読み取ることで目的とする印字濃度に達しているか否かを判断することにより温度履歴及び消色限界を判断できる。またスキャナーによりバーコード等の電子情報を読み取ることにより、更に情報量を付加することができる。これらのスキャナーを用いた温度履歴表示方法は、電子情報を読み取ることと公知のバーコード管理システム等とを組み合わせることにより自動化できる。
【0034】
続いて、本発明における発色層の所望画面域全面を予め発色させた感熱記録材料の製造方法について説明する。
発色層に消色成分を含有させる場合、発色成分のみの液をオイルバス等で加熱発色させた後、消色成分を添加して塗布液を調整する。
発色成分を有する発色層と消色成分を有する消色成分を別層に塗工する場合、熱乾燥することにより発色層を予め発色させ、発色層の塗工後、通常の乾燥工程で発色層が発色する温度以上で乾燥することにより発色層を発色させることができる。乾燥する温度は電子供与性染料と電子受容性化合物、さらには助剤や顕色剤等の組み合わせにより適宜変化するので、特に温度を限定するものではない。乾燥は発色層を発色させる温度以上で、かつ過剰の熱により発色層の表面性が損なわれない温度以下であることが好ましい。全面発色部(背景部)を更に飽和の発色濃度以下の発色状態に制御し、画像印字部を背景部の濃度以上に発色させ、背景部濃度と等しくなったところで判定するか、又は背景部の濃度以下となったところで判定することもできる。上記熱乾燥を決める条件としては、温度以外に乾燥時間、熱風景、塗工物の固形分量、付着量、水分量等により決まる。
【0035】
発色させる工程は消色層塗工後でもよいが、消色層を塗工する前に行うことが好ましい。消色層を塗工後に熱乾燥による発色工程を設けると消色層に過剰の熱が加わることにより消色成分が溶融する恐れがあり、消色が開始してしまうおそれがある。すなわち発色させる工程は発色層の塗工直後でも、塗工後一定時間後でもよい。またバリアー層を設ける場合は、熱乾燥による発色工程はバリアー層の塗工前でも塗工後でもよい。
【0036】
消色層の塗工は熱乾燥による発色層の発色工程の後、連続でも非連続でもよい。非連続の場合はキャレンダー工程、又はバリアー層のキュア工程等を施すことができる。
【0037】
一方、溶剤を塗布することにより発色層を予め発色させる場合、発色層の塗工後、溶剤を塗工することにより、発色層を発色させることができる。本発明に用いられる溶剤は具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、エタノール、トルエン等が挙げられる。勿論これらに限定されるものではなく、発色層を発色させる溶剤であることが好ましい。塗工の方法は公知の塗工方法により任意に選択することができる。予め全面発色させる他の方法としては、有機溶剤系の溶媒に分散させた発色層塗布液を塗布乾燥させる方法もある。
【0038】
本発明の感熱記録材料に対して、サーマルヘッドを用いることで、様々な画像パターンを印字することが可能となる。
【0039】
本発明の発色層において用いられる電子供与性染料としては、ロイコ染料が単独又は2種以上混合して適用される。
ロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−〔N−3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ〕−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム〕、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N,N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−クロロ−3’−メトキシ−ベンゾイントリノ−スピロピラン、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミン−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ビペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、
3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン等。
【0040】
本発明の発色層で用いる電子受容性化合物(顕色剤)としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物(酸化剤を含む)等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4’−イソプロピリデンジフェニール、
4,4’−イソプロビリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ダーシャリーブチルフェノール)、
p−ニトロ安息香酸亜鉛、
1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
2,2−(3,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、
4−〔β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ〕サリチル酸、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4’−イソプロビリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、
4,4’−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジフェノールスルホキシド、
p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキユ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
3,3’−ジクロロフェニルチオ尿素
サリチルアニリド、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
ビス−(4−ヒドロキジフェニル)酢酸ベンジル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、
2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスラェノールS、
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等。
【0041】
本発明の発色層において、顕色剤の使用量は染料1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。顕色剤は単独もしくは2種以上混合して適用することができ、染料についても同様に単独もしくは2種以上混合して適用することができる。2種以上の染料を用いることにより、所定温度における時間変化又は温度−時間積算値をより多色で表示できるようになる。
【0042】
本発明においては、色の変化で表示する為に顔料を用いることができるが、該顔料を少なくともアンダー層、発色層、バリアー層、消色層、保護層、支持体のいずれかに添加することができる。また、本発明の顔料は有機顔料、無機顔料等が挙げられる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、ポリアゾ縮合顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクドリン系顔料、ジオキサジン顔料等を挙げることができる。無機顔料としてはチタンホワイト、カドミウム系、酸化鉄系、酸化クロム系等を挙げることができる。勿論、これらに限定されるものではなく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0043】
発色層に用いるバインダー樹脂として好ましいものは、分子内に水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂である。このような樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセノルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂は単独又は2種以上混合して適用される。
【0044】
発色層を形成する場合には、ロイコ染料、顕色剤と共に必要に応じこの種の感熱記録材料に慣用される添加成分、例えば填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を記録媒体の発色性を損なわない範囲で併用することができる。この場合、填料として例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができ、滑剤としては、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。
【0045】
本発明では、発色層のサーマルヘッドとのマッチング性を向上させるために、感熱記録材料の上層として保護層を設けることもできる。
本発明で使用する保護層は、表示材料の透明性、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対するヘッドマッチング性の向上のため、本発明の感熱記録材料の構成要素として重要である。
本発明の保護層には水溶性樹脂や水性エマルジョン樹脂、疎水性樹脂を主体として形成された皮膜や、紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂を主体として形成された皮膜等が包含される。
【0046】
水溶性樹脂の具体例としては、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0047】
水性エマルジョン用の樹脂又は疎水性樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂とシリコンセグメントとの共重合体も好ましく用いられる。これらは単独もしくは混合して使用され、更に必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させても良い。紫外線硬化樹脂は紫外線照射によって重合反応を起こし硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマーあるいはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。電子線硬化樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線硬化樹脂及びシリコン変性電子線硬化樹脂を主成分としたものである。
【0048】
保護層にはヘッドマッチング性の向上のために無機又は有機フィラーや滑剤を表面の平滑性を落とさない範囲で添加することができる。本発明におけるフィラーの粒径としては0.3μm以下が好ましい。この場合の顔料としては吸油量30ml/100g以上、好ましくは80ml/100g以上のものが選択される。これらの無機又は/及び有機顔料としては、この種の感熱記録媒体に慣用される顔料中の1種又は2種以上を選択することができる。その具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。
【0049】
保護層の塗工方式は特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層の厚さは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層の厚さが薄すぎると、記録媒体の保存性や保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するし、コスト的にも不利である。
【0050】
なお、本発明の感都記録材料を有する表示ラベルの他のエリアに、通常の非可逆性又は可逆性の感熱発色層を構成し情報が記録されていてもよい。
【0051】
本発明で使用する支持体としては、特に限定されず、紙以外でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム或いはこれらを貼り合わせたフィルム等を使用するのが一般的である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。ここでの「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。また、各液はボールミルで粉砕分散し、含有粒子の平均粒子径を2.0μm以下とした。
【0053】
[塗布液の調整]
(A−1液)アンダー層塗布液の調合
塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主成分とする共重合体樹脂のスチレンアクリルエマルジョン(固形分47.5%、中空率0%)18部とスチレンブタジエン共重合ラテックス(固形分50.0%)10部及び水60部を混合攪拌してアンダー層塗布液(A−1液)を得た。
(A−2液)アンダー層塗布液の調合
塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主成分とする共重合体樹脂の微小中空粒子エマルジョン(固形分41.0%、中空率90%)20部とスチレンブタジエン共重合ラテックス(固形分50.0%)10部及び水60部を混合攪拌してアンダー層塗布液(A−2液)を得た。
【0054】
(B液)染料分散液の調合
クリスタルバイオレットラクトン20部とポリビニルアルコール(10%水溶液)20部と水60部を混合攪拌しボールミルで粉砕分散して染料分散液(B液)を得た。なお、CVLは青色発色の染料である。
【0055】
(C液)顕色剤分散液の調合
2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)10部とポリビニルアルコール(10%水溶液)25部と炭酸カルシウム15部と水50部を混合攪拌しボールミルで粉砕分散して顕色剤分散液(C液)を得た。
【0056】
(D液)発色層塗布液の調合
上記(B液)と(C液)の重量比が(B液):(C液)=1:8となるように混合攪拌し、沸騰したお湯で加熱発色させて、発色層塗布液(D液)を得た。
【0057】
(E液)バリアー層塗布液の調合
水酸化アルミニウム5部と水85部を混合撹枠してバリアー層塗布液(E液)を得た。
【0058】
(F液)シリカ分散液の調合
シリカを1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と水2.0部の処方比率になる混合物を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が3.0μm以下になるように粉砕、分散化して(F液)を得た。
【0059】
(G液)保護層液の調合
上記シリカ分散液(F液)を4.0部、ポリビニルアルコール10%水溶液を10.0部、ステアリン酸亜鉛30%分散液(中京油脂製Z−730)を1.0部、ポリアミドエピクロルヒドリンの12.5%溶解液を3.2部及び水5.8部の処方比率になる混合液を十分に攪拌して保護層液(G液)を得た。
【0060】
(H−1液)固体可塑剤分散液の調合
固体可塑剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’,5−ジ−ターシャリーブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点156℃)を100部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液(H−1液)を得た。
(H−2液)固体可塑剤分散液の調合
固体可塑剤としてフタル酸ジクロロヘキシル(61℃)を100部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液(H−2液)を得た。
【0061】
(I−1液)過冷却性促進剤分散液の調合
過冷却性促進剤してアセチルビフェニル(融点186℃)を100部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水300部を均等に混合してボールミルを用いて平均粒子径が55.0μm及び90%粒子径25.0μmになるまで粉砕し、過冷却性促進剤分散液(I−1液)を得た。
(I−2液)過冷却性促進剤分散液の調合
過冷却性促進剤してシュウ酸ジベンジルエステル(融点80℃)を100部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水300部を均等に混合してボールミルを用いて平均粒子径が55.0μm及び90%粒子径25.0μmになるまで粉砕し、過冷却性促進剤分散液(I液)を得た。
(I−3液)過冷却性促進剤分散液の調合
上記(I−2液)の平均粒子径が55.0μmを1.0μmに変更した以外は同様にして得た。
【0062】
(J液)消色層塗布液の調合
上記(H−2液)と(I−3液)の重量比が(H−2液):(I−3液)=7:2となるように調合して消色層塗布液(J液)を得た。
【0063】
[塗工方法及び塗布量]
上記のようにして得られた分散液を濾過し、乾燥後の塗布量が(A−1液)2g/m2、(A−2液)2g/m2、(D液)3g/m2、(E液)1.5g/m2、(G液)1.5g/m2、(H−1液)7.5g/m2、(H−2液)7.5g/m2、(J液)9g/m2となるように、市販の上質紙の表面にそれぞれ任意にワイヤーバーで計量・塗布・乾燥した後、ベック平滑度が500〜1500秒以上になるようにキャレンダーがけを行って、温度履歴表示材料を得た。
【0064】
実施例1
(B液)、(C液)、(H−1液)、(I−1液)を重量比が(B液):(C液):(H−1液):(I−1液)=1:3:10:1.25となるように調合した塗布液と(G液)を、上質紙の表面に塗布量12.0g/m2、1.5g/m2となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0065】
実施例2
(B液)、(C液)、(H−2液)、(I−1液)を重量比が(B液):(C液):(H−1液):(I−1液)=1:3:10:1.25となるように調合した塗布液と(G液)を、上質紙の表面に塗布量12.0g/m2、1.5g/m2となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0066】
実施例3
(B液)、(C液)、(H−2液)、(I−2液)を重量比が(B液):(C液):(H−1液):(I−1液)=1:3:10:1.25となるように調合した塗布液と(G液)を、上質紙の表面に塗布量12.0g/m2、1.5g/m2となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0067】
実施例4
(B液)、(C液)、(H−2液)、(I−2液)を重量比が(B液):(C液):(H−1液):(I−1液)=1:3:10:3.75となるように調合した塗布液と(G液)を、上質紙の表面に塗布量12.0g/m2、1.5g/m2となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0068】
実施例5
実施例4に用いられた(I−2液)を(I−3液)に変更した以外は同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0069】
実施例6
上質紙の表面に(D液)、(J液)、(G液)をそれぞれ上記の塗布量となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0070】
実施例7
上質紙の表面に(D液)、(E液)、(J液)、(G液)を上記の塗布量となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0071】
実施例8
上質紙の表面に(A−1液)、(D液)、(E液)、(J液)、(G液)を上記の塗布量となるように順次に塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0072】
実施例9
実施例7に用いられたアンダー層塗液(A−1液)の代わりに(A−2液)に変更した以外は同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0073】
比較例1
上質紙の表面に(D液)、(G液)を上記の塗布量となるように塗工乾燥した後、キャレンダーがけを行って感熱記録材料を得た。
【0074】
比較例2
実施例1の(J液)からアセチルビフェニルを除いた液を塗布量9g/m2、となるように塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
【0075】
以上、得られた実施例及び比較例の感熱記録材料を以下の方法で評価を行った。
(評価方法)
感熱記録材料を松下電子部品(株)製の薄膜ヘッドを有する感熱記録印字実験装置にて、ヘッド電力0.45w/dot,1ライン記録時間10msec/1ineの条件下で、印加パルス幅0.8msecで印字し、5℃の条件下で保管したときの印宇部の印字濃度をマクベス濃度計RD−914(マクベス社製)赤フィルター(フィルター位置の色表示:シアン)で測定した。
【0076】
[評価結果]
実施例1〜9及び比較例1、2で得られた感熱記録材料を上記の方法で印字し、5℃で保管した時の印字濃度の経時変化を図2、3に示す。
【0077】
結果
実施例1〜5において、消色率の向上が見られた。実施例6、7において、消色の時間制御が可能となった。実施例8、9において、さらなる消色率と時間制御の向上が見られた。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも発色成分と消色成分からなる感熱記録材料おいて、該感熱記録材料の消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤を含有させることにより、消色成分の凝固点が降下されることで、低温環境下においても消色可能で、これまで不可能であった低温環境における被検物の画像認識表示も可能な温度履歴表示材料としても用いることができる感熱記録材料、及び温度履歴表示方法を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】特開平12−136968号による消色曲線を説明した図である。
【図2】実施例1〜5、及び比較例1〜2による、5℃環境下における消色挙動を説明した図である。
【図3】実施例5〜9、及び比較例1〜2による、5℃環境下における消色挙動を説明した図である。

Claims (17)

  1. 少なくとも発色成分と消色成分である過冷却物質とからなる感熱記録材料において、該感熱記録材料中に前記消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤が少なくとも1種含有され、
    前記過冷却性促進剤が、ナフトール誘導体、ビフェニル誘導体、ポリエーテル化合物、及び炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体から選択される少なくともいずれかであることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 該消色成分が常温において固体の可塑剤であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 該常温固体の可塑剤の融点が40〜150℃であることを特徴とする請求項2記載の感熱記録材料。
  4. 過冷却促進剤が、アセチルビフェニル及びシュウ酸ジベンジルエステルのいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 該過冷却性促進剤の添加量が該消色成分1.0重量部に対して、0.1〜10.0重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 該過冷却性促進剤の平均粒径が0.2〜50.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録材料。
  7. 支持体上に、少なくとも発色成分からなる発色層があり、該発色層に隣接する層が消色成分である過冷却物質と該消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤からなる消色層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 支持体上に、発色成分からなる発色層、消色成分である過冷却物質と該消色成分の凝固点を降下させる過冷却性促進剤からなる消色層、及び前記発色層と該消色層の間にバリアー層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱記録材料。
  9. 支持体上にアンダー層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
  10. アンダー層の主成分が、空孔を有する微小粒子からなることを特徴とする請求項9記載の感熱記録材料。
  11. 支持体の感熱記録層とは反対面に粘着剤層を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材料。
  12. 支持体と粘着剤層の間にバック層を有することを特徴とする請求項11記載の感熱記録材料。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱記録材料を加熱発色させ、消色成分である過冷却物質と過冷却性促進剤を溶融させ加熱消色を開始させ、該加熱消色を開始させた感熱記録材料とともに被検物を温度環境下に置き、時間経過後の感熱記録材料の消色状態により前記被検物の温度履歴を表示することを特徴とする温度履歴表示方法。
  14. 予め所望の画面域全面を発色させた請求項1〜12のいずれかに記載の感熱記録材料を加熱して消色成分である過冷却物質と過冷却性促進剤を溶融させ加熱消色を開始させ、該加熱消色を開始させた感熱記録材料とともに被検物を温度環境下に置き、時間経過後の該感熱記録材料の背景に対して浮かび上がった該画像の消色状態により被検物の温度履歴を表示することを特徴とする温度履歴表示方法。
  15. 消色状態を画像濃度変化又は色の変化としてスキャナーで光学的に読み取り被検物の温度履歴を管理することを特徴とする請求項13又は14記載の温度履歴表示方法。
  16. 加熱消色をドット状又はパターン状に行うことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の温度履歴表示方法。
  17. 加熱消色を開始させる加熱手段として、サーマルヘッドを用いることを特徴とする請求項16記載の温度履歴表示方法。
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