JP4703814B2 - 車両用開口ルーフ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の開口ルーフ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような開口ルーフ構造は、種々の形態で公知である。例えば、駆動ケーブルによるスライド部材の動きによって生じる望ましいパネルの動きを実現するために、パネル下方のガイドウェイをガイドスロットから構成し該ガイドウェイを曲線状または直線状とすること、該ガイドウェイ内にスライド部材の1つまたは2つのピンを係合させること、レバーに中間位置を設けたりすること、などが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記に述べた種類の開口ルーフ構造をさらに改良することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
開口ルーフ構造に関する上記課題は請求項1に記載の特徴によって解決される。
【0005】
ガイドウェイと係合したり、続いて係合から外れたりする2つの離間したガイド部材を用いることによって、スライド部材が最大限の行程を有し、互いに異なるガイドウェイの2つの端部間に間隙を有するように構成することが可能であり、こうしてガイドウェイの前後方向の長さ選択に関する自由度と、スライド部材の行程に関する自由度とを増大させることができる。このようにして、互いの間の相対移動を適合化させることが可能である。
【0006】
米国特許第5,069,501号明細書は、スポイラーサンルーフのコントロール機構を開示している。このコントロール機構は、2組のガイドピンを有する支持部材を備え、さらに、各々が2つのガイドスロットを有している固定スライド部材と駆動スライド部材とを備えている。複数のガイドピンは、それぞれのガイドスロットと常時係合している。すなわち、これらガイドピンは、係合状態から非係合状態へと移行することはない。
【0007】
ガイド部材とガイドウェイとの係合部分を容易に移動させるために、好ましくは、ガイドウェイを2つの部分に分割する。このようにして、第1ガイドウェイ部分を第1ガイド部材に係合させ、第2ガイドウェイ部分を第2ガイド部材に係合させることができる。
【0008】
本発明は特に、スライド部材がパネルの閉鎖ポジションに対応した位置から前方及び後方へと移動可能であり、こうしてパネルを上方へ回動し、その一方でパネルが前記2つの方向のいずれかにおいて後方へ移動可能であり、ガイドウェイはスライド部材が移動することによってパネルを後方へ移動させるように形成され、スライド部材が反対方向へ移動した際に前記パネルはより小さく上方へ回動するという形態の開口ルーフ構造に好適である。
【0009】
開口ルーフ構造の前後方向で見て、第1ガイドウェイ部分及び第1ガイド部材を、第2ガイドウェイ部分及び第2ガイド部材の前側に配置すると有利である。
【0010】
この実施形態は、前側ガイド部材がスライド部材の前側に配置された前側ガイドウェイと係合するので、その結果として、前記ガイドウェイ部分に大きなスロープを形成しなくても、つまり全高を低く保ったままで、比較的大きな回動角が得られるという利点を有している。その一方で、スライド部材が後方位置にある状態では極めて安定したパネル支持が実現される。この状態では、後側ガイド部材が後側ガイドウェイ部分と係合しており、その目的のためにスライド部材をはるか後方に移動させる必要はない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による開口ルーフ構造の実施形態について、添付図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【0012】
図面には、本発明を正しく理解するために必要な開口ルーフ構造用部材のみを示している。この種の開口ルーフ構造に関する詳細説明は、先行のオランダ国特許出願第1011251号に記載されており、本明細書は、その内容を含むものとする。
【0013】
図面は、自動車、例えば乗用車の固定ルーフ1と、開口ルーフ構造を収めるために該固定ルーフ1内に形成された開口部2とを示している。前記開口ルーフ構造は、閉鎖部材4を移動可能に支持する機能を有し車両に固定されたフレーム3または類似の固定部材を備えている。
【0014】
図示する開口ルーフ構造の実施形態は、スポイラールーフと呼ばれるものであり、(この形態では)ある程度剛性があり好ましくは透明のパネル4を閉鎖部材として備えている。パネル4は、ルーフ開口部2を選択的に、小さくまたは大きく閉鎖したり開口したりできる。ここでパネル4は、ガイドレール6にスライド可能に収容された操作機構5によって左右方向を支持されている。ガイドレール6は、例えばフレーム3に取付けられるか、またはフレームの一部として形成され、ルーフ開口部2の両側において前後方向に、該ルーフ開口部のやや前方及び後方にまで平行に延在している。前記2つの操作機構5は、ガイドレール6内を同期状態で移動することができ、こうしてパネル4を前後方向だけでなく鉛直方向にも動かす。操作機構5は、例えば駆動ケーブル(図示せず)を介して、駆動装置(図示せず)、例えば電気モータあるいはクランク機構により操作される。
【0015】
図面には、パネル4の一方の側部に設けられた操作機構5を示している。図から分かるように、パネル4は支持部材7によって支持され、支持部材7はその前端部を、この場合回動ピン8によって支持されている。回動ピン8は、ある程度の剛性をもってガイドレール6に固定されている。
【0016】
図示の実施形態では、パネル4は支持部材7に、図示しない方式により移動可能状態で支持されている。パネル4は、前記支持部材に対し、図示しない方式によって移動可能であり、こうしてパネル4は固定ルーフ1の上にまで移動することができる。
【0017】
操作機構5は、前述した駆動ケーブルに接続されたスライド部材9を備えている。スライド部材9は、各ガイドレール6内でスライド可能であり、パネル4を操作し、移動させる機能を有している。該スライド部材9は支持部材7と係合し、さらに本実施形態では、第1のガイド部材すなわち前側ガイド部材10と、第2のガイド部材すなわち後側ガイド部材11とを備えている。支持部材7は曲面部材として形成されいる。支持部材7は、前後方向に延在し鉛直方向にカーブしているガイドウェイを備え、本発明ではこのガイドウェイは、第1の、すなわち前側ガイドウェイ部分12と、第2の、すなわち後側ガイドウェイ部分13とに分けられる。ガイド部材10,11及びガイドウェイ部分12,13は、例えばピンとスロットのように、種々の形態で構成することができる。図示の実施形態ではガイドウェイ部分12は、支持部材7の両側に突出するリブであり、一方ガイド部材10,11は、それぞれ上下方向に配置された2セットのカムからなり、これらカムは、それぞれの上面・下面においてガイドウェイ部分12,13のリブと係合できるように構成されている。
【0018】
ガイド部材10,11間の間隙は、ガイドウェイ部分12,13の端部間の間隙よりも大きく構成されており、こうしてガイド部材10と11とは、それぞれのためのガイドウェイ部分12と13とに同時に係合することができる。すなわち、それぞれの係合範囲には重複域が存在する。図から分かるように、2つのガイドウェイ部分12,13のスロープは少なくとも実質的に同一であり、一方、第1ガイドウェイ部分12のパネル4に平行な部分は、第2ガイドウェイ部分13のパネル4に平行な部分より長く形成されている。
【0019】
本発明による開口ルーフ構造に関する図示の実施形態について、その作用を以下に説明する。
【0020】
図1はパネル4が閉鎖ポジションにある状態を示している。ここではパネル4全体がルーフ開口部2の中にあり、シール部材を介して該開口部2を封止している。スライド部材9の第1ガイド部材10は、第1ガイドウェイ部分12の水平部分(パネル4と平行である部分)に位置し、一方、第2ガイド部材11は、第2ガイドウェイ部分13の前側水平部分に位置し、こうしてパネル4は閉鎖ポジションにしっかりと保持されている。
【0021】
図2では、スライド部材9がその前方位置に移動し、その移動によってパネルは、回動ピン8回りに上方へ向けて回動した換気ポジションに動いている。この動きは、第1の前側ガイド部材10が第1ガイドウェイ部分12に対して移動することによって実現される。すなわち前記の動きは、第1ガイドウェイ部分12のスロープの作用と、スライド部材9の第1ガイド部材10がパネル4(回動ピン8より高い位置にある)の回動ピン8の方向へ移動する作用とによってもたらされる。スライド部材9の前側ガイド部材10が係合しているので、パネル4を大きく回動させたい場合であっても、第1ガイドウェイ部分12のスロープはあまり大きくする必要がない。このことは、開口ルーフ構造の全高に関して有利に作用する。
【0022】
ガイド部材11は、スライド部材9が前方へ移動する際に、すばやく、第2ガイドウェイ部分13の前側との係合から外れ、こうして第1ガイド部材10のみが係合を続ける。
【0023】
スライド部材9が後方へ戻る動きをする際に、第2ガイド部材11は、パネル4の閉鎖ポジション付近で第2ガイドウェイ部分13と再び係合し、こうして再度図1に示す状態になる。第2ガイドウェイ部分13の端部が円錐形状になっていることによって、再係合が容易に行われることになる。
【0024】
一方、スライド部材9が、図1の閉鎖ポジションから図3のポジションへと移動する際に係合しているのは第2ガイド部材11のみである。すなわち、第2ガイド部材11は第2ガイドウェイ部分13と係合し、その一方で第1ガイド部材10は第1ガイドウェイ部分12との係合から外れている。図3に示すこのポジションでは、第2ガイド部材11は回動ピン8から大きく離間した位置、すなわち最も後方に配置されている。このポジションにおけるパネル4の回動角は、図2に示すポジションにおける回動角よりも小さい。パネル4のこの平坦ポジションでは、該パネル4は、オランダ国特許出願第1011251号に開示されている方式で後方へ移動可能とされている。上記特許出願については、ここで詳細に説明しない。
【0025】
以上説明したように、本発明が、全高を高くすることなく、スライド部材とパネルとを互いにうまく適合させることのできる開口ルーフ構造を提供することは明らかである。
【0026】
本発明は、図面を参照しながら上記に説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更を加えることができる。こうして、本発明をスライド−チルト式ルーフに応用することもできる。さらに、ガイドウェイをスライド部材上に形成し、ガイド部材を閉鎖部材の支持部材上に形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る開口ルーフ構造の一実施形態を、パネルが閉鎖ポジションにある状態で示す前後方向断面図である。
【図2】 本発明に係る開口ルーフ構造の一実施形態を、パネルが上方回動した状態すなわち換気ポジションにある状態で示す前後方向断面図である。
【図3】 本発明に係る開口ルーフ構造の一実施形態を、パネルが後方移動開口ポジションにある状態で示す前後方向断面図である。
【符号の説明】
1 固定ルーフ
2 ルーフ開口部
3 固定部材
4 パネル(閉鎖部材)
5 操作機構
6 ガイドレール
7 支持部材
9 スライド部材
10 第1ガイド部材
11 第2ガイド部材
12 第1ガイドウェイ部分
13 第2ガイドウェイ部分

Claims (8)

  1. 固定ルーフ(1)内に開口部(2)を有する車両用開口ルーフ構造であって、該開口ルーフ構造は、
    前記ルーフに固定されかつ前記ルーフ開口部の両側に延在するガイドレール(6)を含む固定部材(3)と、
    該固定部材によって支持され前記ルーフ開口部を閉鎖する閉鎖ポジションと後方へ移動して前記固定ルーフ上方に配置される開口ポジションとの間で調節可能とされた少なくとも1つの調節可能閉鎖部材(4)と、
    前記閉鎖部材と前記ガイドレールとの間に配置されかつ前記閉鎖部材を支持しかつ回動ピン(8)により前記固定部材に回動可能に接続された支持部材(7)と前記ガイドレールに沿ってスライド移動可能とされたスライド部材(9)とを含む操作機構(5)と、を備え、前記スライド部材が、少なくとも前後方向に延在するガイドウェイ(12,13)またはガイド手段(10,11)のいずれか一方を含み、かつ、前記支持部材(7)が、前記ガイドウェイ(12,13)または前記ガイド手段(10,11)の他方を含み、
    前記ガイド手段(10,11)は、前記ガイドレール(6)の前後方向に間隔をもって形成された第1ガイド部材(10)と第2ガイド部材(11)とを含む開口ルーフ構造において、
    前記閉鎖部材(4)の動きの第1部分の間は前記第1ガイド部材(10)が前記ガイドウェイ(12,13)と係合する一方で前記第2ガイド部材(11)が前記ガイドウェイとの係合から外れるように、かつ、前記閉鎖部材の動きの第2部分の間は前記第2ガイド部材(11)が前記ガイドウェイと係合する一方で前記第1ガイド部材(10)が前記ガイドウェイとの係合から外れるように、前記ガイド部材(10,11)はそれぞれ、選択的に、前記ガイドウェイ(12,13)と係合したり前記ガイドウェイ(12,13)との係合から外れたりすることを特徴とする開口ルーフ構造。
  2. 前記ガイドウェイは、2つの部分(12,13)に分割され、こうして、第1ガイドウェイ部分(12)が前記第1ガイド部材(10)と係合可能とされ、第2ガイドウェイ部分(13)が前記第2ガイド部材(11)と係合可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の開口ルーフ構造。
  3. 前記スライド部材(9)は、前記閉鎖部材を上方へ回動させるために前記閉鎖部材(4)の閉鎖ポジションに対応した位置から前方及び後方の双方向に移動可能とされ、一方前記閉鎖部材は、前記2つの方向の一方において後方へも移動可能とされ、さらに、前記ガイドウェイ(12,13)は、前記スライド部材が移動することによって前記閉鎖部材を後方へ移動させるように形成され、かつ前記スライド部材が反対方向へ移動した際に前記閉鎖部材はより小さく上方へ回動するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の開口ルーフ構造。
  4. 該開口ルーフ構造の前後方向で見て、前記第1ガイドウェイ部分(12)及び前記第1ガイド部材(10)は、前記第2ガイドウェイ部分(13)及び前記第2ガイド部材(11)の前側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の開口ルーフ構造。
  5. 前記スライド部材(9)が前記閉鎖部材(4)の閉鎖ポジションに対応した位置にある際に、前記両ガイド部材(10,11)は、組合される前記ガイドウェイ部分(12,13)と係合することを特徴とする請求項4に記載の開口ルーフ構造。
  6. 前記2つのガイドウェイ部分(12,13)は、互いに対面する端部の短い部分で少なくとも実質的に前記閉鎖部材(4)と平行に延在し、かつそれらに続く部分は互いに反対方向に向かって下降していることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の開口ルーフ構造。
  7. 前記閉鎖部材(4)は、前記支持部材(7)によってスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の開口ルーフ構造。
  8. 前記ガイドウェイ(12,13)は前記支持部材(7)上に形成され、前記ガイド部材(10,11)は前記スライド部材(9)上に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の開口ルーフ構造。
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