一般に、光通信の伝送信号にはレーザ光が用いられる。特に、半導体レーザは、光通信分野において主として光源や受光器に使用されてきた。
近年、来るべき大容量通信化に向けて、光信号を電気に変換せず光のまま高速に処理する全光処理が推進されるようになってきている。これにより、半導体レーザは、単なる光源や受光器として用いられるだけではなく、波形整形、増幅、波長変換、ビットレート変換などの様々な機能を持つ素子として利用されるようになってきている。
特に最近では、コスト削減のため、単一の機器を上記のような様々な機能が付加された多機能装置として使用しようとする傾向が強い。
半導体レーザの光信号処理機能は、入力信号と出力信号との関係を表わす入出力特性に大きく左右される。したがって、半導体レーザを光信号処理装置として用いた場合、装置の機能、用途、または受信信号の状態によって、半導体レーザの入出力特性を制御する必要がある。ここで、半導体レーザの入力信号とは注入光または注入電流(電圧)を指し、半導体レーザの出力信号とは出射光を指す。
半導体レーザの入出力特性は、特に温度および電流(電圧)の変化に敏感である。そのため、従来はこの2つを用いて入出力特性を安定化する方法が主に用いられてきた。
特許文献1は、温度を安定化させることと注入電流を変化させることとで半導体レーザの入出力特性を安定に保つ従来技術を開示している。特許文献1に開示された半導体レーザモジュールの断面構造について、以下に図面を用いて説明する。
図16は、従来の半導体レーザモジュール70の構造を示した断面図である。
図16を参照して、従来の半導体レーザモジュール70は、絶縁基板71と、半導体レーザ素子72と、搭載部73と、発熱抵抗体74と、測温抵抗体75と、ペルチェ素子76とを備える。
絶縁基板71は、ペルチェ素子76の上にコの字型に配置されている。発熱抵抗体74は、絶縁基板71のコの字型の内部に埋設されている。測温抵抗体75は、絶縁基板71の上に形成されている。半導体レーザ素子72は、搭載部73を挟んで絶縁基板71上に搭載されている。
ペルチェ素子76は、半導体レーザ素子72の動作停止時にも半導体レーザ素子72を動作時と同じ高温に制御することができる。これにより、半導体レーザモジュール70は、半導体レーザ素子72の動作状態に関わらず半導体レーザ素子72の温度を制御することができる。
一方、多機能を有する半導体レーザには様々な構造が採用されている。双安定半導体レーザもその一つである。
図17は、一般的な双安定半導体レーザ112の構造を示した断面図である。
図17を参照して、双安定半導体レーザ112は、光増幅領域121と可飽和吸収領域122とを含む活性層120と、p型電極123,124と、クラッド層125,126と、n型電極127とを備える。
光増幅領域121は、外部から入力光PINを受ける。可飽和吸収領域122は、入力光PINなどに応じて、外部に出力光POUTを出射する。可飽和吸収領域122は、可飽和の吸収効果を有しており、ある一定強度の光を吸収すると光吸収効果が飽和してそれ以上の光を吸収できず透明状態となる性質を有する。
p型電極123は、光増幅領域121に対応するようにクラッド層125上に形成されている。p型電極124は、可飽和吸収領域122に対応するようにクラッド層125上に形成されている。n型電極127は、クラッド層126に対して設けられ、接地ノードに接続されている。
分割されたp型電極123,124への注入電流と活性層120への入力光PINの強度とを制御することにより、双安定半導体レーザ112の入力光PIN対出力光POUTの特性にヒステリシス、すなわち光の双安定性が生じる。このヒステリシス特性について次に説明する。
図18は、双安定半導体レーザ112の入力光PINと出力光POUTとの入出力特性曲線を示した図である。
図18に示すように、入力光PINの強度が増加していくと、しきい値Pth1で可飽和吸収領域122が飽和して光を吸収しなくなる。これにより、双安定半導体レーザ112が発振して出力光POUTの強度が急激に増大し、図18の特性曲線上に不連続な変化が現れる。
可飽和吸収領域122は、いったん飽和すると光吸収効果が飽和して透明状態となり安定する。このため、図18の特性曲線の傾きが再び連続的になり、入力光PINの強度が増加するにつれて光出力POUTの強度は単調に増加していく。双安定半導体レーザ112の入力光PINがしきい値Pth1を超え、発振が維持されている状態をオン状態とする。
図19は、可飽和吸収領域を備えていない通常の半導体レーザの入力光P0と出力光P1との入出力特性を示した図である。
図19に示すように、通常の半導体レーザでは、しきい値Pth0で発振する際に入出力特性が変化するものの、図18の出力光POUTのようにしきい値Pth1で強度が急激に増大して不連続な変化が現れることはない。
図18に戻って、可飽和吸収領域122は、しきい値Pth1を超えていったん発振した後は透明状態となっていて光を吸収しないので、入力光PINの強度を低下させていってもしきい値Pth1ではまだ発振状態が維持されている。しかし、さらに入力光PINの強度を低下させると、しきい値Pth2において光吸収効果が回復して光出力POUTの強度が急激に減少する。この結果、双安定半導体レーザ112は、オフ状態となる。
以上、図18で説明したように、双安定半導体レーザ112は、入出力特性においてヒステリシスを示す。ヒステリシスは、非線形性の一つである。
ここで、双安定半導体レーザ112に、オン状態とオフ状態とが切り替わるような信号、たとえば「0」と「1」とを有する2値信号を入力し、双安定半導体レーザ112が「0」においてオフ状態、「1」においてオン状態となるようにする。このとき、出力光POUTの急峻な立上がりと立下がりとによる不連続な変化を反映して、双安定半導体レーザ112は、オン状態とオフ状態とでの光出力POUTの強度の差が大きくなる。
上記の結果、双安定半導体レーザ112は出力信号の振幅が大きくなり、入力信号の増幅、S/N(Signal to Noise)比の向上、波形整形などの効果が得られる。双安定半導体レーザ112のp型電極123,124への注入電流(電圧)を制御することで、さらに入出力特性を安定化させたり、出力を変調して信号の波形整形をしたり、双安定半導体レーザ112をパルス発生器として用いることもできる。
多機能を有する半導体レーザのもう一つの例として、特許文献2は、入力信号の波形整形および増幅を行なう確率共鳴装置について開示している。
非線形な入出力特性が必要とされる確率共鳴装置には、たとえば、非線形な特性をもつ図17の双安定半導体レーザ112が用いられる。確率共鳴装置は、伝送路を経由するうちに劣化して双安定半導体レーザのヒステリシスのしきい値を超えられないほど弱まった信号に雑音を付加した信号を、双安定半導体レーザに入力する。このとき、入力信号のピークに応じて出力信号がヒステリシスを上下するので、入力信号の周期を強調するように強度が増幅され波形も整形された出力信号が得られる。
上記の確率共鳴効果により、通常の機能素子が検出できないような微弱な信号を検知、増幅または波形整形することができる。
特開2001−102674号公報
特開2004−214407号公報
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による非線形半導体光素子駆動装置10Aの概略的な構成を示したブロック図である。
図1を参照して、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、双安定半導体レーザモジュール1Aと、フィードバック制御回路2と、温度制御回路3と、可変抵抗制御部4と、可変抵抗5と、確率共鳴制御回路6と、電流供給部7とを備える。可変抵抗5は、位相を含めて制御可能な可変インピーダンス素子であってもよい。
双安定半導体レーザモジュール1Aは、入射される入力光Pinを受けて内部で処理し、受信信号Sr、受信電流Ir1,Ir2などを出力する。フィードバック制御回路2は、半導体レーザモジュール1Aから出力される受信電流Ir1を受けて、温度制御回路3および可変抵抗制御部4に制御信号を出力する。温度制御回路3は、フィードバック制御回路2からの制御信号に基づいて、半導体レーザモジュール1A内の温度を制御する。
可変抵抗制御部4は、フィードバック制御回路2からの制御信号に従って、半導体レーザモジュール1Aの内部に向けて接続されている可変抵抗5の抵抗値を調整する。確率共鳴制御回路6は、半導体レーザモジュール1Aから出力される受信電流Ir2を受けて、電流供給部7に制御信号を出力する。電流供給部7は、確率共鳴制御回路6からの制御信号に従って、雑音を含む電流を双安定半導体レーザモジュール1A内に供給する。
次に、双安定半導体レーザモジュール1Aの具体的構成を含めた非線形半導体光素子駆動装置10Aの構成について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1による非線形半導体光素子駆動装置10Aのより具体的な構成を示した図である。
図2を参照して、双安定半導体レーザモジュール1Aは、ペルチェクーラー21と、ベース22〜24と、光電変換素子29と、双安定半導体レーザ50とを含む。双安定半導体レーザ50は、光増幅領域52と可飽和吸収領域53とを含む活性層51と、p型電極54,55と、クラッド層56,57と、n型電極58とを含む。双安定半導体レーザ50は、非線形半導体光素子の一つである。
双安定半導体レーザ50は、たとえばInGaAsP(インジウムガリウム砒素リン)系化合物半導体で作製される。しかし、これは一例であって、たとえば、AlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)系、InP(インジウムリン)系、GaInNAs(ガリウム窒化インジウム砒素)系、GaN(窒化ガリウム)系、またはII−VI系の半導体など、他の材料を用いた半導体レーザであってもよい。
ペルチェクーラー21の上に、ベース22が設けられている。ベース23,24は、ベース22の上に設けられている。双安定半導体レーザ50は、ベース23の上に搭載されている。光電変換素子29は、ベース24に取り付けられている。光電変換素子29は、たとえばフォトダイオード(PD)である。
光増幅領域52は、入力光Pinを受ける。可飽和吸収領域53は、p型電極54,55からの制御および入力光Pinに応じて出力光Poutを出射する。光電変換素子29は、出力光Poutを検出し、受信信号Srを出力する。受信信号Srの一部は、受信電流Ir1,Ir2として、フィードバック制御回路2と確率共鳴制御回路6とにそれぞれ出力される。
フィードバック制御回路2は、光電変換素子29を介して出力光Poutの状態をモニターしている。フィードバック制御回路2は、双安定半導体レーザ50の入出力特性を調整するための制御信号を、温度制御回路3および可変抵抗制御部4にそれぞれ出力する。なお、双安定半導体レーザ50の入出力特性は、図17で説明した双安定半導体レーザ112と基本的には同じである。
フィードバック制御回路2には、可変抵抗5の抵抗値および図3で説明するサーミスタ28の検出温度に応じた双安定半導体レーザ50の入出力特性のデータが予め入力されている。フィードバック制御回路2は、当該入力値に基づいて、双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシスが所望の形状となるように、温度制御回路3での温度および可変抵抗制御部4での抵抗値を算出する。
温度制御回路3は、フィードバック制御回路2からの制御信号に従って、ペルチェクーラー21の温度を制御する。ペルチェクーラー21は、温度制御回路3からの制御信号に基づいて双安定半導体レーザ50の温度を上下させる。ペルチェクーラー21は、昇温および冷却の両方を行なうことができ、外部の温度環境に関わらず双安定半導体レーザ50の温度を安定に調整することができる。
可変抵抗制御部4は、フィードバック制御回路2からの制御信号に従って、双安定半導体レーザ50の所望の入出力特性が得られるように可変抵抗5の抵抗値を調整する。可変抵抗5は、p型電極55とn型電極58との間に接続されている。確率共鳴制御回路6は、光電変換素子29を介して出力光Poutの状態をモニターしている。確率共鳴制御回路6は、双安定半導体レーザ50の入出力特性を調整するための制御信号を電流供給部7に出力する。
電流供給部7は、確率共鳴制御回路6からの制御信号に従って、雑音を含む電流をp型電極54,55を介して双安定半導体レーザ50に注入する。この雑音付加電流は、確率共鳴効果によって振幅が増幅されビットエラーレートが低減された出力光Poutが得られるように雑音が調整された電流である。
よって、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、確率共鳴による入力光Pinの光増幅および波形整形を行なうのに最適なヒステリシス形状の入出力特性で双安定半導体レーザ50を作動させることが可能となる。双安定半導体レーザ50によって光増幅および波形整形された光信号は、光電変換素子29で検出される。これにより、双安定半導体レーザモジュール1Aは、通常の受信器では検出できないような微弱な信号を検知できる受信器としても機能する。
また、双安定半導体レーザモジュール1Aは、光増幅および波形整形だけでなく波長変換も可能である。一般に、半導体レーザは、動作温度が高くなると発振波長が長くなる。また、発振波長は注入電流によっても制御可能である。よって、双安定半導体レーザ50の出力波長を温度制御回路3を介して温度で変化させ、ヒステリシス形状を可変抵抗制御部4を介して可変抵抗5の抵抗値で調整することによって、非線形半導体光素子駆動装置10Aに波長変換機能を持たせることができる。
p型電極54は、光増幅領域52に対応するようにクラッド層56の上に形成されている。p型電極54は、電流供給部7から出力される雑音付加電流を受ける。p型電極55は、可飽和吸収領域53に対応するようにクラッド層56の上に形成されている。p型電極55は、電流供給部7から出力される雑音付加電流を受けるとともに、可変抵抗5に接続されている。n型電極58は、クラッド層57とベース23との間に設けられ、可変抵抗5と接地ノードとの間に接続されている。
なお、図2のようなp型電極54,55およびn型電極58の構成は一例であって、光増幅領域52と可飽和吸収領域53とに対して独立に電流を注入できるのであれば、p型電極54,55およびn型電極58はどのように分割されていても構わない。また、p型電極54,55からの制御および入力光Pinに応じて出力光Poutを出射できるのであれば、出力光Poutが光増幅領域52から出射されても構わない。
さらに、可飽和吸収領域53の体積比が活性層51全体の50%以上になると双安定半導体レーザ50の消費電力が増大するので、可飽和吸収領域53の活性層51に対する体積比は、できれば50%以下が望ましい。
図3は、図1,2の双安定半導体レーザモジュール1Aにおける具体的な配置を示した斜視図である。
図3を参照して、双安定半導体レーザモジュール1Aは、ペルチェクーラー21と、ベース22〜24と、レンズ25,26と、サーミスタ28と、光電変換素子29と、双安定半導体レーザ50とを含む。
ベース22は、ペルチェクーラー21の上に設けられている。ベース22の上に、ベース23,24およびレンズ25,26が設置されている。ベース23の上に、双安定半導体レーザ50およびサーミスタ28が搭載されている。ベース24に対し、光電変換素子29が取り付けられている。レンズ25、双安定半導体レーザ50、レンズ26、および光電変換素子29は、この順番で、双安定半導体レーザ50の入力光Pinおよび出力光Poutに対して光軸が合うように設置されている。
双安定半導体レーザ50は、レンズ25を介して入力光Pinを受けて、出力光Poutを出力する。入力光Pinは、「1」または「0」の2値からなり、外部の伝送路等に起因する雑音によって一般に劣化している。入力信号Pinの2値信号の方式は、RZ(Return to Zero)符合方式、NRZ(Non-Return to Zero)符合方式など、どのような方式であってもよい。出力光Poutは、レンズ26を介して光電変換素子29で検出される。サーミスタ28は、双安定半導体レーザ50の温度を検知し、その温度検知信号を図2のフィードバック制御回路2に出力する。
図4は、温度制御回路3による温度制御に応じた双安定半導体レーザ50の入出力特性の変化を示した図である。
図4において、曲線T15,T25,T35は、双安定半導体レーザ50がペルチェクーラー21を介して15℃,25℃,35℃に設定されたときの双安定半導体レーザ50の入出力特性をそれぞれ表わしている。
図4に示すように、双安定半導体レーザ50の温度が上昇するにつれて、ヒステリシスの立上がりしきい値および立下がりしきい値とも高くなる。このように、双安定半導体レーザ50の入出力特性は温度に敏感であるため、温度制御回路3による温度制御によって入出力特性のヒステリシス形状を制御することができる。
ただし、図4に示すように、ヒステリシスの立上がりしきい値と立下がりしきい値とでは、双安定半導体レーザ50の温度上昇による変化の度合いが異なる。この理由は、以下で説明するように、ヒステリシスの立上がりしきい値と立下がりしきい値とで発生原理が異なることによる。
立上がりしきい値の発生原理は次のようになる。図2を参照して、双安定半導体レーザ50への入力光Pinを増やしていくと、光増幅領域52と可飽和吸収領域53との両方で、生じるキャリア量も増大していく。増大したキャリアが再結合して光が生じるので、光増幅領域52で発生する光も増大していく。可飽和吸収領域53の光吸収効果が飽和するところが立上がりしきい値となる。
立下がりしきい値の発生原理は次のようになる。図2を参照して、双安定半導体レーザ50への入力光Pinを減らしていくと、光増幅領域52での光発生量は減少する。このとき、可飽和吸収領域53は飽和して透明状態となっており、光の吸収効果は有さず、光増幅領域52で発生した光をそのまま透過する。光増幅領域52での光発生量が減少していくと、可飽和吸収領域53の透明状態を維持できなくなる。こうして光吸収効果が回復したところが立下がりしきい値となる。
上記のように、立上がりしきい値と立下がりしきい値とではその発生原理が異なるため、温度変化によるしきい値の変化量に差異が生じる。図4では、立上がりしきい値の方が立下がりしきい値よりも温度による変化量が大きい。そのため、図4に示すように、双安定半導体レーザ50の温度が上昇するとヒステリシスの幅が大きくなる。
したがって、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、温度制御回路3によって双安定半導体レーザ50を温度制御することにより、双安定半導体レーザ50のヒステリシスの形状を変化させて所望の特性を得ることができる。
以上説明したような、温度変化に対するヒステリシスの立上がりしきい値と立下がりしきい値との変化量の違いでヒステリシスの形状が変化するという機構は、本発明者が初めて明らかにしたものである。この機構を利用すると、小さい温度変化でもヒステリシスの形状を変化させることができるため、制御に時間がかからず、消費電力も少なくて済むという利点がある。
図5は、可変抵抗制御部4による抵抗値制御に応じた双安定半導体レーザ50の入出力特性の変化を示した図である。
図5において、曲線R500,R1000,R3000は、可変抵抗制御部4によって可変抵抗5が500Ω,1kΩ,3kΩの抵抗値に制御されたときの双安定半導体レーザ50の入出力特性をそれぞれ表わしている。
図5に示すように、可変抵抗5の抵抗値が上昇するにつれて、ヒステリシスの立上がりしきい値および立下がりしきい値とも低くなる。このように、双安定半導体レーザ50の入出力特性は抵抗値にも敏感であるため、可変抵抗制御部4による抵抗値制御によっても入出力特性のヒステリシス形状を制御することができる。
ただし、図5に示すように、ヒステリシスの立上がりしきい値と立下がりしきい値とでは、可変抵抗5の抵抗値上昇による変化の度合いが異なる。以下に、可変抵抗5の抵抗値が増減するにともないヒステリシスの立上がりしきい値および立下がりしきい値が変化する原理について説明する。
図2を参照して、双安定半導体レーザ50は、可飽和吸収領域53での光吸収で生じたキャリアがp型電極55から引き抜かれることによって電流が流れる。可変抵抗5の抵抗値が小さいと電流が流れやすくなるため、可飽和吸収領域53のキャリアが引き抜かれやすくなる。可変抵抗5の抵抗値が高いと電流が流れにくくなるため、可飽和吸収領域53のキャリアが引き抜かれにくくなる。
可飽和吸収領域53では、キャリア量が増えると光吸収効果が飽和しやすくなり、キャリア量が減ると光吸収効果が飽和しにくくなる。ゆえに、図5に示すように、可変抵抗5の抵抗値が増減するにともなって、双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシス形状が変化するのである。
このように、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、温度制御回路3による温度制御と可変抵抗制御部4による抵抗値制御との両方によって双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシス形状を調整することができる。これにより、非線形半導体光素子駆動装置10Aは、温度と抵抗値との両方によって双安定半導体レーザ50の動作条件を精密に調整でき、入力光Pinの状態変化や装置の機能切換にも柔軟に対処することができる。
実施の形態1では、光電変換素子29からの受信信号Srの一部を受信電流Ir1としてフィードバック制御回路2に出力している。そのため、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、双安定半導体レーザ50の出力光Poutの状態をモニターしながら、温度と抵抗値との両方で双安定半導体レーザ50の入出力特性を変化させたり安定化させたりすることができる。これにより、確率共鳴効果を得られる最適なヒステリシス形状を有するように双安定半導体レーザ50の出力光Poutを調整できる。
また、双安定半導体レーザモジュール1Aでは、レンズ25、双安定半導体レーザ50、レンズ26、および光電変換素子29が、この順番で、双安定半導体レーザ50の入力光Pinおよび出力光Poutに対して光軸が合うように設置されている。そのため、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aは、光軸合わせが不要である。また、これらの構成要素は、サーミスタ28を含めて、全てペルチェクーラー21上のベース22に配置されている。そのため、一体構成となってコンパクトであるとともに、ペルチェクーラー21を介して温度制御を一括して行なうことができる。
また、双安定半導体レーザ50は、工業応用が困難な素子ではなく、一般に広く使用されている素子である。そのため、双安定半導体レーザモジュール1Aの作製が簡便になるという利点もある。
なお、実施の形態1では、確率共鳴効果を得るために、雑音を含む電流をp型電極54,55を介して双安定半導体レーザ50に注入している。しかし、雑音付加電流の代わりに雑音付加光を注入しても構わない。この場合、双安定半導体レーザ50における入力光Pinの強度とヒステリシスのしきい値との関係を制御しやすくなる。
また、双安定半導体レーザ50からの出力光Poutを光電変換素子29によって電気信号に変換せず、そのまま光信号として利用してもよい。この場合、双安定半導体レーザモジュール1Aは、受信器としてのみならず、中継器または送受信器としても用いることができ、さらに全光処理装置としても使用も可能になる。
また、双安定半導体レーザモジュール1Aにおいて、たとえばレンズ26の前段にアイソレータを配置してもよい。この場合、レンズ26、光電変換素子29等からの戻り光が双安定半導体レーザ50へ入射するのを防ぐことができる。この結果、戻り光による双安定半導体レーザ50の特性の不安定化を抑えることができる。
また、非線形半導体光素子駆動装置10Aにおいて、フィードバック制御回路2などを双安定半導体レーザモジュール1Aの外部ではなく、内部に集積して一体化させることもできる。この場合、利用者がフィードバック制御回路2などを独立に調整せずに済むので利用が簡単になる。
以上のように、実施の形態1によれば、温度と抵抗値との両方によって非線形半導体光素子駆動装置10Aの入出力特性を最適な状態に精度良く調整することで、出力光Poutの劣化を補償することができる。これにより、非線形半導体光素子駆動装置10Aは、光増幅、波形整形、波長変換のような複数の機能を1つのデバイスで実現できる。
[実施の形態2]
図6は、この発明の実施の形態2による非線形半導体光素子駆動装置10Bの概略的な構成を示したブロック図である。
図6を参照して、実施の形態2の非線形半導体光素子駆動装置10Bは、双安定半導体レーザモジュール1Aが双安定半導体レーザモジュール1Bに置き換えられた点において、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。双安定半導体レーザモジュール1Bは、入射される入力光Pinを受けて内部で処理し、受信信号Sr、受信電流Ir1〜Ir3などを出力する。
図7は、図6の双安定半導体レーザモジュール1Bにおける具体的な配置を示した斜視図である。
図7を参照して、双安定半導体レーザモジュール1Bは、サーミスタ28がエタロン40に置き換えられ、それにともない、ビームスプリッタ38と、レンズ39と、ベース41と、光電変換素子42とが付加された点において、図3の双安定半導体レーザモジュール1Aと異なる。実施の形態2の双安定半導体レーザモジュール1Bは、サーミスタ28を使わず、エタロン40を介して検知される出力光Poutの強度変化をモニターすることで、双安定半導体レーザ50の温度を制御する。
ベース22は、ペルチェクーラー21の上に設けられている。ベース22の上に、ベース23,24,41、レンズ25,26,39、ビームスプリッタ38、およびエタロン40が設置されている。ベース23の上に、双安定半導体レーザ50が搭載されている。ベース24,41に対し、光電変換素子29,42がそれぞれ取り付けられている。
レンズ25、双安定半導体レーザ50、レンズ26、および光電変換素子29は、この順番で、双安定半導体レーザ50の入力光Pinおよび出力光Poutに対して光軸が合うように設置されている。レンズ39、エタロン40、および光電変換素子42は、この順番で、出力光Poutのビームスプリッタ38での反射光に対して光軸が合うように設置されている。
双安定半導体レーザ50は、レンズ25を介して入力光Pinを受けて、出力光Poutを出力する。入力光Pinは、「1」または「0」の2値からなり、外部の伝送路等に起因する雑音によって一般に劣化している。出力光Poutは、ビームスプリッタ38で透過または反射される。ビームスプリッタ38を透過した出力光Poutは、レンズ26を介して光電変換素子29で検出される。ビームスプリッタ38で反射した出力光Poutは、レンズ39を通り、エタロン40を介して、光電変換素子42で検出される。
エタロン40は、双安定半導体レーザ50の出力光Poutの波長に応じて透過率が変化する。このため、光電変換素子42は、双安定半導体レーザ50の波長変化に応じて受光する出力光Poutの強度が変化する。光電変換素子42での検知信号(図6の受信電流Ir3)は、図6のフィードバック制御回路2に出力される。
フィードバック制御回路2は、光電変換素子29,42を介して出力光Poutの状態をモニターしている。フィードバック制御回路2には、図6の可変抵抗5の抵抗値および光電変換素子42で検出される出力光Poutの強度に応じた双安定半導体レーザ50の入出力特性のデータが予め入力されている。フィードバック制御回路2は、当該入力値に基づいて、双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシスが所望の形状となるように、温度制御回路3での温度および可変抵抗制御部4での抵抗値を算出する。
上記のように、実施の形態2の双安定半導体レーザモジュール1Bは、双安定半導体レーザ50の波長変化を、エタロン40を介した出力光Poutの強度変化としてモニターしている。なお、エタロン40というのは一例であって、波長変化にともなって透過率が変化する波長フィルタとして機能するものであれば、たとえば複屈折フィルタ等であっても構わない。
以上のように、実施の形態2によれば、エタロン40での透過率変化によって双安定半導体レーザ50の出力光Poutの波長変化を直接検知することにより、実施の形態1での効果に加え、出力光Poutの波長を制御しやすくなる。
[実施の形態3]
図8は、この発明の実施の形態3による非線形半導体光素子駆動装置10Cの概略的な構成を示したブロック図である。
図8を参照して、実施の形態3の非線形半導体光素子駆動装置10Cは、可変抵抗5がフィードバック制御回路2にも接続され、双安定半導体レーザモジュール1Aからの受信電流Ir1がフィードバック制御回路2に供給されていない点において、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。
図9は、この発明の実施の形態3による非線形半導体光素子駆動装置10Cのより具体的な構成を示した図である。
図9を参照して、非線形半導体光素子駆動装置10Cは、双安定半導体レーザ50の可飽和吸収領域53からの電流が可変抵抗5を介してフィードバック制御回路2に入力され、光電変換素子29からフィードバック制御回路2に受信電流Ir1が供給されていない点において、図2の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。
実施の形態3の非線形半導体光素子駆動装置10Cは、可飽和吸収領域53から流れる電流を可変抵抗5を介してフィードバック制御回路2でモニターすることで、可飽和吸収領域53における光吸収で生じたキャリア量を観測する。可飽和吸収領域53で生じたキャリア量は、双安定半導体レーザ50の光増幅領域52からの光を吸収する大きさ、すなわち双安定半導体レーザ50の出力光Poutの状態を反映している。
つまり、双安定半導体レーザ50の可飽和吸収領域53は、光増幅領域52からの光に対してフォトダイオード(PD)の機能も有することになる。したがって、実施の形態3の非線形半導体光素子駆動装置10Cは、可飽和吸収領域53から流れる電流をフィードバック制御回路2に入力して測定することにより、光電変換素子29から出力される受信信号Srの一部を受信電流Ir1としてフィードバック制御回路2に入力する必要がなくなる。
以上のように、実施の形態3によれば、可飽和吸収領域53から流れる電流を可変抵抗5を介してフィードバック制御回路2でモニターすることにより、実施の形態1での効果に加え、受信信号Srをより効率的に出力することができる。
[実施の形態4]
図10は、この発明の実施の形態4による非線形半導体光素子駆動装置10Dの概略的な構成を示したブロック図である。
図10を参照して、実施の形態4の非線形半導体光素子駆動装置10Dは、電圧制御回路8および電圧制御部9が付加された点において、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。
電圧制御回路8は、フィードバック制御回路2からの制御信号に基づいて、電圧供給部9に制御信号を出力する。電圧供給部9は、電圧制御回路8からの制御信号に従って、可変抵抗5を介してまたは直接に双安定半導体レーザモジュール1A内に電圧を供給する。
図11は、この発明の実施の形態4による非線形半導体光素子駆動装置10Dのより具体的な構成を示した図である。
図11を参照して、電圧供給部9は、n型電極58と可変抵抗5に接続されたp型電極55との間に電圧を供給することで、双安定半導体レーザ50の可飽和吸収領域53にかかるバイアスを制御する。これにより、双安定半導体レーザ50の立上がりしきい値および立下がりしきい値を上下させることができ、入力光Pinの平均光強度が大きく変化したときにも対応することができる。
上記のように、実施の形態4の非線形半導体光素子駆動装置10Dは、温度と抵抗値に加え、可飽和吸収領域53にかかる電圧によっても出力光Poutの雑音強度を調整することができる。このため、最適なパラメータの算出がやや複雑になるが、電圧によって双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシスをより最適な形状に制御できるという利点がある。
また、実施の形態4の非線形半導体光素子駆動装置10Dは、双安定半導体レーザ50の立上がりしきい値を低くしてより低電圧で駆動したり、出力光Poutの振幅を調整したりすることができるという利点もある。
以上のように、実施の形態4によれば、電圧制御回路8および電圧制御部9を付加して可飽和吸収領域53にかかるバイアスを制御することにより、実施の形態1での効果に加え、電圧によって双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシスをより最適な形状に制御することができる。
[実施の形態5]
図12は、この発明の実施の形態5による非線形半導体光素子駆動装置10Eの概略的な構成を示したブロック図である。
図12を参照して、実施の形態5の非線形半導体光素子駆動装置10Eは、確率共鳴制御回路6が電流制御部16に置き換えられた点において、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。
電流制御部16は、実施の形態1の確率共鳴回路6と同様に、半導体レーザモジュール1Aから出力される受信電流Ir2を受けて、電流供給部7に制御信号を出力する。実施の形態5の電流供給部7は、電流制御部16からの制御信号に従って、双安定半導体レーザモジュール1A内に電流を供給する。
実施の形態5において、電流供給部7から供給される電流は、入力光Pinが双安定半導体レーザ50の立上がりしきい値および立下がりしきい値を上下するように、双安定半導体レーザ50の入出力特性のヒステリシス形状を調整する。このヒステリシス形状の調整を、前述した図18(入力光PINは入力光Pinに、出力光POUTは出力光Poutに、それぞれ置き換えて考える。)を用いて説明する。
図18を参照して、入力光Pinの強度が立上がりしきい値Pth1を上下すると、双安定半導体レーザ50の入出力特性の不連続な変化による光出力Poutの急峻な立上がりを反映して、オン/オフ状態での出力光Poutの強度差が大きくなる。これにより、双安定半導体レーザ50の出力信号の振幅が増幅される。
さらに、入力光Pinの強度が立下がりしきい値Pth2より低い値と立上がりしきい値Pth1より高い値との間を上下するように調整すると、光出力Poutの急峻な立上がりおよび立下がりを反映して、オン/オフ状態での出力光Poutの強度差がより大きくなる。これにより、双安定半導体レーザ50の出力光Poutの消光比を向上させることができる。
よって、実施の形態5の非線形半導体光素子駆動装置10Eは、入力光Pinの増幅や波形整形を行なうために最適な入出力特性で、双安定半導体レーザ50を作動させることが可能となる。非線形半導体光素子駆動装置10Eは、確率共鳴効果を用いないので微弱な光信号検出できなくなるが、雑音強度の制御が不要となるので制御が簡単になるという利点がある。
以上のように、実施の形態5によれば、確率共鳴制御回路6を電流制御部16に置き換えることにより、実施の形態1での効果に加え、出力光Poutの消光比を向上させることができるとともに雑音強度の制御が不要となる。
[実施の形態6]
図13は、この発明の実施の形態6による非線形半導体光素子駆動装置10Fの概略的な構成を示したブロック図である。
図13を参照して、実施の形態6の非線形半導体光素子駆動装置10Fは、双安定半導体レーザモジュール1Aが双安定半導体レーザモジュール1Fに置き換えられた点において、実施の形態1の非線形半導体光素子駆動装置10Aと異なる。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。
図14は、図13の双安定半導体レーザモジュール1Fにおける具体的な配置を示した斜視図である。
図14を参照して、双安定半導体レーザモジュール1Fは、双安定半導体レーザ50が非線形半導体光素子60に置き換えられた点において、実施の形態1の双安定半導体レーザモジュール1Aと異なる。非線形半導体光素子60は、たとえばInGaAsP系化合物半導体によって作製されている。
図15は、図14の非線形半導体光素子60の入力光Pinと出力光Poutとの入出力特性の一例を示した図である。
図15に示すように、非線形半導体光素子60は、一例として、不連続性を有する入出力特性を示す。図15を参照して、非線形半導体光素子60に電流または光を注入していくと、しきい値Pthで光出力Poutの強度が急峻に立上がる。
上記のような不連続性を有する非線形半導体光素子60は、たとえば、図2の双安定半導体レーザ50において光増幅領域52に対する可飽和吸収領域53の体積比を図2の場合より小さくするか、一般的な双安定半導体レーザの可飽和吸収領域に電流を適度に注入するという方法により得られる。
実施の形態6の非線形半導体光素子駆動装置10Fは、図15のような非線形な特性を有する非線形半導体光素子60を用いている。非線形半導体光素子60は、実施の形態1〜5で説明したように、入力光Pinがしきい値Pthを上下するように入出力特性を温度制御、可変抵抗制御、電圧制御によって調整している。
上記の調整により、非線形半導体光素子60は、図15の入出力特性のしきい値Pthにおける出力句Poutの強度の急峻な変化を反映して、オンオフ状態での光強度の差が大きくなる。これにより、非線形半導体光素子60の出力信号の振幅が増幅され、入力信号の増幅、S/N比の向上、波形整形などの効果が得られる。
非線形半導体光素子駆動装置10Fは、双安定半導体レーザ50を用いないのでヒステリシスによる消光比の向上効果が得られないが、非線形半導体光素子60の入出力特性の制御が簡単になるという利点がある。
以上のように、実施の形態6によれば、双安定半導体レーザ50を非線形半導体光素子60に置き換えることにより、実施の形態1での効果に加え、出力信号の振幅が増幅され、入力信号の増幅、S/N比の向上、波形整形などの効果が得られる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1A,1B,1F 双安定半導体レーザモジュール、2 フィードバック制御回路、3 温度制御回路、4 可変抵抗制御部、5 可変抵抗、6 確率共鳴制御回路、7 電流供給部、8 電圧制御回路、9 電圧制御部、10A〜10F 非線形半導体光素子駆動装置、16 電流制御部、21 ペルチェクーラー、22〜24,41 ベース、25,26,39 レンズ、28 サーミスタ、29,42 光電変換素子、38 ビームスプリッタ、40 エタロン、50 双安定半導体レーザ、51,120 活性層、52,121 光増幅領域、53,122 可飽和吸収領域、54,55,123,124 p型電極、56,57,125,126 クラッド層、58,127 n型電極、60 非線形半導体光素子、70 半導体レーザモジュール、71 絶縁基板、72 半導体レーザ素子、73 搭載部、74 発熱抵抗体、75 測温抵抗体、76 ペルチェ素子、112 双安定半導体レーザ。