JP4703199B2 - 熱転写型プリンタ及び記録方法 - Google Patents
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Description
少なくとも一つの発熱素子を有し、感熱記録媒体に記録を行うサーマルヘッドと、
上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により発色に至るまでの通電時間に対応するバイアス値を決定するバイアス値決定手段と、
各画素の濃度に対応する濃度値であって、上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により上記発色から当該濃度に至るまでの通電時間に対応する濃度値と、上記決定されたバイアス値とに応じて、各画素の記録のための上記発熱素子の通電時間を制御する記録制御手段とを有し、
上記記録制御手段は、一つの画素の記録に当たり、当該画素の濃度値が第1の所定の値より大きいときは、上記濃度値と上記バイアス値とを加算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御し、上記濃度値が上記第1の所定の値以下であるときは、上記バイアス値から補正値を減算した値を有する駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御することを特徴とする熱転写型プリンタを提供する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の熱転写型プリンタの概略構成を示す図である。図示の熱転写型プリンタは、サーマルヘッドの発熱素子の通電時間の制御により感熱記録媒体、例えば記録用紙上に階調記録を行うことができるものであり、サーマルヘッド1と、サーマルヘッド温度検出部4と、環境温度湿度検出部5と、フレームメモリ6と、メモリコントローラ7と、濃度信号生成部8と、バイアス値決定部9と、駆動値生成部10と、ヘッドパルス生成部11と、シフトレジスタ12と、駆動部13とを有する。サーマルヘッド11は、図2(A)に示すように、ライン状に整列した発熱素子2a〜2zを備える。
各画素の記録のための発熱素子の通電時間は、一般には、当該画素の濃度に応じた通電時間成分(tg)と、バイアス通電時間成分(tb)との和で与えられる。バイアス通電時間成分(tb)は、発熱素子による記録媒体3の加熱により発色に至るまでの通電時間であり、濃度値に対応した通電時間成分(tg)は、発熱素子2による記録媒体3の加熱により、発色から所定濃度に至るまでの通電時間である。
メモリコントローラ7は、フレームメモリ6の書き込み、読み出しを制御する。メモリコントローラ7は、フレームメモリ6からの読み出しに当たり、記録の順序(印画方向)に従って、画像データを読み出すように制御を行う。
バイアス値決定部9は、サーマルヘッド温度検出部4で検出された温度(サーマルヘッド温度)、環境温度湿度検出部5で検出された環境温度、環境湿度などに基づいて、上記のバイアス通電時間成分(tb)に対応するバイアス値を決定する。
駆動部13は、シフトレジスタ12から出力されるパルス(乃至パルス列)によって発熱素子を駆動する。この結果、各発熱素子は駆動値に応じた通電時間だけ駆動される。
図示の駆動値生成部10は、フレームメモリ6から読み出された第1乃至第3のライン(現ライン、一つ前のライン、二つ前のライン)の濃度値を保持する第1乃至第3のラインメモリ10a〜10cと、濃度信号生成部8から供給される濃度信号により表される濃度値が白レベルを表すものであることを検出する白レベル検出部10dと、ラインメモリ10bに保持された濃度値を参照し、前ライン中の、同じ発熱素子(処理対象画素の記録に用いられるのと同じ発熱素子)で記録された画素の濃度値が所定値よりも大きい(高濃度である)ことを検出する前ライン用の高濃度検出部10eと、ラインメモリ10cに保持された濃度値を参照し、前々ライン中の、同じ発熱素子で記録された画素の濃度値が所定値よりも大きい(高濃度である)ことを検出する前々ライン用の高濃度検出部10fと、白レベル検出部10dにおける検出結果と、高濃度検出部10e及び10fにおける検出結果と、処理対象画素の濃度値(tg)と、バイアス決定部9で決定されたバイアス値(tb)とに基づいて駆動値(td)を出力する駆動値決定部10gとを有する。
td=tg+tb …(1)
td=tb−tz …(2)
補正値tzは、例えば、各画素と同じ発熱素子で1ライン前及び2ライン前に記録された画素の濃度値に基づいて定める。
例えば、一つの画素(処理対象画素)と同じ発熱素子で1ライン前に記録された画素の濃度値が所定値よりも大きければ、tzを図示のように第1の値tz1に設定する。
一つの画素(処理対象画素)と同じ発熱素子で1ライン前に記録された画素の濃度値が所定値以下であって、2ライン前に記録された画素の濃度値が所定値よりも大きければ、tzを図示のように第2の値tz2に設定する。第2の値tz2は第1値tz1よりも小さい。
発熱素子2nは最初(第1及び第2ラインでは)、灰色の領域Rg内の画素(灰色の画素)の記録を行い、次に(第3乃至第6ラインでは)黒色の領域Rb内の画素(黒色の画素)の記録を行い、次に(第7乃至第9ラインでは)白色の領域Rw内の画素(白色の画素)の記録を行う。
本実施の形態では、黒の記録の次のラインで白の記録を行う場合には、通電時間(td)を、通常のバイアス通電時間(tb)よりも短くするので、前のラインの黒の記録の影響があっても、尾引きを避けることができる。
第8ラインでは、第6ラインの影響は小さくなるが、なおも幾分の影響があるので、通電時間(td)は第7ラインよりも長いものの、なおも通常のバイアス通電時間(tb)よりも短くする。
本発明の実施の形態2の全体的構成は図1に示すとおりであるが、駆動値生成部10の構成が異なる。図4は、実施の形態2で用いられる駆動値生成部10の内部構成を示す。
図示の駆動値生成部10は、フレームメモリから読み出された第1及び第2のライン(現ライン及び一つ前のライン)の濃度値を保持する第1及び第2のラインメモリ10a及び10bと、濃度信号生成部8から供給される濃度信号により表される濃度値が白レベルを表すものであることを検出する白レベル検出部10dと、ラインメモリ10a及び10bに保持された濃度値を参照し、前ラインの画素(同じ発熱素子で記録された画素)が所定値よりも大きい(高濃度である)ことを検出する前ライン用の高濃度検出部10eと、補正値を決定する補正値決定部10hと、補正値決定部10hで決定された補正値に所定の値(1よりも小さい値で、減衰係数と呼ぶ)αを乗算し、乗算結果のうちの小数点以下を切り捨てることにより得られた値を、次のラインの記録時に出力する減衰部10iと、加減算部10jとを有する。
td=tg+tb−tz …(3)
補正値決定部10hは、上記のいずれにも該当しないときは、補正値tzをゼロとする。
第9ラインでは、[[tz1×α]×α]が補正値tzとして用いられる。
td=tg+tb …(3A)
となり、白画素においてはtg=0であるので、
td=tb−tz …(3B)
となるので、式(3)は式(1)、(2)と実質的に同じである。
上記の実施の形態1及び2では、一つの画素(処理対象画素)の濃度値が白を表すものである場合に補正を行うものとしている。白を表す濃度値は濃度値が取り得る値の範囲中の最小値であるが、最小値でなくても所定の値(最小値に近い値)以下であれば、白画素と同様に扱うこととしても良い。
実施の形態1〜3では、熱転写型プリンタがモノクロ印刷を行うものであるものとして説明したが、本発明は、熱転写型プリンタがカラー印刷を行えるものである場合にも適用できる。カラー印刷を行うものである場合、各色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの各色)について、上記したのと同じような補正処理を行うこととすれば良い。この場合、上記の説明で「白」、「黒」は、それぞれ一般化して、「最小濃度」、「最大濃度」と読み替える必要がある。
そして、各色について、一つの画素の濃度値が第1の所定の値以下であり、その周囲の画素の濃度値が第2の所定の値(第1の所定の値よりも大きい)よりも大きいときに補正を行うこととなる。
図1に示される部材の一部、例えばバイアス値決定部9や駆動値生成部10は、ソフトウエア、即ちプログラムされたコンピュータで構成することができる。
Claims (10)
- 少なくとも一つの発熱素子を有し、感熱記録媒体に記録を行うサーマルヘッドと、
上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により発色に至るまでの通電時間に対応するバイアス値を決定するバイアス値決定手段と、
各画素の濃度に対応する濃度値であって、上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により上記発色から当該濃度に至るまでの通電時間に対応する濃度値と、上記決定されたバイアス値とに応じて、各画素の記録のための上記発熱素子の通電時間を制御する記録制御手段とを有し、
上記記録制御手段は、一つの画素の記録に当たり、当該画素の濃度値が第1の所定の値より大きいときは、上記濃度値と上記バイアス値とを加算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御し、上記濃度値が上記第1の所定の値以下であるときは、上記バイアス値から補正値を減算した値を有する駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御することを特徴とする熱転写型プリンタ。 - 少なくとも一つの発熱素子を有し、感熱記録媒体に記録を行うサーマルヘッドと、
上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により発色に至るまでの通電時間に対応するバイアス値を決定するバイアス値決定手段と、
各画素の濃度に対応する濃度値であって、上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により上記発色から当該濃度に至るまでの通電時間に対応する濃度値と、上記決定されたバイアス値とに応じて、各画素の記録のための上記発熱素子の通電時間を制御する記録制御手段とを有し、
上記記録制御手段は、一つの画素の記録に当たり、当該画素の濃度値が第1の所定の値より大きいときは、上記濃度値と上記バイアス値とを加算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御し、上記濃度値が上記第1の所定の値以下であるときは、上記濃度値と上記バイアス値との和から補正値を減算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御することを特徴とする熱転写型プリンタ。 - 上記一つの画素の周囲にある画素の濃度値が第2の所定値よりも大きいときに、上記補正値の減算を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写型プリンタ。
- 上記濃度値が上記第2の所定値よりも大きい画素から上記一つの画素までの距離が短いほど、上記補正値が大きいことを特徴とする請求項3に記載の熱転写型プリンタ。
- 上記周囲の画素が、上記一つの画素の記録に用いられるのと同じ発熱素子で、上記一つの画素よりも前に記録されるものを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の熱転写型プリンタ。
- 上記周囲の画素が、上記一つの画素の記録に用いられる発熱素子の近傍に配置された発熱素子で、上記一つの画素と同時にまたはそれより前に記録されるものを含むことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の熱転写型プリンタ。
- 上記バイアス値が少なくとも上記サーマルヘッドの温度に基づいて定められるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の熱転写型プリンタ。
- 上記第1の所定値が、上記濃度値が取り得る値の範囲内の最小値であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の熱転写型プリンタ。
- 少なくとも一つの発熱素子を備えたサーマルヘッドを用い、感熱記録媒体に記録を行う記録方法において、
上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により発色に至るまでの通電時間に対応するバイアス値を決定するバイアス値決定工程と、
各画素の濃度に対応する濃度値であって、上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により上記発色から当該濃度に至るまでの通電時間に対応する濃度値と、上記決定されたバイアス値とに応じて、各画素の記録のための上記発熱素子の通電時間を制御する記録制御工程とを有し、
上記記録制御工程では、一つの画素の記録に当たり、当該画素の濃度値が第1の所定の値より大きいときは、上記濃度値と上記バイアス値とを加算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御し、上記濃度値が上記第1の所定の値以下であるときは、上記バイアス値から補正値を減算した値を有する駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御することを特徴とする記録方法。 - 少なくとも一つの発熱素子を備えたサーマルヘッドを用い、感熱記録材料に記録を行う記録方法において、
上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により発色に至るまでの通電時間に対応するバイアス値を決定するバイアス値決定工程と、
各画素の濃度に対応する濃度値であって、上記発熱素子による上記感熱記録媒体の加熱により上記発色から当該濃度に至るまでの通電時間に対応する濃度値と、上記決定されたバイアス値とに応じて、各画素の記録のための上記発熱素子の通電時間を制御する記録制御工程とを有し、
上記記録制御工程では、一つの画素の記録に当たり、当該画素の濃度値が第1の所定の値より大きいときは、上記濃度値と上記バイアス値とを加算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御し、上記濃度値が上記第1の所定の値以下であるときは、上記濃度値と上記バイアス値との和から補正値を減算することにより得られる駆動値に応じて上記発熱素子の通電時間を制御することを特徴とする記録方法。
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