JP4701178B2 - 少なくとも2つの物理量を監視するためのセンサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特許請求項1の構成要件に従い、センサ装置、特に車両・空気調節装置(車両・エアコンディショナ)用のセンサ装置に関する。
冷媒R134aを用いて稼動される今日の車両・空気調節装置は圧縮機(コンプレッサ)後の「高圧側」で、通常、稼動圧力を監視するため及び電子送風機ステージを制御するための圧力センサを有する。その稼動圧力が予め設定された最大圧力を超過する場合、稼動圧力を例えば圧縮機の遮断により「通常圧力範囲」へと下降調整する調整機能が作動する。
将来の車両世代のためには様々な理由から恐らく二酸化炭素(炭酸ガス)稼動される車両・空気調節装置が重要になるであろう。「CO冷却回路」の調整のためには圧縮機後の冷媒圧力と追加的に冷媒温度が信号量として必要とされる。圧縮機後の冷媒圧力と冷媒温度は「CO空気調節装置」において互いに依存しない物理量である。冷媒圧力と冷媒温度の監視のためには圧力センサと追加的に温度センサが設けられ得て、これらのセンサは、各々、別個の電気配線或いはバスシステムを介して空気調節装置の電子装置に接続されている。圧力センサ及び温度センサを介し、冷媒圧力及び冷媒温度が測定され、電子装置へと転送され、そこで処理され得て、この際、その電子装置は冷却回路の1つの又は複数の「調整器」をコントロールする。各々、別個の電気配線を介して制御電子装置と接続されている2つの別個のセンサの使用と、電子装置内における2つの信号の「中央処理」は、高いケーブル手間と高い計算手間と結び付いている。更に、この種の装置において温度センサと圧力センサが、各々、別個のケーシング内に格納されていて、各々別個に空気調節装置の流体回路に接続されていることは不利であり、このことは漏れの問題を引き起こす可能性がある。
本発明の課題は、少なくとも2つの物理量を監視するため、特に車両・空気調節装置内の冷媒圧力と冷媒温度を監視するためのコンパクトで低コストのセンサ装置を創作することである。
前記の課題は特許請求項1の構成要件により解決される。本発明の有利な構成及び他の構成は下位請求項から見てとれる。
本発明は、センサ装置、特に車両・空気調節装置用のセンサ装置から出発し、このセンサ装置では、第1物理量を測定するための第1センサ要素と、第2物理量を測定するための第2センサ要素とが設けられている。第1物理量は冷媒圧力に関するものであり、第2物理量は冷媒温度に関するものであり得る。両方のセンサ要素は共通のケーシング内に格納されていて、このケーシングは直接的に車両・空気調節装置の流体回路に接続可能である。つまり両方のセンサ要素には流体回路に対する唯一の「接続箇所」だけが必要であり、このことは漏れの危険を最小化する。それにより別々のセンサ要素に比べると個々の構成要素の重量と数量も減少される。更に本質的なこととしてセンサ装置は「インテリジェント・センサ装置」に関するものである。この関連で「インテリジェント」とは、両方のセンサ要素が、センサ装置のケーシング内に又は直接的にケーシングに配設されている電子装置に接続されていて、この電子装置がセンサ信号の「評価」或いは「前処理」を行い、そして「評価された」信号をセンサ装置の信号出力部に接続する(切り替える)ことを意味している。この信号出力部は電気配線或いはバスシステムを介し、センサ装置とは別個に配設されている車両・空気調節装置の制御電子装置と接続されている。
本発明の核は、電子装置内に組み込まれている或いはそこにソフトウェア的に保管されている「評価モジュール」にあり、この評価モジュールは、測定された両方の物理量の「現在値」に依存し、予め設定された評価ロジックに従い、測定された両方の物理量の1つをセンサ信号(p )の形成に現在用いられる量(以下「現在重要な量」と称する)として検出し、現在重要な物理量に対応する電気的なセンサ出力信号をセンサ装置の信号出力部に接続する、或いは「現在重要な量」を基礎にして電気的なセンサ出力信号を形成し、この信号をセンサ装置の信号出力部に接続する。
つまり本発明に従うセンサ装置を用いて同時に2つの物理量が「監視」され得る。両方のセンサ要素が接続されている「センサ電子装置」は、現在の測定値と実行される選択ロジックに依存し、現在「重要である」或いは現在「危険である」と見なすべき測定信号を選択し、センサ信号出力部に対し、現在重要な或いは危険な信号を基礎にして形成されたセンサ信号を接続する。ここでは、2つのセンサが各々別個に車両・空気調節装置の中央制御電子装置と配線されている従来のシステムに比べ、配線手間が半減されている。更に車両・空気調節装置の中央制御装置内で処理すべきデータ量が減少され、その理由は「その前に設けられた」センサ電子装置が現在重要な測定信号だけを車両・空気調節装置の制御電子装置へと「転送」する、或いは現在重要な測定信号を基礎にして形成された電気的なセンサ信号だけが中央制御電子装置へと転送されるためである。
既述のようにセンサ装置は組み合わされた圧力/温度センサ装置であり得る。組み合わされた圧力/温度センサ装置のケーシングは、圧力センサ機構と温度センサ機構、並びにセンサ信号を評価するため及び出力信号を「条件づける」ためのセンサ電子装置を含んでいる。センサの電気的な出力信号は基本的に圧力信号を表し、この圧力信号は場合によって「等価の圧力信号」への対応的な変換により温度信号の所定の情報を含んでいて、このことは後で更に詳しく説明される。
明白に指摘すべきこととして、本発明が2つのセンサ要素を有するセンサ装置に限定されていないということがある。センサ装置は2つのセンサ要素よりも多くのセンサ要素を有し得て、これらのセンサ要素は、各々、物理量を測定し、この際、評価モジュールは、2つの物理量よりも多くの物理量から、対応する選択ロジックに従い、現在重要な量を検出し、現在重要な量を基礎にしてセンサ出力信号を形成する。
次に図面と関連して本発明を更に詳細に説明する。
図1は冷媒圧縮機(冷媒コンプレッサ)2を備えた車両・空気調節装置(車両・エアコンディショナ)1を示していて、その冷媒圧縮機2は高圧側で流体ライン3を介してガス冷却機4と接続されている。ガス冷却機4は流体ライン5及び内部の熱交換機6を介して膨張器7と接続されている。膨張された冷媒は膨張器7から流体ライン8を介して蒸発機9へと流れ、そこから流体ライン10を介して収集機11へと流れる。収集機11から冷媒は逆方向に内部の熱交換機6を介して流体ライン12へと流れ、流体ライン12は冷媒圧縮機2の吸入側と接続されている。冷媒圧縮機2には圧力負荷軽減器(ベンチレーション器)13が設けられていて、圧力負荷軽減器13を介して超過圧力が排出され得る。
流体ライン3にはセンサ装置14のケーシングが接続されていて、センサ装置14は、圧力センサ15と、温度センサ16と、これらのセンサ15、16が接続されているセンサ電子装置(非図示)とを有する。センサ装置14は電気的な信号出力部を有し、この信号出力部は信号ライン17を介して制御電子装置18と接続されている。制御電子装置18の制御出力部は冷媒圧縮機2と接続されている。制御電子装置18は中でも流体ライン3内の冷媒圧力と冷媒温度に依存して冷媒圧縮機2をコントロールする。
図2は実質的に図1のものと同じ冷媒回路1を示しているが、図2の実施例では追加的に膨張器7が電気的にコントロール可能であり、電気ライン20を介して制御電子装置18の他の制御出力部と接続されている。
図3は冷却回路1の実施例を示していて、この冷却回路1では追加的に磁気継手21が設けられていて、磁気継手21を介し、冷媒圧縮機2が危険な稼動状態の発生時には遮断(カットオフ)され得る。この実施例において制御電子装置18は他の制御出力部を有し、この制御出力部は電気的な制御ライン22を介して冷媒圧縮機2の磁気継手21と接続されている。因みにこの実施例は図1或いは図2の実施例に対応する。
次に、図1〜図3に図示された冷媒回路1の機能方式、特に冷媒回路1のセンサ装置14の機能方式を、図4a〜図11a及び図4b〜図11bとの関連で詳細に説明する。
図4a〜図11aのグラフには例として、各々、流体ライン3(図1〜図3を参照)内の冷媒の稼動圧力経過pと温度経過θが図示されている。図4b〜図11bには、各々、信号出力部或いは電気的なライン17(図1〜図3を参照)に加わる電気信号の対応経過が描かれている。センサ装置14の信号出力部に加わる電気信号は図4b〜図11bにおいてpで示されている。測定された冷媒圧力がセンサ電子装置により現在重要な稼動パラメータとして検出される場合、電気信号pは「圧力信号」として解釈され得る。それに対し、測定された冷媒温度がセンサ電子装置により現在重要な稼動パラメータとして検出される場合、電気信号pは「温度信号」として、或いは測定された冷媒温度を基礎にして形成された「等価の圧力信号」として解釈され得て、このことを次に詳細に説明する。
図1〜図3に図示されているようなCO冷媒回路において、許容しうる永続的な稼動圧力、即ち冷媒回路内で比較的長期間に渡って発生してよい稼動圧力は、通常、予め設定された稼動圧力pに制限されていて、この稼動圧力pを以下「下方の圧力限界値」と称するものとする。許容しうる永続的な稼動圧力pは例えば133barの値をとり得る。下方の圧力限界値p即ち許容しうる稼動圧力pの超過は、単に冷却回路の冷却能力が下降調整されるということで、上方の圧力限界値に至るまで容認される。上方の圧力限界値pは例えば140barの値をとり得る。稼動圧力が更に上昇するのであれば、例えばp=170barの負荷軽減圧力時に負荷軽減器13が開き、冷媒回路内に含まれている冷媒の少なくとも一部分が周囲へと噴き出し、このことは絶対的な緊急時と見なされる。
図4aには、下方の圧力限界値pと、上方の圧力限界値pと、負荷軽減器13(図1〜図3を参照)を開くことになる圧力pとが記入されている。更に例として第1稼動圧力経過pが記入されていて、この際、図4a内の稼動圧力経過pは常に下方の圧力限界値pよりも小さい。
更に下方の温度限界値θと上方の温度限界値θとが記入されている。鎖線を用いて冷媒温度の経過が図示されていて、この冷媒温度は図4aにおいて常に下方の温度限界値θよりも小さい。
θよりも小さい冷媒温度、つまり下方の温度限界値よりも小さい冷媒温度は常に「危険でない」と見なされる。温度センサ16(図1〜図3を参照)により測定された冷媒温度が下方の温度限界値θよりも小さい場合、センサ装置14は電気的な信号出力部において常に、現在の圧力経過pを基礎にして形成された信号pを提供する。つまり稼動温度が「危険でない」稼動状態ではセンサ装置14により常に「圧力信号」或いは圧力信号を基礎にして形成された電気信号pが「案内量(ガイド量)」として制御電子装置18へと伝達される。
図5aは他の状況を示していて、この状況では測定された冷媒温度θが常に下方の温度限界値θよりも小さく、従って危険でない。測定された冷媒圧力pはp≦p≦pの圧力範囲内で一時的に上昇部を有する。図5aに図示されているように稼動圧力がpとpの間の範囲内に位置する場合、つまり下方の圧力限界値pが超過されていて且つ稼動温度θが危険でない(下方の温度限界値θよりも小さい)場合には、センサ装置14により、図5bに図示されているように同様に、測定された圧力経過を基礎にして形成された電気信号pが出力され、制御電子装置18(図1〜図3を参照)に供給される。
下方の圧力限界値pが超過されているので、制御電子装置18は冷媒圧縮機2の出力を減少制御或いは減少調整し、その結果、稼動圧力pは再び下方の圧力限界値pの下に低下し、冷却回路1は再び通常圧力範囲p<pで作動する。それに対して選択的に又は補助的に制御電子装置18が、下方の圧力限界値pの超過時に、図2及び図3の実施例に示されているように外部でコントロール可能な膨張器7をコントロールすることが意図され得て、それにより稼動圧力が同様に低下され得る。
図6は、冷媒温度θが同様に再び下方の温度限界値θよりも小さい状況を示している。この際、稼動圧力pは短期的に上方の圧力限界値pを超えて上昇している。この際にも稼動圧力は危険な或いは重要な測定量と見なされるべきで、その結果、センサ装置14はここでも、測定された稼動圧力pを基礎にして形成された電気信号pを制御電子装置18へと提供する。上方の圧力限界値pが超過されるので、制御電子装置18は冷媒圧縮機2を完全に抑制調整し、このことは以下「カットオフ」とも称される。冷媒圧縮機2の抑制調整或いは遮断は、図3に図示されているように例えば磁気継手21を介して行なわれ、磁気継手21はそのような状況において開かれ、冷媒圧縮機2の駆動を駆動シャフト(非図示)から分離する。冷媒圧縮機2の遮断により、冷却回路1内の稼動圧力pは迅速に「安全閾値」であるpの下に低下し、最終的には再び通常圧力範囲内、即ち下方の圧力限界値pの下に低下する。つまり上方の圧力限界値pの僅かな超過だけでは圧力負荷軽減器13のオープンは必要ではない。ここで「僅かな」とは稼動圧力pがまだ圧力pよりも小さいことを意味する。
上述の稼動状態では冷媒温度が常に通常範囲内に位置していた、つまり下方の温度限界値θの下側であり、このことは、常に稼動圧力が重要な量と見なされ、測定された稼動圧力を基礎にして形成された電気信号pが常にセンサ装置14の信号出力部に加えられたという結果を伴っていた。
次に、冷媒温度が「通常温度範囲」を超えて上昇する状況について説明する。CO空気調節装置において冷媒の稼動温度θは冷媒圧縮機2後で且つガス冷却機4前で(図1を参照)下方の温度限界値θの下側に位置すべきである。下方の温度限界値θは例えば165℃の値をとり得る。更に、tmax=t−tという予め設定された最大時間間隔の間では「温度に起因した」調整作動が行なわれることなく下方の温度限界値θの超過が容認される。ここで「最大時間間隔」であるtmaxは例えば300秒の値をとり得る。下方の温度限界値θの時間的に制限された超過は容認されるが、これは冷媒温度θが上方の温度限界値θよりも小さい場合にだけであり、この上方の温度限界値θは例えば180℃に固定され得る。つまり稼動温度がtmaxよりも小さい時間長の間でθとθの間の範囲内に位置し、引き続き再び下方の温度限界値θの下に下降する場合には、上述の稼動状態におけるように、測定された稼動圧力を基礎にして形成された電気信号pが制御電子装置18へと伝達される。
冷媒温度θが上方の温度限界値θを超過する、又は冷媒温度θが、予め設定された最大時間長tmaxよりも長い時間長の間、θとθの間の温度範囲内に位置すると、図7aに図示されているように稼動圧力pが通常圧力範囲内(pの下側)に位置する場合には、時点t以降、即ち最大時間長tmaxの経過後、冷媒の稼動温度が危険な或いは重要な測定量と見なされる。
従って、図7bに図示されているように、時点t以降、冷媒温度θを基礎にして形成された電気信号pが制御電子装置18へと伝達される。つまり冷媒温度は、tmaxよりも長い時間長の間、下方の温度限界値θを超過するので、制御電子装置18は、冷媒圧縮機2及び/又は設けられているのであれば外部でコントロール可能な膨張器7(図2及び図3を参照)を、冷媒温度θが下方の温度限界値θの下へと低下するように「元に戻るように」調整する。時点t(図7aを参照)で冷媒温度θは下方の温度限界値θを下回る。ソフトウェア的に保管可能であるセンサ装置14の「評価モジュール」は、時点tから再び圧力信号を重要な或いは危険な信号として選択し、その結果、図7bに図示されているように、時点t以降、信号出力部に加わる電気信号pは、再び、測定された稼動圧力pを基礎にして形成される。
冷却回路1内の冷媒温度θと冷媒圧力pは互いに依存しないで挙動する。図7aに図示されているように、通常の稼動圧力時にも極めて高い稼動温度になり得て、例えばシステムの「充填不足」の場合又は負荷点が高い場合である。
つまり冷媒の温度θが下方の温度限界値θの下側に位置する間、センサ装置14は稼動圧力pを基礎にして形成された電気信号pを常に出力する。つまり稼動温度θの「清算」或いは稼動温度θの考慮は行なわれない。
図8は、冷媒の稼動圧力pが、通常範囲内、即ち下方の圧力限界値pの下側にある状況を示している。冷媒温度θは図7aに図示されているよりも遥かに迅速に上昇し、時点tで上方の温度限界値θを超過する。この温度上昇は迅速であり、それによりθからθへの温度上昇の間の時間長はtmaxよりも短い。つまり「時間・温度・起因式の調整作動」は行われない。上方の温度限界値θを超過することに基づき、時点tで純粋に温度に起因する調整作動が行われる。
このことはセンサ信号p(図8bを参照)に反映されている。時点tに至るまでは圧力信号が重要な或いは危険な信号と見なされる。時点tで上方の温度限界値θを超過することに基づき、時点t以降、温度信号が重要な或いは危険な信号と見なされる。それに対応し、時点t以降、センサ装置14から制御電子装置18へと提供される電気信号pは冷媒温度θを基礎にして形成される。冷媒温度θが上方の温度限界値θを超過するので、制御電子装置18は冷媒圧縮機2を元に戻すように調整する又は冷媒圧縮機2を完全に遮断(カットオフ)する。それに対して選択的に又は補助的に制御電子装置18が、設けられているのであれば外部でコントロール可能な膨張器7(図2及び図3を参照)を対応的にコントロールすることが意図され得る。制御電子装置18の調整作動により冷媒温度θは低下し、時点tで下方の温度限界値θを下回る。
時点t以降、冷媒温度は再び通常温度範囲内にある。従って、図8bに図示されているように、時点t以降、稼動圧力が再び重要な或いは危険な稼動量と見なされ、センサ装置14により提供される電気信号pは、時点t以降、再び稼動圧力pを基礎にして形成される。
図9aは、冷媒の稼動圧力pが、時点t’に至るまで、通常範囲内、即ちpの下側に留まる状況を示している。冷媒温度θは時点tで下方の温度限界値θを超過し、更に上昇する。時点tに至るまで、図9bから見てとれるように、稼動圧力pが重要な或いは危険な信号と見なされる。時点tでは冷媒温度が、tmaxの時間長の間、下方の温度限界値θを超過していたものである。従って、時点tから、冷媒温度が重要な或いは危険な信号と見なされ、このことは図9bにおいて跳躍的な信号pの上昇により反映されている。つまりtとt’の間の時間間隔内ではセンサ装置14から出力された電気信号は温度信号を基礎にして形成される。この際、必ずしも温度信号の信号経過が「模倣」される必要はない。図9bに図示されているように、電気信号pが予め設定された危険な値の上側に位置し、例えば一定に維持されることで十分である。
時点t’で追加的に冷媒の稼動圧力pは、下方の圧力限界値pと上方の圧力限界値pの間に位置する値へと上昇する。このことは、t’以降、冷媒圧力が重要な或いは危険な量と見なされ、電気信号pが測定された冷媒圧力pに模倣されるという結果を伴う。つまりtとt’の間の時間間隔内では、先ず、等価の圧力信号への温度信号を用いた圧力信号の「清算」が行われる。時点t以降、電気信号pは温度信号の清算を伴うことなく圧力信号pに「模倣」される。
上述の説明に対応し、図9aに図示されているような状況では、t’以降、調整作動、即ち冷媒圧縮機2の抑制調整及び/又は膨張器7の対応的なコントロールが行われる。
図10aは、冷媒圧力が、時点t’に至るまで、通常範囲内、即ち下方の圧力限界値pの下側に留まる状況を示している。冷媒温度は先ず連続的に上昇し、時点tで下方の温度限界値θを超過する。引き続き温度は更に上昇する。時間長tmaxの後、冷媒温度は危険な或いは重要な信号と見なされる。図10bから見てとれるように、時点tに至るまで電気信号pは測定された稼動圧力pを基礎にして形成される。時点t以降、即ち時間長tmaxの経過後、先ずは冷媒温度が危険な或いは重要な信号と見なされ、このことは、pとpの間に位置する値への信号pの対応的な上昇に反映されている。
図10aから見てとれるように、時点t’で冷媒圧力は上方の圧力限界値pの上側の値へと上昇する。上方の圧力限界値pを超過することに基づき、時点t’以降、稼動圧力が重要な或いは危険な信号と見なされ、このことは図10bにおいて信号pの更なる上昇で反映されている。時点t以降、既に制御電子装置18の第1の調整作動が行われ、この際、tとt’の間では先ず冷媒圧縮機2の出力が減少され、時点t’では上方の圧力限界値pの超過に基づき冷媒圧縮機2が完全に遮断(カットオフ)される。このことは、その際、図10aから見てとれるように、通常範囲内への冷媒圧力の比較的迅速な低下を導くことになる。冷媒温度θもθの下側の通常範囲内へと低下する。
図11aは、稼動圧力pが、時点t’に至るまで、通常範囲内、即ち下方の圧力限界値pの下側に留まる状況を示している。それに対して冷媒温度θは比較的迅速に上昇し、時点tで上方の温度限界値θを超過する。時点tに至るまで冷媒圧力pが重要な或いは危険な信号と見なされる。時点tで冷媒温度θが上方の温度限界値θを超過するので、時点t以降、冷媒温度θが重要な或いは危険な信号と見なされる。従って、図11bに図示されているように、時点t以降、センサ装置14から制御電子装置18へと提供される電気信号pは冷媒温度θを基礎にして形成される。つまり時点tでは純粋に温度に起因する冷媒圧縮機2の遮断或いは純粋に温度に起因する冷媒圧縮機2の抑制調整が行われる。時点t’では上方の圧力限界値pの上側の値への冷媒圧力pの上昇が行われる。つまり、冷媒圧力が上方の圧力限界値pを超過する時点t’以降、冷媒圧力が再び重要な或いは危険な信号と見なされる。従って時点t’からはセンサ装置14により提供される電気信号pは再び冷媒圧力pに模倣される。
本発明に従うセンサ装置が装備されている車両・空気調節装置の回路構成を示す図である。 本発明に従うセンサ装置が装備されている車両・空気調節装置の回路構成を示す図である。 本発明に従うセンサ装置が装備されている車両・空気調節装置の回路構成を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図4aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図5aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図6aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図7aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図8aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図9aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図10aに対応するセンサ信号経過を示す図である。 測定信号経過を示す図である。 図11aに対応するセンサ信号経過を示す図である。
符号の説明
1 車両・空気調節装置
2 圧縮機
3 流体ライン
4 ガス冷却機
5 流体ライン
6 熱交換機
7 膨張器
8 流体ライン
9 蒸発機
10 流体ライン
11 収集機
12 流体ライン
13 圧力負荷軽減器
14 センサ装置
15 圧力センサ
16 温度センサ
17 信号ライン
18 制御電子装置
20 電気ライン
21 磁気継手
22 制御ライン

Claims (15)

  1. センサ装置、特に車両・空気調節装置(1)用のセンサ装置(14)であって、ケーシングを備え、このケーシング内に、電子装置と、この電子装置と接続されていて第1物理量(p)を測定するための第1センサ要素(15)と、この電子装置と接続されていて第2物理量(θ)を測定するための第2センサ要素(16)とが配設されている、前記センサ装置において、
    前記第1物理量(p)が圧力(p)であり、
    前記第2物理量(θ)が温度(θ)であり、
    前記電子装置が電気的な信号出力部(17)と評価モジュールとを有し、
    上記評価モジュールには評価ロジックが予め設定されており、
    測定された両方の物理量(p、θ)からセンサ信号(p)の形成に現在用いられる1つの物理量(p、θ)が上記評価ロジックにより選択され、
    上記評価モジュールが、前記第1と第2の物理量(p、θ)の現在の測定値に依存つつ、現在選択された上記1つの物理量(p、θ)のみを基礎にして、センサ信号(p)を形成し、
    上記評価モジュールが上記センサ信号(p)を信号出力部(17)に接続すること
    を特徴とするセンサ装置。
  2. 1センサ要素(15)が圧力センサであり、この圧力センサが車両・空気調節装置(1)の冷媒圧力(p)を測定するために設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 2センサ要素(16)が温度センサであり、この温度センサが車両・空気調節装置(1)の冷媒温度(θ)を測定するために設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
  4. 両方の物理量(p、θ)が互いに依存しないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  5. 測定された第2物理量(θ)が第2物理量(θ)のための予め設定された下方の限界値(θ)よりも小さい場合、第1物理量(p)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が常に信号出力部(17)に接続されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  6. 第1物理量(p)が第1物理量(p)のための予め設定された下方の限界値(p)よりも小さく、且つ、第2物理量(θ)が、少なくとも予め設定された時間長(tmax)の間、第2物理量(θ)のための予め設定された下方の限界値(θ)よりも大きい場合、第2物理量(θ)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が信号出力部(17)に接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  7. 第1物理量(p)が第1物理量(p)のための予め設定された下方の限界値(p)よりも小さく、且つ、第2物理量(θ)が第2物理量(θ)のための予め設定された上方の限界値(θ)よりも大きい場合、第2物理量(θ)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が信号出力部(17)に接続されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  8. 第1物理量(p)が第1物理量(p)のための予め設定された下方の限界値(p)よりも大きく、且つ、第2物理量(θ)が第2物理量(θ)のための予め設定された上方の限界値(θ)よりも小さい場合、第1物理量(p)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が信号出力部(17)に接続されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  9. 第2物理量(θ)が第2物理量(θ)のための予め設定された上方の限界値(θ)よりも大きく、且つ、第1物理量(p)が第1物理量(p)のための予め設定された上方の限界値(p)よりも小さい場合、第2物理量(θ)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が信号出力部(17)に接続されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  10. センサ装置(14)のケーシングが車両・空気調節装置(1)の流体ライン(3)に接続されていて、流体ライン(3)内を流れる冷媒の圧力(p)及び温度(θ)が測定されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  11. 冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  12. センサ装置(14)の信号出力部(17)が、センサ装置(14)とは別個に配設されている制御電子装置(18)の信号入力部に接続されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  13. 制御電子装置(18)が車両・空気調節装置(1)の圧縮機(2)をコントロールすることを特徴とする、請求項12に記載のセンサ装置。
  14. 制御電子装置(18)が車両・空気調節装置(1)の調整可能な膨張器(7)を電気的にコントロールすることを特徴とする、請求項12又は13に記載のセンサ装置。
  15. 第1物理量(p)及び第1物理量(p)を基礎にして形成されたセンサ信号(p)が予め設定された危険値(p)を超過した場合、制御電子装置(18)がベンチレーション器(13)をコントロールし、このベンチレーション器(13)を開放し、それにより冷媒が周囲へと流出可能であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載のセンサ装置。
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