JP4700823B2 - 歯間ブラシの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、歯間ブラシの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在使用されている歯間ブラシは、フィラメントの束を二つ折りのワイヤーで保持し、このブラシ部を樹脂製のグリップに埋め込んだ構造のものが殆どである。そして、ワイヤーはフィラメント束を保持するためにスパイラル状に撚ってある。従って、この構成において単にワイヤー部分をグリップに埋設しただけでは、ブラシ部を一方向に回転すればあたかもネジのようにしてブラシ部がグリップから抜け出す恐れがある。
【0003】
そこで、本発明者は、グリップに埋め込まれるワイヤーの一部にカシメ等の変形を施すことによって、上述したネジ作用によるブラシ部の抜け出しを防止する技術を開示している(特許第2770298号公報)。
【0004】
また上記特許発明は、ブラシ部とグリップを別途に成形し、ワイヤーの埋め込み部を高周波を放射するなどの手段により加熱し、グリップを溶かしながら埋め込むという手段を前提としている。つまり、グリップにはその成形時に細穴を形成しておき、この細穴に高周波放射等により加熱したブラシ部のワイヤーを差し込み、細穴周囲の樹脂を溶融してワイヤーを固定するというものである。細穴はワイヤーを真っ直ぐに埋め込むガイドとして機能する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特許発明でもなお次のような未解決の課題を有していた。つまり、ワイヤーは細穴に対してその周囲の樹脂を溶融させながら差し込まれることになるが、上述のようにワイヤーにはカシメが形成されているため、細穴の直径もこれに見合ったものに設定する必要がある。即ち、細穴は撚ったワイヤーの断面よりもやや大きく設定されることになる。
【0006】
このように設定された細穴でも差し込もうとするワイヤーは数百度に加熱されているため、細穴のほぼ全域にわたって樹脂を溶融することができ、ブラシ部の保持強度には然程影響しない。しかし、一部には溶融されない箇所も発現する恐れがあり、この箇所についてはワイヤーと細穴に隙間が生ずることになる。そして、この隙間がグリップ先端に発現した場合は、この部分からブラッシング滓が入り込み易くなり、衛生上好ましくないという課題がある。特に極めて小さい隙間に入ったブラッシング滓は水の表面張力によって取り出しにくく、また乾きにくいものであるから、その取出しが困難である。
【0007】
上述した課題から明らかなように、本発明の目的とするところは、ワイヤーを加熱した状態でブラシに差し込むという手段からなる歯ブラシの製造方法において、その埋め込み部に隙間が生じないようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明では、フィラメントを撚り線状ワイヤーで保持してなるブラシ部の前記ワイヤーを高周波放射等の加熱手段によって加熱し、当該ワイヤーを樹脂製グリップの細穴にその内周壁樹脂を溶融しながら埋め込むことによってブラシ部をグリップに固定するようにした歯間ブラシの製造方法において、ワイヤーの埋め込み後、該外周の樹脂が硬化する前にグリップ先端を圧力によって絞り込んでワイヤーにその埋め込み部の溶融樹脂を密着させるとともに、該絞り込みにより前記グリップ先端にネック部を、該ネック部の先端が前記フィラメントの束に可及的に近接するよう形成するという手段を用いた。
【0009】
また、請求項2ではグリップの先側を先細りのテーパ状とする手段を選択的に用いた。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明に係る歯間ブラシの製造工程を示したものである。先ず同図(A)に示す工程ではフィラメントの束1を二つ折りにしたワイヤー2で挟み、この状態でワイヤー2をスパイラル状に撚ってブラシ部3を成形する。次に同図(B)に示す工程ではブラシ部3のワイヤー下方にカシメ4を形成する。カシメ4は撚ったワイヤー2の一部にその規則性を乱すような構成を採用すればよい。続いて、同図(C)に示す工程ではカシメ4を含めワイヤー2の下方を高周波の放射やヒーターなどの公知手段により一定温度に加熱し、この状態でワイヤー2を合成樹脂製のグリップ5に埋め込む。
【0012】
グリップ5はブラシ部3とは別のラインによって製造される。このようにグリップ5とブラシ部3を別個に製造する方が、グリップを射出成形によりブラシ部3と一体成形する場合に比べて生産性を高くすることができるからである。そして、この実施形態の場合、グリップ5は筒状のハンドル部6の先方に先細りのテーパ部7を設けた外観形状を呈する。また、その先端から一定の深さで細穴8が形成されている。この細穴8はワイヤー2を真っ直ぐに埋め込むためのガイドであって、カシメ4に見合った直径に設定される。
【0013】
そして、この埋め込み工程(C)では、ワイヤー2は細穴8の内周壁樹脂を溶かしながらグリップ5に埋め込まれ、後に溶融した樹脂が硬化することでブラシ部3はグリップ5に一体的に固定される。
【0014】
なお、ここまでの工程は従来製法と変わるところはなく、フィラメントやワイヤーの材質や太さ、ワイヤーの加熱手段とその時間、カシメの形状および形成方法は、従来技術として掲げた特許発明に準じて公知の手段を採用することができる。
【0015】
一方、同図(D)に示す工程は本発明によって新たに追加された工程であり、ワイヤー2を埋め込んだ直後にグリップ5の先端を絞ってネック部9を形成するものである。つまり、この工程では、ワイヤー2を埋め込んだ後、グリップ5がワイヤー2の熱によって柔らかい状態にあるうちに、グリップ5の先端を外側から圧力によって小径に絞り、細めのネック部9を形成するものである。
【0016】
そして、この工程(D)では、上記圧力によって細穴8の溶融した樹脂がワイヤー2に密着し、ワイヤー2をより強固に埋め込むことができると共に、ワイヤー2を隙間なくグリップ5に埋め込むことができる。従って、ワイヤー2はその埋め込み部がグリップ5の樹脂により密実となり、これを使用してもブラッシング滓や水などが侵入したり滞留する余地はなく、使用後、簡単に洗い流すだけで歯間ブラシを衛生的に保持することができる。
【0017】
また、本実施形態ではグリップ5の構成としてその先方をテーパ状としているので、このテーパ部7は比較的細く、ワイヤー2の埋め込み熱により柔らかくなるため、ネック部9の形成、即ち該部の絞り込みを比較的容易に行うことができる。
【0018】
なお、グリップ5の先端をどの程度絞り込むかは、少なくともワイヤーの埋め込み時において細穴の溶融樹脂がワイヤーに密着することを条件に厳密に限定されない。
【0019】
ただし、好ましくはネック部9の先端がブラシ部3におけるフィラメント束1に可及的に近接するまで絞り込む。つまり、この実施形態では圧力によってグリップ(テーパ部)の先端を絞り込んで細めのネック部9を形成するものであるが、その過程では柔らかくなったテーパ部7がフィラメント束1側に伸びてネック部9を構成することになる。従って、絞り込みの位置や圧力、幅等を調整することによって、ネック部9の先端位置を決定することができる。このようにネック部9の先端位置をフィラメント束1に近接させることによって、ワイヤーの折損を大幅に減らすことができる。
【0020】
つまり、この種歯間ブラシでは通常、グリップ5との境目においてワイヤーが折曲しやすく、また曲げ癖が残りやすいが、ここで説明したようにネック部9の先端をフィラメント束1に近接したものであれば、ワイヤーの露出部分が少なく、またネック部9はそれだけ細くなって使用時には指で折り曲げ易くなるため、ワイヤー2が鋭角に折れ曲がることはなく、ワイヤー2の折損を有効に防止することができる。また、ワイヤー2の露出部分がなくなるため、ガルバーニ電流による痛みや違和感もなくすことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱したワイヤーの埋め込み熱により柔らかくなったグリップ先端を圧力によって絞り込むようにしたので、グリップの細穴において該部の溶融樹脂をワイヤーに密着させることができ、ワイヤーを隙間なくグリップに埋め込むことができる。よって、ワイヤーの埋め込み強度が増すと共に、当該埋め込み部にブラッシング滓等が入り込むことも防止されるので、歯間ブラシを衛生的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る歯間ブラシの製造工程図
【符号の説明】
1 フィラメント束
2 ワイヤー
3 ブラシ部
4 カシメ
5 グリップ
6 ハンドル部
7 テーパ部
8 細穴
9 ネック部
Claims (2)
- フィラメントを撚り線状ワイヤーで保持してなるブラシ部の前記ワイヤーを高周波等により加熱し、当該ワイヤーを樹脂製グリップの細穴にその内周壁樹脂を溶融しながら埋め込むことによってブラシ部をグリップに固定するようにした歯間ブラシの製造方法において、
ワイヤーの埋め込み後、該部外周の樹脂が硬化する前にグリップ先端を絞り込んでワイヤーにその埋め込みの溶融樹脂を密着させるとともに、該絞り込みにより前記グリップ先端にネック部を、該ネック部の先端が前記フィラメントの束に可及的に近接するよう形成することを特徴とした歯間ブラシの製造方法。 - グリップは、先側を先細りのテーパ状とした請求項1記載の歯間ブラシの製造方法。
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