JP2001204549A

JP2001204549A - 歯間ブラシ

Info

Publication number: JP2001204549A
Application number: JP2000015252A
Authority: JP
Inventors: Tatsu Ito; 龍伊藤
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 2000-01-25
Filing date: 2000-01-25
Publication date: 2001-07-31

Abstract

(57)【要約】【課題】指で握りやすくて操作性に優れ、折れにく
く、耐久性にも優れたストレートタイプの歯間ブラシを
提供すること。【解決手段】ワイヤー１に短繊維毛２を挟んで捻じり
植毛したブラシ部３を備え、ワイヤー１の根元部を樹脂
製になるストレートタイプの把持部５の先端に埋設して
一体成形した歯間ブラシであって、前記把持部５の先端
をブラシ部３に向かって径が狭まっていくテーパー状に
形成するとともに、該テーパー部６の先端にワイヤー根
元部を覆う所定長さからなるワイヤー補強部４を一体成
形した歯間ブラシにおいて、把持部５の断面形状を楕円
形とする。また、ワイヤー補強部４と把持部５の先端を
つなぐテーパー部６の長さを１５〜３０ｍｍとする。さ
らに、少なくともワイヤー補強部４を曲げ弾性率２００
〜７００ＭＰａのポリエチレンまたはポリプロピレン樹
脂を用いて成形する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用のストレー
トタイプの歯間ブラシに関し、特に操作性と耐久性の両
方に優れた歯間ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、二つ折りした金属製ワイヤー
の間にフィラメントを挟み込んで捻じり植毛したブラシ
部を備え、該ワイヤーの根元部を棒状になる樹脂製の把
持部先端に埋め込んで一体成形したストレートタイプの
歯間ブラシは広く知られている。

【０００３】また、ワイヤーの根元部に折り曲げ力が繰
り返し作用するため、ワイヤーの根元部付近でワイヤー
が折れやすい。そのため、ワイヤー根元部と把持部との
接続境界付近を所定幅にわたって樹脂製のワイヤー補強
部で覆って一体成形し、根元部でワイヤーが折れること
がないように補強することも知られている（実開昭６１
−１８００１４号公報、実公平６−３３８５３号公
報）。

【０００４】さらに、使用時、ブラシ部を保護している
キャップを把持部の後端部に差し込み、把持部の全長を
延長するようにしたものも知られている（実用新案登録
第２５１０５９３号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の歯間ブラシの場合、次のような問題があった。
すなわち、従来のストレートタイプの歯間ブラシは、指
で掴んで持つ把持部の形状が円柱形か円筒形であるた
め、使用時に指にフィットしにくく、不安定で操作しに
くかった。それでも、前歯の歯間部を刷掃する場合など
にはそのまま真っ直ぐ挿入すればよいのでそれほど問題
はないが、ワイヤー補強部でブラシ部を曲げ、ブラシの
向きを変えてから奥歯の歯間部に挿入するような場合に
は、ブラシ部先端を的確に歯間部に当てにくく、また挿
入してから前後に動かす操作もしにくかった。

【０００６】また、従来のストレートタイプの歯間ブラ
シは、前述したワイヤー補強部と把持部先端との間をテ
ーパー部で連結してはいるが、このテーパー部分の長さ
が短いため、鏡を見ながら奥歯の歯間部に使用する際な
どに把持部の太さが邪魔になって歯間部が見えにくくな
り、操作を妨げやすかった。

【０００７】さらに、ワイヤー補強部の樹脂が軟らかす
ぎると、ブラシ部の固定が不安定となるため、使用時に
は使いにくくなり、逆に、硬すぎると、補強部の先端位
置でワイヤーが折れやすくなり、補強効果が弱くなると
いう不具合があった。

【０００８】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたもので、指で握りやすくて操作性に優れ、
折れにくく、耐久性にも優れたストレートタイプの歯間
ブラシを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の歯間ブラシは、ワイヤーに短繊維毛を挟ん
で捻じり植毛したブラシ部を備え、前記ワイヤーの根元
部を樹脂製になるストレートタイプの把持部の先端に埋
設して一体成形した歯間ブラシであって、前記把持部の
先端をブラシ部に向かって径が狭まっていくテーパー状
に形成するとともに、該テーパー部の先端にワイヤー根
元部を覆う所定長さからなるワイヤー補強部を一体成形
した歯間ブラシにおいて、前記把持部の断面形状を楕円
形としたものである。

【００１０】このような構成とすることによって、従来
の円柱形または円筒形の把持部の持ちにくさを解決する
ことができる。すなわち、把持部の断面形状を楕円形と
した場合、把持部を指で掴んで保持する際に指によくフ
ィットし、保持しやすくなる。これにより、ワイヤー補
強部を曲げて奥歯の歯間を刷掃する場合でも、的確に奥
歯（特に舌側の奥歯）の歯間部に当てることができる。
また、歯間ブラシをしっかりと保持することができるの
で、挿入して前後に動かしやすくなり、歯間清掃が容易
になる。

【００１１】さらに、前記ワイヤー補強部と把持部先端
をつなぐテーパー部の長さを１５〜３０ｍｍとすればよ
り好ましいものとなる。このような構成とすれば、ブラ
シ部が奥歯の歯間に届きやすくなるとともに、鏡を見な
がら奥歯の歯間部に使用する場合でも、把持部の太さが
邪魔になって見えなくなるようなこともなく、操作性が
向上する。

【００１２】また、少なくとも前記ワイヤー補強部を曲
げ弾性率２００〜７００ＭＰａのポリエチレンまたはポ
リプロピレン樹脂を用いて成形すれば、より好ましい。
このような曲げ弾性率の樹脂を用いてワイヤー補強部を
構成した場合、ワイヤー補強部位置でブラシ部が曲げや
すくなるとともに、繰り返し使用に対するワイヤーの耐
久性が向上する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１および図２に本発明に
係る歯間ブラシの第１の実施の形態を示す。図１（ａ）
は歯間ブラシの側面図、図１（ｂ）は平面図、図１
（ｃ）は図１（ａ）中のＡ−Ａ線断面図、図２はブラシ
部をワイヤー補強部位置で曲げた状態の平面図である。

【００１４】図示例の歯間ブラシは、２つ折りとした金
属製のワイヤー１の間に合成樹脂製のフィラメントから
なる短繊維毛２を挟み込んだ後、ワイヤー１を捻じるこ
とによって短繊維毛２を捻じり植毛したブラシ部３と、
ワイヤー１の根元部を一体成形によってポリエチレンま
たはポリプロピレン樹脂からなるワイヤー補強部４と、
歯間清掃時に指で掴んで保持するための把持部５と、該
把持部５の先端とワイヤー補強部４との間を結ぶテーパ
ー部６とから構成されており、ブラシ部３を構成するワ
イヤー１の根元部は、ワイヤー補強部４を通ってテーパ
ー部６内まで延ばされ、一体成形によって埋め込まれて
いる。以上述べた形状は、従来周知の歯間ブラシと同様
の構成になるものである。

【００１５】第１の実施の形態に係る歯間ブラシは、上
記構成になる歯間ブラシにおいて、前記把持部５の断面
形状を図１（ｃ）に示すように楕円形とするとともに、
テーパー部６の長さＬを１５〜３０ｍｍとし、さらに、
ワイヤー補強部４、テーパー部６、把持部５を構成する
樹脂材料として、曲げ弾性率２００〜７００ＭＰａのポ
リエチレンまたはポリプロピレン樹脂を用いたものであ
る。

【００１６】把持部５の楕円形断面の寸法は、図１
（ｃ）において、長径１０ｍｍ、短径６ｍｍの楕円形と
した。また、ブラシ部３は、ワイヤー１としてステンレ
ス(SUS304)製の直径０．３ｍｍのワイヤーを用い、この
ワイヤーを２つ折りにしてその間に太さ０．０７６ｍｍ
（３ミル）のナイロンフィラメントからなる短繊維毛２
を挟み込み、ワイヤー１を捻じって固定した後、短繊維
毛２を所定毛丈に切り揃えることにより構成した。短繊
維毛２のワイヤー長手方向に沿った植毛幅は約１０ｍｍ
である。

【００１７】ワイヤー補強部４は、曲げやすく、また狭
い歯間部に挿入する際にワイヤー補強部４の太さが刷掃
を妨げることがないようにするために、直径２ｍｍ以下
とすることが好ましい。図示例の場合、ワイヤー補強部
４の太さは直径１．６ｍｍ、長さは４．０ｍｍとした。

【００１８】テーパー部６の長さＬは、奥歯の歯間部に
ブラシ部３が届きやすくするために、少なくとも１５ｍ
ｍ以上の長さとすることが好ましいが、逆に、長すぎる
と、携帯用として不具合を生ずる場合もあるので、前述
したように１５〜３０ｍｍの範囲とするのがよい。図示
例の場合、携帯に便利な長さとして、ブラシ部３の先端
から把持部５の末端までの歯間ブラシ全長を約６０ｍｍ
とし、テーパー部６の長さＬを１６ｍｍとした。なお、
携帯用のショート・ストレートタイプの歯間ブラシとす
る場合、把持部５の長さは２０〜４０ｍｍの範囲とする
ことが好ましい。

【００１９】なお、埋設するワイヤー１の後端部分は、
図１（ａ）に示すように、予め「く」の字状に折り曲
げ、簡単に抜けることがないようになされている。ま
た、本発明の歯間ブラシの場合、テーパー部６が従来の
歯間ブラシに比べて十分に長いので、ワイヤー１の末端
を把持部５の位置に到達するほど長く埋め込む必要はな
く、図示するようにテーパー部６内に届く程度の埋め込
み距離で十分である。

【００２０】把持部５、テーパー部６およびワイヤー補
強部４を構成する樹脂素材としては、ワイヤー補強部４
によるワイヤー補強機能を考慮して検討した。その結
果、曲げた場合にヒンジ効果のあるポリエチレンまたは
ポリプロピレン樹脂が好ましいことが判明した。また、
ワイヤー補強部４は、歯間ブラシ使用中にもワイヤーが
安定して固定していることが必要であり、樹脂の曲げ弾
性率が小さすぎるとブラシ部３が安定せず、操作に不具
合を生ずる。実験によれば、少なくとも２００ＭＰａ以
上の弾性率の樹脂が好ましいことが判明した。

【００２１】すなわち、軟らかすぎるポリエチレンまた
はポリプロピレン樹脂で成形すると、ワイヤー補強部４
を曲げた後にゴム弾性とクリープ回復の性質により元に
戻ってしまうため、使いにくくなり、また逆に、硬すぎ
るポリエチレンまたはポリプロピレン樹脂で成形する
と、ワイヤー補強部４を曲げた状態には保ちやすいが、
樹脂の弾力性が乏しいため、口腔内で使用中にワイヤー
補強部４よりも外側の位置でワイヤー１のみが曲がるこ
とが多く、該部で折れやすくなってワイヤーの補強効果
が弱くなる。

【００２２】そこで、本発明者はこれらの点を勘案して
実験を繰り返した結果、適切な樹脂としては、前述した
ように曲げ弾性率２００〜７００ＭＰａのポリエチレン
またはポリプロピレン樹脂が好ましいことを見い出し
た。なお、図示実施の形態に係る歯間ブラシの場合、曲
げ弾性率３００ＭＰａのポリエチレン樹脂を用いた。

【００２３】上記構成になる第１の実施の形態の歯間ブ
ラシの場合、把持部５の断面形状を楕円形としているの
で、把持部５を指で掴んで保持する際に指によくフィッ
トし、保持しやすくなる。これにより、ワイヤー補強部
４の位置でブラシ部３を曲げて奥歯の歯間を刷掃する場
合でも、的確に奥歯（特に下側の奥歯）の歯間部に当て
ることができる。また、保持がしっかりできるので、挿
入して前後に動かしやすくなり、歯間部の清掃が容易に
なる。

【００２４】また、ワイヤー補強部４と把持部５をつな
ぐテーパー部６の長さを１５〜３０ｍｍとしているの
で、ブラシ部３が奥歯の歯間に届きやすくなるととも
に、鏡を見ながら奥歯の歯間部に使用する際でも、把持
部の太さが邪魔になって見えなくなるようなこともなく
なり、操作性が向上する。

【００２５】また、弾性率２００〜７００ＭＰａのポリ
エチレンまたはポリプロピレン樹脂を用いてワイヤー補
強部４を一体成形しているので、図２に示すように、ワ
イヤー補強部４の位置でブラシ部３を曲げやすくなると
ともに、繰り返し使用に対するワイヤー１の耐久性も向
上する。

【００２６】図３に本発明に係る歯間ブラシの第２の実
施の形態を示す。図３（ａ）は歯間ブラシの側面図、図
３（ｂ）は平面図、図３（ｃ）は図３（ａ）中のＢ−Ｂ
線断面図、図３（ｄ）は図３（ａ）中のＣ−Ｃ線断面
図、図３（ｅ）は図３（ａ）中のＤ−Ｄ線断面図であ
る。

【００２７】この第２の実施の形態は、前記第１の実施
の形態と同様な構造になる歯間ブラシにおいて、把持部
５の形状を変えたものである。すなわち、把持部５の全
体を断面楕円形に形成するとするとともに、その中央部
に小さなくびれ部７を形成することにより、把持部５を
さらに持ちやすくしたものである。把持部５の各部の太
さの寸法例を挙げると、最大太さ部分（図３（ａ）中の
Ｂ−ＢおよびＤ−Ｄ部分）が長径７．５ｍｍ、短径６ｍ
ｍの楕円形、最小太さ部分（図３（ａ）中のＣ−Ｃ部
分）が長径６ｍｍ、短径４．５ｍｍの楕円形である。

【００２８】このようにくびれ部７を備えた把持部５と
した場合、把持部５を指で掴んで持った時の指へのフィ
ット性をさらに向上させることができ、操作性をより向
上することができる。

【００２９】なお、前述した第１の実施の形態では把持
部５の全体形状を同一断面の楕円形に、また第２の実施
の形態では把持部５の中央部にくびれ部７を備えた楕円
形に形成した場合を例示したが、把持部５の全体形状は
これらに限られるものではなく、把持部５の各部の断面
形状が楕円形とされていればよい。

【００３０】

【実施例】図１に示す第１の実施の形態に係る歯間ブラ
シを試作し、この試作品を用いて実際に使用テストし
た。その結果、従来の円柱状把持部の歯間ブラシよりも
把持部の指へのフィット性が良く、持ちやすいことが確
認された。また、図２に示すように、ブラシ部３をワイ
ヤー補強部４で折り曲げてから奥歯の歯間部に使用した
ところ、テーパー部６が細長のため、把持部５の先端部
分が視界の邪魔をすることがなく、ブラシ部３の先端が
奥歯によく届き、挿入しやすく、刷掃しやすいことが確
認された。

【００３１】図３に示す第２の実施の形態に係る歯間ブ
ラシを試作し、この試作品を用いて実際に使用テストし
た。その結果、くびれ部７が存在するため、上記第１の
実施の形態の歯間ブラシよりもさらに指へのフィット性
が向上し、操作性もさらによいことが確認された。

【００３２】

【発明の効果】本発明の歯間ブラシによれば、把持部の
断面形状を楕円形としているので、把持部を指で掴んで
持った時に指によくフィットし、さらに、使用時には歯
間ブラシが回転することなく安定して保持することがで
き、操作性が向上する。

【００３３】また、ワイヤー補強部と把持部の間をつな
ぐテーパー部の長さを１５〜３０ｍｍとし、従来の歯間
ブラシに比べてテーパー部を細長くしているので、鏡を
見ながら奥歯の歯間部に使用するような場合でも把持部
の太さが邪魔になって見えなくなるようなこともなくな
り、奥歯の歯間部にもブラシ部が届きやすくなって操作
性が向上する。

【００３４】さらに、少なくともワイヤー補強部を曲げ
弾性率２００〜７００ＭＰａのポリエチレンまたはポリ
プロピレン樹脂で成形したので、ワイヤー補強部の先端
側でワイヤーが折れるようなことがなくなり、ワイヤー
に対する補強効果を高めることができる。また、ワイヤ
ー補強部でブラシ部を曲げやすくなり、操作性をさらに
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態を示すもので、（ａ）は側面
図、（ｂ）平面図、（ｃ）は（ａ）中のＡ−Ａ線断面図
である。

【図２】ブラシ部をワイヤー補強部位置で曲げた状態の
歯間ブラシの平面図である。

【図３】第２の実施の形態を示すもので、（ａ）は側面
図、（ｂ）は平面図、（ｃ）は（ａ）中のＢ−Ｂ線断面
図、（ｄ）は（ａ）中のＣ−Ｃ線断面図、（ｅ）は
（ａ）中のＤ−Ｄ線断面図である。

【符号の説明】

１ワイヤー２短繊維毛３ブラシ部４ワイヤー補強部５把持部６テーパー部７くびれ部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ワイヤーに短繊維毛を挟んで捻じり植毛
したブラシ部を備え、前記ワイヤーの根元部を樹脂製に
なるストレートタイプの把持部の先端に埋設して一体成
形した歯間ブラシであって、前記把持部の先端をブラシ
部に向かって径が狭まっていくテーパー状に形成すると
ともに、該テーパー部の先端にワイヤー根元部を覆う所
定長さからなるワイヤー補強部を一体成形した歯間ブラ
シにおいて、前記把持部の断面形状を楕円形としたこと
を特徴とする歯間ブラシ。
【請求項２】前記ワイヤー補強部と把持部先端をつな
ぐテーパー部の長さを１５〜３０ｍｍとしたことを特徴
とする請求項１記載の歯間ブラシ。
【請求項３】少なくとも前記ワイヤー補強部を曲げ弾
性率２００〜７００ＭＰａのポリエチレンまたはポリプ
ロピレン樹脂を用いて成形したことを特徴とする請求項
１または２記載の歯間ブラシ。