JP4700415B2 - 生検鉗子 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡のチャンネルを介して体腔内に挿入し、生体組織等を採取する生検鉗子に関するものである。
従来より、内視鏡のチャンネルを利用して体腔内に挿入し、生体組織に対して各種の処置を行う生体鉗子としては様々なものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的な生検鉗子を、図18に示す。この生検鉗子60は、生体組織を採取することで、組織生検をするものであって、可撓性を有する長尺な密巻きのコイル61と、該コイル61の先端に固定されたカップ保持部62と、該カップ保持部62にピン63により回転自在に固定された一対の生検カップ64、65と、コイル61内を進退自在に挿通された2本の操作ワイヤ66、67と、該操作ワイヤ66、67を手元側で進退操作させる図示しない操作部とを備えている。
一対の生検カップ64、65は、それぞれが半球状に形成されており、基端側には手元側に伸びたアーム部68、69がそれぞれ接続されている。この2つのアーム部68、69は、互いに重ね合わせることができるように形成されており、長さ方向における略中心で上述したようにピン結合されている。また、アーム部68、69の基端側に、2本の操作ワイヤ66、67がそれぞれ回転可能に固定されている。
このように構成された生検鉗子60により生体組織を採取する場合には、まず、手元側の操作部により2本の操作ワイヤ66、67を先端側に押し出す。操作ワイヤ66、67が押されると、ピン63を中心としてアーム部68、69がそれぞれ左右に重ね合わさった状態でピン63を中心としてそれぞれ反対方向に回転するので、カップ64、65が外側に広がる。カップ64、65が開いた後、生検鉗子60を生体組織に押し付けて、開いた一対のカップ64、65の間に生体組織を位置させる。この状態で、手元側の操作部により操作ワイヤ66、67を基端側に引っ張ると、ピン63を中心にアーム部68、69が上述した方向とは逆の方向にそれぞれ回転してカップ64、65が閉じる。その結果、一対のカップ64、65内に生体組織を採取することができる。
特に、軟性処置具の場合には、操作ワイヤ66、67を引く方向に力の伝達性が優れているので、生体組織を採取する際により力をかけられるようになっている。
特開2000−175928号公報
しかしながら、上述した生検鉗子では以下の課題が残されていた。
即ち、従来の生検鉗子60は、図18に示すように、操作ワイヤ66、67を押し込んだときに、一対のカップ64、65に接続されたアーム部68、69がピン63を中心として回転する構造であるので、一対のカップ64、65が開いたときに、該一対のカップ64、65がなす最大幅W3がカップ保持部の外径W4よりも大きくなってしまうものであった。
ここで、図19に示すように、生検鉗子60を、気管支や膵胆管等、生検鉗子の外径程度の管腔H内に挿入する場合があるが、この場合にはカップ64、65が管腔壁に抑えられてしまっている状態となる。そのため、操作ワイヤ66、67を押し出したとしても、カップ64、65を開くことが困難な場合があった。
特に、軟性の操作ワイヤを使用している場合には、一対のカップ64、65が体腔壁を押し退けるよりも先に操作ワイヤ66、67が撓む等の変形が生じ易く、カップ64、65に力が伝達し難かった。このような場合には、管腔壁を押し退けてカップ64、65を開かせることがより困難であった。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入したとしても、管腔壁の影響を極力受けずにカップを開閉することができる生検鉗子を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、
該挿入部の先端に設けられたカップ保持部と、該カップ保持部に、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定され、生体組織を採取する空間が形成されたカップと、該カップに先端が固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された操作ワイヤと、前記挿入部の基端側に設けられ、前記操作ワイヤを前記軸線方向に進退操作する操作部とを備え、前記回転軸が、前記空間を横切るように設けられ、前記カップが、前記操作部による進退操作に応じて回転して開閉することを特徴とする生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、まず、内視鏡のチャンネル内に挿入部を挿入して体腔内に該挿入部を導入する。そして、挿入部を内視鏡挿入部の先端から突出させると共に、採取目標である生体組織に近づける。この状態で、操作部を先端側に動かして操作ワイヤを押し込み操作する。この操作ワイヤの移動に伴って、カップが回転軸を中心として回転して開いた状態となる。そして、カップが開いた後、挿入部全体をさらに押し込んで、生体組織に押し付ける。押し付けた後、操作部を基端側に移動させて、操作ワイヤを引張り操作する。これを受けて、カップは回転軸を中心として、上述した方向とは逆方向に回転して閉状態となる。この開状態から閉状態への移行の際に、カップは生体組織を削り採るように採取する。その結果、カップ内の空間に生体組織を収容することができる。
特に、カップは、生体組織を収容する空間を横切るように設けられた回転軸回りに回転するので、回転中心とカップ先端との距離を極力小さくすることができる。ここで、従来の生検鉗子は、カップの基端側に伸びたアーム部に回転軸があるので、回転中心とカップ先端との距離が長く、カップを回転させて開状態としたときに、カップ保持部の外径よりカップの先端が外方に飛び出してしまうものであった。これに対して、本発明の生検鉗子は、上述したように、回転中心とカップ先端との距離を極力小さくできるので、カップを回転させて開状態としたときに、カップの先端をカップ保持部の外径内に極力収めることができる。
よって、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入されたとしても、従来と比べて管腔壁から受ける影響を小さくでき、カップの開閉操作を容易且つ確実に行うことができる。従って、生体組織の採取作業がし易い。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の生検鉗子において、前記カップが、一対のカップであり、前記操作部による進退操作に応じて少なくともいずれか一方のカップが前記回転軸回りに回転して開閉する生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子は、操作部による進退操作に応じて、例えば、一方のカップが回転軸回りに回転して開閉したり、両方のカップが回転軸を中心として互いに逆方向に回転したりして開閉する。いずれの場合においても、回転中心とカップ先端との距離が極力小さいので、閉状態又は開状態に関わらず一対のカップがなす最大幅を小さくでき、カップ保持部の外径内に収めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の生検鉗子において、前記一対のカップが、閉状態から開状態に至る間、両カップがなす最大幅が前記カップ保持部の外径以下である生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、一対のカップがなす最大幅が、閉状態から開状態に至るまでの間、カップ保持部の外径以下であるので、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入されたとしても、従来の生検鉗子のようにカップが管腔壁を押し退けながら開く必要がない。よって、カップは、管腔壁から何ら影響を受けずに円滑に回転して開閉する。その結果、生体組織の採取作業をより確実に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の生検鉗子において、前記一対のカップが、閉状態のときに前記回転軸方向から見て球状となるように形成され、球の中心に前記回転軸が設けられている生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、一対のカップが閉状態のときに球状となるように形成されているので、突起物等がなく、管腔内に挿入したときに管腔壁に対するひっかかり等を防止することができる。よって、安全性を高めることができる。また、球の中心に回転軸が設けられているので、カップの回転軌跡が円形となり、開閉状況に関わらず一対のカップがなす最大幅が常に同じ幅になると共に、カップ保持部の外径以下となる。そのため、カップを開状態のまま、内視鏡のチャンネル内に挿入することもでき、鉗子操作がより簡便となる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の生検鉗子において、前記一対のカップのうち一方のカップには、外周面が他方のカップの内周面に摺動しながら所定量だけ収納される摺動領域が外周面に形成されている生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、一方のカップの外周面に摺動領域が形成されているので、カップを開操作すると、一方のカップの外周面が他方のカップの内周面に摺動しながら重なって、所定量だけ内部に収納される。つまり、一方のカップが部分的に他方のカップ内に収納された形で開状態となる。
このように、回転軸を中心として確実にカップの開閉操作を行うことができる。また、部分的に重なって厚みが増しているので、強度が増し生体組織の採取作業がより易い。
請求項6に係る発明は、請求項4に記載の生検鉗子において、前記一対のカップが、前記回転軸を中心として互いに逆方向に回転可能とされ、互いに重ね合わせ可能に半球状に形成されて開状態のときに互いに摺動しながら所定量だけ左右に重なる切欠部がそれぞれ形成されている生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、まず、一対のカップが互いに重ね合わさることで閉状態となっている。そして、一対のカップを開操作したときに、それぞれのカップが相手側のカップに形成された切欠部内に入り込んで、摺動しながら所定量だけ移動する。つまり、それぞれのカップは、左右に並んだ形で開状態となる。このように、回転軸を中心として確実に一対のカップの開閉操作を行うことができる。特に、それぞれのカップは、2重に重なることはないので、より大きな内部容積を確保することができ、生体組織の採取がし易くなる。
請求項7に係る発明は、請求項2から6のいずれか1項に記載の生検鉗子において、前記操作ワイヤが、少なくとも先端側が弾性力を有する弾性ワイヤであり、前記カップを開状態にするよう付勢する生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、弾性ワイヤによりカップを開状態にするよう付勢しているので、操作部を操作しない通常時では、カップは常に開いている。従って、生体組織を採取する際に、開操作の手間を一手順省くことができ、操作がより簡便になって操作性が向上する。
請求項8に係る発明は、内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、該挿入部の先端に設けられ、半球状の固定カップを内周面が先端に向くように有するカップ保持部と、前記固定カップに、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定された半球状の可動カップと、前記回転軸回りを互いに逆方向に回転するように前記可動カップに先端がそれぞれ固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された一対の操作ワイヤと、前記挿入部の基端側に設けられ、前記一対の操作ワイヤを前記軸線方向に沿ってそれぞれ逆方向に進退操作する操作部とを備え、前記可動カップが、前記操作部による進退操作に応じて前記固定カップの内周面に自身の外周面が摺動するように回転収納されて開閉する生検鉗子を提供する。
この発明に係る生検鉗子においては、内視鏡のチャンネル内に挿入部を挿入して体腔内に該挿入部を導入する。そして、挿入部を内視鏡挿入部の先端から突出させると共に、採取目標である生体組織に近づける。この状態で、操作部を基端側に動かして一対の操作ワイヤを軸線方向に沿ってそれぞれ逆方向に進退操作する。この進退操作により、一対の操作ワイヤの先端側は回転軸回りを互いに逆方向に向けて回転する。これにより、可動カップは、一方の操作ワイヤで引っ張られると共に、他方の操作ワイヤで同方向に押されるので、回転軸を中心として一方向に回転する。その結果、可動カップは、外周面が固定カップの内周面に摺動しながら回転して固定カップ内に収納され、開状態となる。
可動カップが開いた後、挿入部全体をさらに押し込んで、生体組織に押し付ける。押し付けた後、操作部を基端側に移動させて、一対の操作ワイヤをそれぞれ上述した方向とは逆向きにそれぞれ進退操作する。これにより、可動カップは、上述した動作とは逆の動きをして元の位置に回転して戻り、閉状態となる。その結果、可動カップと固定カップとで囲まれた内部空間に生体組織を採取することができる。
特に、可動カップは、固定カップに設けられた回転軸回りに回転して固定カップ内に収納されるので、カップ保持部の外径より大きな幅となることはない。よって、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入されたとしても、従来のものとは異なり、管腔壁から何ら影響を受けることはなく、円滑に回転して開閉する。
よって、可動カップの開閉操作を確実に行うことができ、生体組織の採取作業をより確実に行うことができる。また、可動カップのみが回転する片開きタイプであるので、部品点数が少なく構成が容易であり、組み立て易い。更に、半球状の可動カップが略180度開く構成であるので、より広いカップ開口を確保できることからも生体組織の採取作業を行い易い。
本発明に係る生検鉗子によれば、カップが生体組織を収容する空間を横切るように設けられた回転軸回りに回転するので、回転中心とカップ先端との距離を極力小さくすることができ、開状態のときにカップの先端をカップ保持部の外径内に極力収めることができる。従って、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入されたとしても、従来と比べて管腔壁から受ける影響が小さく、カップの開閉操作を容易且つ確実に行うことができる。
以下、本発明に係る生検鉗子の第1実施形態について、図1から図9を参照して参照して説明する。
本実施形態の生検鉗子1は、図1から図4に示すように、内視鏡2の内視鏡挿入部3に形成された処置具チャンネル(チャンネル)4内に挿入され、可撓性を有する密巻きのコイル(挿入部)10と、該コイル10の先端に設けられたカップ保持部11と、該カップ保持部11に、コイル10の軸線Lに直交する回転軸X回りに回転可能に固定された一対のカップ9と、該カップ9に先端が固定されると共に、カップ保持部11及びコイル10内に挿通された操作ワイヤ14と、コイル10の基端側に設けられ、操作ワイヤ14を軸線L方向に進退操作する操作部16とを備えている。また、回転軸Xは、採取した生体組織を収容するカップ9内の空間を横切るように設けられている。この回転軸Xについては、後に詳細に説明する。
上記コイル10は、長尺な管状体であり、基端側が後述する上記操作部16の操作部本体30の先端側に固定され、先端側がカップ保持部11の基端側に固定されている。また、コイル10の外周には、樹脂性材料から形成された外チューブ17が先端側から基端側に亘って被覆されている。
上記カップ保持部11は、図4に示すように、所定の厚みを有した管状体であり、内部に開口11aが形成された中間壁11bが設けられている。そして、この中間壁11bの基端面に上記コイル10の先端側が接触した状態で固定されている。また、カップ保持部11は、図3及び4に示すように、回転軸X方向から見たときに、先端が突出した略三角形状に形成されており、その頂角付近に開口11cが形成されている。
上記カップ9は、図3に示すように、内カップ(一方のカップ)12と、外カップ(他方のカップ)13とから構成された一対のカップとされている。そして、両カップ12、13のそれぞれに、上記ワイヤ14の先端が固定されている。この一対のカップ12、13は、閉状態のときに回転軸X方向から見て球状となるように組み合わさっており、球の中心に回転軸Xが位置するように上記カップ保持部11に設けられている。
内カップ12は、図5に示すように、回転軸X方向から見て半球状になるように形成されており、そのうちの約半分を占める基端側部分(1/4球部分)12aは、外径が若干小さくなるように表面が削られ、外カップ13の内側に収納できるようになっている。即ち、この基端側部分12aは、外カップ13の内周面に摺動しながら所定量だけ収納される摺動領域となっている。なお、この基端側部分12aの肉厚は、先端側部分(1/4球部分)12bの肉厚の、約半分の厚さに形成されている。また、基端側部分12aと先端側部分12bとの間には、厚みの違いによる段部12cが形成されている。
また、内カップ12の基端側(基端側部分12a)には、一方の操作ワイヤ14の先端が回転可能に固定されるワイヤ接続部18が外方に突出するように設けられている。また、内カップ12の両側には、上記カップ保持部11の開口11cに挿通される突起状の回転軸部材(ピン)19が設けられている。つまり、この2つの回転軸部材19の中心を結ぶ線が回転軸Xとなっている。これにより回転軸Xは、カップ9内の空間を横切るようになっている。
上記外カップ13は、図6に示すように、回転軸X方向から見て半球状に形成されており、内カップ12の基端側部分12aが摺動しながら収納できる大きさに形成されている。また、外カップ13の基端側には、他方の操作ワイヤ14の先端が回転可能に固定されるワイヤ接続部20が形成されていると共に、内カップ12のワイヤ接続部18が通過できるスリット21が形成されている。また、外カップ13の両側には、上記回転軸部材19に挿通される開口13aが形成されている。
つまり、内カップ12の回転軸部材19は、図4に示すように、外カップ13の開口13a及びカップ保持部11の開口11cをそれぞれ挿通するようになっている。これにより、内カップ12及び外カップ13は、カップ保持部11に対して回転軸部材19を中心として回転軸X回りに回転するようになっている。そのため、一対のカップ12、13は、図7に示すように、閉状態から開状態に至る間、円形の回転軌跡となって最大幅W1が変化しないようになっている。また、その最大幅W1はカップ保持部11の外径W2以下になるように形成されている。
上記操作ワイヤ14は、図3及び図4に示すように、コイル10内から中間壁11bの開口11aを通ってカップ保持部11内に配されており、先端が内カップ12及び外カップ13のワイヤ接続部18、20にそれぞれ回転可能に接続されている。この際、外側から折り曲がる形で接続され、ワイヤ接続部18、20が左右に並んだとしても、2本の操作ワイヤ14同士が干渉しないようになっている。また、操作ワイヤ14は、中間壁11b付近で固定パイプ25によって共に固定されて、その基端側は後述する操作部16のスライド部31に接続されている。この固定パイプ25によって、2本の操作ワイヤ14は共に同期して進退移動するようになっている。
また、一対のカップ12、13は、図3に示すように、内カップ12の先端側部分12bの外縁と外カップ13の外縁とが接触した状態で閉状態となっているので、操作ワイヤ14を先端側に押し込んだときに、図7に示すように、一方の操作ワイヤ14が上向きに移動して、内カップ12を回転軸Xを中心として左回りに回転させると共に、他方の操作ワイヤ14が下向きに移動して、外カップ13を回転軸Xを中心として右回りに回転させるようになっている。
このように、一対のカップ12、13は、操作部16による進退操作に応じて、回転軸X回りを互いに逆方向に回転することで開閉するようになっている。
上記操作部16は、図2に示すように、略軸状の操作部本体30と、該操作部本体30に対して軸線L方向に進退操作(スライド)可能なスライド部31とを備えている。操作部本体30には、スライド部31のガイド溝30aが軸線L方向に形成されており、該ガイド溝30aに沿ってスライド部31がスライドするように装着されている。
また、スライド部31には、上述したように操作ワイヤ14の基端側が接続されている。これにより、スライド部31をガイド溝30aに沿ってスライド操作したきに操作ワイヤ14が進退操作されて、上述したように一対のカップ12、13が開閉するようになっている。
また、操作部本体30の基端側には、親指を挿入できる指掛けリング30bが取り付けられており、同様に、スライド部31には人指し指及び中指で両側から把持できる凹部31aが形成されている。これにより、操作者は、片手で容易に操作部16を操作できるようになっている。
このように構成された生検鉗子1により、カップ保持部11の外径W2と同程度の大きさを有する膵胆管内の図示しない生体組織を採取する場合について説明する。
まず、内視鏡挿入部3を患者の体腔内に挿入し、内視鏡挿入部3の先端を膵胆管の入口付近に位置させる。次いで、処置具チャンネル4から生検鉗子1のコイル10を挿入し、一対のカップ12、13を内視鏡挿入部3の先端から突出させる。この際、スライド部31を基端側に移動させて、図3に示すように、一対のカップ12、13を閉状態にして挿入する。
一対のカップ12、13が突出した後、コイル10をさらに処置具チャンネル4内に押し込んで、一対のカップ12、13を膵胆管に挿入し、採取目標である生体組織に近づける。次いで、この状態でスライド部31を先端側に移動させて、操作ワイヤ14を押し込み操作する。この操作ワイヤ14の移動に伴って、図7に示すように、一対のカップ12、13が回転軸Xを中心として互いに逆方向に回転して開く。
即ち、一方の操作ワイヤ14が、回転軸Xを中心として内カップ12を左回りに回転させ、他方の操作ワイヤ14が、回転軸Xを中心として外カップ13を右回りに回転させる。この両カップ12、13の相対的に回転により、内カップ12の基端側部分12aが完全に外カップ13内に入り込んで収納され、外カップ13の外縁が内カップ12の段部12cに接触して両カップ12、13の回転が停止する。また、内カップ12のワイヤ接続部18は、外カップ13に形成されたスリット21内を摺動しながら通過するので、回転に影響を与えることはない。
その結果、内カップ12と外カップ13との間が略90度開口した状態で、開状態となる。なお、両ワイヤ接続部18、20は、開状態のときにカップ保持部11内から外部に露出しないように設けられている。
一対のカップ12、13が開いた後、コイル10をさらに処置具チャンネル4内に押し込んで、一対のカップ12、13を生体組織に押し付ける。そして、押し付けたままスライド部31を基端側に移動させて、操作ワイヤ14を引張り操作する。これにより、一対のカップ12、13は回転軸Xを中心として、上述した方向とは逆方向にそれぞれ回転して閉状態となる。その結果、一対のカップ12、13内に生体組織を採取することができる。
特に、一対のカップ12、13は、生体組織を収容するカップ9内の空間(即ち、一対のカップ12、13で囲まれた空間)を横切るように設けられた回転軸X回りに回転する
ので、回転中心とカップ12、13先端との距離を極力小さくでき、開状態のときにカップ12、13の先端をカップ保持部11内の外径以下に収めることができる。具体的には、一対のカップ12、13が回転軸X方向から見たときに球状に形成されて最大幅W1が常にカップ保持部11の外径W2以下とされているので、カップ保持部11の外径W2と同程度の膵胆管内に挿入されても、従来の生検鉗子のように一対のカップ12、13が管腔壁を押し退けながら開く必要がない。よって、一対のカップ12、13は、管腔壁から何ら影響を受けずに円滑に回転して開閉する。その結果、生体組織の採取作業を容易且つ確実に行うことができる。
また、一対のカップ12、13を開状態のまま処置具チャンネル4内に挿入することもできるので、鉗子操作が簡便である。更に、一対のカップ12、13は、閉状態のときに円形になるよう組み合わされているので、突起物等がなく、挿入の際に膵胆管に対して引っ掛かり等を防止でき、安全性を高めることができる。
また、内カップ12は、予め基端側部分12aが部分的に外カップ13内に収納された形で開状態となるので、内カップ12と外カップ13とが強固に組み合わさる。よって、生体組織の採取の際、該生体組織への押し付け動作を確実に行うことができる。また、一対のカップ12、13を開状態から閉状態に移行する際、内カップ12の外周面が外カップ13の内周面に摺動しながら回転するので、安定した回転動作を確保でき、信頼性を高めることができる。
なお、本実施形態において、操作ワイヤ14を押し込んだときに、先端側を所定の方向に移動し易いように、予め操作ワイヤ14にクセをつけておいても構わない。
即ち、図8及び9に示すように、内カップ12に接続されている一方の操作ワイヤ14の先端側を予め下向きに湾曲させてより下向きに移動し易いようにし、外カップ13に接続されている他方の操作ワイヤ14の先端側を予め上向きに湾曲させてより上向きに移動し易いように構成しても構わない。こうすることで、より円滑に一対のカップ12、13を回転操作することができる。
次に、本発明に係る生検鉗子の第2実施形態を、図10から図13を参照して以下に説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態と第2実施形態との異なる点は、第1実施形態の生検鉗子1は、内カップ12が部分的に外カップ13内に収納された形で開状態とされていたのに対し、第2実施形態の生検鉗子40は、内カップ(一方のカップ)41と外カップ(他方のカップ)42とが2重に重ならず、左右に並んだ形で開状態となる点である。
即ち、本実施形態の生検鉗子40は、図10から図12に示すように、カップ45が、下カップ41と上カップ42とから構成された一対のカップとされており、下カップ41及び上カップ42が互いに重ね合わせ可能に形成されると共に、開状態のときに互いに摺動しながら所定量だけ左右に重なる切欠部43、44がそれぞれ形成されている。
下カップ41及び上カップ42は、共に同一形状に形成されており、図12に示すように、回転軸X方向から見た時に半球状に形成されていると共に、図13に示すように、基端側の半分の領域には所定量だけ開口した上記切欠部43、44が形成されている。また、両カップ41、42の基端側の外縁部分には、操作ワイヤ14の先端が固定されている。また、両カップ41、42の一方の片側には、回転軸部材19が形成されていると共に、他方の片側には、回転軸部材19が挿通される開口41a、42aが形成されている。
つまり、図11に示すように、下カップ41と上カップ42とは、それぞれ重ね合わされた状態で、それぞれの回転軸部材19が相手側のカップの開口42a及びカップ保持部11の開口11cをそれぞれ挿通するようになっている。これにより、下カップ41及び上カップ42は、カップ保持部11に対して回転軸X回りに回転するようになっている。
この際、図12に示すように、下カップ41の基端側は上カップ42の切欠部44内を摺動するように回転し、上カップ42の基端側は下カップ41の切欠部43内を摺動するように回転するので、互いに重ならず、左右に並んだ形で開状態となる。
なお、回転軸Xは、カップ45内の空間(即ち、下カップ41と上カップ42とで囲まれる空間)を横切るようになっている。
また、本実施形態の操作ワイヤ14は、図12に示すように、バネ鋼材(弾性ワイヤ)であり、一対のカップ41、42を開状態にするように付勢している。つまり、一方の操作ワイヤ14は、回転軸Xを中心として左回りに下カップ41を回転させるよう上向きに付勢しており、他方の操作ワイヤ14は、回転軸Xを中心として右回りに上カップ42を回転させるよう下向きに付勢している。これにより、本実施形態の生検鉗子40は、通常時が開状態となっている。
このように構成された生検鉗子40により、生体組織を採取する場合について説明する。
まず、処置具チャンネル4内に挿入して、内視鏡挿入部3の先端から一対のカップ41、42を突出させた後、膵胆管内に挿入して採取目標である生体組織の近傍に位置させる。この際、一対のカップ41、42は、図12に示すように、操作ワイヤ14による付勢を受けて開状態となっている。よって、術者は、一対のカップ41、42の開操作の手間を一手順省くことができ、そのまま一対のカップ41、42を生体組織に押し付けることができる。よって、操作がより簡便になって操作性が向上する。
また、この開状態は、それぞれの切欠部43、44内に下カップ41及び上カップ42の基端側が摺動しながら入り込んでおり、下カップ41と上カップ42とが左右に並んだ形となっている。よって、より大きなカップ容積が確保されている。また、操作ワイヤ14の先端側が直接下カップ41及び上カップ42の基端側の外縁に取り付けられているので、第1実施形態のワイヤ接続部18、20を有する構造よりも、より一対のカップ41、42を大きく開くことができる。
次いで、一対のカップ41、42を生体組織に押し付けた後、スライド部31を基端側に移動させて、操作ワイヤ14を引張り操作する。これにより、下カップ41が回転軸Xを中心として右回りに回転すると共に、上カップ42が回転軸Xを中心として左回りに回転して、図10に示すように、閉状態となり内部に生態組織を採取することができる。
特に、本実施形態の生検鉗子40は、上述したようにカップ容積が大きく、また、一対のカップ41、42がより大きく開くので生体組織を採取し易い。また、一対のカップ41、42の開操作を省くことができるので、鉗子操作がより簡便になる。
更に、生体組織を採取する際に、処置具チャンネル4や生検鉗子40の手元側から吸引をかけることで、生体組織をより一対のカップ41、42に引き寄せることができ、より大きな生体組織の採取を行うことができる。
次に、本発明に係る生検鉗子の第3実施形態を、図14から図17を参照して以下に説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の生検鉗子1は、内カップ12と外カップ13とが共に相対的に回転することで開閉する構成であったのに対し、第3実施形態の生検鉗子50は、半球状の可動カップ51のみが回転することで開閉する点である。
即ち、本実施形態の生検鉗子50は、図14から図17に示すように、コイル10の先端に設けられ、半球状の固定カップ52を内周面が先端に向くように有するカップ保持部53と、固定カップ52に、回転軸X回りに回転可能に固定された上記可動カップ51と、回転軸X回りを互いに逆方向に回転するよう可動カップ51に先端が固定されると共に、カップ保持部53及びコイル10内に挿通された一対の操作ワイヤ54、55と、コイル10の基端側に設けられ、一対の操作ワイヤ54、55を軸線L方向に沿ってそれぞれ逆方向に進退操作する操作部16とを備えている。
カップ保持部53は、上記固定カップ52と、該固定カップ52の基端側に対向する2本のアーム部53aを介して接続された管状部53bとで一体的に構成されている。管状部53bの内部には、第1実施形態と同様に開口11aが形成された中間壁11bが設けられている。また、固定カップ52の両側には、図14に示すように、中心に開口56aを有する円形のワイヤ支持部56が設けられている。そして、2つのワイヤ支持部56の中心を結ぶ線が回転軸Xとされている。また、各ワイヤ支持部56の外周には、一対の操作ワイヤ54、55が嵌って巻回されるワイヤ溝56bが形成されている。
上記可動カップ51は、固定カップ52の内周面に外周面が摺動しながら内部に収納できる大きさに形成されており、両側に上記ワイヤ支持部56の開口56aに回転可能に嵌合する突起状の回転軸部材(ピン)57が形成されている。これにより、可動カップ51は、回転軸Xを中心に回転して開閉するようになっている。
上記一対の操作ワイヤ54、55のうち、一方の操作ワイヤ54の先端側は、図15に示すように、可動カップ51が開いていない状態で、ワイヤ溝56bに沿って半回転した状態で可動カップ51に固定されている。また、この一方の操作ワイヤ54は、図17に示すように、コイル10を通ってワイヤ操作部本体30の指掛けリング30b付近内に設けられた回動ピン58で折り返された後、スライド部31に基端側が固定されている。なお、本実施形態のスライド部31は、一方の操作ワイヤ54を挿通する挿通孔31bが形成されている。
また、他方の操作ワイヤ55の先端側は、可動カップ51が開いている状態で、ワイヤ溝56bに沿って、上記一方の操作ワイヤ54とは逆方向に半回転した状態で可動カップ51に固定されている。この他方の操作ワイヤ55は、コイル10を通ってスライド部31に基端側が固定されている。
よって、スライド部31を軸線Lに沿って相対移動させることで、一方の操作ワイヤ54と他方の操作ワイヤ55とが軸線L方向に沿ってそれぞれ逆方向に移動して、可動カップ51を開閉操作できるようになっている。つまり、固定カップ52の内周面に可動カップ51の外周面を摺動させながら、該可動カップ51を回転軸X回りに回転操作できるようになっている。
また、固定カップ52の内周面には、突起状のストッパ59が形成されており、図15に示すように、可動カップ51が閉状態のときに外縁がストッパ59に接触する。これにより、確実な閉状態を確保すると共に、スライド部31の移動が規制されるので術者に閉状態を知らせることができるようになっている。
更に、図17に示すように、開状態においても、固定カップ52内に収納された可動カップ51の外縁がこのストッパ59に接触して回転が停止する。これにより、可動カップ51が固定カップ52に略完全に収納された時点で停止し、最大のカップ開口を確保できると共に、スライド部31の移動が規制されるので術者に可動カップ51が開状態になったことを知らせるようになっている。
このように構成された生検鉗子50により生体組織を採取する場合について説明する。
まず、処置具チャンネル4内に挿入して、内視鏡挿入部3の先端から可動カップ51を突出させると共に、膵胆管内に挿入させて採取目標である生体組織の近傍に位置させる。この際、スライド部31を基端側に移動させて、可動カップ51を閉じた状態で挿入する。即ち、スライド部31を基端側に移動させると、一方の操作ワイヤ54が回動ピン58で折り返されているので、先端側に押し込まれる。これにより、可動カップ51が回転軸Xを中心として左回りに回転し、固定カップ52のストッパ59に接触して閉状態となる。一方、他方の操作ワイヤ55は、可動カップ51の回転及びスライド部31の移動に伴って基端側に引っ張られる。
また、可動カップ51はストッパ59に接触して閉状態となっているので、それ以上回転せず、スライド部31の移動が規制される。これにより、術者は手元の感覚で確実に閉状態となったことを把握することができる。
次いで、可動カップ51を生体組織に近づけた後、スライド部31を先端側に移動させて、可動カップ51を開かせる。即ち、スライド部31を先端側に移動させると、一方の操作ワイヤ54が回動ピン58で折り返されているので、基端側に引っ張られると共に、他方の操作ワイヤ55が先端側に押される。これにより、可動カップ51が回転軸Xを中心として右回りに回転し、外周面が固定カップ52の内周面に摺動しながら固定カップ52内に収納される。そして、ほぼ完全に収納された時点で、可動カップ51の外縁がストッパ59に接触して回転が停止する。その結果、スライド部31の先端側への移動が規制されるので、術者は手元の感覚で確実に開状態となったことを把握することができると共に、最大のカップ開口を確保することができる。
可動カップ51が開いた後、生検鉗子50をさらに処置具チャンネル4内に押し込んで、可動カップ51の開口を生体組織に押し付ける。そして、スライド部31を基端側に移動させて、可動カップ51を閉じる。これにより、可動カップ51と固定カップ52との間に生体組織を採取することができる。
本実施形態の生検鉗子50も同様に、可動カップ51がカップ保持部53の固定カップ52内に収納されるので、カップ保持部53の外径よりも大きな幅となることはない。よって、第1実施形態の生検鉗子1と同様に管腔壁の影響を何ら受けずに可動カップ51の開閉操作を確実且つ容易に行うことができる。よって、採取作業がやり易い。
また、可動カップ51が略180度開閉するので、より大きなカップ開口を確保できる。このことからも、より生体組織の採取作業を行い易い。更に、可動カップ51のみが回転する片開きタイプであるので、第1実施形態の生検鉗子1と比べて部品点数を少なくすることができる。そのため、製造が容易であると共に製造にかかるコストを極力低減することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、各実施形態の生検鉗子では、閉状態のときに、一対のカップが回転軸方向から見て球状となるように形成したが、さらに真正面から見ても球状になるように形成しても構わない。また、球状に限定されるものではない。少なくともカップ自身に回転軸が設けられ、該回転軸を中心に回転する構成であれば構わない。但し、各実施系形態のように、回転軸方向から見たときに球状となるように形成することが好ましい。
また、一対のカップの外縁部分を、波形状や山型形状等のように凹凸を有するように形成しても構わない。
また、上記第1実施形態では、内カップ12及び外カップ13を共に回転させる構成としたが、この場合に限られず、内カップ12又は外カップ13のいずれかを回転させるように構成しても構わない。
本発明に係る生検鉗子の第1実施形態を示す図であって、内視鏡の処置具チャンネル内に挿入した状態を示す図である。 図1に示す生検鉗子を示す図である。 図2に示す生検鉗子が閉状態のときの、先端側の拡大側面図である。 図3に示す生検鉗子の上面図である。 図2に示す生検鉗子の内カップを示す図であって、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 図2に示す生検鉗子の外カップを示す図であって、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 図2に示す生検鉗子が開状態のときの、先端側の拡大断面図である。 図2に示す生検鉗子の操作ワイヤを、予め所定の方向に折り曲げてクセをつけた場合を示す図であって、閉状態のときの、先端側の拡大側面図である。 図8に示す状態から、一対のカップを開状態にしたときの断面図である。 本発明に係る生検鉗子の第2実施形態を示す図であって、生検鉗子が閉状態のときの、先端側の拡大側面図である。 図10に示す生検鉗子の上面図である。 図10に示す状態から、一対のカップを開状態にしたときの側面図である。 図10に示す生検鉗子の、一対のカップを上方から見た図である。 本発明に係る生検鉗子の第3実施形態を示す図であって、生検鉗子が閉状態のときの、先端側の拡大断面図である。 図14に示す生検鉗子の側面図である。 図15に示す生検鉗子を反対側から見た側面図である。 図14に示す生検鉗子が開状態のときの全体を示す断面図である。 従来の生検鉗子を示す先端側の拡大側面図である。 図18に示す生検鉗子を、カップ保持部の外径と略同じ大きさの管腔内に挿入してカップを開かせている状態を示す図である。
符号の説明
L 挿入部の軸線
X 回転軸
1、40、50 生検鉗子
2 内視鏡
4 処置具チャンネル(チャンネル)
9、45 カップ
10 コイル(挿入部)
11、53 カップ保持部
12 内カップ(一方のカップ)
12a 基端側部分(摺動領域)
13 外カップ(他方のカップ)
14 操作ワイヤ
16 操作部
41 下カップ
42 上カップ
43、44 切欠部
51 可動カップ
52 固定カップ
54、55 一対の操作ワイヤ


Claims (8)

  1. 内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、
    該挿入部の先端に設けられたカップ保持部と、
    該カップ保持部に、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定され、生体組織を採取する空間が形成されたカップと、
    該カップに先端が固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された操作ワイヤと、
    前記挿入部の基端側に設けられ、前記操作ワイヤを前記軸線方向に進退操作する操作部とを備え、
    前記回転軸が、前記空間を横切るように設けられ、
    前記カップが、前記操作部による進退操作に応じて回転して開閉することを特徴とする生検鉗子。
  2. 請求項1に記載の生検鉗子において、
    前記カップは、一対のカップであり、前記操作部による進退操作に応じて少なくともいずれか一方のカップが前記回転軸回りに回転して開閉することを特徴とする生検鉗子。
  3. 請求項2に記載の生検鉗子において、
    前記一対のカップは、閉状態から開状態に至る間、両カップがなす最大幅が前記カップ保持部の外径以下であることを特徴とする生検鉗子。
  4. 請求項2又は3に記載の生検鉗子において、
    前記一対のカップは、閉状態のときに前記回転軸方向から見て球状となるように形成され、球の中心に前記回転軸が設けられていることを特徴とする生検鉗子。
  5. 請求項4に記載の生検鉗子において、
    前記一対のカップのうち一方のカップには、外周面が他方のカップの内周面に摺動しながら所定量だけ収納される摺動領域が外周面に形成されていることを特徴とする生検鉗子。
  6. 請求項4に記載の生検鉗子において、
    前記一対のカップは、前記回転軸を中心として互いに逆方向に回転可能とされ、互いに重ね合わせ可能に半球状に形成されて開状態のときに互いに摺動しながら所定量だけ左右に重なる切欠部がそれぞれ形成されていることを特徴とする生検鉗子。
  7. 請求項2から6のいずれか1項に記載の生検鉗子において、
    前記操作ワイヤは、少なくとも先端側が弾性力を有する弾性ワイヤであり、前記カップを開状態にするよう付勢することを特徴とする生検鉗子。
  8. 内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、
    該挿入部の先端に設けられ、半球状の固定カップを内周面が先端に向くように有するカップ保持部と、
    前記固定カップに、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定された半球状の可動カップと、
    前記回転軸回りを互いに逆方向に回転するように前記可動カップに先端がそれぞれ固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された一対の操作ワイヤと、
    前記挿入部の基端側に設けられ、前記一対の操作ワイヤを前記軸線方向に沿ってそれぞれ逆方向に進退操作する操作部とを備え、
    前記可動カップが、前記操作部による進退操作に応じて前記固定カップの内周面に自身の外周面が摺動するように回転収納されて開閉することを特徴とする生検鉗子。


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