JP2006334267A - 生検鉗子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 可撓性を有する挿入部10と、該挿入部10の先端に設けられたカップ保持部11と、該カップ保持部11に、挿入部10の軸線Lに直交する回転軸X回りに回転可能に固定されたカップ9と、該カップ9に先端が固定されると共に、カップ保持部11及び挿入部10内に挿通された操作ワイヤ14と、挿入部10の基端側に設けられ、操作ワイヤ14を軸線L方向に進退操作する操作部とを備え、回転軸Xが、採取した生体組織を収容する空間を横切るように設けられ、カップ9が、操作部による進退操作に応じて互いに回転して開閉する生検鉗子を提供する。
【選択図】 図7
Description
一般的な生検鉗子を、図18に示す。この生検鉗子60は、生体組織を採取することで、組織生検をするものであって、可撓性を有する長尺な密巻きのコイル61と、該コイル61の先端に固定されたカップ保持部62と、該カップ保持部62にピン63により回転自在に固定された一対の生検カップ64、65と、コイル61内を進退自在に挿通された2本の操作ワイヤ66、67と、該操作ワイヤ66、67を手元側で進退操作させる図示しない操作部とを備えている。
特に、軟性処置具の場合には、操作ワイヤ66、67を引く方向に力の伝達性が優れているので、生体組織を採取する際により力をかけられるようになっている。
即ち、従来の生検鉗子60は、図18に示すように、操作ワイヤ66、67を押し込んだときに、一対のカップ64、65に接続されたアーム部68、69がピン63を中心として回転する構造であるので、一対のカップ64、65が開いたときに、該一対のカップ64、65がなす最大幅W3がカップ保持部の外径W4よりも大きくなってしまうものであった。
ここで、図19に示すように、生検鉗子60を、気管支や膵胆管等、生検鉗子の外径程度の管腔H内に挿入する場合があるが、この場合にはカップ64、65が管腔壁に抑えられてしまっている状態となる。そのため、操作ワイヤ66、67を押し出したとしても、カップ64、65を開くことが困難な場合があった。
請求項1に係る発明は、内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、該挿入部の先端に設けられたカップ保持部と、該カップ保持部に、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定され、生体組織を採取するカップと、該カップに先端が固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された操作ワイヤと、前記挿入部の基端側に設けられ、前記操作ワイヤを前記軸線方向に進退操作する操作部とを備え、前記回転軸が、採取した生体組織を収容する空間を横切るように設けられ、前記カップが、前記操作部による進退操作に応じて回転して開閉する生検鉗子を提供する。
よって、カップ保持部の外径と同程度の大きさの管腔内に挿入されたとしても、従来と比べて管腔壁から受ける影響を小さくでき、カップの開閉操作を容易且つ確実に行うことができる。従って、生体組織の採取作業がし易い。
このように、回転軸を中心として確実にカップの開閉操作を行うことができる。また、部分的に重なって厚みが増しているので、強度が増し生体組織の採取作業がより易い。
よって、可動カップの開閉操作を確実に行うことができ、生体組織の採取作業をより確実に行うことができる。また、可動カップのみが回転する片開きタイプであるので、部品点数が少なく構成が容易であり、組み立て易い。更に、半球状の可動カップが略180度開く構成であるので、より広いカップ開口を確保できることからも生体組織の採取作業を行い易い。
本実施形態の生検鉗子1は、図1から図4に示すように、内視鏡2の内視鏡挿入部3に形成された処置具チャンネル(チャンネル)4内に挿入され、可撓性を有する密巻きのコイル(挿入部)10と、該コイル10の先端に設けられたカップ保持部11と、該カップ保持部11に、コイル10の軸線Lに直交する回転軸X回りに回転可能に固定された一対のカップ9と、該カップ9に先端が固定されると共に、カップ保持部11及びコイル10内に挿通された操作ワイヤ14と、コイル10の基端側に設けられ、操作ワイヤ14を軸線L方向に進退操作する操作部16とを備えている。また、回転軸Xは、採取した生体組織を収容するカップ9内の空間を横切るように設けられている。この回転軸Xについては、後に詳細に説明する。
上記カップ保持部11は、図4に示すように、所定の厚みを有した管状体であり、内部に開口11aが形成された中間壁11bが設けられている。そして、この中間壁11bの基端面に上記コイル10の先端側が接触した状態で固定されている。また、カップ保持部11は、図3及び4に示すように、回転軸X方向から見たときに、先端が突出した略三角形状に形成されており、その頂角付近に開口11cが形成されている。
内カップ12は、図5に示すように、回転軸X方向から見て半球状になるように形成されており、そのうちの約半分を占める基端側部分(1/4球部分)12aは、外径が若干小さくなるように表面が削られ、外カップ13の内側に収納できるようになっている。即ち、この基端側部分12aは、外カップ13の内周面に摺動しながら所定量だけ収納される摺動領域となっている。なお、この基端側部分12aの肉厚は、先端側部分(1/4球部分)12bの肉厚の、約半分の厚さに形成されている。また、基端側部分12aと先端側部分12bとの間には、厚みの違いによる段部12cが形成されている。
このように、一対のカップ12、13は、操作部16による進退操作に応じて、回転軸X回りを互いに逆方向に回転することで開閉するようになっている。
また、スライド部31には、上述したように操作ワイヤ14の基端側が接続されている。これにより、スライド部31をガイド溝30aに沿ってスライド操作したきに操作ワイヤ14が進退操作されて、上述したように一対のカップ12、13が開閉するようになっている。
また、操作部本体30の基端側には、親指を挿入できる指掛けリング30bが取り付けられており、同様に、スライド部31には人指し指及び中指で両側から把持できる凹部31aが形成されている。これにより、操作者は、片手で容易に操作部16を操作できるようになっている。
まず、内視鏡挿入部3を患者の体腔内に挿入し、内視鏡挿入部3の先端を膵胆管の入口付近に位置させる。次いで、処置具チャンネル4から生検鉗子1のコイル10を挿入し、一対のカップ12、13を内視鏡挿入部3の先端から突出させる。この際、スライド部31を基端側に移動させて、図3に示すように、一対のカップ12、13を閉状態にして挿入する。
一対のカップ12、13が開いた後、コイル10をさらに処置具チャンネル4内に押し込んで、一対のカップ12、13を生体組織に押し付ける。そして、押し付けたままスライド部31を基端側に移動させて、操作ワイヤ14を引張り操作する。これにより、一対のカップ12、13は回転軸Xを中心として、上述した方向とは逆方向にそれぞれ回転して閉状態となる。その結果、一対のカップ12、13内に生体組織を採取することができる。
ので、回転中心とカップ12、13先端との距離を極力小さくでき、開状態のときにカップ12、13の先端をカップ保持部11内の外径以下に収めることができる。具体的には、一対のカップ12、13が回転軸X方向から見たときに球状に形成されて最大幅W1が常にカップ保持部11の外径W2以下とされているので、カップ保持部11の外径W2と同程度の膵胆管内に挿入されても、従来の生検鉗子のように一対のカップ12、13が管腔壁を押し退けながら開く必要がない。よって、一対のカップ12、13は、管腔壁から何ら影響を受けずに円滑に回転して開閉する。その結果、生体組織の採取作業を容易且つ確実に行うことができる。
即ち、図8及び9に示すように、内カップ12に接続されている一方の操作ワイヤ14の先端側を予め下向きに湾曲させてより下向きに移動し易いようにし、外カップ13に接続されている他方の操作ワイヤ14の先端側を予め上向きに湾曲させてより上向きに移動し易いように構成しても構わない。こうすることで、より円滑に一対のカップ12、13を回転操作することができる。
第1実施形態と第2実施形態との異なる点は、第1実施形態の生検鉗子1は、内カップ12が部分的に外カップ13内に収納された形で開状態とされていたのに対し、第2実施形態の生検鉗子40は、内カップ(一方のカップ)41と外カップ(他方のカップ)42とが2重に重ならず、左右に並んだ形で開状態となる点である。
下カップ41及び上カップ42は、共に同一形状に形成されており、図12に示すように、回転軸X方向から見た時に半球状に形成されていると共に、図13に示すように、基端側の半分の領域には所定量だけ開口した上記切欠部43、44が形成されている。また、両カップ41、42の基端側の外縁部分には、操作ワイヤ14の先端が固定されている。また、両カップ41、42の一方の片側には、回転軸部材19が形成されていると共に、他方の片側には、回転軸部材19が挿通される開口41a、42aが形成されている。
この際、図12に示すように、下カップ41の基端側は上カップ42の切欠部44内を摺動するように回転し、上カップ42の基端側は下カップ41の切欠部43内を摺動するように回転するので、互いに重ならず、左右に並んだ形で開状態となる。
なお、回転軸Xは、カップ45内の空間(即ち、下カップ41と上カップ42とで囲まれる空間)を横切るようになっている。
まず、処置具チャンネル4内に挿入して、内視鏡挿入部3の先端から一対のカップ41、42を突出させた後、膵胆管内に挿入して採取目標である生体組織の近傍に位置させる。この際、一対のカップ41、42は、図12に示すように、操作ワイヤ14による付勢を受けて開状態となっている。よって、術者は、一対のカップ41、42の開操作の手間を一手順省くことができ、そのまま一対のカップ41、42を生体組織に押し付けることができる。よって、操作がより簡便になって操作性が向上する。
特に、本実施形態の生検鉗子40は、上述したようにカップ容積が大きく、また、一対のカップ41、42がより大きく開くので生体組織を採取し易い。また、一対のカップ41、42の開操作を省くことができるので、鉗子操作がより簡便になる。
更に、生体組織を採取する際に、処置具チャンネル4や生検鉗子40の手元側から吸引をかけることで、生体組織をより一対のカップ41、42に引き寄せることができ、より大きな生体組織の採取を行うことができる。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の生検鉗子1は、内カップ12と外カップ13とが共に相対的に回転することで開閉する構成であったのに対し、第3実施形態の生検鉗子50は、半球状の可動カップ51のみが回転することで開閉する点である。
また、他方の操作ワイヤ55の先端側は、可動カップ51が開いている状態で、ワイヤ溝56bに沿って、上記一方の操作ワイヤ54とは逆方向に半回転した状態で可動カップ51に固定されている。この他方の操作ワイヤ55は、コイル10を通ってスライド部31に基端側が固定されている。
更に、図17に示すように、開状態においても、固定カップ52内に収納された可動カップ51の外縁がこのストッパ59に接触して回転が停止する。これにより、可動カップ51が固定カップ52に略完全に収納された時点で停止し、最大のカップ開口を確保できると共に、スライド部31の移動が規制されるので術者に可動カップ51が開状態になったことを知らせるようになっている。
まず、処置具チャンネル4内に挿入して、内視鏡挿入部3の先端から可動カップ51を突出させると共に、膵胆管内に挿入させて採取目標である生体組織の近傍に位置させる。この際、スライド部31を基端側に移動させて、可動カップ51を閉じた状態で挿入する。即ち、スライド部31を基端側に移動させると、一方の操作ワイヤ54が回動ピン58で折り返されているので、先端側に押し込まれる。これにより、可動カップ51が回転軸Xを中心として左回りに回転し、固定カップ52のストッパ59に接触して閉状態となる。一方、他方の操作ワイヤ55は、可動カップ51の回転及びスライド部31の移動に伴って基端側に引っ張られる。
また、可動カップ51が略180度開閉するので、より大きなカップ開口を確保できる。このことからも、より生体組織の採取作業を行い易い。更に、可動カップ51のみが回転する片開きタイプであるので、第1実施形態の生検鉗子1と比べて部品点数を少なくすることができる。そのため、製造が容易であると共に製造にかかるコストを極力低減することができる。
また、一対のカップの外縁部分を、波形状や山型形状等のように凹凸を有するように形成しても構わない。
また、上記第1実施形態では、内カップ12及び外カップ13を共に回転させる構成としたが、この場合に限られず、内カップ12又は外カップ13のいずれかを回転させるように構成しても構わない。
X 回転軸
1、40、50 生検鉗子
2 内視鏡
4 処置具チャンネル(チャンネル)
9、45 カップ
10 コイル(挿入部)
11、53 カップ保持部
12 内カップ(一方のカップ)
12a 基端側部分(摺動領域)
13 外カップ(他方のカップ)
14 操作ワイヤ
16 操作部
41 下カップ
42 上カップ
43、44 切欠部
51 可動カップ
52 固定カップ
54、55 一対の操作ワイヤ
Claims (8)
- 内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、
該挿入部の先端に設けられたカップ保持部と、
該カップ保持部に、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定され、生体組織を採取するカップと、
該カップに先端が固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された操作ワイヤと、
前記挿入部の基端側に設けられ、前記操作ワイヤを前記軸線方向に進退操作する操作部とを備え、
前記回転軸が、採取した生体組織を収容する空間を横切るように設けられ、
前記カップが、前記操作部による進退操作に応じて回転して開閉することを特徴とする生検鉗子。 - 請求項1に記載の生検鉗子において、
前記カップは、一対のカップであり、前記操作部による進退操作に応じて少なくともいずれか一方のカップが前記回転軸回りに回転して開閉することを特徴とする生検鉗子。 - 請求項2に記載の生検鉗子において、
前記一対のカップは、閉状態から開状態に至る間、両カップがなす最大幅が前記カップ保持部の外径以下であることを特徴とする生検鉗子。 - 請求項2又は3に記載の生検鉗子において、
前記一対のカップは、閉状態のときに前記回転軸方向から見て球状となるように形成され、球の中心に前記回転軸が設けられていることを特徴とする生検鉗子。 - 請求項4に記載の生検鉗子において、
前記一対のカップのうち一方のカップには、外周面が他方のカップの内周面に摺動しながら所定量だけ収納される摺動領域が外周面に形成されていることを特徴とする生検鉗子。 - 請求項4に記載の生検鉗子において、
前記一対のカップは、前記回転軸を中心として互いに逆方向に回転可能とされ、互いに重ね合わせ可能に半球状に形成されて開状態のときに互いに摺動しながら所定量だけ左右に重なる切欠部がそれぞれ形成されていることを特徴とする生検鉗子。 - 請求項2から6のいずれか1項に記載の生検鉗子において、
前記操作ワイヤは、少なくとも先端側が弾性力を有する弾性ワイヤであり、前記カップを開状態にするよう付勢することを特徴とする生検鉗子。 - 内視鏡のチャンネル内に挿入され、可撓性を有する挿入部と、
該挿入部の先端に設けられ、半球状の固定カップを内周面が先端に向くように有するカップ保持部と、
前記固定カップに、前記挿入部の軸線に直交する回転軸回りに回転可能に固定された半球状の可動カップと、
前記回転軸回りを互いに逆方向に回転するように前記可動カップに先端がそれぞれ固定されると共に、前記カップ保持部及び前記挿入部内に挿通された一対の操作ワイヤと、
前記挿入部の基端側に設けられ、前記一対の操作ワイヤを前記軸線方向に沿ってそれぞれ逆方向に進退操作する操作部とを備え、
前記可動カップが、前記操作部による進退操作に応じて前記固定カップの内周面に自身の外周面が摺動するように回転収納されて開閉することを特徴とする生検鉗子。
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