JP4699088B2 - 眼鏡レンズ研削加工装置の研削水処理装置 - Google Patents

眼鏡レンズ研削加工装置の研削水処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、レンズ研削加工装置によって眼鏡レンズを研削加工する際に用いられる研削水から発生する泡を除去するレンズ研削加工装置の泡除去装置に関するものである。
従来のレンズ研削加工装置の泡除去装置(以下、泡除去装置という)としては、フィルタを用いてレンズ研削加工に使用した使用済み研削水を濾過することで、使用済み研削水から発生する泡を除去するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−90147号公報 特開平2−284866号公報
しかしながら、従来の泡除去装置では、フィルタが使用済み研削水の流れの勢いによって変形することがあり、十分に泡を濾過することができず、濾過済み研削水中に泡が残ってしまうという問題が生じていた。
そこで、この発明は、使用済み研削水から発生する泡を十分に除去することができるレンズ研削加工装置の泡除去装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、レンズ研削加工装置によって眼鏡レンズを研削加工する際に用いられた使用済み研削水から発生する泡を除去するレンズ研削加工装置の泡除去装置において、前記使用済み研削水に含まれる研削屑を除去する脱水装置と、前記脱水装置から排出された使用済み研削水を貯留する研削水タンク内に配設され、濾過孔が形成された筐体状のサブタンクと、を備え、前記サブタンクに前記脱水装置を経た使用済み研削水を導入して、前記濾過孔を介して泡を分離することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ研削加工装置の泡除去装置において、前記サブタンクから抽出されて前記研削水タンクに貯留した濾過済み研削水を攪拌することを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレンズ研削加工装置の泡除去装置において、前記サブタンクから抽出した濾過済み研削水が導入される遠心分離器を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載された発明によれば、使用済み研削水が導入されて泡を濾過するサブタンクが筐体状であるので、このサブタンクが使用済み研削水の流れの勢いで変形することなくなり、泡を確実に分離することができる。
請求項2に記載された発明によれば、請求項1の効果加え、サブタンクから抽出された濾過済み研削水を攪拌することにより、この濾過済み研削水中に残った泡を消滅させることができて、より十分に泡を除去することが可能となる。
請求項3に記載された発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、遠心分離器によって、濾過済み研削水中に残った残留泡をさらに確実に分離し、除去することができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態のレンズ研削加工装置の泡除去装置(以下、泡除去装置という)を説明する。
図1、図2において、1はこの発明に係るレンズ研削加工システムの載置台、2は載置台1上に載置されたレンズ研削加工装置である。
このレンズ研削加工装置2は、その詳細な構成の図示を省略しているが、加工室と、この加工室内に回転駆動可能に配設された研削砥石と、この研削砥石に対して昇降駆動されるキャリッジと、キャリッジに取り付けられた一対のレンズ回転軸と、研削水吹き付け用のノズルとを有している。
そして、このレンズ研削加工装置2では、一対のレンズ回転軸間に未加工レンズ(眼鏡レンズ)を保持させ、キャリッジを玉型形状情報(θi,ρi)に基づいて昇降させることにより、一対のレンズ回転軸間に保持させた未加工レンズを研削砥石で玉型形状に研削加工できるようになっている。
この際、未加工レンズと研削砥石の接触部、即ち未加工レンズの研削砥石による研削部にノズルから研削水を吹き付けることにより、この研削部を冷却すると共に、研削部で生ずる未加工レンズの研削屑を加工室の底部に洗い流すようになっている。
そして、3は加工室の底部に接続された排水ホースで、この排水ホース3は研削屑を含む使用済み研削水を研削水処理装置5に排水するようになっている。また、4は加工室の底部に接続された給水ホースで、この給水ホース4は研削水処理装置5によって研削屑を除去された濾過済み研削水を加工室に給水するようになっている。
なお、2aはレンズ研削加工装置2の操作パネルである。この様なレンズ研削加工装置2の構成には周知のものが採用できるので、その詳細な構成についての説明は省略する。
そして、載置台1の下方には、研削水処理装置5が配設されている。この研削水処理装置5は、底面6aに複数のキャスター7が取り付けられた本体ケース6を有しており、載置台1の下方から出し入れ自在になっている。
この本体ケース6の内部には、図3に示すように、脱水装置10と、脱臭装置20と、研削水タンク30とが設けられている。なお、6bは本体ケース6に設けられた操作パネルである。また、本体ケース6の上板6cには、円形の開口8aが形成され、この開口8aは図2、図3に示したように着脱自在な蓋体9で閉成されている。さらに、この上板6cには、矩形の開口8bが形成され、この開口8bから脱臭装置20が挿入可能となっている。
蓋体9は、下面に本体ケース6内に挿入される筒部9a(図6参照)が一体に形成され、中央部にホース挿通孔9bが形成されている。
このホース挿通孔9bには、レンズ研削加工装置2の排水ホース3に接続された分岐管50が挿通されている。
この分岐管50は、図4(a)に示すように、排水ホース3が一定長挿入された分離管51と、この分離管51の中間部から分岐した排気管52とを有している。
分離管51は、排水ホース3の外径よりも大きい内径に形成され、脱水装置10に接続されている。なお、ここでは、脱水装置10に接続される下端部51aが伸縮可能な蛇腹形状を呈している。
また、排気管52は、図4(b)に示すように、分離管51の周面に対して所定角度傾斜した接線方向に延在され、脱臭装置20に接続されている。
脱水装置10は、図3、図6に示すように、上方に開放した有底筒状の排水受(研削水捕集ケース)11と、この排水受11に内蔵された脱水槽12と、脱水槽12を回転させる駆動モータ13とを有している。
排水受11は、開口8aと同心に設けられ、開放した上端部内には蓋体9の筒部9aが挿入され、この蓋体9によって閉塞されている(図6参照)。
また、この排水受11の底壁11aには、排水ホース111(図3参照)が接続され、排水受11内の使用済み研削水を研削水タンク30に流出するようになっている。
さらに、この排水受11は、振動吸収機構60により本体ケース6内に支持されている。
振動吸収機構60は、図3及び図5に示したように、上下に傾斜して延びる支持ロッド61と、支持ロッド61の上端部を任意の方向に傾動自在に本体ケース6の上板6cに支持させるブラケット62とを有している。
また、この振動吸収機構60は、支持ロッド61の下部が遊挿され且つ下端部が支持ロッド61の下端部に固定されたコイルスプリング63と、コイルスプリング63の上端部に固定され且つ支持ロッド61に摺動自在に嵌合されたガイド部材64を有している。このガイド部材64は、固定部材65を介して排水受11に取り付けられている。
また、図6に示したように、排水受11の底壁11aの下面には角柱状の支持部材112が図示しないネジにより固定され、支持部材112には上下に延びるモータ保持ロッド113の上端部が図示しないネジにより固定されている。
そして、排水受11の底壁11aの中央部上面には、上方に突出する筒部11bが形成され、底壁11aの中央部下面には保持板114が複数のビス115により固定されている。
さらに、この保持板114には、筒部11bと同心の回転軸116が図示しない軸受を介して回転自在に保持されている。
この回転軸116は、上端部116aが筒部11bから上方に突出しており、この上端部116aには、筒部11bの上方に配設したフランジ117が一体に設けられている。また、この回転軸116の下端部116bには、カップリング118が固定されている。
駆動モータ13は、モータ保持ロッド113の下端部に固定されている。この駆動モータ13の出力軸13aには、カップリング118に係合するカップリング131が取り付けられている。
そして、カップリング118とカップリング131とが係合することにより、出力軸13aに回転軸116が連動するようになっている。
脱水槽12は、筒部11bの上方に配設され、回転軸116に設けられたフランジ117上に配設された円盤状の回転板121と、回転板121の中央部上に同心に配設された有底筒状の内筒122とを有している。
この内筒122は、図6及び図7に示すように、底壁123と、底壁123の周縁部に連設された筒部124と、筒部124の上部開口端の外周に突設された外方フランジ125とを有している。
そして、底壁123の中央部には、挿通孔126が形成され、筒部124には、周方向に間隔をおいて形成された複数の上下に延びるスリット124aが設けられている(図7参照)。
また、底壁123は、図示しないビスにより回転板121に固定され、この回転板121は、挿通孔126に挿通される固定ネジ128で回転軸116に設けられたフランジ117に着脱可能に固定されている。
そして、内筒122内には、蓋体9を貫通した分岐管50の分離管51が挿入されている。
さらに、回転板121の上面の周縁部及びその近傍の部分には、図7及び図8に示すように、回転板121の中心と同心で内外二重の下内側環状溝121a及び下外側環状溝121bがそれぞれ形成されている。
そして、内筒122の外方フランジ125の下面には、図8に示すように、回転板121の中心と同心で内外二重の上内側環状溝125a及び上外側環状溝125bがそれぞれ形成されている。
ここで、下内側環状溝121aの径は上内側環状溝125aの径より大きく且つ上外側環状溝125bの径より小さく形成され、下外側環状溝121bの径は上外側環状溝125bの径より大きく形成されている(図8参照)。
そして、図8に示すように、下内側環状溝121aにはテーパ状の網状筒体(内側フィルタ支持枠)14の下端部が嵌合され、上内側環状溝125aには網状筒体14の上端部が嵌合されている。さらに、下外側環状溝121bにはテーパ状の網状筒体(外側フィルタ支持枠)15の下端部が嵌合され、上外側環状溝125bには網状筒体15の上端部が嵌合されている。なお、このテーパ状の網状筒体14、15は、互いに平行に設けられている。
この網状筒体14、15は、それぞれ内面テーパ状の筒状フィルタ14a、15aが取り付けられ、一体にされている。
脱臭装置20は、図3に示すように、基板21と、この基板21上に載置される脱臭室22と、脱臭室22に連通すると共にブロアー23が配置されたブロアー室24とを有している。
基板21は、本体ケース6内を区画した棚板6d上に固定されるものであり、ダクト52a及び脱臭室22とブロアー室24とを連通する連通管25が固定されている。なお、この基板21の上面には、脱臭室22を適切に配置するための凹凸部21aが形成されている。
脱臭室22は、排気管52から連続するダクト52aを介して分岐管50と連通し、この分岐管50によって分岐された空気が流れ込むようになっている。
この脱臭室22の側面には、取り囲むように第一フィルタ部材221が設けられ、この第一フィルタ部材221の内部には第二フィルタ部材222が充填されている。
ここで、第一フィルタ部材221は、繊維状の活性炭によって形成されたフィルタであり、排気管52から排出された空気は、この第一フィルタ部材221を介して脱臭室22内に流れ込むようになっている。
また、第二フィルタ部材222は、活性炭とデオライトとを混合したものである。なお、デオライトとは、シリカゲルの一種であり、吸収性に優れた物質である。
なお、上述した第一フィルタ部材221、第二フィルタ部材222に代えて、光触媒とランプを設けてもよい。また、第一フィルタ部材221と光触媒、第二フィルタ部材222と光触媒、第一フィルタ部材221と第二フィルタ部材222と光触媒のように組み合わせを適宜変更してもよい。

ブロアー室24内に配置されたブロアー23は、駆動して吸込負圧を発生するものであり、この吸込負圧が連通管25を介して脱臭室22に作用することで、脱臭室22に流れ込んだ空気がブロアー室24に流入するようになっている。なお、このブロアー室24に流れ込んだ空気は、このブロアー室24に形成された図示しない排気口から外気に排気されるようになっている。
研削水タンク30は、本体ケース6の内部を区画する棚板6dの下方に配設されると共に、上方に開放した容器である。
この研削水タンク30内には、保形性を有する筐体状のサブタンク31が配置されている。
このサブタンク31は、中空の円筒形状を呈しており、周壁31aに多数の濾過孔32が形成されると共に、上壁31bに接続口33が形成されている。この接続口33には、排水受11の底壁11aに接続された排水ホース111が連結されている。
また、多数の濾過孔32は、十分に小さな径を有しており、排水ホース111を介して導入された使用済み研削水の水分だけを通過させるようになっている。
さらに、この研削水タンク30には吐出口30aが形成され、この吐出口30aに接続された吐出ホース34を介してポンプ35と連通している。
ポンプ35は、本体ケース6内にブラケットBを介して固定されており、側面に吸込口35aが形成され、上面に吐出口35bが形成されている。そして、この吸込口35aには吐出ホース34が接続され、吐出口35bにはレンズ研削加工装置2の給水ホース4に連続するホース36が接続されている。
次に、この発明の泡除去装置の作用について説明する。
このような構成において、レンズ研削加工装置2の電源をONすると、このレンズ研削加工装置2の演算制御回路(図示せず)は、まず駆動モータ13を作動させる。この駆動モータ13の回転は、カップリング131及びカップリング118を介して回転軸116に伝達され、フランジ117及び脱水槽12が回転軸116と一体に回転させられる。
次に、レンズ研削加工装置2の演算制御回路は、ポンプ35を作動させて、研削水タンク30内の研削水をこのポンプ35により吸い込ませる。このポンプ35に吸い込まれた研削水は、ホース36及び給水ホース4を介して加工室内のノズル(図示せず)に供給され、このノズルから研削砥石(図示せず)に向けて吹き付けられる。
そして、レンズ研削加工装置2の演算制御回路は、ノズルから研削砥石(図示せず)に向けて研削水の吹き付けを開始させると、眼鏡レンズの研削砥石による研削加工を玉型形状情報(θi,ρi)に基づいて開始させる。
この研削に際して生ずる研削屑は研削水により洗い流されて図示しない加工室の底部に流下し、この流下した研削屑を含む研削水(使用済み研削水)が廃液として排水ホース3から、分岐管50を介して研削水処理装置5に排水される。
ここで、例えばプラスチックレンズをレンズ研削加工装置2により研削する際には、硫黄成分等を含む臭気が加工室(図示せず)内に発生する。この臭気を含む空気は、排水ホース3から分岐管50を介して使用済み研削水と共に研削水処理装置5内に排出される。
そして、使用済み研削水及び臭気を含む空気は、図4(a)に示すように、排水ホース3から排出される。このとき、空気は分岐管50の分離管51の内面に沿って螺旋状に旋回し、使用済み研削水は自重によりほぼ鉛直に流下する。

そして、図4(b)に示すように、旋回したこの空気は、分離管51から延在された排気管52に流入し、脱臭装置20に流れ込むようになっている。また、鉛直に流下した使用済み研削水は、回転する脱水槽12の内筒122内に排水される。この内筒122内に排水された研削屑を含む使用済み研削水は、内筒122の回転に伴う遠心力によりスリット124aを透過して内筒122と筒状フィルタ14aとの間の空間Sa(図6、図8参照)に流入する。
この空間Saに流入した研削屑を含む使用済み研削水は、筒状フィルタ14a及び網状筒体14を透過して、網状筒体14と筒状フィルタ15aとの間の空間Sb(図6、図8参照)内に流入する。
この際、使用済み研削水に含まれる研削屑の大半は、内側に位置する筒状フィルタ14aに捕捉される。しかし、微小な僅かな研削屑は使用済み研削水と共に筒状フィルタ14aを透過して空間Sb内に流入することも考えられる。
そして、空間Sbに流入した使用済み研削水は、筒状フィルタ15a及び網状筒体15を透過して、排水受11内に流入する。この際、空間Sbに流入した使用済み研削水に研削屑が含まれていても、この研削屑は外側に位置する筒状フィルタ15aに捕捉されることになる。
このようにして研削屑の大半が除去された使用済み研削水は、遠心力により半径方向に飛ばされて排水受11の内面に衝突した後、下方に流下し、排水ホース111を介して研削水タンク30内に流入する。
ここで、排水ホース111は、研削水タンク30内に配置されたサブタンク31に接続されている。これにより、研削屑が除去された使用済み研削水は、まず、サブタンク31内に導入される。
サブタンク31に導入された使用済み研削水は、周壁31aに形成された多数の濾過孔32を透過して、研削水タンク30内に流出する。
ここで、濾過孔32は十分に小さな径となっており、使用済み研削水に生じた泡を透過させず、この泡はサブタンク31内に閉じ込められる。また、サブタンク31が保形性を有する筐体状であるので、使用済み研削水の流れの勢いによって変形することなく泡を閉じ込めることができる。
これにより、使用済み研削水から発生する泡を研削水から確実に分離(濾過)することができる。
さらに、サブタンク31から抽出されて研削水タンク30内に流出した研削水(濾過済み研削水)は、この研削水タンク30内に流出する勢いによって研削水タンク30内で対流し、攪拌されることとなる。これにより、サブタンク31の濾過孔32を透過した微小な泡も消滅し、より十分に泡を除去することが可能となる。
そして、このように泡が除去された濾過済み研削水は、ポンプ35内に吸い込まれ、この吸い込まれた濾過済み研削水は、ポンプ35からホース36に吐出されて、このホース36から給水ホース4を介してレンズ研削加工装置2の加工室に給水される。
一方、排気管52に流入した臭気を含む空気は、この排気管52から連続するダクト52aを通って脱臭装置20の脱臭室22内に流れ込む。
ここで、脱臭室22の側面には第一フィルタ部材221が設けられているので、まず臭気を含む空気は、この第一フィルタ部材221を透過し、続いて第一フィルタ部材221の内部に充填された第二フィルタ部材222を透過する。
この際、臭気は第一フィルタ部材221及び第二フィルタ部材222に吸着され、脱臭される。そして、脱臭された空気は、連通管25からブロアー室24を通り、図示しない排気口から外気に排気される。
なお、この脱臭装置20では、第一、第二フィルタ部材221、222によって脱臭しているので、レンズ研削加工によって発生した臭気をほぼ完全に取り除くことができるようになっている。
また、排気管52の途中に別の排気管を設け、その排気管によって本体ケース6内に排気した空気を吸気し、再び脱臭装置20に導くことにより、外気に排気することなく脱臭された空気を循環させ、完全に無臭にすることもできる。
さらに、脱水槽12の筒状フィルタ14a、15aに捕捉された研削屑を捨てる場合には、蓋体9を上板6cの開口8aから取り外した後、固定ネジ128を回転軸116のフランジ117から取り外して、脱水槽12を排水受11内から抜き取る。
そして、図示しないビスを取り外すことにより、脱水槽12の内筒122を回転板121から取り外す。そして、網状筒体(フィルタ支持枠)14、15を回転板121から取り外し、筒状フィルタ14a、15aを網状筒体14、15から研削屑と共に取り出して廃棄することができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態のレンズ研削加工装置の泡除去装置は、使用済み研削水を貯留する研削水タンク30内に、濾過孔32が形成された筐体状のサブタンク31を配設し、このサブタンク31に使用済み研削水を導入して、濾過孔32を介して泡を分離する。
この構成によれば、使用済み研削水が導入されて泡を濾過するサブタンク31が筐体状であるため、このサブタンク31が流入した使用済み研削水の勢いによって変形することがなく、泡を確実にサブタンク31内に閉じ込めて分離することができる。
さらに、この発明の実施の形態のレンズ研削加工装置の泡除去装置は、サブタンク31から抽出されて研削水タンク30に貯留した濾過済み研削水を攪拌する。
この構成によれば、サブタンク31から抽出された濾過済み研削水を研削水タンク30中で攪拌することにより、この濾過済み研削水内に残った微小な泡を消滅させることができ、より十分に泡を除去することができる。
以上、この発明にかかる実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、ポンプ35から吐出された濾過済み研削水が直接給水ホース4を介してレンズ研削加工装置2に給水されているが、これに限らず、図示しない遠心分離器を通してからレンズ研削加工装置2に給水してもよい。
このように、サブタンク31によって泡を除去された濾過済み研削水を、遠心分離器に導入することにより、この濾過済み研削水中に残った残留泡を、さらに確実に分離し、除去することができる。
さらに、図9に示すように、サブタンク311と泡吸引ポンプ80とを第一泡取ホース81を介して接続すると共に、この泡吸引ポンプ80とレンズ研削加工装置(ここでは図示せず)に接続された排水ホース3´とを第二泡取ホース82を介して接続してもよい。
この場合、サブタンク311内に閉じ込められて分離した泡が、第一泡取ホース81によって泡吸引ポンプ80内に吸い込まれる。この泡吸引ポンプ80は、研削水タンク30´の天板30b上に設けられ、脱水槽12を回転させる駆動モータ13の駆動を利用して泡の吸引を行なうようになっている。
なお、ここでは、研削水タンク30´は上方開口が天板30bによって閉塞されている。また、排水受11´から突出した回転軸116´にベルト83を介して泡吸引ポンプ80の回転軸84が接続されている。
一方、泡吸引ポンプ80に吸引された泡は、第二泡取ホース82を介して再び脱水装置20内に導入されるようになっている。
これにより、泡内部に含まれる研削屑、特に撥水加工されたメガネレンズから生じる研削屑のような水に浮くものであっても、十分に除去することが可能となり、使用済み研削水から生じる泡を完全に除去することが可能となる。
また、サブタンク311は、図10に示すように、底壁311aに多数の濾過孔312が形成されると共に、底壁311aの周縁部から突出した複数の脚部313によって支持されていてもよい。
この場合、排水受11´に接続された排水ホース111´は、サブタンク311の上壁311bに形成された図示しない接続口に連結され、この排水ホース111´を介して使用済み研削水がサブタンク311内に流れ込むようになっている。
そして、このサブタンク311によって泡が除去された濾過済み研削水は、サブタンク311の底壁311aに形成された多数の濾過孔312から流出し、複数の脚部313の間から研削水タンク30´内に流れ出るようになっている。
ここで、濾過孔312がサブタンク311の底壁311aに形成されているので、サブタンク311内において上方に浮いた泡がサブタンク311から流出しにくくなり、使用済み研削水から生じる泡をさらに十分除去することができる。
また、図9に示すように、排水受11´の側面上部と、研削水タンク30´の天板30bに形成された吸気開口30cとを臭気管85によって連結してもよい。
この場合、排水受11´内の臭気が研削水タンク30´内に流入するようになっている。なお、研削水タンク30´内に充満した臭気は、図示しない排気管を介して脱臭装置20´の脱臭室22´内に流入するようになっている。
これにより、排水受11´内に充満した臭気も、脱臭室22´によって脱臭することができ、臭気の発生もさらに抑制することが可能となる。
また、ここでは、図11に示すように、脱臭室22´の吸気口86が研削水処理装置5´の内部に開放しており、この脱臭室22´に連通管25´を介して連通するブロアー室24´内に配置されたブロアー23´によって、研削水処理装置5´の内部全体を真空に引くようになっている。
ここで、図9に示す87A、87Bは、それぞれ真空調節弁であり、研削水処理装置5´内部をブロアー23´で真空に引くとき、この研削水処理装置5´内全体を真空に引くために設けられている。
なお、ブロアー23´で真空を引く場合、図12に示す開口部88から空気を引くようになっている。
さらに、攪拌手段として、図12に示すように、攪拌モータ89と、この攪拌モータ89に取り付けられた攪拌スクリュー90とを設けてもよい。
この場合、攪拌モータ89は、研削水タンク30´の天板30b上であって、脱水槽12´を回転させる駆動モータ13に隣接して配置されている。
また、攪拌スクリュー90の先端には羽90aが設けられ、この羽90aが攪拌モータ89の回転に連動して回転することによって、研削水タンク30´内に貯留された濾過済み研削水を十分に対流させて攪拌することができる。
これにより、研削水の水面付近に浮いてしまう合成樹脂等の研削屑等が、この水面付近で凝固することを防止し、凝固した研削屑内部や下部に堆積する泡をきれいに除去することもできる。
なお、ここでは、攪拌スクリュー90は、天板30bを貫通すると共に、サブタンク311の外側に配置される。
さらに、図13に示すように、研削水タンク30内にポンプPが内蔵された筐体状のサブケース70を配置してもよい。なお、このサブケース70の周面70aには、多数の微小な濾過孔71が形成されている。
この場合、排水ホース111から排出された使用済み研削水は、まず研削水タンク30内に貯留される。そして、ポンプPが駆動すると、研削水タンク30中の使用済み研削水が、濾過孔71を透過してサブケース70内に引き込まれる。
このとき、濾過孔71によって使用済み研削水から発生した泡が濾過され、サブケース70内には泡が入り込まず、使用済み研削水と泡とが分離される。
そして、このサブケース70内に引き込まれた研削水(濾過済み研削水)は、ポンプPに接続された吐出パイプ72から給水パイプ(図示せず)を介して図示しないレンズ研削加工装置に給水される。
さらに、上述したように攪拌手段として、攪拌モータ89及び攪拌スクリュー90を設ける例を示したが、これに限らず、例えばモータによって上下動する攪拌部材等を研削水タンクの内部に設けてもよい。
この場合であっても、研削水タンク内の濾過済み研削水をさらに攪拌することができ、泡の消滅をより促進することができる。
本発明にかかるレンズ研削加工装置の泡除去装置を備えたレンズ研削加工システムの正面図である。 図1のレンズ研削加工システムの側面図である。 本発明にかかる泡除去装置を備えた研削水処理装置を示す一部を破断した分解斜視図である。 (a)は分岐管を示す説明斜視図であり、(b)は図4(a)A−A断面図である。 振動吸収機構の要部拡大断面図である。 脱水装置を示す説明図である。 脱水槽を示す一部を破断した分解斜視図である。 網状筒体と筒状フィルタの取付部分を示す要部拡大断面図である。 本発明にかかる他の例の泡除去装置を備えた研削水処理装置を示す一部を破断した分解斜視図である。 図9に示す他の例の泡除去装置のサブタンクを示す斜視図である。 他の例の脱臭装置を示す斜視図である。 図9に示す研削水処理装置を反対側から見た破断斜視図である。 この発明の泡除去装置のさらに他の例を示す斜視図である。
符号の説明
30 研削水タンク
31 サブタンク
32 濾過孔

Claims (3)

  1. レンズ研削加工装置によって眼鏡レンズを研削加工する際に用いられた使用済み研削水から発生する泡を除去するレンズ研削加工装置の泡除去装置において、
    前記使用済み研削水に含まれる研削屑を除去する脱水装置と、
    前記脱水装置から排出された使用済み研削水を貯留する研削水タンク内に配設され、濾過孔が形成された筐体状のサブタンクと、を備え、
    前記サブタンクに前記脱水装置を経た使用済み研削水を導入して、前記濾過孔を介して泡を分離することを特徴とするレンズ研削加工装置の泡除去装置。
  2. 前記サブタンクから抽出されて前記研削水タンクに貯留した濾過済み研削水を攪拌することを特徴とする請求項1に記載のレンズ研削加工装置の泡除去装置。
  3. 前記サブタンクから抽出した濾過済み研削水が導入される遠心分離器を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ研削加工装置の泡除去装置。




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