JP4698103B2 - 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法 - Google Patents

自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4698103B2
JP4698103B2 JP2001504777A JP2001504777A JP4698103B2 JP 4698103 B2 JP4698103 B2 JP 4698103B2 JP 2001504777 A JP2001504777 A JP 2001504777A JP 2001504777 A JP2001504777 A JP 2001504777A JP 4698103 B2 JP4698103 B2 JP 4698103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
swing arm
arm
motorcycle
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001504777A
Other languages
English (en)
Inventor
巌 宮嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to JP2001504777A priority Critical patent/JP4698103B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4698103B2 publication Critical patent/JP4698103B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K25/00Axle suspensions
    • B62K25/04Axle suspensions for mounting axles resiliently on cycle frame or fork
    • B62K25/28Axle suspensions for mounting axles resiliently on cycle frame or fork with pivoted chain-stay
    • B62K25/283Axle suspensions for mounting axles resiliently on cycle frame or fork with pivoted chain-stay for cycles without a pedal crank, e.g. motorcycles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

技術分野
本発明は自動二輪車用スイングアームに係り、特にエンジンの振動に共鳴して発生する異音を防止した自動二輪車用スイングアーム及びその製造方法に関する。
背景技術
オートバイ等の自動二輪車には、路面の凹凸によるタイヤの上下動を、車体や乗員に伝えないために、また、エンジンから発生した駆動力を後輪から十分路面に伝えるために、サスペンション装置が設けられている。サスペンション装置は、一般に、車体フロント側と、車体リア側との両方に設けられている。
車体リア側に設けられるサスペンション装置は、図22に示すように、荷重を受けるスプリング101と、スプリングの反力によって生ずる振動を吸収するショックアブソーバー102と、ホイールの移動を位置決めするスイングアーム103とから構成されている。
上記スイングアーム103は、車体フレームに軸着される一対のアーム部と、これら一対のアーム部の間を連結するボディ部とから構成されている。アーム部は、一般的に、アルミニューム引き抜き管からなる長尺部材から形成され、剛性を持たせるために車体上下方向に幅広に形成したものもある。ボディ部は、上下一対の鋳型により鋳造されるアルミニューム鋳物であり、中空部を有する箱形状に形成されている。
スイングアームは、十分な剛性を有するように構成され、例えばアルミニューム等の金属から形成されている。そして、スイングアームを軽量化するために、スイングアームに中空部を設けた技術が知られている。しかし、このようにスイングアームに中空部を設けたとき、スイングアームは、自動二輪車のエンジン近傍に配設されているため、中空部の壁面が、エンジンからの振動に対して共鳴し、走行中に騒音が発生するという不都合があった。
上記不都合を解決するため、ボディ部の上面部から、ボディ部の下面部まで延出するリブを設け、ボディ上面部と下面部を連接して強度を増加させて振動を抑制したり、或いは、アーム部またはボディ部の中空部に内壁部を設け、この内壁部により、アーム部やボディ部の振動を抑制し、共鳴を防止する構造のスイングアームが知られている。
しかし、上記構成のスイングアームを形成するためには、リブや内壁部の作製が必要であり、鋳造に用いる金型の形状が複雑になったり、鋳造工程が多くなるという問題があった。また、アーム部やボディ部に、リブや内壁部をバランス良く形成する必要があり、製造に手間を有し、コストアップの原因となっていた。
発明の開示
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、エンジンの振動に対する共鳴の発生を防止した自動二輪車用のスイングアームを提供することを目的とする。
本発明について、クレームに基づいた態様で説明する。
本発明のスイングアームは、自動二輪車のリア部に配設され、車体フレームに軸着される一対のアーム部と、一対のアーム部間を連結するボディ部とを備えている。
そして、本例のスイングアームにおいては、アーム部の中空部と、ボディ部の中空部に発泡樹脂が充填されている。
このように、スイングアームを構成するアーム部の中空部、またはボディ部の中空部に、発泡樹脂を充填した構成とされているので、エンジンからの振動がスイングアームに伝わったとき、発泡樹脂が振動を吸収し、エンジンの振動によりアーム部やボディ部が振動することがなくなり、共鳴を防止することが可能となる。
なお、発泡樹脂は、本例のように、アーム部の中空部と、ボディ部の中空部全てに充填しても良く、或いは、スイングアームにおいて最も共鳴の発生し易い箇所のみに充填しても良い。
なお、前記中空部に充填される発泡樹脂としては、例えばウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのうち少なくとも二つ以上の組合せたものを使用する。これらの発泡樹脂は、エンジンから発生する熱への耐熱性や、ガソリンなどの油に対する耐油性、コスト、耐用性において優れている。また、それぞれ異なる性質を有しているため、自動二輪車の構造や、エンジンの大きさ等に応じて、それぞれ使い分けられるものである。
なお、ウレタンフォームを使用するときは、フォーム密度が0.010〜0.100であると、エンジンの振動による共鳴をより効果的に抑制する事が出来る。また、ウレタンフォームにゴム系(固体)の粉末を混入させたものも優れた性能が発揮出来て好適であり、その場合の発泡品の密度は0.050〜0.500である事が望しい。
また、前記発泡樹脂のうちポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォームは、ビーズ発泡により形成されると好ましい。
さらにまた、本発明の自動二輪車用スイングアームは、車体フレームに軸着される一対のアーム部と、該一対のアーム部間を連結するボディ部とからなる自動二輪車用スイングアームにおいて、前記アーム部と前記ボディ部とは中空部を有し、前記アーム部の中空部と、前記ボディ部の中空部の少なくとも一部に発泡樹脂が充填され、前記発泡樹脂は、予め成形されたウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのチップ品のうち少なくとも二つ以上の組合せからなる。
なお、本発明のスイングアームの製造方法は、次の通りである。
すなわち、自動二輪車用スイングアームは、アーム部とボディ部に中空部を有し、該中空部の少なくとも一部に発泡樹脂が充填されたものであり、前記アーム部の端部から前記中空部の少なくとも一部に予め成形した発泡済みのフォーム材を充填する工程により製造するものである。
このとき、前記フォーム材は、ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのうち少なくとも二つ以上の組合せからなる。
また、前記フォーム材は、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォームをビーズ発泡したうち少なくとも二つ以上の組合せからなると好適である。
このように、予め成形されたフォーム材、ゴム系フォーム又は合成ゴム材のチップ品をスイングアームの中空部に挿入すると、工数が削減出来、効率良く製造する事が出来る。この場合にも、前述と同様に部品取り付け穴等からフォーム材のチップ品を中空部に入れるため、別途特別な穴を構成する必要がない。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本例における自動二輪車用スイングアームSは、オートバイ等自動二輪車のリアフォークとして用いられるものであり、一対のアーム部10と、アーム部10の間に位置するボディ部20とから構成されている。アーム部10は、一方の端部が車体フレーム(図示せず)に軸着され、車体フレームに対して傾動可能に支持されている。また、アーム部10の他方の端部側では、自動二輪車の後輪(図示せず)が支持されている。
アーム部10は、断面略ロ字状の長尺部材であり、剛性を確保するために、車体下方側に突出する突出部11が形成されている。また、アーム部10の一方の端部には、車体フレーム側の軸部材(図示せず)に係合するピボットパイプ10bが溶接により一体に結合され、他方の端部にはリヤーホイール10cが形成されたエンドピース10dが溶接により一体に結合されている。
アーム部10のエンドピース10d側の端部には、図2に示すように、部品取付用の孔10eが設けられている。そして、発泡樹脂をビーズ発泡によって成形する場合には、図2及び図3に示すように、この孔10eを利用して、ビーズ発泡の原料、さらには蒸気の導入等を行う。なお、孔10eは、予め成形されたフォーム材のチップ品を中空部内に導入するときにも用いることが出来る。
ボディ部20には、上方に突出して形成され、サスペンション装置のスプリング(図示せず)に連結されるブラケット(図示せず)が形成されている。ボディ部20は、内部が中空であり、車体方向左右側で、前記アーム部10に連接されている。
アーム部10及びボディ部20は、鋳造工程において一体成形される。なお、アーム部10とボディ部20とを別々に成形し、その後、溶接により接合した構成としても良いことは勿論である。
アーム部10及びボディ部20の車体上部側には、図1に示すように、複数の孔10a、孔20aが設けられている。孔10a、孔20aは、スイングアームSを車体に取り付けるときのねじ穴として使用されるが、本例では、後述するように、これら孔10a、孔20aを、スイングアームS内の中空部へ発泡樹脂の原料の導入や、蒸気を導入するときの導入口として使用する。
本例のスイングアームSのアーム部10とボディ部20には、発泡樹脂が充填されている。発泡樹脂としては、耐熱性を有するものが用いられる。すなわち、スイングアームSは、自動二輪車のエンジン近傍に配設されるため、エンジンから発生する熱により変質しない性質を有するものが望ましい。また、ガソリン等が付着したときに変質しないように、耐油性を有するものが使用される。さらに、コスト的に有利で、劣化しにくい性質であればより好適である。
上記条件を満たす発泡樹脂を得るため、数種類の原料について、比較検討した。比較における評価項目は、耐熱性、耐油性、コスト、耐用性とした。比較検討した結果、発泡樹脂としては、ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム(架橋品)、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームが適していることがわかった。なお、発泡樹脂はそれぞれ異なる特性を有しているため、自動二輪車の大きさや構造により、適切な発泡樹脂を選択する。例えばコストを重視するときには、ポリスチレンフォームを選択し、エンジンが高温になる場合には、ウレタンフォーム、ゴム系フォーム(架橋品)、ゴム系粉末を混入したウレタンフォーム、ポリエチレンフォームやポリプロピレンフォームのうち少なくとも二つ以上の組合せを選択する
または、ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォームを組合せたものに、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームを混入させても良い。
特に、ウレタンフォームは、耐熱性、耐油性を有し、低コストであり、好適である。またウレタンフォームは、アルミニュームに対する密着度が高く、機械的物性が良いため、振動を吸収しやすい特性を有している。さらに、発泡速度が比較的遅く出来るため、アーム部10及びボディ部20の内部空間において、容易に成形することが可能である。なお、このようなウレタンフォームの好適な特性を得るためには、密度0.010〜0.100の発泡状態が、より効果的である。
また、発泡樹脂としてゴム系フォームを用いたり、またはゴム系粉末を混入したウレタンフォームを混入させたものを用いると、エンジンからの振動による共鳴をより効果的に防止することが可能となる。
なお、ウレタンフォームに、ゴム系フォームまたはゴム系粉末を混入したウレタンフォームを混入させるときは、ウレタン原液を発泡させて0.050〜0.500密度のフォームを形成すると好適である。
次に、本例の自動二輪車用スイングアームSへビーズ樹脂を充填するための治具及び充填方法について、図4乃至図18において説明する。なお、図4乃至図11に示す実施例では、スイングアームSに発泡ビーズを導入し、発泡ビーズを蒸気により加熱して、発泡樹脂を形成する例について説明する。ここでいう、発泡ビーズは、ペレットまたは粉末に、予め発泡剤を配合したものをいう。この発泡ビーズは、発泡剤等の分散がよく、均一なセル構造のフォームを形成することができる。
発泡樹脂充填のための治具としては、図4及び図5に示すように、原料タンクから延出されるホースと連結され、スイングアームSへ発泡ビーズを導出する原料導入具31と、発泡ビーズを加熱するための蒸気を注入する蒸気注入具32とを用いる。
原料導入具31は、図4に示すように、原料タンクから延出するホースと連結される連結口31aと、スイングアームSのアーム部10に設けられた孔10aに係合する原料排出口31bとを有している。
蒸気注入具32は、図5に示すように、蒸気発生器から延出するホースと連結する連結口32aと、スイングアームSの部品取付用の孔10eに挿入される一対の蒸気パイプ32bとを有している。蒸気パイプ32bには、蒸気注入用の複数の小孔が設けられている。
次に、上記治具31、32を用いて、スイングアームSの内部空間に発泡樹脂を充填する方法について説明する。
まず、第1工程として、図6に示すように、スイングアームSに設けられた孔10a、20aのうち、ビーズ発泡の原料が注入される孔以外の孔について、メッシュシートで塞ぐ。これは、孔10a及び20aから、注入された発泡ビーズが漏れないようにするためである。なお、メッシュシートで塞ぐのは、原料充填機がコンプレッサーエアーにより作動し、原料がそのエアー圧により流入するため、エアー抜きが必要なためである。
第2工程として、発泡ビーズを導入する。すなわち、図7に示すように、原料導入具31の原料排出口31bと、メッシュシートで塞がれていないスイングアームSの孔10aを係合させ、原料充填機を作動させて発泡ビーズを導入する。
第3工程として、蒸気を注入し、スイングアームS内の空間に注入された発泡ビーズを加熱・発泡させる。蒸気は、図8に示すように、部品取付用の孔10eより、蒸気注入具32の蒸気パイプ32bを挿入して注入される。発泡が完了したら、図9に示すように、スイングアームS内から蒸気パイプ32bを引き抜く。
なお、蒸気パイプ32bから離れた位置にあり、十分に発泡できなかった箇所については、図10に示すように、近傍の孔10aまたは孔20aから蒸気注入具32の蒸気パイプ32bを挿入して加熱する。
第4工程として、図11に示すように、蒸気パイプ32bを挿入した側を下に向け、排水及び乾燥を行う。このようにして、アーム部10及びボディ部20に、ビーズ発泡樹脂が充填されたスイングアームSが完成する。
図12乃至図17は、スイングアームSへの発泡樹脂の充填治具及び充填方法の他の実施例を示す説明図である。図12乃至図17に示す実施例では、スイングアームSに設けられている孔10aまたは孔20aに部品が取り付けられており、孔10aまたは孔20aからの原料導入及び蒸気注入が不可能であるため、原料の導入と蒸気の注入とを、図13に示す部品取付用の孔10eから行う例を示している。
この例では、発泡ビーズを手作業によりスイングアームS内へ導入するため、治具としては、図12に示す蒸気注入具33のみを用いる。蒸気注入具33は、蒸気発生器から延出するホースと連結する連結口33aと、スイングアームSの部品取付用の孔10eに挿入される蒸気パイプ33bとを有している。蒸気パイプ33bには、蒸気注入用の複数の小孔が設けられている。
本例では、スイングアームSの孔10aまたは孔20aに部品が取り付けられており、所望の孔から蒸気パイプを挿入して、未発泡箇所に再度加熱を施すことが不可能であるため、蒸気注入具33の蒸気パイプ33bは、スイングアームSの端末まで蒸気が行き渡るように長めに形成されている。
次に、上記治具33を用いて、スイングアームSの内部空間に発泡樹脂を充填する方法について説明する。
まず、第1工程として、原料が注入される導入口以外に開口部が有る場合は、開口部をメッシュシートで塞ぐ。このようにして、スイングアームS内に導入された発泡ビーズが漏れないようにする。
第2工程として、発泡ビーズを導入する。発泡ビーズの導入は、図14に示すように、部品取付用の孔10eを上に向け、部品取付用の孔10eから手作業により導入される。
第3工程として、蒸気を注入し、スイングアームS内の空間に注入された発泡ビーズを加熱・発泡させる。蒸気は、図15に示すように、部品取付用の孔10eより、蒸気注入具33の蒸気パイプ33bを挿入して注入される。発泡が完了したら、図16に示すように、スイングアームS内から蒸気パイプ33bを引き抜く。
第4工程として、図17に示すように、蒸気パイプ33bを挿入した側を下に向け、排水及び乾燥を行う。このようにして、アーム部10及びボディ部20に、ビーズ発泡樹脂が充填されたスイングアームSが完成する。
なお、上記各実施例では、図1に示すように、スイングアームSのアーム部10と、ボディ部20の略全体に発泡樹脂を充填した構成としているが、発泡樹脂の充填箇所としては、共鳴の起こりやすい箇所、例えばボディ部20と、その近傍箇所のみに、発泡樹脂を充填した構成としても良い。
なお、スイングアームS内空間の一部のみに発泡樹脂を充填する場合は、スイングアームS形成時に、発泡樹脂が充填される空間と、発泡樹脂が充填されない空間との間に、予め壁部を形成しておけば、所望の箇所に適切に発泡樹脂を充填することが可能となり好適である。
本例では、治具として、原料導入具(図示せず)の他、図17に示すように、蒸気注入具34と蒸気吸引具35とを用いる。蒸気注入具34は、蒸気発生器から延出するホースと連結する連結口34aと、スイングアームSの孔10aまたは孔20aに挿入される複数本の蒸気パイプ34bとを有している。蒸気パイプ34bには、蒸気注入用の複数の小孔が設けられている。
蒸気吸引具35は、スイングアームS内に注入された余剰な蒸気を吸引するためのものであり、外部のホースと連結される連結口35aと、スイングアームSの孔10aまたは孔20aに挿入される複数本の吸引パイプ35bとを有している。蒸気パイプ35bには、蒸気吸引用の複数の小孔が設けられている。
また、本例の発泡樹脂の充填方法を実施するために、スイングアームSには、図18に示すように、蒸気注入具34及び蒸気吸引具35のパイプが挿入される複数の孔10a及び孔20aが多数設けられる。
本例における発泡樹脂の充填方法は、蒸気による加熱工程において特徴を持つものである。すなわち、スイングアームS内に導入された発泡ビーズを加熱するとき、図17に示すように、スイングアームSの孔10aまたは孔20aに、蒸気注入具34の蒸気パイプ34bと、蒸気吸引具35の吸引パイプ35bとの両方を挿入し、蒸気の注入と、蒸気の吸引を同時に行うようにする。
このように、本例の加熱方法によれば、スイングアームSの内部に均等に蒸気を行き渡らせることができ、また、蒸気の冷却による水分を吸引し、スイングアームS内部へ過剰な水分が付着するのを防止することが可能となる。
なお、図18のように、スイングアームSに、複数の孔をある程度のピッチで開けることが可能である場合は、図17で示すような、蒸気注入具34及び蒸気吸引具35を挿入して蒸気を注入・吸引する方式ではなく、チャンバー方式としても良い。このようにチャンバー方式を採用することにより、蒸気パイプや吸引パイプ挿入の手間が省くことができ作業性が向上するとともに、蒸気孔が均等に開いていれば、品質を向上させることも可能となる。
図19及び図20は、スイングアームSへの発泡樹脂の充填方法のさらにまた他の実施例を示す説明図である。図19及び図20に示す実施例では、上記した発泡ビーズを使用する方法ではなく、スイングアームSへウレタンフォーム等の発泡樹脂を充填するものである。本例において、使用する発泡樹脂は、ウレタンフォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームなどである。
上記発泡樹脂の原料は、図20で示すような治具36を介して導入される。治具36は、図20に示すように、フォーム材を受け入れる受入口36aと、スイングアームS側へフォーム材を排出する排出口36bとを有している。治具36は、部品取付用の孔10eに隣接して設けられた凹部に配置可能であるとともに、部品取付用の孔10eへフォーム材を導入可能に構成されている。
さらに、図21は他の例を示すものであり、フロート或いはチューブ等により直接注入するように構成してもよい。つまり、治具36の代わりに、注入機の先端にチューブ37を取り付け、このチューブ37の先端を部品取付用の孔10eから中空部に入れて、発泡樹脂を充填するものである。
なお、本実施例では、フォーム材として、例えば、ウレタンフォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームを使用しているが、これらの各発泡樹脂を組合せた材料を使用することもできるのは勿論である。
なお、上記各実施例において、発泡樹脂が充填された後の、スイングアームSの冷却、乾燥については、各実施例に示すように自然に行っても良いが、真空放冷を行えば、短時間で、効率良く、冷却及び乾燥を行うことが可能となる。
さらに、上記実施例では、スイングアームの中空部でフォーム材等を発泡させる例を示したが、予め成形されたフォーム材をスイングアームの中空部に充填することにより製造することが可能である。この場合のフォーム材としては、前記実施例で用いたものを、予め成形しておいて、チップ品として、充填するように構成することができる。このチップ品としては、各種フォーム製品によって、余剰品として生産されたものや、成形するときに生じる屑チップ品等を利用することが可能であり、廃品を利用することが可能となる。
産業上の利用性
本発明によれば、スイングアームを構成するアーム部の中空部、またはボディ部の中空部に、発泡樹脂を充填した構成とされているので、エンジンからの振動がスイングアームに伝わったとき、発泡樹脂が振動を吸収し、エンジンの振動によりアーム部やボディ部が振動することがなくなり、共鳴を防止することが可能となる。
なお、前記中空部に充填される発泡樹脂としては、例えばウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのうち少なくとも二つ以上を組み合わせたものを使用する。これらの発泡樹脂は、エンジンから発生する熱への耐熱性や、ガソリンなどの油に対する耐油性、コスト、耐用性において、それぞれ異なる性質を有しており、自動二輪車の構造や、エンジンの大きさ等に応じて、それぞれ使い分けられるものである。
【図面の簡単な説明】
図1は発泡樹脂が充填された状態のスイングアームを示す説明図;
図2は図1の要部拡大図;
図3は図1の要部拡大図;
図4はビーズ発泡樹脂の充填に使用する治具を示す説明図;
図5はビーズ発泡樹脂の充填に使用する治具を示す説明図;
図6はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図7はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図8はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図9はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図10はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図11はビーズ発泡樹脂充填の手順を示す説明図;
図12はビーズ発泡樹脂の他の充填治具の実施例を示す説明図;
図13はビーズ発泡樹脂の充填方法の他の実施例を示す説明図;
図14はビーズ発泡樹脂の充填方法の他の実施例を示す説明図;
図15はビーズ発泡樹脂の充填方法の他の実施例を示す説明図;
図16はビーズ発泡樹脂の充填方法の他の実施例を示す説明図;
図17はビーズ発泡樹脂の充填方法の他の実施例を示す説明図;
図18は図12〜図17の例で使用されるスイングアームを示す説明図;
図19はウレタンフォーム等の発泡樹脂の充填治具及び充填方法のさらに他の実施例を示す説明図;
図20は図19の実施例における治具の拡大図;
図21はウレタンフォーム等の発泡樹脂の充填方法のさらにまた他の実施例を示す説明図;
図22は一般的なスイングアームを備えた自動二輪車を示す説明図;
である。

Claims (7)

  1. 車体フレームに軸着される一対のアーム部と、該一対のアーム部間を連結するボディ部とからなる自動二輪車用スイングアームにおいて、
    前記アーム部と前記ボディ部とは中空部を有し、前記アーム部の中空部と、前記ボディ部の中空部の少なくとも一部に発泡樹脂が充填され
    前記発泡樹脂はウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのうち少なくとも二つ以上の組合せからなることを特徴とする自動二輪車用スイングアーム。
  2. 前記ウレタンフォームの密度は0.010〜0.100の密度であることを特徴とする請求項記載の自動二輪車用スイングアーム。
  3. 前記ゴム系粉末を混入したウレタンフォームは、0.050〜0.500の密度であることを特徴とする請求項記載の自動二輪車用スイングアーム。
  4. 前記発泡樹脂のうちポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォームは、ビーズ発泡により形成されることを特徴とする請求項記載の自動二輪車用スイングアーム。
  5. 車体フレームに軸着される一対のアーム部と、該一対のアーム部間を連結するボディ部とからなる自動二輪車用スイングアームにおいて、
    前記アーム部と前記ボディ部とは中空部を有し、前記アーム部の中空部と、前記ボディ部の中空部の少なくとも一部に発泡樹脂が充填され、
    前記発泡樹脂は、予め成形されたウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのチップ品のうち少なくとも二つ以上の組合せからなることを特徴とする自動二輪車用スイングアーム。
  6. アーム部とボディ部に中空部を有し、該中空部の少なくとも一部に発泡樹脂が充填された自動二輪車用スイングアームの製造方法であって、
    前記アーム部の端部から前記中空部の少なくとも一部に予め成形されたフォーム材を充填する工程、を備え
    前記フォーム材は、ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォーム、ゴム系フォーム、ゴム系粉末を混入したウレタンフォームのうち少なくとも二つ以上の組合せからなることを特徴とする自動二輪車用スイングアームの製造方法。
  7. 前記フォーム材は、ポリプロピレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリロニトリル−スチレン樹脂フォームをビーズ発泡したうち少なくとも二つ以上の組合せからなることを特徴とする請求項記載の自動二輪車用スイングアームの製造方法。
JP2001504777A 1999-06-23 2000-06-23 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法 Expired - Fee Related JP4698103B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001504777A JP4698103B2 (ja) 1999-06-23 2000-06-23 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999177363 1999-06-23
JP17736399 1999-06-23
PCT/JP2000/004137 WO2000078596A1 (fr) 1999-06-23 2000-06-23 Bras oscillant de motocyclette et son procede de fabrication
JP2001504777A JP4698103B2 (ja) 1999-06-23 2000-06-23 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP4698103B2 true JP4698103B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=16029661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001504777A Expired - Fee Related JP4698103B2 (ja) 1999-06-23 2000-06-23 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1122160A4 (ja)
JP (1) JP4698103B2 (ja)
HK (1) HK1039304A1 (ja)
WO (1) WO2000078596A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10114486A1 (de) * 2001-03-24 2002-09-26 Schauff Hans Durch Metallschaum verstärkte Fahrradkomponenten

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61205119A (ja) * 1985-03-07 1986-09-11 Toyota Motor Corp 発泡体の充填方法
JPS6277292A (ja) * 1985-09-30 1987-04-09 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車のフレ−ム
JPS63166679A (ja) * 1986-12-27 1988-07-09 本田技研工業株式会社 自動二輪車等のスイングア−ム
JPS63268551A (ja) * 1987-04-24 1988-11-07 Suzuki Motor Co Ltd 軽合金鋳物
JPH01106390U (ja) * 1988-01-11 1989-07-18
JPH01297387A (ja) * 1988-05-24 1989-11-30 Honda Motor Co Ltd 小型車輌の中空車体フレーム
JPH0516287U (ja) * 1991-05-31 1993-03-02 三菱自動車工業株式会社 発泡硬化型制振材
JPH05139361A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Kawasaki Heavy Ind Ltd 繊維強化合成樹脂製スイングアームとその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63203481A (ja) * 1987-02-17 1988-08-23 Nissan Motor Co Ltd 自動車の車体剛性の向上方法
EP0322305B1 (en) * 1987-12-21 1994-04-06 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Body frame for motor-bicycle
JP2995195B2 (ja) * 1989-11-30 1999-12-27 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車のリヤアーム構造
JPH06298149A (ja) * 1993-04-13 1994-10-25 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車用リヤアーム
JP3954119B2 (ja) * 1995-01-21 2007-08-08 イイダ産業株式会社 加熱発泡充填補強材及び同加熱発泡充填補強材を用いた閉断面構造部材補強構造

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61205119A (ja) * 1985-03-07 1986-09-11 Toyota Motor Corp 発泡体の充填方法
JPS6277292A (ja) * 1985-09-30 1987-04-09 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車のフレ−ム
JPS63166679A (ja) * 1986-12-27 1988-07-09 本田技研工業株式会社 自動二輪車等のスイングア−ム
JPS63268551A (ja) * 1987-04-24 1988-11-07 Suzuki Motor Co Ltd 軽合金鋳物
JPH01106390U (ja) * 1988-01-11 1989-07-18
JPH01297387A (ja) * 1988-05-24 1989-11-30 Honda Motor Co Ltd 小型車輌の中空車体フレーム
JPH0516287U (ja) * 1991-05-31 1993-03-02 三菱自動車工業株式会社 発泡硬化型制振材
JPH05139361A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Kawasaki Heavy Ind Ltd 繊維強化合成樹脂製スイングアームとその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
HK1039304A1 (zh) 2002-04-19
WO2000078596A1 (fr) 2000-12-28
EP1122160A1 (en) 2001-08-08
EP1122160A4 (en) 2006-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6921127B2 (en) Structural part for a motor vehicle
US8668046B2 (en) Baffle
JP4976147B2 (ja) クリップ取付座、および、内装材
US20040160088A1 (en) Front end module
JP2002512144A (ja) 自動車ランニングボード
JP5877577B2 (ja) 自動車用燃料タンク
SE530164C2 (sv) Interiörmaterial,stomdel för panelformning, och tillverkningsförfarande för interiörmaterial
JP3760099B2 (ja) 嵌込み遮蔽エレメント
GB2393164A (en) Fuel tank baffle with weld feet
US20210347235A1 (en) A thermoplastic liftgate arrangement having blow molded reinforcements
JP2001199287A (ja) 吸音構造体
JP4698103B2 (ja) 自動二輪車用スイングアーム及び自動二輪車用スイングアームの製造方法
JP2978979B2 (ja) 内方に位置する支持フレームを備えた中空部体
US6557627B2 (en) Blow-molded radiator fan carrier
JP5718106B2 (ja) クリップ取付座、及び、内装材
Jansz Polypropylene in automotive applications
JP4071128B2 (ja) 補強材組成物、補強材、車体補強方法および車体補強構造
US7445734B2 (en) Fillable and stiffened rearview mirror assembly
JP3950041B2 (ja) 二重管部材の成形方法及び二重管部材
JP2001242873A (ja) 防音材
JP3645599B2 (ja) ドアパネル及び発泡複合体の製造方法
KR101550416B1 (ko) 하이브리드 범퍼
CN109562791B (zh) 用于机动车的塑料的消声构件的制造方法
JP3994334B2 (ja) リィンフォースバー
JP5139839B2 (ja) バンパリインホース及び車両用バンパ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110301

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees